(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049442
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】見守りシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240403BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155670
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】小田原 健雄
(72)【発明者】
【氏名】西田 竜太
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA09
5C086CA28
5C086CB26
5C086CB36
5C086DA14
5C086FA01
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA32
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
(57)【要約】
【課題】利用者の行動を好適に見守ることができる見守りシステムを提供する。
【解決手段】子供の行動に関する情報を取得するカメラ10と、親の行動に関する情報を取得するカメラ10及びマイク20と、親が子供の行動に対するケアを行う制止行動をとったことを検出するケア行動検出部(制御装置40)と、ケア行動検出部(制御装置40)により検出された制止行動の情報と、制止行動の対象となった子供の行動に関する情報と、の組み合わせを記憶すると共に、当該子供の行動に関する情報を危険行動のデータとして学習する学習部(制御装置40)と、子供の行動の情報が、危険行動のデータと一致した場合に、当該子供の行動が見守り危険行動であることを検出する見守り対象行動検出部(制御装置40)と、を具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の利用者の行動に関する情報を取得する第一情報取得部と、
前記第一の利用者と異なる第二の利用者の行動に関する情報を取得する第二情報取得部と、
前記第二の利用者が、前記第一の利用者の行動に対するケアを行うケア行動をとったことを検出するケア行動検出部と、
前記ケア行動検出部により検出された前記ケア行動の情報と、前記ケア行動の対象となった前記第一の利用者の行動に関する情報と、の組み合わせを記憶すると共に、当該第一の利用者の行動に関する情報を見守り対象情報として学習する学習部と、
前記第一の利用者の行動の情報が、前記見守り対象情報と一致した場合に、当該第一の利用者の行動が見守り対象行動であることを検出する見守り対象行動検出部と、
を具備する、
見守りシステム。
【請求項2】
前記第一の利用者の行動の情報には、
前記第一の利用者の行動を細分化した複数の細分化行動情報が含まれ、
前記学習部は、
前記複数の細分化行動情報の組み合わせに基づいて、前記見守り対象情報の学習を行う、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記複数の細分化行動情報には、
前記第一の利用者の姿勢に関する第一行動情報と、
前記第一の利用者の移動に関する第二行動情報と、
前記第一の利用者の行為に関する第三行動情報と、が含まれる、
請求項2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記第一行動情報には、
前記第一の利用者の姿勢の変化が含まれる、
請求項3に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記第二行動情報には、
前記第一の利用者の高さの変化と、前記第一の利用者の速度と、が含まれる、
請求項3に記載の見守りシステム。
【請求項6】
前記見守り対象行動検出部が前記見守り対象行動を検出した場合であって、前記見守り対象行動に対して前記ケア行動が所定回数以上とられなかった場合、
前記ケア行動が所定回数以上とられなかった前記見守り対象情報を、前記学習部の学習結果から除外する再学習部を具備する、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項7】
前記見守り対象行動検出部が前記見守り対象行動を検出した場合に、報知を行う報知部を具備する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の行動を見守るシステムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、家屋内での人(子供等)に関連する危険を判定する危険判定装置が記載されている。上記危険判定装置は、家屋内の子供等や物品のID及び位置情報を検出することができる。また、危険判定装置は、子供等のIDと、放置された物品のIDと、の組み合わせが危険であることを判定し、かつ、子供等が放置された物品の位置にアクセス可能なことを判定した場合に、危険と判定する。
【0004】
しかしながら、上記子供と物品との組み合わせが危険であると判定され、かつ子供が物品にアクセス可能であったとしても、状況によっては危険ではない(安全である)場合も想定される。このような場合、上記特許文献1に記載された発明では、実際には安全な場合でも危険と判定してしまうおそれがあり、更なる改善が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、利用者の行動を好適に見守ることができる見守りシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、第一の利用者の行動に関する情報を取得する第一情報取得部と、前記第一の利用者と異なる第二の利用者の行動に関する情報を取得する第二情報取得部と、前記第二の利用者が、前記第一の利用者の行動に対するケアを行うケア行動をとったことを検出するケア行動検出部と、前記ケア行動検出部により検出された前記ケア行動の情報と、前記ケア行動の対象となった前記第一の利用者の行動に関する情報と、の組み合わせを記憶すると共に、当該第一の利用者の行動に関する情報を見守り対象情報として学習する学習部と、前記第一の利用者の行動の情報が、前記見守り対象情報と一致した場合に、当該第一の利用者の行動が見守り対象行動であることを検出する見守り対象行動検出部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記第一の利用者の行動の情報には、前記第一の利用者の行動を細分化した複数の細分化行動情報が含まれ、前記学習部は、前記複数の細分化行動情報の組み合わせに基づいて、前記見守り対象情報の学習を行うものである。
【0010】
請求項3においては、前記複数の細分化行動情報には、前記第一の利用者の姿勢に関する第一行動情報と、前記第一の利用者の移動に関する第二行動情報と、前記第一の利用者の行為に関する第三行動情報と、が含まれるものである。
【0011】
請求項4においては、前記第一行動情報には、前記第一の利用者の姿勢の変化が含まれるものである。
【0012】
請求項5においては、前記第二行動情報には、前記第一の利用者の高さの変化と、前記第一の利用者の速度と、が含まれるものである。
【0013】
請求項6においては、前記見守り対象行動検出部が前記見守り対象行動を検出した場合であって、前記見守り対象行動に対して前記ケア行動が所定回数以上とられなかった場合、前記ケア行動が所定回数以上とられなかった前記見守り対象情報を、前記学習部の学習結果から除外する再学習部を具備するものである。
【0014】
請求項7においては、前記見守り対象行動検出部が前記見守り対象行動を検出した場合に、報知を行う報知部を具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、利用者の行動を好適に見守ることができる。
【0017】
請求項2においては、見守り対象情報の学習を好適に行うことができる。
【0018】
請求項3においては、見守り対象情報の学習をより好適に行うことができる。
【0019】
請求項4においては、第一の利用者の姿勢の変化に基づいて、見守り対象情報の学習を行うことができる。
【0020】
請求項5においては、第一の利用者の高さの変化及び速度に基づいて、見守り対象情報の学習を行うことができる。
【0021】
請求項6においては、状況の変化に応じて、不要な見守り対象情報を自動で除外することができる。
【0022】
請求項7においては、第一の利用者が見守り対象行動を行ったことを報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(a)本発明の一実施形態に係る見守りシステムの構成を示したブロック図。(b)子供及び親の行動検出の態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、
図1(a)を用いて、本発明の一実施形態に係る見守りシステム1の構成について説明する。
【0025】
見守りシステム1は、住宅に居住する利用者の行動を検出し、上記利用者がケアを要する行動(本実施形態では危険な行動)をした場合に報知を行うものである。本実施形態では、一例として、危険な行動の検出の対象となる利用者が、子供である場合を想定している。また、本実施形態では、子供の親(保護者)に対して報知を行う場合を想定している。見守りシステム1は、カメラ10、マイク20、報知部30及び制御装置40を具備する。
【0026】
カメラ10は、所定のレンズ部を介して撮影した映像データを取得するものである。カメラ10は、居室内において対象者(子供及び親)を撮影可能な場所(例えば天井等)に設置される。
【0027】
マイク20は、居宅内の音を取得可能なものである。マイク20は、対象者(本実施形態では親)の音声を取得可能である。マイク20は、居室内において音声を取得可能な場所(例えば天井等)に設置される。
【0028】
報知部30は、対象者(本実施形態では親)に対して報知を行うものである。報知部30は、例えば音により報知を行う。報知部30としては、例えばブザー等の装置を採用可能である。また、報知部30としては、所定の操作(例えばボタン操作)により報知の停止が可能な構成を採用可能である。報知部30は、居室内において報知を実行可能な場所(例えば壁等)に設置される。
【0029】
上述の如きカメラ10、マイク20及び報知部30は、それぞれ別体の装置であってもよく、各部のうちのいずれか(例えばカメラ10及びマイク20)を一体化した装置であってもよい。上記カメラ10、マイク20及び報知部30は、子供の行動の見守りの観点から必要な台数を設置可能である。
【0030】
制御装置40は、各種の情報の処理を実行可能なものである。制御装置40としては、例えばコンピュータ(サーバ等)を採用可能である。制御装置40は、CPU等の演算処理装置、並びにRAMやROM等の記憶装置等を具備する。制御装置40は、インターネット回線を利用して他の機器(カメラ10、マイク20及び報知部30)との通信が可能である。制御装置40としては、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット型端末等を採用可能である。また、制御装置40は、住宅内に設置されたものでもよく、住宅の外部に設置されたもの(例えば外部サーバ、クラウドサーバ等)でもよい。
【0031】
制御装置40は、カメラ10が撮影した映像のデータ(映像データ)や、マイクが取得した音声のデータ(音声データ)をリアルタイムで取得することができる。また、制御装置40は、取得した映像データ等を用いて、対象者(子供及び親)の行動を検出することができる。以下では、
図1(b)を用いて、子供及び親の行動検出の態様について説明する。
【0032】
まず、子供に対しての行動検出について説明する。制御装置40は、映像データを解析して子供の行動検出を実行する。本実施形態では、制御装置40は、映像データに基づいて、子供の「姿勢」、「移動」及び「行為」の3つのパターンの行動を検出し、各検出結果に基づいて行動検出を行う。すなわち、本実施形態では、映像データに基づいて検出された子供の行動を細分化した情報を用いて行動検出を行う。
【0033】
具体的には、制御装置40は、映像データにおける子供が、寝ている(臥居)か、立っている(立位)か、四つん這い(はいはい)か、を判定することで、子供の「姿勢」(どういう姿勢か)を検出する。
【0034】
また、制御装置40は、映像データにおける子供の高さの変化(上昇又は下降)と、速度の変化(速いか遅いか)と、を判定することで、子供の「移動」(どう動いているか)を検出する。
【0035】
また、制御装置40は、映像データにおける子供が、モノを持った場合に、単に持っただけ(所持)か、モノが手から離れた(投げた)か、モノを口に含んだ(食べた)か、を判定することで、子供の「行為」(何をしているか)を検出する。
【0036】
制御装置40は、例えばモーションキャプチャ等の技術を用いて上記各行動の検出を行うことができる。また、制御装置40は、映像データの人物が、子供であるか親(大人)であるかを判別することができる。
【0037】
制御装置40は、上記「姿勢」、「移動」及び「行為」の検出結果の組み合わせに基づいて、子供の行動(例えば、モノを口に含んだまま走っている等)を検出することができる。また、子供の行動検出において、制御装置40が行う具体的な処理としては、後述する学習処理(
図3及び
図4)と概ね同様な処理を採用可能である。
【0038】
次に、親に対しての行動検出について説明する。制御装置40は、映像データ及び音声データを解析して親の行動検出を実行する。本実施形態では、制御装置40は、映像データに基づく親の「動作」と、音声データに基づく親の「声量」と、を検出し、各検出結果に基づいて行動検出を行う。
【0039】
具体的には、制御装置40は、映像データにおける親が、子供の危険行動を制止する「制止動作」を検出する。制御装置40は、上述した子供の行動検出と同様な技術(例えばモーションキャプチャ)で、親の「制止動作」を検出可能である。
【0040】
制御装置40は、例えば映像データにおいて、親がフレーム外から速い速度でフレームインした場合、親が駆けつけたという「制止動作」を検出する。また、制御装置40は、子供の姿勢が変化した場合(例えば転倒した場合等)に、子供の姿勢を元の位置に戻した場合、子供を抱き上げたという「制止動作」を検出する。また、制御装置40は、親が子供の腕を掴んだ場合、子供の行為を止めたという「制止動作」を検出する。なお、上述した「制止動作」の検出態様は一例であり、「制止動作」の検出態様としては、上述した例に限定されず、種々の態様を採用可能である。
【0041】
また、制御装置40は、音声データに基づいて、親が子を叱ったことを示す「制止声量」を検出する。制御装置40は、子供の声と親の声とを判別して「制止声量」の検出を実行可能である。制御装置40は、例えば音声データに含まれる親の声の大きさが、予め設定された通常の声の大きさ以上であれば、親が子を叱ったと判定する。また、上記態様に代えて、親が子を叱ったことを示す所定のパターンが音声データ含まれていれば、子を叱ったと判定するようにしてもよい。また、音声入力(音声認識)等の技術を用いて音声データを解析して、子を叱ったと判定するようにしてもよい。
【0042】
制御装置40は、上記「制止動作」及び「制止声量」の検出結果に基づいて、親の行動(例えば、駆けつけた等)を検出することができる。以下では、検出された親の行動のうち、「制止動作」又は「制止声量」である行動を、「制止行動」と称する。
【0043】
上述の如き見守りシステム1(制御装置40)は、子供の行動検出の結果と、親の行動検出の結果と、を用いて子供の危険行動を学習すると共に、子供の行動検出の結果を用いて危険行動を検出する見守り処理を実行可能である。見守り処理は、見守りシステム1が起動している間、常時実行される。見守りシステム1の起動及び停止の切り替えは、操作者(例えば親)の操作により切り替え可能である。上記操作は、制御装置40を介して実行可能である。
【0044】
以下では、
図2から
図5までを用いて、見守り処理について説明する。
【0045】
ステップS101において、制御装置40は、カメラ10及びマイク20をONにする(動作させる)。制御装置40は、ステップS101の処理を行った後、ステップS102からステップS106までの処理と、ステップS107からステップS111までの処理と、へ移行する。
【0046】
ステップS102からステップS106までの処理において、制御装置40は、子供の行動検出に関する処理を実行する。具体的には、制御装置40は、取得した映像データに基づいて、子供の行動検出を行う(
図1(b)を参照)と共に、上記検出した子供の行動が「危険行動」であるか否かを判定する(ステップS102、ステップS103)。
【0047】
ここで「危険行動」とは、検出された子供の行動のうち、親の「制止行動」により制止された行動を指す。なお、「危険行動」は、後述する学習処理(ステップS111)での学習結果にもと基づいて設定され、制御装置40に記憶されている。ステップS103においては、すでに記憶された「危険行動」と、ステップS102において検出された子供の行動と、を照合して「危険行動」の判定を行う。
【0048】
制御装置40は、子供の行動が「危険行動」であると判定した場合、報知部30を動作させてアラートを出す(ステップS103:YES、ステップS104)。これにより、親に向けて、子供の危険行動に対する報知を行うことができる。また、制御装置40は、子供の行動が「危険行動」でないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS102の処理へ移行する。
【0049】
制御装置40は、アラートを出した後(ステップS104)、ステップS107における親の行動検出の結果に基づいて、「制止行動」が検出されたか否かを判定する(ステップS105)。なお、ステップS107における「親の行動検出」の説明は後述する。
【0050】
制御装置40は、「制止行動」が検出されたと判定した場合は、見守り処理を終了する(ステップS105:YES)。また、制御装置40は、「制止行動」が検出されていないと判定した場合は、再学習処理(
図5を参照)に移行する(ステップS105:NO、ステップS106)。なお、再学習処理の説明は後述する。
【0051】
また、ステップS107からステップS111までの処理において、制御装置40は、親の行動検出に関する処理を実行する。具体的には、制御装置40は、取得した映像データや音声データに基づいて、親の行動検出を行う(
図1(b)を参照)と共に、「制止行動」が検出されたか否かを判定する(ステップS107、ステップS108)。
【0052】
制御装置40は、「制止行動」が検出されたと判定した場合、子供の行動の組み合わせを確認する(ステップS108:YES、ステップS109)。ここで、「行動の組み合わせ」とは、後述する学習処理において判定される行動パターン(第一~第三行動)の組み合せである。制御装置40は、親の制止行動(ステップS107)により制止された子供の行動(ステップS102)の組み合わせが、後述する学習処理においてすでに学習された危険行動の組み合せであるか否かを確認する。また、制御装置40は、「制止行動」が検出されていないと判定した場合(ステップS108:NO)、ステップS107の処理へ移行する。
【0053】
制御装置40は、上記行動の組み合せを確認した後(ステップS109)、上記組み合わせが、新しい組み合せであるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御装置40は、ステップS109で確認した各行動の組み合わせが、学習処理においてまだ記憶されていない組み合わせであるか(すでに記憶された危険行動の組み合せでないか)否かを判定する。
【0054】
制御装置40は、ステップS109で確認した各行動の組み合わせが、新しい組み合せであると判定した場合は、学習処理(
図3及び
図4を参照)に移行する(ステップS110:YES、ステップS111)。また、制御装置40は、ステップS109で確認した各行動の組み合わせが、新しい組み合せでないと判定した場合は、見守り処理を終了する(ステップS110:NO)。
【0055】
以下では、
図3及び
図4を用いて、学習処理について説明する。学習処理は、親の制止行動により制止された子供の行動を、危険行動として学習する処理である。学習処理は、ステップS102における子供の行動検出の結果と、ステップS107における親の行動検出の結果と、に基づいて実行される。
【0056】
学習処理において、制御装置40は、子供の行動検出の結果(映像データ)に基づいて、子供の姿勢(第一行動)、移動(第二行動)及び行為(第三行動)の3つのパターンに細分化された情報をそれぞれ判定(解析)すると共に、判定結果に基づく行動の各フラグ(臥位フラグ等)をONにし、上記フラグの組み合わせに基づいて危険行動の学習を行う。ここで、「フラグをON」とは、後の処理(ステップS225)において、ある行動をとっている(例えば寝た姿勢である)と判定するための条件が満たされていることを示す。
【0057】
まず、制御装置40は、子供の第一行動に関する処理を行う(ステップS201~ステップS204)。ここで、「第一行動」とは、子供の姿勢に関する行動である。
【0058】
ステップS201において、制御装置40は、映像データのうち子供の姿勢に関する情報を読み出し、子供の姿勢の判定を行う(ステップS201)。本実施形態では、制御装置40は、上記読み出した情報に基づいて、子供の姿勢が「寝ている」か、「立っている」か、「四つん這いである」か、の判定を行う。
【0059】
制御装置40は、子供が「寝ている」と判定した場合に移行するステップS202において、「臥位フラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供が「立っている」と判定した場合に移行するステップS203において、「立位フラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供が「四つん這いである」と判定した場合に移行するステップS204において、「はいはいフラグ」をONにする。
【0060】
制御装置40は、上記第一行動に関する処理(ステップS201~ステップS204)を実行した後、子供の第二行動に関する処理を行う(ステップS205~ステップS213)。ここで、「第二行動」とは、子供の移動に関する行動である。本実施形態では、制御装置40は、映像データのうち子供の移動に関する情報を読み出し(ステップS205)、第二行動に関する処理として、子供の「高さの変化」及び「速度」の判定を行う。
【0061】
まず、「高さの変化」の判定(ステップS206~ステップS209)について説明する。本実施形態では、制御装置40は、ステップS205で読み出した情報に基づいて、子供のy方向(高さ方向)の位置の変化についての判定を行う(ステップS206)。具体的には、制御装置40は、子供のy方向の位置が「変化なし」か、「上昇した(+y方向)」か、「下降した(-y方向)」か、の判定を行う。
【0062】
制御装置40は、子供のy方向の位置が「変化なし」と判定した場合に移行するステップS207において、「フラグ無し」とする(フラグをONにしない)。また、制御装置40は、子供のy方向の位置が「上昇した(+y方向)」と判定した場合に移行するステップS208において、「上昇フラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供のy方向の位置が「下降した(-y方向)」と判定した場合に移行するステップS209において、「下降フラグ」をONにする。
【0063】
次に、「速度」の判定(ステップS210~ステップS213)について説明する。本実施形態では、制御装置40は、ステップS205で読み出した情報に基づいて、子供の移動(水平方向)の速度の変化についての判定を行う(ステップS210)。具体的には、制御装置40は、子供の移動速度が、「無し(移動無し)又は普段通りの速度」か、「普段より速い」か、「普段より遅い」か、の判定を行う。なお、子供の普段の速度は、予め設定されている。
【0064】
制御装置40は、子供の移動速度が「無し(移動無し)又は普段通りの速度」と判定した場合に移行するステップS211において、「フラグ無し」とする(フラグをONにしない)。また、制御装置40は、子供の移動速度が「普段より速い」と判定した場合に移行するステップS212において、「高速フラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供の移動速度が「普段より遅い」と判定した場合に移行するステップS213において、「低速フラグ」をONにする。
【0065】
制御装置40は、上記第二行動に関する処理(ステップS205~ステップS213)を実行した後、子供の第三行動に関する処理を行う(ステップS214~ステップS219)。ここで、「第三行動」とは、子供の行為に関する行動である。
【0066】
本実施形態では、制御装置40は、映像データのうち子供の行為に関する情報を読み出し(ステップS214)、上記読み出した情報に基づいて、子供がモノを持ったか否かの判定を行う(ステップS215)。
【0067】
また、制御装置40は、子供がモノを持っていると判定した場合(ステップS215:YES)、子供の行為についての判定を行う(ステップS216~ステップS219)。具体的には、制御装置40は、子供が「モノを持っただけ」か、「モノが手から離れた」か、「モノを口に含んだ」か、の判定を行う。
【0068】
制御装置40は、子供が「モノを持っただけ」と判定した場合に移行するステップS217において、子供がモノを所持しただけと推定し、「所持フラグ」をONにする。また、制御装置40は、「モノが手から離れた」と判定した場合に移行するステップS218において、子供がモノを投げたと推定し、「投げたフラグ」をONにする。また、制御装置40は、「モノを口に含んだ」と判定した場合に移行するステップS219において、子供がモノを食べたと推定し、「食べたフラグ」をONにする。
【0069】
また、制御装置40は、ステップS215において子供がモノを持っていないと判定した場合(ステップS215:NO)、子供の行為についての判定を行なわず、ステップS220の処理に移行する。
【0070】
制御装置40は、上記第三行動に関する処理(ステップS214~ステップS219)を実行した後、子供の姿勢の変化に関する処理を行う(ステップS220~ステップS224)。ここで、「姿勢の変化」とは、第一行動の判定(ステップS201)を行った後における子供の姿勢の変化である。
【0071】
制御装置40は、第一行動の判定(ステップS201)を行った後のタイミングで、映像データのうち子供の姿勢に関する情報を読み出し、第一行動の判定(ステップS201)と同様な方法で子供の姿勢の判定を行うと共に、姿勢に変化があったか否かを判定する(ステップS220)。
【0072】
また、制御装置40は、姿勢に変化があったと判定した場合(ステップS220:YES)、子供の姿勢の変化についての判定を行う(ステップS221~ステップS224)。具体的には、制御装置40は、子供の姿勢の変化が「臥位から座位又は立位」か、「座位又は立位から臥位」か、「臥位又は座位から立位」か、の判定を行う。
【0073】
制御装置40は、子供の姿勢の変化が「臥位から座位又は立位」と判定した場合に移行するステップS222において、子供が起き上がったと推定し、「起き上がりフラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供の姿勢の変化が「座位又は立位から臥位」と判定した場合に移行するステップS223において、子供が転倒したと推定し、「転倒フラグ」をONにする。また、制御装置40は、子供の姿勢の変化が「臥位又は座位から立位」と判定した場合に移行するステップS224において、子供が起立したと推定し、「起立フラグ」をONにする。
【0074】
また、制御装置40は、ステップS220において姿勢に変化がないと判定した場合(ステップS220:NO)、子供の姿勢の変化についての判定を行なわず、ステップS225の処理に移行する。
【0075】
制御装置40は、上記姿勢の変化に関する処理(ステップS221~ステップS224)を実行した後、上述した各処理で判定されたフラグの組み合わせ(行動パターンの組み合せ)を、危険行動であると学習する。制御装置40は、例えば子供がモノを口に含みながら走っている場合、「高速フラグ」及び「食べたフラグ」を含む各フラグの判定結果の組み合せを危険行動であると学習する。制御装置40は、上記学習結果を記憶する。このような学習が繰り返されることで、危険行動のデータが蓄積される。
【0076】
制御装置40は、ステップS225の処理を実行した後、各処理でONにされたフラグを解除する(OFFにする)。制御装置40は、ステップS225の処理を実行した後、学習処理を終了する。
【0077】
また以下では、
図5を用いて、再学習処理について説明する。再学習処理は、危険行動が検出されたにも関わらず、制止行動が検出されなかった場合において(ステップS103:YES、ステップS105:NO)、この危険行動(以下では「本危険行動」と称する)の設定を見直す処理である。
【0078】
ステップS301において、制御装置40は、対応記録を確認する。ここで、「対応記録」とは、ある危険行動に対してすでに再学習処理が行われていることの記録(具体的には、後述するステップS303で行われる記録)である。すなわち、ステップS301において制御装置40は、本危険行動に対して、すでに再学習処理が行われていることの記録を確認する。制御装置40は、ステップS301の処理を実行した後、ステップS302の処理へ移行する。
【0079】
ステップS302において、制御装置40は、対応記録が無いか否かを判定する。制御装置40は、対応記録が無いと判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS303の処理へ移行する。また、制御装置40は、対応記録があると判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS304の処理へ移行する。
【0080】
ステップS303において、制御装置40は、対応1回目を記録する。すなわち、制御装置40は、本危険行動について、再学習処理が行われるのが1回目であることを記録する。制御装置40は、ステップS303の処理を実行した後、再学習処理を終了する。
【0081】
また、ステップS304において、制御装置40は、本危険行動を、学習処理による危険行動の学習結果から除外する。すなわち、本実施形態では、再学習処理が2回目となった場合に、再学習処理の対象となった危険行動(本危険行動)を除外する。制御装置40は、ステップS304の処理を実行した後、再学習処理を終了する。
【0082】
以上、見守り処理について説明した。なお、本実施形態に係る処理は一例であり、見守り処理は上述した例に限定されるものではなく、任意の処理を追加又は変更してもよい。また、上記説明で例示した具体的な数値は一例であり、任意に変更することが可能である。
【0083】
上述の如き見守り処理を実行することで、親の制止行動の検出結果に基づいて子供の危険行動を学習し、当該学習結果に基づいて子供の危険行動を検出することができる。すなわち、子供の行動ではなく、親の制止行動を危険行動の判定のトリガー(きっかけ)として、間接的に子供の危険行動を検出することができる。これにより、環境に応じた危険行動の検出を行うことができる。具体的には、子供が同じ行動(例えば転倒等)をした場合でも、環境によっては(例えばその場所にクッションが敷いているか否か等で)、上記行動が危険であったりなかったりする。本実施形態では、実際に親が行った制止行動を用いて危険行動の学習を行うことで、実際には危険でない状況で危険行動の検出を行うようなことを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上述のような学習処理を実行することで、親の制止行動により制止された子供の行動を、姿勢、移動(高さ及び速度)、行為の判定結果の組み合せに基づいて細かく特定し、危険行動の学習を行うことができる。これにより、危険行為を細かく判定することができる。例えば、子供の高さが同じでも、座位なら危険ではないが、立位なら危険である場合や、座位でモノを口に含むのは危険ではないが、立位では危険である場合に対応するように危険行為を設定することができる。
【0085】
また、本実施形態では、予めID等が設定された人や物品の情報を利用するものとは異なり、ID等が設定されていない第三者や、住宅設備、建具に対する危険行為を検出することができる。
【0086】
また、本実施形態においては、再学習処理を実行することで、状況の変化に応じて、不要な危険行動を自動で除外することができる。すなわち、見守りシステム1を設置してから所定期間が経過した場合において、例えば子供が成長したり、住宅内の環境が変化したことにより、以前は危険であった行動が、危険でなくなることが想定される。
【0087】
本実施形態に係る見守りシステム1によれば、再学習処理を行うことで、危険行動が検出されたにも関わらず、親による制止行動が行われない状況を所定回数(本実施形態では2回)以上検出した場合、当該行為は危険ではないと推定し、危険行動のデータを学習結果から自動で除外除することができる。これにより、不要な報知が行われることを抑制することができる。
【0088】
上記再学習処理によれば、例えば利用者(例えば親)が、危険行動が不要である旨の情報を入力し、当該情報を反映させる制御(フィードバック)を行うものや、手動で危険行動の学習結果を再登録するようなものとは異なり、自動で不要な危険行動の除外を行うことができる。
【0089】
本実施形態では、上記所定回数を複数回(2回)に設定したことで、親が危険行動を見ていなかった場合や、制止行動が間に合わなかった場合に、1回制止行動が行われなかっただけでは、危険行動のデータを除外しないようにしている。なお、上記所定回数は、2回に限定されず、種々の値を設定可能である。
【0090】
以上の如く、本実施形態に係る見守りシステム1は、
第一の利用者(子供)の行動に関する情報を取得する第一情報取得部(カメラ10)と、
前記第一の利用者(子供)と異なる第二の利用者(親)の行動に関する情報を取得する第二情報取得部(カメラ10、マイク20)と、
前記第二の利用者(親)が、前記第一の利用者(子供)の行動に対するケアを行うケア行動(制止行動)をとったことを検出するケア行動検出部(制御装置40)と、
前記ケア行動検出部(制御装置40)により検出された前記ケア行動(制止行動)の情報と、前記ケア行動(制止行動)の対象となった前記第一の利用者(子供)の行動に関する情報と、の組み合わせを記憶すると共に、当該第一の利用者(子供)の行動に関する情報を見守り対象情報(危険行動のデータ)として学習する学習部(制御装置40)と、
前記第一の利用者(子供)の行動の情報が、前記見守り対象情報(危険行動のデータ)と一致した場合に、当該第一の利用者(子供)の行動が見守り対象行動(危険行動)であることを検出する見守り対象行動検出部(制御装置40)と、
を具備するものである。
【0091】
このように構成することにより、利用者の行動を好適に見守ることができる。すなわち、同じ第一の利用者(子供)の行動でも、環境によりケア行動(制止行動)の必要性の有無が異なる場合がある。本実施形態に係る見守りシステム1においては、第一の利用者(子供)の行動ではなく、第二の利用者(親)のケア行動(制止行動)を見守り対象行動(危険行動)の検出のトリガー(きっかけ)としているので、環境に応じた見守り対象行動(危険行動)の検出を行うことができる。これにより、実際にはケア行動(制止行動)が必要ない状況で、見守り対象行動(危険行動)を検出するようなことを抑制することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る見守りシステム1は、
前記第一の利用者(子供)の行動の情報には、
前記第一の利用者の行動を細分化した複数の細分化行動情報(第一行動情報、第二行動情報及び第三行動情報)が含まれ、
前記学習部(制御装置40)は、
前記複数の細分化行動情報(第一行動情報、第二行動情報及び第三行動情報)の組み合わせに基づいて、前記見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を行うものである。
【0093】
このように構成することにより、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を好適に行うことができる。すなわち、第一の利用者(子供)の行動を細かく特定して、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を行うことができる。
【0094】
また、前記複数の細分化行動情報には、
前記第一の利用者(子供)の姿勢に関する第一行動情報と、
前記第一の利用者(子供)の移動に関する第二行動情報と、
前記第一の利用者(子供)の行為に関する第三行動情報と、が含まれるものである。
【0095】
このように構成することにより、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習をより好適に行うことができる。すなわち、第一の利用者(子供)の行動を、姿勢、移動及び行為に関する情報の組み合わせに基づいて細かく特定して、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を行うことができる。
【0096】
また、前記第一行動情報には、
前記第一の利用者(子供)の姿勢の変化が含まれるものである。
【0097】
このように構成することにより、第一の利用者(子供)の姿勢の変化に基づいて、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を行うことができる。これにより、例えば第一の利用者(子供)の転倒等の行動を、見守り対象行動(危険行動)として学習することができる。
【0098】
また、前記第二行動情報には、
前記第一の利用者(子供)の高さの変化と、前記第一の利用者(子供)の速度と、が含まれるものである。
【0099】
このように構成することにより、第一の利用者(子供)の高さの変化及び速度に基づいて、見守り対象情報(危険行動のデータ)の学習を行うことができる。これにより、例えば第一の利用者(子供)が走っている行動等を、見守り対象行動(危険行動)として学習することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る見守りシステム1は、
前記見守り対象行動検出部(制御装置40)が前記見守り対象行動(危険行動)を検出した場合であって、前記見守り対象行動(危険行動)に対して前記ケア行動(制止行動)が所定回数以上とられなかった場合、
前記ケア行動(制止行動)が所定回数以上とられなかった前記見守り対象情報(危険行動のデータ)を、前記学習部(制御装置40)の学習結果から除外する再学習部(制御装置40)を具備するものである。
【0101】
このように構成することにより、状況の変化に応じて、不要な見守り対象情報(危険行動のデータ)を自動で除外することができる。すなわち、見守りシステム1を設置してから所定期間が経過した場合、例えば第一の利用者(子供)が成長したり、環境が変化したことにより、以前はケア行動(制止行動)が必要であった行動について、ケア行動(制止行動)が不要になることが想定される。本実施形態に係る見守りシステム1においては、見守り対象行動(危険行動)が検出されたにも関わらず、ケア行動(制止行動)が行われない状況が所定回数以上あった場合に、ケア行動(制止行動)が不要であると推定し、上記見守り対象情報(危険行動のデータ)を、学習部(制御装置40)の学習結果から自動で除外することができる。これにより、不要な見守り対象行動(危険行動)の検出が行われることを抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る見守りシステム1は、
前記見守り対象行動検出部(制御装置40)が前記見守り対象行動(危険行動)を検出した場合に、報知を行う報知部30を具備するものである。
【0103】
このように構成することにより、第一の利用者(子供)が見守り対象行動(危険行動)を行ったことを報知することができる。
【0104】
なお、本実施形態に係る子供は、本発明に係る第一の利用者の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る親は、本発明に係る第二の利用者の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るカメラ10は、本発明に係る第一情報取得部、第二情報取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るマイク20は、本発明に係る第二情報取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御装置40は、本発明に係るケア行動検出部、学習部、見守り対象行動検出部、再学習部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制止行動は、本発明に係るケア行動の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る危険行動は、本発明に係る見守り対象行動の実施の一形態である。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0106】
例えば、本実施形態では、カメラ10、マイク20及び報知部30を、住宅内の天井や壁等に設置した例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、カメラ10、マイク20、報知部30及び制御装置40の一部、又は全部を、親が所有するスマートフォン等の端末で実現するようにしてもよい。この場合は、親は、端末を操作することで、見守りシステム1の各部の操作(例えば報知部30による報知を停止する操作)を行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、親の行動に「制止動作」又は「制止声量」のいずれかが含まれていれば、「制止行動」を検出する例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、「制止動作」及び「制止声量」が含まれている場合に「制止行動」を検出するようにしてもよい。
【0108】
また、本実施形態では、再学習処理を実行することで、危険行動の検出結果のフィードバックや、危険行動の学習結果を再登録等を行わない例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、再学習処理に代えて、又は加えて、上記フィードバックや再登録等を実行可能な構成を採用してもよい。
【0109】
また、本実施形態では、見守りシステム1を住宅に適用した例を示したが、このような例に限定されない。例えば、見守りシステム1は、幼稚園や保育園、学校等の施設に適用可能である。この場合は、見守りシステム1は、施設のスタッフの制止行動を検出する。また、この場合は、見守りシステム1を、複数の子供を識別し、識別された子供の危険行動を検出可能に形成してもよい。
【0110】
また、本実施形態では、見守り対象行動を「危険行動」とし、ケア行動を「制止行動」とした例を示したが、このような例に限定されない。例えば、ケア行動を、介助(介護)等のための行動とし、見守り対象行動を、介助等を要する行動としてもよい。
【0111】
また、本実施形態では、見守りの対象を子供としたが、このような例に限定されない。例えば、見守りシステム1を、高齢者施設や養護施設、病院等の施設に適用し、見守りの対象を高齢者等としてもよい。この場合は、見守りシステム1は、施設のスタッフのケア行動を検出する。
【符号の説明】
【0112】
1 見守りシステム
10 カメラ
20 マイク
30 報知部
40 制御装置