IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ロキテクノの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049519
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
F16K1/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155780
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232885
【氏名又は名称】株式会社ロキテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】金城 隆司
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA25
3H052CA04
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なく簡易でコンパクトな構造で流路の開放と流路の閉鎖との切り替えが可能なバルブが求められている。
【解決手段】内部に第1流路を有し管路端部を有する管体と、内壁面により画定される前記管体の前記管路端部を受容する窪み部を有して第2流路を有するキャップであって、前記管体に沿って前記管体から離れる離間方向と前記管体に接近する接近方向とに移動可能なキャップと、を備えるバルブであって、前記キャップは前記窪み部に突起を有するバルブにより解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1流路を有し管路端部を有する管体と、
内壁面により画定される前記管体の前記管路端部を受容する窪み部を有して第2流路を有するキャップであって、前記管体に沿って前記管体から離れる離間方向と前記管体に接近する接近方向とに移動可能なキャップと、を備えるバルブであって、
前記キャップは前記窪み部に突起を有し、前記キャップは、前記接近方向の第1位置において前記突起が前記第1流路を閉鎖する第1位置と、前記離間方向の第2位置において前記突起が前記第1流路を開放する第2位置と、の間を少なくとも移動可能であるか、または前記管体は前記管路端部に突起を有し、前記キャップは、前記接近方向の第1位置において前記突起が前記第2流路を閉鎖する第1位置と、前記離間方向の第2位置において前記突起が前記第2流路を開放する第2位置と、の間を少なくとも移動可能であるバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブであって、
前記キャップが前記窪み部に前記突起を有する場合には前記管路端部の前記第1流路の端部は前記突起と密着可能な前記突起に対して相補的な角度をなす面を有するテーパ面を備え、または前記管体の前記管路端部が前記突起を有する場合には前記キャップの前記窪み部の前記第2流路の端部は前記突起と密着可能な前記突起に対して相補的な角度をなす面を有するテーパ面を備え、るバルブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記第1流路の中心軸と前記第2流路の中心軸は偏心しているバルブ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記第2流路は複数流路群からなるバルブ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記第2流路は曲がり部を有するバルブ。
【請求項6】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記第1流路の中心軸と前記第2流路とは同心であって、前記キャップが前記窪み部に前記突起を有する場合には前記第2流路の開口は前記突起の面上に配置され、前記管体の前記管路端部が前記突起を有する場合には前記第1流路の開口が前記突起の面上に配置されるバルブ。
【請求項7】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記管体と前記キャップとは、ねじ構造により嵌合されているバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
バルブでは、従来から、並進動作または回転動作により、流路を閉鎖する閉鎖状態と流路を開放する開放状態とを切り替える機構を有するものが存在する。たとえば、特許文献1に開示されるように、このようなバルブでは、たとえば、カムフォロワーがカム溝を移動することにより、バルブの閉鎖状態と開放状態との間の切り替えが喚起される機構が採用されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6503465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、機構では、流路を閉鎖する部材が閉鎖位置と開放位置とを移動するため、所定のストロークが必要になる。所定のストロークを確保するためには、バルブの構造が大きくなる問題がある。
【0005】
また、カムフォロワーとカム溝によりバルブの閉鎖状態と開放状態との間の切り替えが喚起される機構では、カム溝とカムフォロワーの配置をするために、部材の構成が複雑になる。また、それにより、流路のシール性を確保することが困難となる問題がある。
【0006】
部品点数が少なく簡易でコンパクトな構造で流路の開放と流路の閉鎖との切り替えが可能なバルブが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
内部に第1流路を有し管路端部を有する管体と、内壁面により画定される前記管体の前記管路端部を受容する窪み部を有して第2流路を有するキャップであって、前記管体に沿って前記管体から離れる離間方向と前記管体に接近する接近方向とに移動可能なキャップと、を備えるバルブであって、前記キャップは前記窪み部に突起を有し、前記キャップは、前記接近方向の第1位置において前記突起が前記第1流路を閉鎖する第1位置と、前記離間方向の第2位置において前記突起が前記第1流路を開放する第2位置と、の間を少なくとも移動可能であるか、または前記管体は前記管路端部に突起を有し、前記キャップは、前記接近方向の第1位置において前記突起が前記第2流路を閉鎖する第1位置と、前記離間方向の第2位置において前記突起が前記第2流路を開放する第2位置と、の間を少なくとも移動可能であるバルブにより解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、部品点数が少なく簡易でコンパクトな構造で流路の開放と流路の閉鎖との切り替えが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態のバルブ1の組立状態(左側)と分解状態(右側)のそれぞれの斜視図である。
図2A】本発明の第1の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図2B】本発明の第1の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
図3A】本発明の第2の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図3B】本発明の第2の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
図4A】本発明の第3の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図4B】本発明の第3の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
図4C】本発明の第3の実施の形態の変形例としてのバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図5A】本発明の第4の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図5B】本発明の第4の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
図6A】本発明の第5の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。
図6B】本発明の第5の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
図1から図2Bを参照して、本発明の第1の実施の形態のバルブ1について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のバルブ1の組立状態(左側)と分解状態(右側)のそれぞれの斜視図である。図2A図1に示す本発明の第1の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の開放状態を示している。図2Bは本発明の第1の実施の形態のバルブ1の断面図であって、バルブ1の閉鎖状態を示している。
【0011】
バルブ1は、キャップ2と管体3とを備える。キャップ2は一端に開口を有する円柱形状であって、キャップの開口と反対側に底部を有する窪み部2aを有している。キャップ2の窪み部2aは円筒状の内壁面と底部とにより画定される。キャップ2は、開口と反対側の他端にキャップ管路2bを備えている。キャップ管路2bの内部には第2流路21を有している。第2流路21は、一端にキャップ管路2bの外部に対して開口する開口端を有し、開口端の反対側の他端は窪み部2aの底部に連通する。
【0012】
管体3は管路端部3aを有し、内部に第1流路31を有する。第1流路31の一端は管路端部3aにおいて受容開口31aを形成し、第1流路31の他端は流体源(不図示)に接続される。受容開口31aは管路端部3aにおいて第1流路31の径より大きく、管路端部3aから離れるにしたがって径が徐々に小さくなって第1流路31の径と同じになるような円錐第形状をしている。
【0013】
キャップ2の内面の窪み部2aは突起4を有している。突起4の形状は受容開口31aの形状と対応する相補的な円錐形状である。すなわち、突起4は受容開口31aの軸に対して角度を有するテーパ面を有する。
【0014】
キャップ2の窪み部2aの内壁面の径は管体3の外面の外径に対応し、窪み部2aは管体3の管路端部3aと嵌合する。管体3の管路端部3aの管体3の外面にはシール材3bが配置されていて、窪み部2aの内壁面と密着する。シール材3bは窪み部2aの内壁面側に配置してもよい。シール材3bは管路端部3aの管体3の外面と窪み部2aの内壁面とのいずれか一方に配置すればよい。キャップ2の窪み部2aの内壁および底部により画定される空間は、シール材3bによってキャップ2の開口とは流体的に連通せず、第1流路31と第2流路21と、のみ流体的に連通する。
【0015】
管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌されたときには、管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が形成する。その状態からさらに、管体3の管路端部3aがキャップ2の窪み部2aに最も押し込まれた状態では、突起4の周壁が受容開口31a内の周壁と合致するように突起4と受容開口31aとが密着して、管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との流体的な接続が遮断される。
【0016】
キャップ2は、管体3に接近する接近方向の位置の第1位置と、第1位置よりも管体3から離れる離間方向の位置の第2位置との間を少なくとも相対的に移動可能である。突起4がキャップの内面の窪み部2aから突出する方向は、キャップ2が管体3に対して相対的に移動する方向に沿った方向である。第1位置および第2位置は、キャップ2と管体3との間の相対的な位置関係として画定される。管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が遮断されている位置が第1位置(閉鎖位置)と、管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が形成されている位置が第2位置(開放位置)とする。すなわち、第1位置は管体3とキャップ2とが接近する方向の所定の位置であってキャップの突起4が第1流路31を閉鎖する。一方、第2位置は管体3とキャップ2とが離間する方向の所定の位置であって突起4が第1流路31を開放して第1流路31と第2流路21とが流体的に連通する。
【0017】
キャップ2と管体3の管路端部3aはそれぞれ螺子部3cを有する螺子構造を備えるように構成することができる。すなわち、管体3とキャップ2とは、ねじ構造により嵌合されている。管体3とキャップ2とが螺嵌されていることにより、キャップ2が相対的に管体3に対して回転して管体3に沿って管体3から離れる離間方向と管体3に接近する接近方向とに移動可能である。すなわち、この構造を採用することで、第1位置と第2位置との間の移動は、管体3がキャップ2に螺嵌されていることにより喚起される。
【0018】
キャップ2と管体3とがねじ構造等により螺嵌され、キャップ2が管体3に対してキャップ2の回転軸CLまわりに回動することによりキャップ2が第1位置と第2位置との間で相対的に移動がなされる構成のときには、管体3の第1流路31の長手方向の軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸CLとが同軸でなければならない。さらに、突起4の長手方向軸、すなわち突起4は、キャップ2が管体3に対して相対的に移動する際に、突起4が進行して受容開口31a内に受容される方向の軸も、管体3の第1流路31の長手方向の軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸CLと、同軸として画定される。キャップ2が管体3に対して相対的に移動可能な方向は、回転軸CLに沿った方向である。また、受容開口31aの円錐形状の軸と受容開口31aの円錐形状と相補的な形状を有する突起4の軸とが同軸として画定される。
【0019】
第1の実施の形態では、管体3の第1流路31の長手方向の中心軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸CLと、突起4の長手方向軸と、が同軸でなければならない。そのため、キャップ2の第2流路21はその中心軸が管体3の第1流路31が延在する中心軸と偏心して形成される。同様に、キャップ2の第2流路21はその中心軸が突起4の長手方向軸に対しても偏心するように形成される。さらに、キャップ2の第2流路21はその中心軸がキャップ2の回転軸CLに対しても偏心して形成される。
【0020】
続いて、第1の実施の形態のバルブ1の使用の仕方について説明する。バルブ1は、たとえばフィルタ容器のエア抜き用ベントバルブなどに適用が可能である。この場合には、フィルタ容器に管体3を取り付けて、第1流路31の一端が管体3の管路端部3aにおいて受容開口31aを形成し、第1流路31の他端をフィルタ容器に流体的に連通するように接続される。そして、管体3の管路端部3aにキャップ2を外部との連通が遮断されるように密閉されて螺嵌される。キャップ2の第2流路21の一端はキャップ管路2bの外部に対して開口する開口端として大気開放状態にし、開口端の反対側の第2流路21の他端は窪み部2aに連通して外部とは遮断されて第1流路31とのみ第2位置(開放位置)において連通可能となっている。キャップ2が管体3に対して回動することによりキャップ2が第1位置にあるときは、突起4が第1流路31の受容開口31aに受容されて第1流路31を閉鎖する。すなわち、突起4により、キャップ2の窪み部2aにおいての、第1流路31と第2流路21との間の流体的な連通が遮断される。このときはバルブ1の閉鎖状態である。キャップ2が管体3に対して回動することによりキャップ2が第2位置に移動すると、第1流路31の受容開口31aに受容されていた突起4は第1流路31を開放する。このときはバルブ1の開放状態である。フィルタ容器のエア抜き用ベントバルブとしては、内部のエアを抜く際にキャップを第2位置にし、内部の液体が第2流路21から完全に排出されてフィルタ内部の液体が第2流路21から完全に流出しはじめたときに、キャップ2が管体3に対して回動することによりキャップ2が第1位置に移動させる。このときは、突起4が第1流路31の受容開口31aに受容されて第1流路31を閉鎖してベントプロセスが終了する。
【0021】
[第2の実施の形態]
続いて、図3Aおよび図3Bを参照して、本発明の第2の実施の形態のバルブ1aについて説明する。図3Aは本発明の第2の実施の形態のバルブ1aの断面図であって、バルブ1aの開放状態を示している。図3Bは本発明の第2の実施の形態のバルブ1aの断面図であって、バルブ1aの閉鎖状態を示している。
【0022】
バルブ1aがキャップ2と管体3とを備える点、およびそれらの基本的構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の部分の説明は割愛し、第2の実施の形態であって第1の実施の形態と異なる部分について説明する。第1の実施の形態と同様の部分については前記の第1の実施の形態の説明がそのまま適用される。
【0023】
第1の実施の形態では、突起4がキャップ2の窪み部2aに配置され、管体3の管路端部3aに受容開口31aが配置された。しかし、第2の実施の形態では、突起4がキャップ2の窪み部2aではなく管体3の管路端部3aに突起4が配置され、受容開口31aはキャップ2側の第2流路21に受容開口21aとして配置される点が第1の実施の形態と異なっている。すなわち、第2の実施の形態では、キャップ2および管体3において、突起4と受容開口21aの配置が、第1の実施の形態と逆となっている。
【0024】
すなわち、キャップ管路2bの内部には第2流路21を有している点は同じであるが、窪み部2aに連通する第2流路21の他端には受容開口21aが配置される。一方、管体3の管路端部3aに突起4が配置される。突起4と受容開口21aとの形状の関係は、第1の実施の形態と同様であって、互いに相補的なテーパ面を有する円錐形状を有している。突起4がキャップの内面の管路端部3aから突出する方向は、第1の実施の形態と同様に、キャップ2と管体3とが相対的に移動する方向に沿った方向である。また、第1の実施の形態と同様に、キャップ2が管体3に対して相対的に移動可能な方向も、回転軸CLに沿った方向である。また、キャップ2の窪み部2aの内壁および底部により画定される空間は、シール材3bによってキャップ2の開口とは流体的に連通せず、第1流路31と第2流路21と、のみ流体的に連通する。
【0025】
また、第1の実施の形態と同様に、キャップ2と管体3とがねじ構造等により螺嵌され、キャップ2が管体3に対して回動することによりキャップ2が第1位置と第2位置との間で相対的に移動がなされる構成のときには、キャップ2の第2流路21の長手方向の軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸CLとが同軸でなければならない。さらに、突起4の長手方向軸も、キャップ2の第2流路21の長手方向の軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸と、同軸として画定される。受容開口21aの円錐形状の軸と受容開口21aの円錐形状と相補的な形状を有する突起4の軸とは、同軸として画定される。
【0026】
第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様に第1位置と第2位置とが画定され、第1位置では管体3の突起4が第2流路21を閉鎖する。すなわち、第2の実施の形態と同様に、この実施の形態でも、突起4により、キャップ2の窪み部2aにおいての、第1流路31と第2流路21との間の流体的な連通が遮断される。一方、第2位置では突起4が第2流路21を開放して第2流路21と第1流路31とが流体的に連通する。
【0027】
[第3の実施の形態]
続いて、図4Aから図4Cを参照して、本発明の第3の実施の形態のバルブ1bについて説明する。図4Aは本発明の第3の実施の形態のバルブ1bの断面図であって、バルブ1bの開放状態を示している。図4Bは本発明の第3の実施の形態のバルブ1bの断面図であって、バルブ1bの閉鎖状態を示している。図4Cは本発明の第3の実施の形態の変形例としてのバルブ1cの断面図であって、バルブ1cの開放状態を示している。
【0028】
バルブ1bがキャップ2と管体3とを備える点、およびそれらの基本的構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の部分の説明は割愛し、第3の実施の形態であって第1の実施の形態と異なる部分について説明する。第1の実施の形態と同様の部分については前記の第1の実施の形態の説明がそのまま適用される。
【0029】
第1の実施の形態では、管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21とが、それぞれ1本ずつ配置されていた。これに対して、第3の実施の形態では、管体3の第1流路31は1本であって、キャップ2に複数本の第2流路21が配置されているように複数流路群として構成される点が第1の実施の形態と異なっている。突起4と受容開口31aについては第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と同様に、突起4はキャップの内面の窪み部2aから突出する方向は、キャップ2が管体3に対して相対的に移動する方向に沿った方向であり、キャップ2が管体3に対して相対的に移動可能な方向も、回転軸CLに沿った方向である。第3の実施の形態では、複数本の第2流路21をたとえばキャップ2の回転軸周りに任意の間隔で配置することができる。代表的には、所定の角度ごとに一定の角度間隔で、互いに離間するように配置することができる。図3Aのように、開口端と反対の複数本の第2流路21の他端はすべて窪み部2aに流体的に連通し、管体3の管路端部3aに対するキャップ2の相対的な位置が第2位置(開放位置)のときに、突起4が第1流路31を開放して第1流路31と複数本の第2流路21とが流体的に連通する。一方、図3Bのように、管体3の管路端部3aに対するキャップ2の相対的な位置が第1位置(閉鎖位置)のときに、突起4が受容開口31aに受容されて第1流路31を閉鎖して第1流路31と複数本の第2流路21のすべての流体的な連通が遮断される。すなわち、第1の実施の形態と同様に、この実施の形態でも、突起4により、キャップ2の窪み部2aにおいての、第1流路31と第2流路21との間の流体的な連通が遮断される。
【0030】
さらに、図4Cに示すように、この実施の形態の変形例のバルブ1cとして、複数流路群として管体3に複数の第1流路31を配置して、キャップ2に1本の第2流路21が配置されているように構成させることもできる。この場合は、基本的構成は第2の実施の形態と同様になる。すなわち、突起4が管体3の管路端部3aに配置され、受容開口31aがキャップ2側の第2流路21に受容開口21aとして配置される点で第2の実施の形態と同様である。
【0031】
第3の実施の形態の変形例でも、管体3の複数本の第1流路31をたとえばキャップ2の回転軸周りに任意の間隔で配置することができる。代表的には、所定の角度ごとに一定の角度間隔で、互いに離間するように配置することができる。図4Cのように、複数本の第1流路31の他端は、管体3の管路端部3aに対するキャップ2の相対的な位置が第2位置(開放位置)のときに、突起4が第2流路21を開放して第2流路21と複数本の第1流路31とが流体的に連通する。一方、図示していないが、第2の実施の形態と同様に、管体3の管路端部3aに対するキャップ2の相対的な位置が第1位置(閉鎖位置)のときに、突起4が受容開口21aに受容されて第2流路21を閉鎖して第2流路21と複数本の第1流路31のすべてとの流体的な連通が遮断される。
【0032】
さらには、第3の実施の形態の変形例として、キャップ2に複数本の第2流路と管体3に複数本の第1流路31として複数流路群を構成させてもよい(不図示)。この場合、第1の実施の形態と第2の実施の形態と同様に構成すればよい。
【0033】
[第4の実施の形態]
続いて、図5A図5Bを参照して、本発明の第4の実施の形態のバルブ1dについて説明する。図5Aは本発明の第4の実施の形態のバルブ1dの断面図であって、バルブ1dの開放状態を示している。図5Bは本発明の第4の実施の形態のバルブ1dの断面図であって、バルブ1dの閉鎖状態を示している。
【0034】
バルブ1dがキャップ2と管体3とを備える点、およびそれらの基本的構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の部分の説明は割愛し、第4の実施の形態であって第1の実施の形態と異なる部分について説明する。第1の実施の形態と同様の部分については前記の第1の実施の形態の説明がそのまま適用される。この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、突起4はキャップの内面の窪み部2aから突出する方向は、キャップ2が管体3に対して相対的に移動する方向に沿った方向であり、キャップ2が管体3に対して相対的に移動可能な方向も、回転軸CLに沿った方向である。
【0035】
第1の実施の形態では、キャップ2の第2流路21は真っすぐに延在する直線状の管路として画定された。これに対して、第4の実施の形態では、キャップ2の第2流路23が曲がり部を有する管路として画定されている点が第1の実施の形態と異なっている。曲がり部の形状は、図5Aおよび図5Bでは直角に曲がる管路形状として示しているが、これに限定されず自由に設定が可能である。
【0036】
第4の実施の形態でも、突起4と受容開口31aとの関係は第1の実施の形態と同様であるので、ここでは割愛する。すなわち、図5Aのように、管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が形成されている位置が第2位置(開放位置)となり、管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が遮断されている位置が第1位置(閉鎖位置)となる。すなわち、第1の実施の形態と同様に、この実施の形態でも、突起4により、キャップ2の窪み部2aにおいての、第1流路31と第2流路21との間の流体的な連通が遮断される。
【0037】
[第5の実施の形態]
続いて、図6A図6Bを参照して、本発明の第5の実施の形態のバルブ1eについて説明する。図6Aは本発明の第5の実施の形態のバルブ1eの断面図であって、バルブ1eの開放状態を示している。図6Bは本発明の第5の実施の形態のバルブ1eの断面図であって、バルブ1eの閉鎖状態を示している。
【0038】
バルブ1eがキャップ2と管体3とを備える点、およびそれらの基本的構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と同様の部分の説明は割愛し、第4の実施の形態であって第1の実施の形態と異なる部分について説明する。第1の実施の形態と同様の部分については前記の第1の実施の形態の説明がそのまま適用される。この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、突起4はキャップの内面の窪み部2aから突出する方向は、キャップ2が管体3に対して相対的に移動する方向に沿った方向であり、キャップ2が管体3に対して相対的に移動可能な方向も、回転軸CLに沿った方向である。
【0039】
第1の実施の形態では、管体3の第1流路31の長手方向の軸と、管体3に対するキャップ2の回転軸CLと、突起4の長手方向軸と、が同軸でなければならない。そのため、キャップ2の第2流路21は、管体3の第1流路31が延在する軸、突起4の長手方向軸およびキャップ2の回転軸CLに対しても偏心して形成されている。しかし、第5の実施の形態では、キャップ2の第2流路21は、管体3の第1流路31が延在する軸、突起4の長手方向軸およびキャップ2の回転軸CLに対しても同軸に形成されている(図6Aおよび図6B)。このため、第5の実施の形態では、キャップ2の第2流路21の窪み部2aへの開口が突起4のテーパ面上に曲がって形成させることになる。さらには、キャップ2の第2流路21の窪み部2aへの開口が突起4のテーパ面上に曲がって形成させる限り、キャップ2の第2流路21を管体3の第1流路31の長手方向の軸に対して斜めに延在するように形成させてもよい(不図示)。これに限定されず自由に設定が可能である。
【0040】
第5の実施の形態でも、突起4と受容開口31aとの関係は第1の実施の形態と同様である。第5の実施の形態では、特に、突起4に形成されるキャップ2の第2流路21の開口部が受容開口31aのテーパ面に直接閉鎖されることになる。ただし、キャップ2および管体3と突起4および受容開口31aとの機能および作用は第1の実施の形態との間で違いはない。
【0041】
すなわち、図6Aのように、管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が形成されている位置が第2位置(開放位置)となり、管体3の管路端部3aとキャップ2の窪み部2aに挿嵌され管体3の第1流路31とキャップ2の第2流路21との間で流体的な接続が遮断されている位置が第1位置(閉鎖位置)となる。すなわち、第1の実施の形態と同様に、この実施の形態でも、突起4により、キャップ2の窪み部2aにおいての、第1流路31と第2流路21との間の流体的な連通が遮断される。
【符号の説明】
【0042】
1,1a,1b,1c,1d,1e バルブ
2 キャップ
2a 窪み部
2b キャップ管路
21,22,23,24 第2流路
21a 受容開口
3 管体
3a 管路端部
3b シール材
3c 螺子部
31,32 第1流路
31a 受容開口
4 突起
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B