(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049527
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】空気入りタイヤの加硫金型、及び空気入りタイヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/02 20060101AFI20240403BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20240403BHJP
B29C 33/10 20060101ALI20240403BHJP
B29L 30/00 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C35/02
B29C33/10
B29L30:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155798
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安永 智一
(72)【発明者】
【氏名】和田 武蔵
【テーマコード(参考)】
4F202
4F203
【Fターム(参考)】
4F202AA45
4F202AB03
4F202AH20
4F202AM32
4F202AR12
4F202CA21
4F202CU02
4F202CU07
4F203AA45
4F203AB03
4F203AH20
4F203AM32
4F203AR12
4F203DA11
4F203DB01
4F203DC01
4F203DL10
4F203DN26
(57)【要約】
【課題】グリーンタイヤ内のエアを抜く作業を、工数の増加及びリードタイムの増加を避けて実施可能な空気入りタイヤの加硫金型、及び空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】空気入りタイヤの加硫金型は、グリーンタイヤに接触するタイヤ成形面と、タイヤ成形面から突出する第1位置及びタイヤ成形面から金型内部へ退避する第2位置を含む複数の位置に移動可能な針と、針を第1位置及び第2位置のいずれかに移動させる駆動機構と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンタイヤに接触するタイヤ成形面と、
前記タイヤ成形面から突出する第1位置及び前記タイヤ成形面から金型内部へ退避する第2位置を含む複数の位置に移動可能な針と、
前記針を前記第1位置及び前記第2位置のいずれかに移動させる駆動機構と、
を備える、空気入りタイヤの加硫金型。
【請求項2】
前記駆動機構は、加硫金型が開閉動作する際に前記加硫金型に接触することで移動する移動部材を有し、
前記移動部材が前記針を移動させる、請求項1に記載の空気入りタイヤの加硫金型。
【請求項3】
前記針を前記第1位置から前記第2位置へ付勢する付勢部を有し、
前記移動部材は、前記加硫金型が閉まる際に前記第1方向に移動し、
前記移動部材は、前記第1方向への移動に伴って前記針を前記第2位置から前記第1位置へ押す押圧面と、前記押圧面が前記針を前記第1位置に移動させた後に前記付勢部の付勢によって前記第1位置から前記第2位置へ前記針が退避することを許容する退避受面と、を有する、請求項2に記載の空気入りタイヤの加硫金型。
【請求項4】
前記タイヤ成形面にエアを抜くための複数のベントホールが設けられ、
前記複数のベントホールからエアが吸引されており、
前記複数のベントホールのうちの少なくとも1つの前記ベントホールに前記針が設けられている、請求項1に記載の空気入りタイヤの加硫金型。
【請求項5】
前記針は、前記タイヤ成形面からの突出量が調整可能に構成されている、請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫金型。
【請求項6】
加硫金型のタイヤ成形面にグリーンタイヤを接触又は近接させることと、
前記タイヤ成形面から金型内部へ退避する第2位置から、前記タイヤ成形面から突出する第1位置へ針を移動させ、前記針で前記グリーンタイヤを刺すことと、
前記針を前記第1位置から前記第2位置へ移動させることと、
を含む、空気入りタイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤの加硫金型、及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加硫成形前のグリーンタイヤ(生タイヤ)内のエアを抜くための種々の手法が提案されている。例えば、特許文献1,2では、グリーンタイヤにシール部材を押し付けて、シール部材とグリーンタイヤの間の密閉空間に対して真空引きすることで、グリーンタイヤ内のエアを抜くことを開示している。
【0003】
また、特許文献1,2には、グリーンタイヤの外表面に針を刺して、内部のエアを抜けやすくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-202801号公報
【特許文献2】特開2018-202802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、グリーンタイヤの外表面に針を刺す作業を手作業で実行する場合には工数がかかる。また、グリーンタイヤの成形後に、グリーンタイヤの外表面に針を刺す作業を専用機械で実行する場合には、グリーンタイヤの成形工程と加硫工程との間に新たな工程が必要となり、製造のリードタイムが増加してしまう。
【0006】
本開示は、グリーンタイヤ内のエアを抜く作業を、工数の増加及びリードタイムの増加を避けて実施可能な空気入りタイヤの加硫金型、及び空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の空気入りタイヤの加硫金型は、グリーンタイヤに接触するタイヤ成形面と、前記タイヤ成形面から突出する第1位置及び前記タイヤ成形面から金型内部へ退避する第2位置を含む複数の位置に移動可能な針と、前記針を前記第1位置及び前記第2位置のいずれかに移動させる駆動機構と、を備える。
【0008】
本開示の空気入りタイヤの製造方法は、加硫金型のタイヤ成形面にグリーンタイヤを接触又は近接させることと、前記タイヤ成形面から金型内部へ退避する第2位置から、前記タイヤ成形面から突出する第1位置へ針を移動させ、前記針で前記グリーンタイヤを刺すことと、前記針を前記第1位置から前記第2位置へ移動させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】タイヤ子午線断面に沿った開状態の加硫金型を示す断面図。
【
図2】タイヤ子午線断面に沿った加硫金型の閉動作を示す断面図。
【
図3】タイヤ子午線断面に沿った閉状態の加硫金型を示す断面図。
【
図4】
図1に対応するタイヤ軸方向に平行な視線で見た開状態の加硫金型を示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、タイヤ子午線断面に沿った開状態の加硫金型10を示す断面図である。
図2は、タイヤ子午線断面に沿った加硫金型10の閉動作を示す断面図である。
図3は、タイヤ子午線断面に沿った閉状態の加硫金型10を示す断面図である。
図4は、
図1に対応するタイヤ軸方向ADに平行な視線で見た開状態の加硫金型10を示す底面図である。
図4において蓋部32の図示を省略している。
【0012】
図1~3に示すように、加硫金型10は、タイヤのトレッドを成形するセクタ11と、タイヤの一対のサイドウォールを成形する下サイドプレート12及び上サイドプレート13と、タイヤの一対のビードにタイヤ軸方向ADの外側からそれぞれ接する下ビードリング14及び上ビードリング15と、を有する。セクタ11は、タイヤ周方向に複数配置されている。図示を省略しているが、セクタ11に設けられるタイヤ成形面16には、タイヤのトレッドのパターンを成形するための凹凸部がある。下サイドプレート12及び上サイドプレート13のタイヤ成形面16には、タイヤのサイドウォールの意匠を形成するための凹凸部がある。これらのタイヤ成形面16は、加硫金型10の閉状態においてグリーンタイヤT1(生タイヤ)と接触する。なお、加硫金型10の開状態においてもタイヤ成形面16にグリーンタイヤT1が接触する場合がある。
【0013】
空気入りタイヤの加硫金型10の動作を説明する。
図1に示す開状態において、下サイドプレート12、上サイドプレート13及びセクタ11は互いに離間している。
図1の開状態において、グリーンタイヤT1の内部に図示しないブラダが配置され、ブラダが膨らむことによりグリーンタイヤT1が保持される。
図1に示す開状態から
図2に示す閉動作が開始すると、下サイドプレート12及び下ビードリング14の位置が固定された状態で、セクタ11が下サイドプレート12に向けてタイヤ径方向RDに沿って近づき、セクタ11が下サイドプレート12に接触して、
図3に示す閉状態になる。同様に、
図1に示す開状態から
図2に示す閉動作が開始すると、上サイドプレート13及び上ビードリング15が一体となって、下サイドプレート12に向けてタイヤ軸方向ADに沿って近づき、上サイドプレート13がグリーンタイヤT1に接触して、
図3に示す閉状態となる。
【0014】
加硫金型10は、1又は複数の針2を有する。第1実施形態では、下サイドプレート12のタイヤ成形面16に1又は複数の針2が設けられている。
図5は、退避状態の針2の構造を示す断面図である。
図6は、突出状態の針2の構造を示す断面図である。
図5及び
図6に示すように、針2は、タイヤ成形面16から突出する第1位置P1(
図2及び
図6参照)及びタイヤ成形面16から金型内部へ退避する第2位置P2(
図1、
図3及び
図5参照)を含む複数の位置に移動可能に構成されている。
図1~3,5~6に示すように、タイヤ成形面16には、エアを抜くための複数のベントホール17が形成されており、図示しない吸引装置によって金型内側(タイヤ側)から金型外側へ向けてエアが抜かれている。これにより、グリーンタイヤT1とタイヤ成形面16との間にエアが残ることによる成形不良を抑制又は防止可能となる。針2は、複数のベントホール17のうちの少なくとも一部のベントホール17に設けられている。
【0015】
図5及び
図6に示すように、針2は、針ユニット20を構成しており、針ユニット20がベントホール17に挿入される。針ユニット20はベントホール17から着脱自在に構成され、針ユニット20が故障した場合でも取り換え可能である。針ユニット20は、直径約1mmの棒状の針2と、針2の先端部を露出し且つ針2の基端部を収容するケース21と、ケース21に一部収容され針2の基端部に取り付けられるヘッド22と、ケース21内に収容され且つケース内壁とヘッド22を足場として針2を没入方向HD1(第2位置P2へ向かう方向)へ向けて付勢するコイルバネ等の付勢部23と、を有する。針2は、有頂筒状のケース21の頂部の穴21hに挿入されている。針2の中央部の入り止め部2aがケース21の頂部の穴21hよりも大きいことで針2が没入方向HD1(第2位置P2に向かう方向)へ進み過ぎてケース21から抜けることを防止している。また、ヘッド22があることで、針2が突出方向HD2(没入方向HD1の反対方向;第1位置P1へ向かう方向)へ進み過ぎてケース21から抜けることを防止している。
【0016】
図7は、針2の突出量の調整に関する説明図である。
図7に示すように、針2とヘッド22はそれぞれに設けられたネジ2m及びネジ溝22mによって、針2がヘッド22に挿入される量が変更可能となる。そのため、針2とヘッド22とを相対的に回転させるだけで、針2のストローク量H1が調整可能となり、タイヤ成形面16からの針2の突出量を調整可能に構成されている。
【0017】
図1~
図4に示すように、加硫金型10は、針2を第1位置P1及び第2位置P2のいずれかに移動させる駆動機構3を有する。駆動機構3は、針2を移動させるための移動部材30を有する。移動部材30は、加硫金型10が開閉動作する際に加硫金型10(セクタ11の押さえ部11a)に接触することで移動する。具体的には、下サイドプレート12における針2の基端側には、移動部材30が移動するための移動通路31が設けられている。第1実施形態における移動通路31は、下サイドプレート12に設けられたタイヤ径方向RDに延びる溝である。移動部材30は、針2の移動方向に交差又は直交する方向に移動可能に構成されている。第1実施形態では、針2の移動方向がタイヤ軸方向ADと平行であり、移動部材30の移動方向は、タイヤ径方向RDと平行である。移動部材30の移動方向は、下サイドプレート12が形成する移動通路31によって規定される。移動部材30の移動方向(タイヤ径方向RD)における移動限界は、下サイドプレート12と共に移動部材30の移動通路31を形成する蓋部32に設けられたピン33とピン33に係合する移動部材30の溝30aによって規定される。蓋部32は、下サイドプレート12にボルト締めされている。
図1に示す加硫金型10の開状態において、針2は第2位置P2に位置しており、針2のヘッド22が、移動部材30の移動通路31内に位置している。
【0018】
移動部材30は、
図1及び
図4に示す開状態において、タイヤ径方向外側の第3位置P3に位置している。移動部材30は、
図2に示すように、加硫金型10が閉まる際に、セクタ11の押さえ部11aに押されることで、タイヤ径方向内側の第4位置P4(
図3参照)へ向けて第1方向FD1へ移動する。
図4では押さえ部11aを見やすくするために、押さえ部11aにハッチングを付けて図示している。また、
図4において針2を設けた箇所を破線の円で示している。移動部材30は、1以上の突起34を有しており、突起34は、押圧面34a及び退避受面34bを有している。押圧面34aは、移動部材30の第1方向FD1への移動に伴って針2を第2位置P2から第1位置P1へ押す。退避受面34bは、
図2及び
図3に示すように、押圧面34aが針2を第1位置P1に移動させた後に、付勢部23の付勢によって第1位置P1から第2位置P2へ針2が退避することを許容する。押圧面34aは、突起34におけるタイヤ径方向RD内側に配置され、退避受面34bは、突起34におけるタイヤ径方向RD外側に配置されている。
【0019】
図1及び
図2に示す状態では、グリーンタイヤT1が下サイドプレート12のタイヤ成形面16に近接している。近接とは、突出する針2がグリーンタイヤT1に接触可能な範囲を意味する。
図1及び
図2に示すように、加硫金型10が閉まる際に、針2のヘッド22が移動部材30の押圧面34aにより第2位置P2から第1位置P1に押し上げられ、針2がグリーンタイヤT1を刺してエア抜きを行う。
図2の状態から更に移動部材30が第1方向FD1へ進むと、付勢部23によって第2位置P2に戻ろうとするヘッド22を退避受面34bが受けつつ、ヘッド22がタイヤ軸方向外側に移動して針2が退避状態となり、セクタ11が下サイドプレート12に接触して、加硫金型10が閉状態となり、加熱加圧が開始されてタイヤが加硫される。
【0020】
タイヤの加硫が完了すると、下サイドプレート12からセクタ11がタイヤ径方向RDに離間し始める。すると、コイルバネ等の第2付勢部35が移動部材30を付勢し、移動部材30が第4位置P4から第3位置P3へ復帰する。このときに、針2が退避状態から突出状態に一時的に移行するが、加硫金型10が閉状態から開動作を開始する際に、加硫後の空気入りタイヤを保持するブラダが下サイドプレート12から離間して退避するので、加硫後のタイヤが針2に刺されることを回避してる。
【0021】
[変形例]
(A)上記実施形態における駆動機構3は、加硫金型10の動きに伴って移動する移動部材30を用いているが、これに限定されない。例えば、任意のタイミングで動作可能なアクチュエータ等の電動部や、外部動力部を用いた駆動機構にしてもよい。
【0022】
(B)上記実施形態において、針2を設けるタイヤ成形面16は、下サイドプレート12であるが、これに限定されず、セクタ11や上サイドプレート13などの任意の箇所のタイヤ成形面16に針2を設けることが可能となる。
【0023】
(C)上記実施形態において、
図1及び
図2に示すように、針2でグリーンタイヤT1を刺す際に、タイヤ成形面16とグリーンタイヤT1は近接しているものの接触していないが、これに限定されない。タイヤ成形面16にグリーンタイヤT1を接触させた状態において針2がグリーンタイヤT1を刺してもよい。
【0024】
(D)上記実施形態における、針2を設ける箇所やその数は任意に変更可能である。
【0025】
[1]
以上のように、空気入りタイヤの加硫金型10は、グリーンタイヤT1に接触するタイヤ成形面16と、タイヤ成形面16から突出する第1位置P1及びタイヤ成形面16から金型内部へ退避する第2位置P2を含む複数の位置に移動可能な針2と、針2を第1位置P1及び第2位置P2のいずれかに移動させる駆動機構3と、を備える、としてもよい。
【0026】
このように、加硫金型10によりグリーンタイヤT1を加硫する工程において、駆動機構3が針2を移動させてグリーンタイヤT1に針2を刺すことができる。よって、エア抜きのために針2を刺す工程と加硫工程とを同じ機械で実施できる。
【0027】
[2]
上記[1]に記載の空気入りタイヤの加硫金型10において、駆動機構3は、加硫金型10が開閉動作する際に加硫金型10に接触することで移動する移動部材30を有し、移動部材30が針2を移動させる、としてもよい。
このように、駆動機構3は、開閉動作する際の加硫金型10に接触することで移動する移動部材30であり、移動部材30が針2を移動させるので、モーターなどの別のアクチュエータを設けずに針2を移動させることが可能となる。
【0028】
[3]
上記[2]に記載の空気入りタイヤの加硫金型10において、針2を第1位置P1から第2位置P2へ付勢する付勢部23を有し、移動部材30は、加硫金型10が閉まる際に第1方向FD1に移動し、移動部材30は、第1方向FD1への移動に伴って針2を第2位置P2から第1位置P1へ押す押圧面34aと、押圧面34aが針2を第1位置P1に移動させた後に付勢部23の付勢によって第1位置P1から第2位置P2へ針2が退避することを許容する退避受面34bと、を有する、としてもよい。
このような機械構成で針2による適切な穴あけ作業を実現可能となる。
【0029】
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫金型10において、タイヤ成形面16にエアを抜くための複数のベントホール17が設けられ、複数のベントホール17からエアが吸引されており、複数のベントホール17のうちの少なくとも1つのベントホール17に針2が設けられている、としてもよい。
このように、針2で形成されたグリーンタイヤT1の穴は、ベントホール17の位置と一致するので、ベントホール17の吸引によりグリーンタイヤT1内のエアがより一層抜けやすくなる。
【0030】
[5]
上記[1]~[4]のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫金型10において、針2は、タイヤ成形面16からの突出量が調整可能に構成されている、としてもよい。
この構成によれば、グリーンタイヤT1に深すぎず且つ浅すぎない穴を形成可能となる。
【0031】
[6]
空気入りタイヤの製造方法は、加硫金型10のタイヤ成形面16にグリーンタイヤT1を接触又は近接させることと、タイヤ成形面16から金型内部へ退避する第2位置P2から、タイヤ成形面16から突出する第1位置P1へ針2を移動させ、針2でグリーンタイヤT1を刺すことと、針2を第1位置P1から第2位置P2へ移動させることと、を含む、としてもよい。
【0032】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0033】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0034】
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0035】
2 :針
3 :駆動機構
10 :加硫金型
16 :タイヤ成形面
17 :ベントホール
23 :付勢部
30 :移動部材
34a :押圧面
34b :退避受面
FD1 :第1方向
P1 :第1位置
P2 :第2位置
T1 :グリーンタイヤ