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特開2024-49514開閉バルブおよび多段型減圧式濾過装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049514
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】開閉バルブおよび多段型減圧式濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/01 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B01D29/04 510A
B01D29/04 530A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155770
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232885
【氏名又は名称】株式会社ロキテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】金城 隆司
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116BB01
4D116BC06
4D116DD01
4D116EE03
4D116EE12
4D116KK06
4D116QB41
4D116QC08A
(57)【要約】
【課題】濾過すべき液体の液位に応じて、開放されていた貫通孔が閉止することが求められる。
【解決手段】内部に液体が流入する液体流入容器の前記内部を減圧する貫通孔の開閉バルブであって、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が低いときには前記貫通孔とは嵌合せずに前記貫通孔を開放する開放位置と、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位が所定の高さに到達したときに前記貫通孔に嵌合して前記貫通孔の閉止を行う閉止位置との間を可動な弁体を有する開閉バルブにより解決する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体が流入する液体流入容器の前記内部を減圧する貫通孔の開閉バルブであって、
前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が低いときには前記貫通孔とは嵌合せずに前記貫通孔を開放する開放位置と、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位が所定の高さに到達したときに前記貫通孔に嵌合して前記貫通孔の閉止を行う閉止位置との間を可動な弁体を有する開閉バルブ。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉バルブであって、前記開閉バルブは、
前記弁体は前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位によって浮上するフロート部材である開閉バルブ。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉バルブであって、前記開閉バルブは、
前記弁体は前記液体流入容器の前記内部の側面に配置される弁体収納部内に保持され、前記弁体は前記弁体収納部内で前記液体の前記液位によって浮上して前記開放位置から前記閉止位置に移動する開閉バルブ。
【請求項4】
請求項3に記載の開閉バルブであって、前記弁体は凸面を備え、前記閉止位置では前記凸面が前記貫通孔に嵌合される開閉バルブ。
【請求項5】
請求項1に記載の開閉バルブであって、前記開閉バルブは、
前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位によって浮上するフロート部材と、
前記弁体と前記フロート部材との間に結合されるバルブアームと、を備え、
前記バルブアームは前記弁体と前記フロート部材との間に、前記液体流入容器に対して回転可能に前記バルブアームを保持する枢軸を備え、
前記バルブアームは前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位に応じて、前記弁体が前記開放位置と前記閉止位置との間を回動する開閉バルブ。
【請求項6】
請求項5に記載の開閉バルブであって、前記弁体は凸面を備え、前記閉止位置では前記凸面が前記貫通孔に嵌合される開閉バルブ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の開閉バルブであって、
前記液体流入容器は外殻壁の内部に配置されていて、
前記外殻壁の前記内部を減圧することで前記液体流入容器の前記内部の前記減圧を行う開閉バルブ。
【請求項8】
液体を格納する液体格納容器と、
貫通孔を有し前記貫通孔を介して内部が減圧されて前記液体が前記液体格納容器から前記貫通孔と異なる流路を介して前記内部へと流入する液体流入容器と、を備え、前記液体格納容器は前記液体流入容器の上に重ねられる多段型減圧式濾過装置であって、
前記液体流入容器は開閉バルブを備え、
前記開閉バルブは、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が低いときには前記貫通孔とは嵌合せずに前記貫通孔を開放する開放位置と、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が所定の高さに到達したときに前記貫通孔に嵌合して前記貫通孔の閉止を行う閉止位置との間を可動な弁体を有する多段型減圧式濾過装置。
【請求項9】
請求項8に記載の多段型減圧式濾過装置であって、前記開閉バルブは、
前記弁体が前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位によって浮上するフロート部材である多段型減圧式濾過装置。
【請求項10】
請求項9に記載の多段型減圧式濾過装置であって、前記開閉バルブは、
前記弁体が前記液体流入容器の前記内部の側面に配置される弁体収納部内に保持され、前記弁体は前記弁体収納部内で前記液体の前記液位によって浮上して前記開放位置から前記閉止位置に移動する多段型減圧式濾過装置。
【請求項11】
請求項10に記載の多段型減圧式濾過装置であって、前記弁体は凸面を備え、前記閉止位置では前記凸面が前記貫通孔に嵌合される多段型減圧式濾過装置。
【請求項12】
請求項8に記載の多段型減圧式濾過装置であって、前記開閉バルブは、
前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位によって浮上するフロート部材と、
前記弁体と前記フロート部材との間に結合されるバルブアームと、を備え、
前記バルブアームは前記弁体と前記フロート部材との間に、前記液体流入容器に対して回転可能に前記バルブアームを保持する枢軸を備え、
前記バルブアームは前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位に応じて、前記弁体が前記開放位置と前記閉止位置との間を回動する多段型減圧式濾過装置。
【請求項13】
請求項12に記載の多段型減圧式濾過装置であって、前記弁体は凸面を備え、前記開閉バルブは前記閉止位置において前記凸面が前記貫通孔に嵌合される多段型減圧式濾過装置。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか一項に記載の多段型減圧式濾過装置であって、
前記液体流入容器は外殻壁の内部に配置されていて、
前記外殻壁の前記内部を減圧することで前記液体流入容器の前記内部の前記減圧を行う多段型減圧式濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉バルブおよび多段型減圧式濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、組立式の多段型減圧式濾過装置が開示されている。多段型減圧式濾過装置は、たとえば3段以上の複数個の容器を鉛直方向に重ねて多段型として組み立てられ、2回以上の濾過プロセスを有する装置である。上方に配置される容器の底部には濾過材が配置され、その容器内には濾過すべき流体が容れられる。そして、その容器の直下の下側容器の環境を真空に減圧することで生じる圧力差により濾過すべき流体が濾過材を通過して、濾過された液体が直下の下側容器内に貯まるものである。
【0003】
たとえば、図5には、3個の容器が重ねられている多段型減圧式濾過装置9の例を示している。重ねられている状態で、最上部の容器を第1容器91、第1容器91の直下の容器を第2容器92、第2容器92の直下の容器を第3容器93とする。重ねられている状態で、第1容器91の下側外面と第2容器92の内面との間で閉空間が、第2容器92の下側外面と第3容器93の内面との間で閉空間が、第3容器93の下側外面と脱気装置94との間で閉空間が、それぞれ画定される。第3容器93の下側外面と脱気装置94とで画定される閉空間に脱気装置94の脱気孔94aが連通している。
【0004】
第1容器91の底部には第1濾材91aが配置され、第1濾材91aの下側に第1濾過液孔91bが穿設される。第1容器91は、第1濾材91aと第1濾過液孔91bとを介して、第2容器92と流体的に連通する。第2容器92の底部には第2濾材92aが配置され、第2濾材92aの下側に第2濾過液孔92bが穿設される。第2容器92は、第2濾材92aと第2濾過液孔92bとを介して、第3容器93と流体的に連通する。第3容器93には脱気孔93aが配置されている。
【0005】
脱気装置94により、第3容器93の下側外面と脱気装置94とで画定される閉空間が、脱気装置94の脱気孔94aへと向かう空気流AF9のように、脱気されて減圧されると、第3容器93の脱気孔93aを介して、第3容器93の内部(第2容器92の下側外面と第3容器93の内面との間で閉空間)が減圧される。
【0006】
これに続いて、第2容器92の内部(第1容器91の下側外面と第2容器92の内面との間で画定される閉空間)の空気は第2容器の第2濾材92aと第2濾過液孔92bを介して排出されて、第2容器92の内部が減圧される。第2容器92の内部が減圧されると、第1濾材91aと第1濾過液孔91bとを介して第1容器91の内部と第2容器92の内部との間で圧力差を生じる。
【0007】
濾過すべき液体L91はまず第1容器91に格納される。第1容器91の内部と第2容器92の内部との間の圧力差で、液体L91は第1濾材91aと第1濾過液孔91bとを通過して濾過されて、液体L92として第2容器92の内部へと流入し溜まっていく。液体L92として第2容器92の内部へと流入した段階で、第2容器92の内部の圧力は大気圧を回復する。
【0008】
第2容器92の内部へと流入した液体L92は、第2容器92の内部と第3容器93の内部との間の圧力差で、第2濾材92aと第2濾過液孔92bとを介して、濾過された最終的な液体は第3容器93へと流入して、第3容器93の内部に貯まる仕組みである。
【0009】
すなわち、第3容器93の直下には真空ポンプなどの脱気装置94が配置される。第1容器91に液体L91が格納されて液体格納容器と機能し、第1容器91の直下の第2容器92が濾過された液体L92が流入して溜まる液体流入容器として機能し、第1濾材91aによる1回目の濾過プロセスが実行される。さらに、続いて、液体L92が溜まっている第2容器92が液体格納容器として機能し、第2容器92の直下の第3容器93が濾過された液体が流入して溜まる液体流入容器として機能し、第2濾材92aによる2回目の濾過プロセスが実行される。
【0010】
このように、多段型減圧式濾過装置では、理論的に、複数の容器を組み立てることで、段数に応じた回数だけ、濾材を変化させてのプロセス的な濾過を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2021-186786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、2回の濾過プロセスを実現する場合、2回目の濾過プロセスで液体格納容器として機能する第2容器92の第2濾材92aが液体L92により湿潤するために、通気性が低下して、減圧が困難にする問題がある。このため、直下の容器を真空に減圧する際には、1回目の濾過プロセスでの液体流入容器(下側容器)が2回目の濾過プロセスにおいて液体格納容器(上側容器)として機能する際の液体の流路とは別に、液体流入容器の内部を真空にするための貫通孔を配置し、この貫通孔を介して、直下の容器の内部を真空にすることが考えられる。
【0013】
さらに、この場合に、1回目の濾過プロセスでの液体流入容器が2回目の濾過プロセスにおいて液体格納容器に切り替わる際に、濾過すべき液体の液位に応じて、開放されていた貫通孔が閉止することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
内部に液体が流入する液体流入容器の前記内部を減圧する貫通孔の開閉バルブであって、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が低いときには前記貫通孔とは嵌合せずに前記貫通孔を開放する開放位置と、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の前記液位が所定の高さに到達したときに前記貫通孔に嵌合して前記貫通孔の閉止を行う閉止位置との間を可動な弁体を有する開閉バルブにより解決する。
【0015】
液体を格納する液体格納容器と、貫通孔を有し前記貫通孔を介して内部が減圧されて前記液体が前記液体格納容器から前記貫通孔と異なる流路を介して前記内部へと流入する液体流入容器と、を備え、前記液体格納容器は前記液体流入容器の上に重ねられる多段型減圧式濾過装置であって、前記液体流入容器は開閉バルブを備え、前記開閉バルブは、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が低いときには前記貫通孔とは嵌合せずに前記貫通孔を開放する開放位置と、前記液体流入容器の前記内部の前記液体の液位が所定の高さに到達したときに前記貫通孔に嵌合して前記貫通孔の閉止を行う閉止位置との間を可動な弁体を有する多段型減圧式濾過装置により解決する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、濾過すべき液体の液位に応じて、開放されていた貫通孔が閉止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の第1の実施の形態の開閉バルブを有する多段型減圧式濾過容器の分解された状態を示している。
図1B】本発明の第1の実施の形態の開閉バルブを有する多段型減圧式濾過容器の組み合わされている状態を示している。
図2】本発明の第1の実施の形態の開閉バルブを示している。
図3A】本発明の第2の実施の形態の開閉バルブを示している。
図3B】本発明の第3の実施の形態の開閉バルブを示している。
図3C】本発明の第4の実施の形態の開閉バルブを示している。
図3D】本発明の第5の実施の形態の開閉バルブを示している。
図4】本発明の第6の実施の形態の開閉バルブを示している。
図5】従来の多段型減圧式濾過容器を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1Aから図2を参照して、本発明の開閉バルブ1と、開閉バルブ1が適用される多段型減圧式濾過装置2について説明する。図1Aは本発明の第1の実施の形態の開閉バルブを有する多段型減圧式濾過容器の分解された状態を示している。図1Bは、図1Aの多段型減圧式濾過容器が組み合わされている状態を示している。図2は開閉バルブ1の第1の実施の形態である開閉バルブ1aを示している。
【0019】
多段型減圧式濾過装置2は、開閉バルブ1と、第1容器21、第2容器22、第3容器23、脱気装置24とを備える。多段型減圧式濾過装置2は、開閉バルブ1を備える点以外は、前記の従来の多段型減圧式濾過装置9と同様である。
【0020】
すなわち、最上部の容器を第1容器21とし、第1容器21の直下に第2容器22を、第2容器22の直下に第3容器23を重ねるように組み合わされる。重ねられている状態で、第1容器21の下側外面と第2容器22の内面との間で閉空間が、第2容器22の下側外面と第3容器23の内面との間で閉空間が、第3容器23の下側外面と脱気装置24との間で閉空間が、それぞれ画定される。第3容器23の下側外面と脱気装置24とで画定される閉空間に脱気装置24の脱気孔24aが連通している。特に、第3容器23は外殻壁の内部に配置されるようにして、この外殻壁の内側が第3容器23の下側外面と脱気装置24とで画定される閉空間となるように構成させて、この外殻壁の内部を減圧することで液体流入容器である第3容器23の内部の減圧を実現することができる。
【0021】
第1容器21の底部には第1濾材21aが配置され、第1濾材21aの下側に第1濾過液孔21bが穿設される。第1容器21は、第1濾材21aと第1濾過液孔21bとを介して、第2容器22と流体的に連通する。第2容器22の底部には第2濾材22aが配置され、第2濾材22aの下側に第2濾過液孔22bが穿設される。第2容器22は、第2濾材22aと第2濾過液孔22bとを介して、第3容器23と流体的に連通する。第3容器23には貫通孔23aが配置されている。
【0022】
第2容器22はその側面に貫通孔22cを有している。貫通孔22cは第2容器22の内外の圧力環境が同じなるように第2容器22の内外を流体的に連通させる。開閉バルブ1は、第2容器22の側面の貫通孔22cの付近に配置されて、貫通孔22cを開放し、または貫通孔23aの閉鎖を行う。開閉バルブ1は、貫通孔22cを開放する開放状態で、内部に液体が流入する第2容器22の内部の空気を容器の外部に排気する。開閉バルブ1は、貫通孔22cと嵌合可能な弁体を有する。開閉バルブ1の弁体は、第2容器22の内部の液体の液位が低いときには貫通孔22cとは嵌合しない開放する開放位置と、第2容器22の内部の液体の液位が所定の高さに到達したときに貫通孔に嵌合して貫通孔22cの閉止を行う閉止位置との間を可動である。開閉バルブ1が開放位置にあるときに、第2容器22の内部(第1容器21の下側外面と第2容器22の内面との間で画定される閉空間)の空気は貫通孔22cを介して排出されて第2容器22の内部が減圧される。第2容器22の内部が減圧されると、第1濾材21aと第1濾過液孔21bとを介して第1容器21の内部と第2容器22の内部との間で圧力差を生じる。
【0023】
たとえば、開閉バルブ1の代表例の開閉バルブ1aでは弁体111を備える。弁体111は、材料または構造により、いかなる液体でも浮力を生じて浮上する機能を有している。材料としてはたとえば発泡材など、構造としては中空構造など、浮力を生じさせるすべての材料および構造を選択することができる。弁体111は、第2容器22の内部の液体L22の液位によって浮上するフロート部材として機能する。弁体111は第2容器22の内部の側面に配置される弁体収納部112内に保持される。弁体収納部112は、貫通隙間113を有している。貫通隙間113は、貫通孔22cを介しての第2容器22の内外の連通を阻害しないように、第2容器22の内側と弁体収納部112内とを流体的に連通させる隙間である。また、貫通隙間113は、弁体収納部112内の液体L22が弁体収納部112内に流入するために機能し、第2容器22の内部の液体L22の液位と、貫通隙間113内の液体L22の液位とに、差が生じないように機能する。弁体111は弁体収納部112内で液体L22の液位の上昇によって浮上して貫通孔22cを開放している開放位置から、貫通孔22cを閉止する閉止位置に移動することが可能である。弁体111は一旦閉止位置に移動すると、貫通孔22cの外側から吸い出されるようになり、弁体111は閉止位置において、第2容器22の内外の圧力差によって第2容器22の内側から外側に吸い出されて、貫通孔22cに嵌合して貫通孔22cを閉止するように固定される。弁体111は貫通孔22cに嵌合する形状を有している。たとえば、弁体111は凸面を備え、閉止位置で、その凸面が貫通孔22cに嵌合する。弁体111は貫通孔22cに隙間なく嵌合する形状であって、一旦、弁体111が閉止位置になって貫通孔22cに嵌合して固定されると、その後に液体L22の液位が下降しても、弁体111の貫通孔22cへの嵌合は維持され、弁体111は閉止位置にとどまる。弁体111が貫通孔22cを閉止して固定する閉止状態が維持される。すなわち、濾過プロセスが完了しても、弁体111は閉止位置で保持される。弁体111の凸面は貫通孔22cに隙間なく嵌合する限り、形状は限定されない。貫通孔22cが円形である場合、弁体111の凸面は代表的には曲面である。特に、弁体111の凸面は球面とすることができる。弁体111は曲面形状により貫通孔22cに嵌合して閉止位置にとどまりやすい。
【0024】
続いて、多段型減圧式濾過装置2と開閉バルブ1とが、いかに機能するかについて説明する。まず、脱気装置24を起動させる。第3容器23の下側外面と脱気装置24とで画定される閉空間は、脱気装置24により、脱気装置24の脱気孔24aへと向かう空気流AF2のように脱気されて減圧される。第3容器23の貫通孔23aを介して、第3容器23の内部(第2容器22の下側外面と第3容器23の内面との間で閉空間)が減圧される。
【0025】
濾過すべき液体L21はまず第1容器21に格納される。第1容器21の内部と第2容器22の内部との間の圧力差で、液体L21は第1濾材21aと第1濾過液孔21bとを通過して濾過されて、液体L22として第2容器22の内部へと流入し溜まっていく。液体L22として第2容器22の内部へと流入した段階で、第2容器22の内部の圧力は大気圧を回復する。まだ液体L22の液位が開閉バルブ1の弁体111は弁体収納部112内で貫通孔22cを開放している開放位置にある。液体L22として第2容器22の内部へと流入し、液体L22の液位が徐々に上昇するにしたがって、開閉バルブ1の弁体111は弁体収納部112内で上昇する。液体L22の液位が上昇して所定の位置に達したときに、弁体111は貫通孔22cを閉止する閉止位置に移動し、弁体111の凸面が貫通孔22cに嵌合する。
【0026】
開閉バルブ1が貫通孔22cを閉止すると、第2容器22の内部の脱気は停止して、第3容器23の内部のみが脱気されて減圧されるようになる。第2容器22の内部へと流入した液体L22は、第2容器22の内部と第3容器23の内部との間の圧力差で、第2濾材22aと第2濾過液孔22bとを介して、最終的に第3容器23へと流入して、第3容器23の内部に貯まる。
【0027】
これにより、第1容器21が液体格納容器であり第2容器22が液体流入容器として機能する第1濾過プロセスの段階で、第2濾材22aが湿潤して通気性を失ったとしても、第2容器22が液体流入容器として機能する際には開閉バルブ1が開放位置にあって貫通孔22cによる脱気経路が確保され、第2容器22の内部の脱気が可能となる。
【0028】
そして、第1濾過プロセスに続く第2濾過プロセスの段階で、第2容器22が液体格納容器であり第3容器23が液体流入容器として機能する際には、開閉バルブ1が閉止位置に切り替わって、第2容器22の内部の脱気を行わないように切り替えることが可能となる。
【0029】
このように、3段以上の容器を重ねて2回以上の連続する濾過プロセスを実現する多段型減圧式濾過装置2に開閉バルブ1を適用することにより、第1濾過プロセスの段階では液体格納容器としての第1容器21の内部の圧力に対して液体流入容器としての第2容器22の内部の圧力を低くし、第2濾過プロセスの段階では液体格納容器としての第2容器22の内部の圧力に対して液体流入容器としての第3容器23の内部の圧力を低くすることが可能となり、上段から下段への順序に沿った濾過すべき流体の流れを喚起することが可能となる。
【0030】
[第2の実施の形態]
続いて、図3Aを参照して、本発明の第2の実施の形態としての開閉バルブ1bについて説明する。開閉バルブ1bが適用される多段型減圧式濾過装置2は第1の実施の形態と同じである。すなわち、多段型減圧式濾過装置2は、開閉バルブ1bと、第1容器21、第2容器22、第3容器23、脱気装置24とを備える。開閉バルブ1b以外は第1の実施の形態と同じであるので説明は割愛する。図3Aは開閉バルブ1の第2の実施の形態である開閉バルブ1bを示している。
【0031】
開閉バルブ1bは、弁体121と、フロート部材122と、バルブアーム123aと、枢軸124とを備える。弁体121は、は凸面を備え、閉止位置で、その凸面が貫通孔22cに嵌合する。弁体121の凸面の形状は貫通孔22cに隙間なく嵌合する限り限定されない。貫通孔22cが円形である場合、弁体121の凸面は代表的には曲面である。たとえば、弁体121の凸面は球面とすることができる。ただし、弁体121は凸面を備えている限り、曲面である必要はない。弁体121は貫通孔22cに隙間なく嵌合する形状であって、一旦、弁体121が閉止位置になって貫通孔22cに嵌合して固定されると、その後に液体L22の液位が下降しても、弁体121の貫通孔22cへの嵌合は維持され、弁体121は閉止位置にとどまる。弁体121が貫通孔22cを閉止して固定する閉止状態が維持される。弁体121は、容器の内外圧の差により容器外側に吸い出されて貫通孔22cに嵌合して閉止位置にとどまるように作用するものであるが、弁体121は形状により貫通孔22cに嵌合して閉止位置にとどまるようにすることが好ましい。すなわち、濾過プロセスが完了しても、弁体121は閉止位置で保持される点は実施の形態1と同様である。フロート部材122は、第1の実施の形態と同様に、材料または構造(たとえば中空構造)により、いかなる液体でも浮力を生じて浮上する機能を有していて、第2容器の内部の液体L22の液位によって浮上する。バルブアーム123aは、両端が弁体121とフロート部材122に取り付けられていて、弁体121とフロート部材122との間に配置される。バルブアーム123aは弁体121とフロート部材122との間に、第2容器22に対して回転可能にバルブアーム123aを保持する枢軸124を備える。バルブアーム123aは、枢軸124から弁体121までのアーム部と枢軸124からフロート部材122までのアーム部とが一または複数の部材で一体化して形成されて形状であって、バルブアーム123aの一端に弁体121がバルブアーム123aの他端にフロート部材122が配置される。バルブアーム123aの回転中心となる枢軸124は弁体121とフロート部材122との間に位置するように配置される。フロート部材122の位置は枢軸124の位置よりも第2容器22の壁面から離れて位置に設定される。弁体121が第2容器22の壁に必ず接近する方向に回転し、弁体121が第2容器22の壁から離れる方向に回転することを防止するようにバルブアーム123aを設置するためである。枢軸124は保持ブラケット125によりバルブアーム123aを回転可能に保持する。保持ブラケット125は第2容器22に対して固定される。
【0032】
バルブアーム123aにより、弁体121は、第2容器22の内部の液体L22の液位に応じて、図3Aの矢印の様に、枢軸124まわりに開放位置と閉止位置との間を回動する。バルブアーム123aの形状は、弁体121が第2容器22の内部の液体L22の液位に応じて、開放位置と閉止位置との間を枢軸124まわりに回動できる限り、自由に選択できる。
【0033】
本実施の形態のバルブ構造において、フロート部材122は力点、枢軸124は支点、弁体121は作用点に該当して、貫通孔22cの側から、水平方向に、作用点である弁体121、支点である枢軸124、力点であるフロート部材122の順に並んでいる。この実施の形態では、フロート部材122は枢軸の真下となる下死点よりも貫通孔22cから離れている必要があり、そのように弁体121、フロート部材122およびバルブアーム123aの重心が調整される。
【0034】
[第3の実施の形態]
続いて、図3Bを参照して、本発明の第3の実施の形態としての開閉バルブ1cについて説明する。開閉バルブ1cが適用される多段型減圧式濾過装置2は第1の実施の形態と同じであるので説明は割愛する。図3Bは開閉バルブ1の第3の実施の形態である開閉バルブ1cを示している。第3の実施の形態では、フロート部材122と枢軸124との距離を、第2の実施の形態におけるフロート部材122と枢軸124との距離よりも大きくしている点に特徴がある。これにより、第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対して、弁体121が第2容器22の壁に近づく方向に必ず回転し、弁体121が第2容器22の壁から離れる方向に回転することを防止することが可能となる。すなわち、この実施の形態は、フロート部材122が枢軸の真下となる下死点よりも貫通孔22cから、第2の実施の形態よりも離れるように、バルブアーム123bの形状により、弁体121、フロート部材122およびバルブアーム123bの重心を調整するものである。
【0035】
第2の実施の形態の開閉バルブ1cでは、図3Aのような直線状のバルブアーム123aではなく、図3Bのように曲がった形状のバルブアーム123bとしている。バルブアーム123b以外、弁体121、フロート部材122、枢軸124、保持ブラケット125は第2の実施の形態と同様である。
【0036】
[第4の実施の形態]
続いて、図3Cを参照して、本発明の第4の実施の形態としての開閉バルブ1dについて説明する。開閉バルブ1dが適用される多段型減圧式濾過装置2は第1の実施の形態と同じであるので説明は割愛する。図3Cは開閉バルブ1の第4の実施の形態である開閉バルブ1dを示している。
【0037】
第4の実施の形態の開閉バルブ1cでは、第2の実施の形態および第3の実施の形態と、弁体131の形状が異なっている、バルブアーム123aまたはバルブアーム123c、フロート部材122、枢軸124、保持ブラケット125は第2の実施の形態および第3の実施の形態と同様である。
【0038】
第4の実施の形態の弁体131の形状は円錐の形状としてもよい。弁体131が貫通孔22cに隙間なく嵌合する限り限定されない。すなわち、弁体131は貫通孔22cに隙間なく嵌合する形状であって、一旦、弁体131が閉止位置になって貫通孔22cに嵌合して固定されると、その後に液体L22の液位が下降しても、弁体131の貫通孔22cへの嵌合は維持され、弁体131は閉止位置にとどまる。第4の形態では、弁体131は形状により貫通孔22cに嵌合して閉止位置にとどまりやすくなっている。弁体131が貫通孔22cを閉止して固定する閉止状態が維持される。すなわち、濾過プロセスが完了しても、弁体131が閉止位置で保持される点は第1の実施の形態から第3の実施の形態と同様である。
【0039】
[第5の実施の形態]
続いて、図3Dを参照して、本発明の第5の実施の形態としての開閉バルブ1eについて説明する。開閉バルブ1eが適用される多段型減圧式濾過装置2は第1の実施の形態と同じであるので説明は割愛する。図3Dは開閉バルブ1の第4の実施の形態である開閉バルブ1eを示しており、弁体141aは開閉バルブ1が開放位置にある状態(破線)を、弁体141bは開閉バルブ1が閉鎖位置にある状態を示している。
【0040】
第5の実施の形態の開閉バルブ1dでは、第2の実施の形態および第3の実施の形態と、弁体141の形状が異なっている、バルブアーム123aまたはバルブアーム123c、フロート部材122、枢軸124、保持ブラケット125は第2の実施の形態および第3の実施の形態と同様である。
【0041】
第5の実施の形態の弁体141は可塑性の樹脂などの素材でできていて、貫通孔22cに変形して隙間なく挿入されて嵌合することが可能である。第5の実施の形態では、弁体141が、形状により、さらに貫通孔22cに嵌合して閉止位置にとどまりやすくなっている。弁体141aは開閉バルブ1が開放位置にある状態(破線)では貫通孔22cの大きさよりも大きく、開閉バルブ1が閉鎖位置にある状態では弁体141bは貫通孔22cの大きさに合わせて貫通孔22c内に挿入されて、貫通孔22cを密閉可能である。弁体141が貫通孔22c内に挿入されるとともに、貫通孔22cの形に応じて変形する点が第4の実施の形態の特徴である。一旦貫通孔22cを閉鎖した弁体141は、第1の実施の形態から第4の実施の形態よりも、貫通孔22cに隙間なく、より適合ように嵌合する形状となっている。すなわち、ここでも、一旦、弁体141が閉止位置になって貫通孔22cに嵌合して固定されると、その後に液体L22の液位が下降しても、弁体141の貫通孔22cへの嵌合は維持され、弁体141は閉止位置にとどまる。弁体141が貫通孔22cを閉止して固定する閉止状態が維持される。すなわち、濾過プロセスが完了しても、弁体141は閉止位置で保持される点で、第1の実施の形態から第4の実施の形態と同様である。第4の実施の形態の弁体141は、弁体141が貫通孔22c内に挿入されるとともに、貫通孔22cの形に応じて変形することにより、弁体141が一旦貫通孔22cを閉鎖した後に、液22の液位が低下し、さらには内外圧の圧力差が無くなっても閉鎖状態を維持しやすい形態である。
【0042】
[第6の実施の形態]
続いて、図4を参照して、本発明の第6の実施の形態としての開閉バルブ1fについて説明する。第2の実施の形態から第5の実施の形態の説明において、たとえば、図3Aに示す第2の実施の形態のように、弁体121が液体L22の液面に近づく方向にバルブアーム123aが枢軸124周りに回転するように、弁体が液面に近づく方向にバルブアームが枢軸周りに回転する開閉バルブを例として説明した。第2の実施の形態から第5の実施の形態の各バルブ構造においては、フロート部材は力点、枢軸は支点、弁体は作用点に該当し、第2の実施の形態から第5の実施の形態の各バルブ構造では、貫通孔22cの側から作用点である弁体、支点である枢軸、力点であるフロート部材の順に並んでいて、フロート部材は枢軸の真下となる下死点よりも貫通孔22cから離れている形態であった。これは、特に、容器の底面が小さく容器の開口が大きいように、壁面が鉛直方向に広がるような傾斜を有している場合に有利である。
【0043】
しかし、回転方向は、第2の実施の形態から第5の実施の形態においても、弁体が液面に近づく方向にバルブアームが枢軸周りに回転するバルブを例に限られない。たとえば、以下に説明する第6の実施の形態のように、弁体が液面から遠ざかる方向にバルブアームが枢軸周りに回転する開閉バルブとすることもできる。第2の実施の形態から第5の実施の形態においても、本実施の形態のように、バルブアームの回転方向を、弁体が液面から遠ざかる方向に回転するように設定することも含んでいる。
【0044】
以下、図4を参照して、第6の実施の形態の開閉バルブ1fについて説明する。第6の実施の形態の開閉バルブ1fは第2の実施の形態の開閉バルブ1bの変形であるので、第2の実施の形態の開閉バルブ1bにおいて、バルブアーム123aの形状を変更し、弁体121とフロート部材122の位置関係を変更したものである。フロート部材122が材料または中空など構造により浮力を得る点は第2の実施の形態から第5の実施の形態と同様である。また、弁体121も、第2の実施の形態から第5の実施の形態と同様である。これらの部材の位置関係の違いを中心に、第2の実施の形態に対する本実施の形態での変形箇所について、説明する。
【0045】
本実施の形態が適用される開閉バルブ1eは、図4に示すように、多段型減圧式濾過装置2の第2容器22の壁面が、鉛直方向の下側から上側に向かう方向に沿って容器の内径が狭まるような傾斜を有する形状を有している場合に特に有効である。本実施の形態でも、容器内から容器外へ容器内の気体の排気のために第2容器22の壁面には貫通孔22cを有している。開閉バルブ1fは開放状態の貫通孔22cを閉鎖するバルブである点は、第1の実施の形態から第5の実施の形態と同じである。
【0046】
第2の実施の形態から第5の実施の形態のように、弁体が液面に近づく方向にバルブアームが枢軸周りに回転する開閉バルブの場合には、第2容器22の壁面の貫通孔22cに近い順に、弁体121,枢軸124,フロート部材122が並ぶ形態になる。一方、本実施の形態では、第2容器22の壁面の貫通孔22cに近い順に、弁体121,フロート部材122、枢軸124が並ぶ形態になる。たとえば、バルブアーム123aは弁体121とフロート部材122とを連結し、枢軸124を中心に、枢軸124から弁体121までのアーム部と、枢軸124からフロート部材122までのアーム部と、からなり、枢軸124から弁体121までのアーム部と、枢軸124からフロート部材122までのアーム部と、が、枢軸124から異なる角度で延出するような形状を有している。枢軸124から弁体121までのアーム部と枢軸124からフロート部材122までのアーム部とがなす角度は変わらないので、枢軸124からフロート部材122までのアーム部が回転すると、それに応じて、枢軸124から弁体121までのアーム部も回転する。枢軸124から弁体121までのアーム部は、枢軸124からフロート部材122までのアーム部の上側に位置し、枢軸124からフロート部材122までのアーム部が貫通孔22cに近づくように枢軸124周りに回転すると、枢軸124から弁体121までのアーム部も回転して、弁体121が貫通孔22cを閉鎖する。
【0047】
すなわち、第2容器22内の液体L22の液位が低い状態では、フロート部材122は液体L22に接することなく、弁体121が貫通孔22cと離れていて、貫通孔22cは開放状態にある。第2容器22内の液体L22の液位が上昇してフロート部材122に接すると、フロート部材122は液体L22により浮力を得る。第2容器22内の液体L22の液位が上昇するにつれ、フロート部材122が浮力により枢軸124からフロート部材122までのアーム部を液L22から離れて第2容器22の壁に近づくように回転させる。枢軸124からフロート部材122までのアーム部の回転により、枢軸124から弁体121までのアーム部は液L22から離れて第2容器22の壁に近づくように回転し、液L22が所定の液位にまで上昇したときに、フロート部材122も上昇を終えて、弁体121が貫通孔22cに嵌合し、弁体121が貫通孔22cを閉鎖する閉鎖状態になる。弁体121が貫通孔22cを一旦閉鎖すると、その後、液L22の液位が下降したとしても、弁体121と貫通孔22cとの嵌合は維持される点は第1の実施の形態から第5の実施の形態と同様である。
【0048】
さらに、特に第6の実施の形態の場合には、枢軸124から弁体121までのアーム部が液L22から離れて第2容器22の壁に近づくように回転して弁体121が貫通孔22cを閉鎖する閉鎖状態になるように設定するため、枢軸124について弁体121およびフロート部材122の反対側にバランサー126を配置することができる。バランサー126はたとえば、バルブアーム123aに固定されるバランサーアーム126bと、バルブアーム123aに固定されるバランサーアーム126bの端部と反対側のバランサーアーム126bの端部に取り付けられる錘126aと、を備えるように配置できる。バランサー126を適切に設定することにより、第6の実施の形態の場合において、フロート部材122の位置を、鉛直方向における下死点となる位置よりも貫通孔22cの側に寄った位置に常に配置でき、液体L22の液位の増加による回転方向を第2容器22内の液体L22の液位が上昇に伴って弁体121が液L22から離れて第2容器22の壁に近づくような方向に常に回転するように設定し、その逆に回転することを防止することが可能となる。第6の実施の形態の各バルブ構造では、貫通孔22cの側から作用点である弁体、力点であるフロート部材、支点である枢軸の順に並んでいて、フロート部材は枢軸の真下となる下死点よりも貫通孔22cに近い側に位置する形態である。
【0049】
本実施の形態は、第2の実施の形態から第5の実施の形態にも適用できる点はすでに述べた通りである。
【符号の説明】
【0050】
1 開閉バルブ
2 多段式減圧式濾過装置
21,91 第1容器(液体格納容器)
22,92 第2容器(液体流入容器)
23,93 第3容器
24,94 脱気装置
24a,94a 脱気孔
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5