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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049584
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】冷凍装置、冷凍庫、及び除霜方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 29/00 20060101AFI20240403BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F25B29/00 351
F25B47/02 550P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155888
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】篠澤 徹
(57)【要約】
【課題】除霜運転時に圧縮機の液圧縮を防止し、安定した動作を維持することが可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷凍装置は、冷媒回路52と、制御部と、流路切替部と、を備える。冷媒回路52は、庫室を冷却する冷却運転を実施するための第1の冷媒流路と、庫室を加温する加温運転を実施するための第2の冷媒流路と、均圧運転を実施するための第3の冷媒流路と、除霜を行う除霜運転を実施するための第4の冷媒流路と、を有する。制御部は、冷媒回路52のモードを選択して切り替えるための流路切替部を制御する。流路切替部は、制御部からの制御に基づいて、冷媒を流す流路として、第1の冷媒流路、第2の冷媒流路、第3の冷媒流路、及び第4の冷媒流路を切り替える。制御部は、冷却運転が実施され、庫内熱交換器の除霜が必要となった場合には、所定の時間、第3の冷媒流路を選択した後に、第4の冷媒流路を選択する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫室を冷却及び加温するための冷媒回路と、制御部と、流路切替部と、を備える冷凍装置であって、
前記冷媒回路は、
圧縮機から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入する第1の配管経路と、前記庫外熱交換器で凝縮して液相化した前記冷媒を庫内熱交換器に流入する経路であって、受液器を備える第2の配管経路と、を含み、前記庫内熱交換器で前記冷媒が蒸発することで、前記庫室を冷却する冷却運転を実施するための第1の冷媒流路と、
前記圧縮機から吐出した前記冷媒を、前記庫内熱交換器に流入する経路であって、前記受液器を備える第3の配管経路と、前記庫内熱交換器で液相化した前記冷媒を前記庫外熱交換器に流入する第4の配管経路と、を含み、前記庫室を加温する加温運転を実施するための第2の冷媒流路と、
前記庫外熱交換器及び/又は前記受液器に保持された液相化した前記冷媒の一部を、前記庫内熱交換器に流入する第5の配管経路と、前記庫内熱交換器から流出した前記冷媒をアキュムレータに流入する第6の配管経路と、を含み、均圧運転を実施するための第3の冷媒流路と、
前記圧縮機から吐出した前記冷媒を、前記受液器を介さずに前記庫内熱交換器に流入する第7の配管経路を含み、除霜を行う除霜運転を実施するための第4の冷媒流路と、を有し、
前記制御部は、前記冷媒の流路を切り替える前記流路切替部を制御することで、前記冷媒回路のモードを選択して切り替え、
前記流路切替部は、前記制御部からの制御に基づいて、前記冷媒を流す流路として、前記第1の冷媒流路、前記第2の冷媒流路、前記第3の冷媒流路、及び前記第4の冷媒流路を切り替え、
前記制御部は、前記冷却運転が実施され、前記庫内熱交換器の除霜が必要となった場合には、所定の時間、前記第3の冷媒流路を選択した後に、前記第4の冷媒流路を選択する、冷凍装置。
【請求項2】
前記第5の配管経路は、前記庫外熱交換器及び前記受液器と前記庫内熱交換器との間に膨張弁を備え、
前記第3の冷媒流路が選択されている場合、前記庫外熱交換器又は前記受液器から前記庫内熱交換器へ流入される前記冷媒の流量が前記膨張弁により調整される、請求項1に記載の冷凍装置。
【請求項3】
前記第5の配管経路は、前記庫外熱交換器及び前記受液器と前記庫内熱交換器との間に電磁弁を備え、
前記第3の冷媒流路が選択されている場合、前記電磁弁は前記所定の時間、開放される、請求項1に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記冷却運転が実施され、前記庫内熱交換器の除霜が必要となった場合において、前記第3の冷媒流路を選択する前、及び前記第3の冷媒流路を選択した後に、前記電磁弁を閉め前記庫内熱交換器及び前記庫外熱交換器に設けられたファンを停止させる停止処理を実施する、請求項3に記載の冷凍装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の冷凍装置と、前記庫室と、を備える冷凍庫。
【請求項6】
コンピュータによって実行される除霜方法であって、
圧縮機から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入し、前記庫外熱交換器で凝縮して液相化した前記冷媒を、受液器を介して庫内熱交換器に流入し、前記冷媒を前記庫内熱交換器で蒸発させることで冷却運転を実施し、
前記庫外熱交換器及び/又は前記受液器に保持された液相化した前記冷媒の一部を、所定の時間、前記庫内熱交換器に流入し、前記庫内熱交換器から流出した前記冷媒をアキュムレータに流入することで均圧運転を実施し、
前記圧縮機から吐出した前記冷媒を、前記受液器を介さずに前記庫内熱交換器に流入することで除霜運転を実施する、除霜方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置、冷凍庫、及び除霜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍庫を備え商品配送に使用される冷凍車において、庫内に収められた荷物を外気温によらず最適な温度で輸送するため、その庫内を冷却のみならず加温することもできる冷凍装置を搭載した冷凍車が知られている。特許文献1には、複数の庫室内を冷却又は加温する際に、それぞれの庫室内温度を、設定温度で精度よく安定維持させることができる冷凍装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-161230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、冷凍装置は、長時間、庫内熱交換器にて冷却運転が行われると熱交換器に霜が付着し、熱交換率が悪化する。そのため、霜を除去する除霜運転が必要となる。特許文献1に記載の冷凍装置においては、熱交換器を冷却運転から加温運転に切り替える逆サイクルデフロスト方式により、霜を除去する。
【0005】
特許文献1に記載された冷凍装置においては、冷却運転時、過冷却熱交換器等の庫外熱交換器及び受液器に液冷媒を保持し、次に膨張弁にて減圧させた低温の冷媒を、庫内熱交換器に流入し、庫内の冷却を行う。また、冷凍装置は、除霜運転が必要と判断されると、除霜運転に切り替える。この除霜運転は基本的には加温運転とほぼ同じ制御で行われ、庫内熱交換器の送風ファンを停止して行う。そのため、冷凍装置における除霜運転においては、冷却運転時の庫外熱交換器や受液器に滞留していた液冷媒が、圧縮機に液状態のまま直接注入される、いわゆる液圧縮が発生し、圧縮機の動作に影響を与える場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、除霜運転時に圧縮機の液圧縮を防止し、安定した動作を維持することが可能な冷凍装置、冷凍庫、及び除霜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る冷凍装置は、庫室を冷却及び加温するための冷媒回路と、制御部と、流路切替部と、を備える冷凍装置であって、冷媒回路は、圧縮機から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入する第1の配管経路と、庫外熱交換器で凝縮して液相化した冷媒を庫内熱交換器に流入する経路であって、受液器を備える第2の配管経路と、を含み、庫内熱交換器で冷媒が蒸発することで、庫室を冷却する冷却運転を実施するための第1の冷媒流路と、圧縮機から吐出した冷媒を、庫内熱交換器に流入する経路であって、受液器を備える第3の配管経路と、庫内熱交換器で液相化した冷媒を庫外熱交換器に流入する第4の配管経路と、を含み、庫室を加温する加温運転を実施するための第2の冷媒流路と、庫外熱交換器及び/又は受液器に保持された液相化した冷媒の一部を、庫内熱交換器に流入する第5の配管経路と、庫内熱交換器から流出した冷媒をアキュムレータに流入する第6の配管経路と、を含み、均圧運転を実施するための第3の冷媒流路と、圧縮機から吐出した冷媒を、受液器を介さずに庫内熱交換器に流入する第7の配管経路を含み、除霜を行う除霜運転を実施するための第4の冷媒流路と、を有し、制御部は、冷媒の流路を切り替える流路切替部を制御することで、冷媒回路のモードを選択して切り替え、流路切替部は、制御部からの制御に基づいて、冷媒を流す流路として、第1の冷媒流路、第2の冷媒流路、第3の冷媒流路、及び第4の冷媒流路を切り替え、制御部は、冷却運転が実施され、庫内熱交換器の除霜が必要となった場合には、所定の時間、第3の冷媒流路を選択した後に、第4の冷媒流路を選択する。
【0008】
本発明の他の態様に係る冷凍庫は、上記の冷凍装置と、庫室と、を備える。
【0009】
本発明の他の態様に係る除霜方法は、コンピュータによって実行される除霜方法であって、圧縮機から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入し、庫外熱交換器で凝縮して液相化した冷媒を、受液器を介して庫内熱交換器に流入し、冷媒を庫内熱交換器で蒸発させることで冷却運転を実施し、庫外熱交換器及び/又は受液器に保持された液相化した冷媒の一部を、所定の時間、庫内熱交換器に流入し、庫内熱交換器から流出した冷媒をアキュムレータに流入することで均圧運転を実施し、圧縮機から吐出した冷媒を、受液器を介さずに庫内熱交換器に流入することで除霜運転を実施する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る冷凍装置によれば、除霜運転時に圧縮機の液圧縮を防止し、安定した動作を維持することが可能な冷凍装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る冷凍装置を搭載した冷凍車を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路を説明するための冷媒回路図である。
図3】本実施形態に係る冷凍装置の制御系を説明するためのブロック図である。
図4】本実施形態に係る冷媒回路に配設された庫外熱交換器を説明するための模式的断面図である。
図5】本実施形態に係る庫外熱交換器を説明するための第1の斜視図である。
図6】本実施形態に係る庫外熱交換器を説明するための第2の斜視図である。
図7】本実施形態に係る庫外熱交換器のパスを説明するための模式図である。
図8】本実施形態に係る冷凍装置の動作モードを説明するための図である。
図9】本実施形態に係る冷媒回路に配設された四方弁のモードを説明するための図である。
図10】本実施形態に係る冷凍装置の動作モードにおける電磁弁群のパターンを説明するための図である。
図11】本実施形態に係る冷凍装置の冷却運転について説明するための冷媒回路図である。
図12】本実施形態に係る冷凍装置のホットガスバイパス除霜運転について説明するためのフローチャートである。
図13】本実施形態に係る冷凍装置の一旦停止について説明するための冷媒回路図である。
図14】本実施形態に係る冷凍装置の均圧運転について説明するための冷媒回路図である。
図15】本実施形態に係る冷凍装置の除霜運転について説明するための冷媒回路図である。
図16】他の実施形態に係る冷凍装置のホットガスバイパス除霜運転について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る冷凍装置及び冷凍庫を、図面を参照して説明する。
【0013】
(冷凍庫CT)
本実施形態に係る冷凍装置51は、種々の設備や装置等に適用することができる。例えば、冷凍庫、及び冷凍庫を備えて移動可能な冷凍車に用いられる。図1は、本実施形態に係る冷凍装置51及び冷凍庫CTの冷凍車Cへの使用搭載例を示す側面図であり、一部を切断面としている。冷凍車Cは、冷凍庫CT及び冷凍装置51、並びに、走行するための動力源及び走行機構を有する車両本体部CHを備えている。冷凍庫CTは、独立した二つの断熱保温庫として庫室CA及び庫室CBを有している。
【0014】
庫室CA及び庫室CBは、冷凍装置51に含まれる庫内熱交換器5A及び5Bをそれぞれ備える。庫内熱交換器5Aは、庫室CAの内部空間CVA内に配置され、内部空間CVAの空気と熱交換を行う。また、庫内熱交換器5Bは、庫室CBの内部空間CVB内に配置され、内部空間CVBの空気と熱交換を行う。冷凍庫CTの外部(例えば運転席の上方)には、冷凍装置51に含まれる庫外熱交換器3が配置され、外気と熱交換を行う。
【0015】
冷凍装置51の他の部材は冷凍庫CTの外側に設置される。なお、当該部材の設置位置は限定されない。例えば、冷凍装置51に含まれる圧縮機1やアキュムレータ6などは、収容体Sに納められて車体の下方に設置される。また、冷凍装置51に含まれる制御部41及び入力部42は、運転席まわりに設置される。特に入力部42は、運転者が操作し易い場所に配設される。
【0016】
圧縮機1は、例えば、電源としてのバッテリーと、インバータ回路と、によって駆動する電動圧縮機とされる。また、圧縮機1はこの電動圧縮機に限定されず、冷凍車Cの走行動力源(エンジンやモータ等)を駆動源とするタイプであってもよい。
【0017】
(冷凍装置51)
次に、本実施形態に係る冷凍装置51の構成を、その冷媒回路52を示す図2と、制御系を示す図3と、を参照して説明する。
【0018】
まず、冷凍装置51の概略構成を説明する。冷凍装置51はヒートポンプ式の冷媒回路52を有する。冷媒回路52は、圧縮機1、四方弁2、2A、2B、ファンF1を含む庫外熱交換器3、受液器4、ファンF2Aを含む庫内熱交換器5A、及びファンF2Bを含む庫内熱交換器5B、並びにアキュムレータ6を有して構成される。また、冷媒回路52は、複数の電磁弁を含む電磁弁群12G(図3参照:詳細は後述)、膨張弁21、22A、22B、及び複数の逆止弁を含む逆止弁群(図示せず:詳細は後述)を有して構成される。
【0019】
ファンF1、F2A、F2Bは、モータで駆動する送風機であり、これらを纏めてファン群FG(図3参照)とも称する。また、四方弁2、2A、2Bを纏めて四方弁群2G(図3参照)とも称する。また、電磁弁群12Gは、電磁弁12、13、14A、14B、SV1、SV2を纏めた総称である。さらに、逆止弁群は、逆止弁31a、31b、33、34、35A、35B、36A、36B、37A、37B、38A、38B、CVa1、CVa2、CVb1、CVb2を纏めた総称である。
【0020】
また、図3に示されるように、冷凍装置51は、制御部41を備える。制御部41には、使用者からの運転に関する指示が入力部42を介して伝達される。制御部41は、伝達された指示などに基づき、冷媒回路52における、圧縮機1、四方弁群2G、ファン群FG、及び電磁弁群12Gの動作を制御する。また、制御部41は、時間を計測するためのタイマー41aを備える。
【0021】
庫外熱交換器3、並びに、庫内熱交換器5A及び庫内熱交換器5Bは、いわゆるフィンアンドチューブ式の構造を有する。図2に示されるように、庫外熱交換器3は、第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3Bと、を有する。
【0022】
第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとは、並列回路を有する並列回路LP1を介して直列に接続されている。第1庫外熱交換器3Aは、ポート3Aaとポート3Abとを繋ぐ冷媒配管経路3LA(図4及び図7参照)を有している。また、第2庫外熱交換器3Bは、ポート3Baとポート3Bbとを繋ぐ冷媒配管経路3LB(図4及び図7参照)を有している。この庫外熱交換器3の構造の詳細は後述する。
【0023】
次に、図2を参照し冷媒回路52について詳述する。
【0024】
図2を理解容易とするため、冷媒回路52において、圧縮機1、四方弁2、及びアキュムレータ6を含む構成を源流ブロックM1とする。また、庫外熱交換器3と並列回路LP1とを含む構成を庫外熱交換ブロックM2とする。さらに、受液器4と四方弁2A及び四方弁2Bと庫内熱交換器5A及び庫内熱交換器5Bとを含む構成を庫内熱交換ブロックM3とする。以下、この三つのブロックに区分けして説明する。
【0025】
図2の右下において、圧縮機1は、配管経路L1aにより分岐部D11で分岐され電磁弁SV1及び電磁弁SV2と接続されている。電磁弁SV1と四方弁2のポート2aとは、配管経路L1bで接続されている。電磁弁SV2は、庫内熱交換ブロックM3のブロックポートM3eを通して分岐部D12と配管経路Lbpで接続されている。
【0026】
四方弁2のポート2bと庫外熱交換器3における第2庫外熱交換器3Bのポート3Baとは、配管経路L2で接続されている。
【0027】
第2庫外熱交換器3Bのポート3Bbと第1庫外熱交換器3Aのポート3Abとは、上述のように並列回路LP1を介して接続されている。
【0028】
並列回路LP1は、その一端側とポート3Bbとが配管経路L3で接続され、他端側とポート3Abとが配管経路L5で接続されている。並列回路LP1は、配管経路L4a及び配管経路L4bを並列に有する。
【0029】
配管経路L4aには、膨張弁21と、膨張弁21に対して第1庫外熱交換器3A側に直列接続され第1庫外熱交換器3Aから第2庫外熱交換器3Bへ向かう流れのみを許容する逆止弁31aと、が配設されている。配管経路L4bには、第2庫外熱交換器3Bから第1庫外熱交換器3Aへ向かう流れのみを許容する逆止弁31bが配設されている。配管経路L5の逆止弁31a及び逆止弁31bと、ポート3Abとの間に分岐部D1が設けられている。
【0030】
分岐部D1には、配管経路L6の一端側が接続されている。配管経路L6の他端側は、庫内熱交換ブロックM3のブロックポートM3aを通して分岐部D2に接続されている。また、配管経路L6には、電磁弁12が配設されている。
【0031】
分岐部D2と庫内熱交換器5Aのポート5Aaとは、配管経路L7Aで接続されている。配管経路L7Aには、分岐部D2側から電磁弁14A、逆止弁35A、膨張弁22Aが直列に配設されている。この逆止弁35Aの配設により電磁弁14Aの動作特性が補強される。詳しくは、電磁弁14Aが閉状態のときの冷媒漏れをより確実に防止できる。
【0032】
分岐部D2と庫内熱交換器5Bのポート5Baとは、配管経路L7Bで接続されている。配管経路L7Bには、分岐部D2側から電磁弁14B、逆止弁35B、膨張弁22Bが直列に配設されている。この逆止弁35Bの配設により電磁弁14Bの動作特性が補強される。詳しくは、電磁弁14Bが閉状態のときの冷媒漏れをより確実に防止できる。
【0033】
分岐部D55と庫内熱交換器5Aのポート5Aaとを接続する配管経路L12Aにおいて、分岐部D55側から四方弁2Aと、逆止弁CVa1と、逆止弁36Aとが直列に接続されている。
【0034】
四方弁2Aは、ポート2Acが分岐部D55と接続され、ポート2Abと逆止弁CVa1とが接続されている。逆止弁CVa1及び逆止弁36Aは、庫内熱交換器5Aのポート5Aaに向かう流れのみを許容するように配設されている。
【0035】
分岐部D55と庫内熱交換器5Bのポート5Baとを接続する配管経路L12Bにおいて、分岐部D55側から四方弁2Bと、逆止弁CVb1と、逆止弁36Bとが直列に接続されている。
【0036】
四方弁2Bは、ポート2Bcが分岐部D55と接続され、ポート2Bbと逆止弁CVb1とが接続されている。逆止弁CVb1及び逆止弁36Bは、庫内熱交換器5Bのポート5Baに向かう流れのみを許容するように配設されている。
【0037】
庫内熱交換器5Aのポート5Abと、配管経路L12Aにおける四方弁2Aと逆止弁CVa1との間に設けられた分岐部D9Aと、が、配管経路L17Aで接続されている。配管経路L17Aには、分岐部D9Aに向かう流れのみを許容する逆止弁37Aが配設されている。
【0038】
庫内熱交換器5Bのポート5Bbと、配管経路L12Bにおける四方弁2Bと逆止弁CVb1との間に設けられた分岐部D9Bと、が、配管経路L17Bで接続されている。配管経路L17Bには、分岐部D9Bに向かう流れのみを許容する逆止弁37Bが配設されている。
【0039】
分岐部D7には、配管経路L18の一端側が分岐接続されている。配管経路L18の他端側には、分岐部D77が設けられている。分岐部D77には、配管経路L18Aと配管経路L18Bとが分岐接続されている。
【0040】
配管経路L18Aは、庫内熱交換器5Aのポート5Abと逆止弁37Aとの間に設けられた分岐部D10Aと、分岐部D77と、を接続している。配管経路L18Aには、分岐部D77に向かう流れのみを許容する逆止弁38Aが配設されている。
【0041】
配管経路L18Bは、庫内熱交換器5Bのポート5Bbと逆止弁37Bとの間に設けられた分岐部D10Bと、分岐部D77と、を接続している。配管経路L18Bには、分岐部D77に向かう流れのみを許容する逆止弁38Bが配設されている。
【0042】
分岐部D3と四方弁2のポート2cとは、庫内熱交換ブロックM3のブロックポートM3cを通して配管経路L9で接続されている。
【0043】
配管経路L9の一端側である分岐部D3と、四方弁2Aのポート2Aa及び四方弁2Bのポート2Baとは、それぞれ配管経路L19A及び配管経路L19Bで接続されている。四方弁2A、2Bのポート2Ad、2Bdは、配管止め処理がなされている。
【0044】
また、図2の左上部において、分岐部D2には、電磁弁13が配設された配管経路L10の一端側が接続されている。配管経路L10の他端側には、分岐部D4が設けられている。
【0045】
分岐部D4と、第1庫外熱交換器3Aのポート3Aaとは、庫内熱交換ブロックM3のブロックポートM3bを通して配管経路L11で接続されている。
【0046】
配管経路L11には、分岐部D4側から、受液器4と分岐部D5が配設されている。分岐部D5には、配管経路L11から分岐する配管経路L12の一端側が接続されている。配管経路L12の他端側には分岐部D55が設けられている。また、上述の通り、分岐部D55には、四方弁2Aのポート2Ac及び四方弁2Bのポート2Bcが分岐接続されている。
【0047】
配管経路L7Aにおいて、膨張弁22Aと庫内熱交換器5Aのポート5Aaとの間には分岐部D6Aが設けられている。
【0048】
配管経路L11における分岐部D5と第1庫外熱交換器3Aのポート3Aaとの間には、分岐部D7が設けられている。分岐部D7には、配管経路L18の一端側が接続されている。
【0049】
配管経路L11における分岐部D5と分岐部D7との間には、分岐部D5に向かう流れのみを許容する逆止弁33が配設されている。
【0050】
図2の左上に示される分岐部D4と、四方弁2のポート2dと、の間は、庫内熱交換ブロックM3のブロックポートM3dを通して配管経路L14で接続されている。配管経路L14には、分岐部D4に向かう流れのみを許容する逆止弁34が配設されている。
【0051】
配管経路L9には(分岐部D3と四方弁2のポート2cとの間には)、分岐部D8が設けられている。分岐部D8とアキュムレータ6の入口との間は、配管経路L15で接続されている。また、アキュムレータ6の出口と圧縮機1の吸い込み口との間は、配管経路L16で接続されている。
【0052】
分岐部D12には、配管経路Lbpaと配管経路Lbpbとが分岐接続されている。配管経路Lbpaの他端側は、逆止弁CVa1と、逆止弁36Aの間の分岐部に接続される。また、配管経路Lbpaには、庫内熱交換器5Aのポート5Aaに向かう流れのみを許容する逆止弁CVa2が配設されている。
【0053】
配管経路Lbpbの他端側は、逆止弁CVb1と、逆止弁36Bの間の分岐部に接続される。また、配管経路Lbpbには、庫内熱交換器5Bのポート5Baに向かう流れのみを許容する逆止弁CVb2が配設されている。
【0054】
冷媒回路52において、庫内熱交換器5Aを含む分岐部D2及び分岐部D55と、分岐部D3、分岐部D77、及び分岐部D12と、の間の配管経路を、庫内熱交換器ユニット5AUと称する。
【0055】
また、庫内熱交換器5Bを含む分岐部D2及び分岐部D55と、分岐部D3、分岐部D77、及び分岐部D12と、の間の配管経路を、庫内熱交換器ユニット5BUと称する。
【0056】
庫内熱交換器ユニット5AUと庫内熱交換器ユニット5BUとは、実質同じ配管経路である。すなわち、冷媒回路52において、二つの庫内熱交換器ユニットが並列に接続されている。
【0057】
上述の各配管の一部は、流れる冷媒の相に応じて次に示される管として分類される。また、以下の記載で低圧とは、圧縮機1により昇圧された冷媒の圧力(高圧とする)に対し相対的に低い圧力を意味する。配管経路L1a、L1b、Lbp、Lbpa、Lbpb、L14は、圧縮機1により昇圧された高圧のガス冷媒が流れる高圧ガス管である。配管経路L2は、高圧又は低圧のガス冷媒が流れるガス管である。配管経路L6、L11は、高圧の液冷媒が流れる高圧液管である。配管経路L14は、高圧のガス冷媒が流れる高圧ガス管である。配管経路L15、L16は、低圧のガス冷媒が流れる低圧ガス管である。
【0058】
次に、庫外熱交換器3の詳細を、図4図7を参照して説明する。
【0059】
図4は、庫外熱交換器3の断面に対応する模式的構成図である。図5は、庫外熱交換器3を左前斜め上方から見た外観斜視図であり、図6は、右後斜め上方から見た外観斜視図である。図7は、庫外熱交換器3の内部パス(冷媒配管経路3LA、3LB)を説明するための図である。
【0060】
図4図7に示される上下左右前後の各方向は、理解容易のために便宜的に設定した方向であり、庫外熱交換器3の設置姿勢などを限定するものではない。
【0061】
庫外熱交換器3は、上述のようにフィンアンドチューブ式で構成されている。図4に示されるように、庫外熱交換器3の内部に配管されたチューブとしての管3cは、断面において前後方向に4列、上下方向に各列において18段となっている。すなわち、M列N段のフィンアンドチューブ式とすると、4列18段である。各列及び各段の管3cは、図4の太線で示されるように連結すべく、左右両端部で折り返して配設されている(図5及び図6参照)。
【0062】
前後の4列の内、最前方側の1列が、第1庫外熱交換器3Aに含まれ、後方側の3列が第2庫外熱交換器3Bに含まれる。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは、1列18段であり、第2庫外熱交換器3Bは、3列18段である。ここで、直列に接続された1列又は複数の列を、配管列群Gと称する。ここでは1列の場合も便宜的に「配管列群」と称する。この呼称により、第1庫外熱交換器3Aは、M=1なる1列の配管列群GAを有し、第2庫外熱交換器3Bは、M=3なる3列分の配管列群GBを有する。
【0063】
第1庫外熱交換器3Aでは、上下に隣接する6段分の管3cが一つの冷媒配管経路とされて、上方側から順に三つのパスであるパスP1~パスP3を構成している。第2庫外熱交換器3Bでは、各列において隣接する3段分の管3cが、対向する3列で直列接続されてなる一つの冷媒配管経路とされ、上方側から六つのパスであるパスP4~P9を構成している。
【0064】
従って、第1庫外熱交換器3Aにおいては、パスP1~パスP3それぞれに対応した配管列群GA1~配管列群GA3が設けられている。また、第2庫外熱交換器3Bにおいては、パスP4~P9それぞれに対応した配管列群GB4~GB9が設けられている。第1庫外熱交換器3Aのパス数は、第2庫外熱交換器3Bのパス数以下とされている。
【0065】
第1庫外熱交換器3Aの内部において、ポート3Aaは、三つに分岐してパスP1~パスP3それぞれの一端側に接続されている。ポート3Abは、三つに分岐してパスP1~パスP3それぞれの他端側に接続されている。すなわち、図7に示されるように、ポート3Aaとポート3Abとの間に、パスP1~パスP3が並列に接続されている。
【0066】
また、パスP1~パスP3は、図4に示されるように、送風方向(前後方向)に互いに重なることなく、吸い込み側の一面(以下、吸い込み面とも称する)において実質的に独立した領域となるように配置されている。
【0067】
第2庫外熱交換器3Bにおいて、ポート3Baは、六つに分岐してそれぞれパスP4~P9の一端側に接続されている。ポート3Bbは、六つに分岐してそれぞれパスP4~P9の他端側に接続されている。すなわち、図7に示されるように、ポート3Baとポート3Bbとの間に、パスP4~P9が並列に接続されている。パスP4~P9は、図4に示されるように、送風方向(前後方向)に互いに概ね重なることなく、吸い込み面において実質的に独立した領域となるように配置されている。
【0068】
第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとは前後方向に並設されている。詳しくは、第1庫外熱交換器3Aが、ファンF1の駆動により一定方向に流れる通風外気WDの風上側(前側)となるように配置されている。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは上流側熱交換器であり、第2庫外熱交換器3Bは下流側熱交換器である。
【0069】
次に、冷凍装置51の動作について、冷凍車Cに搭載された場合を例として図8図16を主に参照して説明する。
【0070】
冷凍車Cは、冷凍装置51の動作によって、二つの庫室CA(第1室とする)と庫室CB(第2室とする)とを、冷却、加温、除霜、均圧、停止(冷却も加温もしない)の運転状態で維持できるようになっている。除霜は、庫内熱交換器5A、5Bの除霜である。また、本実施形態において停止には、全停止の他に、一時的に運転を停止させる一旦停止が含まれる。
【0071】
すなわち、冷凍装置51は、制御部41の制御によって、庫内熱交換器5A、5Bそれぞれについて、冷却、加温、除霜、均圧及び停止の五つの動作モードを選択的に実行できる。従って、各動作モードの組み合わせとして、二つの庫室CA、CBに対し全停止を含め14種の動作モードを実行可能とされる。
【0072】
図8は、全停止を含めた14種の動作モード(モード番号N1~N14)の制御状態を示した表である。制御部41は、この表に示されたように、四方弁群2G、電磁弁群12G、及びファン群FG(ファンF1、F2A、F2B)を制御して各動作モードを選択的に実行する。
【0073】
すなわち、四方弁群2G及び電磁弁群12Gは、制御部41の制御の下、冷媒回路52において冷媒が流れる流路を、動作モードに応じて選択的に切り替える流路切替部に相当する。
【0074】
14種の動作モードは、例えば次のようにも分類される。二室冷却運転(モード番号N1)、二室加温運転(モード番号N2)、冷却・加温同時運転(モード番号N3、N4)、一室冷却運転(モード番号N5、N6)、及び一室加温運転(モード番号N7、N8)の運転モードと、それらのモード番号に分類される。また、除霜運転(モード番号N9、N10、N13)、一旦停止(モード番号N11)、均圧運転(モード番号N12)、及び全停止(モード番号N14)の運転モードと、それらのモード番号に分類される。
【0075】
四方弁群2Gのモードについて、制御部41は、図9に示されるモード#Aとモード#Bとに切り替える。この切り替えにおいて、制御部41は、庫室CA及び庫室CBの少なくとも一方を加温の動作モードとする場合、モード#Bとし、それ以外の場合にモード#Aとする。
【0076】
また、全停止(モード番号N14)での四方弁群2Gのモードは限定されない。すなわち、全停止(モード番号N14)の場合は、停止直前の動作モードでのモードのままで支障はない。
【0077】
電磁弁群12Gのパターンについて、制御部41は、各弁の開状態、閉状態の組み合わせをA~Hの8種のパターンで制御する。
【0078】
詳しくは、図10に示されるように、庫室CA及び庫室CBそれぞれの五つの動作モードの組み合わせとなる合計14種の動作モードそれぞれにA~Hパターンのいずれかを対応づけて制御する。
【0079】
全停止(モード番号N14)でのパターンは限定されない。すなわち、停止直前の動作モードでのパターンのままで支障はない。
【0080】
ファン群FGについて、制御部41は、ファンF1を、一旦停止(モード番号N11)、均圧運転(モード番号N12)、二室除霜運転(モード番号N13)、及び全停止(モード番号N14)以外のすべての動作モード(モード番号N1~N10)でONとする。また、制御部41は、ファンF2A、F2Bを、それぞれが配設された庫室CA、CBが冷却又は加温のときにONとし、除霜、均圧、又は停止のときにOFFとする。
【0081】
次に、除霜を含まない動作モード(モード番号N1~N8)について、説明する。また、二室冷却運転については、図11を参照して説明する。図11において、動作するファンには塗りつぶしを実施して示してある。また、ファンによって熱交換器に吸い込まれる空気の温度よりも吹き出される空気の温度の方が低い場合、吹き出される空気を白ヌキ矢印で示し、温度が高い場合、黒矢印で示してある。また、冷媒の流れる経路を太線で示してある。
【0082】
(二室冷却運転)
<モード番号N1:図11参照>
庫室CA及び庫室CBを共に冷却するモードである。圧縮機1の吐出口から配管経路L1aに吐出した高温高圧のガス冷媒は、開放された電磁弁SV1、配管経路L1bを通り、モード#Aとされた四方弁2のポート2aから四方弁2のポート2bを通って配管経路L2に流入する。
【0083】
モード#Aではポート2cとポート2dとも接続されるが、これらのポートは機能しない。配管経路L2に流入した冷媒は、庫外熱交換器3における第2庫外熱交換器3Bに対しポート3Baから流入し、ポート3Bbから流出する。
【0084】
冷媒は、ポート3Bbから流出し、第1庫外熱交換器3Aに対しポート3Abから流入する。ポート3Abから流入した冷媒は、第1庫外熱交換器3Aのポート3Aaから流出して配管経路L11に流入する。
【0085】
庫外熱交換器3において、ファンF1は運転状態にあり、外気は第1庫外熱交換器3Aから第2庫外熱交換器3Bへと流動している。運転状態にあるファンには塗りつぶしを行い、停止状態のファンは白ヌキとして両状態を区別できるようにしてある。以下の説明も同様である。
【0086】
外気流動状態で、庫外熱交換器3では、第2庫外熱交換器3Bと第1庫外熱交換器3Aとが一体的に凝縮器として機能する。すなわち、圧縮機1から吐出したガス冷媒は、外気に対し放熱して凝縮(液相化)し、高圧の液冷媒としてポート3Aaから配管経路L11に流入する。
【0087】
詳しくは、冷媒は、第2庫外熱交換器3Bの入口となるポート3Baにおいて、全て気相のガス冷媒である。このガス冷媒は、第2庫外熱交換器3B内を流れるに伴い、外気と熱交換されて一部が凝縮(液化、液相化)し、ガス冷媒に対する液冷媒の比率が増加する。これにより、第2庫外熱交換器3Bの出口となるポート3Bbにおいて、冷媒の大半が液冷媒の気液混合冷媒となる。ここで、液冷媒の比率は、運転条件により異なる。
【0088】
次に、ポート3Bbから流出した気液混合冷媒は、ポート3Abから第1庫外熱交換器3Aに流入する。第1庫外熱交換器3Aで、引き続き冷媒と外気との熱交換が行われ、出口となるポート3Aaにおいて、冷媒は、高圧でほぼ全てが液相となっている。以下の説明においては、熱交換器にて外気又は内気が冷媒から熱を奪って放出される場合に、流れを黒矢印で示してある。逆に、冷媒に熱を奪われて放出される場合に、流れを白ヌキ矢印で示してある。
【0089】
冷媒の、庫外熱交換器3での気相から液相への相変化で、冷媒の体積は減少する。庫外熱交換器3では、体積減少により液相の比率が高くなった冷媒が流れる第1庫外熱交換器3Aのパス数Na(この例でNa=3)を、気相の比率が高い冷媒が流れる第2庫外熱交換器3Bのパス数Nb(この例でNb=6)よりも少なくしている。これにより、第1庫外熱交換器3A内を流れる冷媒は、第2庫外熱交換器3Bを液冷媒として流れるときよりも、流速が大きくなり、冷媒の過冷却度も大きくなる。
【0090】
ポート3Aaを出て配管経路L11に流入した高圧の液冷媒は、逆止弁33を通り受液器4に入る。受液器4では、運転環境に応じた余剰量の液冷媒が滞留する。
【0091】
例えば、庫室CA内及び庫室CB内の熱負荷が小さい場合は、循環する冷媒の量は少なくて済み、受液器4内に余剰分の液冷媒が溜まる。一方、庫室CA内及び庫室CB内の熱負荷が大きい場合は、循環する冷媒の量が多く必要となるので、受液器4内に溜まる液冷媒の量は少なくなる。従って、冷媒回路52に常に最適量の冷媒が循環し、冷却能力が高度に安定維持される。
【0092】
受液器4を出た液冷媒は、開状態の電磁弁13を経て分岐部D2に達し、庫内熱交換器ユニット5AU側の配管経路L7Aと庫内熱交換器ユニット5BU側の配管経路L7Bとに分岐流入する。
【0093】
まず、配管経路L7Aに流入した冷媒は、電磁弁14A、及び逆止弁35Aを経由して膨張弁22Aに入る。冷媒は膨張弁22Aにおいて減圧膨張し、低温の気液混合冷媒となって庫内熱交換器5Aに対しポート5Aaから流入する。
【0094】
庫内熱交換器5AのファンF2Aは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5A内において、冷媒と、通風する庫内空気(以下通風内気と称する)と、の間で熱交換が行われる。この熱交換で冷媒は熱を奪ってガス化し、通風内気は降温して庫室CA内に送出される(白ヌキ矢印)。これにより庫室CAは冷却される。
【0095】
一方、配管経路L7Bに流入した冷媒は、電磁弁14B、及び逆止弁35Bを経由して膨張弁22Bに入る。冷媒は膨張弁22Bにおいて減圧膨張し、低温の気液混合冷媒となって庫内熱交換器5Bに対しポート5Baから流入する。
【0096】
庫内熱交換器5BのファンF2Bは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5B内において、冷媒と、通風内気と、の間で熱交換が行われる。この熱交換で冷媒は熱を奪ってガス化し、通風内気は降温して庫室CB内に送出される(白ヌキ矢印)。これにより庫室CBは冷却される。
【0097】
庫内熱交換器5Aにおいてガス化した冷媒は、配管経路L17Aを流れて逆止弁37Aを通り、四方弁2Aがモード#Aとされていることから、四方弁2のポート2Abから四方弁2のポート2Aaを通って配管経路L19Aに流入し、分岐部D3に達する。
【0098】
一方、庫内熱交換器5Bにおいてガス化した冷媒は、配管経路L17Bを流れて逆止弁37Bを通り、四方弁2Bがモード#Aとされていることから、四方弁2のポート2Bbから四方弁2のポート2Baを通って配管経路L19Bに流入し、分岐部D3に達する。
【0099】
その後、分岐部D3で合流した冷媒は、配管経路L15及び配管経路L16によりアキュムレータ6を経由して圧縮機1の吸い込み口に戻る。
【0100】
なお、本実施形態において、第1の配管経路は、配管経路L1a、配管経路L1b及び配管経路L2が含まれる経路に相当する。また、第2の配管経路は、配管経路L11及び配管経路L10が含まれる経路に相当する。また、第2の配管経路には、配管経路L7A及び/又は配管経路L7Bが含まれる。さらに、第1の冷媒流路は、第1の配管経路及び第2の配管経路が含まれる経路に相当する。
【0101】
(二室加温運転)
<モード番号N2>
庫室CA及び庫室CBを共に加温するモードである。圧縮機1の吐出口から配管経路L1aに吐出した高温高圧のガス冷媒は、開放された電磁弁SV1、配管経路L1bを通り、モード#Bとされた四方弁2のポート2aから四方弁2のポート2dを通って配管経路L14に流入する。
【0102】
配管経路L14に流入した冷媒は、逆止弁34及び分岐部D4を経て、電磁弁13が閉状態であることから受液器4に入る。直前の動作モードによって受液器4に液冷媒が蓄留している場合も、ガス冷媒に押し出され受液器4内は直ちにガス冷媒のみとなる。
【0103】
受液器4を通過したガス冷媒は、分岐部D5及び配管経路L12を経て、分岐部D55において配管経路L12Aと配管経路L12Bとに分岐流入する。
【0104】
まず、配管経路L12Aに流入したガス冷媒は、四方弁2Aがモード#Bとされていることから、四方弁2Aのポート2Acから四方弁2Aのポート2Abを通り、逆止弁CVa1、36Aを経て庫内熱交換器5Aに対し、ポート5Aaから流入する。
【0105】
庫内熱交換器5AのファンF2Aは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5A内で冷媒と通風内気との間で熱交換が行われ、冷媒は熱を奪われ大部分が凝縮液化して概ね液冷媒となり、通風内気は昇温して庫室CA内に送出される。これにより庫室CAは加温される。
【0106】
一方、配管経路L12Bに流入したガス冷媒は、四方弁2Bがモード#Bとされていることから、四方弁2Bのポート2Bcから四方弁2Bのポート2Bbを通り、逆止弁CVb1、36Bを経て庫内熱交換器5Bに対し、ポート5Baから流入する。
【0107】
庫内熱交換器5BのファンF2Bは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5B内で冷媒と通風内気との間で熱交換が行われ、冷媒は熱を奪われ大部分が凝縮液化して概ね液冷媒となり、通風内気は昇温して庫室CB内に送出される。これにより庫室CBは加温される。
【0108】
庫内熱交換器5A及び5Bから流出する冷媒は、高圧の概ね液化した冷媒であるが、庫室CA内及び庫室CB内の熱負荷等の運転環境に応じた量のガス冷媒が含まれている。
【0109】
この概ね液化した高圧の冷媒は、ポート5Ab及び5Bbから流出し、逆止弁38A及び逆止弁38Bを経て、分岐部D77及び配管経路L18を通り分岐部D7に達する。その後、冷媒は、配管経路L11を通過し、第1庫外熱交換器3Aに対しポート3Aaから流入する。
【0110】
庫外熱交換器3のファンF1は動作状態にある。そのため、第1庫外熱交換器3A内で液冷媒と通風外気との熱交換が行われ、液冷媒は降温して過冷却度が増加する。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは、液冷媒に対し過冷却熱交換器として機能する。第1庫外熱交換器3Aに、液冷媒と共に流入した未凝縮のガス冷媒も、通風外気との熱交換により冷却されて完全に液化する。
【0111】
第1庫外熱交換器3Aでの熱交換後、ポート3Abから流出した液冷媒は、配管経路L4aの逆止弁31aを経て膨張弁21に入る。液冷媒は、膨張弁21において、減圧膨張して低温の気液混合冷媒となる。そして、配管経路L3を通り第2庫外熱交換器3Bに対しポート3Bbから流入する。
【0112】
第2庫外熱交換器3Bにおいて、冷媒は、通風外気との熱交換で低温の液冷媒が外気から熱を奪ってガス化し、完全なガス冷媒となる。このとき第2庫外熱交換器3Bは蒸発器として機能している。このガス冷媒は、ポート3Baから配管経路L2に流出し、アキュムレータ6を経て圧縮機1の吸い込み口に戻る。
【0113】
なお、本実施形態において、第3の配管経路は、配管経路L1a及び配管経路L14が含まれる経路に相当する。また、第3の配管経路には、配管経路L12及び/又は配管経路L12Aが含まれる。また、第4の配管経路は、配管経路L18A及び/又は配管経路L18B、配管経路L18、及び配管経路L11が含まれる経路に相当する。さらに、第2の冷媒流路は、第3の配管経路及び第4の配管経路が含まれる経路に相当する。
【0114】
(冷却・加温同時運転)
モード番号N3及びモード番号N4は、二つの庫室の一方を加温し他方を冷却するという加温運転と冷却運転とを同時に実行する動作モードである。
【0115】
<モード番号N3(庫室CA加温、庫室CB冷却)>
この動作モードでは、庫室CAに対応する庫内熱交換器ユニット5AUを加温運転し、庫室CBに対応する庫内熱交換器ユニット5BUを冷却運転する。圧縮機1から分岐部D55に至る冷媒の流れは、モード番号N2と同じである。
【0116】
分岐部D55以降について、モード番号N3では、四方弁2Bがモード#Aとされてポート2Bcからの流入が止められているため、冷媒(ガス冷媒)は、配管経路L12Aにのみ流入する。配管経路L12Aに流入した冷媒は、四方弁2Aがモード#Bとされていることから、四方弁2Aのポート2Acから四方弁2Aのポート2Abを通り逆止弁CVa1、36Aを経て庫内熱交換器5Aに対しポート5Aaから流入する。
【0117】
庫内熱交換器5AのファンF2Aは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5A内で冷媒と通風内気との間で熱交換が行われる。この熱交換で、冷媒は熱が奪われ大部分が凝縮液化して概ね液冷媒となり、通風内気は昇温して庫室CA内に送出される。これにより庫室CAは加温される。
【0118】
庫内熱交換器5Aから流出する冷媒は、高圧の概ね液化した冷媒であるが、庫室CA内の熱負荷等の運転環境に応じた量でガス冷媒が含まれている。この概ね液化した高圧の冷媒は、ポート5Abを出て配管経路L18Aに流入し、逆止弁38Aを経て、分岐部D77及び配管経路L18を通り分岐部D7から配管経路L11に入る。そして、庫外熱交換器3の第1庫外熱交換器3Aに対しポート3Aaから流入する。
【0119】
庫外熱交換器3のファンF1は動作状態にある。そのため、第1庫外熱交換器3A内で液冷媒と通風外気との熱交換が行われ、液冷媒は熱を奪われ降温して過冷却度が増加する。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは、液冷媒に対し過冷却熱交換器として機能する。第1庫外熱交換器3Aに、液冷媒と共に流入した未凝縮のガス冷媒も、通風外気との熱交換により熱を奪われ冷却されて完全に液化する。
【0120】
第1庫外熱交換器3Aでの熱交換後、液冷媒はポート3Abを出て配管経路L6に流入し、電磁弁12を経て分岐部D2に達する。
【0121】
このモードでは、電磁弁14Aが閉状態、電磁弁14Bが開状態にあるため、液冷媒は、配管経路L7Bのみに流入し、電磁弁14B及び逆止弁35Bを経て膨張弁22Bに入る。液冷媒は、膨張弁22Bにおいて、減圧膨張して低温の気液混合冷媒となり、庫内熱交換器5Bに対しポート5Baから流入する。
【0122】
庫内熱交換器5BのファンF2Bは動作状態にある。そのため、庫内熱交換器5B内で気液混合冷媒は、通風内気から熱交換により熱を奪ってガス化し、完全なガス冷媒となる。一方、通風内気は降温して庫室CB内に送出される。これにより庫室CBは冷却される。
【0123】
ガス化した冷媒は、ポート5Bbから配管経路L17Bに流入する。そして、逆止弁37B及びモード#Aとされた四方弁2Bのポート2Bb、2Baを経て配管経路L19B、L15を流れ、アキュムレータ6を経て圧縮機1の吸い込み口に戻る。
【0124】
<モード番号N4(庫室CA冷却、庫室CB加温)>
モード番号N4は、モード番号N3に対し、加温する庫内熱交換器ユニットと冷却する庫内熱交換器ユニットとを入れ替えたものである。
【0125】
すなわち、四方弁2A及び四方弁2Bのモードを逆にし、四方弁2Aをモード#A、四方弁2Bをモード#Bとして圧縮機1からの高圧のガス冷媒を、庫内熱交換器5Bのみに流入させる。
【0126】
また、電磁弁14A及び電磁弁14Bの開閉状態を逆にし、電磁弁14Aを開状態、電磁弁14Bを閉状態にして、第1庫外熱交換器3Aで冷却された液冷媒を、庫内熱交換器5Aのみに流入させる。これにより庫室CAは冷却され、庫室CBは加温される。
【0127】
この加温と冷却とを同時に実行するモード番号N3及びモード番号N4の動作モードでは、上述のように、第1庫外熱交換器3Aにおいて液冷媒の過冷却度が増加する。そのため、その過冷却度が増加した分、冷却運転となる庫内熱交換器の冷却能力が増加する。
【0128】
(一室冷却運転)
<モード番号N5、N6>
一室冷却運転は、二つの庫室CA、CBの内、一方を冷却し、他方を運転停止とする。ここで運転停止とは、継続的に運転を止めている場合と、二室冷却運転中に庫室内温度が設定温度に達したため一時的に止めている場合と、の両方を含む。
【0129】
モード番号N5は、庫室CAを冷却し、庫室CBを運転停止とする動作モードである。すなわち、モード番号N5は、二室冷却運転のモード番号N1(図11参照)に対し、電磁弁14Bを閉状態にして庫内熱交換器ユニット5BUに冷媒が流入しないようにすると共にファンF2Bを停止させる動作モードである。また、モード番号N1と共通する冷媒流路における冷媒の相状態や庫外熱交換器3及び庫内熱交換器5Aでの熱交換作用等は、モード番号N1の場合と同じである。
【0130】
モード番号N6は、庫室CBを冷却し、庫室CAを運転停止とする運転モードであり、その冷媒流路は、分岐部D2と分岐部D3との間のみ異なる。すなわち、モード番号N6は、二室冷却運転のモード番号N1(図11参照)に対し、電磁弁14Aを閉状態にして庫内熱交換器ユニット5AUに冷媒が流入しないようにすると共にファンF2Aを停止させた動作モードである。モード番号N1と共通する冷媒流路における冷媒の相状態や庫外熱交換器3及び庫内熱交換器5Bでの熱交換作用等は、モード番号N1の場合と同じである。
【0131】
(一室加温運転)
<モード番号N7、N8>
一室加温運転は、二つの庫室CA、CBの内、一方を加温し、他方を運転停止とする。ここで運転停止とは、継続的に運転を止めている場合と、二室加温運転中に庫室内温度が設定温度に達したため一時的に止めている場合と、の両方を含む。
【0132】
モード番号N7は、庫室CAを加温し、庫室CBを運転停止とする動作モードである。すなわち、モード番号N7は、二室加温運転のモード番号N2に対し、四方弁2Bをモード#Aとして庫内熱交換器ユニット5BUに冷媒が流入しないようにすると共にファンF2Bを停止させたものである。モード番号N2と共通する冷媒流路における冷媒の相状態や庫外熱交換器3及び庫内熱交換器5Aでの熱交換作用等は、モード番号N2の場合と同じである。
【0133】
モード番号N8は、庫室CBを加温し、庫室CAを運転停止とする運転モードである。すなわち、モード番号N8は、二室加温運転のモード番号N2に対し、四方弁2Aをモード#Aとして庫内熱交換器ユニット5AUに冷媒が流入しないようにすると共にファンF2Aを停止させたものである。モード番号N2と共通する冷媒流路における冷媒の相状態や庫外熱交換器3及び庫内熱交換器5Bでの熱交換作用等は、モード番号N2の場合と同じである。
【0134】
(除霜運転:庫内熱交換器5A、5Bの除霜)
例えば庫室CA、CBをモード番号N1、N3、N4、N5、N6の動作モードのいずれかで長時間冷却すると、庫内熱交換器5A、5Bのフィンに、庫室CA、CB内の空気に含まれる水分が凍結し霜として付着する場合がある。フィンに霜が付着すると熱交換が阻害されるので、庫内熱交換器5A又は庫内熱交換器5B、あるいは両方の庫内熱交換器のデフロスト運転を実行して除霜する。
【0135】
本実施形態においては、庫室CA及び/又は庫室CBに対し、除霜が必要となった場合に、庫室のいずれかが加温運転であるか否かに応じて、除霜にはいわゆる逆サイクル除霜方式又はホットガスバイパス除霜方式を実施する。
【0136】
(除霜運転:逆サイクル除霜方式)
モード番号N3の動作モードで除霜が必要となった場合は、モード番号N10の動作モードに切り替え除霜運転を行う。また、モード番号N4の動作モードで除霜が必要となった場合は、モード番号N9の動作モードに切り替え除霜運転を行う。これはいわゆる逆サイクル除霜方式である。逆サイクル除霜方式は、除霜する熱交換器を加温運転し、その熱交換器に該当するファンを停止させる方式である。加温運転においては、気相化(ガス化)された冷媒が受液器4及び庫外熱交換器3を通過するため、液冷媒が受液器4及び庫外熱交換器3には保持されない。
【0137】
<モード番号N9>
庫内熱交換器5Aを除霜し、庫内熱交換器5Bを加温運転する動作モードであり、二室加温運転(モード番号N2)の動作モードにおいて、ファンF2Aを停止(OFF)させたものである。このモード番号N9の除霜運転は、庫内熱交換器5Aが冷却運転であり、庫内熱交換器5Bが加温運転であるモード番号N4の冷却・加温同時運転の場合に対して実施される除霜運転である。
【0138】
<モード番号N10>
庫内熱交換器5Bを除霜し、庫内熱交換器5Aを加温運転する動作モードであり、二室加温運転(モード番号N2)の動作モードにおいて、ファンF2Bを停止(OFF)させたものである。このモード番号N10の除霜運転は、庫内熱交換器5Aが加温運転であり、庫内熱交換器5Bが冷却運転であるモード番号N3の加温・冷却同時運転の場合に対して実施される除霜運転である。
【0139】
(除霜運転:ホットガスバイパス除霜方式)
モード番号N1、N5、N6の動作モードで除霜が必要となった場合は、ホットガスバイパス除霜方式で除霜を行う。ホットガスバイパス除霜方式は、除霜する熱交換器にホットガスを流入させる方式である。
【0140】
図12は、本実施形態におけるホットガスバイパス除霜運転に対する処理の流れを示すフローチャートである。以下、モード番号N1、N5、N6の動作モードで除霜が必要となった場合の除霜運転について、図12を参照し、本実施形態における除霜運転について説明する。ホットガスバイパス除霜方式による除霜運転は、冷却運転時に受液器4又は庫外熱交換器3に保持された液冷媒が圧縮機1に液状態のまま直接吸入されるのを防ぐことを可能とするものである。
【0141】
ステップS1201において、制御部41は、除霜運転が必要であるか否かを判定する。本実施形態において、除霜運転が必要な場合は、モード番号N1、N5、N6の何れかの動作モードにおいて、長時間冷却が実施された場合である。ステップS1201において、制御部41は、除霜運転が必要であると判定した場合(ステップS1201:YES)には、処理は、ステップS1202に進む。一方で、ステップS1201において、制御部41は、除霜運転が必要でないと判定した場合(ステップS1201:NO)には、ステップS1201を繰り返す。すなわち、本実施形態における除霜運転は、除霜運転が必要であると制御部41が判定するまで、実施されない。なお、制御部41による除霜運転の要否の判定は、上述の長時間冷却の他に、センサー(図示なし)によって検知された温度による判定や、フィンへの霜の付着の検出に基づいて行われてもよい。
【0142】
(一旦停止)
<モード番号N11>
ステップS1202において、制御部41は、圧縮機1、ファン群FG及び電磁弁群12Gを制御し、冷媒回路52を一旦停止させる。図13は、一旦停止(モード番号N11)時の冷媒回路52の状態を示す図である。モード番号N11において、圧縮機1は、停止(OFF)状態となる。また、電磁弁12、13、14A、14Bは閉状態となる。
【0143】
また、モード番号N11において、電磁弁12、13、14A、14Bは、閉状態となる。また、モード番号N11において、電磁弁SV1、SV2は、冷却運転時と同様に電磁弁SV1が開状態となり、電磁弁SV2が閉状態となる。四方弁群2Gにおいても全てモード#Aとなり、冷却運転時と同じである。なお、本実施形態において、モード番号N11の一旦停止は、停止処理に相当する。
【0144】
ステップS1202において、制御部41は、タイマー41aを用い、モード番号N11の一旦停止の状態を、例えば、約1秒間実施する。このステップS1202における一旦停止の状態は、モードの変更において各電磁弁等を正しく動作させるための動作である。なお、この一旦停止における1秒間は、本実施形態の構成を限定するものではなく、各電磁弁等を正しく動作させるために必要な程度に実施される時間であればよい。その後、処理はステップS1203に進む。
【0145】
(均圧運転)
<モード番号N12>
ステップS1203において、制御部41は、圧縮機1、ファン群FG及び電磁弁群12Gを制御し、冷媒回路52に対して均圧運転を実施させる。具体的には、図8に示すモード番号N12に記載されたモードが設定される。
【0146】
図14は、均圧運転(モード番号N12)時の冷媒回路52の状態を示す図である。電磁弁12、13、14A、14Bは全て開状態となる。また、電磁弁SV1は開状態であり、電磁弁SV2は、閉状態となる。また、圧縮機1は、一旦停止時と同じく停止状態である。
【0147】
均圧運転時、第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3Bに存在した液冷媒は、電磁弁12を通り、さらに電磁弁14A、14B、膨張弁22A、22Bを通過して、庫内熱交換器5A、5Bのポート5Aa及びポート5Baに流入される。
【0148】
また、同様に受液器4に存在した液冷媒も電磁弁13を通り、さらに電磁弁14A、14B、膨張弁22A、22Bを通過して、庫内熱交換器5A、5Bのポート5Aa及びポート5Baに流入される。
【0149】
ここで、本実施形態において庫内熱交換器5A、5Bのポート5Aa及びポート5Baに流入される冷媒は、膨張弁22A、22Bを経由するため、流量が調整(制限)されたものとなる。また、冷媒の一部は、庫内熱交換器5A、5Bを通過し、庫内熱交換器5A、5Bから流出された冷媒がアキュムレータ6まで到達する。すなわち、本実施形態において、均圧運転時に第1庫外熱交換器3Aや受液器4の高圧側から低圧側冷媒配管に冷媒が流れ込むことにより、高圧側配管と、低圧側配管との圧力差が緩和される。
【0150】
なお、本実施形態に係る冷凍装置51は、二室の庫内を備え、個々に加温運転と冷却運転が可能となっている。特に加温運転では、加温能力(加温温度)を大きくするため、冷媒量を従来の冷凍装置よりも多く封入することが可能となる。一方、冷却運転時は、その冷媒量は過多となる場合がある。そのため、本実施形態に係る冷凍装置51の加温運転時は、受液器4にはガス冷媒を流入し、ガス状冷媒で満たす。一方で、冷却運転時は、受液器4には液冷媒を流入し、受液器4内に液冷媒を保持させ、両運転モードの冷媒封入量のバランスを保つことを可能としている。
【0151】
そのため、本実施形態において、制御部41は、タイマー41aを用い、モード番号N12の均圧運転の状態を、例えば、所定の時間として約30秒間実施する。また、均圧運転の実施中は、電磁弁12、13、14A、14Bは所定の時間、開放されることになる。これにより、本実施形態における均圧運転は、高圧側と低圧側との圧力がほぼ均等になるのでなく、一定量の冷媒が電磁弁12、13、14A、14Bを経由して庫内熱交換器5A、5B側に流入する。なお、本実施形態において均圧運転を実施する所定の時間は、30秒に限定されるものではなく、一定量の冷媒が第1庫外熱交換器3Aや受液器4に滞留する時間であればよい。例えば、均圧運転が実施される所定の時間は、5秒から60秒の時間として設けられてもよい。
【0152】
すなわち、本実施形態においては、第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3Bに存在した液冷媒及び/又は受液器4に存在した液冷媒は、膨張弁22A、22Bを経由するため、流量が調整(制限)されながら庫内熱交換器5A、5B側に流入する。また、本実施形態において、均圧運転は所定の時間実施されるため、電磁弁12、13、14A、14Bは、所定の時間、開放され、一定量の冷媒が庫内熱交換器5A、5B側に流入する。その後、処理はステップS1204に進む。
【0153】
なお、本実施形態において、第5の配管経路は、配管経路L10及び/又は配管経路L6と、配管経路L7Aと、配管経路L7Bと、が含まれる経路に相当する。第6の配管経路は、配管経路L17A、配管経路L17B、配管経路L19A、配管経路L19B、及び配管経路L15が含まれる経路に相当する。さらに、第3の冷媒流路は、第5の配管経路及び第6の配管経路が含まれる経路に相当する。
【0154】
ステップS1204において、制御部41は、圧縮機1、ファン群FG及び電磁弁群12Gを制御し、冷媒回路52を一旦停止させる。ステップS1204における一旦停止は、上述のステップS1202における一旦停止と同じあるため、ここでは説明を省略する。その後、処理はステップS1205に進む。
【0155】
(二室除霜運転)
<モード番号N13>
ステップS1205において、制御部41は、圧縮機1、ファン群FG及び電磁弁群12Gを制御し、冷媒回路52に対して除霜運転を実施させる。具体的には、図8に示すモード番号N13に記載されたモードが設定される。
【0156】
図15は、除霜運転(モード番号N13)時の冷媒回路52の状態を示す図である。電磁弁12、13、14A、14Bは全て閉状態となる。また、電磁弁SV1は閉状態であり、電磁弁SV2は、開状態となる。また、圧縮機1は、動作状態である。
【0157】
圧縮機1の吐出口から配管経路L1aに吐出した高温高圧のガス冷媒は、開状態の電磁弁SV2を通過し、ホットガスバイパスの配管経路Lbpに流入される。冷媒は、分岐部D12において、配管経路Lbpa、Lbpbに分岐され、逆止弁CVa2、CVb2、36A、36Bを通り、庫内熱交換器5A、5Bのポート5Aa、5Baに流入される。
【0158】
庫内熱交換器5A、5Bに付着した霜は、このホットガスにより加熱され融解し、除霜される。また、上述の均圧運転終了時に第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3B並びに/又は受液器4に滞留したままの冷媒はそのまま保持される。
【0159】
すなわち、本実施形態において、均圧運転により、一定量の冷媒のみが庫内熱交換器5A、5Bに流入され、その後の除霜運転により庫内熱交換器5A、5Bの霜が融解する。これにより、冷媒が多量に入ることはないため、液冷媒が圧縮機1に戻ることを防ぐことが可能となる。その後、処理はステップS1206に進む。
【0160】
ステップS1206において、制御部41は、圧縮機1、ファン群FG及び電磁弁群12Gを制御し、冷媒回路52を一旦停止させる。ステップS1206における一旦停止は、上述のステップS1202における一旦停止と同じあるため、ここでは説明を省略する。その後、処理は終了する。
【0161】
なお、本実施形態において、第7の配管経路は、配管経路L1a、配管経路Lbp、配管経路Lbpa、及び配管経路Lbpbが含まれる経路に相当する。また、第4の冷媒流路は、第7の配管経路が含まれる経路に相当する。
【0162】
上述の通り、本実施形態に係る冷凍装置51は、冷媒回路52と、制御部と、流路切替部と、を備える。冷媒回路52は、庫室を冷却する冷却運転を実施するための第1の冷媒流路と、庫室を加温する加温運転を実施するための第2の冷媒流路と、均圧運転を実施するための第3の冷媒流路と、除霜を行う除霜運転を実施するための第4の冷媒流路と、を有する。制御部は、冷媒回路52のモードを選択して切り替えるための流路切替部を制御する。流路切替部は、制御部からの制御に基づいて、冷媒を流す流路として、第1の冷媒流路、第2の冷媒流路、第3の冷媒流路、及び第4の冷媒流路を切り替える。制御部は、冷却運転が実施され、庫内熱交換器の除霜が必要となった場合には、所定の時間、第3の冷媒流路を選択した後に、第4の冷媒流路を選択する。
【0163】
これにより、冷凍装置51は、均圧運転の実施により、庫外熱交換器3及び/又は受液器4に滞留した冷媒の一部を流出させる。従って、冷凍装置51は、除霜運転の際、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した大量の液冷媒が、圧縮機1に直接吸入される液圧縮を防ぐことが可能となる。なお、冷却運転が実施されている庫室とは別の庫室において加温運転が実施されている場合には、庫外熱交換器及び受液器4には液冷媒は滞留していないため、逆サイクル除霜方式により庫室の除霜を実施しても、液冷媒が圧縮機1に直接吸入されることはない。
【0164】
(他の実施形態)
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0165】
上述の実施形態において、二室除霜運転(モード番号N13)は、図12に示すフローチャートのステップS1202からステップS1206の処理が実施される例を示した。この本実施形態における二室除霜運転(モード番号N13)の均圧運転は、図16に示すように2回実施する構成を用いてもよい。図16に示すフローチャートにおいては、ステップS1601からステップS1606までは、図12に示すフローチャートのステップS1201からステップS1206までと同じ処理が実施される。図16に示すフローチャートにおいては、さらに、ステップS1607において均圧運転が実施され、ステップS1608において一旦停止がなされる。なお、ステップS1607における均圧運転、及びステップS1608における一旦停止は、ステップS1603における均圧運転、及びステップS1604における一旦停止と同じ処理が実施される。ステップS1605における除霜運転の終了時は、庫内熱交換器5A、5Bの温度が上昇しており、冷却運転を再開した場合、膨張弁22A、22Bが正常に機能しない場合がある。そこでステップS1607における均圧運転を実施し、第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3Bや受液器4に残っていた液冷媒を導入して庫内熱交換器5A、5Bの冷却を行う。これにより速やかに冷却運転を再開することができる。
【0166】
また、上述の実施形態において、庫外熱交換器3及び複数の庫内熱交換器5A、5Bの構造は、上述のフィンアンドチューブ式構造に限定されない。例えば、サーペンタイン式やパラレルフロー式の構造であってもよく、この場合でも同様の効果が得られる。
【0167】
また、上述の実施形態において、冷凍装置51により設定可能な庫室内の温度領域は限定されない。少なくとも冷凍及び冷蔵に対応する温度領域は含まれる。
【0168】
また、冷凍装置51における処理(除霜方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(除霜プログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0169】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0170】
(1)第1の態様に係る冷凍装置51は、庫室を冷却及び加温するための冷媒回路52と、制御部41と、流路切替部と、を備える冷凍装置である。冷媒回路52は、庫内熱交換器で冷媒が蒸発することで、庫室を冷却する冷却運転を実施するための第1の冷媒流路を有する。第1の冷媒流路は、圧縮機1から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入する第1の配管経路を含む。また、第1の冷媒流路は、庫外熱交換器で凝縮して液相化した冷媒を庫内熱交換器に流入する経路であって、受液器4を備える第2の配管経路を含む。また、冷媒回路52は、庫室を加温する加温運転を実施するための第2の冷媒流路を有する。第2の冷媒流路は、圧縮機1から吐出した冷媒を、庫内熱交換器に流入する経路であって、受液器4を備える第3の配管経路を含む。また、第2の冷媒流路は、庫内熱交換器で液相化した冷媒を庫外熱交換器に流入する第4の配管経路を含む。また、冷媒回路52は、均圧運転を実施するための第3の冷媒流路を有する。第3の冷媒流路は、庫外熱交換器及び/又は受液器4に保持された液相化した冷媒の一部を、庫内熱交換器に流入する第5の配管経路を含む。また、第3の冷媒流路は、庫内熱交換器から流出した冷媒をアキュムレータに流入する第6の配管経路を含む。さらに、冷媒回路52は、圧縮機1から吐出した冷媒を、受液器4を介さずに庫内熱交換器に流入する第7の配管経路を含み、除霜を行う除霜運転を実施するための第4の冷媒流路を有する。制御部41は、冷媒の流路を切り替える流路切替部を制御することで、冷媒回路52のモードを選択して切り替える。流路切替部は、制御部41からの制御に基づいて、冷媒を流す流路として、第1の冷媒流路、第2の冷媒流路、第3の冷媒流路、及び第4の冷媒流路を切り替える。また、制御部41は、冷却運転が実施され、庫内熱交換器の除霜が必要となった場合には、所定の時間、第3の冷媒流路を選択した後に、第4の冷媒流路を選択する。
【0171】
これにより、冷凍装置51は、均圧運転の実施により、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した冷媒の一部を流出させる。従って、冷凍装置51は、除霜運転の際、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した大量の液冷媒が、圧縮機1に直接吸入される液圧縮を防ぐことが可能となる。
【0172】
(2)第2の態様に係る冷凍装置51の第5の配管経路は、庫外熱交換器及び受液器4と庫内熱交換器との間に膨張弁22A、22Bを備えてもよい。第3の冷媒流路が選択されている場合、庫外熱交換器又は受液器4から庫内熱交換器へ流入される冷媒の流量が膨張弁22A、22Bにより調整されてもよい。
【0173】
これにより、第1庫外熱交換器3Aに存在した液冷媒及び/又は受液器4に存在した液冷媒は、膨張弁22A、22Bを経由するため、流量が調整(制限)され、一定量の冷媒が第1庫外熱交換器3Aや受液器4に滞留する。従って、本実施形態に係る冷凍装置51において均圧運転を実施しても、冷媒封入量のバランスを保つことが可能となる。
【0174】
(3)第3の態様に係る冷凍装置51の第5の配管経路は、庫外熱交換器及び受液器4と庫内熱交換器との間に電磁弁12、13、14A、14Bを備えてもよい。第3の冷媒流路が選択されている場合、電磁弁12、13、14A、14Bは所定の時間、開放されてもよい。
【0175】
これにより本実施形態に係る冷凍装置51の均圧運転は所定の時間実施されるため、電磁弁12、13、14A、14Bは、所定の時間開放され、一定量の冷媒が第1庫外熱交換器3A及び第2庫外熱交換器3Bや受液器4から庫内熱交換器5A、5B側に流入する。従って、本実施形態に係る冷凍装置51において均圧運転を実施しても、冷媒封入量のバランスを保つことが可能となる。
【0176】
(4)第4の態様に係る冷凍装置51の制御部41は、冷却運転が実施され、庫内熱交換器の除霜が必要となった場合において、第3の冷媒流路を選択する前、電磁弁を閉め庫内熱交換器及び庫外熱交換器に設けられたファンを停止させる停止処理を実施してもよい。
また、第4の態様に係る冷凍装置51の制御部41は、第3の冷媒流路を選択した後に、電磁弁を閉め庫内熱交換器及び庫外熱交換器に設けられたファンを停止させる停止処理を実施してもよい。
【0177】
これにより、冷凍装置51は、モードの変更において各電磁弁等を正しく動作させることが可能となる。
【0178】
(5)第5の態様に係る冷凍庫は、上記(1)~(4)のいずれか記載の冷凍装置51と、庫室と、を備える。
【0179】
これにより、本実施形態に係る冷凍庫CTは、均圧運転の実施により、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した冷媒の一部を流出させる。従って、本実施形態に係る冷凍庫CTは、除霜運転の際、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した大量の液冷媒が、圧縮機1に直接吸入される液圧縮を防ぐことが可能となる。
【0180】
(6)第6の態様に係る除霜方法は、コンピュータによって実行される除霜方法である。除霜方法は、圧縮機1から吐出した冷媒を庫外熱交換器に流入し、庫外熱交換器で凝縮して液相化した冷媒を、受液器4を介して庫内熱交換器に流入し、冷媒を庫内熱交換器で蒸発させることで冷却運転を実施する。また、除霜方法は、庫外熱交換器及び/又は受液器4に保持された液相化した冷媒の一部を、所定の時間、庫内熱交換器に流入し、庫内熱交換器から流出した冷媒をアキュムレータ6に流入することで均圧運転を実施する。さらに、除霜方法は、圧縮機1から吐出した冷媒を、受液器4を介さずに庫内熱交換器に流入することで除霜運転を実施する。
【0181】
これにより、本実施形態に係る除霜方法は、均圧運転の実施により、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した冷媒の一部を流出させる。従って、本実施形態に係る除法方法は、除霜運転の際、庫外熱交換器及び/又は受液器4に滞留した大量の液冷媒が、圧縮機1に直接吸入される液圧縮を防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0182】
1 圧縮機
2、2A、2B 四方弁
2a~2d、2Aa~2Ad、2Ba~2Bd (四方弁の)ポート
2G 四方弁群
3 庫外熱交換器
3A 第1庫外熱交換器
3B 第2庫外熱交換器
3Aa、3Ab、3Ba、3Bb (庫外熱交換器の)ポート
4 受液器
5A、5B 庫内熱交換器
5Aa、5Ab、5Ba、5Bb (庫内熱交換器の)ポート
5AU、5BU 庫内熱交換器ユニット
6 アキュムレータ
12、13、14A、14B、SV1、SV2 電磁弁
12G 電磁弁群
21、22A、22B 膨張弁
31a、31b、33、34、35A、35B、36A、36B、37A、37B、38A、38B 逆止弁
41 制御部
42 入力部
51 冷凍装置
52 冷媒回路
C 冷凍車
CH 車両本体部
CT 冷凍庫
CA、CB 庫室
CVA、CVB 内部空間
D1、D2、D3、D4、D5、D6A、D6B、D7、D8 、D9A、D55、D7
7、D10A、D10B 分岐部
G、GA、GB、GA1~GA3、GB4~GB9 配管列群
F1、F2A、F2B ファン(送風機)
FG ファン群
LP1 並列回路
M1 源流ブロック
M2 庫外熱交換ブロック
M3 庫内熱交換ブロック
M3a、M3b、M3c、M3d、M3e ブロックポート
P1~P9 パス
S 収容体
WD 通風外気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16