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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004942
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】記録システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240110BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240110BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240110BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240110BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240110BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20240110BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/12 336
B41J29/00 E
B41J3/36 T
H04W76/10
H04W88/02 110
H04W8/00 110
G06F3/12 310
G06F3/12 326
G06F3/12 392
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104856
(22)【出願日】2022-06-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米森 達也
(72)【発明者】
【氏名】米川 裕貴
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
5K067
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC03
2C055CC05
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AS06
2C061BB10
2C061CG15
5K067AA34
5K067EE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】携帯端末が記録装置と無線通信できない場合に、記録装置の状態を特定した結果を通知可能な記録システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】記録装置は、携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備える。携帯端末は、記録装置に対する無線通信を確立する確立手段と、確立手段によって記録装置に対する無線通信が確立されると、記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された情報に基づいて、確立手段によって確立されている記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御手段と、制御手段による制御結果を通知する通知手段と、を備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置と携帯端末とを備える記録システムであって、
前記記録装置は、
前記携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備え、
前記携帯端末は、
前記記録装置に対する無線通信を確立する確立手段と、
前記確立手段によって前記記録装置に対する無線通信が確立されると、前記記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御手段と、
前記制御手段による制御結果を通知する通知手段と、を備え、
前記携帯端末とは異なる他の携帯端末が前記複数の通信インタフェースのうち第1通信インタフェースと無線通信を確立している間に、前記携帯端末が前記確立手段によって前記第1通信インタフェースとは異なる第2通信インタフェースと無線通信を確立した場合、前記制御手段は前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続に関する制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続結果を通知する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記取得手段によって取得された情報として、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数が閾値以下である場合、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続する制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続することを示す情報を通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、
前記制御手段によって前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続する制御が行われている間に、前記記録装置に対してジョブの処理を要求する要求手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記取得手段によって取得された情報として、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数が閾値以下ではない場合、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続しない制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続しないことを示す情報を通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項5】
前記閾値は、前記記録装置に対して同時無線通信可能な携帯端末の数である、
ことを特徴とする請求項2に記載の記録システム。
【請求項6】
前記記録装置は、
前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれから前記携帯端末と無線通信を行うためのアドバタイズ情報を発信する発信手段を備え、
前記携帯端末は、
前記発信手段によって前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれから発信されたアドバタイズ情報をスキャンするスキャン手段と、
前記スキャン手段によってスキャンされた前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれのアドバタイズ情報を画面に表示する表示手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項7】
前記アドバタイズ情報は、前記記録装置の固有情報と、前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれの識別情報と、が関連付けられた情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録システム。
【請求項8】
前記発信手段は、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースが前記携帯端末と無線通信を確立している間に、前記携帯端末と前記無線通信を確立している前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースからの前記アドバタイズ情報の発信を停止する、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、
前記表示手段によって前記画面に表示された前記それぞれのアドバタイズ情報に基づいて、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースを選択するユーザ入力を受け付ける受付手段を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録システム。
【請求項10】
前記確立手段は、前記受付手段によって受け付けられたユーザ入力に基づいて、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースに対する無線通信を確立する、
ことを特徴とする請求項9に記載の記録システム。
【請求項11】
前記記録装置は、
前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれからの前記アドバタイズ情報の発信の有無に基づいて、前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末の数をカウントするカウント手段を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録システム。
【請求項12】
前記記録装置は、
前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末から無線通信を切断する要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記携帯端末から無線通信を切断する要求が受信された場合、前記記録装置と無線通信を確立している前記携帯端末との無線通信を切断する通信制御手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項13】
前記無線通信は、近距離無線通信である、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項14】
携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備える記録装置が実行する方法であって、
前記携帯端末から前記記録装置と無線通信する要求を受信すると、前記携帯端末と無線通信を確立する確立工程と、
前記複数の通信インタフェースそれぞれからのアドバタイズ情報の発信の有無に基づいて、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数をカウントするカウント工程と、
前記確立工程によって前記携帯端末と無線通信が確立されている間に、前記記録装置の状態を判定するための情報の要求を前記携帯端末から受け付ける受付工程と、
前記受付工程において受け付けた前記記録装置の状態を判定するための情報を前記携帯端末に通知する通知工程と、
前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末から無線通信を切断する要求を受信すると、前記携帯端末に対する無線通信を継続しない制御を行う制御工程と、を備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
無線通信可能な複数の通信インタフェースを備える記録装置に対して無線通信する携帯端末が実行する方法であって、
前記記録装置に対する無線通信を確立する確立工程と、
前記確立工程において前記記録装置と無線通信が確立されると、前記記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された情報に基づいて、前記確立工程において確立されている前記記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御工程と、
前記制御工程における制御結果を通知する通知工程と、を備え、
前記携帯端末とは異なる他の携帯端末が前記複数の通信インタフェースのうち第1通信インタフェースと無線通信を確立している間に、前記携帯端末が前記確立工程において前記第1通信インタフェースとは異なる第2通信インタフェースと無線通信を確立した場合、前記制御工程では前記取得工程において取得された情報に基づいて、前記確立工程において確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続に関する制御を行い、
前記通知工程では、前記制御工程における制御結果として、前記確立工程で確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続結果を通知する、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に画像を記録する記録システムでは、記録装置とスマートフォン(以下、携帯端末と呼ぶ)がBluetooth接続されている。ユーザは携帯端末のアプリケーションを利用することで所望の画像を記録装置に印刷させることができ、携帯端末と記録装置との間のデータの送受信を可能にする。記録システムではBluetooth接続を行うために記録装置と携帯端末それぞれが以下の処理を行っている。記録装置は、自身のデバイス情報(以下、アドバタイズ情報と呼ぶ)を周囲に発信し、特定の携帯端末から接続要求を受信した場合、アドバタイズ情報の発信を終了する。一方で、携帯端末は、スキャンした記録装置のアドバタイズ情報に基づいて、携帯端末の周囲の記録装置を特定する。携帯端末は、特定した記録装置のうち1つの記録装置に対してBluetooth接続を要求する。これにより、記録装置と携帯端末との間でBluetooth接続が確立する。
【0003】
記録装置と携帯端末との間のBluetooth接続は上記の手順で行われる。そのため、記録装置と一方の携帯端末との間の接続条件は、記録装置と一方の携帯端末それぞれの電源(Bluetooth機能も含む)がON状態であることと、記録装置が他の携帯端末と接続状態ではないことである。ここで、一方の携帯端末が特定の記録装置と接続を行う際に記録装置と接続できない理由として、記録装置の電源がON状態ではないことと、記録装置が他の携帯端末と既に接続状態であることが挙げられる。このように記録装置と接続できない理由が複数存在するため、一方の携帯端末は、特定の記録装置に接続できない理由を具体的に特定出来なかった。
【0004】
そこで、特許文献1は、一方の携帯端末が近距離無線通信を用いて、記録装置と無線ネットワーク通信による接続が可能かどうかを確認することを開示している。また、特許文献1は、一方の携帯端末が記録装置と無線ネットワーク通信により接続できないと判定した場合、判定結果をユーザへ通知することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-140249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、記録装置は携帯端末と無線ネットワーク通信により接続することが前提であるため、記録装置は携帯端末と通信可能な近距離無線通信手段を1つしか有していない。そのため、記録装置が他の携帯端末と既に近距離無線通信で接続している場合、一方の携帯端末は記録装置に接続できないため、記録装置に対して無線通信できない理由を特定できないといった課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、携帯端末が記録装置と無線通信できない場合に、記録装置の状態を特定した結果を通知可能な記録システム、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る記録システムは、以下の構成を備える。すなわち、記録装置と携帯端末とを備える記録システムであって、前記記録装置は、前記携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備え、前記携帯端末は、前記記録装置に対する無線通信を確立する確立手段と、前記確立手段によって前記記録装置に対する無線通信が確立されると、前記記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御手段と、前記制御手段による制御結果を通知する通知手段と、を備え、前記携帯端末とは異なる他の携帯端末が前記複数の通信インタフェースのうち第1通信インタフェースと無線通信を確立している間に、前記携帯端末が前記確立手段によって前記第1通信インタフェースとは異なる第2通信インタフェースと無線通信を確立した場合、前記制御手段は前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続に関する制御を行い、前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続結果を通知する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末が記録装置と無線通信できない場合に、記録装置の状態を特定した結果を通知可能な記録システム、方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】カバーを省略した形態の記録装置の平面図。
図2】記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】記録装置と携帯端末との間のBluetooth接続を説明する概要図。
図4】Bluetooth接続のために記録装置が行う処理を示すフローチャート。
図5】Bluetooth接続から接続解除までに記録装置が行う動作を示すフローチャート。
図6】携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図。
図7】従来の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図。
図8】携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図。
図9】複数の携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図。
図10】本実施形態の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図。
図11】携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図。
図12】携帯端末がBluetooth接続可能な機器の一覧を作成する処理を示すフローチャート。
図13】複数の携帯端末と記録装置との接続処理の全体の流れを示すフローチャート。
図14】記録装置との接続ができない際に携帯端末に表示されるメッセージを示す図。
図15】複数の携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図。
図16】本実施形態の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図。
図17】記録装置との接続を継続する際に携帯端末に表示されるメッセージの一例を示す図。
図18】記録装置との接続ができない際に携帯端末に表示されるメッセージの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、カバーを省略した形態の記録装置の平面図である。図1は、説明を容易にするため記録装置1のカバーを省略した形態を示す。
【0013】
記録装置1は、チューブ状の記録媒体(以下、チューブと呼ぶ)に画像を記録する装置であり、例えば、チューブプリンタである。記録装置1は、ラップトップパソコンと同様に持ち運びが可能な装置である。
【0014】
<記録装置の概要>
記録装置1は、インクリボンカセット11、操作部12、表示部13、記録部14、切断部15、及び加熱ユニット16を備える。
【0015】
インクリボンカセット11は、チューブの印字に用いるインクを塗布した長い帯状のフィルム及び繊維を格納したカートリッジのことである。
【0016】
操作部12は、ユーザからの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボードである。操作部12は、ユーザのキーボード操作による入力として、例えば、チューブへの記録内容、記録ジョブ数、及び切断手段による切断パターン等、記録装置1に対する種々の入力を受け付ける。また、操作部12は、後述の携帯端末3とのBluetooth接続を行う。また、操作部12は、操作部12の電源キーに対するユーザ入力を受け付けることで、電源部21をON又はOFFに切り替える。
【0017】
表示部13は、各種情報を表示する装置であり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)である。
【0018】
記録部14は、チューブを搬送するための搬送ユニットを備えるとともに、チューブに画像を記録する。
【0019】
切断部15は、記録部14によって画像が記録されたチューブを切断する切断手段として、例えば、カッターを備える。
【0020】
加熱ユニット16は、チューブを加熱するためのヒータ161(図2に図示)を内部に備える。加熱ユニット16は、チューブを記録部14へ案内するガイドユニットとしての役割も果たす。
【0021】
図2は、記録装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0022】
記録装置1は、CPU20、電源部21、記録ヘッド22、メインモータ23、サブモータ24、外気温センサ25、ROM26、RAM27、USB接続部28、メインI/F29、サブI/F30、及びヒータ161を更に備える。
【0023】
CPU20は、記録装置1の各部を全般的に制御する装置である。CPU20は、加熱ユニット16の加熱制御、記録部14の記録動作に係る制御、及び表示部13の表示制御など、記録装置1の各部の動作及び処理を制御する。CPU20は、操作部12に入力された各種データをROM26及びRAM27に記憶する。CPU20は、例えば、ユーザによる記録装置1の電源ONの起動操作に応じて、印刷プログラムをROM26から読み出す。これにより、印刷処理が実現される。
【0024】
電源部21は、記録装置1の各部の動作に必要な電力を各部に対して供給するユニットであり、例えば、バッテリである。
【0025】
記録ヘッド22は、チューブに画像を記録する装置である。
【0026】
メインモータ23とサブモータ24は、記録装置1の各部を駆動するモータである。
【0027】
外気温センサ25は、記録装置1の周囲の環境温度を検出する温度センサである。外気温センサ25は、記録装置1の内部に収容されたヒータ161による熱の影響を受けない位置に設けられている。
【0028】
ROM26は、各種データ及びプログラムを格納する不揮発性メモリである。ROM26は、例えば、印刷プログラム及び画像形成ジョブなどの各種プログラム、及び各種データを記憶する。
【0029】
RAM27は、CPU20に対してワークエリアを提供する揮発性メモリである。
【0030】
USB接続部28は、記録装置1以外のUSB対応機器とUSB接続を可能とするインタフェースである。
【0031】
メインI/F29とサブI/F30は、例えば、携帯端末3とBluetooth接続するためのインタフェースである。従来の記録装置は、Bluetooth接続するためのインタフェースを1つ有していた。しかし、本発明の記録装置1は、Bluetooth接続するためのインタフェースを2つ備えている。なお、記録装置1は、Bluetooth接続するためのインタフェースを3つ以上有しても良い。
【0032】
図3は、記録装置と携帯端末との間のBluetooth接続を説明する概要図である。
【0033】
記録装置1は、携帯端末3とBluetooth接続する。記録装置1が携帯端末3とBluetooth接続した場合、携帯端末3がマスターとなり、記録装置1がスレーブとなる。そして、携帯端末3からの指令により記録装置1が動作する。携帯端末3からの指令は、例えば、データの送受信及び印刷の指令等を含む。記録装置1は、携帯端末3から受信した情報に基づいて、チューブに画像を記録する。なお、記録装置1と携帯端末3のそれぞれは、Bluetooth接続に係る電力消費を抑えるための省電力設定を有していても良い。
【0034】
図4は、Bluetooth接続のために記録装置が行う処理を示すフローチャートである。
【0035】
記録装置1が、メインI/F29とサブI/F30を用いて、携帯端末3とBluetooth接続する際の処理について、図4を用いて説明する。なお、本処理は、記録装置1のCPU20がROM26に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
S401でCPU20は、Bluetooth接続モードの指示を受け付けると、アドバタイズ情報を周囲に発信する。
【0037】
S402でCPU20は、携帯端末3(図3に図示)からの接続要求を受信したか否かに基づいて、アドバタイズ情報の発信を継続する。CPU20は、携帯端末3からの接続要求を受信した場合(S402でYes)、処理はS403へ進む。一方で、CPU20は、携帯端末3からの接続要求を受信していない場合(S402でNo)、処理はS401へ戻る。
【0038】
S403でCPU20は、携帯端末3とBluetooth接続し、接続台数のカウントを1つ増やす。この場合、記録装置1に接続された接続台数は「1」となる。これにより、CPU20は、Bluetooth接続の処理を終了する。
【0039】
図5は、Bluetooth接続から接続解除までに記録装置が行う動作を示すフローチャートである。
【0040】
記録装置1が携帯端末3とのBluetooth接続を開始してからBluetooth接続を解除するまでの処理を、図5を用いて説明する。なお、本処理は、記録装置1のCPU20がROM26に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0041】
S501でCPU20は、Bluetooth接続している携帯端末3(図3に図示)から処理要求を受信したか否かを判定する。CPU20は、携帯端末3から処理要求を受信したと判定した場合(S501でYes)、処理要求の内容に応じて処理はS502、S503、又はS504へ進む。一方で、CPU20は、携帯端末3から処理要求を受信していないと判定した場合(S501でNo)、携帯端末3から処理要求を受信するまで待機する。
【0042】
S502でCPU20は、携帯端末3からの要求がBluetooth接続の解除要求である場合、携帯端末3とのBluetooth接続を解除し、処理は図4のS401へ戻る。
【0043】
S503でCPU20は、携帯端末3からの処理要求が記録装置の状態を判定するための情報(例えば、接続済み台数、接続可能台数)を送信する要求である場合、接続済みの台数と接続可能台数を携帯端末3に送信し、処理はS501へ戻る。ここで、接続済み台数とは、メインI/F29とサブI/F30を介して記録装置1が接続している全ての携帯端末の台数のことをいう。例えば、記録装置1が既に他の携帯端末とBluetooth接続していた場合、接続済み台数は「1」となる。接続可能台数とは、記録装置1が同時無線通信可能な携帯端末の台数のことをいう。なお、本実施形態の接続可能台数は「1」とする。
【0044】
S504でCPU20は、携帯端末3からの処理要求がその他の種類の要求として、例えば、印刷要求を受信した場合、携帯端末3の処理要求に含まれる画像データに基づいて、チューブに画像を記録し、処理はS501へ戻る。
【0045】
図6は、携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0046】
ユーザがBluetooth接続を制御するためのアプリケーションを操作することにより、携帯端末3は、記録装置1に対してBluetooth接続を行う。
【0047】
携帯端末3は、記録装置1に対して各種要求を行う装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、及びPCを含む。携帯端末3は、CPU301、RAM302、ROM303、I/F304、及び操作部305を備える。
【0048】
CPU301は、携帯端末3の各部を統括的に制御する装置であり、例えば、ROM303に記憶された制御プログラムをRAM302に読み出して実行することにより、I/F304を制御する。
【0049】
RAM302は、CPU301のワークエリアを提供する揮発性メモリである。
【0050】
ROM303は、本実施形態の動作を実現するためのアプリケーションプログラム、各種ソフトウェア、基本制御プログラム、及び各種データ等を記憶する不揮発性メモリである。
【0051】
I/F304は、携帯端末3とBluetooth接続するためのインタフェースである。
【0052】
操作部305は、各種情報を表示又は入力するための装置であり、例えば、表示部と入力部が一体となったタッチパネル等である。本実施形態のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーション)は、例えば、ROM303に記憶された制御プログラムの1つである。ユーザは、このアプリケーションの起動により操作部305に表示される画面上で、Bluetooth接続可能な機器(例えば、記録装置1)の確認を行う。操作部305は、操作部305の画面から接続対象となる記録装置1を選択するユーザ入力を受け付けた場合、I/F304を介して記録装置1とBluetooth接続する。
【0053】
図7は、従来の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図である。図8は、携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図である。図7は、図8の配置である場合において携帯端末に表示されるGUIを説明する。
【0054】
図7の画面701は、例えば、携帯端末3の操作部305のタッチパネルに表示される。
【0055】
図8では、携帯端末3の周囲に記録装置811a、記録装置811b、及び記録装置811cが存在する。なお、記録装置811a~記録装置811cはそれぞれ、携帯端末3とBluetooth接続するためのインタフェースを1つのみ備える。これらの記録装置は、従来の記録装置として定義される。
【0056】
図7の説明に戻ると、画面701には、Bluetooth接続可能な機器の一覧として、携帯端末3によってスキャンされた記録装置811a~記録装置811cの情報が表示される。機器名称711aは、記録装置811aの名称であり、例えば、「2022A」として表示される。機器名称711bは、記録装置811bの名称であり、例えば、「2022B」として表示される。機器名称711cは、記録装置811cの名称であり、例えば、「2022C」として表示される。BLEアドレス712aは、記録装置811aのMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2A」として表示される。BLEアドレス712bは、記録装置811bのMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2B」として表示される。BLEアドレス712cは、記録装置811cのMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2C」として表示される。なお、Bluetooth接続可能な機器の一覧は、BLEアドレスの昇順によりソートされている。そして、ユーザは、画面701の任意の機器名称をタップすることにより、携帯端末3とユーザ選択された記録装置とがBluetooth接続される。
【0057】
図9は、複数の携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図である。
【0058】
図9では、携帯端末3の周囲に記録装置911a、記録装置911b、記録装置911c、記録装置911d、及び記録装置911eが存在する。ここで、記録装置911dは電源OFF状態である。記録装置911eは、携帯端末4とBluetooth接続している。
【0059】
図9の配置では、携帯端末3の操作部305に表示されるBluetooth接続可能な機器の一覧として、記録装置911a、記録装置911b、記録装置911cが操作部305の画面(不図示)に表示される。つまり、従来のアプリケーションと1つのBluetooth接続用インタフェースを備える従来の記録装置の組み合わせでは、以下の課題が生じる。具体的には、操作部305の画面(不図示)には、記録装置911dと記録装置911eが接続可能な機器の一覧として表示されない。そのため、ユーザは、記録装置911dと記録装置911eのそれぞれが電源OFF状態であるのか、又は、携帯端末4と既にBluetooth接続しているかが判別できない。
【0060】
図10は、本実施形態の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図である。図11は、携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図である。図10は、図11の配置である場合の携帯端末に表示されるGUIを説明する。
【0061】
図10の画面1001は、例えば、携帯端末3の操作部305のタッチパネルに表示される。
【0062】
図11では、携帯端末3の周囲に記録装置1101aと記録装置1101bが存在する。なお、記録装置1101aと記録装置1101bのそれぞれは、携帯端末3とBluetooth接続するためのインタフェースを2つ備える。これらの記録装置は、本実施形態の記録装置として定義される。
【0063】
図10の説明に戻ると、画面1001には、Bluetooth接続可能な機器の一覧として、携帯端末3によってスキャンされた記録装置1101aと記録装置1101bの情報が表示される。ここで、携帯端末3の周囲には記録装置が2台しか存在しないのにも関わらず、画面1001には4台分の機器名称が表示されている。これは、記録装置1101aと記録装置1101bのそれぞれがBluetooth接続用のインタフェースを2つ有しているためである。
【0064】
機器名称1011aは、記録装置1101aのメインI/F29の名称であり、例えば、「2022A_Main」として表示される。機器名称1011bは、記録装置1101aのサブI/F30の名称であり、例えば、「2022A_Sub」として表示される。機器名称1011cは、記録装置1101bのメインI/F29の名称であり、例えば、「2022B_Main」として表示される。機器名称1011dは、記録装置1101bのサブI/F30の名称であり、例えば、「2022B_Sub」として表示される。
【0065】
BLEアドレス1012aは、記録装置1101aのメインI/F29のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2A」として表示される。BLEアドレス1012bは、記録装置1101aのサブI/F30のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2B」として表示される。BLEアドレス1012cは、記録装置1101bのメインI/F29のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2C」として表示される。BLEアドレス1012dは、記録装置1101bのサブI/F30のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2D」として表示される。なお、Bluetooth接続可能な機器の一覧は、BLEアドレスの昇順によりソートされている。そして、ユーザは、画面1001の任意の機器名称をタップすることにより、携帯端末3とユーザ選択された記録装置とがBluetooth接続される。
【0066】
図12は、携帯端末がBluetooth接続可能な機器の一覧を作成する処理を示すフローチャートである。本処理は、CPU301がROM303からプログラムをRAM302に読み出して実行することにより実現される。
【0067】
S1201でCPU301は、I/F304を制御して、携帯端末3の周囲の記録装置が発信するアドバタイズ情報をスキャンする。
【0068】
S1202でCPU301は、スキャンされたアドバタイズ情報に基づく記録装置のメインI/F29とサブI/F30それぞれの機器名称とBLEアドレスを抽出することで、Bluetooth接続可能な機器の一覧を作成する。CPU301は、スキャンされた記録装置の機器名称の情報等を画面1001(図10に図示)に表示する。
【0069】
図13は、複数の携帯端末と記録装置との接続処理の全体の流れを示すフローチャートである。図13を説明する前に図15図16を以下で説明する。
【0070】
図15は、複数の携帯端末と複数の記録装置の配置の一例を示す図である。
【0071】
図15では、携帯端末3の周囲に記録装置1501a、記録装置1501b、記録装置1501c、及び記録装置1501dが存在する。記録装置1501aと記録装置1501bの電源はON状態である。記録装置1501aは、携帯端末3と携帯端末4に接続していない。記録装置1501bは、携帯端末3と携帯端末4に接続していない。記録装置1501cの電源はOFF状態である。記録装置1501eは、携帯端末4と既に接続している。このような状況下で、携帯端末3のCPU301が、図12の処理を行った結果として、図16に示す情報が操作部305の画面に表示される。
【0072】
図16は、本実施形態の携帯端末に表示されるGUIの一例を示す図である。
【0073】
画面1601には、Bluetooth接続可能な機器の一覧として、携帯端末3によってスキャンされた記録装置1501a、記録装置1501b、及び記録装置1501cそれぞれのメインI/F29とサブI/F30の少なくともいずれかの情報が表示される。ここで、携帯端末3の周囲には4台の記録装置が存在するのにも関わらず、画面1601には5台分の機器名称しか表示されていない。これは、記録装置1501cが既に携帯端末4と接続状態であり、かつ、記録装置1501dの電源がOFF状態であるためである。
【0074】
機器名称1611aは、記録装置1501aのメインI/F29の名称であり、例えば、「2022A_Main」として表示される。機器名称1611bは、記録装置1501aのサブI/F30の名称であり、例えば、「2022A_Sub」として表示される。機器名称1611cは、記録装置1501bのメインI/F29の名称であり、例えば、「2022B_Main」として表示される。機器名称1611dは、記録装置1501bのサブI/F30の名称であり、例えば、「2022B_Sub」として表示される。機器名称1611eは、記録装置1501dのサブI/F30の名称であり、例えば、「2022D_Sub」として表示される。
【0075】
BLEアドレス1612aは、記録装置1501aのメインI/F29のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2A」として表示される。BLEアドレス1612bは、記録装置1501aのサブI/F30のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2B」として表示される。BLEアドレス1612cは、記録装置1501bのメインI/F29のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2C」として表示される。BLEアドレス1612dは、記録装置1501bのサブI/F30のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:2D」として表示される。BLEアドレス1612eは、記録装置1501dのサブI/F30のMACアドレスであり、例えば、「EA:68:01:DD:8E:9B」として表示される。なお、Bluetooth接続可能な機器の一覧は、BLEアドレスの昇順によりソートされている。そして、ユーザは、画面1601の任意の機器名称をタップすることにより、携帯端末3とユーザ選択の記録装置とがBluetooth接続される。
【0076】
ここで、ユーザが機器名称1611eをタップした場合、画面1601には図14のメッセージが表示される。上記で述べた通り、記録装置1501dのメインI/F29は携帯端末4と接続状態であるため、記録装置1501dのサブI/F30の機器名称1611eのみが画面1601に表示される。
【0077】
一方で、画面1601には記録装置1501cに対応した機器名称が一切表示されていない。上記で述べた通り、記録装置1501cの電源がOFF状態になっているため、記録装置1501cはアドバタイズ情報を発信できない。よって、携帯端末3は、記録装置1501cのアドバタイズ情報をスキャンできないため、画面1601には記録装置1501cに対応した機器名称が表示されない。
【0078】
このように、携帯端末3を所持するユーザは、画面1601に表示された任意の記録装置の機器名称をタップし、携帯端末3による出力結果(例えば、図14のメッセージ)を確認することで、選択した記録装置が現在どのような状態であるかを認識することができる。なお、記録装置の状態とは、電源OFF状態であること(Bluetooth接続機能がOFF状態であることも含む)と、他の携帯端末とBluetooth接続中であることを含む。
【0079】
図13は、図15に図示するように、携帯端末4と記録装置1501dが既にBluetooth接続している間に、携帯端末3が記録装置1501dに対しBluetooth接続する場合を示す。なお、本処理は、記録装置1501dのCPU20がROM26に格納されたプログラムを実行することと、携帯端末3と携帯端末4それぞれのCPU301がROM303からプログラムをRAM302に読み出して実行することにより実現される。
【0080】
図13では、説明を容易にするために、処理の動作の主体を記録装置1501d、携帯端末3、携帯端末4として示す。S1901~S1912の処理は、記録装置1501dと携帯端末4との間で行われる。S1913~S1926の処理は、記録装置1501dと携帯端末3との間で行われる。
【0081】
(記録装置1501dと携帯端末4との間の処理)
S1901で記録装置1501dは、Bluetooth接続モードの指示を受け付けると、メインI/F29とサブI/F30それぞれからアドバタイズ情報を周囲に発信する。
【0082】
S1902で携帯端末4は、I/F304を制御して、携帯端末4の周囲の記録装置が発信するアドバタイズ情報をスキャンする。
【0083】
S1903で携帯端末4は、ユーザが操作部305の画面1601上でタップした記録装置1501dの機器名称として「2022D_Main(不図示)」に対し、I/F304を介してBluetooth接続を要求する。なお、「2022D_Main」は、記録装置1501dのメインI/F29に対応する。
【0084】
S1904で記録装置1501dは、携帯端末4からの接続要求を受信した場合、携帯端末4とBluetooth接続する。これにより、携帯端末4と記録装置1501dのメインI/F29との間のBluetooth接続が完了する。
【0085】
S1905で記録装置1501dは、メインI/F29からのアドバタイズ情報の発信を停止し、サブI/F30からのアドバタイズ情報の発信を継続する。
【0086】
S1906で記録装置1501dは、自身に接続されている接続済み台数のカウントを1つ増やす。例えば、記録装置1501dに携帯端末4が接続された場合、接続済み台数は「1」となる。
【0087】
S1907で携帯端末4は、記録装置1501dに対し記録装置1501dの状態を判定するための情報として「接続済み台数」と「接続可能台数」の送信を要求する。
【0088】
S1908で記録装置1501dは、携帯端末4に対し「接続済み台数」と「接続可能台数」を返信する。
【0089】
S1909で携帯端末4は、記録装置1501dから「接続済み台数」と「接続可能台数」の情報を取得する。
【0090】
S1910で携帯端末4は、取得された接続済み台数が接続可能台数以下であるか否かを判定する。携帯端末4は、接続済み台数(例えば、1)が接続可能台数(例えば、1)以下であると判定した場合(S1910でYes)、処理はS1911へ進む。なお、本実施形態では記録装置1501dは携帯端末3と携帯端末4に対しBluetooth接続していない状態であるため、処理はS1911へ進むものとする。
【0091】
一方で、携帯端末4は、取得された接続済み台数(例えば、2)が接続可能台数(例えば、1)以下ではないと判定した場合(S1910でNo)、処理はS1922へ進む。
【0092】
S1911で携帯端末4は、画面1601上に記録装置1501dとの接続を継続することを示すメッセージを表示する。
【0093】
ここで、図17は、記録装置との接続を継続する際に携帯端末に表示されるメッセージの一例を示す図である。画面1601には「指定したプリンターとの接続を継続します。」のメッセージが表示される。なお、記録装置1501dとの接続を継続することをユーザに通知する方法は、画面1601上のメッセージ通知に限られず、例えば、ユーザ選択された機器名称の色を変更すること、あるいは携帯端末4からの音声通知を含む。
【0094】
S1912で携帯端末4は、操作部305を介して受け付けたユーザの処理要求(ジョブ要求)を記録装置1501dへ送信する。これにより、記録装置1501dによる各種処理が実現する。
【0095】
(記録装置1501dと携帯端末3との間の処理)
S1913で携帯端末3は、I/F304を制御して、携帯端末3の周囲の記録装置が発信するアドバタイズ情報をスキャンする。
【0096】
S1914で携帯端末3は、ユーザが操作部305の画面1601上でタップした記録装置1501dの機器名称1611eとして「2022D_Sub」に対し、I/F304を介してBluetooth接続を要求する。なお、「2022D_Sub」は、記録装置1501dのサブI/F30に対応する。
【0097】
S1915で記録装置1501dは、携帯端末3からの接続要求を受信した場合、携帯端末3のサブI/F30とBluetooth接続する。これにより、携帯端末3と記録装置1501dのサブI/F30との間のBluetooth接続が完了する。
【0098】
S1916で記録装置1501dは、サブI/F30からのアドバタイズ情報の発信を停止する。
【0099】
S1917で記録装置1501dは、自身に接続されている接続済み台数のカウントを1つ増やす。例えば、携帯端末4と接続中の記録装置1501dに対し携帯端末3が接続される場合、接続済み台数は「2」となる。
【0100】
S1918で携帯端末3は、記録装置1501dに対し記録装置1501dの状態を判定するための情報として「接続済み台数」と「接続可能台数」の送信を要求する。
【0101】
S1919で記録装置1501dは、携帯端末3に対し「接続済み台数」と「接続可能台数」を返信する。
【0102】
S1920で携帯端末3は、記録装置1501dから「接続済み台数」と「接続可能台数」の情報を取得する。
【0103】
S1921で携帯端末3は、取得された接続済み台数が接続可能台数以下であるか否かを判定する。携帯端末3は、取得された接続済み台数(例えば、1)が接続可能台数(例えば、1)以下であると判定した場合(S1921でYes)、処理はS1911へ進む。
【0104】
一方で、携帯端末3は、取得された接続済み台数(例えば、2)が接続可能台数(例えば、1)以下ではないと判定した場合(S1921でNo)、処理はS1922へ進む。なお、本実施形態では記録装置1501dは既に携帯端末4のメインI/F29とBluetooth接続しているため、処理はS1922へ進むものとする。
【0105】
S1922で携帯端末3は、画面1601上に記録装置1501dと接続不可であることを示すメッセージ(図14に図示)を表示する。
【0106】
ここで、図14は、記録装置との接続ができない際に携帯端末に表示されるメッセージを示す図である。ユーザ選択による記録装置1501dとBluetooth接続ができない場合、携帯端末3の画面1601には「指定したプリンターは他のスマートフォンと接続しているため、接続できません。」が表示される。
【0107】
S1923で携帯端末3は、記録装置1501dのサブI/F30の機器名称1611eとして「2022D_Sub」にBluetooth接続の切断要求を送信する。
【0108】
S1924で記録装置1501dは、携帯端末3からの要求がBluetooth接続の切断要求である場合、携帯端末3とのBluetooth接続を解除する。
【0109】
S1925で記録装置1501dは、自身に接続されている接続済み台数のカウントを1つ減らす。これにより、接続済み台数は「2」から「1」となる。
【0110】
S1926で記録装置1501dは、サブI/F30からのアドバタイズ情報を周囲に発信する。
【0111】
以上の通り、本実施形態によれば、携帯端末が記録装置に対してBluetooth接続する際にBluetooth接続不可であった記録装置の具体的な状態を判定できる。これにより、ユーザは、記録装置の状態に応じて、Bluetooth接続可能な記録装置を用いて効率よく印刷作業を行える。
【0112】
(変形例)
図16の画面1601には、記録装置1501cに対応した機器名称が一切表示されないと説明したが、記録装置1501cに対応した機器名称が表示されても良い。
【0113】
例えば、ユーザが、画面1601上の記録装置1501cに対応した機器名称をタップした場合、CPU301は「指定したプリンターは電源OFF状態となっているため、接続できません」のメッセージを画面1601に表示する。ここで、図18は、記録装置との接続ができない際に携帯端末に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0114】
さらに、CPU301は、ユーザが画面1601から記録装置1501cに対応した機器名称を誤って選択しないように、例えば、記録装置1501cに対応した機器名称をグレーアウト表示させても良い。あるいは、CPU301は、記録装置1501cに対応した機器名称の上又は横に「接続不可」のメッセージを重畳して表示しても良い。
【0115】
これにより、ユーザは、記録装置1501cの電源がOFF状態であることを認識するため、記録装置1501cの電源をONにするか、あるいは、他の記録装置で印刷作業を継続することができる。なお、電源OFF状態とは、単に記録装置の主電源が入っていないことだけを指すのではなく、接続対象となる記録装置が携帯端末3とBluetooth接続できない遠距離にある場合も含まれる。
【0116】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0117】
本明細書の開示は、以下の記録システム及び方法を含む。
(項目1)
記録装置と携帯端末とを備える記録システムであって、
前記記録装置は、
前記携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備え、
前記携帯端末は、
前記記録装置に対する無線通信を確立する確立手段と、
前記確立手段によって前記記録装置に対する無線通信が確立されると、前記記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御手段と、
前記制御手段による制御結果を通知する通知手段と、を備え、
前記携帯端末とは異なる他の携帯端末が前記複数の通信インタフェースのうち第1通信インタフェースと無線通信を確立している間に、前記携帯端末が前記確立手段によって前記第1通信インタフェースとは異なる第2通信インタフェースと無線通信を確立した場合、前記制御手段は前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続に関する制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続結果を通知する、
ことを特徴とする記録システム。
(項目2)
前記制御手段は、前記取得手段によって取得された情報として、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数が閾値以下である場合、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続する制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続することを示す情報を通知する、
ことを特徴とする項目1に記載の記録システム。
(項目3)
前記携帯端末は、
前記制御手段によって前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続する制御が行われている間に、前記記録装置に対してジョブの処理を要求する要求手段を備える、
ことを特徴とする項目1又は2に記載の記録システム。
(項目4)
前記制御手段は、前記取得手段によって取得された情報として、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数が閾値以下ではない場合、前記確立手段によって確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続しない制御を行い、
前記通知手段は、前記制御手段による制御結果として前記第2通信インタフェースに対する無線通信を継続しないことを示す情報を通知する、
ことを特徴とする項目1から3のいずれか一項目に記載の記録システム。
(項目5)
前記閾値は、前記記録装置に対して同時無線通信可能な携帯端末の数である、
ことを特徴とする項目2又は4に記載の記録システム。
(項目6)
前記記録装置は、
前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれから前記携帯端末と無線通信を行うためのアドバタイズ情報を発信する発信手段を備え、
前記携帯端末は、
前記発信手段によって前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれから発信されたアドバタイズ情報をスキャンするスキャン手段と、
前記スキャン手段によってスキャンされた前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれのアドバタイズ情報を画面に表示する表示手段を備える、
ことを特徴とする項目1から5のいずれか一項目に記載の記録システム。
(項目7)
前記アドバタイズ情報は、前記記録装置の固有情報と、前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれの識別情報と、が関連付けられた情報である、
ことを特徴とする項目6に記載の記録システム。
(項目8)
前記発信手段は、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースが前記携帯端末と無線通信を確立している間に、前記携帯端末と前記無線通信を確立している前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースからの前記アドバタイズ情報の発信を停止する、
ことを特徴とする請求項6に記載の記録システム。
(項目9)
前記携帯端末は、
前記表示手段によって前記画面に表示された前記それぞれのアドバタイズ情報に基づいて、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースを選択するユーザ入力を受け付ける受付手段を備える、
ことを特徴とする項目6に記載の記録システム。
(項目10)
前記確立手段は、前記受付手段によって受け付けられたユーザ入力に基づいて、前記第1通信インタフェース又は前記第2通信インタフェースに対する無線通信を確立する、
ことを特徴とする項目9に記載の記録システム。
(項目11)
前記記録装置は、
前記第1通信インタフェースと前記第2通信インタフェースそれぞれからの前記アドバタイズ情報の発信の有無に基づいて、前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末の数をカウントするカウント手段を備える、
ことを特徴とする項目6に記載の記録システム。
(項目12)
前記記録装置は、
前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末から無線通信を切断する要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記携帯端末から無線通信を切断する要求が受信された場合、前記記録装置と無線通信を確立している前記携帯端末との無線通信を切断する通信制御手段と、を備える、
ことを特徴とする項目1から11のいずれか一項目に記載の記録システム。
(項目13)
前記無線通信は、近距離無線通信である、
ことを特徴とする項目1から12のいずれか一項目に記載の記録システム。
(項目14)
携帯端末と無線通信可能な複数の通信インタフェースを備える記録装置が実行する方法であって、
前記携帯端末から前記記録装置と無線通信する要求を受信すると、前記携帯端末と無線通信を確立する確立工程と、
前記複数の通信インタフェースそれぞれからのアドバタイズ情報の発信の有無に基づいて、前記記録装置が無線通信を確立している携帯端末の数をカウントするカウント工程と、
前記確立工程によって前記携帯端末と無線通信が確立されている間に、前記記録装置の状態を判定するための情報の要求を前記携帯端末から受け付ける受付工程と、
前記受付工程において受け付けた前記記録装置の状態を判定するための情報を前記携帯端末に通知する通知工程と、
前記記録装置と無線通信を確立している携帯端末から無線通信を切断する要求を受信すると、前記携帯端末に対する無線通信を継続しない制御を行う制御工程と、を備える、
ことを特徴とする方法。
(項目15)
無線通信可能な複数の通信インタフェースを備える記録装置に対して無線通信する携帯端末が実行する方法であって、
前記記録装置に対する無線通信を確立する確立工程と、
前記確立工程において前記記録装置と無線通信が確立されると、前記記録装置の状態を判定するための情報を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された情報に基づいて、前記確立工程において確立されている前記記録装置に対する無線通信の継続を制御する制御工程と、
前記制御工程における制御結果を通知する通知工程と、を備え、
前記携帯端末とは異なる他の携帯端末が前記複数の通信インタフェースのうち第1通信インタフェースと無線通信を確立している間に、前記携帯端末が前記確立工程において前記第1通信インタフェースとは異なる第2通信インタフェースと無線通信を確立した場合、前記制御工程では前記取得工程において取得された情報に基づいて、前記確立工程において確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続に関する制御を行い、
前記通知工程では、前記制御工程における制御結果として、前記確立工程で確立されている前記第2通信インタフェースに対する無線通信の継続結果を通知する、
ことを特徴とする方法。
(項目16)
項目14に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(項目17)
項目15に記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0118】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0119】
1 記録装置
11 インクリボンカセット
12 操作部
13 表示部
14 記録部
15 切断部
16 加熱ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18