(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049472
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】防振部材
(51)【国際特許分類】
E04B 9/18 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
E04B9/18 G
E04B9/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155712
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】由田 哲夫
(57)【要約】
【課題】施工性の良い防振部材を提供する。
【解決手段】床構造に対して天井材を吊り下げるための吊りボルト10に設けられる防振部材100であって、複数の板ばね部(第一板ばね部110、第二板ばね部120及び第三板ばね部130)を具備した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床構造に対して天井材を吊り下げるための吊り部材に設けられる防振部材であって、
複数の板ばね部を具備する防振部材。
【請求項2】
前記吊り部材は、
前記床構造に接続された上側吊り部材と、
前記天井材に接続された下側吊り部材と、
を含み、
複数の前記板ばね部は、
前記上側吊り部材に固定される第一板ばね部と、
前記下側吊り部材に固定される第二板ばね部と、
を含む、
請求項1に記載の防振部材。
【請求項3】
複数の前記板ばね部は、
前記第一板ばね部と前記第二板ばね部とを接続する第三板ばね部を含む、
請求項2に記載の防振部材。
【請求項4】
前記第一板ばね部は、
前記上側吊り部材が固定される第一固定部と、
前記第一固定部の上方に配置され、前記第三板ばね部に接続される第一接続部と、
を具備する、
請求項3に記載の防振部材。
【請求項5】
前記第二板ばね部は、
前記下側吊り部材が固定される第二固定部と、
前記第二固定部の下方に配置され、前記第三板ばね部に接続される第二接続部と、
を具備する、
請求項3に記載の防振部材。
【請求項6】
前記第一板ばね部及び前記第二板ばね部は、
前記第三板ばね部の一側方に配置される、
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の防振部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井材を吊り下げるための吊り部材に設けられる防振部材の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井材を吊り下げるための吊り部材に設けられる防振部材の技術は公知となっている。例えば特許文献1及び特許文献2に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、上階の床スラブに対して、吊りボルトを介して天井材(野縁受け、野縁、天井板等)を吊り下げる天井構造が開示されている。吊りボルトの中途部には防振部材(防振ハンガー)が設けられ、床スラブから天井材への振動の伝達が抑制される。これによって、上階の歩行音等が下階の天井材に伝達されるのを抑制し、騒音の低減を図ることができる。
【0004】
また一般的に、防振部材として防振ゴム(弾性ゴム部材)を用いることが知られている。例えば特許文献2には、上下の吊りボルトを防振ゴムを介して接続することで、上下の吊りボルト間の振動の伝達を抑制する技術が開示されている。
【0005】
しかしながら、防振ゴムを用いる場合、固定用のナットの締め付け具合によって防振性能が大きく変化することから、ナットの締め付け具合を厳密に管理する必要がある。また防振ゴムは、長期間荷重が加えられた場合、圧縮永久ひずみが生じることにより、固定用のナットが緩む可能性がある。このため、ナットの緩みを防止するための構造(二重ナット等)が必要になり、施工性が悪化する。
【0006】
このように、防振部材として防振ゴムを用いる場合には施工が煩雑となる可能性があるため、より施工性の良い防振部材が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-88271号公報
【特許文献2】特開2017-161074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、施工性の良い防振部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、床構造に対して天井材を吊り下げるための吊り部材に設けられる防振部材であって、複数の板ばね部を具備するものである。
【0011】
請求項2においては、前記吊り部材は、前記床構造に接続された上側吊り部材と、前記天井材に接続された下側吊り部材と、を含み、複数の前記板ばね部は、前記上側吊り部材に固定される第一板ばね部と、前記下側吊り部材に固定される第二板ばね部と、を含むものである。
【0012】
請求項3においては、複数の前記板ばね部は、前記第一板ばね部と前記第二板ばね部とを接続する第三板ばね部を含むものである。
【0013】
請求項4においては、前記第一板ばね部は、前記上側吊り部材が固定される第一固定部と、前記第一固定部の上方に配置され、前記第三板ばね部に接続される第一接続部と、を具備するものである。
【0014】
請求項5においては、前記第二板ばね部は、前記下側吊り部材が固定される第二固定部と、前記第二固定部の下方に配置され、前記第三板ばね部に接続される第二接続部と、を具備するものである。
【0015】
請求項6においては、前記第一板ばね部及び前記第二板ばね部は、前記第三板ばね部の一側方に配置されるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
本発明においては、施工性の良い防振部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】防振部材が設けられた天井構造の概略を示した斜視図。
【
図2】第一実施形態に係る防振部材を示した正面図。
【
図3】(a)第一板ばね部及び第二板ばね部が弾性変形する様子を示した模式図。(b)第三板ばね部が弾性変形する様子を示した模式図。
【
図4】第二実施形態に係る防振部材を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、
図1を用いて、本発明の第一実施形態に係る防振部材100が設けられた天井構造1について説明する。
【0020】
天井構造1は、鉄骨造の建物における天井の構造である。なお、
図1においては、便宜上、建物における天井の構造全体のうち一部が示されている。以下では、
図1に示された天井構造1、すなわち天井の構造全体のうち一部について説明するものとする。天井構造1は、吊りボルト10、ハンガー20、野縁受け30、野縁40、天井面材50及び防振部材100を具備する。
【0021】
吊りボルト10は、建物の上階の床構造に対して、天井材を吊り下げるためのものである。吊りボルト10は、複数設けられる。
図1においては、4本の吊りボルト10が示されている。吊りボルト10の上端は、インサート(不図示)を介して、上階の床構造を形成する床スラブAに固定される。吊りボルト10は、上側吊りボルト11と下側吊りボルト12に分割される。上側吊りボルト11と下側吊りボルト12との間には、後述する防振部材100が設けられる。
【0022】
ハンガー20は、後述する野縁受け30を支持するものである。ハンガー20は、各吊りボルト10の下端部に取り付けられる。
【0023】
野縁受け30は、後述する野縁40を支持するものである。野縁受け30は、長尺状に形成され、長手方向を左右方向に向けて配置される。野縁受け30は、ハンガー20に支持される。こうして、野縁受け30は、ハンガー20及び吊りボルト10を介して建物の床スラブAから吊設される。野縁受け30は、複数設けられる。
図1においては、2本の野縁受け30が示されている。
【0024】
野縁40は、後述する天井面材50を支持するのものである。野縁40は、長尺状に形成され、長手方向を前後方向に向けて配置される。野縁40は、クリップ部材41を用いて野縁受け30に支持される。野縁40は、複数設けられる。
図1においては、4本の野縁40が示されている。
【0025】
天井面材50は、天井面を構成するものである。天井面材50は、例えば板状の石膏ボードにより形成される。天井面材50は、板面を上下方向に向けて配置される。天井面材50は、野縁40の下側面に固定される。
【0026】
防振部材100は、上階の床スラブAから下階の天井材(野縁受け30、野縁40、天井面材50等)への振動の伝達を抑制するものである。防振部材100は、吊りボルト10の中途部に設けられる。より具体的には、防振部材100は、上側吊りボルト11と下側吊りボルト12との間に配置される。なお、
図1では、防振部材100の形状を簡略化して図示している。以下では、防振部材100の構成について具体的に説明する。
【0027】
図2に示すように、防振部材100は、金属製の矩形状の板材を適宜屈曲させて形成される。防振部材100は、弾性を有する複数(本実施形態では、3つ)の板ばね部を形成することで、防振性能を向上させている。具体的には、防振部材100は、主として第一板ばね部110、第二板ばね部120及び第三板ばね部130を具備する。
【0028】
第一板ばね部110は、上側吊りボルト11に固定される部分である。第一板ばね部110は、主として第一固定部111、第一接続部112及び第一屈曲部113を具備する。
【0029】
第一固定部111は、上側吊りボルト11が固定される部分である。第一固定部111は、平板状に形成される。第一固定部111は、板面を上下に向けた状態で配置される。第一固定部111には上側吊りボルト11が挿通される貫通孔(不図示)が形成され、第一固定部111の上面(当該貫通孔と対向する位置)には、第一固定ナット111aが溶接等により固定される。
【0030】
第一接続部112は、後述する第三板ばね部130と接続される部分である。第一接続部112は、平板状に形成される。第一接続部112は、板面を上下に向けた状態(第一固定部111と略平行な状態)で、第一固定部111の上方に配置される。第一接続部112のうち、第一固定ナット111aと対向する部分には、第一接続部112を上下に貫通する第一貫通孔112aが形成される。第一貫通孔112aの内径は、後述するように防振部材100が弾性変形する際に、上側吊りボルト11が干渉しない程度の大きさに形成される。
【0031】
第一屈曲部113は、第一固定部111と第一接続部112を接続する部分である。第一屈曲部113は、第一固定部111の左端部と第一接続部112の左端部とを接続するように形成される。第一屈曲部113は、板材をU字状に折り返すように屈曲させて形成される。
【0032】
第一接続部112の第一貫通孔112aには上側吊りボルト11が挿通され、上側吊りボルト11の下端部が第一固定ナット111aにねじ込まれる。第一固定部111の下方から、上側吊りボルト11の下端部にナットNを締結することで、第一固定部111に上側吊りボルト11が固定される。
【0033】
第二板ばね部120は、下側吊りボルト12に固定される部分である。第二板ばね部120は、主として第二固定部121、第二接続部122及び第二屈曲部123を具備する。
【0034】
なお、第二板ばね部120は、第一板ばね部110と上下対称な形状に形成されるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
第二板ばね部120の第二固定部121、第二接続部122及び第二屈曲部123は、それぞれ第一板ばね部110の第一固定部111、第一接続部112及び第一屈曲部113に相当する。第二固定部121の下面には、第二固定ボルト121aが設けられる。第二接続部122のうち、第二固定ボルト121aと対向する部分には、第二貫通孔122aが形成される。
【0036】
第三板ばね部130は、第一板ばね部110と第二板ばね部120とを接続する部分である。第三板ばね部130は、主として平板部131、上側屈曲部132及び下側屈曲部133を具備する。
【0037】
平板部131は、板面を左右に向けた平板上に形成される部分である。平板部131は、第一板ばね部110及び第二板ばね部120の右側(第一屈曲部113及び第二屈曲部123と反対側)に配置される。
【0038】
上側屈曲部132は、平板部131と第一板ばね部110とを接続する部分である。上側屈曲部132は、平板部131の上端部と第一接続部112の右端部とを接続するように形成される。上側屈曲部132は、板材を略90度屈曲させて形成される。
【0039】
下側屈曲部133は、平板部131と第二板ばね部120とを接続する部分である。下側屈曲部133は、平板部131の下端部と第二接続部122の右端部とを接続するように形成される。下側屈曲部133は、板材を略90度屈曲させて形成される。
【0040】
このようにして、第一板ばね部110及び第二板ばね部120は、第三板ばね部130の一側方(本実施形態では、左方)に配置される。
【0041】
以下では、防振部材100による防振の様子について説明する。
【0042】
防振部材100は、第一板ばね部110、第二板ばね部120及び第三板ばね部130のそれぞれの弾性によって、吊りボルト10を介する振動の伝達を抑制することができる。
【0043】
具体的には、
図3(a)に示すように、第一板ばね部110の第一屈曲部113や、第二板ばね部120の第二屈曲部123が弾性変形することで、上側吊りボルト11と下側吊りボルト12との間の振動の伝達を抑制することができる。
【0044】
また
図3(b)に示すように、第三板ばね部130の上側屈曲部132及び下側屈曲部133が弾性変形することで、上側吊りボルト11と下側吊りボルト12との間の振動の伝達を抑制することができる。
【0045】
このように本実施形態では、複数の板ばね部(第一板ばね部110、第二板ばね部120及び第三板ばね部130)が直列に接続され、それぞれが弾性変形することで、振動の伝達を効果的に抑制することができる。
【0046】
本実施形態では、防振部材100としてゴムを用いていないため、ゴムをナットで固定する際の締め付け具合の管理が不要となる。また防振部材100としてゴムを用いていないため、圧縮永久ひずみによるナットの緩みが生じることはなく、ナットの緩みを防止するための二重ナット等の構造が不要となる。従って、防振部材100の施工性を向上させることができる。
【0047】
また本実施形態では、第一板ばね部110において、上側吊りボルト11が固定される第一固定部111の上方に、第一接続部112を形成している。これによって、防振部材100(第一板ばね部110)に過剰な負荷が加わった場合に第一屈曲部113がある程度弾性変形すると、第一固定部111の先端部(右端部)が第一接続部112の下面(
図3(a)の部分X付近)に下方から当接することになる。これによって、第一屈曲部113の過剰な変形を防止することができ、防振部材100の変形や破損を防止することができる。
【0048】
なお、第一板ばね部110と同様に、第二板ばね部120についても過剰な負荷が加わった場合には、第二固定部121の先端部(右端部)が第二接続部122の上面に上方から当接することで、第二屈曲部123の過剰な変形を防止することができる。
【0049】
以下では、
図4を用いて第二実施形態に係る防振部材200について説明する。
【0050】
第二実施形態に係る防振部材200が、第一実施形態に係る防振部材100(
図2参照)と異なる点は、第三板ばね部130にリブ132a及びリブ133aが形成されている点である。
【0051】
リブ132aは、第三板ばね部130の上側屈曲部132に形成される。リブ132aは、上側屈曲部132の幅方向(前後方向)中央部に形成される。リブ132aは、適宜の方法(例えば、上側屈曲部132にプレス加工を施す、上側屈曲部132に肉盛り溶接を行う、など)で形成することができる。リブ132aを形成することで、上側屈曲部132を弾性変形し難くすることができる。
【0052】
リブ133aは、第三板ばね部130の下側屈曲部133に形成される。下側屈曲部133のリブ133aは、上側屈曲部132のリブ132aと上下対称な形状に形成される。
【0053】
リブ132a及びリブ133aの形状や個数等を任意に調節することで、第三板ばね部130のばね定数を任意に調節することができる。例えば、第三板ばね部130のばね定数を、第一板ばね部110及び第二板ばね部120のばね定数よりも大きくすることで、相対的に第一板ばね部110及び第二板ばね部120を弾性変形させ易くすることができる。これによって前述のように過剰な負荷が加わった場合には、第一固定部111及び第二固定部121を第一接続部112及び第二接続部122に当接させ易くすることができる。
【0054】
以上の如く、本実施形態に係る防振部材100は、
床構造(床スラブA)に対して天井材(野縁受け30、野縁40及び天井面材50)を吊り下げるための吊りボルト10(吊り部材)に設けられる防振部材100であって、
複数の板ばね部(第一板ばね部110、第二板ばね部120及び第三板ばね部130)を具備するものである。
【0055】
このように構成することにより、施工性の良い防振部材100を提供することができる。すなわち、防振部材100としてゴムを使用する必要がないため、ゴムを固定するためのナットの締め付け具合の管理や、ゴムの圧縮永久ひずみによるナットの緩み対策が不要となるため、施工が容易になる。また、防振部材100としてゴムを使用する必要がないため、ゴムを使用する場合と比べて火災が発生した場合の防振部材100の損傷が少なく、天井材のずれ、脱落等を抑制することができる。
【0056】
また、前記吊りボルト10は、
前記床構造に接続された上側吊りボルト11(上側吊り部材)と、
前記天井材に接続された下側吊りボルト12(下側吊り部材)と、
を含み、
複数の前記板ばね部は、
前記上側吊りボルト11に固定される第一板ばね部110と、
前記下側吊りボルト12に固定される第二板ばね部120と、
を含むものである。
【0057】
このように構成することにより、上下の板ばね部によって、効果的に振動の伝達を抑制することができる。
【0058】
また、複数の前記板ばね部は、
前記第一板ばね部110と前記第二板ばね部120とを接続する第三板ばね部130を含むものである。
【0059】
このように構成することにより、複数の板ばね部を直列に接続し、効果的に振動の伝達を抑制することができる。
【0060】
また、前記第一板ばね部110は、
前記上側吊りボルト11が固定される第一固定部111と、
前記第一固定部111の上方に配置され、前記第三板ばね部130に接続される第一接続部112と、
を具備するものである。
【0061】
このように構成することにより、防振部材100(第一板ばね部110)に大きな負荷が加わった場合に、第一固定部111を第一接続部112に当接させて、第一板ばね部110の過剰な変形を防止することができる。
【0062】
また、前記第二板ばね部120は、
前記下側吊りボルト12が固定される第二固定部121と、
前記第二固定部121の下方に配置され、前記第三板ばね部130に接続される第二接続部122と、
を具備するものである。
【0063】
このように構成することにより、防振部材100(第二板ばね部120)に大きな負荷が加わった場合に、第二固定部121を第二接続部122に当接させて、第二板ばね部120の過剰な変形を防止することができる。
【0064】
また、前記第一板ばね部110及び前記第二板ばね部120は、
前記第三板ばね部130の一側方に配置されるものである。
【0065】
このように構成することにより、防振部材100をコンパクトに形成することができる。
【0066】
また本実施形態に係る防振部材100は、1枚の板材から形成されるものである。
【0067】
このように構成することにより、比較的容易に防振部材100を形成することができる。また、板材の板厚を任意に変更することで、防振部材100全体のばね定数(防振性能)を容易に調整することができる。また、特に本実施形態では、防振部材100の前後方向が開放されているため、防振部材100の前後から工具(スパナ等)を使って容易にナットNの締結作業を行うことができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0069】
上記実施形態では、3つの板ばね部を具備する防振部材100・200を例示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、板ばね部の個数は少なくとも2つ以上であればよく、任意に変更することが可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態では上下一対の板ばね部(第一板ばね部110及び第二板ばね部120)を具備する防振部材100・200を例示したが、いずれか一方のみを具備する構成としてもよい。また、例えば第三板ばね部130の平板部131をさらに屈曲させて、板ばね部を追加することも可能である。
【0071】
また、上記第二実施形態では、第三板ばね部130にリブ132a・133aを形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の位置にリブを形成することが可能である。例えば、第一板ばね部110の第一屈曲部113や、第二板ばね部120の第二屈曲部123にリブを設けて、ばね定数を調整することも可能である。
【0072】
また、上記実施形態で例示した防振部材100・200の形状は一例であり、本発明はこれに限るものではなく、任意に変更することが可能である。例えば、一枚の板材の屈曲箇所や屈曲方向を任意に変更することで、上記実施形態とは異なる形状の防振部材を形成することも可能である。
【0073】
また、上記実施形態では、一枚の板材により形成された防振部材100・200を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば複数の板材を互いに固定して防振部材を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 防振部材
110 第一板ばね部
111 第一固定部
112 第一接続部
120 第二板ばね部
121 第二固定部
122 第二接続部
130 第三板ばね部