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  • 特開-フレーム構造体 図1
  • 特開-フレーム構造体 図2
  • 特開-フレーム構造体 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049500
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】フレーム構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/02 20060101AFI20240403BHJP
   E04H 15/32 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
E04H15/02
E04H15/32 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155752
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中浦 創
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA03
2E141BB01
2E141CC01
2E141DD25
2E141GG00
(57)【要約】
【課題】家電製品の使用が容易なパーソナル空間を区画し、持ち運びが容易なフレーム構造体を提供する。
【解決手段】フレーム構造体1は、利用者Uを収容可能な空間Sを区画し、空間Sの組み立て式の枠組み10を形成する複数の枠フレーム11と、枠組み10に張られることにより、空間Sの床面、側面、及び天面を形成するシート20と、床面Fをフレーム構造体1が置かれるベース面Gよりも高い位置に支持する支持フレーム13と、床面Fの下面側にバッテリ30を取り付け可能なバッテリ取付部31a,31bと、床面、側面、及び天面のいずれかに設けられたアウトレット32と、バッテリ取付部31a31bに取り付けられたバッテリ30とアウトレット32を接続するバッテリ接続部33と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を収容可能な空間を区画するフレーム構造体であって、
前記空間の組み立て式の枠組みを形成する複数の枠フレームと、
前記枠組みに張られることにより、前記空間の床面、側面、及び天面を形成するシートと、
前記床面を前記フレーム構造体が置かれるベース面よりも高い位置に支持する支持フレームと、
前記床面の下面側へのバッテリの取り付けが可能なバッテリ取付部と、
前記床面、前記側面、及び前記天面のいずれかに設けられたアウトレットと、
前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリと前記アウトレットを接続するバッテリ接続部と、
を備えるフレーム構造体。
【請求項2】
前記床面の上面に設けられて、空気の注入により膨張し、膨張時の外周が前記床面の枠組みの外周よりも大きいエアクッションを備える
請求項1に記載のフレーム構造体。
【請求項3】
前記バッテリ取付部は、前記枠フレームに取り付けられている
請求項1又は請求項2に記載のフレーム構造体。
【請求項4】
前記バッテリ接続部と前記バッテリ以外の外部バッテリとを接続するための外部バッテリ接続部を備える
請求項3に記載のフレーム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床骨組体を設営地の地面から所定の高さに支持する複数のジャッキを備えることにより、設営地の地形状態にかかわらず設営することができるようにした床付きテントユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-328598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、テントに対する用途として、宿泊以外に、移動自在なパーソナル空間としての用途が高まっている。そして、このように、テントをパーソナル空間として使用する場合、テント内で種々の家電製品を使用して快適な時間を過ごしたいという要望がある。しかしながら、従来のテントを使用する場合には、テントとは別にポータブル電源や発電機を持ち歩かなければならず、手軽に持ち運ぶことが難しいという不都合がある。また、テントに持ち込んだ、或いはテントのそばに置いたポータブル電源や発電機と、テント内の家電製品を接続する準備が面倒であるという不都合がある。
本願はかかる背景に鑑みてなされたものであり、家電製品の使用が容易なパーソナル空間を区画し、持ち運びが容易なフレーム構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための態様として、利用者を収容可能な空間を区画するフレーム構造体であって、前記空間の組み立て式の枠組みを形成する複数の枠フレームと、前記枠組みに張られることにより、前記空間の床面、側面、及び天面を形成するシートと、前記床面を前記フレーム構造体が置かれるベース面よりも高い位置に支持する支持フレームと、前記床面の下面側へのバッテリの取り付けが可能なバッテリ取付部と、前記床面、前記側面、及び前記天面のいずれかに設けられたアウトレットと、前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリと前記アウトレットを接続するバッテリ接続部と、を備えるフレーム構造体が挙げられる。
【0006】
上記フレーム構造体において、前記床面の上面に設けられて、空気の注入により膨張し、膨張時の外周が前記床面の枠組みの外周よりも大きいエアクッションを備える、構成としてもよい。
【0007】
上記フレーム構造体において、前記バッテリ取付部は、前記枠フレームに取り付けられている、構成としてもよい。
【0008】
上記フレーム構造体において、前記バッテリ接続部と前記バッテリ以外の外部バッテリとを接続するための外部バッテリ接続部を備える、構成としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記フレーム構造体によれば、家電製品の使用が容易なパーソナル空間を区画し、持ち運びが容易なフレーム構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、フレーム構造体の構成図である。
図2図2は、床面シートの取り付け態様の説明図である。
図3図3は、フレーム構造体の撤収手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.フレーム構造体の構成]
図1を参照して、本実施形態のフレーム構造体1の構成について説明する。図1のA1はフレーム構造体1の正面図であり、A2はフレーム構造体1の右側面図である。
【0012】
フレーム構造体1は、複数の枠フレーム11をジョイント12により接続して形成され、利用者Uを収容可能な空間Sを区画する枠組み10と、枠組み10に張られて空間Sの床面、側面、及び天面を形成するシート20(床面シート20a、側面シート20b、天面シート20c)と、床面シート20aにより形成される床面Fを、フレーム構造体1が置かれるベース面G(屋外の地面、屋内の床面等)よりもhだけ高い位置に支持する支持フレーム13を備えている。なお、床面シート20a、側面シート20b、及び天面シート20cは、つながった1枚のシートであってもよい。
【0013】
さらに、フレーム構造体1は、バッテリ30を床面Fの下面側に取り付けるバッテリ取付部31a、31b、側面シート20bに設けられたアウトレット32、バッテリ30とアウトレット32を接続するバッテリケーブル33(本開示のバッテリ接続部に相当する)、及び床面Fに置かれたエアクッション40を備えている。バッテリ取付部31a,31bは、バッテリ30を床面Fの枠フレーム11a,11bに固定して取り付ける。これにより、バッテリ30を床面シート20aに取り付けた場合よりも、バッテリ30を安定して取り付けることができる。
【0014】
アウトレット32には、商用電源と同仕様の交流電力を供給するコンセントと、USB(Universal Serial Bus、登録商標)ポートが備えられている。バッテリ30は、バッテリとバッテリから出力される直流電力を商用電源と同仕様の交流電力に変換するインバータを有しており、USBポート用の直流電力とコンセント用の交流電力をアウトレット32に供給する。
【0015】
エアクッション40は、空気の注入によって膨張し、膨張時時の外周が床面Fの外周よりも大きくなる。これにより、利用者Uがエアクッション40に座ったときに、利用者Uによる荷重がエアクッションにより床面Fの外側に分散されるため、床面Fが下がってバッテリ30がベース面Gに接触することを防止することができる。
【0016】
バッテリ30には、バッテリ30の出力端子を外部バッテリに接続するための外部バッテリ接続部34が備えられている。図1では、外部バッテリとして、他のフレーム構造体1’に取り付けられているバッテリ30’を例示している。
【0017】
この場合、他のフレーム構造体1’の利用者は、バッテリ30’の残量が少なくなったときに、外部接続ケーブル35によって、バッテリ30’をバッテリ30の外部バッテリ接続部34と接続することにより、バッテリ30から供給される電力を使用することができる。そのため、他のフレーム構造体1’の利用者は、残量が少なくなったバッテリ30’を交換することなく、他のフレーム構造体1’での家電製品の使用を継続することができる。
【0018】
吹き出しWに示したように、フレーム構造体1の前面には、前面シート21をファスナー22によって取り付けることができる。また、側面シート20bの上部には、メッシュ生地等による通気部24が設けられている。
【0019】
[2.枠フレームへの床面シートの取り付け態様]
図2を参照して、床面用の枠フレーム11cへの床面シート20aの取り付け態様について説明する。B1に示したように、床面シート20aには、スリーブ25が設けられており、先ず、利用者Uがスリーブ25に枠フレーム11aを通すことによって、床面シート20aがX方向及びY方向に大まかに位置決めされる。
【0020】
次に、利用者Uは、床面シート20aの端を手Hで持って、矢印tで示したように、手前に引っ張ってテンションをかけながら、枠フレーム11cに沿って床面シート20aの下面側に折り曲げる。そして、利用者Uは、B2に示したように、床面シート20aの下面に設けられた面ファスナー26(ベルクロ(登録商標)、マジックテープ(登録商標)等)を結合させて、床面シート20aを枠フレーム11cに固定する。
【0021】
この場合、床面シート20aは、X方向とY方向で、異なる張り方で枠フレーム11aに張られているため、B2に示した床面シート20aにより形成される床面Fのテンションが強くなる。そのため、組み立て式のフレーム構造体1の剛性を高く維持することができる。
【0022】
[3.フレーム構造体の撤収手順]
図3を参照して、フレーム構造体1の使用を終了して、フレーム構造体1を撤収する際の手順について説明する。利用者Uは、先ず、C1に示したように、バッテリケーブル33をアウトレット32から外して、バッテリ30をバッテリ取付部31a,31b(図1参照)から取り外す。そして、利用者Uは、フレーム構造体1の上部1aと下部1bを接続するジョイント12から上部1aを外して、上部1aと下部1bを分離する。
【0023】
次に、利用者Uは、C2に示したように、枠フレーム11からシート20を外し、折り畳んだシート20を収容袋60に収容する。また、利用者Uは、エアクッション40を取り出して空気を抜き、折り畳んだエアクッション40を収容袋61に収容する。
【0024】
次に、利用者Uは、C3に示したように、枠フレーム11及び支持フレーム13をジョイント12から外して、単体の状態としてまとめる。そして、利用者Uは、シート20を収容した収容袋60、エアクッション40を収容した収容袋61、単体の状態としてまとめた枠フレーム11、ジョイント12、支持フレーム13、及びバッテリ30とバッテリケーブル33を、1つの収容バック70にまとめて収容する。
【0025】
利用者Uは、このようにして、フレーム構造体1を容易に分解して撤収することができる。そして、利用者Uは、1つの収容バック70を気軽に持ち運んで、気に入った場所でフレーム構造体を組み立てて、パーソナルスペースを確保することができる。
【0026】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、エアクッション40を備えることにより、床面シート20aによる床面Fに加わる利用者Uの荷重を分散させたが、床面シート20aによる床面Fの耐荷重が十分である場合には、エアクッション40を省略してもよい。
【0027】
上記実施形態では、バッテリ30を枠フレーム11に取り付けるバッテリ取付部31a、31bを示したが、床面シート20aの下面にバッテリ30を取り付ける構成としてもよい。この場合、例えば、ポケット形状を有してバッテリ30を収容するバッテリ取付部を、床面シート20aの下面に備えてもよい。
【0028】
上記実施形態では、バッテリ30を外部バッテリ30’に接続するための外部バッテリ接続部34を備えたが、外部バッテリ接続部34を省略した構成としてもよい。
【0029】
なお、図1は、本開示の発明の理解を容易にするために、フレーム構造体1の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、フレーム構造体1の機能構成を、他の区分によって構成してもよい。
【0030】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0031】
(構成1)利用者を収容可能な空間を区画するフレーム構造体であって、前記空間の組み立て式の枠組みを形成する複数の枠フレームと、前記枠組みに張られることにより、前記空間の床面、側面、及び天面を形成するシートと、前記床面を前記フレーム構造体が置かれるベース面よりも高い位置に支持する支持フレームと、前記床面の下面側へのバッテリの取り付けが可能なバッテリ取付部と、前記床面、前記側面、及び前記天面のいずれかに設けられたアウトレットと、前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリと前記アウトレットを接続するバッテリ接続部と、を備えるフレーム構造体。
構成1のフレーム構造体によれば、家電製品の使用が容易なパーソナル空間を区画し、持ち運びが容易なフレーム構造体を提供することができる。また、バッテリ収容部を床面の下面側に設けることにより、フレーム構造体が風で飛ばされことを、バッテリ収容部に収容されたバッテリの重量によって抑制することができる。
【0032】
(構成2)前記床面の上面に設けられて、空気の注入により膨張し、膨張時の外周が前記床面の枠組みの外周よりも大きいエアクッションを備える、構成1に記載のフレーム構造体。
構成2のフレーム構造体によれば、利用者が床面に座って床面に荷重が加わったときに、エアクッションを介して荷重が分散されて、床面の沈み込みが抑制される。これにより、バッテリ収容部がベース面に接触して、バッテリに負荷がかかることを防止することができる。
【0033】
(構成3)前記バッテリ取付部は、前記枠フレームに取り付けられている、構成1又は構成2に記載のフレーム構造体。
構成3のフレーム構造体によれば、バッテリ収容部を床面のシート部ではなく枠フレームに取り付けることにより、バッテリ取付部の剛性を確実に確保することができる。
【0034】
(構成4)前記バッテリ接続部と前記バッテリ以外の外部バッテリとを接続するための外部バッテリ接続部を備える、構成1か構成3のうちいずれか1つの構成に記載のフレーム構造体。
構成4のフレーム構造体によれば、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリの残量に余裕があるときに、残力が少ない外部バッテリに電力を供給して、外部バッテリに接続された電気機器の使用を継続させることができる。
【符号の説明】
【0035】
1…フレーム構造体、10…枠組み、11…枠フレーム、12…ジョイント、13…支持フレーム、20…シート、20a…床面シート、26…面ファスナー、30…バッテリ、31…バッテリ取付部、32…アウトレット、33…バッテリ接続ケーブル、34…外部バッテリ接続部、35…外部接続ケーブル、40…エアクッション、60…シートの収容袋、61…エアクッションの収容袋、70…収容バック、U…利用者、F…床面、G…ベース面。
図1
図2
図3