(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004946
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ボタンユニット、遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104861
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】神田 稜大
(72)【発明者】
【氏名】阪本 斉士
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB03
2C182CD16
2C182DA02
2C182DA44
(57)【要約】
【課題】傷し難い丈夫なボタンユニット、およびそれを備えた遊技機を実現する。
【解決手段】遊技機本体であるパネル(7)の装着孔(7a)に取り付けられるボタンユニット(10)であって、装着孔(7a)に取り付けられる筒状のケース部材(20)と、ケース部材(20)の内側に移動可能に収容された押下部材(30)と、ケース部材(20)の内側においてケース部材(20)と押下部材(30)とが互いに突き当たって押下部材(30)の押下方向への移動を規制する規制部(15)と、を備える。押下部材(30)は、押下操作を受ける押下部(31)を有し、押下部(31)は、押下方向から見てケース部材(20)よりも大きく、かつ、押下状態で装着孔(7a)の周囲のパネル(7)に近接あるいは当接するように設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体の装着孔に取り付けられるボタンユニットであって、
装着孔に取り付けられる筒状のケース部材と、
前記ケース部材の内側に移動可能に収容された押下部材と、
前記ケース部材の内側において前記ケース部材と前記押下部材とが互いに突き当たって前記押下部材の押下方向への移動を規制する規制部と、を備え、
前記押下部材は、押下操作を受ける押下部を有し、
前記押下部は、押下方向から見て前記ケース部材よりも大きく、かつ、前記規制部にて前記押下部材の移動が規制された押下状態で前記装着孔の周囲の前記遊技機本体に近接あるいは当接するように設けられているボタンユニット。
【請求項2】
前記押下部は、当該押下部の外周部全周において前記装着孔の周囲の前記遊技機本体に近接あるいは当接する請求項1に記載のボタンユニット。
【請求項3】
前記ケース部材は、前記押下部が位置する側の端部に当該ケース部材の中心から外側に向かって延びるフランジ部を有し、該フランジ部を前記装着孔の周囲の前記遊技機本体の表面側に当接させるようにして取り付けられ、
前記フランジ部の高さをH1、押下されていない通常状態での前記押下部の前記装着孔の側の面と前記装着孔の周囲の前記遊技機本体との離間距離をH2とすると、H1>H2である請求項1又は2に記載のボタンユニット。
【請求項4】
前記ケース部材の内側に位置する光源を備え、
前記押下部材は、
筒状をなし前記ケース部材の内側を摺動するケース体と、
前記ケース体の軸方向の一端部に設けられた前記押下部と、を備え、
前記押下部は、前記光源から照射された光を透過させる請求項1又は2に記載のボタンユニット。
【請求項5】
前記ケース体と前記押下部とは別部品からなり、前記押下部は前記ケース体に取り付けられている請求項4に記載のボタンユニット。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のボタンユニットを備える遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用のボタンユニット、およびそれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店やパチスロ店等の遊技場に設置される遊技機には、ボタンユニットを備えるものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
図11は、遊技機に備えられる従来のボタンユニット110の斜視図である。
図12は、
図11に示す従来のボタンユニット110の縦断面図である。なお、
図11、
図12は、押下部材130が押下されていない通常状態の状態を示している。
【0004】
図12に示すように、従来のボタンユニット110は、遊技機本体に相当するパネル7の装着孔7aに取り付けられる。従来のボタンユニット110は、装着孔7aに取り付けられる筒状のケース部材120と、ケース部材120の内側に移動可能に収容される押下部材130と、を備える。
【0005】
押下部材130は、天面に押下の操作を受ける押下部131を有する。押下部131は、筒状をなすケース部材120の孔120aよりも小さく形成されており、押下方向から見てケース部材120の孔120aの内側に位置している。
【0006】
押下部131が押下されることで、押下部材130は、ケース部材120の孔120aの内部を押下方向に移動する。ケース部材120および押下部材130には、ケース部材120の内側においてケース部材120および押下部材130が互いに突き当たって押下部材130の押下方向への移動を規制する規制部115が設けられている。押下方向への力が加えられた押下部材130は、規制部115による規制にて押下位置に停止し、押下方向への力が解除されることで、復帰バネ140の復元力で元の位置に復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のボタンユニット110の構成では、押下状態に押下部材130に加えられた力は、規制部115に集中的にかかる。そのため、押下部131を叩くような操作がなされて押下部材130に必要以上に強い力が加わると、規制部115を構成している、ケース部材120および押下部材130の互いに突き当たる部分にクラックや割れ等が発生して損傷する恐れがある。ケース部材120および押下部材130は、一般的に樹脂成型品で形成されるため、規制部115に強い力が加わると、クラックや割れ等が発生しやすい。
【0009】
本発明の一態様は、損傷し難い丈夫なボタンユニット、およびそれを備えた遊技機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0011】
すなわち、本発明の一側面に係るボタンユニットは、遊技機本体の装着孔に取り付けられるボタンユニットであって、装着孔に取り付けられる筒状のケース部材と、前記ケース部材の内側に移動可能に収容された押下部材と、前記ケース部材の内側において前記ケース部材と前記押下部材とが互いに突き当たって前記押下部材の押下方向への移動を規制する規制部と、を備え、前記押下部材は、押下操作を受ける押下部を有し、前記押下部は、押下方向から見て前記ケース部材よりも大きく、かつ、前記規制部にて前記押下部材の移動が規制された押下状態で前記装着孔の周囲の前記遊技機本体に近接あるいは当接するように設けられている。
【0012】
上記構成によれば、押下部材に必要以上に強い力が加えられた場合に、押下部と遊技機本体とが装着孔の周囲において当接するので、該当接部分にて力を受け止めることができる。これにより、押下部材に加えられた力が規制部に集中してかかることを防いで、規制部の損傷を防止あるいは抑制することができる。
【0013】
本発明の一側面に係るボタンユニットにおいて、前記押下部は、当該押下部の外周部全周において前記装着孔の周囲の前記遊技機本体に近接あるいは当接する構成としてもよい。
【0014】
上記構成によれば、より広い面積で力を受け止めることができるので、より効果的に規制部15の損傷を防止あるいは抑制することができる。
【0015】
本発明の一側面に係るボタンユニットにおいて、前記ケース部材は、前記押下部が位置する側の端部に当該ケース部材の中心から外側に向かって延びるフランジ部を有し、該フランジ部を前記装着孔の周囲の前記遊技機本体の表面側に当接させるようにして取り付けられ、前記フランジ部の高さをH1、押下されていない通常状態での前記押下部の前記装着孔の側の面と前記装着孔の周囲の前記遊技機本体との離間距離をH2とすると、H1>H2である構成としてもよい。
【0016】
上記構成によれば、ボタンユニットが取り付けられている例えばパネル等の上にこぼれた飲料等の液体が、フランジ部を乗り越えてボタンユニットの内部へ浸入することを効果的に阻止することができる。
【0017】
本発明の一側面に係るボタンユニットにおいて、前記ケース部材の内側に位置する光源を備え、前記押下部材は、筒状をなし前記ケース部材の内側を摺動するケース体と、前記ケース体の軸方向の一端部に設けられた前記押下部と、を備え、前記押下部は、前記光源から照射された光を透過させる構成としてもよい。上記構成によれば、押下部が光る構成とすることができる。
【0018】
本発明の一側面に係るボタンユニットにおいて、前記ケース体と前記押下部とは別部品からなり、前記押下部は前記ケース体に取り付けられている。
【0019】
上記構成によれば、ケース部材およびケース体を共通部品としつつ、ケース体に取り付ける押下部の形状や大きさを、遊技機本体の設置面の表面側のスペースに応じて自由に設計することができる。
【0020】
本発明の一側面に係る遊技機は、本発明の一側面に係るボタンユニットを備える。上記構成によれば、ボタンユニットが損傷し難い遊技機を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、損傷し難い丈夫なボタンユニットおよびそれを備えた遊技機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態に係るボタンユニットが搭載されているパチスロ機の概観斜視図である。
【
図2】本発明の実施の一形態に係るボタンユニットの斜視図である。
【
図3】
図2に示すボタンユニットの通常状態の縦断面図である。
【
図4】
図2に示すボタンユニットの通常状態の別の縦断面図である。
【
図5】
図2に示すボタンユニットの押下状態の縦断面図である。
【
図6】
図2に示すボタンユニットの押下状態の別の縦断面図である。
【
図7】
図2に示すボタンユニットの分解斜視図である。
【
図8】
図2に示すボタンユニットにおける押下部のバリエーションを示す説明図である。
【
図9】本実施の他の実施形態にボタンユニットの通常状態の縦断面図である。
【
図10】
図9に示すボタンユニットの押下状態の縦断面図である。
【
図11】遊技機に備えられる従来のボタンユニットの斜視図である。
【
図12】
図11に示す従来のボタンユニットの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本開示の押しボタンユニットの一態様として、遊技機であるパチスロ機にボタンユニットが搭載されている構成を例示する。
【0024】
§1 適用例
まず、
図1を用いて、ボタンユニット10が適用される場面の一例について説明する。
図1は、実施の形態に係るボタンユニット10が搭載されているパチスロ機1の概観斜視図である。
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者と対峙する前面の中央部にリール部2が設けられている。リール部2には、複数種類のシンボルが表示されたリール2aが複数備えられている。リール部2の上方には表示装置3が設けられ、リール部2の下方には、スタートレバー4、ストップボタン5、MAXベットスイッチ6等が配置されている。
【0025】
スタートレバー4は、複数のリール2aを回転させるためのレバーである。ストップボタン5は、複数のリール2aを停止させるためのスイッチであり、3連のボタンスイッチからなる。MAXベットスイッチ6は、最大ベット数を選択するためのスイッチである。
図1に示すパチスロ機1においては、MAXベットスイッチ6として本実施の形態に係るボタンユニット10が配置されている。
【0026】
図2、
図5、
図6に示すように、ボタンユニット10では、押下部材30の天面に位置し、押下する操作を受ける押下部31が、押下方向から見てケース部材20よりも大きくケース部材20を覆うように形成されている。そして、押下された押下部材30の移動が規制部15にて規制された状態、つまり、押下部材30が押下位置にある状態で、押下部31が装着孔7aの周囲のパネル7に近接あるいは当接するように設けられている。
【0027】
§2 構成例
〔実施の形態1〕
(ボタンユニット10の概要)
図2は、本発明の実施の一形態に係るボタンユニット10の斜視図である。
図3は、
図2に示すボタンユニット10の通常状態の縦断面図である。ボタンユニット10は、遊技機本体であるパネル7の装着孔7aに取り付けられる。
【0028】
本実施形態では説明の便宜上、ボタンユニット10は、水平なパネル7に取り付けられていると仮定する。つまり、押下部31の押下方向である押下部31からみてケース部材20の方向を下方とし、ケース部材20からみて押下部31の方向を上方とする。但し、遊技機に対してボタンユニット10は必ずしも水平に取り付けられるとは限らない。
【0029】
図2に示すように、ボタンユニット10は、装着孔7aに取り付けられる筒状のケース部材20と、ケース部材20の内側に移動可能に収容された押下部材30と、を有している。押下部材30は上面(天面)に、押下操作を受ける押下部31が設けられている。
【0030】
図3に示すように、ボタンユニット10は、押下部31をパネル7の上に露出させた状態で取り付けられる。また、ボタンユニット10には、ケース部材20の内側においてケース部材20と押下部材30とが互いに突き当たって押下部材30の押下方向への移動を規制する規制部15が設けられている。
【0031】
さらに、ボタンユニット10は、押下された押下部材30を元の位置に復帰させる復帰バネ40と、押下部材30の押下を検出するセンサ41と、押下部31を光らせるLED(光源)43を搭載したLED基板42と、ボタンユニット10の下部を覆うカバー44とを有している。
【0032】
(ボタンユニット10の詳細)
以下、
図3に加えて、
図4~
図7を用いて、ボタンユニット10の構成を詳細に説明する。
図4は、
図2に示すボタンユニット10の通常状態の縦断面図である。
図3と
図4は切断面が異なる。
図5、
図6は、
図2に示すボタンユニット10の押下状態の縦断面図である。
図5と
図6は切断面が異なる。
図7は、
図2に示すボタンユニット10の分解斜視図である。
【0033】
<ケース部材>
図3~
図6に示すように、ケース部材20は、押下部材30を収容する筒状の収容部21と、収容部21の上端部に形成されたフランジ部22と、を有している。フランジ部22は、収容部21の径方向外側に向かって延びるように形成されており、上面視で環状をなしている(
図7参照)。このようなケース部材20は、パネル7の表面側から装着孔7aに挿入され、フランジ部22を装着孔7aの周囲のパネル7に当接させるようにしてパネル7に取り付けられる。ケース部材20は、例えば樹脂成型品より形成することができる。
【0034】
収容部21の側周部は、下部に位置する第1筒状部25-1と、中部に位置する第2筒状部25-2と、上部に位置する第3筒状部25-3と、を有している。第2筒状部25-2は第1筒状部25-1よりも大径に形成され、第3筒状部25-3は第2筒状部25-2よりも大径に形成されている。
【0035】
第2筒状部25-2と第3筒状部25-3との間は、水平な第1段差部26となっている。第1段差部26は、収容部21の径方向外側に向かって延びるように形成されており、収容部21の内周面に上面視で環状に形成されている。第1段差部26は、押下部材30の後述するケース体32に形成された第2段差部36とで、前述した規制部15を構成する。
【0036】
収容部21の下端部には、下端部側の開口を塞ぐ底部23が形成されている。底部23には、貫通孔23aが設けられている。底部23おける押下部材30を収容する側の面(上面)に、復帰バネ40の軸方向の一端部が係止されている。復帰バネ40の他端部は、押下部材30の後述するケース体32の下端部に係止されている。このようにして、復帰バネ40は、押下部材30と収容部21の底部23との間に介在される。
【0037】
底部23における収容部21とは反対側の下面には、センサ41およびLED基板42が配置されている。LED基板42は、LED43を搭載している面が、貫通孔23aを介して収容部21の内部に向くように配置されている。センサ41は、収容部21の側周部側に配置されている。
【0038】
さらに、底部23には、これらセンサ41およびLED基板42を覆うように、カバー44が取り付けられている。カバー44と底部23とで、センサ41およびLED基板42を支持している。
【0039】
<押下部材>
押下部材30は、筒状をなしケース部材20の内側を摺動するケース体32と、ケース体32の軸方向の一端部に設けられ、ケース体32の上部開口を塞ぐ前述した押下部31と、デザインシート33と、で構成さている(
図7参照)。ケース体32と押下部31とは別部品からなり、押下部31はケース体32に取り付けられている。
【0040】
ケース体32は、押下部材30の胴体部分であり、詳細には、ケース部材20の収容部21の内側を摺動する。ケース体32は、例えば樹脂成型品より形成することができる。
【0041】
ケース体32の上端部には、押下部31を取り付けるための取り付け構造34が設けられている。別部品からなる押下部31はこの取り付け構造34にてケース体32の上端部に取り付けられている。
【0042】
ケース体32の側周部は、下部に位置する第1摺動部35-1と、上部に位置する第2摺動部35-2とを有している。第2摺動部35-2は第1摺動部35-1よりも大径に形成され形成されている。第1摺動部35-1がケース部材20の収容部21における第1筒状部25-1を摺動し、第2摺動部35-2が収容部21における第3筒状部25-3を摺動する。
【0043】
第1摺動部35-1と第2摺動部35-2との間は、水平な第2段差部36となっている。第2段差部36は、ケース体32の径方向外側に向かって延びるように形成されており、下面視で環状を成している。前述したように、この第2段差部36とケース部材20の収容部21の第1段差部26とで、規制部15が構成される。
【0044】
また、ケース体32の下面には、押下部材30の押下の検出に用いられる遮光片32aが、下方に延びるように設けられている。
【0045】
押下部31の下面(ケース体32側を向く面)の中央には凹部31aが設けられ、ケース体32の内側の空間と連通する空間が形成されている。デザインシート33は、押下部31およびケース体32にて形成される空間を上下に仕切るように配置されている。
【0046】
デザインシート33は、前述したLED43の光が下方から照射されることで照光する。押下部31は、例えば透明部材から形成されており、LED43から照射された光を透過させるようになっている。これにより、押下部31を通してデザインシート33の文字や図柄が視認できる。ここでは、押下部31は、デザインシート33の文字や図柄を拡大させるレンズ機能を有している。
【0047】
そして、ここで注目すべきは、押下部31が、上面視(押下方向から見て)でケース部材20よりも大きくケース部材20を覆うように形成され、かつ、押下部材30が押下位置にある押下状態で、装着孔7aの周囲のパネル7に近接あるいは当接するように構成されている点である。ここで押下部31は、当該押下部31の外周部全周において装着孔7aの周囲のパネル7に近接あるいは当接するように構成されていてもよい。
【0048】
具体的には、押下部31の下面31cの外周部には、ケース部材20のフランジ部22を逃がすための溝部31bが設けられている。溝部31bは、下面視(押下方向の反対方向から見て)で環状に設けられている。溝部31bが設けられることで、押下部材30の押下状態、ケース部材20のフランジ部22が溝部31bに入り込む。これにより、押下部材30のケース部材20側の面である下面31cを、装着孔7aの周囲のパネル7に近接あるいは当接させることができる。
【0049】
なお、近接とは、例えば下面31cとパネル7との距離が、1mm以下をいう。押下部材30が規制部15にて規制されている押下状態で、押下部31の下面31cが必ずしもパネル7に当接している必要はなく、1mm以下程度の隙間を有していてもよい。このような隙間を有していることで、パネル7の表面が必ずしも平坦な面でなくても、その凹凸を吸収して、押下部31がパネル7に当接(突き当たる)ことで、押下部材30が押下位置まで移動せず、押下部材30の押下が検出されないといった不具合を回避できる。
【0050】
(効果)
このような構成とすることで、ボタンユニット10では、押下部材30に必要以上に強い力が加えられた場合に、押下部31とパネル7とが当接してその当接部分において力を受け止めることができる。これにより、押下部材30に加えられた力が規制部15に集中してかかることを防いで、規制部15を構成しているケース部材20の第1段差部26および押下部材30の第2段差部36の損傷を防止あるいは抑制することができる。
【0051】
そして、押下部31が外周部全周において装着孔7aの周囲のパネル7に近接あるいは当接するように構成することで、より広い面積で力を受け止めることができる。これにより、より効果的に規制部15を構成しているケース部材20の第1段差部26および押下部材30の第2段差部36の損傷を防止あるいは抑制することができる。
【0052】
また、ケース部材20がフランジ部22を装着孔7aの周囲のパネル7の表面側に当接させるようにしてパネル7に取り付けられている。このような構成では、押下部材30に加えられた力は、規制部15の第1段差部26を介してフランジ部22とパネル7とが当接している部分にもかかる。そのため、フランジ部22が損傷する恐れもある。上記構成とすることで、このようなフランジ部22の損傷についても、防止あるいは抑制することができる。
【0053】
また、前述した従来のボタンユニット110(
図11、
図12参照)の構成では、押下部131を大きくすると自ずとケース部材120も大きくなり、パネル7下の内部スペースを広く確保する必要がある。しかしながら、パネル7上のスペースは余裕があるものの、他の部品が存在するパネル7下の内部スペースは広げることは困難である。
【0054】
これに対し、上記構成では、上面視でのケース部材20の大きさおよび内側の形状(筒状をなすケース部材20の孔の形状)の制限を受けることなく、押下部31の大きさおよび形状を設計することができる。これにより、押下部31のデザイン性を広げることができる。
【0055】
また、ケース体32と押下部31とを別部品としているので、ケース部材20およびケース体32を共通部品としつつ、ケース体32に取り付ける押下部の形状や大きさを、遊技機本体の設置面の表面側のスペースに応じて自由に設計することができる。
【0056】
図8は、ボタンユニット10における押下部31のバリエーションを示す説明図である。
図8の符号801~符号804の図に示すように、ケース体32に取り付ける押下部31の形状や大きさを、パネル7の表面側のスペースに応じて自由に設計することができる。
【0057】
しかも、上記構成では、ケース部材20の上部開口が押下部31にて完全に覆われるため、ボタンユニット10の上に飲料等の液体がかかったとしても、ボタンユニット10の内部へ浸入し難い。これにより、浸入した液体によるボタンユニット10の不具合も効果的に抑制することができる。
【0058】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0059】
図9は、本実施の形態に係るボタンユニット10Aの通常状態の縦断面図である。
図10は、
図9に示すボタンユニット10の押下状態の縦断面図である。
【0060】
図9、
図10に示すように、ボタンユニット10Aと、前述した実施形態に係るボタンユニット10(
図3~
図6参照)との違いは、ケース部材20のフランジ部にある。ボタンユニット10Aのケース部材20のフランジ部22Aは、ボタンユニット10のケース部材20のフランジ部22よりも肉厚に形成されている。
【0061】
図9に示すように、フランジ部22Aの高さをH1、押下部材30が押下されていない通常状態での押下部31の装着孔7a側の面である下面31cと装着孔7aの周囲のパネル7との距離をH2とすると、H1>H2となっている。
【0062】
このような構成とすることで、パネル7上にこぼれた飲料等の液体が、フランジ部22Aを乗り越えてボタンユニット10Aの内部へ浸入することを効果的に阻止することができる。
【0063】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 パチスロ機(遊技機)
6 MAXベットスイッチ
7 パネル(遊技機本体)
7a 装着孔
10、10A ボタンユニット
15 規制部
20 ケース部材
21 収容部
22、22A フランジ部
23 底部
25-1 第1筒状部
25-2 第2筒状部
25-3 第3筒状部
26 第1段差部(規制部)
30 押下部材
31 押下部
31c 下面
32 ケース体
32a 遮光片
35-1 第1摺動部
35-2 第2摺動部
36 第2段差部(規制部)
43 LED(光源)