(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049348
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】バッテリーセルの被覆方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20240402BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240402BHJP
C09J 7/22 20180101ALI20240402BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20240402BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240402BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240402BHJP
H01M 50/124 20210101ALI20240402BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240402BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240402BHJP
H01M 50/131 20210101ALI20240402BHJP
【FI】
H01M50/591
C09J7/38
C09J7/22
C09J163/00
C09J201/00
H01M50/588
H01M50/124
H01M50/121
H01M50/103
H01M50/131
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023148043
(22)【出願日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】10 2022 124 905.0
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・ハイドジーク
(72)【発明者】
【氏名】アリシア・レイ・グイ
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
4J004AA13
4J004AB01
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004CE01
4J004DA04
4J004DB02
4J004FA08
4J040DF021
4J040EC061
4J040EC062
4J040LA08
4J040MA02
4J040MA10
4J040MB03
4J040MB09
4J040NA19
5H011AA03
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC10
5H011DD14
5H011KK02
5H043AA04
5H043BA11
5H043CA04
5H043GA23
5H043GA25
5H043HA06
5H043HA12
5H043JA06
5H043JA15
5H043KA22
5H043KA23
5H043KA25
5H043KA26
5H043KA28
5H043KA29
5H043KA33
5H043KA35
5H043LA32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バッテリーセルが被覆される接着フィルムの接着の安定性及び信頼性を高める被覆方法を提供する。
【解決手段】バッテリーセルの被覆方法は、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムと、バッテリーセルの下面Uとの接着を含む接触;接着フィルムの架橋可能な接着層と、二つの側壁S1及びS2との接着を含む接触;接着フィルムの一つの架橋可能な接着層と、二つの側壁S3及びS4との接着を含む接触;接着フィルムの一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの一つの上面Oとの接着を含む接触;を含み、前記キャリアが、好ましくは、>10
15Ωcmの比体積抵抗を有する電気絶縁性キャリアを含み、前記キャリアが、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群から選択される一種以上の材料を含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルの被覆方法であって、そのステップが、
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2、少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面O含むバッテリーセルの提供;
(ii)接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含む接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接着を含む接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む接触;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
を含み、前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)から(vi)までのステップの後に行うことができる、前記方法。
【請求項2】
前記キャリアが、絶縁性キャリア、好ましくは電気絶縁性キャリア、更に好ましくは、DIN EN62631-3-1(VDE0307-3-1):2017-01に従い決定して、>1015Ωcm、好ましくは>1016Ωcm、更に好ましくは>1017Ωcmの比体積抵抗を有する電気絶縁性キャリアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリアが、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド6、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート及びポリエステルからなる群から、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記架橋可能な接着層が、10から150μmまでの範囲、好ましくは10から100μmまでの範囲、更に好ましくは20から60μmまでの範囲の厚さを有する、請求項1~3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記架橋可能な接着層が、架橋可能な感圧接着剤を含み、及び前記架橋可能な感圧接着剤が、少なくとも一種のポリマー、少なくとも一種のエポキシ樹脂、及び少なくとも一種の光開始剤を含む、請求項1~4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記架橋可能な感圧接着剤が、
(a)25から75重量%まで、好ましくは30から70重量%までの少なくとも一種のポリマー;
(b)20から70重量%まで、好ましくは30から65重量%までの少なくとも一種のエポキシ樹脂;
(c)0.01から5重量%まで、好ましくは1から4重量%までの少なくとも一種のカチオン性光開始剤;
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも一種のエポキシ樹脂が、少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシ樹脂E2を含み、及び試験法3に従い決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が≧25℃のTgを有し、及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2が<25℃のTgを有する、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記架橋可能な感圧接着剤が、追加的に、
(d)前記少なくとも一種のポリマー及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂の重量%の合計を基準にして3から30重量%まで、好ましくは5から20重量%まで、更に好ましくは7から15重量%までの少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3、
を含み、及び前記少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3が、カルボキシ末端ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ニトリルゴム、エポキシ官能化ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、請求項5~7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(ii)のステップの後に行われるか、または架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(vi)のステップの後に行われる、請求項1~8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記接着フィルムが、幅b及び長さlを有し、ここで、ステップ(iii)において、該接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面Uから面Δb1の分はみ出ており、ステップ(iv)において、接着フィルムの幅bが、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2から面Δb2の分はみ出ており、及びバッテリーセルの前記下面Uから面Δb3の分はみ出ており、ここで、Δb3<Δb2<Δb1であり、及びΔb2<Δb1であり、及び(v)が、
(v.1)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb3の貼付;
(v.2)面Δl2の形成を伴っての、接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb2の貼付;
を含む、請求項1~9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
(vi)が、
(vi.1)面Δl3の形成を伴っての、接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの前記上面OへのΔl2の貼付、ここでΔl3<Δl2である;
(vi.2)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの前記上面OへのΔl3の貼付;
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一つに記載の方法によって得ることができるまたは得られる、被覆されたバッテリーセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーセルの被覆方法に関する。更に、本発明は、該方法に従い得られたまたは得ることができる被覆されたバッテリーセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車及び電気自動車にとっては、車両用バッテリーの安定性及び安全性が決定的に重要である。バッテリーセルの被覆の絶縁性部分の信頼性は、バッテリーセルの安定性及び安全性に影響を与える重要なファクターである。
【0003】
高い温度、高い湿度、強い振動、強い衝撃などを伴う自動車の走行環境は、要求が多いことは知られている。このような厳しい環境では、バッテリーセルの絶縁部の安定性及び信頼性は、バッテリーの短絡を招く虞のある破損及び接続エラーを避けるために非常に重要である。
【0004】
自動車用のバッテリーセルでは、目下使用されている絶縁方法は、バッテリーセルを絶縁用の感圧接着テープで巻いて被覆することである。一般的に、感圧接着テープの粘着力は1MPa未満であり、それ故、この絶縁性感圧接着層が比較的強い接着剤を用いて製造された複合体の一部である場合には、この感圧接着テープの信頼性は不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US3,117,099A
【特許文献2】US3,018,262
【特許文献3】US6908722B1
【特許文献4】US3,729,313A
【特許文献5】US3,741,769A
【特許文献6】US4,250,053A
【特許文献7】US4,394,403A
【特許文献8】US4,231,951A
【特許文献9】US4,256,828A
【特許文献10】US4,058,401A
【特許文献11】US4,138,255A
【特許文献12】US2010/063221A1
【特許文献13】EP0542716B1
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】A.W.Green、“Industrial Photoinitiators: A technical guide”,2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、先に述べた方法の上記の欠点を回避するかまたは大幅に回避する、バッテリーセルの被覆方法を提供することは望ましい。とりわけ、本発明の方法では、バッテリーセルが被覆される接着フィルムの接着の安定性及び信頼性を高めることが目的とされる。更に、本発明の方法は、バッテリーアセンブリの信頼性の高い構成を可能にする。すなわち、本発明の方法により、絶縁性接着フィルムを用いて絶縁された複数のバッテリーセルを、5MPa超の接着強度で構造的に接合することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立形式請求項の特徴を備えた、バッテリーセルの被覆方法、及びこの方法によって得られるかまたは得ることができるバッテリーセルによって対処される。個々にまたは組み合わせて実現可能な有利な発展形態は、明細書及び引用形式請求項に提示されている。
【0009】
それ故、本発明は、バッテリーセルの被覆方法に関する。該方法は、以下に詳述されるステップを含む。これらのステップは、記載の順序で行うことができる。とりわけ、ステップ(i)から(iv)まではこの(一時的な)順序で行われる。本発明による方法の一つの変形では、部分ステップ(v)及び(vi)の順序は入れ替えられる。すなわち、好ましくは、該方法は、先ずステップ(i)から(iv)までを行い、そしてステップ(v)及び(vi)が、またはその逆にステップ(vi)及び(v)がそれに続くように行われる。
【0010】
すなわち、本発明による方法は、ステップ(i)から開始され、次いでステップ(ii)、次いでステップ(iii)、次いでステップ(iv)を行う。次いで、ステップ(v)、次いでステップ(vi)を行うことができるか、または代替法の一つでは、最初にステップ(vi)、次いでステップ(v)を行うことができる。
【0011】
前記架橋の少なくとも一つのステップを、ステップ(ii)から(vi)の後に行うことができる。更に、前記プロセスステップのうちの一つ以上は、一度きりまたは繰り返しても行うことができる。該方法は、上記のステップの他に、更に別のプロセスステップを含むことができる。
【0012】
それ故、本発明は、バッテリーを被覆するための方法であって、
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2、少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面Oを含むバッテリーセルの提供;
(ii)接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含む接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接着を含む接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む接触;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
を含み、
前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)から(vi)までのステップの後に行うことができる、前記方法に関する。
【0013】
好ましくは、前記架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)のステップの後にまたは(vi)のステップの後に行われる。
【0014】
好ましくは、キャリアは、絶縁性キャリア、好ましくは電気絶縁性キャリア、更に好ましくは、DIN EN 62631-3-1(VDE0307-3-1):2017-01に従い決定して>1015Ωcm、好ましくは>1016Ωcm、更に好ましくは>1017Ωcmの比体積抵抗を有する電気絶縁性キャリアを含む。
【0015】
好ましくは、キャリアは、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド6、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート及びポリエステルからなる群から、更に好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群、更に好ましくはポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される一種以上の材料を含む。
【0016】
キャリアの厚さに関しては、基本的に特に制限はない。好ましくは、キャリアは、20から100μmまで、更に好ましくは30から90μmまでの範囲、更に好ましくは45から75μmまでの範囲の厚さを有する。
【0017】
架橋可能な接着層の厚さに関しては、基本的に特に制限はない。好ましくは、架橋可能な接着層は、10から150μmまでの範囲、更に好ましくは10から100μmまでの範囲、更に好ましくは20から60μmまでの範囲の厚さを有する。
【0018】
好ましくは、架橋可能な接着層は、架橋可能な感圧接着剤を含む。好ましくは、架橋可能な感圧接着剤は、鋼に対する接着力が、試験法2に従って決定して未架橋の状態で少なくとも1N/cmである。
【0019】
好ましくは、架橋可能な感圧接着剤は、10から800nmまでの範囲の波長の放射線によって、更に好ましくは200から500nmまでの範囲の波長の放射線によって、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の波長の放射線によって、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の発光極大を有するLED光源の放射線によって架橋可能である。
【0020】
好ましくは、架橋可能な感圧接着剤は、少なくとも一種のポリマー、少なくとも一種のエポキシ樹脂及び少なくとも一種の光開始剤を含む。
【0021】
好ましくは、架橋可能な感圧接着剤は、
(a)25から75重量%まで、好ましくは30から70重量%までの少なくとも一種のポリマー;
(b)20から70重量%まで、好ましくは30から65重量%までの少なくとも一種のエポキシ樹脂;
(c)0.01から5重量%まで、好ましくは1から4重量%までの少なくとも一種のカチオン性光開始剤;
を含む。
【0022】
好ましくは、前記少なくとも一種のポリマーは、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー、ニトリルゴム及びポリアクリレートブロックコポリマーからなる群から選択される、更に好ましくは、ポリアクリレート、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー及びポリアクリレートブロックコポリマーからなる群から選択される一種以上の材料を含む。
【0023】
官能基で、例えば酸無水物、酸、エポキシド、ヒドロキシ、シロキサン、オキサゾリンで官能化されたものもポリマーとして理解される。
【0024】
好ましくは、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂は、少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシ樹脂E2を含む。
【0025】
好ましくは、エポキシ樹脂E1は25℃で固形のまたは高粘性のエポキシ樹脂E1を含み、そしてエポキシ樹脂E2は25℃で液状のエポキシ樹脂E2を含む。
【0026】
当業者の理解に一致して、エポキシ樹脂は、少なくとも一つのオキシラン基を有する化合物である。これらは、芳香族または脂肪族、とりわけ環状脂肪族の性質であることができる。エポキシ樹脂には、モノマー性のエポキシ樹脂だけでなく、オリゴマー性またはポリマー性のエポキシ樹脂も包含され得る。ポリマー性エポキシ樹脂は、多くの場合に、平均して、1分子あたり少なくとも二つのエポキシ基、特に1分子あたり二つ超のエポキシ基を有する。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び/または少なくとも一種のエポキシ樹脂E2、好ましくは前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシ樹脂E2は、二つ以上のエポキシ基、好ましくは二つのエポキシ基を有するエポキシ化合物からなる群から選択される。
【0028】
オリゴマー性またはポリマー性エポキシ樹脂には、末端エポキシ基を持つ概線状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位を持つポリマー(例えば、ポリブタジエン-ポリエポキシド)、及びエポキシド側基を持つポリマー(例えば、グリシジルメタクリレートポリマーまたは-コポリマー)が包含される。このようなエポキシ樹脂の分子量は、58から約100,000g/モルまでまたはそれ以上で変わり得、この際、分子量は、動粘度の調節のための重大な調整変数である。例示的な重合可能なエポキシ樹脂には、エポキシシクロ-ヘキサンカルボキシレート、例えば4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-2-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-2-メチルシクロヘキサンカルボキシレート及びビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペートが包含される。重合可能なエポキシ樹脂の更なる例は、例えばUS3,117,099A(特許文献1)に開示されている。本発明の使用において特に有用な更に別の重合可能なエポキシ化合物には、例えばUS3,018,262(特許文献2)に開示されるものなどのグリシジルエーテルモノマーが包含される。例は、多価フェノールと過剰のクロロヒドリン、例えばエピクロロヒドリンとの反応によって得られる、多価フェノールのグリシジルエーテル(例えば、2,2-ビス-(2,3-エポキシプロポキシフェノール)プロパンのジグリシジルエーテル)である。とりわけ、ビスフェノール類のグリシジルエーテル、例えばビスフェノール-A(4,4’-(プロパン-2,2-ジイル)ジフェノール)及びビスフェノール-F(ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン)が挙げられる。このような反応生成物は、様々な分子量及び凝集状態で商業的に入手できる(例えば、所謂、タイプ1乃至タイプ10のBADGE樹脂)。液状ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルの典型的な例は、Epikote 828、D.E.R.331及びEpon 828である。典型的な固形BADGE樹脂は、Araldite GT6071、GT7072、Epon1001及びD.E.R.662である。フェノール類とエピクロロヒドリンとの更に別の反応生成物は、フェノール-及びクレゾールノボラック樹脂、例えばEpiclonタイプまたはAraldite EPN及びECNタイプ(例えば、ECN1273)である。
【0029】
好ましくは、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び/または前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2、好ましくは前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2は、少なくとも一つの環状脂肪族基、好ましくはシクロヘキシル基またはジシクロペンタジエニル基を有するエポキシ化合物からなる群から選択される。更に好ましくは、追加的にまたは代替的に、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び/または少なくとも一種のエポキシ樹脂E2、好ましくは前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシド樹脂E2は、ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテル及びビスフェノール-F-ジグリシジルエーテル、好ましくはビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルからなる群から選択される。
【0030】
好ましくは、試験法3に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1は≧25℃のTg、及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2は<25℃のTgを有する。
【0031】
好ましくは、試験法4に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1は、25℃で、100Pa s以上、更に好ましくは150Pa s以上の動粘度を有する。
【0032】
好ましくは、試験法4に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2は、25℃で、30Pa s以下、更に好ましく20Pa s以下、更に好ましくは10Pa s以下の動粘度を有する。
【0033】
好ましくは、エポキシ樹脂E1は、25℃で固形物質または高粘性物質である化合物からなる群から選択され、この際、後者は、本発明の枠内では、25℃での動粘度の下限により定義される。これに関して、当業者は、固形物質と、対応する高粘性物質との間のこの区別は実際の使用において理にかなっていると理解する、というのも、固形物質の粘度は本質的に動粘度の前記の値よりも数冪乗高いが、実際には決定するのは多くの場合に殆ど意味はなく、そのため、それが固形物質であることを確認すれば十分であるためである。選択された定義によって、或る物質が25℃の時に固形物質であるかまたは対応する動粘度を有する高粘性物質であるかを区別する必要はないことは利点である。それに対して、重合可能なエポキシドE2は、本発明の枠内では、25℃での動粘度の上限によって定義される低粘性の液体である。この際、本発明の枠内では、動粘度は、2008年版のDIN53019-1に従って、25℃で1s-1の剪断速度で決定される。
【0034】
この際、エポキシ樹脂E1とエポキシ樹脂E2との間の粘度差は比較的大きくなるように選択されると有利である。それ故、25℃において、100Pa s以上、好ましくは150Pa s以上の動粘度を有する少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が好ましい。25℃において、30Pa s以下、好ましくは20Pa s以下、就中特に好ましくは10Pa s以下の動粘度を有する少なくとも一種のエポキシドE2が更に好ましい。この際、特に好ましくは、これらの対応する好ましい範囲は互いに組み合わされる。
【0035】
好ましくは、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1は、試験法5に従い決定して、45℃以上の軟化温度を有する。
【0036】
これに関連して、少なくとも一つの環状脂肪族基を有するエポキシ樹脂が対応するビスフェノール化合物の水素化によって得られるように、エポキシ樹脂の上記の両方の特徴が組み合わされる場合に更に好ましい。それ故、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び/または少なくとも一種のエポキシ樹脂E2、好ましくは前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシド樹脂E2は、水素化ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテル及び水素化ビスフェノール-F-ジグリシジルエーテル、好ましくは水素化ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルからなる群から選択されることが特に好ましい。更に好ましくは、エポキシ樹脂E2は、水素化ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテル及び水素化ビスフェノール-F-ジグリシジルエーテル、好ましくは水素化ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルからなる群から選択される。
【0037】
上記の記載から、固形のエポキシ樹脂E1の使用は、結果として生じる動粘度の大きな不一致の故に特に好ましいことも推論される。それ故、45℃以上の軟化温度を有する固形物としての少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が更に好ましい。
【0038】
好ましくは、E1:E2は、10:1から1:10までの範囲、更に好ましくは4:1から1:4までの範囲である。
【0039】
好ましくは、前記少なくとも一種の光開始剤には、スルホニウム、ヨードニウム及びメタロセンをベースとする系からなる群から選択される一種以上の材料が包含される。
【0040】
スルホニウムをベースとするカチオンの例としては、US6908722B1(特許文献3)中の記載が参照される。上記のカチオンの対イオンとして役立つアニオンの例としては、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、テトラクロロフェレート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート、ヘキサクロロアンチモネート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、ビ(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、及びトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドが挙げられる。加えて、とりわけヨードニウムをベースとする開始剤には、塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオンもアニオンとして考えられ得、しかし、この際、塩素及び臭素を本質的に含まない開始剤が好ましい。このような系の有能な例は、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートである。更に別の適当な開始剤は、例えばUS3,729,313A(特許文献4)、US3,741,769A(特許文献5)、US4,250,053A(特許文献6)、US4,394,403A(特許文献7)、US4,231,951A(特許文献8)、US4,256,828A(特許文献9)、US4,058,401A(特許文献10)、US4,138,255A(特許文献11)及びUS2010/063221A1(特許文献12)が開示されている。
【0041】
使用可能なスルホニウム塩の具体的な例は、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリトリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、アニシルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4-クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4-フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4-エトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4-アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4-アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、トリス(4-チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(メトキシスルホニルフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタ-フルオロベンジル)ボレート、ジ(カルボメトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4-オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス[4-(4-アセチルフェニル)チオフェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ドデシル-フェニル)スルホニウムテトラキス(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4-アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4-アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロ-ベンジル)ボレート、ジメチルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメチルジフェニル-スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、フェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、5-メチルチアントレニウムヘキサ-フルオロホスフェート、10-フェニル-9,9-ジメチルチオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート、10-フェニル-9-オキソチオキサンテニウムテトラフルオロボレート、10-フェニル-9-オキソチオキサンテニウムテトラキス(ペンタフルオロ-ベンジル)ボレート、5-メチル-10-オキソチアントレニウムテトラフルオロボレート、5-メチル-10-オキソチアントレニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、及び5-メチル-10,10-ジオキソチアントレニウムヘキサフルオロホスフェートである。
【0042】
使用可能なヨードニウム塩の具体的な例は、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ-(4-メチルフェニル)-ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル-4-メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ-(4-クロロフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジナフチルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ-(4-トリフルオロメチルフェニル)-ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(4-メチルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジ-(4-フェノキシフェニル)-ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル-2-チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、3,5-ジメチルピラゾリル-4-フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,2’-ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ-(2,4-ジクロロフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(4-ブロモフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(4-メトキシフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(3-カルボキシフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(3-メトキシカルボニルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(3-メトキシスルホニルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(4-アセトアミドフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ-(2-ベンゾチエニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジアリールヨードニウムトリストリフルオロメチルスルホニルメチド、例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアリールヨードニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)-ボレート、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)-ボレート、[4-(2-ヒドロキシ-n-テトラデシロキシ)-フェニル]-フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、[4-(2-ヒドロキシ-n-テトラデシロキシ)-フェニル]-フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、[4-(2-ヒドロキシ-n-テトラデシロキシ)-フェニル]-フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、[4-(2-ヒドロキシ-n-テトラデシロキシ)-フェニル]-フェニルヨードニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)-ボレート、ビス-(4-tert-ブチルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス-(4-tert-ブチルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス-(4-tert-ブチルフェニル)-ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス-(4-tert-ブチルフェニル)-ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムトリフルオロメチルスルホネート、ジ-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’-ジクロロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’-ジブロモジフェニルヨードニウムビスルフェート、3,3’-ジニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’-ジメチルジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’-ビス-スクシンイミドジフェニルヨードニウムビスルフェート、3-ニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’-ジメトキシジフェニルヨードニウムビスルフェート、ビス-(ドデシルフェニル)-ヨードニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)-ボレート、(4-オクチルオキシフェニル)-フェニルヨードニウムテトラキス-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)-ボレート及び(トリルクミル)-ヨードニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)-ボレート、及びフェロセニウム塩(例えばEP0542716B1(特許文献13))、例えばη5-(2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-[(1,2,3,4,5,6,9)-(1-メチルエチル)-ベンゼン]-鉄である。
【0043】
光開始剤は、典型的には、個々に、または二種以上の光開始剤の組み合わせとして使用される。光開始剤を使用する場合は、光開始系の活性化波長を選択された発光スペクトルに適合させるためのいわゆる増感剤との組み合わせが非常に役に立ち、これに関しては、当業者には既知の文献、例えばA.W.Green、“Industrial Photoinitiators: A technical guide”,2010(非特許文献1)が参照される。
【0044】
好ましくは、架橋可能な感圧接着剤は、追加的に
(d)前記少なくとも一種のポリマー及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂の重量%の合計を基準にして3から30重量%まで、更に好ましくは5から20重量%まで、更に好ましくは7から15重量%までの少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3、
を含む。
【0045】
好ましくは、前記少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3は、カルボキシ末端ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ニトリルゴム、エポキシ官能化ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される一種以上の材料を含む。
【0046】
本発明の意味でのエラストマー変性エポキシドE3とは、少なくとも2の平均官能度及び50重量%までのエラストマー含有率、特に5から40重量%までのエラストマー含有率を有する、とりわけ液状で、通常は高粘性の、エポキシドのことと解される。エポキシ基は、末端に及び/または分子の側鎖中に配置されていることができる。これらのフレキシブルなエポキシドのエラストマー構造部分は、ポリエン、ジエンコポリマー及びポリウレタンから、特にポリブタジエン、ブタジエン-スチレンコポリマーまたはブタジエン-アクリロニトリルコポリマーから構成される。
【0047】
ブタジエン-アクリロニトリルコポリマー(ニトリルゴム)で変性されたエポキシ樹脂E3は、例えばエポキシド-プレポリマーであり、これは、分子中に少なくとも二つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性することによって得られる。エポキシドベースとしては、有利には、グリセリンまたはポリエチレングリコールとハロゲン含有エポキシド化合物、例えばエピクロロヒドリンとの反応生成物、または多価フェノール、例えばヒドロキノン、ビスフェノールA及びハロゲン含有エポキシドの反応生成物が使用される。二つの末端エポキシ基を有するビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂からの反応生成物が望ましい。
【0048】
エポキシ樹脂E3の結合のためには、ブタジエンポリマーまたはブタジエン-アクリロニトリルコポリマー(いわゆるニトリルゴム)の場合には、酸官能基を有する第三のモノマー、例えばアクリル酸を一緒に重合することができ、それにより、いわゆるカルボキシ末端ニトリルゴム(CTBN)が得られる。通常は、これらの化合物は、末端にだけでなく、主鎖に沿っても酸基を含む。CTBNは、例えば、B.F.Goodrich社からHycarの商品名で販売されている。これらは、2000と5000との間のモル質量及び10%と30%との間のアクリロニトリル含有率を有する。具体例は、Hycar CTBN1300×8、1300×13または1300×15である。応じて、ブタジエンポリマーとの反応が進行する。
【0049】
エポキシ樹脂とCTBNとの反応によって、いわゆるエポキシ末端ニトリルゴム(ETBN)が得られ、これは、本発明において特に好ましく使用される。商業的には、このようなETBNは、例えば、Emerald Materials社から、HYPRO ETBN(依然はHycar ETBN)、例えばHypro 1300X40ETBN Hypro 1300X63ETBN及びHypro 1300X68ETBNの名称で得ることができる。エポキシ末端ブタジエンゴムの一例は、Hypro 2000X174ETBである。
【0050】
エラストマー変性エポキシ末端エポキシドE3の更なる例は、ネオペンチルアルコールのジグリシジルエーテルとカルボキシ末端を有するブタジエン/アクリロニトリル-エラストマーとの反応生成物(例えば、Resolution Performance Products LLC社のEPONTM Resin 58034)、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテルとカルボキシ末端を有するブタジエン/アクリロニトリルエラストマーとの反応生成物(例えば、Resolution Performance Products LLC社のEPONTM Resin 58006)、ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテルとカルボキシル末端を有するブタジエン/アクリロニトリルエラストマーとの反応生成物(例えば、Noveon,Inc.社(Cleveland、Ohio在)のCTBN-1300X8及びCTBN-1300X13)、及びビスフェノール-Aのジグリシジルエーテルとアミン末端を有するブタジエン/アクリロニトロルエラストマーとの反応生成物(例えば、Noveon,Inc.社製のATBN-1300X16及びATBN-1300X42)である。前記エラストマー変性エポキシド樹脂付加物の一例は、ビスフェノール-Fをベースとするエポキシ樹脂と、カルボキシル末端を有するブタジエン/アクリロニトリルエラストマーとの反応生成物(例えば、Resolution Performance Products LLC社のEPONTM Resin 58003)である。
【0051】
好ましくは、前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2は、少なくとも二つの面F1及びF2を含み、ここで、側壁S1は面F1を、そして側壁S2は面F2を含む。好ましくは、面F1及び面F2は、同じ広さを有する。
【0052】
好ましくは、前記少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4は、少なくとも二つの面F3及びF4を含み、ここで、側壁S3は面F3を、そして側壁S4は面F4を含む。
【0053】
好ましくは、面F3及び面F4は、同じ広さを有する。好ましくは、面F1及びF2は、面F3及びF4よりも広い。
【0054】
好ましくは、該バッテリーセルは矩形である。
【0055】
好ましくは、上面Oはバッテリー接点を含む。本発明の一変形では、側壁S3及びS4は、それぞれバッテリー接点を有する。
【0056】
好ましくは、下面Uは、上面Oの反対側にある。
【0057】
好ましくは、架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋は、(ii)のステップの後に行われる。
【0058】
好ましくは、架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋は、(vi)のステップの後に行われる。
【0059】
好ましくは、(ii)では、接着フィルムは、ロールに巻回された接着フィルムウェブ状品の形で提供される。
【0060】
好ましくは、(iii)は、
(iii.1)ロールからの接着フィルムの巻き出し、及びそれと同時の、10から800nmまでの範囲の波長の放射線、好ましくは200から500nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の発光極大を有するLED光源の放射線による、架橋可能な接着層の架橋、
を含む。
【0061】
好ましくは、接着フィルムは、幅b及び長さlを有する。
【0062】
好ましくは、ステップ(iii)において、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面Uから面Δb1の分はみ出ている。
【0063】
好ましくは、ステップ(iv)において、接着フィルムの長さlは、バッテリーセルの上面Oから面Δl1の分はみ出ている。
【0064】
好ましくは、ステップ(iv)において、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2から、面Δb2の分はみ出ており、ここでΔb2<Δb1である。
【0065】
好ましくは、ステップ(iv)において、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面Uから面Δb3の分はみ出ており、ここでΔb3<Δb2<Δb1である。
【0066】
好ましくは、(iv)は、
(iv.1)少なくとも一つの押圧ローラを含む接着デバイスの提供;
(iv.2)(好ましくは押圧ローラを用いた前記接着フィルムの接着層の押圧による)接着フィルムの接着層と側壁S1及び/または側壁S2との接着を含む、側壁S1及び/または側壁S2上への前記少なくとも一つの押圧ローラの案内;
を含む。
【0067】
好ましくは、(v)は、
(v.1)前記接着フィルムの接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb3の貼付;
(v.2)面Δl2の形成を伴っての前記接着フィルムの接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb2の貼付、ここでΔl2<Δl1である;
を含む。
【0068】
好ましくは、(vi)は、
(vi.1)面Δl3の形成を伴っての前記接着フィルムの接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl2の貼付、ここでΔl3<Δl2である;
(vi.2)前記接着フィルムの接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl3の貼付;
を含む。
【0069】
本発明の更に別の可能な実施形態の一つによれば、バッテリーを被覆するための該方法は、次のステップ:
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2、少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面O含むバッテリーセルの提供;
(ii)幅b及び長さlの接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含み、ここで接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面UからΔb1の分はみ出ている、接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接着を含み、ここで、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2から面Δb2の分はみ出ており、Δb2<Δb1である、接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含み、ここで、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4から面Δb3の分はみ出ており、Δb3<Δb1である、接触;
(v.1)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb3の貼付;
(v.2)面Δl2の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb2の貼付、ここでΔl2<Δl1である;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
(vi.1)面Δl3の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl2の貼付、ここでΔl3<Δl2である;
(vi.2)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl3への貼付;
を含み、
前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)のステップの後にまたは(vi)のステップの後に行われる。
【0070】
更に、本発明は、ここに記載の方法によって得ることができるまたは得られる、被覆されたバッテリーセルに関する。
【0071】
先に記載の本発明は、更に、実施形態の以下のセット及び実施形態の組み合わせによって記載され、ここで、この組み合わせは、然るべき従属及び引用関係によって与えられる。特に、例えば「実施形態1~5のいずれか一つに記載の方法」といった表現に関して、実施形態の範囲が記載される箇所において、この範囲における個々の実施形態は、当業者にとっては明示的に開示されていること、すなわち、この表現は、「請求項1、2、3、4及び5のいずれか一つに記載の方法」という表現と同義であると当業者によって理解されることを指摘しておく。更に、以下の実施形態のセットは、保護範囲を決定する特許請求の範囲のセットを表すものではなく、本発明の一般的及び好ましい観点が記載されている発明の詳細な説明の適切に構成された部分を表すものである点も明示的に指摘しておく。
【0072】
1.バッテリーセルの被覆方法であって、そのステップが、
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2、少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面Oを含むバッテリーセルの提供;
(ii)接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含む接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接着を含む接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む接触;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
を含み、
前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)から(vi)までのステップの後に行うことができる、前記方法。
【0073】
2.前記キャリアが、絶縁性キャリア、好ましくは電気絶縁性キャリア、更に好ましくはDIN EN62631-3-1(VDE 0307-3-1):2017-01に従い決定して、>1015Ωcm、好ましくは>1016Ωcm、更に好ましくは>1017Ωcmの比体積抵抗率を有する電気絶縁性キャリアを含む、実施形態1に記載の方法。
【0074】
3.前記キャリアが、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド6、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート及びポリエステルからなる群から、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群、更に好ましくはポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される一種以上の材料を含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0075】
4.前記キャリアが、20から100μmまでの範囲、好ましくは30から90μmまでの範囲、更に好ましくは40から75μmまでの範囲の厚さを有する、実施形態1~3のいずれか一つに記載の方法。
【0076】
5.前記架橋可能な接着層が、10から150μmまでの範囲、好ましくは10から100μmまでの範囲、更に好ましくは20から60μmまでの範囲の厚さを有する、実施形態1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0077】
6.前記架橋可能な接着層が架橋可能な感圧接着剤を含み、及び前記架橋可能な感圧接着剤は、試験法2に従い決定して、未架橋の状態で鋼鉄に対する接着力が少なくとも1N/cmである、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【0078】
7.前記架橋可能な感圧接着剤が、10から800nmまでの範囲の波長の放射線、好ましくは200から500nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の発光極大を有するLED光源の放射線によって架橋可能である、実施形態6に記載の方法。
【0079】
8.前記架橋可能な感圧接着剤が、少なくとも一種のポリマー、少なくとも一種のエポキシ樹脂、及び少なくとも一種の光開始剤を含む、請求項6または7に記載の方法。
【0080】
9.前記架橋可能な感圧接着剤が、
(a)20から75重量%まで、好ましくは30から70重量%までの少なくとも一種のポリマー;
(b)20から70重量%まで、好ましくは30から65重量%までの少なくとも一種のエポキシ樹脂;
(c)0.01から5重量%まで、好ましくは1から4重量%までの少なくとも一種のカチオン性光開始剤;
を含む、実施形態6~8のいずれか一つに記載の方法。
【0081】
10.前記少なくとも一種のポリマーが、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー、ニトリルゴム及びポリアクリレートブロックコポリマーからなる群から選択される、好ましくは、ポリアクリレート、ポリ(エチレン)ビニルアセテートコポリマー及びポリアクリレートブロックコポリマーからなる群から選択される一種以上の材料を含む,請求項8または9に記載の方法。
【0082】
11.前記少なくとも一種のエポキシ樹脂が、少なくとも一種のエポキシ樹脂E1及び少なくとも一種のエポキシ樹脂E2を含む、請求項8~10のいずれか一つに記載の方法。
【0083】
12.前記エポキシ樹脂E1が、25℃で固形かまたは高粘性のエポキシ樹脂E1を含み、及び前記エポキシ樹脂E2は25℃で液状のエポキシ樹脂E2を含む、実施形態11に記載の方法。
【0084】
13.試験法3に従い決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が≧25℃のTg、及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2が<25℃のTgを有する、実施形態11または12に記載の方法。
【0085】
14.試験法4に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が、25℃で、100Pa s以上、好ましくは150Pa s以上の動粘度を有する、実施形態11~13のいずれか一つに記載の方法。
【0086】
15.試験法4に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E2が、25℃で、30Pa s以下、好ましく20Pa s以下、更に好ましくは10Pa s以下の動粘度を有する、実施形態11~14のいずれか一つに記載の方法。
【0087】
16.試験法5に従って決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E1が、45℃以上の軟化温度を有する、実施形態11~15のいずれか一つに記載の方法。
【0088】
17.E1:E2が、10:1から1:10までの範囲、好ましくは4:1から1:4までの範囲である、実施形態11~16のいずれか一つに記載の方法。
【0089】
18.前記少なくとも一種の光開始剤が、スルホニウム、ヨードニウム及びメタロセンをベースとする系からなる群から選択される一種以上の材料を含む、実施形態8~17のいずれか一つに記載の方法。
【0090】
19.前記架橋可能な感圧接着剤が、追加に
(d)前記少なくとも一種のポリマー及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂の重量%の合計を基準にして3から30重量%まで、好ましくは5から20重量%まで、更に好ましくは7から15重量%までの少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3、
を含む、実施形態6~18のいずれか一つに記載の方法。
【0091】
20.前記少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE3が、カルボキシ末端ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ニトリルゴム、エポキシ官能化ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、実施形態19に記載の方法。
【0092】
21.前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2が、少なくとも二つの面F1及びF2を含み、ここで、側壁S1は面F1を、及び側壁S2は面F2を含む、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
【0093】
22.前記面F1及び面F2が同じ広さを有する、実施形態21に記載の方法。
【0094】
23.前記少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4が、少なくとも二つの面F3及びF4を含み、ここで、側壁S3は面F3を、及び側壁S4は面F4を含む、実施形態1~22のいずれか一つに記載の方法。
【0095】
24.前記面F3及び面F4が同じ広さを有する、実施形態23に記載の方法。
【0096】
25.前記面F1及びF2が、前記面F3及びF4よりも広い、実施形態21~24のいずれか一つに記載の方法。
【0097】
25.前記バッテリーセルが矩形である、実施形態1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0098】
26.前記上面Oがバッテリー接点を含むか、または前記側壁S3及び前記側壁S4がそれぞれバッテリー接点を含む、実施形態1~25のいずれか一つに記載の方法。
【0099】
27.前記下面Uが前記上面Oの反対側にある、実施形態1~26のいずれか一つに記載の方法。
【0100】
29.架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(ii)のステップの後に行われる、実施形態1~27のいずれか一つに記載の方法。
【0101】
31.架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(vi)のステップの後に行われる、実施形態1~27のいずれか一つに記載の方法。
【0102】
32.(ii)において、前記接着フィルムが、ロールに巻回された接着フィルムウェブ状物の形で提供される、実施形態1~31のいずれか一つに記載の方法。
【0103】
33.(iii)が、
(iii.1)ロールからの接着フィルムの巻き出し、及びそれと同時の、10から800nmまでの範囲の波長の放射線、好ましくは200から500nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の波長の放射線、更に好ましくは350nmから485nmまでの範囲の発光極大を有するLED光源の放射線による、架橋可能な接着層の架橋、
を含む、実施形態1~32、好ましくは実施形態32に記載の方法。
【0104】
34.前記接着フィルムが幅b及び長さlを有する、実施形態1~33のいずれか一つに記載の方法。
【0105】
35.ステップ(iii)において、前記接着フィルムの幅bが、前記バッテリーセルの下面Uから面Δb1の分はみ出ている、実施形態34に記載の方法。
【0106】
36.ステップ(iv)において、前記接着フィルムの長さlが、前記バッテリーセルの上面Oから面Δl1の分はみ出ている、実施形態34または35に記載の方法。
【0107】
37.ステップ(iv)において、前記接着フィルムの幅bが、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2から、面Δb2の分はみ出ており、ここでΔb2<Δb1である、実施形態34~36のいずれか一つに記載の方法。
【0108】
38.ステップ(iv)において、接着フィルムの幅bが、バッテリーセルの下面Uから面Δb3の分はみ出ており、ここでΔb3<Δb2<Δb1である、実施形態34~37のいずれか一つに記載の方法。
【0109】
39.(iv)が、
(iv.1)少なくとも一つの押圧ローラを含む接着デバイスの提供;
(iv.2)(好ましくは押圧ローラを用いた接着フィルムの前記接着層の押圧による)接着フィルムの接着層と側壁S1及び/または側壁S2との接着を含む、側壁S1及び/または側壁S2上への前記少なくとも一つの押圧ローラの案内;
を含む、実施形態1~38のいずれか一つに記載の方法。
【0110】
40.(v)が、
(v.1)前記接着フィルムの接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb3の貼付;
(v.2)面Δl2の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb2の貼付、ここでΔl2<Δl1である;
を含む、実施形態34~39のいずれか一つに記載の方法。
【0111】
41.(vi)が、
(vi.1)面Δl3の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl2の貼付、ここでΔl3<Δl2である;
(vi.2)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl3への貼付;
を含む、実施形態34~40のいずれか一つに記載の方法。
【0112】
42.バッテリーセルの被覆方法であって、そのステップが、
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2、少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面Oを含むバッテリーセルの提供;
(ii)幅b及び長さlの接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含み、ここで接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面Uから面Δb1の分はみ出ており、Δb1<bである、接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と前記少なくとも二つの側壁S1及びS2との接着を含み、ここで、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S1及びS2から面Δb2の分はみ出ており、Δb2<Δb1である、接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含み、ここで、接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S3及びS4から面Δb3の分はみ出ており、Δb3<Δb1である、接触;
(v.1)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb3の貼付;
(v.2)面Δl2の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S3及びS4との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S3及びS4上へのΔb2の貼付、ここでΔl2<Δl1である;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
(vi.1)面Δl3の形成を伴っての接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl2の貼付、ここでΔl3<Δl2である;
(vi.2)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの上面OへのΔl3への貼付;
を含み、
前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)のステップの後にまたは(vi)のステップの後に行われる、前記方法。
【0113】
43.実施形態1~42のいずれか一つに記載の方法によって得ることができるまたは得られる、被覆されたバッテリーセル。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【
図1a】下面U111、二つの相対する側壁S
1及びS
2112、二つの相対する側壁S
3及びS
4113、上面O114、及び上面114上の二つのバッテリー接点115を含むバッテリーセル110。
【
図1b】下面U111、二つの相対する側壁S
1及びS
2112、二つの相対する側壁S
3及びS
4113(これらの上にはそれぞれバッテリー接点115が存在する)、及び上面O114を含むバッテリーセル110の他の変形。
【
図6】ステップ(v)138及び(vi)140の好ましい実施例。
【0115】
[図面の説明]
本発明の更なる詳細及び特徴は、図面及び実施例の記載から明らかとなる。ここで、各特徴は、それ単独で、または複数を互いに組み合わせて実施することができる。本発明は、この実施例に限定されない。実施例は、図面に概略的に示されている。この際、個々の図面中の同じ符号は、同じ、または機能的に同じ、またはそれらの機能に関して互いに対応する要素を示す。これらの図面を一緒に説明する。
【0116】
図1aは、下面U111、二つの相対する側壁S
1及びS
2112、二つの相対する側壁S
3及びS
4113、上面O114、及び上面114上の二つのバッテリー接点115を含む、バッテリーセル110を示す。
図1bは、下面U111、二つの相対する側壁S
1及びS
2112、二つの相対する側壁S
3及びS
4113(これらの上にはそれぞれバッテリー接点115が存在する)、及び上面O114を含むバッテリーセル110の他の変形を示す。
図2~7は、
図1aのバッテリーセル110の被覆方法の様々な実施例を示す。とりわけ、
図2は、バッテリーセル110の被覆方法の一実施例を示す。ステップ(i)130は、バッテリーセル110の提供を示し、ここで、バッテリーセルは、少なくとも二つの相対する側壁S
1及びS
2、少なくとも二つの相対する側壁S
3及びS
4、少なくとも一つの上面U、及び少なくとも一つの上面Oを含む。ステップ(ii)132は、幅b118及び長さl117を有する接着フィルム116の提供を示す。ステップ(iii)134は、接着フィルム116とバッテリーセル116の少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルム116の少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの少なくとも一つの下面U111との接着を含み、ここで、接着フィルム116の幅b118は、バッテリーセル110の下面U111から面Δb
1119の分はみ出ている、接触を示す。ステップ(iv)136は、接着フィルム116と少なくとも二つの側壁S
1及びS
2112との接触であって、接着フィルム116の少なくとも一つの架橋可能な接着層と、少なくとも二つの側壁S
1及びS
2112との接着を含み、ここで、接着フィルムの幅b118は、バッテリーセル110の少なくとも二つの相対する側壁S
1及びS
2112から面Δb
2121の分はみ出ており、及び長さl117は、バッテリーセル110の上面O114からΔl
1120の分はみ出ている、接触を示す。ステップ(v)138及び(vi)140は、接着フィルム116と、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113との接触であって、接着フィルム116の少なくとも一つの架橋可能な接着層と少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113との接着を含み、ここで、接着フィルム116の幅b118は、バッテリーセル110の下面から面Δb
3122の分はみ出ており、Δb
3122は、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113上に貼付され、及びΔb
2121は、面Δl
2124を形成しつつの接着フィルム116の接着層と、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113との接着を含んで、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113上に貼付される、接触を示す。ステップ(vi)140は、接着フィルム116と、少なくとも一つの上面O114との接触であって、接着フィルム116の少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセル110の少なくとも一つの上面O114との接着を含み、ここでは、Δl
2124が、バッテリーセル110の上面O114上に、面Δl
3125を形成しつつ接着され、及びΔl
3125が、接着フィルム116の接着層と少なくとも一つの上面O114との接着を含みつつ、バッテリーセル110の上面O114上に接着される、接触を含む。更に、
図2は、被覆されたバッテリーセル150の実施例、及びバッテリーセル110の被覆方法の実施例を示し、これは、更に、架橋ユニット100を用いた、架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを含む。
図3は、バッテリーセル110の被覆方法の実施例を示し、ここでは、ステップ133において、架橋ユニット100を用いた、(ii)のステップの後の架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋が行われる。
図4は、バッテリーセル110の被覆方法の実施例を示し、ここでは、ステップ141において、架橋ユニット100を用いた、(vi)のステップの後の架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋が行われる。
図5は、ステップ(iv)136の拡大部分を示す。
図6は、ステップ(v)138及び(vi)140の好ましい実施例を示し、ここでは、ステップ142において、先ずΔb
3122が、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113上に接着される。その後、ステップ143において、面Δl
2124を形成しつつ、Δb
2121を、少なくとも二つの側壁S
3及びS
4113上に接着する。
図7は、ステップ140の好ましい実施例を示し、ここでは、接着フィルム116と少なくとも一つの上面O114との接触は、接着フィルム116の少なくとも一つの架橋可能な接着層とバッテリーセル110の少なくとも一つの上面O114との接着を含む。この際、ステップ145において、面Δl
3125の形成下に、Δl
2124が、バッテリーセル110の上面O114上に接着される。その後、Δl
3125が、バッテリーセル110の上面O114上に接着される。
【0117】
図1bに示されるバッテリーセル110の被覆方法は類似して進行する。該方法は、バッテリーセル110の提供から始まり、ここで、バッテリーセルは、少なくとも二つの相対する側壁S
1及びS
2、少なくとも二つの相対する側壁S
3及びS
4、少なくとも一つの下面U及び少なくとも一つの上面Oを含む。二つの相対する側壁S
3及びS
4上には、それぞれバッテリー接点が存在する。
【0118】
少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムは、二つの相対する側壁S1及びS2、下面U及び上面Oを一枚で被覆し、ここで、接着フィルムの端部は重なり合って互い接着される。接着フィルムは、相対する側壁S1及びS2、下面U及び上面Oよりも広い幅を有し、その結果、接着フィルムは、各々バッテリー接点を有する二つの相対する側壁S3及びS4には、はみ出し部を有する。側壁S1及びS2に、下面Uに及び上面Oにはみ出し部を形成する個々の部分は、任意の順序で、折り畳んで各々の側壁S3及びS4上に接着される。
【0119】
上面O上に二つのバッテリー接点が存在する場合である
図2~7に示されかつこれらの図面に関連する開示で説明されるバッテリーセル110の被覆方法は、側壁S
3及びS
4がそれぞれバッテリー接点を有する場合であるバッテリーセル110に同様に転用可能である。本発明による方法のこの変形では、部分ステップ(v)及び(vi)の順序は入れ替えられる。
【符号の説明】
【0120】
100 架橋ユニット
110 バッテリーセル
111 下面
112 側壁S1及びS2
113 側壁S3及びS4
114 上面O
115 バッテリー接点
116 接着フィルム
117 長さl
118 幅b
119 面Δb1
120 面Δl1
121 面Δb2
122 面Δb3
124 面Δl2
125 面Δl3
130 ステップ(i)
132 ステップ(ii)
133 (ii)のステップの後の架橋可能な接着層の架橋
134 ステップ(iii)
136 ステップ(iv)
138 ステップ(v)
140 ステップ(vi)
141 (vi)のステップ後の架橋可能な接着層の架橋
142 ステップ(v.1)
143 ステップ(v.2)
144 部分的に被覆されたバッテリーセル
145 ステップ(vi.1)
146 ステップ(vi.2)
150 被覆されたバッテリーセル
【実施例0121】
試験法
試験法1:比体積抵抗
比体積抵抗は、DIN EN62631-3-1(VDE0307-3-1):2017-01に従って決定した。
【0122】
試験法2:接着力
接着力は、ISO29862(方法3)に倣い23℃及び相対湿度50%で、剥ぎ取り速度300mm/分及び剥ぎ取り角度180°で決定した。基板としては、基準に従って鋼板を使用した。この際、測定用ストリップの接着は押圧ロール機を用いて4kgで23℃の温度下に行った。接着フィルムは、貼付直後に引き剥がすか、または24時間の保存期間後に引き剥がした。測定値(N/cm)は、3つの個々の測定値の平均であった。
【0123】
試験法3:Tg
ポリマーのガラス転移温度は、動的走査熱量測定(DSC)によって決定する。このために、未処理のポリマー試料約5mgをアルミニウム製るつぼ(容積25μL)に量り入れ、穴の開いた蓋で閉じる。測定のためには、Netzsch社製のDSC204F1が使用され、そして不活性化のために窒素下に作業する。この試料を最初に-150℃に冷却し、加熱速度10K/分で+150℃まで加熱し、再び-150℃に冷却する。続く第2の加熱曲線は、改めて10K/分で進行させて熱容量の変化を記録する。ガラス転移は、サーモグラムにおける段差として認識される。ガラス転移温度は、以下のように評価される。段差の前の1および後の2のサーモグラムのベースラインにそれぞれ接線をあてがう。段差の領域で、適合直線3を座標に平行に、この適合直線が両方の接線と交わるように、つまり同じ面積の2つの面4及び5(それぞれ1つの接線と、適合直線と、測定曲線との間)が生じるように置く。このように位置決めされた適合直線と測定曲線との交点がガラス転移温度になる。
【0124】
試験法4:動粘度
本発明の枠内では、動粘度は、2008-09版のDIN53019-1に従って、25℃で1s-1の剪断速度で決定される。
【0125】
試験法5:軟化温度
本発明の枠内では、軟化温度は、環球法として知られており及びASTM E28(1.7.2018)に基づいて標準化されている該当する方法論に基づいて実施される。
【0126】
樹脂の軟化温度の決定のためには、Herzog社の環球式自動装置HRB754を使用する。最初に樹脂サンプルを細かくすりつぶす。結果として生じた粉末を、底穴の開いた真鍮製シリンダ(シリンダの上部での内径20mm、シリンダの底穴の直径16mm、シリンダの高さ6mm)内に満たし、加熱台上で溶融させる。充填量は、樹脂が溶融後に、シリンダをはみ出ることなくいっぱいにするように選択する。
【0127】
結果として生じた試験体を、シリンダごとHRB754の試料保持具に装填する。軟化温度が50℃と150℃との間であれば、温度調節槽を満たすのにはグリセリンを使用する。より低い軟化温度の場合は水浴を用いても作業できる。試験球は直径が9.5mm、重さが3.5gである。HRB754の手順に対応して、温度調節槽内の試料体の上方に球を配置し、試験体上に置く。シリンダの底から25mm下に受け板があり、受け板の2mm上には光バリアがある。測定工程中は温度を5℃/分で上昇させる。軟化温度の温度範囲内では、球がシリンダの底穴を通って移動し始め、最終的には受け板上で停止する。この位置では球が光バリアによって検出され、この時点で温度調節槽の温度が記録される。2連で測定する。軟化温度は、両方の個別の測定からの平均値である。
【0128】
実施例及び比較例で使用される原料は表1に纏められている。
【0129】
【0130】
例K1~K3及び比較例V1~V3
例K1~K3及び比較例V2~V3の接着層は、表2の重量比(重量%)に従い製造した。比較例V1は、50μmポリエチレンテレフタレートキャリアと35μmアクリレート接着層から構成される、商業的に入手可能な電気絶縁性の接着テープである。
【0131】
【0132】
ブタノン中に溶解した接着剤を、35μmの層厚で50μmポリエチレンテレフタレートキャリア上に塗り広げ、105℃で乾燥炉中で溶剤を除去し、そしてシリコーン処理されたPETライナーで覆った。
【0133】
接着強度
得られた接着層の接着強度は、100μm層厚で測定しそしてMPaで表示した。
硬化条件:例K1及びK2及び比較例V2及びV3は、365nmUV-LED照射を用いて4J/cm2で照射し、そして活性化後に1分間未満内で接着した。測定は、23℃で7日間の後硬化時間後に行った。比較例V1は非反応性感圧接着剤であり、そのため活性化は不要である。例K3は、熱硬化可能な反応性感圧接着剤であり、これは施用後に25分間、145℃で硬化する。
【0134】
引張せん断試験を用いた接着強度の決定
達成された接着の品質のための特性値として、様々な接着テープについて本発明による方法に従い製造された接合体の接着強度を求めた。このためには、接着強度を、DIN EN1465:2009-07に準拠した動的引張せん断試験において23℃及び50%相対湿度で、10mm/分の試験速度についてそれぞれ定量的に決定した(結果はN/mm2=MPaで表示)。試験棒としては、接着の前にアセトンで洗浄した鋼製の棒を使用した。三回の測定から平均値を記載する。
【0135】
方法例
接着フィルムでのバッテリーセル壁の気泡のない接着のためには、例えば、ロールが適しており、これは、回転しながら、接着テープを、一方の側から開始してバッテリーセル壁上に押圧する。
【0136】
比較例M1
架橋可能な接着層を備えた矩形のPET接着フィルム片を切り出し、そしてライナーを除去した。その後、この接着フィルムを、Hoenle UV-LED365nmを用いて4J/cm2の線量を用いて照射した(UV-LED、365nm、1000mJ/cm2 sで4秒間)。接着層としてはK2を使用した。バッテリーセルの被覆は、次の順序で行った。
1)接着フィルムの接着層と、バッテリーセルの下面Uとの接着;
2)接着フィルムの接着層と、二つの広い側壁S1及びS2との接着;
3)狭い側壁S3及びS4への下面Uの張り出し部Δb3の接着;
4)狭い側壁S3及びS4への側面張り出し部Δb2の接着;
5)バッテリーセルの上面Oへの、狭い側壁S3及びS4の張り出し部Δl2の接着;
6)バッテリーセルの上面Oへの、広い側壁S1及びS2の張り出し部Δl3の接着。
【0137】
方法例M2
方法例M2は、方法例M1と同様に行い、ここで照射はライナーを含めて行った。これを、4J/cm2(UV-LED365nm、100mJ/cm2 sで4秒間)の線量で照射し、その後、ライナーを除去し、そしてバッテリーセルを、方法例M1に記載のように被覆した。
【0138】
方法例M3
バッテリーセルを完全に被覆した後に初めて接着フィルムを照射したことを除いて、方法例M3を方法例M1のように行った。この場合、接着フィルムが折り畳みプロセス及びかぶせ張りの故に多層となっている領域に達するために、5J/cm2超の線量(UV-LED365nm、各々の側で1000mJ/cm2 sを用いて10秒間)を用いた。
【0139】
方法例M4
架橋可能な接着層を備えた矩形のPET接着フィルム片を切り出し、そしてライナーを除去した。接着層としてはK3を使用した。バッテリーセルの被覆は、次の順序で行った。
1)接着フィルムの接着層と、バッテリーセルの下面Uとの接着;
2)接着フィルムの接着層と、二つの広い側壁S1及びS2との接着;
3)狭い側壁S3及びS4への下面Uの張り出し部Δb3の接着;
4)狭い側壁S3及びS4への側面張り出し部Δb2の接着;
5)バッテリーセルの上面Oへの、狭い側壁S3及びS4の張り出し部Δl2の接着;
6)バッテリーセルの上面Oへの、広い側壁S1及びS2の張り出し部Δl3の接着。
【0140】
次いで、バッテリーセルの被覆の後に、接着フィルムを熱エネルギーに曝した(140℃で20分間)。
【0141】
方法例M5
方法例M5は、方法例M1と同様に行い、ここでは接着層としてK1を使用した。
【0142】
比較方法例
比較方法例VM1
架橋可能な接着層を備えた矩形のPET接着フィルム片を切り出し、そしてライナーを除去した。その後、この接着フィルムを、Hoenle UV-LED365nmを用いて4J/cm2の線量を用いて照射した。接着層としてはK2を使用した。バッテリーセルの被覆は、次の順序で行った。
1)接着フィルムの接着層と、バッテリーセルの下面Uとの接着;
2)接着フィルムの接着層と、二つの広い側壁S1及びS2との接着;
3)狭い側壁S3及びS4への側面張り出し部Δb2の接着;
4)狭い側壁S3及びS4への下面Uの張り出し部Δb3の接着;
5)バッテリーセルの上面Oへの、狭い側壁の張り出し部Δl2の接着;
6)バッテリーセルの上面Oへの、広い側壁の張り出し部Δl3の接着。
【0143】
VM1では、M1からM5と比べて、ステップ3)及び4)の順序は逆である。
【0144】
比較方法例VM2
架橋可能な接着層を備えた矩形のPET接着フィルム片を切り出し、そしてライナーを除去した。その後、この接着フィルムを、Hoenle UV-LED365nmを用いて4J/cm2の線量を用いて照射した。接着層としてはK2を使用した。バッテリーセルの被覆は、次の順序で行った。
1)接着フィルムの接着層と、バッテリーセルの下面Uとの接着;
2)接着フィルムの接着層と、二つの広い側壁S1及びS2との接着;
3)狭い側壁S3及びS4への側面張り出し部Δb2の接着;
4)狭い側壁S3及びS4への下面Uの張り出し部Δb3の接着;
5)バッテリーセルの上面Oへの、広い側壁の張り出し部Δl3の接着;
6)バッテリーセルの上面Oへの、狭い側壁の張り出し部Δl2の接着。
【0145】
VM2では、M1からM5と比べて、ステップ3)と4)、及びステップ5)と6)の順序は逆である。
【0146】
方法例M1~M5及び比較方法例VM1~VM2のバッテリーセルの被覆の結果を表3に纏める。
【0147】
【0148】
浸透試験
接着品質の評価のために、絶縁性接着テープで包んだバッテリーセルを、1000時間、気候室内で85℃及び85%相対湿度(r.F.)で保管した。この試験は、前記時間の後に、いずれの接着でも、接着縁部の立ち上がりが起こらない場合に合格と評価された。不合格は、絶縁性接着テープが、少なくとも一つの箇所(多くの場合、折り畳み領域中)で剥がれて、セルから離れた場合を意味する。
【0149】
接着法M1を用いて、接着層K1及びV1を用いた接着フィルムも接着し、そして評価した。K1を用いた場合は、4MPa超の十分な接着強度が達成され、浸透試験に合格した。比較例V1は、他の液状接着剤のための接着ベースとして機能するための十分な接着強度を持たない商業的な感圧接着剤tesa(登録商標)58353である。例V2及びV3は確かに硬化後に高い接着強度を特色とするが、エポキシド固形樹脂に欠けるためにまたは低すぎるポリマー含有率のために、柔らかすぎ、その結果、接着層は凝集力が低すぎ、これは、接着力試験における未硬化の状態での凝集破壊に現れる。このような柔軟な接着剤は特許請求される方法にはあまり適していない、なぜならば、これらは、一方では、それらの低い凝集力の故に、巻かれた接着テープロールから側面の所で流出し、その結果、ロールらを付着させる傾向があり、他方で、縁周辺の接着の時に、キャリアフィルムの復元力の故に、フィルムの立ち上がり(「エッジリフティング」)または剥離を招く恐れがあるからである。比較法VM1では、ステップ4)で接着された狭い側壁S3及びS4での折り畳み接合部が剥がれた。比較法VM2では、ステップ6)で接着された上面の狭い側壁の縁が剥がれた。
接着法M1を用いて、接着層K1及びV1を用いた接着フィルムも接着し、そして評価した。K1を用いた場合は、4MPa超の十分な接着強度が達成され、浸透試験に合格した。比較例V1は、他の液状接着剤のための接着ベースとして機能するための十分な接着強度を持たない商業的な感圧接着剤tesa(登録商標)58353である。例V2及びV3は確かに硬化後に高い接着強度を特色とするが、エポキシド固形樹脂に欠けるためにまたは低すぎるポリマー含有率のために、柔らかすぎ、その結果、接着層は凝集力が低すぎ、これは、接着力試験における未硬化の状態での凝集破壊に現れる。このような柔軟な接着剤は特許請求される方法にはあまり適していない、なぜならば、これらは、一方では、それらの低い凝集力の故に、巻かれた接着テープロールから側面の所で流出し、その結果、ロールらを付着させる傾向があり、他方で、縁周辺の接着の時に、キャリアフィルムの復元力の故に、フィルムの立ち上がり(「エッジリフティング」)または剥離を招く恐れがあるからである。比較法VM1では、ステップ4)で接着された狭い側壁S3及びS4での折り畳み接合部が剥がれた。比較法VM2では、ステップ6)で接着された上面の狭い側壁の縁が剥がれた。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.バッテリーセルの被覆方法であって、そのステップが、
(i)バッテリーセルの提供であって、少なくとも二つの相対する側壁S
1
及びS
2
、少なくとも二つの相対する側壁S
3
及びS
4
、少なくとも一つの下面U、及び少なくとも一つの上面O含むバッテリーセルの提供;
(ii)接着フィルムの提供であって、少なくとも一つの架橋可能な接着層及び少なくとも一つのキャリアを含む接着フィルムの提供;
(iii)(ii)の接着フィルムと、(i)のバッテリーセルの少なくとも一つの下面Uとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの下面Uとの接着を含む接触;
(iv)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S
1
及びS
2
との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S
1
及びS
2
との接着を含む接触;
(v)前記接着フィルムと、前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
との接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
との接着を含む接触;
(vi)前記接着フィルムと、前記少なくとも一つの上面Oとの接触であって、接着フィルムの前記少なくとも一つの架橋可能な接着層と、バッテリーセルの前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む接触;
を含み、前記架橋可能な接着層の少なくとも部分的な架橋の少なくとも一つのステップを更に含み、ここで、この架橋の少なくとも一つのステップは、(ii)から(vi)までのステップの後に行うことができる、前記方法。
2.前記キャリアが、絶縁性キャリア、好ましくは電気絶縁性キャリア、更に好ましくは、DIN EN62631-3-1(VDE0307-3-1):2017-01に従い決定して、>10
15
Ωcm、好ましくは>10
16
Ωcm、更に好ましくは>10
17
Ωcmの比体積抵抗を有する電気絶縁性キャリアを含む、前記1.に記載の方法。
3.前記キャリアが、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド6、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート及びポリエステルからなる群から、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、前記1.または2.に記載の方法。
4.前記架橋可能な接着層が、10から150μmまでの範囲、好ましくは10から100μmまでの範囲、更に好ましくは20から60μmまでの範囲の厚さを有する、前記1.~3.のいずれか一つに記載の方法。
5.前記架橋可能な接着層が、架橋可能な感圧接着剤を含み、及び前記架橋可能な感圧接着剤が、少なくとも一種のポリマー、少なくとも一種のエポキシ樹脂、及び少なくとも一種の光開始剤を含む、前記1.~4.のいずれか一つに記載の方法。
6.前記架橋可能な感圧接着剤が、
(a)25から75重量%まで、好ましくは30から70重量%までの少なくとも一種のポリマー;
(b)20から70重量%まで、好ましくは30から65重量%までの少なくとも一種のエポキシ樹脂;
(c)0.01から5重量%まで、好ましくは1から4重量%までの少なくとも一種のカチオン性光開始剤;
を含む、前記5.に記載の方法。
7.前記少なくとも一種のエポキシ樹脂が、少なくとも一種のエポキシ樹脂E
1
及び少なくとも一種のエポキシ樹脂E
2
を含み、及び試験法3に従い決定して、前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E
1
が≧25℃のTgを有し、及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂E
2
が<25℃のTgを有する、前記5.または6.に記載の方法。
8.前記架橋可能な感圧接着剤が、追加的に、
(d)前記少なくとも一種のポリマー及び前記少なくとも一種のエポキシ樹脂の重量%の合計を基準にして3から30重量%まで、好ましくは5から20重量%まで、更に好ましくは7から15重量%までの少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE
3
、
を含み、及び前記少なくとも一種のエラストマー変性エポキシドE
3
が、カルボキシ末端ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ブタジエンゴム、エポキシ末端ニトリルゴム、エポキシ官能化ポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、前記5.~7.のいずれか一つに記載の方法。
9.架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(ii)のステップの後に行われるか、または架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(vi)のステップの後に行われる、前記1.~8.のいずれか一つに記載の方法。
10.前記接着フィルムが、幅b及び長さlを有し、ここで、ステップ(iii)において、該接着フィルムの幅bは、バッテリーセルの下面Uから面Δb
1
の分はみ出ており、ステップ(iv)において、接着フィルムの幅bが、バッテリーセルの前記少なくとも二つの相対する側壁S
1
及びS
2
から面Δb
2
の分はみ出ており、及びバッテリーセルの前記下面Uから面Δb
3
の分はみ出ており、ここで、Δb
3
<Δb
2
<Δb
1
であり、及びΔb
2
<Δb
1
であり、及び(v)が、
(v.1)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
上へのΔb
3
の貼付;
(v.2)面Δl
2
の形成を伴っての、接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
との接着を含む、前記少なくとも二つの側壁S
3
及びS
4
上へのΔb
2
の貼付;
を含む、前記1.~9.のいずれか一つに記載の方法。
11.(vi)が、
(vi.1)面Δl
3
の形成を伴っての、接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの前記上面OへのΔl
2
の貼付、ここでΔl
3
<Δl
2
である;
(vi.2)接着フィルムの前記接着層と前記少なくとも一つの上面Oとの接着を含む、バッテリーセルの前記上面OへのΔl
3
の貼付;
を含む、前記10.に記載の方法。
12.前記1.~11.のいずれか一つに記載の方法によって得ることができるまたは得られる、被覆されたバッテリーセル。
前記キャリアが、絶縁性キャリア、好ましくは電気絶縁性キャリア、更に好ましくは、DIN EN62631-3-1(VDE0307-3-1):2017-01に従い決定して、>1015Ωcm、好ましくは>1016Ωcm、更に好ましくは>1017Ωcmの比体積抵抗を有する電気絶縁性キャリアを含む、請求項1に記載の方法。
前記キャリアが、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド6、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート及びポリエステルからなる群から、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリ塩化ビニルからなる群から選択される一種以上の材料を含む、請求項1または2に記載の方法。
前記架橋可能な接着層が、10から150μmまでの範囲、好ましくは10から100μmまでの範囲、更に好ましくは20から60μmまでの範囲の厚さを有する、請求項1または2に記載の方法。
前記架橋可能な接着層が、架橋可能な感圧接着剤を含み、及び前記架橋可能な感圧接着剤が、少なくとも一種のポリマー、少なくとも一種のエポキシ樹脂、及び少なくとも一種の光開始剤を含む、請求項1に記載の方法。
架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(ii)のステップの後に行われるか、または架橋可能な接着層の前記少なくとも部分的な架橋が、(vi)のステップの後に行われる、請求項1または5に記載の方法。