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特開2024-49338複数デバイス取り外し・取り付けツール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049338
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】複数デバイス取り外し・取り付けツール
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/155 20060101AFI20240402BHJP
   B25B 23/16 20060101ALI20240402BHJP
   B25B 13/48 20060101ALI20240402BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240402BHJP
【FI】
B25B23/155
B25B23/16 Z
B25B13/48 Z
G01N27/62 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135722
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】17/955,440
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ディー・ルークス
【テーマコード(参考)】
2G041
3C038
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041DA14
3C038AA06
3C038BC01
3C038DA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スキマーコーン並びに/又はサンプラーコーンを把持し、取り外し、洗浄及び/若しくは修理を含み得る保守活動、並びに再取り付け活動中にコーンのデリケートな部分を保護する技術を提供する。
【解決手段】複数デバイス取り外し・取り付けツールは、第1のデバイスを取り外し可能に受容する第1の寸法の第1の受容部を有する第1の部分と、第2のデバイスを取り外し可能に受容する第2の寸法の第2の受容部を有する第2の部分とを含むデバイス取り外しツールを含み得る。第1の寸法は、第2の寸法と異なっていてもよい。トルク制限ツールは、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第1の回転方向に、第1のデバイスに締め付けトルクを印加し得る。更に、トルク制限ツールは、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第2の回転方向に、第1のデバイスに緩みトルクを印加し得る。第2の回転方向は、第1の回転方向と概ね反対であり得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数デバイス取り外し・取り付けツールであって、
デバイス取り外しツールと、
トルク制限ツールと、
を備え、
前記デバイス取り外しツールは、
第1のデバイスを取り外し可能に受容する第1の寸法の第1の受容部を有する第1の部分と、
第2のデバイスを取り外し可能に受容する第2の寸法の第2の受容部を有する第2の部分と、
を備え、前記第1の寸法は、前記第2の寸法とは異なっており、
前記トルク制限ツールは、
前記トルク制限ツール及び前記デバイス取り外しツールの第1の回転方向に締め付けトルクを前記第1のデバイスに印加するためのものであり、かつ、
前記トルク制限ツール及び前記デバイス取り外しツールの第2の回転方向に緩みトルクを前記第1のデバイスに印加するためのものであり、前記第2の回転方向は、前記第1の回転方向と概ね反対である、
複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項2】
前記第1のデバイスは、装置のスキマーコーンを含み、前記第2のデバイスは、前記装置のサンプラーコーンを含み、前記装置は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)装置を含む、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項3】
前記デバイス取り外しツールは、前記第1のデバイスに印加される前記締め付けトルクを制限するために、トルク閾値を超える前記締め付けトルクの印加時に撓む少なくとも1つのトルクビームを更に備える、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項4】
前記少なくとも1つのトルクビームは、前記トルク制限ツールの少なくとも1つの突出部に係合する、請求項3に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項5】
前記第2の受容部から前記第2のデバイスを取り出すために移動可能なタブを含む少なくとも1つのデバイスイジェクタを更に備える、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項6】
前記第1の受容部及び前記第2の受容部は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを所定の高さで保持するように寸法決めされている、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項7】
前記トルク制限ツールは、前記第1のデバイスに対する前記トルク制限ツールの回転時に前記第1のデバイスの少なくとも1つの相補的な穴に係合するようにばねで付勢される少なくとも1つのトルク制限ツールピンを更に備える、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項8】
前記トルク制限ツールは、円錐形状のハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために前記ハンドルの少なくとも拡大部分にローレット加工された表面を含む、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項9】
前記トルク制限ツールは、プリントされたハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために卵形状のプリント面を含む、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項10】
前記デバイス取り外しツールは、前記デバイス取り外しツールを前記トルク制限ツールに結合するために、前記トルク制限ツールのリテーナのチャネルと係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に備える、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項11】
前記デバイス取り外しツールは、前記デバイス取り外しツールを前記トルク制限ツールに結合するために、前記トルク制限ツールのディスクと係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に備える、請求項1に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項12】
複数デバイス取り外し・取り付けツールであって、
デバイス取り外しツールと、
少なくとも1つの突出部を含み、前記デバイス取り外しツールと取り外し可能に係合可能なトルク制限ツールと、
を備え、
前記デバイス取り外しツールは、複数のキャッチ部材とデバイスの係合面との係合時に、前記デバイス取り外しツールを前記デバイスに取り付けるために、前記デバイスの前記係合面と係合可能な前記複数のキャッチ部材を含み、
前記複数のキャッチ部材は、前記複数のキャッチ部材と前記係合面との係合時に、前記デバイスを装置から取り外すのに十分な取り外し力で前記係合面に係合する、
複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項13】
前記トルク制限ツールは、前記デバイスに対する前記トルク制限ツールの回転時に前記デバイスの少なくとも1つの相補的な穴に係合するようにばねで付勢された少なくとも1つのトルク制限ツールピンを更に備える、請求項12に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項14】
前記トルク制限ツールは、円錐形状のハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために前記ハンドルの少なくとも拡大部分にローレット加工された表面を含む、請求項12に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項15】
前記トルク制限ツールは、プリントされたハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために卵形状のプリント面を含む、請求項12に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項16】
前記デバイス取り外しツールは、前記デバイス取り外しツールを前記トルク制限ツールに結合するために、前記トルク制限ツールのリテーナのチャネルと係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に備える、請求項12に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項17】
前記デバイス取り外しツールは、前記デバイス取り外しツールを前記トルク制限ツールに結合するために、前記トルク制限ツールのディスクと係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に備える、請求項12に記載の複数デバイス取り外し・取り付けツール。
【請求項18】
トルク制限ツールであって、
少なくとも1つの突出部を有するリテーナと、
内面及び外面を有する駆動部材と、
前記内面に配置された少なくとも1つのデテントと、
デバイスに対する前記トルク制限ツールの回転時に前記デバイスの少なくとも1つの相補的な穴に係合するようにばねで付勢された少なくとも1つのトルク制限ツールピンと、
を備える、トルク制限ツール。
【請求項19】
円錐形状のハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために前記ハンドルの少なくとも拡大部分にローレット加工された表面を含む、請求項18に記載のトルク制限ツール。
【請求項20】
プリントされたハンドルを更に備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの把持を容易にするために卵形状のプリント面を含む、請求項18に記載のトルク制限ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数デバイス取り外し・取り付けツールに関する。
[優先権]
本出願は、2021年3月16日に出願された、「MULTI-DEVICE REMOVAL AND INSTALLATION TOOL」と題する、同一出願人による同時係属中の米国特許出願第17/203,521号の優先権を主張し、その一部継続(CIP)であり、この米国特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
様々な製品設計、開発、製造、及び利用環境において、デバイスに対して様々な操作を行う必要があり得る。例えば、デバイスを把持し、検査、清掃、修理、及び/又は利用のために保守用の場所又は別の場所に移動し、更に元の場所又は別の場所に戻す必要があり得る。別の例によれば、装置は、把持して取り外し、洗浄及び/若しくは修理を含んでもよい保守活動のために検査し、装置に再び取り付け、並びに/又は必要に応じて別の場所に移動する必要があり得る様々なデバイスを含んでいてもよい。
【0003】
典型的には、使用者はデバイスを把持し、洗浄及び/若しくは修理を含む保守活動のためにデバイスを検査し、デバイスを装置に再び取り付け、かつ/又はデバイスを別の場所に移動することができる。場合によっては、デバイスは損傷を受けやすいデリケートな部分を含むことがある。この点に関して、把持、取り外し、清掃、修理、再取り付け、及び/又は利用を含んでいてもよい活動、並びに他の種類の活動中に、デバイスのデリケートな部分を保護することは技術的に困難であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の特徴は、同様の符号は同様の要素を示す、以下の図において、例として示されており、これらの図に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の一実施例による、複数デバイス取り外し・取り付けツール(multi-device removal and installation tool)のデバイス取り外しツール(device removal tool)の第1の実施形態とトルク制限ツール(torque limit tool)の第1の実施形態との等角図である。
図2】本開示の一実施例による、図1の複数デバイス取り外し・取り付けツールによって取り外し可能な第1のデバイス及び第2のデバイスを含む装置の斜視図(透視図)、並びに第1のデバイス、第2のデバイス、及び関連構成部品の拡大分解図である。
図3】本開示の一実施例による、第1のデバイスを取り外し可能に受容する第1の寸法を有する第1の受容部を有する第1の部分(first side)を示す、図1のデバイス取り外しツールの等角図である。
図4】本開示の一実施例による、第2のデバイスを取り外し可能に受容する第2の寸法を有する第2の受容部を有する第2の部分(second side)を示す、図1のデバイス取り外しツールの等角図である。
図5】本開示の一実施例による、概ね図1の線5-5に沿ってとられ、第1の受容部に取り外し可能に受容された第1のデバイスを含む、図1のデバイス取り外しツールの断面図である。
図6】本開示の一実施例による、概ね図1の線6-6に沿ってとられ、第2の受容部に取り外し可能に受容された第2のデバイスを含む、図1のデバイス取り外しツールの断面図である。
図7】本開示の一実施例による、図1のトルク制限ツールの分解等角図である。
図8】本開示の一実施例による、デバイス取り外しツールの複数のトルクビーム及びトルク制限ツールの複数の突出部の動作を説明するために、第1の受容部の一部が取り除かれている、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール及びトルク制限ツールの概略的断面図である。
図9】本開示の一実施例による、デバイス取り外しツールのトルクビーム及びトルク制限ツールの突出部の動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール及びトルク制限ツールの概略断面図である。
図10】本開示の一実施例による、概ね図1の線10-10に沿ってとられ、駆動部材の向きを制御するためのボール及びデテント(detent)の拡大図を含む、トルク制限ツールの断面図である。
図11】本開示の一実施例による、第1のデバイスを回転させるためのトルク制限ツールピン、及びトルク制限ツールをデバイス取り外しツールに取り付けるためのクリップの動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール及びトルク制限ツールの概略断面図である。
図12A】本開示の一実施例による、デバイス取り外しツールの分離ビームの動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール及びトルク制限ツールの概略断面図である。
図12B】本開示の一実施例による、デバイス取り外しツールの分離ビームの動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール及びトルク制限ツールの概略断面図である。
図13】本開示の一実施例による、第1のデバイスを取り外し可能に受容する受容部を有する部分(side)を示す、デバイス取り外しツールの第2の実施形態の等角図である。
図14】本開示の一実施例による、トルク制限ツールの第2の実施形態をデバイス取り外しツールの第2の実施形態に取り付けるためのキャッチ部材の動作を示す、取り付け済み構成におけるデバイス取り外しツールの第2の実施形態及びトルク制限ツールの第2の実施形態の概略断面図である。
図15】本開示の一実施例による、ローレット(ナーリング)加工されたハンドルを示す、トルク制限ツールの第3の実施形態の等角図である。
図16】本開示の一実施例による、トルク制限ツールのトルク制限ツールピンの動作を示す、トルク制限ツールの第1の実施形態、第2の実施形態及び/又は第3の実施形態に適用可能であり得る、トルク制限ツールの一実施形態の概略断面図である。
図17】本開示の一実施例による、トルク制限ツールの第3の実施形態をデバイス取り外しツールの第2の実施形態に取り付けるためのキャッチ部材の動作を示す、取り付け済み構成におけるデバイス取り外しツールの第2の実施形態及びトルク制限ツールの第3の実施形態の概略断面図である。
図18】本開示の一実施例による、プリントされたハンドルを示す、トルク制限ツールの第1の実施形態、第2の実施形態及び/又は第3の実施形態に適用可能であり得る、トルク制限ツールの一実施形態の等角図である。
図19】本開示の一実施例による、図18のプリントされたハンドルの別の等角図である。
図20】本開示の一実施例による、プリントされたノブへの図18のプリントされたハンドルの挿入を示す図である。
図21】本開示の一実施例による、機械加工されたトルク制限ツールから、組み立てられたプリントされたアセンブリへの、中心ピンアセンブリ(センターピンアセンブリ)の移送の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
簡略化及び例示の目的で、本開示は、主に実施例を参照して説明される。以下の説明では、本開示を完全に理解するために、複数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、本開示は、これらの具体的な詳細に限定されることなく実施され得ることは容易に明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にしないように、いくつかの方法及び構造は詳細に記載されていない。
【0007】
本開示全体を通じて、用語「a」及び「an」は、特定の要素の少なくとも1つを示すことを意図している。本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」は、含むことを意味するがそれに限定されない。用語「含んでいる(including)」は、含んでいることを意味するがそれに限定されない。用語「に基づく」は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。
【0008】
本明細書で開示されるように、デバイス(機器)を把持し、検査、清掃、修理、及び/若しくは利用のために保守若しくは別の場所に移動し、かつ/又は必要に応じて元の場所若しくは別の場所に戻す必要があり得る。例えば、装置は、把持して取り外し、洗浄及び/又は修理を含んでもよい保守活動のために検査し、装置に再び取り付け、必要に応じて別の場所に移動する必要があり得る様々なデバイスを含んでいてもよい。一実施例では、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS:inductively coupled plasma mass spectrometry)装置を含む装置において、スキマーコーン(skimmer cone)及び/又はサンプラーコーン(sampler cone)のようなデバイスは、把持されて、装置から取り外され、洗浄及び/若しくは修理を含んでもよい保守活動のために検査され、装置に再び取り付けられる必要があり得る。ICP-MS装置は、誘導結合プラズマを利用して試料をイオン化することができ、スキマーコーン及びサンプラーコーンは、それぞれ、装置のプラズマ側と検出器側との間に配置されている。スキマーコーン及びサンプラーコーンは、インタフェースコーンと呼ばれることもある。ICP-MS装置の使用者は、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンを把持し、洗浄及び/又は修理を含む保守活動のためにコーンを検査し、ICP-MS装置にコーンを再び取り付けることができる。スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンは、コーンのねじ部(ねじ山)、コーンの先端など、損傷を受けやすいデリケートな部分を含むことがある。この点に関して、スキマーコーン並びに/又はサンプラーコーンを把持し、取り外し、洗浄及び/若しくは修理を含み得る保守活動、並びに再取り付け活動中にコーンのデリケートな部分を保護することは技術的に困難であり得る。
【0009】
少なくとも前述の技術的課題に対処するために、複数デバイス取り外し・取り付けツールは本明細書に開示され、ICP-MS装置を含んでいてもよい装置の、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンを含み得るデバイスを取り外し、保持し、再び取り付けるためのデバイス取り外しツールを含んでいてもよい。複数デバイス取り外し・取り付けツールは、装置へのデバイスの取り付け中にデバイスに印加され得るトルクを制限するためのトルク制限ツールを更に含んでいてもよい。デバイス取り外しツールは、サンプラーコーンを含んでいてもよいデバイスを取り外し、保持し、再び取り付けるために独立して利用してもよい。スキマーコーンを含んでいてもよいデバイスについては、デバイス取り外しツールは、スキマーコーンを取り外し、保持し、装置に再び取り付けるためのトルク制限ツールと併せて利用してもよい。デバイスの保持に関して、デバイス取り外しツールは、例えば、装置から保守場所へのデバイスの輸送中にデバイスを保持するために、本明細書で開示するように構成され得る。保守場所では、検査、洗浄などの様々な作業がデバイスに対して行われてもよい。これらの作業中、デバイスがデバイス取り外しツールに保持され得、その結果、デバイスのデリケートな部分がデバイス取り外しツール及び/又はトルク制限ツールから接触されないままであるようにデバイスが機械的に保護され得る。これらの作業の完了後、デバイスは、装置に再び取り付けられるまで、デバイス取り外しツールに保持され続けられても、さもなければ、デバイスは、必要に応じてデバイス取り外しツール内にある状態で保管されてもよい。
【0010】
本明細書に開示される実施例によれば、複数デバイス取り外し・取り付けツールは、複数のキャッチ部材(捕捉部材)とデバイスの係合面との係合時に、デバイス取り外しツールをデバイスに取り付けるために、デバイスの係合面と係合可能な複数のキャッチ部材を含むデバイス取り外しツールを含んでいてもよい。複数のキャッチ部材は、複数のキャッチ部材と係合面との係合時に、デバイスを装置から取り外すのに十分な取り外し力で係合面に係合することができる。例えば、本明細書に開示されるように、取り外し力は、ICP-MS装置のスキマーコーン及び/又はサンプラーコーンを含んでいてもよいデバイスに対して、デバイス取り外しツールの中心軸に対して垂直な20G以上の力(20Gの力又は20Gより大きな力)であってもよい。
【0011】
キャッチ部材に関して、本明細書に開示される実施例によれば、複数のキャッチ部材は、3つ以上のキャッチ部材(3つのキャッチ部材又は3つより多くのキャッチ部材)を含んでいてもよい。例えば、本明細書に開示されるデバイス取り外しツールの特定の構成では、複数のキャッチ部材は、ICP-MS装置を含む装置のスキマーコーンを含むデバイスの係合面と係合可能な4つのキャッチ部材を含んでいてもよい。本明細書に開示される別の実施例では、複数のキャッチ部材は、ICP-MS装置を含む装置のサンプラーコーンを含むデバイスの係合面と係合可能な6つのキャッチ部材を含んでいてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、本開示の範囲から逸脱することなく、デバイス取り外しツールをデバイスに取り付けるために必要に応じてキャッチ部材の数を増加又は減少させてもよいことを理解するであろう。更に、当業者であれば、本開示の観点から、デバイスが、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールによって把持及び移動され得る任意のタイプのデバイスを含んでいてもよいことを理解するであろう。
【0012】
係合面に関して、本明細書に開示される実施例によれば、サンプラーコーンを含むデバイスの場合、係合面は、複数のキャッチ部材と係合するチャネル(溝)を含んでいてもよい。例えば、係合面は、V字形、U字形、又は別のタイプのチャネルを含んでいてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、チャネルの形状は、本開示の範囲から逸脱することなく、キャッチ部材と係合する任意の構成で形成されてもよいことを理解するであろう。
【0013】
本明細書に開示される実施例によれば、トルク制限ツールは、少なくとも1つの突出部を含んでいてもよく、デバイス取り外しツールと取り外し可能に係合可能であってもよい。トルク制限ツールは、少なくとも1つの突出部によって、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第1の回転方向に、デバイスに締め付けトルク(tightening torque)を印加してもよい。更に、トルク制限ツールは、少なくとも1つの突出部によって、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第2の回転方向に、デバイスに緩みトルク(loosening torque)を印加してもよい。第2の回転方向は、第1の回転方向と概ね反対(逆)であってもよい。
【0014】
本明細書に開示される実施例によれば、少なくとも1つの突出部は、トルク閾値を超える締め付けトルクの印加時に、デバイスに印加される締め付けトルクを制限するために少なくとも1つのトルクビームを撓ませるように(換言すれば、反らせるように、又は、変位させるように)デバイス取り外しツールの少なくとも1つのトルクビームと係合可能であってもよい。このようにして、本明細書で開示されるように、トルクビームは、デバイスが回転可能に装置に再び取り付けられるときに、デバイスの締め過ぎを防止してもよい。
【0015】
本明細書に開示された実施例によれば、トルク制限ツールは、少なくとも1つの突出部を有するリテーナ(保持部)を含んでいてもよい。リテーナは、デバイスの係合面に係合するデバイス取り外しツールに取り外し可能に係合可能であってもよい。トルク制限ツールは、内面及び外面を有する駆動部材を含んでいてもよい。更に、トルク制限ツールは、内面に配置された少なくとも1つのデテント(移動止め、戻り止め)を含んでいてもよい。トルク制限ツールは、てこツール(レバレッジツール)と係合する少なくとも1つの係合部分を含んでいてもよい。例えば、係合部分は、トルク制限ツールを回転させるためにてこツールが挿入され得る溝を含んでいてもよい。
【0016】
本明細書に開示された実施例によれば、デバイス取り外しツールは、デバイスへの緩みトルクの印加時に、デバイス取り外しツールをデバイスに向かって押し、複数のキャッチ部材とデバイスの係合面との係合を可能にするための少なくとも1つの分離ビームを含んでいてもよい。
【0017】
デバイス取り外しツールは、デバイス取り外しツールからデバイスを取り出すために移動可能なタブ(つまみ)を含む少なくとも1つのデバイスイジェクタ(デバイス取出器)を更に含んでいてもよい。一実施例では、タブは、デバイス取り外しツールからデバイスを取り出すために押し下げられてもよい(押圧されてもよい)。
【0018】
本明細書に開示される実施例によれば、複数のキャッチ部材は、概して、デバイス取り外しツールの第1の方向に向かって向き付けられていてもよい。この点に関して、デバイス取り外しツールは、第1の方向とは概ね反対である第2の方向に向けて概ね向き付けられていてもよい更なる複数のキャッチ部材を含んでいてもよい。更なる複数のキャッチ部材は、更なる複数のキャッチ部材と更なる係合面との係合時に、デバイス取り外しツールを更なるデバイスに取り付けるために、更なるデバイスの更なる係合面と係合可能であってもよい。この点に関して、前述のデバイスは、スキマーコーン又はサンプラーコーンの一方を含んでいてもよく、更なるデバイスは、スキマーコーン又はサンプラーコーンの他方を含んでいてもよい。更なる複数のキャッチ部材は、更なる複数のキャッチ部材と更なる係合面との係合時に、更なるデバイスを装置から取り外すのに十分な更なる取り外し力で更なる係合面に係合してもよい。例えば、本明細書に開示されるように、更なる取り外し力は、ICP-MS装置のスキマーコーン及び/又はサンプラーコーンを含んでいてもよいデバイスに対して、デバイス取り外しツールの中心軸に対して垂直な20G以上の力(20Gの力又は20Gより大きな力)であってもよい。
【0019】
本明細書に開示される実施例によれば、複数デバイス取り外し・取り付けツールは、第1のデバイスを取り外し可能に受容する第1の寸法の第1の受容部を有する第1の部分を含むデバイス取り外しツールを含んでいてもよい。デバイス取り外しツールは、第2のデバイスを取り外し可能に受容する第2の寸法の第2の受容部を有する第2の部分を含んでいてもよい。第1の寸法は、第2の寸法と異なっていてもよい。デバイス取り外しツールは、デバイスに印加される締め付けトルクを制限するために、トルク閾値を超える締め付けトルクの印加時に撓む少なくとも1つのトルクビームを含んでいてもよい。複数デバイス取り外し・取り付けツールのこの実施例では、第1のデバイスは、ICP-MS装置を含む装置のスキマーコーンを含んでいてもよく、第2のデバイスは、ICP-MS装置を含む装置のサンプラーコーンを含んでいてもよい。代替として、第1のデバイスはサンプラーコーンを含んでいてもよく、第2のデバイスはスキマーコーンを含んでいてもよい。スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイスの実施例について、複数デバイス取り外し・取り付けツールは、第1のデバイスへの回転トルクの印加時に、複数のキャッチ部材と第1のデバイスの係合面との係合を可能にするための少なくとも1つの分離ビームを更に含んでいてもよい。サンプラーコーンを含んでいてもよい第2のデバイスの実施例について、複数デバイス取り外し・取り付けツールは、第2のデバイスを第2の受容部から取り出すために移動可能なタブを含む少なくとも1つのデバイスイジェクタを更に含んでいてもよい。本明細書に開示される実施例によれば、第1の受容部及び第2の受容部は、それぞれ、第1のデバイス及び第2のデバイスを所定(指定)の高さで保持するように寸法決めされてもよい。例えば、所定の高さは、第1のデバイスと第2のデバイスとに異なる容器を利用する必要なく、保守及び/又は洗浄目的のために、容器内に配置され、所定(指定)の量を含む液体又は別の洗浄材料(洗浄剤)に第1のデバイス及び第2のデバイスを浸漬することを可能にし得る。
【0020】
本明細書に開示される実施例によれば、複数デバイス取り外し・取り付けツールは、第1のデバイスを取り外し可能に受容する第1の寸法の第1の受容部を有する第1の部分と、第2のデバイスを取り外し可能に受容する第2の寸法の第2の受容部を有する第2の部分とを含むデバイス取り外しツールを含んでいてもよい。第1の寸法は、第2の寸法と異なっていてもよい。トルク制限ツールは、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第1の回転方向に、第1のデバイスに締め付けトルクを印加してもよい。更に、トルク制限ツールは、トルク制限ツール及びデバイス取り外しツールの第2の回転方向に、第1のデバイスに緩みトルク(緩和トルク)を印加してもよい。第2の回転方向は、第1の回転方向と概ね反対であってもよい。本明細書に開示される実施例によれば、トルク制限ツールは、第1のデバイスに対するトルク制限ツールの回転時に第1のデバイス内の少なくとも1つの相補的な穴に係合するようにばねで付勢された少なくとも1つのトルク制限ツールピンを更に含んでいてもよい。本明細書に開示される実施例によれば、トルク制限ツールは、ハンドルの把持を容易にするためにハンドルの少なくとも拡大された部分(拡大部分)にローレット加工された表面を含む円錐形状(コーン形状)のハンドルを更に含んでいてもよい。代替的又は追加的に、トルク制限ツールは、ハンドルの把持を容易にするために卵形状(オーバル形状、楕円形状)のプリント面を含むプリントされたハンドルを更に含んでいてもよい。本明細書に開示される実施例によれば、デバイス取り外しツールは、デバイス取り外しツールをトルク制限ツールに結合するために、トルク制限ツールのリテーナのチャネル(溝)と係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に含んでいてもよい。代替として、本明細書に開示される実施例によれば、デバイス取り外しツールは、デバイス取り外しツールをトルク制限ツールに結合するために、トルク制限ツールのディスク(円盤)と係合可能な少なくとも1つのキャッチ部材を更に含んでいてもよい。デバイス取り外しツールの前述の特徴は、本明細書に開示されるデバイスの再現可能でしっかりとした取り付けを提供し得る。
【0021】
本明細書に開示される実施例によれば、デバイス取り外しツールは、少なくともポリエーテルイミド(PEI)で形成されてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、本開示の範囲から逸脱することなく、デバイス取り外しツールをデバイスに取り付けるため、並びにデバイスに対する洗浄及び他の保守作業の実行中にデバイス取り外しツール内にデバイスを保持するために利用され得る他の適切な材料でデバイス取り外しツールが形成されてもよいことを理解するであろう。
【0022】
本明細書に開示される実施例によれば、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスのデリケートな特徴部に保護を与えることができる。例えば、本明細書に開示された複数デバイス取り外し・取り付けツールは、コーン先端、コーンオリフィス、ねじ部などの特徴部に保護を与えることができる。
【0023】
本明細書に開示される実施例によれば、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、様々なサイズ及び/又は構成のデバイスを把持及び保持するように構成されてもよい。例えば、本明細書に開示されるキャッチ部材は、デバイス取り外しツールをデバイスに取り付けるためにデバイスの様々な表面と係合するように構成されてもよい。
【0024】
本明細書で開示される実施例によれば、本明細書で開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスを、デバイスの取り外し、洗浄、保管、及び/又は取り付けに使用され得る固定治具間に移送する必要をなくすことができる。例えば、デバイス取り外しツール及びトルク制限ツールは、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスの取り外し、洗浄、保管、及び/又は取り付けのために、必要に応じてこのデバイスに利用されてもよい。
【0025】
本明細書で開示される実施例によれば、本明細書で開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーンなどのデバイスへの制御されたトルクを印加し、締め過ぎによるデバイスのねじ部への損傷なしに、装置へのスキマーコーンの一貫した漏れ止め設置(密閉取り付け)を確実にすることができる。
【0026】
本明細書に開示される実施例によれば、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、所定の高さ(高度)でスキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスを支持することができる。この点に関して、デバイスがデバイス取り外しツールに保持されると、デバイスは、超音波浴など、溶液に均一に浸漬され得る。例えば、2つ以上のデバイス(2つのデバイス又は2つより多くのデバイス)はそれぞれ対応するデバイス取り外しツールに保持され、当該デバイス取り外しツールを溶液中に入れることで、デバイスを均一に浸漬してもよい。
【0027】
本明細書に開示される実施例によれば、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスを反転した向きで保持することができる。この点に関して、デバイスが溶液中に入れられているとき、デバイスの先端などの特定の部分が溶液中に入れられてもよい。従って、デバイスは、例えば、デバイスの先端を浸漬するための第1の溶液、及びデバイスの底部を浸漬するための別の溶液など、1つ又は複数の溶液中に入れられてもよい。
【0028】
本明細書に開示される実施例によれば、本明細書に開示される複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーン及び/又はサンプラーコーンなどのデバイスの検査のために手を使わずに済む台(ハンズフリープラットフォーム)を提供することができる。この点に関して、デバイスがデバイス取り外しツールに保持されると、デバイスは、使用者がデバイスを使用者の手で把持する必要なく検査され得る。
【0029】
複数デバイス取り外し・取り付けツール(マルチデバイス取り外し及び取り付けツール)について、図1図12Bを参照して更に詳しく説明する。
【0030】
具体的には、図1は、本開示の一実施例による、デバイス取り外しツール102の第1の実施形態と、トルク制限ツール104の第1の実施形態とを含む複数デバイス取り外し・取り付けツール100の等角図を示す。更に、図2は、本開示の一実施例による、複数デバイス取り外し・取り付けツール100によって取り外し可能な第1のデバイス(第1の機器)202及び第2のデバイス(第2の機器)204を含む装置200の斜視図、並びに第1のデバイス202、第2のデバイス204、及び関連構成部品の拡大分解図を示す。
【0031】
図1及び図2を参照すると、複数デバイス取り外し・取り付けツール(複数デバイス着脱ツール)100は、デバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104を含んでいてもよい。デバイス取り外しツール102は、本明細書に開示されるように、ICP-MS装置を含んでいてもよい装置200のスキマーコーン及び/又はサンプラーコーン(サンプリングコーン)などのデバイスの取り外し、保持、及び/又は再取り付けのために使用され得る。デバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104の動作の説明の目的のために、第1のデバイス202及び第2のデバイス204はそれぞれ、装置200のスキマーコーン及びサンプラーコーンに対応し得る。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、第1のデバイス202及び第2のデバイス204がそれぞれ、装置200のサンプラーコーン及びスキマーコーンに対応し得ることを理解するであろう。更に、当業者であれば、本開示の観点から、第1のデバイス202及び第2のデバイス204が、本明細書に開示されるように、デバイス取り外しツール102によって把持され得る様々なデバイスのいずれかであってもよいことを理解するであろう。更に、図1において識別される更なる構成部品について、図2図12Bを参照して更に詳細に説明する。
【0032】
図2を参照すると、外側保持リング206、デバイスマウント(デバイス取り付け部)208、及びマニホールドアセンブリ210などの他の構成部品が図示されている。デバイスマウント208は、第1のデバイス202をデバイスマウント208に保持するために、第1のデバイス202のねじ部分214がねじ係合する雌ねじ部212を含んでいてもよい。第2のデバイス204は、外側保持リング206によってマニホールドアセンブリ210に保持され得る。
【0033】
図3は、本開示の一実施例による、第1のデバイス202を取り外し可能に受容する第1の寸法を有する第1の受容部を有する第1の部分を示す、デバイス取り外しツール102の等角図を示す。図4は、本開示の一実施例による、第2のデバイス204を取り外し可能に受容する第2の寸法を有する第2の受容部を有する第2の部分を示す、デバイス取り外しツール102の等角図を示す。図5は、本開示の一実施例による、概ね図1の線5-5に沿ってとられ、第1の受容部に取り外し可能に受容された第1のデバイス202を含む、デバイス取り外しツール102の断面図を示す。更に、図6は、本開示の一実施例による、概ね図1の線6-6に沿ってとられ、第2の受容部に取り外し可能に受容された第2のデバイス204を含む、デバイス取り外しツール102の断面図を示す。
【0034】
図1図4、特に図3及び図4を参照すると、デバイス取り外しツール102は、第1のデバイス202を取り外し可能に受容する第1の寸法304の第1の受容部302を有する第1の部分(第1の側部)300を含んでいてもよい。デバイス取り外しツール102は、第2のデバイス204を取り外し可能に受容する第2の寸法404の第2の受容部402を有する第2の部分(第2の側部)400を含んでいてもよい。第1の寸法304は、第2の寸法404と異なっていてもよい。
【0035】
図1図6、特に図3図6を参照すると、デバイス取り外しツール102は、複数のキャッチ部材(捕捉部材)(例えば、306又は406)と係合面(例えば、500又は600)との係合時に、デバイス取り外しツール102をデバイス(例えば、第1のデバイス202又は第2のデバイス204)に取り付けるための、デバイス(第1のデバイス202又は第2のデバイス204)の係合面(例えば、500又は600)と係合可能な複数のキャッチ部材(例えば、306又は406)を含んでいてもよい。複数のキャッチ部材(例えば、306又は406)は、複数のキャッチ部材(例えば、306又は406)と係合面(例えば、500又は600)との係合時に、デバイス(例えば、第1のデバイス202又は第2のデバイス204)を装置200から取り外すのに十分な取り外し力で係合面(例えば、500又は600)に係合してもよい。例えば、第1のデバイス202及び第2のデバイス204に関して、取り外し力(removal force)は、複数のキャッチ部材(例えば、306又は406)と係合面(例えば、500又は600)との係合時に、デバイス(例えば、第1のデバイス202又は第2のデバイス204)を装置200から取り外すために必要とされる、デバイス取り外しツール102の軸118に対して垂直な20G以上の力(20Gの力又は20Gより大きな力)であってもよい。この取り外し力は、デバイス取り外しツール102からの第1のデバイス202及び/又は第2のデバイス204の不用意な取り出しを防止するように規定され得る。更に、この取り外し力は、第1のデバイス202及び/又は第2のデバイス204の領域に結合腐食(固着腐食)(binding corrosion)が存在する場合であっても、第1のデバイス202及び/又は第2のデバイス204を装置200から取り外すのに十分であり得る。当業者であれば、本開示の観点から、この取り外し力は、例えば、第1のデバイス202及び/又は第2のデバイス204の材料特性及び/又は寸法特性、デバイス取り外しツール102の材料特性及び/又は寸法特性、装置200の特性などの様々な要因に基づいて増加又は減少され得ることを理解するであろう。しかしながら、一般に、この取り外し力は、約20G~約100Gの力であってもよく、例えば、第1のデバイス202については約50G~約100G、第2のデバイス204については約20G~約25Gなどであってもよい。
【0036】
キャッチ部材(例えば、306又は406)に関して、本明細書に開示される実施例によれば、複数のキャッチ部材(例えば、306又は406)は、3つ以上のキャッチ部材(3つのキャッチ部材又は3つより多くのキャッチ部材)を含んでいてもよい。例えば、本明細書に開示されるデバイス取り外しツール102の特定の構成に関して図3に示すように、複数のキャッチ部材306は、装置200のスキマーコーンを含むデバイス(例えば、第1のデバイス202)の係合面500と係合可能な4つのキャッチ部材を含んでいてもよい。本明細書に開示される別の実施例では、複数のキャッチ部材406は、装置200のサンプラーコーンを含むデバイス(例えば、第2のデバイス204)の係合面600と係合可能な6つのキャッチ部材を含んでいてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、本開示の範囲から逸脱することなく、デバイス取り外しツール102をデバイス(例えば、第1のデバイス202又は第2のデバイス204)に取り付けるために必要に応じてキャッチ部材(例えば、306又は406)の数を増加又は減少させてもよいことを理解するであろう。更に、当業者であれば、本開示の観点から、デバイス(例えば、第1のデバイス202又は第2のデバイス204)は、デバイス取り外しツール102によって把持及び移動され得る任意のタイプのデバイスを含んでいてもよいことを理解するであろう。
【0037】
再び図1図6、特に図3図6を参照すると、本明細書に開示される実施例によれば、複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の一方)は、概して、デバイス取り外しツール102の第1の方向(例えば、図5の向きにおける上方向)に向かって向き付けられてもよい。この点に関して、デバイス取り外しツール102は、第1の方向とは概ね反対である第2の方向(例えば、図6の向きにおける上方向;デバイス取り外しツール102の向きは、図5及び図6において逆であることに留意されたい)に向かって概ね向き付けられる更なる複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の他方)を含んでいてもよい。更なる複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の他方)は、更なる複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の他方)と更なる係合面(例えば、500又は600の他方)との係合時に、デバイス取り外しツール102を更なるデバイス(例えば、202又は204の他方)に取り付けるために、更なるデバイス(例えば、202又は204の他方)の更なる係合面(例えば、500又は600の他方)と係合可能であってもよい。この点に関して、前述のデバイス(例えば、202又は204の他方)は、スキマーコーン又はサンプラーコーンの一方を含んでいてもよく、更なるデバイスは、スキマーコーン又はサンプラーコーンの他方を含んでいてもよい。更なる複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の他方)は、更なる複数のキャッチ部材(例えば、306又は406の他方)と更なる係合面(例えば、500又は600の他方)との係合時に、装置200から更なるデバイス(例えば、202又は204の他方)を取り外すのに十分な更なる取り外し力で、更なる係合面(例えば、500又は600の他方)と係合してもよい。
【0038】
図3及び図6を参照すると、係合面600に関して、本明細書に開示される実施例によれば、係合面600は、複数のキャッチ部材406と係合するチャネル(溝)602を含んでいてもよい。例えば、係合面600は、V字形又はU字形のチャネルを含んでいてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、チャネル602の形状は、本開示の範囲から逸脱することなく、キャッチ部材と係合する任意の構成で形成されてもよいことを理解するであろう。
【0039】
図7は、本開示の一実施例による、図1のトルク制限ツール104の分解等角図を示す。図8は、本開示の一実施例による、デバイス取り外しツール102の複数のトルクビーム及びトルク制限ツール104の複数の突出部の動作を説明するために、第1の受容部302の一部が取り除かれている、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104の概略的断面図を示す。図9は、本開示の一実施例による、デバイス取り外しツール102のトルクビーム108及びトルク制限ツール104の突出部106の動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104の概略断面図を示す。
【0040】
図1図2、及び図7図9、特に図8及び図9を参照すると、トルク制限ツール104は、少なくとも1つの突出部106を含んでいてもよく、デバイス取り外しツール102と取り外し可能に係合可能であってもよい。トルク制限ツール104は、少なくとも1つの突出部106によって、トルク制限ツール104及びデバイス取り外しツール102の第1の回転方向(例えば、図8及び図9の向きでは反時計回り方向)に、第1のデバイス202に締め付けトルクを印加してもよい。更に、トルク制限ツール104は、少なくとも1つの突出部106によって、トルク制限ツール104及びデバイス取り外しツール102の第2の回転方向(例えば、図8及び図9の向きでは時計回り方向)に、第1のデバイス202に緩みトルクを印加してもよい。
【0041】
更に図1図2、及び図7図9、特に図8及び図9を参照すると、少なくとも1つの突出部106は、トルク閾値を超える締め付けトルクの印加時に、第1のデバイス202に印加される締め付けトルクを制限するために少なくとも1つのトルクビーム108を(例えば、図8の向きで外側に)撓ませるようにデバイス取り外しツール102の少なくとも1つのトルクビーム108と係合可能であってもよい。例えば、図8及び図9に示すように、少なくとも1つのトルクビーム108の傾斜面900は、トルク閾値を超える締め付けトルクの印加時に、第1のデバイス202に印加される締め付けトルクを制限するために少なくとも1つのトルクビーム108を撓ませるように少なくとも1つの突出部106と係合してもよい。このようにして、トルクビームは、第1のデバイス202が回転可能に装置200に再び取り付けられるときに、第1のデバイス202の締め過ぎを防止してもよい。更に、図8及び図9に示すように、少なくとも1つのトルクビーム108の相補的な接合面902は、少なくとも1つの突出部106と係合して、第1のデバイス202を緩めるように無制限のトルクを与えることができる。
【0042】
図10は、本開示の一実施例による、概ね図1の線10-10に沿ってとられ、駆動部材112の向きを制御するためのボール及びデテントの拡大図を含む、トルク制限ツール104の断面図を示す。
【0043】
図1図5図7、及び図10を参照すると、トルク制限ツール104の少なくとも1つの突出部106は、リテーナ(保持部)110に設けられてもよい。リテーナ110は、第1のデバイス202の係合面500に係合するデバイス取り外しツール102に取り外し可能に係合可能であってもよい。トルク制限ツール104は、内面(内側表面)1000及び外面(外側表面)1002を有する駆動部材112を含んでいてもよい。図1及び図7に示すように、駆動部材112は、ノブ126に対する駆動部材112の回転を可能にする、中間ワッシャ702を含めコネクタ700によって回転可能に取り付けられてもよい。更に、図10に示すように、トルク制限ツール104は、対応するボール1006が駆動部材112によって押し込まれる(押圧される)内面1000に配置された少なくとも1つのデテント(移動止め、戻り止め)1004を含んでいてもよい。例えば、トルク制限ツール104は、対応するボールが駆動部材112によって押し込まれる6つのデテントを含んでいてもよい。デテントとボールとの係合は、デバイス取り外しツール102とトルク制限ツール104の結合のために、少なくとも1つのポケット120への少なくとも1つの突出部106の位置合わせを提供することができる。少なくとも1つのポケット120(例えば、図1に示す4つのポケット)は、トルク制限ツール104に対してデバイス取り外しツール102を位置合わせするために、デバイス取り外しツール102の少なくとも1つの対応するボス408(例えば、図4に示す4つのボス)と係合することができる。
【0044】
図1及び図7を参照すると、トルク制限ツール104は、てこツール(図示せず)と係合するための少なくとも1つの係合部分128を含んでいてもよい。例えば、係合部分128は、トルク制限ツール104を回転させるためにてこツールが挿入され得る溝(窪み)を含んでいてもよい。
【0045】
図11は、本開示の一実施例による、第1のデバイス202を回転させるためのトルク制限ツールピン、及びトルク制限ツール104をデバイス取り外しツール102に取り付けるためのクリップの動作を示す、取り付け済み構成における図1のデバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104の概略断面図を示す。
【0046】
図1及び図11を参照すると、デバイス取り外しツール102がトルク制限ツール104に結合されると、組み立てられた複数デバイス取り外し・取り付けツール100は、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイス202に配置され、トルク制限ツールピン122(例えば、図示された2つのトルク制限ツールピン)が穴124を通って突出して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合するまで回転され得る。この点に関して、デバイス取り外しツール102の少なくとも1つのクリップ(留め具)1102(例えば、図11に示す2つのクリップ)が、リテーナ110のチャネル(溝)1104と弾性的に係合することで、デバイス取り外しツール102をトルク制限ツール104に結合することができる。
【0047】
図12A及び図12Bは、本開示の一実施例による、デバイス取り外しツール102の分離ビーム1200の動作を示す、取り付け済み構成におけるデバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104の概略断面図を示す。
【0048】
図1図2図8図9図12A、及び図12Bを参照すると、デバイス取り外しツール102は、第1のデバイス202への緩みトルク(例えば、図8及び図9の向きにおける時計回り方向)の印加時に、複数のキャッチ部材306と第1のデバイス202の係合面500との係合を可能にするために、デバイス取り外しツール102を第1のデバイス202に向かって押し出すための少なくとも1つの分離ビーム1200を含んでいてもよい。この点に関して、第1のデバイス202が装置200に取り付けられたとき、第1のデバイス202の係合面500は、マニホールドアセンブリ210の平面と接触することができる。この接触は、複数のキャッチ部材306と第1のデバイス202の係合面500との係合を防止するために、キャッチ部材306がマニホールドアセンブリ210の平面と同一平面になるように、デバイス取り外しツール102の位置を制限することができる。トルク制限ツール104が第1のデバイス202に向かって押し込まれると、少なくとも1つの分離ビーム1200は、図12Aの向きで上方に撓むことができる。次に図12Bを参照すると、第1のデバイス202が外されるにつれて、第1のデバイス202は、トルク制限ツール104をマニホールドアセンブリ210から遠ざけるように押すことができる一方、少なくとも1つの分離ビーム1200は、デバイス取り外しツール102をマニホールドアセンブリ210に向けて押すことができる。第1のデバイス202が外され続けると、第1のデバイスの前面1202がデバイス取り外しツールの目標面1204に載り、複数のキャッチ部材306が係合面500に係合して第1のデバイス202を保持することができる。
【0049】
図1図3図4及び図6を参照すると、デバイス取り外しツール102は、デバイス取り外しツール102から第2のデバイス204を取り出すために移動可能なタブ116を含む少なくとも1つのデバイスイジェクタ114を更に含んでいてもよい。一実施例では、タブ116は、デバイス取り外しツール102から第2のデバイス204を取り出すために押し下げられてもよい。例えば、タブ116が押し下げられると、取り出し面410が第2のデバイス204の内側平面604に接触して、第2のデバイス204をデバイス取り外しツール102から取り出すことができる。代替として、取り出し面410が第2のデバイス204の内側平面604と連続的に係合する場合、タブ116が押し下げられると、取り出し面410は、係合面600とのキャッチ部材406の取り外し力に打ち勝つのに十分に第2のデバイス204を押して、第2のデバイス204をデバイス取り外しツール102から取り出すために使用されてもよい。
【0050】
図1及び図3図6を参照すると、本明細書に開示される実施例によれば、第1の受容部302及び第2の受容部402は、それぞれ、第1のデバイス202及び第2のデバイス204を所定(指定)の高さ502で保持するように寸法決めされてもよい。例えば、所定の高さ502は、第1のデバイス202と第2のデバイス204とに異なる容器を利用する必要なく、保守及び/又は洗浄目的のために、容器内に配置され、所定(指定)の量を含む液体又は別の洗浄材料に第1のデバイス202及び第2のデバイス204を浸漬することを可能にし得る。
【0051】
再び図1を参照すると、本明細書に開示される実施例によれば、デバイス取り外しツール102は、少なくともポリエーテルイミド(PEI)で形成されてもよい。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、本開示の範囲から逸脱することなく、デバイス取り外しツール102をデバイス(例えば、202又は204)に取り付けるため、並びにデバイス(例えば、202又は204)に対する洗浄及び他の保守作業の実行中にデバイス取り外しツール102内にデバイス(例えば、202又は204)を保持するために利用され得る他の適切な材料でデバイス取り外しツール102が形成されてもよいことを理解するであろう。
【0052】
複数デバイス取り外し・取り付けツール100の動作について、図1図12Bを参照して更に詳しく説明する。
【0053】
具体的には、図1図2図4及び図6を参照すると、サンプラーコーンを含んでいてもよい第2のデバイス204用のデバイス取り外しツール102の利用に関して、第2のデバイス204が装置200で露出していると、デバイス取り外しツール102の第2の受容部402は、デバイス取り外しツール102が第2のデバイス204の内側平面604に連続的に係合するまで、第2のデバイス204の上に配置され、第2のデバイス204に押し付けられ得る。デバイス取り外しツール102が内側平面604に連続的に係合すると、キャッチ部材406は、第2のデバイス204の係合面600に係合することができる。その後、デバイス取り外しツール102は、第2のデバイス204が中にしっかりと保持された状態で、装置200から(例えば、引き離すことによって)引き抜かれ得る。
【0054】
デバイス取り外しツール102に配置されたままの第2のデバイス204が装置200から取り外されると、第2のデバイス204は、保守及び他の目的のために必要に応じてアクセスされ得る。例えば、サンプラーコーンを含む第2のデバイス204については、コーン先端、コーンオリフィス、コーンねじ部などの特徴部を検査し、必要に応じて第2のデバイス204の機械的洗浄を行ってもよい。例えば、サンプラーコーンを含む第2のデバイス204について、コーン先端606が下を向いた状態(例えば、図6の向き)で、第2のデバイス204を超音波洗浄器に入れてもよい。様々な種類の洗浄液又は洗浄溶剤がコーン先端606の洗浄に利用され得る。この点に関して、本明細書で開示するように、他のデバイス(例えば、第1のデバイス202)も、コーン先端504が下に向いた状態(例えば、図5の向き)で、超音波洗浄器に入れられてもよい。更に、本明細書で開示するように、第1のデバイス202及び第2のデバイス204は、第1の受容部302及び第2の受容部402の寸法に基づいて、所定の高さ502に保持され得る。例えば、所定の高さ502は、第1のデバイス202及び第2のデバイス204のコーン先端(例えば、504及び606)が指定された量(所定の量)だけ洗浄液又は洗浄溶剤に浸漬されるように規定されてもよい。
【0055】
第2のデバイス204の保守及び/又は洗浄活動の完了後、デバイス取り外しツール102に配置されたままの第2のデバイス204は、後で使用するために保管されるか、さもなければ装置200に戻されてもよい。第2のデバイス204を装置200に戻す場合、第2のデバイス204を中に保持した状態でデバイス取り外しツール102は装置200の方に運ばれ得る。第2のデバイス204はマニホールドアセンブリ210に戻され得る。各デバイスイジェクタ114のタブ116をつまんで、デバイス取り外しツール102から第2のデバイス204を取り出すことができ、第2のデバイス204をマニホールドアセンブリ210に残したまま、デバイス取り外しツール102を装置200から引き抜く(例えば、引き離す)ことができる。
【0056】
図1図2及び図10を引き続き参照すると、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイス202用のデバイス取り外しツール102の利用に関して、トルク制限ツール104は、図1の向きでデバイス取り外しツール102に結合されてもよい。この点に関して、図10を参照しながら本明細書に開示されるように、トルク制限ツール104は、対応するボール1006が駆動部材112によって押し込まれる内面1000に配置された少なくとも1つのデテント1004を含んでいてもよい。例えば、トルク制限ツール104は、対応するボールが駆動部材112によって押し込まれる6つのデテントを含んでいてもよい。本明細書に開示されるように、デテントとボールとの係合は、デバイス取り外しツール102とトルク制限ツール104との結合のために、少なくとも1つのポケット120への少なくとも1つの突出部106の位置合わせを提供することができる。
【0057】
図1図2図8及び図11を参照すると、デバイス取り外しツール102がトルク制限ツール104に結合されると、組み立てられた複数デバイス取り外し・取り付けツール100は、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイス202に配置され、トルク制限ツールピン122(例えば、図示された2つのトルク制限ツールピン)が穴124を通って突出して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合するまで回転され得る。ここで、トルク制限ツール104のノブ126を反時計回り方向(例えば、図8の向きでは時計回り方向)に回すことによって、第1のデバイス202をマニホールドアセンブリ210から外すことができる。
【0058】
図1図12A及び図12Bを参照すると、第1のデバイス202が外されるとき、少なくとも1つの分離ビーム1200は、第1のデバイス202への緩みトルク(例えば、図8及び図9の向きにおける時計回り方向)の印加時に、複数のキャッチ部材306と第1のデバイス202の係合面500との係合を可能にするために、デバイス取り外しツール102を第1のデバイス202に向かって押してもよい。
【0059】
図1図12A、及び図12Bを引き続き参照すると、トルク制限ツール104は、デバイス取り外しツール102から(例えば、引き離すことによって)分離されてもよく、第1のデバイス202は、デバイス取り外しツール102にしっかりと保持された状態で、装置200から取り外されてもよい。
【0060】
図1図3及び図5を参照して、第2のデバイス204について上述したのと同様にして、デバイス取り外しツール102に配置されたままの第1のデバイス202が装置200から取り外されると、第1のデバイス202は、保守及び他の目的のために必要に応じてアクセスされ得る。例えば、スキマーコーンを含む第1のデバイス202については、コーン先端、コーンオリフィス、コーンねじ部などの特徴部を検査し、必要に応じて第1のデバイス202の機械的洗浄を行ってもよい。例えば、スキマーコーンを含む第1のデバイス202について、コーン先端504が下を向いた状態(例えば、図5の向き)で、第1のデバイス202を超音波洗浄器に入れてもよい。様々な種類の洗浄液又は洗浄溶剤がコーン先端504の洗浄に利用され得る。この点に関して、本明細書で開示するように、他のデバイス(例えば、第2のデバイス204)も、コーン先端606が下に向いた状態(例えば、図6の向き)で、超音波洗浄器に入れられてもよい。更に、本明細書で開示するように、第1のデバイス202及び第2のデバイス204は、第1の受容部302及び第2の受容部402の寸法に基づいて、所定の高さ502に保持され得る。例えば、所定の高さ502は、第1のデバイス202及び第2のデバイス204のコーン先端(例えば、504及び606)が指定された量だけ洗浄液又は洗浄溶剤に浸漬されるように規定されてもよい。
【0061】
図1図2及び図8を参照すると、第1のデバイス202の保守及び/又は洗浄活動の完了後、デバイス取り外しツール102に配置されたままの第1のデバイス202は、後で使用するために保管されるか、さもなければ装置200に戻されてもよい。第1のデバイス202を装置200に戻す場合、第1のデバイス202を中に保持した状態でデバイス取り外しツール102は装置200の方に運ばれ得る。第1のデバイス202はマニホールドアセンブリ210に部分的にねじ係合されてもよい。トルク制限ツール104は、トルク制限ツールピン122(例えば、図示された2つのトルク制限ツールピン)を穴124に通して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合させることによって、デバイス取り外しツール102と結合されてもよい。ここで、トルク制限ツール104のノブ126を時計回り方向(例えば、図8の向きでは反時計回り方向)に回すことによって、第1のデバイス202をマニホールドアセンブリ210にねじ込むことができる。第1のデバイス202を締め付けるために印加されるトルクが増加するにつれて、デバイス取り外しツール102の少なくとも1つのトルクビーム108は、トルク閾値を超える締め付けトルクの印加時に、第1のデバイス202に印加される締め付けトルクを制限するために、少なくとも1つのトルクビーム108を(例えば、図8の向きにおいて外側に)撓ませることができる。一般に、トルクビーム108は、第1のデバイス202を締め付けるために印加されるトルクが約4Nm以上(約4Nm又はそれ以上)、例えば約4Nm~約5Nmに達すると、撓み得る。このようにして、トルクビームは、第1のデバイス202が回転可能に装置200に再び取り付けられるときに、第1のデバイス202の締め過ぎを防止し得る。少なくとも1つのトルクビーム108が外側に撓むと、ノブ126は空回りし、デバイス取り外しツール102及びトルク制限ツール104を含むアセンブリは、取り付けられた第1のデバイス202から引き離され得る。
【0062】
図13は、本開示の一実施例による、第1のデバイスを取り外し可能に受容する受容部を有する部分を示す、デバイス取り外しツールの第2の実施形態の等角図を示す。
【0063】
図3及び図13、特に図13を参照すると、デバイス取り外しツール1300は、第1のデバイス202を取り外し可能に受容する寸法1306(第1の寸法304に類似)の受容部1304(第1の受容部302に類似)を有する部分(側部)1302(図3の第1の部分300に類似)を含んでいてもよい。
【0064】
図3及び図13を参照すると、デバイス取り外しツール102のキャッチ部材306のそれぞれに隣接する対応する開口部と比較して、デバイス取り外しツール1300は、1308において小さくなったアクセス開口部を含んでいてもよい。
【0065】
図4図11及び図13を参照すると、クリップ1102を含むデバイス取り外しツール102と比較して、デバイス取り外しツール1300については、クリップ1102はなくてもよい。
【0066】
図4図12及び図13を参照すると、分離ビーム1200(例えば、図示された2つの分離ビーム)を含むデバイス取り外しツール102と比較して、デバイス取り外しツール1300については、分離ビーム1200はなくてもよい。代わりに、液体通路を増加させるために開口部1310が追加されてもよい。
【0067】
デバイス取り外しツール1300の残りの構成部品の機能性は、図1図12Bを参照して上述したものと同じままである。
【0068】
図14は、本開示の一実施例による、トルク制限ツールの第2の実施形態をデバイス取り外しツールの第2の実施形態に取り付けるためのキャッチ部材の動作を示す、取り付け済み構成におけるデバイス取り外しツールの第2の実施形態及びトルク制限ツールの第2の実施形態の概略断面図を示す。
【0069】
図1図4図11図13図14及び図16を参照すると、デバイス取り外しツール1300がトルク制限ツール1400(トルク制限ツール104に類似)に結合されると、組み立てられた複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイスに配置され、トルク制限ツールピン1602(例えば、図16に示す)が穴1312を通って突出して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合するまで回転され得る。この点に関して、デバイス取り外しツール1300の少なくとも1つのキャッチ部材1402(図4のキャッチ部材406に類似)は、デバイス取り外しツール1300をトルク制限ツール1400に結合するために、拡大されたリテーナ1406(例えば、リテーナ110と比較して直径が拡大されている)のチャネル(溝)1404と弾性的に係合することができる。トルク制限ツール104と比較して、トルク制限ツール1400のリテーナ1406は、図14に示すように、チャネル1404を含み、少なくとも1つのキャッチ部材1402と係合するように、異なるようにサイズ決め(例えば、拡大)及び成形され得る。
【0070】
図15は、本開示の一実施例による、ローレット加工されたハンドルを示す、トルク制限ツールの第3の実施形態の等角図を示す。
【0071】
図1及び図15を参照すると、トルク制限ツール104のノブ126と比較して、トルク制限ツール1500は、トルク印加のためにローレット加工されたハンドル(取っ手)1502を含んでいてもよい。この点に関して、ローレット加工された表面1504は、トルク制限ツール1500の把持を容易にするために、菱形又は他のタイプの形状のローレットを含んでいてもよい。ローレット加工されたハンドル1502は、図示された円錐形状(コーン形状)を有していてもよく、円錐形状の最大部分は、ローレット加工されたハンドル1502を把持するために使用者の手のひらで自由に使うことができる。トルク制限ツール1500は、表面に置かれたときにトルク制限ツール1500の転がりを防止するための転がり防止平面1508を含むディスク(円盤)1506を更に含んでいてもよい。係合部分128と同様に、トルク制限ツール1500は、てこツール(図示せず)と係合するための係合部分1510を含んでいてもよい。例えば、係合部分1510は、トルク制限ツール1500を回転させるためにてこツールが挿入され得る溝(窪み)を含んでいてもよい。ローレット加工されたハンドル1502は、プラスチック、金属などの任意の材料で形成することもできる。
【0072】
図16は、本開示の一実施例による、トルク制限ツールのトルク制限ツールピンの動作を示す、トルク制限ツールの第1の実施形態、第2の実施形態及び/又は第3の実施形態に適用可能であり得る、トルク制限ツールの一実施形態の概略断面図を示す。
【0073】
図1図11図13及び図16を参照すると、デバイス取り外しツール102がトルク制限ツール1600に結合されると、組み立てられた複数デバイス取り外し・取り付けツール100は、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイス202に配置され、トルク制限ツールピン1602(例えば、図示された2つのトルク制限ツールピン)が穴1312を通って突出して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合するまで回転され得る。この点に関して、トルク制限ツールピン122と比較して、トルク制限ツールピン1602(例えば、図示された2つのトルク制限ツールピン)は、ばね1604によってばねで付勢されてもよい。トルク制限ツールピンの付勢は、ピンが第1のデバイス202の穴(例えば、穴1100)と位置合わせされ、デバイス取り外しツール1300における第1のデバイス202の係合にかかわらず第1のデバイス202の完全な深さまで延びるまで、第1のデバイス202の表面1606によってピンを図16の向きで下方に押すことができる。
【0074】
図17は、本開示の一実施例による、トルク制限ツールの第3の実施形態をデバイス取り外しツールの第2の実施形態に取り付けるためのキャッチ部材の動作を示す、取り付け済み構成におけるデバイス取り外しツールの第2の実施形態及びトルク制限ツールの第3の実施形態の概略断面図を示す。
【0075】
図1図4図11図13及び図15図17を参照すると、デバイス取り外しツール1300がトルク制限ツール1500(トルク制限ツール104に類似)に結合されると、組み立てられた複数デバイス取り外し・取り付けツールは、スキマーコーンを含んでいてもよい第1のデバイスに配置され、トルク制限ツールピン1602(例えば、図16に示す)が穴1312を通って突出して第1のデバイス202の相補的な穴1100に係合するまで回転され得る。この点に関して、デバイス取り外しツール1300の少なくとも1つのキャッチ部材1700(図4のキャッチ部材406に類似)は、デバイス取り外しツール1300をトルク制限ツール1500に結合するために、ディスク1506の縁部1702と弾性的に係合することができる。トルク制限ツール104と比較して、トルク制限ツール1500のディスク1506は、1つのキャッチ部材1700によって完全に保持されるようにサイズ決め及び成形されてもよい。図17については、少なくとも1つのキャッチ部材1700とディスク1506との係合の説明を容易にするために、右側の拡大図が、左側の断面図と比較してわずかに大きな回転角度で示されていることに留意されたい。
【0076】
図18は、本開示の一実施例による、プリント(例えば印刷)されたハンドルを示す、トルク制限ツールの第1の実施形態、第2の実施形態及び/又は第3の実施形態に適用可能であり得る、トルク制限ツールの一実施形態の等角図を示す。
【0077】
図1及び図18を参照すると、トルク制限ツール104のノブ126と比較して、トルク制限ツール1800は、トルク印加のためにプリントされたハンドル1802を含んでいてもよい。この点に関して、プリントされた表面1804は、トルク制限ツール1800の把持を容易にするために、図示された格子パターンを有していてもよい。
【0078】
図19は、本開示の一実施例による、図18のプリントされたハンドルの別の等角図を示す。図20は、本開示の一実施例による、プリントされたノブへの図18のプリントされたハンドルの挿入を示す。
【0079】
図19及び図20を参照すると、プリントされたハンドル1802は、プリントされたノブ2002の相補的な受容部2000に挿入するための六角形又は別の形状の取り付け突出部1900を含んでいてもよい。この点に関して、ねじ付き留め具(図示せず)は穴2004を通して穴1902に挿入され、プリントされたハンドル1802を受容部2000に取り付けるために利用することができる。
【0080】
図21は、本開示の一実施例による、機械加工されたトルク制限ツールから、組み立て済みのプリントされたアセンブリへの、駆動部材の移送(配置転換)の等角図を示す。
【0081】
図1及び図18図21、特に図21を参照すると、駆動部材2100(駆動部材112に類似)は、プリントされたハンドル1802及び駆動部材2100を含む組み立て済みトルク制限ツール1800に含まれてもよい。係合部分128と同様に、トルク制限ツール1800は、てこツール(図示せず)と係合するための係合部分2102を含んでいてもよい。例えば、係合部分2102は、トルク制限ツール1800を回転させるためにてこツールが挿入され得る溝(窪み)を含んでいてもよい。
【0082】
本明細書で説明及び図示したものは、そのいくつかの変形例と同様に一例である。本明細書で使用される用語、説明及び図面は、単なる例示として記載されており、限定を意味するものではない。多くの変形が、主題の趣旨及び範囲内で可能であり、この主題は、請求項及びその均等物によって定義されることが意図され、それにおいて、すべての用語は、別途明記されない限り、最も広く合理的な意味を意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】