(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049438
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】勤務管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1091 20230101AFI20240403BHJP
【FI】
G06Q10/10 342
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155665
(22)【出願日】2022-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】前田 一輝
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕子
(72)【発明者】
【氏名】中山 光洋
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】端末においてログオフ操作が行われない場合であっても、労働者の勤務時間を正確かつ容易に把握する。
【解決手段】勤務管理装置40は、端末50-1(第1の端末)を用いたシステム51へのログインを示す情報411、及び、システム51へのログイン後に発生する端末50-1の操作履歴412を取得する取得部41と、端末50-1の操作履歴412から、端末50-1乃至50-nの無操作期間420を特定する特定部42と、端末50-1乃至50-nの無操作期間420の長さに応じて、端末50-1乃至50-nの無操作期間420を含めて勤務時間430を算出する算出部43と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得手段と、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定手段と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出手段と、
を備える勤務管理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、所定の長さに満たない前記端末の無操作期間を前記勤務時間に含める、
請求項1に記載の勤務管理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記第1の端末を用いた前記システムへのログイン時刻と、前記第1の端末の操作履歴と、に基づいて前記勤務時間を算出する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記システムへのログイン後における前記第1の端末の操作履歴が得られない期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、第2の端末を用いた前記システムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後における前記第2の端末の操作履歴を取得し、
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴と前記第2の端末の操作履歴とに基づいて、前記端末の無操作期間を特定する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴に基づいて特定された第1の時刻から第2の時刻までの無操作期間において、前記第2の端末の操作履歴が取得された場合、前記第1の時刻から前記第2の端末の操作履歴が取得された第3の時刻までの期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
請求項5に記載の勤務管理装置。
【請求項7】
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴が表す、所定の操作条件を満たす操作が行われた期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項8】
前記システムは、医療従事者が利用する電子カルテシステムを含む、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得し、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定し、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する、
勤務管理方法。
【請求項10】
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得処理と、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定処理と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出処理と、
をコンピュータに実行させるための勤務管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勤務管理装置、勤務管理方法、及び、勤務管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
労働者の勤務時間(勤務実態)を、勤務中に使用する端末の操作履歴やシステムへのアクセス履歴等を活用して効率的に把握するための技術が知られている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、客観的な業務管理を支援する管理システムが開示されている。このシステムは、情報処理端末におけるログイン操作およびログオフ操作を検知する。このシステムは、情報処理端末における入力部を介した操作入力を検知する。このシステムは、前述した検知内容に基づいて、ユーザによる情報処理端末の使用時間を算出する。そして、このシステムは、算出した使用時間と予め定められた労働時間との差分を表示部に表示する。
【0004】
また、特許文献2には、電子カルテシステム内の各電子カルテに対してなされた全てのアクセスのそれぞれについて、そのアクセスにおけるログイン日時及びログアウト日時と、そのアクセスを行った職員の業務の種別を示す業務種別情報とを関連付けて記憶する作業時間算出方法が開示されている。この方法では、業務種別情報と、その業務が行われる作業領域を特定する作業領域情報とを、関連付けて記憶する。この方法では、利用者が診察室に入室すると、その入室時から電子カルテにアクセスするまでの作業時間、及び電子カルテへのアクセス期間を、その診察室に関連付けられている診療科の単位作業時間として計上する。そしてこの方法は、診察室と関連付けられている第1の診療科とは異なる第2の診療科の医師として利用者が電子カルテにアクセスしたときには、そのアクセス期間は、第2の診療科の単位作業時間として計上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-169035号公報
【特許文献2】特開2007-257429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び2では、システムへのログイン操作およびログオフ操作を検知することによって労働者の勤務時間を管理する。しかしながら、多忙な労働者は、例えばログオフ操作を行わずに業務を終了する場合もあり、このような場合、ログオフ操作を検知できないので、特許文献1及び2の技術では、労働者の勤務時間を正確に把握することができない。
【0007】
本発明の主たる目的は、勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者の勤務時間を正確かつ容易に把握することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る勤務管理装置は、第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得手段と、前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定手段と、前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出手段と、を備える。
【0009】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る勤務管理方法は、情報処理装置によって、第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得し、前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定し、前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する。
【0010】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る勤務管理プログラムは、第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得処理と、前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定処理と、前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出処理と、をコンピュータに実行させる。
【0011】
更に、本発明は、係る勤務管理プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る勤務管理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るログイン情報151及び操作ログ200を模式的に例示する図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るログイン情報151及び操作ログ200をより詳細に例示する図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る勤務管理装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態の変形例に係る勤務管理システム1Xの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る勤務管理システム1Yの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る勤務管理装置10Yの動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る勤務管理装置40の構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の各実施形態に係る勤務管理装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る勤務管理システム1の構成を示すブロック図である。勤務管理システム1は、医療機関における医師や看護師等の医療従事者の勤務時間を管理するシステムである。尚、本実施形態及び後述する他の実施形態に係る勤務管理システム(勤務管理装置)の勤務時間の管理対象は、医療従事者に限定されず、勤務中に端末の操作を行う医療従事者以外の労働者であってもよい。
【0016】
勤務管理システム1は、大別して、勤務管理装置10、1以上の端末20、電子カルテシステム21、管理端末22を有する。勤務管理装置10、端末20、電子カルテシステム21、管理端末22は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えば、医療機関内に構築されたLAN(Local Area Network)、あるいは、インターネットに構築されたVPN(Virtual Private Network)などである。尚、勤務管理システム1は、電子カルテシステム21とは異なる、医療業務用のシステムを含んでもよい。
【0017】
電子カルテシステム21は、診療情報に関するデータベースであり、当該診療情報は、患者の属性(氏名、性別、年齢、住所)、病名及び主な症状、治療方法(処方、処置)、診療の年月日を表す。当該診療情報は、患者に関する既往歴、現症及び身体所見、入院後の経過、治療方針、手術記録等を含んでもよい。
【0018】
電子カルテシステム21は、また、医師から看護師、薬剤師等の医療従事者に対して検査等を指示する機能、作業進捗を管理する機能、患者の検査結果を伝達及び記録する機能、診療報酬を算定する機能を有する。電子カルテシステム21は、また、医療文書(入院時書類、紹介状等)の作成を支援する機能を有する。電子カルテシステム21は、また、患者に関する看護計画、ケアの実施状況及び経過状況を管理する機能を有する。
【0019】
電子カルテシステム21は、また、複数の医療機関の間で、診療情報の共有及び紹介状の交換を行う機能を有する。
【0020】
端末20は、医療従事者が勤務中に使用するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、例えば、電子カルテシステム21を用いて上述した業務を行う際に使用される。端末20は、例えば診察室及び手術室等(執務室)の場所ごとに設置され、診察室あるいは手術室等において医療行為を行う医療従事者によって使用される。また、端末20は、特定の執務室に設置される態様に限らず、様々な執務室に持ち運ぶことが可能なスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。したがって、個々の端末20は1人以上の医療従事者によって共有して使用される。同様に、勤務中において個々の医療従事者は1以上の端末20を使用することができる。尚、本実施形態では以降の説明において、端末20を、端末20-1、端末20-2というように区別して記載する場合がある。
【0021】
端末20はOS(Operating System)が起動して医療従事者による使用が可能な状態になったのち、操作ログ200の収集を行うアプリケーションを実行する。そして、アプリケーションは、端末20を操作した際に発生する操作ログ200の収集を行う。操作ログ200は、端末20を介した操作の内容と操作された時刻とを含んでいる。また、操作ログ200は、個々の医療従事者を識別するID(Identification)と関連付けられる。なお、このIDは医療従事者が端末20を用いて電子カルテシステムに対するログイン操作を行った際に入力された情報から取得してもよい。入力された情報の一例としては、電子カルテシステムの利用者毎に付与されるIDの他に、従業員番号や従業員名など個々の医療従事者を特定するための情報が挙げられる。なお、入力された情報を取得するタイミングは、ログイン操作を行った際に限らず、ログイン操作が行われてから所定の時間以上経過した以降に取得されてもよい。ログイン操作は、医療従事者が端末20の使用を開始する際、及び、端末20から電子カルテシステム21へのアクセスを開始する際の少なくともいずれかにおいて行われる。なお、ひとりの医療従事者が端末20を用いたログイン操作を勤務時間の間に複数回行うこともある。また、同様にひとりの医療従事者が勤務時間の間において、端末20とは異なる端末20-1を用いてログインすることもある。さらには、端末20と端末20-1とを用いて同時にログインを行うこともある。
【0022】
操作ログ200は、例えば、端末20の識別情報(端末名等)、マウスの動きを表す情報、キーボードを介して入力された情報(文字など)、操作するアプリケーションあるいはファイルの識別情報(名称等)、アプリケーションあるいはファイルに対して行った操作の種類(保存、上書き、削除など)、操作の開始時刻または操作の終了時刻等を含む。操作ログ200は、前述した情報の全てまたは一部を組み合わせた情報を操作ログ200として取得するようにしてもよいし、前述した情報とは異なる情報を含んでいてもよい。なお、操作ログ200は、後述する無操作期間を特定するために、少なくとも操作の開始時刻または操作の終了時刻を含んでいることが好ましい。
【0023】
管理端末22は、勤務管理装置10の管理者が使用するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、例えば、勤務管理装置10に対して情報を入力する際、及び、勤務管理装置10から出力された情報を確認する際に使用される。尚、少なくともいずれかの端末20が、管理端末22としての機能を備えてもよい。
【0024】
勤務管理装置10は、取得部11、特定部12、算出部13、判定部14、記憶部15を備える。取得部11、特定部12、算出部13、判定部14は、順に、取得手段、特定手段、算出手段、判定手段の一例である。
【0025】
記憶部15は、例えば、
図9を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部15は、ログイン情報151、操作ログ200、無操作期間153、勤務予定時間154、勤務時間155、勤務時間算出基準156、ノイズ特定条件157、警告基準158を記憶している。記憶部15に記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0026】
取得部11は、個々の端末20から、操作ログ200を取得する。なお、操作ログ200は、端末20を介した電子カルテシステム21へのログイン操作が行われた以降に取得されるものであってもよい。前述のとおり、個々の端末20は、複数の医療従事者が共同して利用する可能性があることから、電子カルテシステム21へのログイン後に操作ログ200を取得するようにすることで、端末20から取得される操作ログ200を医療従事者のIDと精度よく関連づけることができる。また、これに限らず、操作ログ200は、端末20から定期的に取得するようにしてもよいし、管理端末22もしくは端末20において特定のイベントを検知した場合に端末20から一括して取得するようにしてもよい。また、端末20が電子カルテシステム21に対するログイン情報151を保持するようにし、取得部11は、端末20に保持されたログイン情報151を取得してもよい。取得部11は、取得したログイン情報151及び操作ログ200を記憶部15に格納する。
【0027】
ログイン情報151は、医療従事者が、端末20の使用を開始する際、及び、端末20から電子カルテシステム21へのアクセスを開始する際の少なくともいずれかにおいて行うログイン操作を表す。ログイン情報151は、ログイン操作において医療従事者により入力された医療従事者のID、ログイン操作を行った端末20を識別する情報及び、ログイン操作を行った時刻を含む。
【0028】
操作ログ200は、端末20に対する操作内容を表す。操作ログ200は、ログイン情報151に含まれる医療従事者のIDと関連付けられている。この関連付けは、ログイン情報151に含まれるログイン時刻及びログイン操作を行った端末20を識別する情報と、ログイン後に発生する操作ログ200に含まれる端末20を識別する情報及び各操作の発生時刻(操作の開始時刻、操作の終了時刻など)とを参照した処理により行われる。
【0029】
図2は、本実施形態に係るログイン情報151及び操作ログ200を模式的に例示する図である。
図2に例示するログイン情報151及び操作ログ200は、ある医療従事者がある日の勤務において端末20-1および端末20-2を操作した履歴を表している。本実施形態に係る勤務管理装置10は、医療従事者ごとに、
図2に例示するようなログイン情報151及び操作ログ200を使用する。
【0030】
図2に例示するログイン情報151及び操作ログ200によれば、医療従事者は、時刻t1に端末20-1(第1の端末)においてログイン操作を行ったのち、端末20-1を使用した業務を時刻t2まで行っている。時刻t2は、端末20-1を用いた操作ログ200における、操作の終了時刻を表す。時刻t2において行われる操作は、ログオフ操作でもよいし、ログオフ操作とは異なる操作であってもよい。
【0031】
図3は、
図2に例示した時刻t1から時刻t2までの期間におけるログイン情報151及び操作ログ200をより詳細に例示する図である。
【0032】
図3に例示するログイン情報151及び操作ログ200は、ログイン操作、マウスの移動及びキーボードからの文字入力などの操作が発生した時系列を表している。
図3に例示する通り、時刻t1から時刻t2までの期間において、ログイン操作や、マウス移動、キーボードからの文字入力といった複数の操作ログ200が存在している。また、時刻t1から時刻t2までの期間において、端末20-1を用いた操作が行われている期間と、操作が行われていない期間(無操作期間)とが存在する。端末20-1を用いた操作が行われている期間とは、例えば、ログイン操作の開始時刻から終了時刻までの期間などである。また、操作が行われている期間は、異なる種類の操作の開始時刻と終了時刻とが所定の関係にある場合、それぞれの操作ログ200の開始時刻と終了時刻とに基づいて特定されることもある。例えば、
図3の例では、マウスの移動操作の終了時刻とキーボードからの文字入力操作の開始時刻とが連続している。このような場合には、マウス移動の操作開始時刻から、キーボードからの文字入力のある操作の終了時刻までを操作が行われている期間として特定することもできる。なお、所定の関係とは、例えば、ある操作の開始時刻から終了時刻までの間に他の操作の開始時刻が重なっている場合や、ある操作の終了時刻と他の操作の開始時刻とが連続している場合などである。また、無操作期間とは、端末20-1による操作が行われていない期間を示す情報である。
図3の例では、ログイン操作の終了時刻からマウス移動操作の開始時刻の間において、端末20-1が操作された履歴が存在しない。そのため、このような期間が無操作期間として特定される。無操作期間は、例えば、ある操作の終了時刻とある操作の次に行われた他の操作の開始時刻までの期間を求めることによって特定することができる。
【0033】
図2に例示するログイン情報151及び操作ログ200によれば、医療従事者は、時刻t2よりも後の時刻t3に端末20-2(第2の端末)を用いてログイン操作を行ったのち、端末20-2を使用した業務を時刻t3よりも後の時刻t4まで行っている。端末20-1及び端末20-2は、例えば、異なる診察室に設置された端末である。なお、
図2に示す例において、この医療従事者は、時刻t2から時刻t3の間に、端末20-1が設置された診察室から端末20-2が設置された診察室に移動して、時刻t3に端末20-2を用いた業務を開始している。したがって、時刻t2から時刻t3までの期間は、この医療従事者と関連付けられる端末20-1の操作ログ200が存在しない。そのため、この医療従事者にとって時刻t2から時刻t3までの期間は、端末20-1を操作していない無操作期間となる。
【0034】
図2に例示するログイン情報151及び操作ログ200によれば、この医療従事者は、時刻t4よりも後の時刻t5に端末20-1においてログイン操作を行ったのち、端末20-1を使用した業務を時刻t5よりも後の時刻t6まで行っている。なお、
図2に示す例において、この医療従事者は、時刻t4から時刻t5までの間に、端末20-2が設置された診察室から端末20-1が設置された診察室に戻り、時刻t5に端末20-1を用いた業務を開始している。したがって、時刻t4から時刻t5までの期間は、この医療従事者と関連付けられる端末20-2の操作ログ200が存在しない。そのため、この医療従事者にとって時刻t4から時刻t5までの期間は、端末20-2を操作していない無操作期間となる。
【0035】
図2に例示するログイン情報151及び操作ログ200によれば、この医療従事者は、時刻t6よりも後の時刻t7に端末20-1においてログイン操作を行っている。そのため、時刻t6から時刻t7までの期間は、この医療従事者と関連付けられる端末20-1の操作ログ200が存在しない。また、同様に端末20-2においてもこの医療従事者と関連付けられる操作ログ200が存在しない。したがって、時刻t6から時刻t7は、この医療従事者にとって端末20-1および端末20-2を操作していない無操作期間である。また、
図2に示す例において、時刻t6から時刻t7の無操作期間は、勤務間インターバル基準時間よりも長い。勤務間インターバル基準時間とは、例えば、ある日の勤務終了から翌日の勤務開始までに間隔を置くことが義務付けられている最低限の時間であり、例えば10時間等である。また、勤務間インターバル基準時間は、システムの管理者が任意に設定するようにしてもよい。また、設定に際して、個々の医療従事者ごとに異なる勤務間インターバル基準時間を設定してもよい。
【0036】
特定部12は、ログイン情報151及び操作ログ200から、
図2及び
図3に例示する端末20の無操作期間153を特定し、特定した無操作期間153を記憶部15に格納する。特定部12は、例えば
図2に示す例において、時刻t2から時刻t3までの期間、時刻t4からt5までの期間、時刻t6からt7までの期間を、無操作期間153として特定する。なお、
図2に示す例では、説明の簡略化のために、時刻t1から時刻t2までの期間において業務が行われていることを図示したが、特定部12は、
図3に示す例のように、時刻t1から時刻t2までの期間においても、操作ログ200が存在しない期間を無操作期間として特定している。また、
図2に例示した時刻t3からt4までの期間、時刻t5からt6までの期間についても同様である。
【0037】
このように、特定部12は、端末20-1(第1の端末)の操作ログ200に基づいて特定した時刻t2(第1の時刻)から時刻t5(第2の時刻)までの無操作期間において、端末20-2(第2の端末)の操作ログ200が取得された場合、時刻t2から端末20-2の操作ログ200が取得された時刻t3(第3の時刻)までの期間を、端末20の無操作期間153として特定する。
【0038】
算出部13は、個々の無操作期間153に関して、勤務時間算出基準156を満たす期間を勤務時間155に含め、勤務時間算出基準156を満たさない期間を勤務時間155に含めないように医療従事者の勤務時間155を算出する。勤務時間算出基準156は、例えば、無操作期間153の長さが、勤務間インターバル基準時間に満たないことを表す。算出部13は、算出した勤務時間155を記憶部15に格納する。
【0039】
算出部13は、例えば
図2に示す例において、時刻t2から時刻t3までの期間及び時刻t4からt5までの期間は、勤務間インターバル基準時間に満たないことから、これらの無操作期間153を勤務時間155に含める。即ち、算出部13は、
図2及び
図3に例示する、勤務間インターバル基準時間以上である時刻t6からt7までの無操作期間153を除く無操作期間153を含めて、勤務時間155を算出する。
【0040】
したがって算出部13は、
図2に示す例において、端末20-1においてログインが行われた時刻t1から、端末20-1を用いて最後の操作を行った時刻t6までの期間を、当日(今回のシフト)の勤務時間155として算出する。即ち、算出部13は、勤務間インターバル基準時間以上である無操作期間153の開始時刻である時刻t6を勤務終了時刻とする。そして算出部13は、勤務間インターバル基準時間以上である無操作期間153の後に端末20-1においてログイン操作が行われた時刻t7から始まる期間を、翌日(次回のシフト)の勤務時間155として算出する。
【0041】
特定部12は、また、端末20が使用されておらずログオフ操作も行われていない状態において、例えば地震の発生あるいは誰かが誤ってマウスに触れることなどによって記録された操作ログ200をノイズであると判定し、その操作ログ200の期間を無操作期間153としてもよい。なお、ノイズとは、医療従事者が端末20を用いて業務を行っていないにも関わらず、何等かの要因によって端末20が操作されることによって発生する操作ログ200のことである。このようなノイズを特定するためのノイズ特定条件157(所定の操作条件)を設けてもよい。そして、ノイズ特定条件157を満たす操作ログ200は、操作が行われていないものとみなして、無操作期間の特定を行うようにしてもよい。つまり、ノイズ特定条件157を満たす操作ログ200は、操作ログ200が存在しないものとして扱う。の、このようなノイズ特定条件157は、例えば下記の条件を含むが、ノイズ特定条件157に含まれる条件は下記に限定されない。
(1)操作ログ200に含まれる操作の開始時刻から終了時刻までの期間の長さが第1の閾値(例えば5秒)よりも短い。
(2)操作ログ200が、所定の順序で取得される、もしくは取得されなかった(例えば、キーボードへの入力が行われずにマウスが移動している)。
(3)操作ログ200に含まれる操作の開始時刻と操作の終了時刻に基づき、操作の開始時刻まで続いていた第1の無操作期間が第2の閾値(例えば4時間)よりも長く、かつ、操作の終了時刻以降から続く第2の無操作期間が第3の閾値(例えば1時間)よりも長い。尚、第2の閾値及び第3の閾値は任意に設定され、例えば同じ値であってもよい。
(4)操作ログ200が、医療従事者の勤務予定を表す勤務予定時間154に含まれない時刻に発生している。
【0042】
ノイズ特定条件157は、上述した条件の全てを含んでいてもよいし、いずれかの条件のみが設定されていてもよい。また、いくつかの条件を組み合わせるようにしてもよい。
【0043】
算出部13は、また、上述の通りに算出した医療従事者の勤務時間155と当該医療従事者に関する勤務予定時間154との差分を算出する。勤務予定時間154は、例えば、勤務開始予定時刻、勤務終了予定時刻、休憩時間等を含むシフト表である。勤務予定時間154は、例えば、休憩時間を除く勤務予定時間の長さを表してもよい。尚、勤務時間155と勤務予定時間154との差分は、時間外勤務時間を表している。
【0044】
判定部14は、算出部13によって上述の通りに算出された、勤務時間155と勤務予定時間との差分が警告基準158を満たすか否かを判定する。判定部14は当該差分が警告基準158を満たす場合、警告を例えば管理端末22に出力する。
【0045】
警告基準158は、例えば、当該差分により示される所定の期間(1日、1週間、1ヶ月等)あたりの時間外勤務時間が、当該所定の期間あたりの時間外勤務時間の上限値を超えていることを表す。当該上限値は、例えば法律あるいは医療機関の労働条件に関する規定などによって定められた値である。なお、上限値は、システムの管理者や個々のユーザによって任意の値に設定されてもよい。
【0046】
次に
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る勤務管理装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0047】
取得部11は、個々の端末20から、個々の端末20が収集した操作ログ200を取得し、電子カルテシステム21から、個々の医療従事者に関するログイン情報151を取得し、取得したログイン情報151及び操作ログ200を記憶部15に格納する(ステップS101)。特定部12は、操作ログ200が存在しない期間を無操作期間153として特定する(ステップS102)。また、特定部12は、操作ログ200がノイズ特定条件157を満たすか否かを判定する(ステップS103)。
【0048】
操作ログ200がノイズ特定条件157を満たさない場合(ステップS104でNo)、処理をステップS106へ進める。一方、操作ログ200がノイズ特定条件157を満たす場合(ステップS104でYes)、特定部12は、その操作ログ200が示す期間を、無操作期間153に含めるようにする(ステップS105)。
【0049】
算出部13は、個々の無操作期間153に関して、勤務時間算出基準156を満たす期間を勤務時間155に含めるように勤務時間155を算出する(ステップS106―1)。算出部13は、個々の無操作期間153に関して、勤務時間算出基準156を満たさない期間を勤務時間155に含めないように勤務時間155を算出する(ステップS106―2)。算出部13は、勤務時間155と勤務予定時間154との差分を算出し、判定部14は、算出された当該差分が警告基準158を満たすか否かを判定する(ステップS107)。
【0050】
算出された勤務時間155と勤務予定時間154との差分が警告基準158を満たさない場合(ステップS108でNo)、全体の処理は終了する。算出された勤務時間155と勤務予定時間154との差分が警告基準158を満たす場合(ステップS108でYes)、判定部14は、医療従事者の勤務時間155に関する警告を管理端末22に出力し、全体の処理は終了する。
【0051】
本実施形態に係る勤務管理装置10は、端末20においてログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者(医療従事者)の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。その理由は、勤務管理装置10は、端末20に関するログイン情報151及び操作ログ200から無操作期間153を特定し、無操作期間153の長さに応じて、無操作期間を勤務時間に含めるか否かを判定するためである。
【0052】
以下に、本実施形態に係る勤務管理装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0053】
本実施形態に係る勤務管理装置10は、電子カルテシステム21へのログイン情報151及び端末20に関する操作ログ200から、勤務間インターバル基準時間以上である無操作期間を除いた無操作期間153を含めて勤務時間155を算出する。このような勤務時間155の算出は、当日の勤務(今回のシフト)と翌日の勤務(次回のシフト)との間に勤務間インターバル基準時間以上の間隔を置くことが義務付けられており、無操作の状態がある程度継続したとしても勤務間インターバル基準時間に満たないような無操作期間は、勤務時間と見做せることに基づいている。そしてこのように勤務時間155を算出する場合、ログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作に関する情報は必要とされない。したがって、勤務管理装置10は、端末20においてログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10は、算出した勤務時間155と勤務予定時間154との差分を算出し、当該差分が警告基準158を満たす場合、警告を管理端末22に出力する。これにより、勤務管理装置10は、労働者の健康を害することがないように勤務時間を適切に管理することを支援することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10は、操作ログ200に含まれる、例えば、キーボードへの入力が行われずにマウスが移動した短期間の操作等のノイズ特定条件157を満たす操作ログ200に関しては、地震等に起因するノイズと見做して、無操作期間153に含めるようにする。これにより、勤務管理装置10は、地震の発生などによって無操作期間153を誤って特定することを回避するので、勤務時間の算出精度を高めることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10は、操作ログ200が、所定の順序で取得される、もしくは取得されなかったことを、ノイズ特定条件157として用いる。勤務管理装置10は、また、操作ログ200に含まれる操作の開始時刻と操作の終了時刻に基づき、操作の開始時刻まで続いていた無操作期間153が第2の閾値よりも長く、かつ、操作の終了時刻以降から続く無操作期間153が第3の閾値よりも長いことを、ノイズ特定条件157として用いる。勤務管理装置10は、また、操作ログ200が勤務予定時間154に含まれない時刻に発生したことを、ノイズ特定条件157として用いる。これにより、勤務管理装置10は、操作ログ200がノイズであるか否かを高い精度で判定することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10において、取得部11は、医療従事者が処方箋を処方した処方時刻を、例えば電子カルテシステム21から取得してもよい。そしてこの場合、算出部13は、当該処方時刻と端末20の操作ログ200とに基づいて、勤務時間155を算出してもよい。この場合、算出部13は、医療従事者による当日の勤務における最後の処方時刻と
図2に例示する時刻t6とを比較する。当該処方時刻が時刻t6よりも後である場合、算出部13は、例えば、勤務時間155に含めない期間を、時刻t6から時刻t7までの無操作期間153ではなく、当該処方時刻から時刻t7までの期間に差し替えて勤務時間155を算出すればよい。そして、当該処方時刻が時刻t6よりも前である場合、算出部13は、勤務時間155に含めない期間を、時刻t6から時刻t7までの無操作期間153として、勤務時間155を算出すればよい。この場合、勤務管理装置10は、処方時刻もふまえて勤務時間155を算出するので、勤務時間の算出精度をより高めることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10は、電子カルテシステム21を例に挙げて説明を行ったが、電子カルテシステム以外のシステムやアプリケーションと連携して医療従事者の勤務時間の管理を行うようにしてもよい。また、勤務管理装置10は、医療従事者に限らず、他の職種や業種の労働者の勤務時間を管理するようにしてもよい。例えば、勤務管理装置10は、電子カルテシステムに替えて、CAD(Computer Aided Design)などの設計を支援するソフトウェアや、発注管理などを行う業務支援システムなどと連携させるようにしてもよい。また、勤務管理装置10は、一つのシステムに限らず、複数のシステムと連携させるようにしもてよい。そのような場合には、勤務管理装置10は、各システムのIDと労働者を識別する情報とを紐づけておき、それぞれのシステムのログイン後に得られた操作ログ200を、労働者を識別する情報に紐づけるようにすればよい。
【0059】
<第1の実施形態の変形例>
図5は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る勤務管理システム1Xの構成を示すブロック図である。本変形例において、第1の実施形態のときと同様の機能を備える構成要素に関しては、
図1に例示する勤務管理システム1の構成要素と同じ符号を付与することにより、その詳細な説明を省略する。
【0060】
勤務管理システム1Xは、大別して、勤務管理装置10X、1以上の端末20、電子カルテシステム21、管理端末22、監視カメラ23を有する。勤務管理装置10、端末20、電子カルテシステム21、管理端末22、監視カメラ23は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0061】
監視カメラ23は、例えば医療機関における更衣室の入り口付近に設置され、更衣室へ入室あるいは更衣室から退室する医療従事者を撮像する。但し、監視カメラ23は、更衣室の内部は撮像しないこととする。
【0062】
勤務管理装置10Xは、第1の実施形態に係る勤務管理装置10とは異なる構成要素として、取得部11X、算出部13X、記憶部15X、照合部16、検出部17を備える。取得部11X、算出部13X、照合部16、検出部17は、順に、取得手段、算出手段、照合手段、検出手段の一例である。また、勤務管理装置10の記憶部15Xは、第1の実施形態に係る記憶部15に記憶された情報とは異なる情報として勤務時間155X、勤務時間算出基準156X、脱衣時刻159、着衣時刻15Aを記憶している。記憶部15Xに記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0063】
取得部11Xは、監視カメラ23から、医療従事者の撮像画像を取得する。尚、当該撮像画像は、その撮像時刻を含むこととする。
【0064】
照合部16は、例えば既存の画像認識技術を用いて、医療従事者の撮像画像と、医療従事者を特定するための画像とを照合する。照合部16は、例えば、撮像画像に含まれる医療従事者に対する顔認証を行うことによって、医療従事者を特定する。照合部16は、あるいは、撮像画像に含まれる医療従事者の名札に記載された名前を抽出すること等によって、撮像画像に含まれる医療従事者を特定してもよい。
【0065】
検出部17は、特定された医療従事者の撮像画像を、例えば既存の画像認識技術を用いて、医療従事者の衣服が、勤務中に着用する衣服(白衣あるいは制服等)であるか否かを解析する。そして、検出部17は、例えば、医療従事者が更衣室に入室した時の衣服が勤務中に着用する衣服であり、更衣室から退室したときの衣服が私服であることが撮像された時刻を、医療従事者が勤務中に着用する衣服を脱衣した脱衣時刻159として検出する。検出部17は、検出した脱衣時刻159を記憶部15Xに格納する。
【0066】
算出部13Xは、脱衣時刻159と操作ログ200と勤務時間算出基準156Xとに基づいて、勤務時間155Xを算出する。算出部13Xは、例えば、上述した
図2に示す例において、操作ログ200によって示される医療従事者による操作が終了した時刻t6と脱衣時刻159とを比較する。但し、時刻t6と脱衣時刻159との差分は、所定の閾値(例えば10分など)以下であることとする。
【0067】
脱衣時刻159が時刻t6よりも後である場合、医療従事者は、時刻t6に端末20-1を用いた最後の操作を行った後、脱衣時刻159に私服に着替えて当日の勤務を終了したと考えられる。この場合、算出部13Xは、勤務時間算出基準156Xに従い、例えば、勤務時間155Xに含めない期間を、時刻t6から時刻t7までの無操作期間153ではなく、脱衣時刻159から時刻t7までの期間に差し替えて勤務時間155Xを算出する。
【0068】
脱衣時刻159が時刻t6よりも前である場合、医療従事者は、脱衣時刻159に私服に着替えた後、例えば業務のし忘れに気が付き、時刻t6に端末20-1を用いた最後の操作を行った後、当日の勤務を終了したと考えられる。この場合、算出部13Xは、勤務時間算出基準156Xに従い、第1の実施形態と同様に、時刻t6から時刻t7までの無操作期間153を含めずに勤務時間155Xを算出する。
【0069】
検出部17は、また、医療従事者が医療機関に出勤したときに、私服から勤務中に着用する衣服に着替えた着衣時刻15Aを検出するようにしてもよい。この場合、
図2に示す例において、着衣時刻15Aが時刻t7よりも前である場合に、算出部13Xは、例えば、翌日の勤務を開始した時刻を時刻t7から着衣時刻15Aに差し替えて勤務時間155Xを算出してもよい。
【0070】
本変形例に係る勤務管理装置10Xは、端末20においてログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者(医療従事者)の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。その理由は、第1の実施形態において説明した通りである。
【0071】
また、本変形例に係る勤務管理装置10Xは、労働者が勤務中に着用する衣服を脱衣した脱衣時刻159、及び、勤務中に着用する衣服を着衣した着衣時刻15Aの少なくともいずれかをふまえて勤務時間155Xを算出するので、勤務時間の算出精度をより高めることができる。
【0072】
<第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る勤務管理システム1Yの構成を示すブロック図である。本実施形態において、第1の実施形態あるいは第1の実施形態の変形例のときと同様の機能を備える構成要素に関しては、
図1に例示する勤務管理システム1あるいは
図5に例示する勤務管理システム1Xの構成要素と同じ符号を付与することにより、その詳細な説明を省略する。
【0073】
勤務管理システム1Yは、大別して、勤務管理装置10Y、1以上の端末20、電子カルテシステム21、管理端末22、監視カメラ23、位置情報発信機器24を有する。勤務管理装置10、端末20、電子カルテシステム21、管理端末22、監視カメラ23、位置情報発信機器24は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0074】
監視カメラ23は、例えば医療機関における、診察室及び手術室等の医療従事者が業務を行う場所、及び、食堂等の医療従事者が休憩する場所を含む様々な場所に設置され、様々な場所にいる医療従事者を撮像する。
【0075】
位置情報発信機器24は、医療従事者が所持する例えばビーコン端末のような機器であり、医療従事者の位置を表す位置情報を発信する。
【0076】
勤務管理装置10Yは、第1の実施形態に係る勤務管理装置10及び第1の実施形態の変形例に係る勤務管理装置10Xとは異なる構成要素として、特定部12Y、算出部13Y、記憶部15Y、作業解析部18、位置情報取得部19、表示制御部1A、設定部1Bを備える。特定部12Y、算出部13Y、作業解析部18、位置情報取得部19、表示制御部1A、設定部1Bは、順に、特定手段、算出手段、作業解析手段、位置情報取得手段、表示制御手段、設定手段の一例である。また、勤務管理装置10Yの記憶部15Yは、第1の実施形態に係る記憶部15及び第1の実施形態の変形例に係る記憶部15Xに記憶された情報とは異なる情報として、勤務時間155Y、勤務時間算出基準156Y、業務外期間15B、業務外期間特定基準15C、位置情報15D、設定情報15Eを記憶している。記憶部15Yに記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0077】
作業解析部18は、取得部11により取得された端末20の操作ログ200から、医療従事者による端末20を用いた作業内容を解析する。操作ログ200は、例えば、端末20から通信ネットワーク30を介してアクセスしているアクセス先のURL(Uniform Resource Locator)等を含み、作業解析部18は、当該URLに掲載されている情報に含まれるキーワード等を、例えば、既存の形態素解析技術及び構文解析技術等を用いて解析(抽出)する。操作ログ200は、また、医療従事者により作成されたファイル(データ)の識別情報(ファイル名)等を含み、作業解析部18は、当該識別情報によって特定されるファイルに含まれるキーワード等を解析(抽出)する。
【0078】
特定部12Yは、作業解析部18による端末20を用いた作業内容の解析結果から、業務外期間特定基準15Cにしたがって、医療従事者の業務に含まれない作業が行われている業務外期間15Bを特定する。業務外期間特定基準15Cは、例えば、当該解析結果に含まれるキーワード等が、医療従事者の業務と関係があるか否かを表す。特定部12Yは、特定した業務外期間15Bを記憶部15Yに格納する。
【0079】
位置情報取得部19は、医療従事者の時刻毎の位置情報15Dを取得し、取得した位置情報15Dを記憶部15Yに格納する。位置情報取得部19は、例えば、位置情報発信機器24から位置情報15Dを取得する。位置情報取得部19は、また、照合部16による医療従事者に関する照合結果が一致した撮像画像を撮像した監視カメラ23の位置によって示される当該医療従事者の位置情報15Dを取得してもよい。
【0080】
特定部12Yは、位置情報取得部19によって取得された医療従事者の時刻毎の位置情報15Dから、業務外期間特定基準15Cにしたがって業務外期間15Bを特定する。業務外期間特定基準15Cは、医療従事者が業務を遂行する場所ではない場所を表し、そのような場所として、例えば食堂等の休憩場所を定義する。医療従事者が前述の通りに定義された業務を遂行する場所ではない場所にいる期間は、業務外期間15Bとして見做せる期間である。特定部12Yは、特定した業務外期間15Bを記憶部15Yに格納する。
【0081】
算出部13Yは、医療従事者の勤務時間155Yを、特定部12Yによって上述の通りに特定された業務外期間15Bを除いて算出し、算出した勤務時間155Yを記憶部15Yに格納する。
【0082】
表示制御部1Aは、上述した勤務時間算出基準156Y、及び、業務外期間特定基準15Cの少なくともいずれかを設定するための設定情報15Eの入力を促すメニュー画面を管理端末22に表示する。設定情報15Eは、例えば、医療従事者が業務を遂行する場所ではない場所に滞在した実際の期間を勤務時間155Yに含めないようにするのか、あるいは、休憩時間として一律の時間(例えば1時間)を勤務時間155Yに含めないようにするのか等の方針を表す。設定情報15Eは、あるいは、作業解析部18による解析結果が表す作業内容が、例えば、医療技術の動向に関する調査や学習等を表す場合に、その作業時間を業務外期間15Bとして扱うのか否か等の方針を表す。
【0083】
表示制御部1Aは、設定情報15Eの入力を促すメニュー画面の一例として、勤務時間算出基準156Y及び業務外期間特定基準15Cに含まれる条件を表示し、それらの条件について有効/無効を選択させるための画面を表示してもよい。また、勤務時間算出基準156Y及び業務外期間特定基準15C自体を設定(入力)させるメニュー画面を表示してもよい。例えば、病院内の地図を管理端末22に表示させ、表示された地図における場所の指定を受け付けるようにしてもい。そして、地図上で指定された範囲を医療従事者が業務を遂行する場所ではない場所として設定してもよい。これにより、業務外期間特定基準15Cを設定することができる。
【0084】
設定部1Bは、管理端末22を介して勤務管理装置10Yの管理者等により入力された設定情報15Eを受け付け、受け付けた設定情報15Eを記憶部15Yに格納する。そして、設定部1Bは、設定情報15Eに基づいて、勤務時間算出基準156Y、及び、業務外期間特定基準15Cを設定する。
【0085】
次に
図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る勤務管理装置10Yの動作(処理)について詳細に説明する。
【0086】
表示制御部1Aは、設定情報15Eの入力を促すメニュー画面を管理端末22に表示する(ステップS201)。設定部1Bは、管理端末22を介して入力された設定情報15Eを受け付け、受け付けた設定情報15Eに基づいて、勤務時間算出基準156Y及び業務外期間特定基準15Cを設定する(ステップS202)。
【0087】
勤務管理装置10Yは、
図4のフローチャートに示すステップS101乃至S106と同様の処理を行う(ステップS203)。作業解析部18は、端末20の操作ログ200から、各時刻における端末20を用いた作業内容を解析する(ステップS204)。特定部12Yは、作業解析部18による作業内容の解析結果と業務外期間特定基準15Cとに基づいて、業務外期間15Bを特定する(ステップS205)。
【0088】
位置情報取得部19は、位置情報発信機器24から、あるいは照合部16が監視カメラ23による撮像画像と医療従事者を特定するための情報とを照合してその照合結果が一致した監視カメラ23の位置から、位置情報15Dを取得する(ステップS206)。特定部12Yは、位置情報取得部19により取得された位置情報15Dと業務外期間特定基準15Cとに基づいて、業務外期間15Bを特定(追加)する(ステップS207)。算出部13Yは、勤務時間算出基準156Yに基づいて、特定部12Yにより特定された業務外期間15Bを除いて勤務時間155Yを算出し、算出した勤務時間155Yを管理端末22に出力し(ステップS208)、全体の処理は終了する。
【0089】
本実施形態に係る勤務管理装置10Yは、端末20においてログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者(医療従事者)の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。その理由は、第1の実施形態において説明した通りである。
【0090】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10Yは、端末20の操作ログ200から、端末20を用いた作業内容を解析し、その解析結果から、業務に含まれない作業が行われている業務外期間15Bを特定し、勤務時間155Yを、業務外期間15Bを除いて算出する。これにより勤務管理装置10Yは、勤務時間の算出精度をより高めることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10Yは、労働者の時刻毎の位置情報15Dを取得し、位置情報15Dから、労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間15Bを特定し、勤務時間155Yを、業務外期間15Bを除いて算出する。これにより、勤務管理装置10Yは、勤務時間の算出精度をより高めることができる。
【0092】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10Yは、位置情報発信機器24から位置情報15Dを取得することの他、労働者の撮像画像と労働者を特定するための画像との照合が一致した撮像画像を撮像した監視カメラ23の位置から位置情報15Dを取得する。これにより、勤務管理装置10Yは、労働者が、位置情報15Dに関する電波の送受信が困難な場所、あるいは、監視カメラ23が設置されていない場所にいる場合であっても、位置情報15Dをより確実に取得することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る勤務管理装置10Yは、勤務時間算出基準156Y及び業務外期間特定基準15Cの少なくともいずれかを設定する設定情報15Eの入力を促すメニュー画面を管理端末22に表示する。そして勤務管理装置10Yは、管理端末22を介して入力された設定情報15Eを受け付け、設定情報15Eに基づいて、勤務時間算出基準156Y及び業務外期間特定基準15Cを設定する。これにより、勤務管理装置10Yは、労働者の勤務時間の算出方針を、労働環境等に応じて利用者が柔軟に変更できるようにすることができる。
【0094】
<第3の実施形態>
図8は、本発明の第3の実施形態に係る勤務管理装置40の構成を示すブロック図である。
【0095】
本実施形態に係る勤務管理装置40は、取得部41、特定部42、算出部43を備えている。取得部41、特定部42、算出部43は、順に、取得手段、特定手段、算出手段の一例である。
【0096】
取得部41は、端末50-1(第1の端末)を用いたシステム51へのログインを示す情報411、及び、システム51へのログイン後に発生する端末50-1の操作履歴412を取得する。端末50-1は、例えば、第1の実施形態に係る端末20-1と同様な端末である。システム51は、例えば、第1の実施形態に係る電子カルテシステム21と同様なシステムである。ログインを示す情報411は、例えば、第1の実施形態に係るログイン情報151と同様な情報である。操作履歴412は、例えば、第1の実施形態に係る操作ログ200と同様な情報である。取得部41は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0097】
特定部42は、端末50-1の操作履歴412から、端末50-1乃至50-n(nは任意の自然数)の無操作期間420を特定する。端末50-1乃至50-nは、例えば、第1の実施形態に係る端末20と同様な端末である。無操作期間420は、例えば、第1の実施形態に係る無操作期間153と同様な情報である。特定部42は、例えば、第1の実施形態に係る特定部12と同様に動作する。
【0098】
算出部43は、端末50-1乃至50-nの無操作期間420の長さに応じて、端末50-1乃至50-nの無操作期間420を含めて勤務時間430を算出する。勤務時間430は、例えば、第1の実施形態に係る勤務時間155と同様な情報である。算出部43は、例えば、第1の実施形態に係る算出部13と同様に動作する。
【0099】
本実施形態に係る勤務管理装置40は、端末50-1乃至50-nにおいてログオフ操作等の勤務の終了時刻を把握するための入力操作が行われない場合であっても、労働者の勤務時間を正確かつ容易に把握することができる。その理由は、勤務管理装置40は、端末50-1に関するログインを示す情報411及び操作履歴412から無操作期間420を特定し、無操作期間420の長さに応じて、無操作期間420を勤務時間430に含めるか否かを判定するからである。
【0100】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、
図5、
図6、及び、
図8に示した勤務管理装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、
図5、
図6、及び、
図8において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び41、
・特定部12、12Y、及び42、
・算出部13、13X、13Y、及び43、
・判定部14、
・記憶部15、15X、15Yにおける記憶制御機能、
・照合部16
・検出部17、
・作業解析部18、
・位置情報取得部19、
・表示制御部1A、
・設定部1B。
【0101】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図9を参照して説明する。
【0102】
図9は、本発明の各実施形態に係る勤務管理装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図9は、
図1、
図5、
図6、及び
図8に示した勤務管理装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0103】
図9に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニタやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0104】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0105】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図9に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1、
図5、
図6、及び
図8)における上述した構成、或いはフローチャート(
図4及び
図7)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0106】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0107】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0108】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0109】
(付記1)
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得手段と、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定手段と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出手段と、
を備える勤務管理装置。
【0110】
(付記2)
前記算出手段は、所定の長さに満たない前記端末の無操作期間を前記勤務時間に含める、
付記1に記載の勤務管理装置。
【0111】
(付記3)
前記算出手段は、前記第1の端末を用いた前記システムへのログイン時刻と、前記第1の端末の操作履歴と、に基づいて前記勤務時間を算出する、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0112】
(付記4)
前記特定手段は、前記システムへのログイン後における前記第1の端末の操作履歴が得られない期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0113】
(付記5)
前記取得手段は、第2の端末を用いた前記システムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後における前記第2の端末の操作履歴を取得し、
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴と前記第2の端末の操作履歴とに基づいて、前記端末の無操作期間を特定する、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0114】
(付記6)
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴に基づいて特定された第1の時刻から第2の時刻までの無操作期間において、前記第2の端末の操作履歴が取得された場合、前記第1の時刻から前記第2の端末の操作履歴が取得された3の時刻までの期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
付記5に記載の勤務管理装置。
【0115】
(付記7)
前記特定手段は、前記第1の端末の操作履歴が表す、所定の操作条件を満たす操作が行われた期間を、前記端末の無操作期間として特定する、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0116】
(付記8)
前記特定手段は、操作の内容が所定の操作内容条件を満たし、かつ、操作が行われた期間の長さが第1の閾値より短いことを、前記所定の操作条件として用いる、
付記7に記載の勤務管理装置。
【0117】
(付記9)
前記所定の操作内容条件は、キーボードへの入力が行われずにマウスが移動した操作であることを表す、
付記8に記載の勤務管理装置。
【0118】
(付記10)
前記特定手段は、操作が発生する前の前記端末の無操作期間が第2の閾値よりも長く、かつ、操作が発生した後の前記端末の無操作期間が第3の閾値よりも長いことを、前記所定の操作条件として用いる、
付記8に記載の勤務管理装置。
【0119】
(付記11)
前記特定手段は、操作が勤務予定時間に含まれない時刻に発生したことを、前記所定の操作条件として用いる、
付記8に記載の勤務管理装置。
【0120】
(付記12)
前記システムは、医療従事者が利用する電子カルテシステムを含む、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0121】
(付記13)
前記算出手段は、前記勤務時間と勤務予定時間との差分を算出し、
前記差分が警告基準を満たすか否かを判定し、前記差分が前記警告基準を満たす場合、警告を出力する判定手段をさらに備える、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0122】
(付記14)
前記取得手段は、前記医療従事者が処方箋を処方した処方時刻を取得し、
前記算出手段は、前記処方時刻と前記第1の端末の操作履歴とに基づいて、前記勤務時間を算出する、
付記12に記載の勤務管理装置。
【0123】
(付記15)
労働者の撮像画像と、労働者を特定するための画像とを照合する照合手段と、
特定された労働者の撮像画像を解析することによって、労働者が勤務中に着用する衣服を脱衣した脱衣時刻、及び、労働者が勤務中に着用する衣服を着衣した着衣時刻を検出する検出手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記脱衣時刻と前記着衣時刻との少なくともいずれかと、前記第1の端末の操作履歴とに基づいて、前記勤務時間を算出する、
付記1または付記2に記載の勤務管理装置。
【0124】
(付記16)
前記第1の端末の操作履歴から、前記第1の端末を用いた作業内容を解析する作業解析手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記第1の端末を用いた作業内容の解析結果から、業務に含まれない作業が行われている業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
付記1に記載の勤務管理装置。
【0125】
(付記17)
労働者の時刻毎の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記位置情報から、労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
付記1に記載の勤務管理装置。
【0126】
(付記18)
前記位置情報取得手段は、労働者が所持する位置情報発信機器から、前記位置情報を取得する、
付記17に記載の勤務管理装置。
【0127】
(付記19)
労働者の撮像画像と、労働者を特定するための画像とを照合する照合手段をさらに備え、
前記位置情報取得手段は、前記照合手段による照合が一致した前記撮像画像を撮像した撮像手段の位置から前記位置情報を取得する、
付記17に記載の勤務管理装置。
【0128】
(付記20)
前記算出手段による前記勤務時間の算出基準、及び、前記特定手段による前記業務外期間の特定基準の少なくともいずれかを設定する設定情報の入力を促すメニュー画面を管理端末に表示する表示制御手段と、
前記管理端末を介して入力された前記設定情報を受け付け、前記設定情報に基づいて前記算出基準及び前記特定基準を設定する設定手段と、
をさらに備え、
前記算出手段は、前記算出基準を用いて前記勤務時間を算出し、
前記特定手段は、前記特定基準を用いて前記業務外期間を特定する、
付記16または付記17に記載の勤務管理装置。
【0129】
(付記21)
情報処理装置によって、
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得し、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定し、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する、
勤務管理方法。
【0130】
(付記22)
第1の端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記第1の端末の操作履歴を取得する取得処理と、
前記第1の端末の操作履歴から、端末の無操作期間を特定する特定処理と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出処理と、
をコンピュータに実行させるための勤務管理プログラム。
【符号の説明】
【0131】
1、1X、1Y 勤務管理システム
10、10X、10Y 勤務管理装置
11 取得部
12、12Y 特定部
13、13X、13Y 算出部
14 判定部
15、15X、15Y 記憶部
151 ログイン情報
153 無操作期間
154 勤務予定時間
155、155X、155Y 勤務時間
156、156X、156Y 勤務時間算出基準
157 ノイズ特定条件
158 警告基準
159 脱衣時刻
15A 着衣時刻
15B 業務外期間
15C 業務外期間特定基準
15D 位置情報
15E 設定情報
16 照合部
17 検出部
18 作業解析部
19 位置情報取得部
1A 表示制御部
1B 設定部
20 端末
200 操作ログ
21 電子カルテシステム
22 管理端末
23 監視カメラ
24 位置情報発信機器
30 通信ネットワーク
40 勤務管理装置
41 取得部
411 ログインを示す情報
412 操作履歴
42 特定部
420 無操作期間
43 算出部
430 勤務時間
50―1乃至50-n 端末
51 システム
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者による端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記端末の操作履歴を取得する取得手段と、
前記端末の操作履歴から、前記端末の無操作期間を特定する特定手段と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出手段と、
前記労働者の時刻毎の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
を備え、
前記特定手段は、前記位置情報から、前記労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
勤務管理装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記労働者が所持する位置情報発信機器から、前記位置情報を取得する、
請求項1に記載の勤務管理装置。
【請求項3】
前記労働者の撮像画像と、前記労働者を特定するための画像とを照合する照合手段をさらに備え、
前記位置情報取得手段は、前記照合手段による照合が一致した前記撮像画像を撮像した撮像手段の位置から前記位置情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項4】
前記算出手段による前記勤務時間の算出基準、及び、前記特定手段による前記業務外期間の特定基準の少なくともいずれかを設定する設定情報の入力を促すメニュー画面を管理端末に表示する表示制御手段と、
前記管理端末を介して入力された前記設定情報を受け付け、前記設定情報に基づいて前記算出基準及び前記特定基準を設定する設定手段と、
をさらに備え、
前記算出手段は、前記算出基準を用いて前記勤務時間を算出し、
前記特定手段は、前記特定基準を用いて前記業務外期間を特定する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項5】
前記労働者の撮像画像と、前記労働者を特定するための画像とを照合する照合手段と、
特定された前記労働者の撮像画像を解析することによって、前記労働者が勤務中に着用する衣服を脱衣した脱衣時刻、及び、前記労働者が勤務中に着用する衣服を着衣した着衣時刻を検出する検出手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記脱衣時刻と前記着衣時刻との少なくともいずれかと、前記端末の操作履歴とに基づいて、前記勤務時間を算出する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項6】
前記端末の操作履歴から、前記端末を用いた作業内容を解析する作業解析手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記端末を用いた作業内容の解析結果から、業務に含まれない作業が行われている前記業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項7】
前記システムは、医療従事者が利用する電子カルテシステムを含む、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記医療従事者が処方箋を処方した処方時刻を取得し、
前記算出手段は、前記処方時刻と前記端末の操作履歴とに基づいて、前記勤務時間を算出する、
請求項7に記載の勤務管理装置。
【請求項9】
情報処理装置によって実行され、
労働者による端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記端末の操作履歴を取得し、
前記端末の操作履歴から、前記端末の無操作期間を特定し、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出し、
前記労働者の時刻毎の位置情報を取得する、
勤務管理方法であって、
前記位置情報から、前記労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間を特定し、
前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
勤務管理方法。
【請求項10】
労働者による端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記端末の操作履歴を取得する取得処理と、
前記端末の操作履歴から、前記端末の無操作期間を特定する特定処理と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出処理と、
前記労働者の時刻毎の位置情報を取得する位置情報取得処理と、
をコンピュータに実行させるための勤務管理プログラムであって、
前記特定処理は、前記位置情報から、前記労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間を特定し、
前記算出処理は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
勤務管理プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者による端末を用いたシステムへのログインを示す情報、及び、前記システムへのログイン後に発生する前記端末の操作履歴を取得する取得手段と、
前記端末の操作履歴から、前記端末の無操作期間を特定する特定手段と、
前記端末の無操作期間の長さに応じて、前記端末の無操作期間を含めて勤務時間を算出する算出手段と、
前記労働者の時刻毎の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記労働者の撮像画像と、前記労働者を特定するための画像とを照合する照合手段と、
特定された前記労働者の撮像画像を解析することによって、前記労働者が勤務中に着用する衣服を脱衣した脱衣時刻、及び、前記労働者が勤務中に着用する衣服を着衣した着衣時刻を検出する検出手段と、
を備え、
前記特定手段は、前記位置情報から、前記労働者が業務を遂行する場所にいない業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出し、かつ、前記脱衣時刻と前記着衣時刻との少なくともいずれかと、前記端末の操作履歴とに基づいて算出する、
勤務管理装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記労働者が所持する位置情報発信機器から、前記位置情報を取得する、
請求項1に記載の勤務管理装置。
【請求項3】
前記労働者の撮像画像と、前記労働者を特定するための画像とを照合する照合手段をさらに備え、
前記位置情報取得手段は、前記照合手段による照合が一致した前記撮像画像を撮像した撮像手段の位置から前記位置情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項4】
前記算出手段による前記勤務時間の算出基準、及び、前記特定手段による前記業務外期間の特定基準の少なくともいずれかを設定する設定情報の入力を促すメニュー画面を管理端末に表示する表示制御手段と、
前記管理端末を介して入力された前記設定情報を受け付け、前記設定情報に基づいて前記算出基準及び前記特定基準を設定する設定手段と、
をさらに備え、
前記算出手段は、前記算出基準を用いて前記勤務時間を算出し、
前記特定手段は、前記特定基準を用いて前記業務外期間を特定する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項5】
前記端末の操作履歴から、前記端末を用いた作業内容を解析する作業解析手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記端末を用いた作業内容の解析結果から、業務に含まれない作業が行われている前記業務外期間を特定し、
前記算出手段は、前記勤務時間を、前記業務外期間を除いて算出する、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項6】
前記システムは、医療従事者が利用する電子カルテシステムを含む、
請求項1または請求項2に記載の勤務管理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記医療従事者が処方箋を処方した処方時刻を取得し、
前記算出手段は、前記処方時刻と前記端末の操作履歴とに基づいて、前記勤務時間を算出する、
請求項6に記載の勤務管理装置。