(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000494
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】足底装着具
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20231225BHJP
A43B 13/40 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A43B17/00 E
A43B13/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063521
(22)【出願日】2023-04-10
(62)【分割の表示】P 2022098593の分割
【原出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000228866
【氏名又は名称】日本シグマックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】覚張 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 文平
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050EA07
4F050HA53
4F050HA56
(57)【要約】
【課題】歩行などの際に安定した体重移動を促進可能な足底装着具を提供する。
【解決手段】ある態様の足底装着具は、足裏をサポートするための可撓性の本体と、本体における踵外側対応領域に突設された第1パッド部と、本体における第3中足骨基部対応領域に突設された第2パッド部と、本体における母趾球対応領域に突設された第3パッド部と、を備える。第1パッド部と第3パッド部とを結ぶ所定の軌跡上に第2パッド部が配置され、本体において各パッド部が段差を形成するように設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏をサポートするための可撓性の本体と、
前記本体における踵外側対応領域に突設された第1パッド部と、
前記本体における第3中足骨基部対応領域に突設された第2パッド部と、
前記本体における母趾球対応領域に突設された第3パッド部と、
を備え、
前記第1パッド部と前記第3パッド部とを結ぶ所定の軌跡上に前記第2パッド部が配置され、前記本体において各パッド部が段差を形成するように設けられていることを特徴とする足底装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏をサポートする足底装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
靴のサイズ調整だけでなく、歩行の際にスムーズで安定した体重移動ができるよう工夫されたインソールが知られている(特許文献1参照)。歩行時に正常な体重移動がなされる場合、足裏への荷重は踵部から始まり、やや外側を通って母指球部に到り、母指部を経て抜けるといった軌跡を有する。そこで、インソールの表面にこの軌跡に対応した直線状の隆起部を設けている。ユーザが歩行時に足裏でその隆起部を意識することで、正常な体重移動が自然に促されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のインソールでは、歩行時に荷重の移動があるとはいえ、隆起部が長尺状であるため、足裏に常に細長い突起が当接する状態となり、ユーザに違和感を生じさせやすい。また、隆起部の先端を踏み込んだ際に、その先端以外の他の部位にも押圧が加わるため、離地時に荷重を母趾部に集中させて蹴りだし難い点で改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、歩行などの際に安定した体重移動を促進可能な足底装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の足底装着具は、足裏をサポートするための可撓性の本体と、本体における踵外側対応領域に突設された第1パッド部と、本体における第3中足骨基部対応領域に突設された第2パッド部と、本体における母趾球対応領域に突設された第3パッド部と、を備える。第1パッド部と第3パッド部とを結ぶ所定の軌跡上に第2パッド部が配置され、本体において各パッド部が段差を形成するように設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、歩行などの際に安定した体重移動を促進可能な足底装着具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態のインソールは、その裏面に複数のパッド部が突設されている。歩行時にユーザが踏み込む圧力(以下「足圧」ともいう)が、インソールに設定された軌跡に沿って複数のパッド部上を順次移動することで、スムーズで安定した体重移動を促すことができる。以下、その具体的構成について詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係るインソールを表す図である。
図1(A)は平面図であり、
図1(B)は底面図である。なお、以下の説明では便宜上、インソールを装着したユーザからみた方向を基準に上下、左右、前後方向を表現する。また、インソールを装着したユーザの足を基準に内側および外側を表現することがある。なお、本実施形態では右足用のインソールを例に示すが、左足用のインソールも左右反転されれば同様の構造を有する。
【0011】
インソール1は、靴の内底面に沿う外形を有する本体10と、本体10の裏面に設けられた複数のパッド部12(12a~12f)を備える。本体10は、例えばEVA(Ethylen-Vinyl Acetate)等の可撓性樹脂素材を熱間でプレス成形して得られる。一方、パッド部12は、例えばPU(Polyurethane)等の樹脂素材を用いた射出成形(ウレタンフォームなどの型内発泡)により得られ、本体10の裏面に接着又は溶着される。本体10およびパッド部12の素材は、ゴムやプラスチックなどのエラストマーであってよいが、パッド部12は本体10よりも軟らかい素材からなる。なお、変形例においては、本体10とパッド部12とを同一素材で構成してもよい。
【0012】
図1(A)に示すように、本体10の表面には、土踏まずの内側と外側に対応する左右の端縁に沿って隆起部14a,14bが設けられ、ユーザの足裏を左右からサポートできるように構成されている。本体10の表面は、足裏に沿った大きな湾曲形状を有するものの、隆起部14a,14bを除いて突起などがない概ねフラットな形状を有する。その表面全体にわたり一層の布地が貼着されている。
【0013】
図1(B)に示すように、本体10の裏面には第1パッド部12a、第2パッド部12b、第3パッド部12c、第4パッド部12d、第5パッド部12eおよび第6パッド部12fが突設されている。各パッド部12が本体10の裏面にて段差を形成している。各パッド部12の構成および配置の詳細については後述する。
【0014】
図2は、インソール1を下方からみた斜視図である。
図2(A)は本体10の構造を示し、
図2(B)はパッド部12の本体10への組付構造を示す。
図2(A)に示すように、本体10の裏面には、パッド部12の形状に対応した凹状の嵌合部16(16a~16c)が設けられる。嵌合部16aが第1パッド部12a、第4パッド部12dおよび第6パッド部12fに対応し、嵌合部16bが第2パッド部12bに対応し、嵌合部16cが第3パッド部12cに対応する。なお、本実施形態では、第5パッド部12eは本体10に一体成形されている。
【0015】
各嵌合部16の深さは、各パッド部12が十分に突出できる程度に設定されている。第1パッド部12aおよび第6パッド部12fは、第4パッド部12dと一体成形されており、それぞれ第4パッド部12dよりも突出している。第5パッド部12eを除く各パッド部が各嵌合部16に接着されている。なお、変形例においては、各パッド部が各嵌合部に組み付けられた後に熱間で溶融接合されてもよい。
【0016】
図3~
図7は、インソール1の構造を詳細に表す図である。
図3はインソール1の平面視におけるパッド部12と足の骨格との位置関係を示す。図中の二点鎖線が足の輪郭および骨格を示し、破線がインソール1の裏面におけるパッド部12の位置を示す。
図4はインソール1の底面を示し、
図1(B)に対応する。
【0017】
図3に示すように、本体10における踵外側対応領域に第1パッド部12aが配置され、第3中足骨基部対応領域に第2パッド部12bが配置され、母趾球対応領域に第3パッド部12cが配置されている。第2パッド部12bは、第1パッド部12aと第3パッド部12cとを結ぶ所定の軌跡T上に配置されている。軌跡Tは、歩行時において安定した体重移動がなされるときの足圧の移動軌跡として予め設定される。
【0018】
通常の歩行では踵から接地し、上記軌跡Tに沿って荷重が母趾球へと移動し、母趾球にて蹴りだすことにより離地する。左右の足でこの動作が交互に繰り返される。第1パッド部12aは、接地後の前方への踏み込みを誘導する。第2パッド部12bは、体重が移動する際に足が機能しやすい状態を保つ。
【0019】
周知のように、足裏には踵、母指球および小趾球の3つの支点があり、それぞれの支点を結んだ3つのアーチがある。母指球と小趾球とを結ぶ横アーチa1、母指球と踵とを結ぶ内側縦アーチa2、および踵と小趾球とを結ぶ外側縦アーチa3があり、これらのアーチにより足裏にドームが形成される。第3中足骨基部Pは、そのドームの頂点に位置する。ドームの直下に第2パッド部12bを配置することで、歩行時の足裏への負担が軽減され、歩行機能が良好に維持される。
【0020】
そして、第3パッド部12cが母指球をしっかりと受け止めることで、踏ん張りをきかせることができ、離地時における強い蹴りだしが可能となる。
【0021】
第4パッド部12dは、踵を含む足裏の後半部対応領域を囲むように配置されている。第5パッド部12eは、踵外側対応領域から前方に延び、その前半部が小趾対応領域に沿って配置されている。第6パッド部12fは、土踏まずの内側領域に配置されている。
【0022】
図4にも示すように、本体10の裏面中央部に第2パッド部12bが配置されている。第2パッド部12bは、平面視において丸みをおびた三角形状をなし、その前端にR(角部の面取りの半径)の小さな頂点を有する。第2パッド部12bは、本体10の基準線L上に位置する。ここで、基準線Lは、本体10の幅方向中央(ほぼ中央)を通る直線である。上述した軌跡Tは、基準線Lと交差する。
【0023】
第3パッド部12cは、平面視長円形状を有し、第2パッド部12bのやや前方かつ内側に位置する。第4パッド部12dは、平面視U字状をなし、本体10の後半周縁部に沿って延在している。第4パッド部12dの左右の前端は第2パッド部12bに並ぶ位置まで延びている。第4パッド部12dは、足裏の後半部をサポートすることで、まっすぐな足運びを誘導する。
【0024】
第1パッド部12aは、第2パッド部12bの後方かつ外側に位置し、第4パッド部12dの後部外側にオーバラップしている。第1パッド部12aは、平面視において丸みをおびた三角形状をなし、その内側端にRの小さな頂点を有する。第1パッド部12aと第3パッド部12cとは、基準線Lに対して相対的に反対側に位置する。第1パッド部12aは基準線Lの外側に位置し、第3パッド部12cは基準線Lの内側に位置する。
【0025】
第1パッド部12a、第2パッド部12bおよび第3パッド部12cが順次足裏に作用することで、足裏の外側、中央、母趾球への踏み込みを促し、スムーズな体重移動を実現する。これらのパッド部が本体10に対して独立に設けられることで、各パッド部に作用した荷重が他のパッド部に伝達され難くされている。
【0026】
第5パッド部12eは、第1パッド部12aのやや内側から本体10の前方に向けて延びている。第5パッド部12eの前半部は、基準線Lに対して第3パッド部12cとは反対側に位置し、本体10の外側周縁部に沿って延在する。第5パッド部12eの先端は第3パッド部12cよりも前方に位置する。第5パッド部12eは、本体10に対してわずかな段差を形成するが、それにより足の前方への移動を促進する。
【0027】
歩行やジョギングなどの前進運動の際に第1パッド部12a→第2パッド部12b→第3パッド部12cと順に足裏が押圧されることで、後方外側から前方内側方向への荷重移動が誘導される。一方、第5パッド部12eの押圧により後方内側から前方外側への荷重移動が誘導される。これらの荷重の合成ベクトルが直進方向を向くようになり、まっすぐな足運びを促すことができる。
【0028】
第6パッド部12fは、平面視円形状を有し、第4パッド部12dの前部内側にオーバラップしている。第6パッド部12fは、第2パッド部12bのやや後方かつ内側に位置する。第6パッド部12fは、踵部の内側への倒れ込み(過回内)を防止する。
【0029】
図5は、インソール1の側面図である。
図5(A)は内側面(
図4のA方向矢視)を示し、
図5(B)は外側面(
図4のB方向矢視)を示す。
図5(A)に示すように、本体10の内側は、土踏まず対応部20において上方に大きく湾曲している。その土踏まず対応部20に第2パッド部12bおよび第6パッド部12fが位置する。土踏まず対応部20の前方に第3パッド部12cが位置し、土踏まず対応部20の後方に第1パッド部12aが位置する。また、本体10の土踏まず対応部20の内側端に隆起部14aが位置する。
【0030】
図5(B)に示すように、本体10は、土踏まず対応部20の外側においても上方に緩やかに湾曲している。その外側端に隆起部14bが位置する。第5パッド部12eは、厚み(高さ)が第4パッド部12dよりも小さい。外側の隆起部14bは、内側の隆起部14aよりも低位置にある。
【0031】
図6は、インソール1の縦断面を表す図である。
図6(A)は
図4のC-C矢視断面を示し、
図6(B)はD-D矢視断面を示す。
図7は、インソール1の横断面および背面を表す図である。
図7(A)は
図4のE-E矢視断面、
図7(B)はF-F矢視断面、
図7(C)はG-G矢視断面、
図7(D)はH-H矢視断面をそれぞれ示す。
図7(E)は背面図であり、
図4のI方向矢視を示す。
【0032】
図6(A)に示すように、第2パッド部12bは、土踏まず対応部20に差し掛かるように設けられている。第2パッド部12bの下面は、下方に向けて凸となる緩やかな曲面を有する。本体10の後部には、踵対応部22を囲むようにヒールカップ部24が設けられている。ヒールカップ部24は、本体10の周縁部が上方に向けて傾斜するように成形されたものである。そして、ヒールカップ部24の後端部に後方に開放される切欠部26が設けられている(詳細後述)。
【0033】
図6(B)にも示すように、第1パッド部12aは、第4パッド部12dと一体成形されている。第1パッド部12aの下面は、下方に向けて凸となる緩やかな曲面を有する。第2パッド部12bは、その上面付近が嵌合部16bに嵌合するようにして本体10に固定されている。第3パッド部12cも、その上面付近が嵌合部16cに嵌合するようにして本体10に固定されている。
図7(A)にも示すように、第3パッド部12cは、中央部の高さが周縁部よりも低い凹形状を有する。言い換えれば、第3パッド部12cは、その中央部から外側に向かって厚みが漸増する。本実施形態では、その凹形状が緩やかな曲面を有するすり鉢状をなしている。
【0034】
図7(B)に示すように、第2パッド部12bを土踏まず対応部20に配置したため、第2パッド部12bの法線Lnが鉛直線Lvに対して傾いている(傾斜角θ)。その結果、第2パッド部12bは、本体10の内側に向けて傾斜するように突出している。
【0035】
図7(C)に示すように、第4パッド部12dは、その上面付近が嵌合部16aに嵌合するようにして本体10に固定されている。本体10における第5パッド部12e高さは、他のパッド部と比べて低い。このため、第5パッド部12eを本体10に嵌合させて突出させるのは技術的難易度が高い。そこで上述のように、第5パッド部12eについては本体10と一体成形されている。変形例においては、本体10に第5パッド部12eに対応する凹状の嵌合部を設け、他のパッド部と同様に別途作製した第5パッド部12eをその嵌合部に嵌合させ固定してもよい。
【0036】
図7(D)に示すように、第1パッド部12aは、その上面付近が嵌合部16aに嵌合するようにして本体10に固定されている。本体10の正面視において、第1パッド部12aと第2パッド部12bとが部分的にオーバラップし、第2パッド部12bと第3パッド部12cとが部分的にオーバラップしている。踵対応部22は、その幅方向中央部がほぼ平坦であり、その左右において傾斜の大きいヒールカップ部24に囲まれている。
【0037】
図7(E)に示すように、ヒールカップ部24の後端における幅方向中央部に切欠部26が形成されている。このようにヒールカップ部24に切欠部26を設けることで、ユーザの踵部をインソール1の後方に露出させ、靴の後壁へのフィット感を高めることができる。また、歩行の際の接地時に踵の位置を安定させることができる。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態のインソール1は、本体10の裏面における踵外側、第3中足骨基部および母趾球に対応する位置にパッド部12a~12cが設けられる。このため、歩行やジョギング時にユーザが踏み込む圧力(足圧)が、それらのパッド部をつなぐ理想的な軌跡に沿って順次移動することを促し、安定した体重移動を実現できる。歩行時等の足の機能(衝撃吸収、安定感、推進力など)を高めることもできる。本体10において各パッド部が散点的に設けられ、それぞれが段差を形成するため、足裏に常に細長い突起が当接するような違和感を生じさせることもない。
【0039】
また、母趾球に対応するパッド部12cが、パッド部12b、12aとは独立に本体10に設けられているため、ユーザが離地時の荷重を母趾部に集中させて蹴りだすことができる。さらに、各パッド部が本体10よりも軟らかい素材からなり、しかも本体10の裏側に設けられるため、ユーザの足裏に適度で心地よい刺激を与えることができる。踏み込み時に足裏に作用させる適度な反力を生成することで、スムーズで快適な歩行を実現できる。各パッド部を本体10の裏側に設けることで、ユーザからの荷重(体重、踏み込み力)がある程度かかったときに各パッド部の機能が発揮されるようになる。
【0040】
さらに、母趾球に対応するパッド部12cが、その中央部が凹状(すり鉢状)の突起として構成されるため、荷重が負荷されたときに作用するパッド部12cの面圧をその周縁部(凹部を囲む周縁部)において高めることができる。母趾球がパッド部12cにフィットしやすくなる。このため、離地するときのインソール1と母趾球との間の滑り(ずれ)を抑制でき、蹴りだしの力を地面に向けてしっかりと伝えることができる。その結果、歩行時におけるスムーズな体重移動を実現できる。
【0041】
[変形例]
上記実施形態では、本体10とパッド部12との素材の材質(硬度等)を異ならせるため、両者をそれぞれ別工程で作製した後、組み付けることとした。変形例においては、本体とパッド部とを同じ材質とし、単一の樹脂材料を用いた金型による加工(プレス成形、射出成形、発泡成形など)により一体成形してもよい。
【0042】
上記実施形態では、本体10の裏面に6つのパッド部12a~12fを設ける例を示した。変形例においては、これら6つのパッド部の一部を省略してもよい。あるいは、さらに別のパッド部を追加してもよい。
【0043】
上記実施形態では、足底装着具として靴の内底面に敷設されるインソールを例示したが、サンダル、草履、スリッパ、足袋、ソックスその他の履物の内底面に敷設されるインソールとしてもよい。あるいは、靴、サンダル、草履、スリッパ、足袋、ソックスなどの履物の底を形成する足底装着具として実現してもよい。
【0044】
安定した強い蹴りだしを目的(課題)とする場合、少なくとも第3パッド部12cがあれば一定の効果が得られる。このような足底装着具は、例えば以下のように表現できる。
足裏をサポートするための可撓性の本体と、
前記本体における母趾球対応領域に突設されたパッド部と、
を備え、前記パッド部は、中央部の高さが周縁部よりも低い凹形状を有することを特徴とする足底装着具。
【0045】
また、他の変形例においては、本体の裏面ではなく表面にパッド部を設けてもよい。あるいは、本体の表面と裏面の双方にパッド部を設けてもよい。その場合、足裏に対する複数のパッド部の配置関係は上記実施形態と同様としてもよいし、一部のパッド部を省略してもよい。又は別のパッド部を追加してもよい。
【0046】
安定した踏み込み目的(課題)とする場合、少なくともヒールカップ部24における切欠部26があれば一定の効果が得られる。このような足底装着具は、例えば以下のように表現できる。
足裏をサポートするための可撓性の本体を備え、
前記本体は、周縁部が上方に向けて傾斜するヒールカップ部を有し、
前記ヒールカップ部の後端部に後方に開放される切欠部が設けられていることを特徴とする足底装着具。
【0047】
なお、本発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 インソール、10 本体、12a 第1パッド部、12b 第2パッド部、12c 第3パッド部、12d 第4パッド部、12e 第5パッド部、12f 第6パッド部、14a 隆起部、14b 隆起部、16a 嵌合部、16b 嵌合部、16c 嵌合部、20 対応部、22 踵対応部、24 ヒールカップ部、26 切欠部、L 基準線、P 第3中足骨基部、T 軌跡、a1 横アーチ、a2 内側縦アーチ、a3 外側縦アーチ。