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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049460
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】車椅子固定装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 3/08 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61G3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155693
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田原 貴行
(57)【要約】
【課題】車両に車椅子を固定する小型の車椅子固定装置を提供する。
【解決手段】車椅子固定装置1は、モータユニット20と、倒伏姿勢において車椅子を固定する固定状態となり、起立姿勢において車椅子の固定を解除する解除状態となるフック30と、モータユニット20からの回転力を、床面103に沿う直線運動に変換して伝達する伝達機構40と、直線運動に基づいてフック30の姿勢を倒伏姿勢と起立姿勢とに亘って変更可能なリンク機構50と、モータユニット20を保持するモータ保持部61を有する保持ブラケット60と、を備え、伝達機構40は、モータユニット20における回転力を出力する出力軸23の回転に応じて回動するギヤ41を有し、ギヤ41は、出力軸23の軸心に直交する方向に沿って見て、床面103からモータ保持部61がモータユニット20を保持する保持位置H2の保持高さまでの範囲L5内に設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に車椅子を固定する車椅子固定装置であって、
モータを有するモータユニットと、
前記車両の床面に対して倒伏した倒伏姿勢において前記車椅子を固定する固定状態となり、前記床面に対して起立した起立姿勢において前記車椅子の固定を解除する解除状態となるフックと、
前記モータユニットからの回転力を、前記床面に沿う往復軌道にしたがう直線運動に変換して伝達する伝達機構と、
前記直線運動に基づいて前記フックの姿勢を前記倒伏姿勢と前記起立姿勢とに亘って変更可能なリンク機構と、
前記モータユニットを保持するモータ保持部を有する保持ブラケットと、を備え、
前記伝達機構は、前記モータユニットにおける前記回転力を出力する出力軸の回転に応じて回動するギヤを有し、
前記ギヤは、前記出力軸の軸心に直交する方向に沿って見て、前記床面から前記モータ保持部が前記モータユニットを保持する保持位置の保持高さまでの範囲内に設けられる車椅子固定装置。
【請求項2】
前記ギヤは、前記出力軸の軸心に平行な方向に沿って見て、前記モータユニットと少なくとも一部が重複する状態で設けられる請求項1に記載の車椅子固定装置。
【請求項3】
前記床面に沿って固定される板状のベース部材を更に備え、
前記保持ブラケットは、前記ベース部材に固定され、
前記ギヤは、前記ベース部材と前記保持ブラケットとの間に設けられる請求項1又は2に記載の車椅子固定装置。
【請求項4】
前記ギヤは、円板状の本体部と、当該本体部の外周面の少なくとも一部に形成され、前記出力軸と係合する歯部と、前記本体部において前記ギヤの回動軸心と同軸心で円弧状に切り欠いて形成されたガイド部とを有し、
前記保持ブラケットは、前記床面側に向かって突出し、前記ガイド部に挿通される規制部材を有し、
前記ガイド部は、前記ギヤの回動方向に沿う長さが、前記フックによる前記倒伏姿勢と前記起立姿勢との間の姿勢変更量に応じて形成されている請求項1又は2に記載の車椅子固定装置。
【請求項5】
前記保持ブラケットは、前記伝達機構と前記リンク機構とを保持する請求項4に記載の車椅子固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に車椅子を固定する車椅子固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車椅子に着座している人を車両で運搬する際に、車両に車椅子を固定する車椅子固定装置が利用されてきた。このような車椅子固定装置に関する技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1-4に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載の車椅子固定装置は、侵入する車椅子の被係止部材に当接してその移動を阻止するストッパ部を有した固定部材と、ストッパ部によりその移動が阻止された状態の被係止部材に対して係止するフック部を有し、車椅子の侵入時の方向とは交差する方向である係止方向及び反係止方向に回転自在に支持された可動部材と、可動部材の被係止部材に対する係止状態を保持するロック機構と、を有している。
【0004】
特許文献2に記載の車椅子固定装置は、車椅子の被係止部材を受け入れ可能な車椅子待ち状態と、車椅子が侵入した際に、被係止部材に係止する係止状態との間で遷移自在に設けられたフック装置と、フック装置に設けられ、アンロック時に、フック装置の車椅子待ち状態を許容し、フック装置が係止状態に遷移した際にロック動作するロック機構とを備えている。
【0005】
特許文献3に記載の車椅子固定装置は、フック部材と、ロック部材と、交差角度変更部とを備えている。フック部材は、先端に車椅子の被係止部材を係入可能に設けられた係合凹部を有し、基端が係入方向及び反係入方向に揺動自在に支持されており、基端と係合凹部との間において、延出した摺接面を備えたロック孔を有している。ロック部材は、直線の往復軌道を有して移動自在に設けられているとともに、常時付勢されて、摺接面を押圧及び摺接することによりフック部材を係入方向へ揺動可能に設けられている。交差角度変更部は、摺接面に沿った摺接線に対するロック部材の直線の往復軌道との交差角度を変化させ、交差角度の変更に応じて、フック部材の係合凹部に車椅子の被係止部材が係入された状態をロックするロック状態とロック解除状態の遷移を行う。
【0006】
特許文献4に記載の車椅子固定装置は、設置対象物のフロア面から上方に突出する形状のフック部材を有し、フック部材に車椅子の下部の固定バーが突き当たる態様で車椅子が移動したときに固定バーを係止する態様でフック部材を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-102580号公報
【特許文献2】特開2018-102728号公報
【特許文献3】特開2018-121758号公報
【特許文献4】特開2022-35522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1-4に記載の車椅子固定装置は、車両における車室フロアへの車椅子の進入に応じて、車椅子の被係止部材(引用文献1-3の「被係止部材」及び引用文献4の「固定バー」の総称)に対して、フック部(引用文献1の「フック部」、引用文献2の「フック装置」、引用文献3及び4の「フック部材」の総称)が係止するように構成されている。このような係止を、例えばモータの動力を利用して行うことが考えられるが、特許文献1-4に記載の車椅子固定装置にモータを適用した場合には車椅子固定装置のサイズが大きくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの動力を利用して車椅子を固定した場合であっても小型化することが可能な車椅子固定装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る車椅子固定装置の特徴構成は、
車両に車椅子を固定する車椅子固定装置であって、
モータを有するモータユニットと、
前記車両の床面に対して倒伏した倒伏姿勢において前記車椅子を固定する固定状態となり、前記床面に対して起立した起立姿勢において前記車椅子の固定を解除する解除状態となるフックと、
前記モータユニットからの回転力を、前記床面に沿う往復軌道にしたがう直線運動に変換して伝達する伝達機構と、
前記直線運動に基づいて前記フックの姿勢を前記倒伏姿勢と前記起立姿勢とに亘って変更可能なリンク機構と、
前記モータユニットを保持するモータ保持部を有する保持ブラケットと、を備え、
前記伝達機構は、前記モータユニットにおける前記回転力を出力する出力軸の回転に応じて回動するギヤを有し、
前記ギヤは、前記出力軸の軸心に直交する方向に沿って見て、前記床面から前記モータ保持部が前記モータユニットを保持する保持位置の保持高さまでの範囲内に設けられる点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、このような車椅子の固定と当該固定の解除とを行う動力(回転力)を出力するモータユニットよりも、伝達機構が有するギヤを床面側に設けているため、車椅子固定装置の高さを低くでき、小型化することが可能となる。
【0012】
本発明に係る車椅子固定装置の別の特徴構成は、前記ギヤは、前記出力軸の軸心に平行な方向に沿って見て、前記モータユニットと少なくとも一部が重複する状態で設けられる点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、車椅子固定装置の平面視において、ギヤの少なくとも一部を、モータユニットと重複して設けるため、ギヤとモータユニットとが互いに重複して設けられていない場合に比べて小型化することが可能となる。
【0014】
本発明に係る車椅子固定装置の更に別の特徴構成は、前記床面に沿って固定される板状のベース部材を更に備え、前記保持ブラケットは、前記ベース部材に固定され、前記ギヤは、前記ベース部材と前記保持ブラケットとの間に設けられる点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、車椅子固定装置を車両の床面に沿って固定し易くできる。また、ギヤをベース部材と保持ブラケットとの間に設けるため、車椅子固定装置を小型化することが可能となる。
【0016】
本発明に係る車椅子固定装置の更に別の特徴構成は、前記ギヤは、円板状の本体部と、当該本体部の外周面の少なくとも一部に形成され、前記出力軸と係合する歯部と、前記本体部において前記ギヤの回動軸心と同軸心で円弧状に切り欠いて形成されたガイド部とを有し、前記保持ブラケットは、前記床面側に向かって突出し、前記ガイド部に挿通される規制部材を有し、前記ガイド部は、前記ギヤの回動方向に沿う長さが、前記フックによる前記倒伏姿勢と前記起立姿勢との間の姿勢変更量に応じて形成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、保持ブラケットで規制部材を保持することができるため、規制部材を保持する部材を別途設ける必要がない。したがって、車椅子固定装置の大型化やコストアップを防止できる。また、モータから近い位置にあるガイド部によってモータの駆動を規制することができるため、モータから遠い位置でモータの駆動を規制する場合に比べて、規制時に力が作用する部位を少なくでき、車椅子固定装置の破損を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車椅子固定装置により固定される車椅子の側面図である。
図2】車両への車椅子固定装置の搭載例である。
図3】車椅子固定装置の斜視図である。
図4】車椅子固定装置の平面視である。
図5図4のV-V線の断面図である。
図6】フックの姿勢を示す図である。
図7】ギヤと規制部材との関係を示す図である。
図8】その他の実施形態の車椅子固定装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る車椅子固定装置によれば、車両に車椅子を固定することが可能である。以下、本実施形態の車椅子固定装置1について説明する。
【0020】
図1は、車椅子固定装置1によって固定することが可能な車椅子2が示される。図2は、車両100への車椅子固定装置1の搭載例が示される。ここで、本実施形態では、車両100の前後方向を第1方向Xとし、車両100の車幅方向を第2方向Yとし、車両100の高さ方向を第3方向Zとする。
【0021】
図1に示されるように、車椅子2はシート部2Aとアンカーバー2Bとを有する。シート部2Aには車椅子2を利用する利用者3が着座することが可能である。シート部2Aの左右両側には、シート部2Aに着座した利用者3の肘を載置することが可能な肘掛部2Fが設けられている。前輪2Cの前方には、シート部2Aに着座した利用者3が足を載置することが可能なフットレスト2Dが設けられている。アンカーバー2Bは、シート部2Aの下方であって、前輪2Cと後輪2Eとの間に、車椅子2の幅方向に沿って延出する状態で設けられている。アンカーバー2Bは、車椅子2を車両100に固定する際に用いられ、車椅子2の移動中においては、当該移動を妨げないように、前輪2C及び後輪2Eの夫々の接地面よりもシート部2A側(すなわち、前輪2C及び後輪2Eの夫々の最下端を互いに結んだ線よりも上側)に設けられる。
【0022】
車椅子固定装置1によれば、車椅子2のシート部2Aに利用者3が着座した状態で、車椅子2を車両100に固定することが可能である。ここで、車椅子2を車両100に搭載する場合には、図2に示されるように、例えば車両100の後部に設けられたリフト装置101によって、所定の高さまで車椅子2をリフトアップし、そこから車椅子2を車室102に移動させる。車椅子固定装置1は、リフト装置101で車椅子2をリフトアップする時の車椅子2の固定、及び車椅子2を車室102に移動した後の車椅子2の固定に利用される。したがって、本実施形態では、車椅子固定装置1は、リフト装置101及び車室102の夫々に設けられる。なお、車椅子2を車両100の側方のスライドドアから車室102に搭載する場合には、車椅子固定装置1は車両100の側方に備えられたリフト装置に設けられていてもよい。
【0023】
図3は、車椅子固定装置1の斜視図である。図4は、車椅子固定装置1の平面視である。図5は、図4のV-V線の断面図である。図6は、フック30の姿勢を示す図である。図7は、ギヤ41と規制部材55との関係を示す図である。
【0024】
ベース部材10は、板状に形成されており、車両100の床面103に沿って固定される。本実施形態では、図3及び図4に示されるように、ベース部材10は平面視が長方形の薄板を用いて構成される。ベース部材10は、車椅子固定装置1を車両100に固定するために用いられる。ここで、上述したように、本実施形態では車椅子固定装置1は、車両100のリフト装置101及び車室102に設けられる。したがって、ベース部材10は、図2に示されるように、リフト装置101の床面104及び車室102の床面105に沿って固定される。ベース部材10は、リフト装置101の床面104及び車室102の床面105に夫々、ボルト(図示せず)を用いて締結固定してもよいし、あるいは、リフト装置101の床面104及び車室102の床面105に別途設けられた固定部材(図示せず)を介して固定してもよい。ベース部材10は、強度を確保するために例えば金属材料を用いて構成するとよい。以下では、リフト装置101の床面104及び車室102の床面105の夫々を区別しない場合には、車両100の床面103として説明する。
【0025】
図3図5に示されるように、モータユニット20は、モータ21を有する。モータ21は、後述する伝達機構40を駆動し、車椅子固定装置1による車椅子2の固定を実現する。本実施形態のモータユニット20は、モータ21の出力軸に嵌合し、当該モータ21の駆動力を出力(回転出力)する出力ギヤ22を有する。出力ギヤ22は第3方向Zにおいてモータ21と嵌合する部分と反対側(下端側)に後述のギヤ41と噛み合うギヤと、下端部に出力軸23とを有する。本実施形態では、モータ21の回転軸は第3方向Zに沿って設けられ、出力軸23も第3方向Zに沿って設けられる。
【0026】
保持ブラケット60は、モータ保持部61と、案内部62と、連結部63とを有する。保持ブラケット60は、第1方向Xに沿って設けられる。保持ブラケット60は、保持ブラケット60における第1方向Xに沿う車両100の進行方向後部側と、進行方向前部側と、進行方向中央部側とにおいて、ボルト64によりベース部材10に締結固定される。
【0027】
モータ保持部61は、保持ブラケット60における第1方向Xに沿う車両100の進行方向後部側において、ベース部材10から第3方向Zに沿って離間した状態(ベース部材10から浮いた状態)で設けられる。本実施形態では、モータ保持部61は、ベース部材10からXZ平面に平行な面を有して立設する、互いに対向する1組の立設部66により支持されたXY平面に平行な面を有して構成される。モータ保持部61は、このXY平面に平行な面においてモータユニット20を保持する。本実施形態では、モータ保持部61には、モータユニット20がボルト71により締結固定される。
【0028】
案内部62は、保持ブラケット60における第1方向Xに沿う車両100の進行方向前部側において、ベース部材10から第3方向Zに沿って離間した状態(ベース部材10から浮いた状態)で設けられる。本実施形態では、案内部62は、ベース部材10からXZ平面に平行な面を有して立設する、互いに対向する1組の立設部67により支持されたXY平面に平行な面に構成される。案内部62には、第1方向Xに沿ってスライド溝65が設けられる。スライド溝65は、平面視が四角形状の開口部分として形成されるが、伝達機構40を所定の経路に沿って案内することができればその形状は四角形状に限定されない。案内部62は、伝達機構40を往復軌道に沿って案内する。往復軌道とは、スライド部43が直線運動を行う際に往復する軌道である。案内部62による伝達機構40の案内は後述する。
【0029】
連結部63は、保持ブラケット60におけるモータ保持部61と案内部62とを連結している部分にあたる。本実施形態では、連結部63は、XY平面に平行な面を有して構成される。本実施形態では、モータ保持部61、連結部63、及び案内部62は、XY平面に平行な面を有する部分が互いに一体で形成される。
【0030】
フック30は、第2方向Yに沿って互いに対向するように左右一対で設けられる。以下では、車両100の進行方向前側を見て左側にあるフック30をフック30Lとし、車両100の進行方向前側を見て右側にあるフック30をフック30Rとする。また、フック30L及びフック30Rを区別しない場合には、フック30として説明する。フック30は、角部が円弧状に丸められた平行四辺形状からなる薄板を用いて形成され、この平行四辺形の面がXZ平面に平行な状態となるように設けられる。
【0031】
フック30は、第1方向Xにおける車両100の進行方向前部側において第2方向Yに沿って貫通する軸部材33を介して、ベース部材10に締結固定された固定部材11に対して回動自在に支持される。この固定部材11は、フック30の第2方向Yに沿う車両100の幅方向外側において、ベース部材10に締結固定されている。フック30は、軸部材33を回動軸心として回動することで倒伏姿勢と起立姿勢とに亘って姿勢が変更可能に構成される。
【0032】
倒伏姿勢とは、車両100の床面103に対して倒伏した状態である。車両100の床面103に対して倒伏したときには、フック30を構成する平行四辺形状の薄板における互いに対向する長辺が第1方向Xに平行な状態となる。このような倒伏姿勢は、図6のAで示した姿勢にあたる。
【0033】
起立姿勢とは、車両100の床面103に対して起立した状態である。車両100の床面103に対して起立したときには、フック30を構成する平行四辺形状の薄板における互いに対向する長辺が車両100の進行方向前部側から後部側に向かう程、ベース部材10から離間した状態となる。このような起立姿勢は、図6のBで示した姿勢にあたる。
【0034】
フック30は、第1方向Xにおける中央部よりも、車椅子固定装置1における車椅子2が進入してくる側、すなわち車両100の進行方向後部側に切欠き部35が設けられる。切欠き部35は、フック30が倒伏姿勢にある状態における第3方向Zの下方側にある長辺から第3方向Zの上方側に向かって、フック30を構成する薄板を切り欠いて形成される。切欠き部35における開口奥側には、フック30が倒伏姿勢にある状態において、切欠き部35が延出する方向(第3方向Z)よりも、少なくとも車両100の進行方向後側に向かって延出するように切り欠かれた係止部31が設けられる。係止部31と切欠き部35とは、互いに切欠き部分が連続する状態で設けられる。
【0035】
倒伏姿勢では、切欠き部35における開口部分が、ベース部材10側を向く状態で、且つ、係止部31(係止部31の開口部分の開口方向)が少なくとも車両100の進行方向前方側を向く状態となる。この倒伏姿勢では、切欠き部35にアンカーバー2Bが進入すると、係止部31がアンカーバー2Bを係止し、車椅子2を固定する固定状態となる。また、この倒伏姿勢では、係止部31が少なくとも車両100の進行方向前方側を向いているので、アンカーバー2Bの係止が容易に解除されない状態となる。
【0036】
起立姿勢では、切欠き部35における開口部分が、ベース部材10から離間した状態で、且つ、係止部31が第3方向Zに沿ってベース部材10側を向く状態となる。この起立姿勢では、倒伏姿勢において係止部31がアンカーバー2Bを係止していた場合には当該係止が解除されると共に切欠き部35からアンカーバー2Bが離脱し、車椅子2の固定を解除する解除状態となる。また、この起立姿勢では、第3方向Zの上方から下方に向かってフック30に力が作用した場合に、当該力に応じてフック30がベース部材10側に倒伏し、この力がなくなると元の起立姿勢に自動的に復帰するように構成されている。これにより、倒伏姿勢において車椅子2が車両100の進行方向後方側から前方側に向かって車椅子固定装置1に進入してきた場合には、車椅子2のフットレスト2Dによってフック30が第3方向Zに沿って一時的に押し下げられることで車椅子2の進入を妨げることがない。また、フットレスト2Dがフック30よりも第1方向Xにおける車両100の進行方向前方側に移動していった(超えていった)場合には、元の起立姿勢に自動的に復帰して、係止部31をアンカーバー2Bの係止待ちの状態で待機させることが可能となる。
【0037】
伝達機構40は、モータユニット20からの回転力を、床面103に沿う往復軌道にしたがう直線運動に変換してリンク機構50に伝達する。伝達機構40は、ギヤ41と、変換部42と、スライド部43と、凸状部44とを備える。
【0038】
ギヤ41は、モータユニット20における回転力を出力する出力軸23の回転に応じて回動する。図7に示されるように、ギヤ41は、本体部41Aと歯部41Bとガイド部41Cとを有する。本体部41Aは、円板状の平板が相当する。本体部41Aは、径方向中央部に軸方向に沿って回動軸41Dが貫通挿入される。歯部41Bは、本体部41Aの外周面41Eの少なくとも一部に形成され、出力軸23と係合する。本実施形態では、ギヤ41はセクタギヤが用いられる。このため、歯部41Bは、外周面41Eの一部に形成される。この歯部41Bは、出力軸23の外周面に設けられた歯部23Aと互いに噛み合うように設けられる。
【0039】
ガイド部41Cは、本体部41Aにおいてギヤ41の回動軸心41Xと同軸心で円弧状に切り欠いて形成される。回動軸心41Xとは、回動軸41Dの軸心が相当する。ガイド部41Cは、ギヤ41の回動方向に沿う長さL1が、フック30による倒伏姿勢と起立姿勢との間の姿勢変更量L2(図6参照)に応じて形成されている。すなわち、ガイド部41Cは、ギヤ41の周方向に沿う長さL1が、ギヤ41が回動することが可能な回動範囲(回動時の角度)に対応した長さであって、ギヤ41の軸方向一方側の面から他方側の面に亘って開口する平面視が円弧状の開口部分として構成される。ギヤ41は、回動軸41Dがベース部材10に直交する状態で、回動軸41Dにより回動自在に支持される。これにより、ギヤ41は、モータユニット20からの回転力が入力され、この回転量に基づいて回動軸41Dを中心に回動する。
【0040】
変換部42は、回転力を直線運動に変換する。本実施形態では、変換部42は、一端部42Aがギヤ41に支持されると共に他端部42Bがスライド部43に支持され、一端部42Aと他端部42Bとの間で第3方向Zの段差を形成する段差部42Cを有する長板状で形成される。一端部42Aはギヤ41の回動軸41Dの回動軸心41Xと平行な軸心を有するように本体部41Aに回動自在に支持される。このとき、一端部42Aは本体部41Aの軸方向端面における外周面41E側において支持すると好適である。これにより、変換部42の一端部42Aが、回動軸心41Xを中心に回動する。
【0041】
変換部42の他端部42Bは、上述したようにスライド部43に支持される。スライド部43は第3方向Zの下方側に向かって突出する凸状部44が設けられる。凸状部44は、少なくとも一部が案内部62のスライド溝65に挿通される。変換部42の一端部42Aがギヤ41によって回動すると、他端部42B及びスライド部43が第1方向Xに沿う往復軌道にしたがう直線運動を行う。すなわち、図7においてギヤ41が時計回りに回動すると、他端部42B及びスライド部43がスライド溝65に沿ってギヤ41に近接するように引っ張られ、ギヤ41が反時計回りに回動すると、他端部42B及びスライド部43がスライド溝65に沿ってギヤ41から離間するように押し出される。このように、変換部42は、一端部42Aにおいて回転運動が入力されると、他端部42Bにおいて直線運動を行う。したがって、案内部62による伝達機構40の案内は、保持ブラケット60のスライド溝65に挿通された伝達機構40の凸状部44をスライド溝65に沿ってスライドして案内することになる。
【0042】
伝達機構40は、モータユニット20の出力軸23の外周面に設けられた歯部23Aを介して、モータユニット20の回転力が入力され、ギヤ41、変換部42、及びスライド部43を介して、入力された回転力を直線運動に変換して後述するリンク機構50に伝達する。
【0043】
リンク機構50は、直線運動に基づいてフック30の姿勢を倒伏姿勢と起立姿勢とに亘って変更可能に構成される。リンク機構50は、伝達機構40のスライド部43とフック30とに亘って設けられる。本実施形態では、リンク機構50は円柱状のロッド51で構成される。ここで、フック30には、図6に示されるように、当該フック30が倒伏姿勢である場合に車両100の床面103に沿う状態となる開口部分32が形成されている。また、固定部材11には、第1方向Xと平行に案内溝12が形成されている。ロッド51は、一端側がフック30Lの開口部分32及び車両100の幅方向左側の固定部材11の案内溝12に貫通挿入され、他端側がフック30Rの開口部分32及び車両100の幅方向右側の固定部材11の案内溝12に貫通挿入される。また、ロッド51は、軸方向中央部においてスライド部43に支持される。
【0044】
開口部分32は、フック30が倒伏姿勢にある状態において、車両100の進行方向中央部分から進行方向後方側に近接する程、第3方向Zに沿って次第にベース部材10から離間するように構成され、車両100の進行方向中央部分から進行方向前方側に近接する程、第3方向Zに沿って次第にベース部材10から離間するように構成される。本実施形態では、開口部分32は、車両100の進行方向中央部分から進行方向前方側における第3方向Zに沿う差異が、車両100の進行方向中央部分から進行方向後方側における第3方向Zに沿う差異よりも小さく構成される。これにより、フック30が倒伏姿勢にある場合に、ロッド51が車両100の進行方向前部側に移動すると、自動的にフック30を起立状態に移行させることが可能となる。
【0045】
また、フック30の第2方向中央側に隣接して補助機構52が設けられている。補助機構52は、開口部分32における第1方向Xの中央部に隣接して設けられる。補助機構52は、付勢部材53と揺動部材54と支持部材59とを有する。付勢部材53は、揺動部材54と支持部材59とに亘って設けられる。上述したようにロッド51がギヤ41の回動に応じて車両100の進行方向前部側に押し出されると、揺動部材54がロッド51によって進行方向前部側に押し倒される。これにより、支持部材59が付勢部材53を介してフック30側に引っ張られ、支持部材59がフック30を第3方向Zの下方側から支持して起立姿勢の維持を補助する。一方、ロッド51がギヤ41の回動に応じて車両100の進行方向後方側に引っ張られると、フック30の倒伏姿勢への移行に応じて支持部材59がベース部材10側に押し倒される。これにより、揺動部材54は、付勢部材53を介して支持部材59側に引っ張られ立設した状態となる。
【0046】
このように、ロッド51は、ギヤ41が可動範囲における一方側にある場合には、スライド部43によりモータユニット20側に引っ張られ、ギヤ41が可動範囲における他方側にある場合には、スライド部43によりモータユニット20側とは反対側に押し出される。ロッド51は、モータユニット20側に引っ張られたときには、開口部分32における一方側に位置してフック30を倒伏姿勢にする。ロッド51は、モータユニット20側とは反対側に押し出されたときには、開口部分32における他方側に位置してフック30を起立姿勢にする。起立姿勢になった時には、補助機構52がフック30を第3方向Zに沿う下方側から補助し、起立姿勢が維持される。
【0047】
ここで、本実施形態では、スライド溝65における長辺の長さL3が、ギヤ41が回動することが可能な範囲で変換部42の一端部42Aがギヤ41の周方向に沿って移動する距離よりも長く設定されている。ギヤ41が回動することが可能な範囲は、ガイド部41Cの周方向の長さL1に応じて設定されている。このため、スライド溝65における長辺の長さL3は、ガイド部41Cの周方向の長さL1よりも長く設定されている。これにより、凸状部44がスライド溝65における往復軌道に沿う一方側及び他方側に移動した場合であっても、凸状部44がスライド溝65における往復軌道に沿う一方側の端部及び他方側の端部に当接しないようにすることができ、凸状部44やスライド溝65の破損を防止できる。
【0048】
本実施形態では、上記のようにモータユニット20の出力軸23及びギヤ41の回動軸心41Xが第3方向Zに沿って設けられる。すなわち、モータユニット20の出力軸23及びギヤ41の回動軸心41Xが互いに平行な状態で設けられる。また、ギヤ41は、第2方向Yに沿って見た場合に、保持ブラケット60におけるモータ保持部61と平行な状態で設けられる。
【0049】
この状態において、ギヤ41は、出力軸23の軸心に直交する方向に沿って見て、床面103からモータ保持部61がモータユニット20を保持する保持位置の保持高さまでの範囲内に設けられる。出力軸23の軸心に直交する方向に沿って見てとは、図5に示されるように、車椅子固定装置1を側面から見たことを意味する。床面103とは、車両100のリフト装置101の床面104及び車室102の床面105である。その位置をH1とし、モータ保持部61がモータユニット20を保持する保持位置の保持高さをH2とすると、ギヤ41は、H1からH2までの範囲L5内に設けられる。特に本実施形態では、車椅子固定装置1は床面103に沿ってベース部材10が設けられており、ギヤ41はベース部材10と保持ブラケット60(保持ブラケット60におけるモータ保持部61)との間に設けられる。
【0050】
また、本実施形態では、ギヤ41は、出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見て、モータユニット20と少なくとも一部が重複する状態で設けられる。出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見てとは、図4に示されるように、車椅子固定装置1を上方から見たことを意味する。モータユニット20と少なくとも一部が重複する状態とは、モータユニット20の下方にギヤ41の少なくとも一部が存在する状態を意味する。
【0051】
本実施形態では、保持ブラケット60は規制部材55を有する。規制部材55は、床面103側に突出して設けられ、ガイド部41Cに挿通される。規制部材55は、棒状の部材を用いて構成され、保持ブラケット60における車両100の床面103に対向する側において、床面103側に向かって突出する状態で、且つ、上述したガイド部41Cに挿通された状態で固定される。規制部材55の外径は、ガイド部41Cのギヤ41の径方向に沿う幅よりも小さく構成される。これにより、ギヤ41が回動した場合に、ガイド部41Cが規制部材55に沿って回動することが可能となる。また、規制部材55は保持ブラケット60に固定されていることから、ガイド部41Cの回動を規制部材55によって規制することが可能となる。また、規制部材55は、ベース部材10によって支持されると好適である。これにより、ギヤ41の回動に応じて、ギヤ41のガイド部41Cと規制部材55とが当接した場合であっても、規制部材55が曲がったりしないように強度を確保することが可能となる。
【0052】
規制部材55は、凸状部44がスライド溝65におけるスライド方向の端部に到達する前に、ガイド部41Cにおける回動方向の端部に達するように構成されている。すなわち、上述したようにスライド溝65における長辺の長さL3が、ガイド部41Cの周方向の長さL1よりも長く設定されている。これにより、凸状部44がスライド溝65における往復軌道に沿う一方側及び他方側に移動した場合であっても、凸状部44がスライド溝65における往復軌道に沿う一方側の端部及び他方側の端部に当接しないようにすることが可能となる。これにより、モータユニット20から近い位置にあるガイド部41Cによってモータユニット20の駆動を規制することができるため、モータユニット20から遠い位置でモータユニット20の駆動を規制する場合に比べて、規制時に力が作用する部位を少なくでき、車椅子固定装置1の破損を防止することが可能となる。
【0053】
また、保持ブラケット60は、伝達機構40とリンク機構50とを保持する。すなわち、本実施形態では、保持ブラケット60はスライド部43をスライド可能に保持する。また、スライド部43はロッド51を保持する。したがって、保持ブラケット60は、スライド部43とロッド51とを保持する。
【0054】
以上のように車椅子固定装置1を構成することで、コンパクトに構成することが可能となる。
【0055】
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、車椅子固定装置1は、リフト装置101及び車室102の夫々に設けられるとして説明した。しかしながら、車椅子固定装置1は、リフト装置101及び車室102の少なくともいずれか一方に設けられていてもよい。また、車椅子固定装置1は、リフト装置101や車室102に、2つ以上設けられていてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、ギヤ41は、出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見て、モータユニット20と少なくとも一部が重複する状態で設けられるとして説明した。このような状態は、図8の(A)の模式図に示されるように、モータユニット20におけるモータ21を収容するモータ収容部24の外径が出力軸23の外径よりも大きいため、モータユニット20とギヤ41とが出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見て少なくとも一部が重複する状態となる。
【0057】
例えば、図8の(B)の模式図に示されるように、モータユニット20におけるモータ21を収容するモータ収容部24の外径と出力軸23の外径とが互いに等しい場合には、モータユニット20とギヤ41とは出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見て互いに重複しない状態となるが、このような状態であっても車椅子固定装置1を構成することが可能である。
【0058】
また、図8の(C)の模式図に示されるように、モータユニット20におけるモータ21を収容するモータ収容部24の外径が出力軸23の外径よりも小さい場合にも、モータユニット20とギヤ41とは出力軸23の軸心軸に平行な方向に沿って見て互いに重複しない状態となるが、このような状態であっても車椅子固定装置1を構成することが可能である。
【0059】
また、図8の(D)の模式図に示されるように、モータユニット20におけるモータ21を収容するモータ収容部24が、出力軸23よりも第3方向Zに沿って低い位置にあってもよい。このような場合、モータユニット20とギヤ41とが出力軸23の軸心に平行な方向に沿って見て少なくとも一部が重複する状態となる。
【0060】
(3)上記実施形態では、車椅子固定装置1は、床面103に沿って固定される板状のベース部材10を備えているとして説明した。しかしながら、車椅子固定装置1は、ベース部材10を備えずに構成することも可能である。この場合、例えば保持ブラケット60を介して車両100の床面103に固定するとよい。
【0061】
(4)上記実施形態では、ギヤ41が、円板状の本体部41Aと、当該本体部41Aの外周面41Eの少なくとも一部に形成され、出力軸23と係合する歯部41Bと、本体部41Aにおいてギヤ41の回動軸心41Xと同軸心で円弧状に切り欠いて形成されたガイド部41Cとを有するとして説明した。しかしながら、ギヤ41は、ガイド部41Cを備えずに構成することも可能である。この場合には、ギヤ41に規制部材55を規制する凸状部を設けるとよい。
【0062】
(5)上記実施形態では、保持ブラケット60は、伝達機構40とリンク機構50とを保持するとして説明した。しかしながら、保持ブラケット60は、伝達機構40とリンク機構50とを保持しないように構成することも可能であるし、少なくともいずれか一方を保持するように構成することも可能である。
【0063】
(6)上記実施形態では、保持ブラケット60は、伝達機構40を往復軌道に沿って案内する案内部62を有するとして説明した。しかしながら、保持ブラケット60は、案内部62を備えずに構成することも可能である。
【0064】
(7)上記実施形態では、規制部材55は、凸状部44がスライド溝65におけるスライド方向の端部に到達する前に、ガイド部41Cにおける回動方向の端部に達するように構成されているとして説明した。しかしながら、規制部材55は、凸状部44がスライド溝65におけるスライド方向の端部に到達した時点で、ガイド部41Cにおける回動方向の端部に達するように構成することも可能であるし、ガイド部41Cにおける回動方向の端部に達する前に、凸状部44がスライド溝65におけるスライド方向の端部に到達するように構成することも可能である。
【0065】
(8)上記実施形態では、車椅子2は、シート部2Aの下方において、車椅子2の幅方向に沿って延出する状態でアンカーバー2Bが設けられるとして説明した。しかしながら、アンカーバー2Bは、例えばフットレスト2Dや車軸と共用することも可能である。
【0066】
(9)上記実施形態において、Aに「直交」およびこれに類する表現は、Aに対して完全に直交する方向のみを指すのではなく、Aに対して略直交することを含んで指すものとする。また、本実施形態において、Bに「平行」およびこれに類する表現は、Bに対して完全に平行な方向のみを指すのではなく、Bに対して略平行であることを含んで指すものとする。また、本実施形態において、C「形状」およびこれに類する表現は、完全なC形状のみを指すのではなく、見た目にC形状を連想させる形状(略C形状)を含んで指すものとする。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、車両に車椅子を固定する車椅子固定装置に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1:車椅子固定装置
2:車椅子
3:利用者
10:ベース部材
20:モータユニット
21:モータ
23:出力軸
30:フック
40:伝達機構
41:ギヤ
41A:本体部
41B:歯部
41C:ガイド部
41E:外周面
41X:回動軸心
50:リンク機構
55:規制部材
60:保持ブラケット
61:モータ保持部
100:車両
103:床面
H2:保持高さ
L1:長さ
L2:姿勢変更量
L5:範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8