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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004941
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】送風機、送風機付衣服
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/64 20060101AFI20240110BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20240110BHJP
   F04D 29/52 20060101ALI20240110BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F04D29/64 C
F04D25/08 301A
F04D29/52 D
A41D13/002 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104854
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】516311674
【氏名又は名称】株式会社チロル
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】穐吉 俊行
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
3H130
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B211AA01
3B211AB01
3B211AC02
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB12
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA91H
3H130CA21
3H130DD01X
3H130DD05Z
3H130DF09Z
3H130DJ03X
3H130EA04H
3H130EA07A
3H130EA07H
(57)【要約】
【課題】本発明は、モータ部分の清掃を容易にする新規な送風機、及び前記送風機を備えた送風機付衣服を提供することを目的とする。
【解決手段】 衣服本体(W)内に外気を送り込むための送風機1において、モータユニット2及び羽根車3の周囲を囲うガード4につき、前記モータユニット2側を囲う第一ガード41と前記羽根車3側を囲う第二ガード42とに分割可能とし、前記モータユニット2が前記第一ガード41に対して着脱可能に取り付けられる仕組みとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服本体に取り付けられて前記衣服本体内に外気を送り込むための送風機であって、
コネクタに接続されるケーブルを通じた電力供給によってモータを駆動させるモータユニットと、
前記モータの駆動によって回転する羽根車と、
前記モータユニット及び前記羽根車の周囲を囲うガードと、
を具備してなり、
前記ガードが、前記モータユニット側を囲う第一ガードと、前記羽根車側を囲う第二ガードと、に分割可能となされ、
前記モータユニットが前記第一ガードに対して着脱可能に取り付けられてなることを特徴とする送風機。
【請求項2】
請求項1に記載の送風機において、
前記モータユニットが前記第一ガードに対して取り付けられた際、前記モータユニットの一部が露出して前記第一ガードの一部をなす構造となされた送風機。
【請求項3】
請求項2に記載の送風機において、
前記モータユニットの露出部分に、前記モータユニットを前記第一ガードに脱着させるための操作部が設けられてなる送風機。
【請求項4】
請求項1に記載の送風機が衣服本体に取り付けられたことを特徴とする送風機付衣服。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣服本体に取り付けられて前記衣服本体内に外気を送り込むための送風機、及び、前記送風機を備えた送風機付衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、作業服等の衣服(以下、「衣服本体」と称する。)内に外気を供給することによって、前記衣服本体内を冷却する送風機付衣服(冷却衣服)が実用化されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019‐214948号公報
【特許文献2】登録実用新案第3228173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の送風機付衣服は、衣服本体の適宜箇所に開けられた穴に送風機を装着し、前記送風機を介して衣服本体内に外気を送り込む仕組みとなされている。そして、前記送風機としては、複数枚の羽根を有する羽根車(ファン)をモータ駆動によって回転させるものが一般的であり、安全のために前記羽根車(及びモータ)の周囲が、メッシュ状、網状、或いは格子状の開き目を有するガードにて囲まれた構造となされている。
【0005】
そして、前記送風機付衣服は、前記羽根車の回転によって発生させた空気の流れを、前記ガードを通じて衣服本体内に供給するものであることから、外気中に含まれる埃を前記ガード内に貯めやすいものであった。そのため、前記送風機付衣服を一定期間使用した後には、前記送風機における前記ガード内の埃を取り除くメンテナンス作業が必要となる。
【0006】
この点につき前記特許文献1や前記特許文献2に開示された送風機(衣服内冷却用送風機)では、羽根車がモータに対して着脱自在となる連結手段が開示されている。
【0007】
即ち、これらの連結手段を採用すれば、羽根車をモータから容易に取り外すことができるようになり、羽根車の羽根の裏側に付着した埃を取り除くことも容易になる。
【0008】
しかしながら、作業環境によってはモータ部分に油分などが付着することがあり、前記特許文献1や前記特許文献2に開示された手段をもってしてもモータ部分を十分に清掃することができない場合があった。
【0009】
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、モータ部分の清掃を容易にする新規な送風機、及び前記送風機を備えた送風機付衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決する本発明の送風機は、衣服本体に取り付けられて前記衣服本体内に外気を送り込むための送風機であって、コネクタに接続されるケーブルを通じた電力供給によってモータを駆動させるモータユニットと、前記モータの駆動によって回転する羽根車と、前記モータユニット及び前記羽根車の周囲を囲うガードと、を具備してなり、前記ガードが、前記モータユニット側を囲う第一ガードと、前記羽根車側を囲う第二ガードと、に分割可能となされ、前記モータユニットが前記第一ガードに対して着脱可能に取り付けられてなることを特徴とする(以下、「本発明送風機」と称する。)。
【0011】
前記本発明送風機においては、前記モータユニットが前記第一ガードに対して取り付けられた際、前記モータユニットの一部が露出して前記第一ガードの一部をなす構造となされたものが好ましい態様となる。
【0012】
前記本発明送風機においては、前記モータユニットの露出部分に、前記モータユニットを前記第一ガードに脱着させるための操作部が設けられてなるものが好ましい態様となる。
【0013】
前記技術的課題を解決する本発明の送風機付衣服は、前記本発明送風機が衣服本体に取り付けられたことを特徴とする(以下、「本発明衣服」と称する。)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、モータ部分の清掃が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明送風機の一実施形態を示す分解斜視図である。
図2図2は前記本発明送風機にケーブルを接続する様子を示す斜視図である。
図3図3(a)は前記本発明送風機のモータユニットと羽根車の連結を示す斜視図であり、図3(b)は前記モータユニットのA-A断面図である。
図4図4は、前記本発明送風機の第一ガードに前記モータユニットを取り付ける様子を示す斜視図である。
図5図5は、前記第一ガードに第二ガードを取り付ける様子を示す斜視図である。
図6図6は、前記本発明送風機が取り付けられた本発明衣服の一実施例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0017】
<本発明送風機(1)>
図1に本発明送風機1の一実施形態を示す。前記本発明送風機1は、「モータユニット(2)」と、「羽根車(3)」と、「ガード(4)」と、を具備する。
【0018】
‐モータユニット2‐
図2に示すように、前記モータユニット2は前記コネクタ22に接続されるケーブル(C)を通じた電力供給によって前記モータ21を駆動させる。前記モータ21はローレンツ力(磁場と電流の相互作用)によって発生する力を利用して回転運動を出力する機械要素であり、本実施例においては前記モータ21として市販のブラシレスモータが用いられている。図3に示すように、前記モータ21は樹脂製の筐体23に保持されており、前記モータ21の回転軸には円筒状の筒体24が取り付けられている。前記筐体23の周壁にはL字状の連結受部231が120度の位相差をもって三箇所に設けられており、前記筐体23の末端には手指にてつまめる操作部232が設けられている。一方、前記筒体24の周壁は前記モータ21の側壁部を兼ねており、前記モータ21を駆動させると前記筒体24の周壁が前記モータ21の周囲を周回する仕組みとなされている。
【0019】
‐羽根車3‐
前記羽根車3は、前記モータ21の駆動によって回転する。図3に示すように、前記羽根車3は、ボス31と、前記ボス31の周囲に設けられた複数枚の羽根32と、を具備する。前記ボス31は前記羽根車3の回転中心をなす部材であり、前記羽根32は前記ボス31の回転に伴って回転し、一定方向に向かう空気の流れを発生させる役割を担う。本実施形態においては前記羽根車3として、中空円筒状のボス31を中心として放射状に配された七枚の烏帽子型の羽根32を具備してなる七枚羽根ロータを用いた。又、前記羽根車3は、前記モータユニット2の前記筒体に前記ボス31を嵌合させたうえで、ネジ6を締結することによって、前記モータユニット2との連結状態が維持される仕組みとなされている。
【0020】
‐ガード4‐
前記ガード4は、前記モータユニット2及び前記羽根車3の周囲を囲うことによって、前記本発明送風機1の使用中の安全性を確保するものである。前記ガード4は、前記モータユニット2側を囲う第一ガード41と、前記羽根車3側を囲う第二ガード42と、に分割可能となされる。図1に示すように、本実施形態においては前記ガード4につき、ドーム状の第一ガード41、及び、前記第一ガード41の開口部分を覆う第二ガード42の二部材とし、前記第一ガード41と前記第二ガード42とを螺合させることによって、前記モータユニット2及び前記羽根車3の周囲を囲う空間が形成される構造とした。又、前記第一ガード41の中央部には円筒状の取付孔411が設けられており、前記取付孔411の内周壁に凸状の連結爪412が120度の位相差をもって三箇所に設けられている。
【0021】
前記構成を有する本発明送風機1を構築するにあたっては、まず、図4に示すように前記モータユニット2を末端側から前記第一ガード41の取付孔411に挿入し、反時計回りに回転させることによって、前記モータユニット2の連結受部231に前記第一ガード41の連結爪412を嵌合させる。この際、前記モータユニット2の末端は前記取付孔411を通じて前記第一ガード41から露出して前記第一ガードの一部をなす。前記モータユニット2の露出部(末端)には操作部232が設けられており、前記モータユニット2の回転操作は前記操作部232を手指にてつまんで行うことができる。
【0022】
次いで、図5に示すように前記第一ガード41の開口部分に前記第二ガード42を螺合させれば、前記モータユニット2及び前記羽根車3の周囲が前記ガード4によって囲まれた本発明送風機1が構築される。
【0023】
そして、前記本発明送風機1では、前記モータユニット2が前記第一ガード41に対して着脱可能に取り付けられているから、モータユニット2やモータ21などのモータ部分が汚れた場合、簡単に取り外して清掃に供することができる。
【0024】
ところで、本実施形態では前記モータ21につきブラシレスモータを用いているが、本発明においては前記モータ21の駆動原理は限定されない。前記モータ21の他の例としてはブラシ付きDCモータなどを挙げることができる。
【0025】
又、本実施形態では前記モータユニット2が前記第一ガード41に対して取り付けられた際、前記モータユニット2の一部が露出して前記第一ガード41の一部をなす構造となされているが、前記モータユニット2は必ずしも前記第一ガード41の一部をなす構造としなくても良い。但し、前記モータユニット2の一部が露出して前記第一ガード41の一部をなす構造とすれば、本実施形態のように前記モータユニット2の着脱のための操作部232を設けたり、前記モータ21の回転数等をコントロールするスイッチ等を設けたりすることができる利点が生じる。
【0026】
<本発明衣服(10)>
図6に、前記本発明送風機1を備えた本発明衣服10を示す。前記本発明衣服10は、前記本発明送風機1が衣服本体(W)に取り付けられたものである。前記本発明衣服10は、前記本発明送風機1によって前記衣服本体(W)の外部から内部に向かう空気の流れを発生させることによって、外気を前記衣服本体(W)内に送り込み、もって、前記衣服本体(W)内を冷却するものである。本実施形態においては、前記衣服本体(W)の複数個所(二箇所)に穴をあけ、各穴に前記本発明送風機1を取り付けることによって前記本発明衣服10を構築した。なお、各本発明送風機1を駆動させるための電力については、バッテリー(B)に蓄電された電力がケーブル(C)を通じて供給される仕組みとなされている。
【0027】
なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、外気を衣服本体内に供給することによって、前記衣服本体内を冷却する手段として好適に利用される。
【符号の説明】
【0029】
1 本発明送風機(送風機)
2 モータユニット
21 モータ
22 コネクタ
232 操作部
3 羽根車
31 ボス
32 羽根
4 ガード
41 第一ガード
42 第二ガード
10 本発明衣服(送風機付衣服)


図1
図2
図3
図4
図5
図6