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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049368
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】具材トッピング装置
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/10 20160101AFI20240402BHJP
【FI】
A23P20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023160202
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2022155472
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】521089889
【氏名又は名称】TMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(74)【代理人】
【識別番号】100231038
【弁理士】
【氏名又は名称】正村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】京谷 泰裕
【テーマコード(参考)】
4B048
【Fターム(参考)】
4B048PE04
4B048PK04
4B048PK07
4B048PS20
(57)【要約】
【課題】具材のほぐし工程やそのための機構を省略でき、生産コストの削減や生産時間の低減を図れる具材トッピング装置100を提供する。
【解決手段】
ピザやお好み焼き等の食材本体W上に具材P2をトッピングするものであって、
切削前の前記具材である具材ブロックP1を下方にスライド可能に保持するとともに、該具材ブロックP1の下端部を突出させる下端開口2bを有した保持枠体2と、該保持枠体2の下方に設置され、前記下端開口2aから突出する具材ブロックP1を削る切削刃32および該切削刃32によって削られた具材P2を通過させて下方に落とす落下孔33を有した切削板3と、前記切削板3を回転または進退させる駆動機構5と、前記食材本体Wを所定方向に搬送する搬送機構200によって搬送される食材本体Wが、前記切削板3の下方に位置したタイミングで前記駆動機構5を動作させ切削板3を回転または進退させる制御機構6とを備えるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピザやお好み焼き等の食材本体上に具材をトッピングするものであって、
切削前の前記具材である具材ブロックを下方にスライド可能に保持するとともに、該具材ブロックの下端部を突出させる下端開口を有した保持枠体と、
該保持枠体の下方に設置され、前記下端開口から突出する前記具材ブロックを削る切削刃および該切削刃によって削られた具材を通過させて下方に落とす落下孔を有した切削板と、
前記切削板を回転または進退させる駆動機構と、
前記食材本体を所定方向に搬送する搬送機構によって搬送される食材本体が、前記切削板の下方に位置したタイミングで前記駆動機構を動作させ切削板を回転または進退させる制御機構とを備えていることを特徴とする具材トッピング装置。
【請求項2】
前記保持枠体を複数備えている請求項1記載の具材トッピング装置。
【請求項3】
前記保持枠体が起立しており、保持枠体内の具材ブロックが自重で滑り落ちて前記切削板上に押し付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の具材トッピング装置。
【請求項4】
前記保持枠体2の内面に、長手方向に延びるリブまたは溝が形成されている請求項1又は2記載の具材トッピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザやお好み焼きなどの生地、具材がまだ完全にはかけられていない丼ぶりやパスタなどといった半製品である食材本体上にチーズなどの具材をトッピングする具材トッピング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、焼くだけの状態にまで完成させたピザがスーパーやコンビニ、通販サイトなどで販売されている。
【0003】
このようなピザは、生産ラインに設置されたコンベア上を次々流れてくる生地に、作業者がソースを塗り、その下流側にいる別の作業者がシュレッドチーズなどの具材をトッピングして完成される。
【0004】
このような具材は、当然のことながら、容器などに入れられてトッピング場所に置かれており、作業者は、この容器から必要な量の具材を取り出してトッピングする。
【0005】
ところが、例えばピザの主要な具材であるシュレッドチーズは、互いに引っ付いてトッピングのための適量を取り出すことが難しい状態になっている場合がある。そこで、従来、トッピングする作業者の他に、容器内のシュレッドチーズを定期的にほぐす別の作業者が配備されている。
【0006】
特許文献1には、このようなトッピング作業を自動化する具材トッピング装置が開示されているが、前述した具材同士が引っ付く問題を解決するため、トッピング前のシュレッドチーズ等をほぐす均し装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-130002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような現状に対し、本発明者は、そもそもトッピング具材をほぐす工程が必要なのか、という点に初めて着目し、本発明を完成させたものであって、このほぐし工程やそのための機構を省略でき、生産コストの削減や生産時間の低減を図れる具材トッピング装置を提供することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係る具材トッピング装置は、ピザやお好み焼き等の食材本体上に具材をトッピングするものであって、
切削前の前記具材である具材ブロックを下方にスライド可能に保持するとともに、該具材ブロックの下端部を突出させる下端開口を有した保持枠体と、
該保持枠体の下方に設置され、前記下端開口から突出する前記具材ブロックを削る切削刃および該切削刃によって削られた具材を通過させて下方に落とす落下孔を有した切削板と、
前記切削板を回転または進退させる駆動機構と、
前記食材本体を所定方向に搬送する搬送機構によって搬送される食材本体が前記切削板の下方に位置したタイミングで前記駆動機構を動作させ切削板を回転または進退させる制御機構とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
このような構成のトッピング装置によれば、チーズのような粘着性、付着性を有する具材であっても、削られてバラバラになった直後にそのまま食材本体上に落下するため、具材が平均的に散乱した好適なトッピング状態にすることができるとともに、ほぐす工程や機構を省略でき、生産コストの削減や生産時間の低減を図ることができるようになる。
【0011】
さらに、トッピング量は、切削板の移動量でコントロールできるので、1回1回のトッピングでの具材量を計量する計量器なども不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態における具材トッピング装置の全体を示す概略正面図である。
図2】同実施形態における具材トッピング装置の概略側面図である。
図3】同実施形態における具材トッピング装置の概略平面図である。
図4図1におけるY部の縦断面図である。
図5】同実施形態における具材トッピング装置の概略平面図である。
図6】同実施形態における切削板の平面図である。
図7】同実施形態における保持枠体およびチーズブロックを示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態における切削板の平面図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態における保持枠体の斜視図である。
図10】同実施形態における保持枠体の分解斜視図である。
図11】同実施形態における保持枠体下部の断面図である。
図12】同実施形態における保持枠体下部の下方から視た斜視図である。
図13】同実施形態における保持枠体、切削板およびシュート部材を主として示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る具材トッピング装置を、図面を参照して説明する。
【0014】
[構成]
図1図3に本実施形態における具材トッピング装置100の全体概略図を示す。
【0015】
この具材トッピング装置100は、ベルトコンベア等の搬送装置200によって、一列または複数列で等間隔に並べられ、次々搬送されてくるピザの生地W(請求項でいう食材本体)上に、シュレッドチーズ(請求項でいう具材)をトッピングするものであり、次に述べる(1)~(5)の構成要素を備えている。
【0016】
(1)台座
(2)チーズブロックP1(請求項でいう具材ブロック)を保持する保持枠体
(3)チーズブロックP1をシュレッドしてシュレッドチーズP2を生成するための切削板
(4)切削板3を水平回転可能に支持する回転支持機構
(5)切削板3を回転駆動する駆動機構
(6)前記駆動機構5を制御する制御機構6
【0017】
以下に、前記各構成要素について説明する。
【0018】
(1)台座1
台座1は、床面に設置される直方体状をなすベース11と、このベース11の上面一辺部から起立する支持体12と、この支持体12上に取り付けられてベース11の上方に水平に配置される基盤13とを備えたものであり、ベース11と基盤13との間の空間に前記搬送装置200が配置され、ピザの生地Wが基盤13の下方を通過するように構成されている。
【0019】
(2)保持枠体2
保持枠体2は、SUS等の金属製の矩形管状をなすものであり、前記基盤13に取り付けられた支柱71から延びる支持アーム72に支持されて、当該基盤13上に鉛直に起立させてある。
【0020】
図7図4にも示すように、この保持枠体2の上端および下端は開口させてあり、その上端開口2aから前記チーズブロックP1が保持枠体2内に挿入され、この挿入されたチーズブロックP1が下端開口2bから突出するように構成されている。
【0021】
この保持枠体2の内面の有効縦横幅は、チーズブロックP1の縦横幅と同じかやや大きく設定してあり、保持枠体2内に挿入されたチーズブロックP1は、水平方向にはほぼ動くことなく、自重で下方にスライドするように構成されている。なお、前記保持枠体2の内面には、長手方向に延びるリブまたは溝が形成してあり、保持枠体2の内面の一部のみがチーズブロックP1の側周面に当たって、チーズブロックP1との摺動抵抗を低減するように構成されている。
【0022】
また、この実施形態では、複数(4つ)の保持枠体2が、平面視において所定点(以下、保持枠体中心点という)を中心に回転対称(ここでは、4回回転対称)となるように配置されている。なお、図中符号73は、これら保持枠体2をバインドするブラケットである。
【0023】
(3)切削板3
切削板3は、図4図6にも示すように、SUS等の金属製のものであり、薄肉円形状の板本体31を打ち抜き加工することにより、この板本体31の上面から切削刃32を一体に突出させたものである。また、切削刃32の下方には、板本体31の厚み方向に貫通する落下孔33が形成されている。この切削板3は、基盤13に支持されており、平面視においてその中心が前記保持枠体中心点と合致し、かつ、側面視において、その上面が前記保持枠体2の下端の下方近傍となる位置に配置されている。
【0024】
切削刃32は、その刃先が板本体31の周方向を向くように形成されている。この実施形態では、複数の切削刃32が板本体31の半径方向に沿って等間隔で一列に並べられており、かつ、この半径方向に沿って並べられた切削刃列32aが、等角度間隔で放射状に複数列設けられている。
【0025】
また、各切削刃32の板本体31の中心からの距離は互いに異ならせてあり、切削板3が1回転することによる各切削刃32の移動軌跡が重なり合って、チーズブロックP1の端面の最大寸法よりも大きな幅の円環状となるようにしてある。この構成により、切削板3を1回転させると、チーズブロックP1の端面全部が均等に削られる。
【0026】
(4)回転支持機構4
回転支持機構4は、図4図6にも示すように、前記切削板3の周縁部を支持してこれを自転可能とするものであり、切削板3の周縁部に等間隔で取り付けられた複数のスラストローラ41と、同周縁部であって前記スラストローラ41よりも下方に等間隔で取り付けられた複数のラジアルローラ42と、前記基盤13に設けられた円形孔43とを備えている。
【0027】
より具体的に説明すると、切削板3の周縁部には、厚肉円環状をなすブラケット部材44が垂下するように取り付けられており、前記スラストローラ41は、その回転軸を切削板3の半径方向と合致させた姿勢で、前記ブラケット部材44の外周面に取り付けられている。また、前記ラジアルローラ42は、その回転軸を鉛直方向(切削板3の回転軸方向)と合致させた姿勢で、前記ブラケット部材44の下面に取り付けられている。
【0028】
前記円形孔43は、その径が、前記各スラストローラ41を結んだ仮想円の径よりも小さく、かつ、前記各ラジアルローラ42の外端を結んだ仮想円の径と合致する大きさを有したものであり、前記各ラジアルローラ42が該円形孔43の内周面に当接転動するとともに、前記各スラストローラ41が前記円形孔43の周囲における基盤13の上面に当接転動するようにしてある。この構成により、前述したように、切削板3が基盤13に支持されて、前記円形孔43の中心を軸にして自転するように構成されている。
【0029】
(5)駆動機構5
駆動機構5は、電動モータ51と、電動モータ51の回転を切削板3に伝達する伝達機構52とを備えたものである。
【0030】
電動モータ51は、その回転軸を鉛直にした姿勢で、切削板3の側方において前記基盤13に支持されている。
【0031】
伝達機構52は、ここでは、前記電動モータ51の出力シャフトに取り付けられた第1平歯車521と、前記切削板3の外周に取り付けられた第2平歯車522とを備えたものであり、これら第1平歯車521と第2平歯車522が噛み合うように構成されている。なお、この伝達機構52は、このようなギヤトレインに限られず、プーリー式のものでもよいし、電動モータ51を前記切削板3の直上に配置して、その出力シャフトで直接的にこの切削板3を回転駆動するようなものでもよい。
【0032】
(6)制御機構6
制御機構6は、CPU、メモリ、モータドライバなどを備えた所謂コンピュータやシーケンサ(PLC)などと称されるものである。
【0033】
(7)物体検出センサ8
この実施形態では、前記基盤13の一端部に取り付けられた物体検出センサ8が更に設けてられている。この物体検出センサ8は、例えば超音波や光などの反射を利用して、搬送装置200によって搬送されてくる生地Wが切削板3の手前に設定された所定位置に到達したことを検知し、その検知信号を前記制御機構6に送信するものである。
【0034】
[動作]
次に、この具材トッピング装置100の動作を説明する。
【0035】
まず、作業者が保持枠体2の上端開口2aからチーズブロックP1を挿入する。チーズブロックP1は、この保持枠体2にほぼがたなく嵌り込む縦長の大きさにカットされており、挿入されたチーズブロックP1は、保持枠体2内を滑り落ちてその下端開口2bから一部が突出し、下方の切削板3上に当接した状態となっている。
【0036】
次に、搬送装置200によって搬送されてきた生地Wが前記所定位置に到達すると、これを前記物体検出センサ8が検知し、その検知信号を制御機構6に送信する。
【0037】
搬送装置200による生地Wの搬送速度は一定であるから、制御機構6がこの検知信号を受信した時刻、つまり生地Wが前記所定位置に到達した時刻から切削板3の直下に到達するまでの所要時間は予め計算により求められる。
【0038】
この所要時間は予めメモリに記憶させてあり、制御機構6は、生地Wが前記所定位置に到達した時刻から前記所要時間を経過した時点で、駆動信号を出力し、電動モータ51を介して切削板3を1回転させる。
【0039】
このことにより、切削板3上に自重で押さえつけられているチーズブロックP1の端面が切削刃32で削られ、所定量のシュレッドされたチーズが落下孔33を通って生地W上にトッピングされる。なお、チーズがシュレッドされ落下している間も搬送装置200は止まらず、生地Wは移動し続けるが、切削板3の1回転に要する時間の間にチーズブロックP1の直下から生地Wが外れないように、生地Wの搬送速度もしくは切削板3の回転速度が調整してある。
【0040】
なお、この実施形態では、搬送方向に沿って複数組(ここでは2組)の切削板3、保持枠体2および駆動機構5が直列して設けてあって、一度に複数(ここでは2つ)の生地Wにチーズがトッピングされるようにしてある。
【0041】
保持枠体2内のチーズブロックは、切削板3で削られるたびに長さが短くなっていく。作業者は、これを監視していて、チーズブロックの長さが所定以下になった時点で、新たにチーズブロックを保持枠体2の上端開口から挿入し、長さの短いチーズブロック上に積み重ねる。なお、チーズブロックの追加挿入を専用の装置によって自動で行うようにしてもよい。
【0042】
[効果]
上述した具材トッピング装置100によれば、チーズのような粘着性、付着性を有する具材であっても、削られてバラバラになった状態でそのまま生地W上に落下するため、チーズが平均的に散乱した好適なトッピング状態にすることができるとともに、ほぐす工程や機構を省略でき、生産コストの削減や生産時間の低減を図ることができる。
【0043】
また、トッピング量は、切削板3の移動量(回転角度)でコントロールできるので、1回1回のトッピングでの具材量を計量する計量器なども不要となる。
【0044】
さらに、この実施形態では、1つの生地Wに対して複数(4つ)の保持枠体2からのチーズが一度にトッピングされるので、各保持枠体2に異なる種類のチーズを保持させれば、1つの生地Wに異なる種類のチーズを一挙にトッピングすることができる。
【0045】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0046】
例えば、具材はチーズのみならず、野菜や加工肉などでもかまわないし、食材本体はピザやお好み焼の生地Wのみならず、ハンバーガーのバンズや、食パン、春巻の皮、具材をトッピングする前の丼、パスタなどでもかまわない。
【0047】
チーズブロックは、前記実施形態の場合、自重で切削板3に押し付けられて切削されるように構成されていたが、ばねなどの押し付け部材で押さえつけてもよい。
【0048】
切削板3は回転方式のみならず、前後または左右に進退するスライド方式のものでもかまわない。切削板3は、円形のみならず矩形状や多角形状のものでもよい。
【0049】
図8に示すように、となり合う切削刃列32aの間隔を広くして、その間の平面部に具材ブロックP1の端面が当接するような構成にしてもよい。この構成によって、複数の切削刃上に具材ブロックが乗ってしまって想定通りに切削できなくなるといった不具合を解決できる。
【0050】
前記実施形態では、切削刃32によってチーズブロックP1がシュレッドされたが、カンナのように、具材ブロックの端面を薄くスライスして1枚のスライス片にするような切削刃32としてもよい。
【0051】
前記実施形態では切削板3が1回転してチーズブロックP1の端面が一様に削られたが、一様に削るための回転角度は1回転(360°)に限られず、それより多くても少なくてもよい。また、トッピング時の切削板3の移動量(回転角度)も同様で、1回のトッピング量に応じて種々設定が可能である。
【0052】
前記実施形態の具材トッピング装置100を対向させて2つ設け、2列で搬送されてくる生地Wに対応できるようにしてもよい。
【0053】
切削板が動作して具材ブロックを切削している間は、搬送装置が停止するようにしてもよい。
【0054】
保持枠体は直立しているものではなく、斜めに傾いているものでもよい。
【0055】
前記実施形態での保持枠体は、SUS等の単一材料で構成されたものであったが、図9図13に示すように、保持枠体2の上部21と下部22とで材料を異ならせ、上部21よりも下部22の方が具材ブロック(ここではチーズブロック)に対して滑りやすい素材を用いるようにしてもよい。ここでは、上部21を金属製、下部22を上部よりも滑りやすいナイロン、テフロン,PTFE等の樹脂製としている。また、保持枠体2の下部22は、円柱ブロックに矩形の孔22aを貫通させ、この貫通孔22aの内周面が、保持枠体上部21の内周面と連続するように積み重ねている。
【0056】
このような構成であれば、例えば、切削により具材ブロックが短くなるとともに重さが軽くなった場合に、その具材ブロックを滑りやすい保持枠体下部22が支持することになるので、具材ブロックが保持枠体2に引っ掛って落ちなくなることを防止でき、最後まで具材ブロックを切削(シュレッド)することができるようになる。
【0057】
また、図9図13に示すように、保持枠体2の下面外周縁部から円環状をなす防壁9を突出させ、切削板3の周縁部上面に近接対向させるようにしてもよい。より具体的には、この円環状の防壁9は、切削板3における切削刃32が設けられている領域よりも外側の上面に近接対向させる。切削板3と防壁9の隔離距離は、切削刃32または落下孔33の高さ、すなわち削られた具材の厚みよりも小さく、0以上であればよい。
【0058】
切削刃32によって削られた具材は、本来、落下孔33を通って下方に落ちるが、切り残しなど、不測の原因で、落下孔33から落ちず、切削板3の上面に残った具材が回転遠心力で切削板3の外側からこぼれ、無駄になったり設備の汚れの原因になったりする。
【0059】
しかしながら、このような構成であれば、切削板3上に残ったほとんどの具材は、防壁9によってその外側にこぼれることなく、最終的には、落下孔33を通って落下する。したがって、具材が無駄にならず、設備の不測の汚れなども防止できる。
【0060】
なお、防壁9は、例えば切削板3の外周縁部から上方に突出させてもよい。要するに、防壁9は、保持枠体2と切削板3の間に介在して、これらの外縁部に生じている隙間をシュレッドされた具材の厚み寸法よりも小さくする環状のものであればよい。
【0061】
さらに図13に示すように、基盤13の下面に、具材が通る円形孔43に連続するように、取り換え可能なシュート部材Hを設けてもよい。このシュート部材Hは、その上面開口H1が前記円形孔43と概略同径で、その下端開口H2が前記上面開口よりも小さい先細り形状をなすものである。
このような構成であれば、食材本体の大きさに合う下端開口H2を有したシュート部材Hを用いることにより、食材本体上に無駄なく具材をトッピングすることができる。
【0062】
なお、シュート部材としては、前述に限られず、例えば、その下端開口の形状が楕円形状や矩形状のものでもよいし、例えば、その長軸方向が搬送機構による搬送方向と沿っているとなおよい。なぜならば、搬送方向や搬送速度に合わせて、下端開口のアスペクト比を調節することにより、移動している食材本体上に具材をより均一にトッピングできるようになるからである。
【0063】
また、シュート部材を多重構造としてもよい。このような構造により、食材本体上での具材の偏りをコントロールできる。
【0064】
具材ブロックとして、複数種類の具材を組み合わせてなるものを用いても良い。
例えば、いずれも縦長にカットされたモッツァレラチーズブロックとゴーダチーズブロックとを、長手方向に沿って横に並べて、一つのダブルチーズブロックとしても良い。
【0065】
このようなダブルチーズブロックを保持具に挿入する際には、チーズを削る切削刃がモッツァレラチーズ側からゴーダチーズ側へと移動するような向きで、挿入するとよい。
【0066】
これならば、シュレッドされたチーズの削られ終わりの末端が、粘着性の強いモッツァレラチーズではなくて、粘着性の低いゴーダチーズになるので、シュレッドされたチーズが切削板に引っ付かずに落ちてくれる。
【0067】
具材トッピング装置を複数台並べて、具材トッピングシステムを構成させても良い。この際、装置ごとに異なる種類の具材をトッピングさせても良い。
【0068】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0069】
100・・・具材トッピング装置
W・・・食材本体
P1・・・具材ブロック
P2・・・具材
2・・・保持枠体
2b・・・開口
3・・・切削板
32・・・切削刃
33・・・落下孔
5・・・駆動機構
6・・・制御機構
200・・・搬送機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13