IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

特開2024-4959事業者管理サーバ、事業者管理方法、および事業者管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004959
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】事業者管理サーバ、事業者管理方法、および事業者管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104877
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 順一
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】有料駐車場の入出場を手間の掛からないデジタル的な手法で実施すること。
【解決手段】実施形態に係る事業者管理サーバあって、施設情報およびユーザ機器に記憶された第1の車両固有IDを受信する受信部と、有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む第1の路側機情報を記憶する駐車場データベースと、施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ第1の車両固有IDと、第2の車両固有IDとが一致するかどうか判定する判定制御部と、施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ第1の車両固有IDと第2の車両固有IDとが一致する場合に、ユーザ機器に電子駐車券を発券するための発券情報を生成する発券制御部と、を備える。
【選択図】 図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報およびユーザ機器に記憶された第1の車両固有IDを受信する受信部と、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む第1の路側機情報を記憶する駐車場データベースと、
前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと、前記第2の車両固有IDとが一致するかどうか判定する判定制御部と、
前記施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと前記第2の車両固有IDとが一致する場合に、電子駐車券を発券するための発券情報を生成する発券制御部と、
を備える、事業者管理サーバ。
【請求項2】
前記施設情報は、位置情報を含み、前記位置情報が示す位置が前記有料駐車場または前記有料駐車場を有する施設内であることを示す場合、前記判定制御部は、前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられていると判定する、請求項1に記載の事業者管理サーバ。
【請求項3】
前記施設情報は、施設IDを含み、前記施設IDが前記有料駐車場を特定可能なIDである場合、前記判定制御部は、前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられていると判定する、請求項1に記載の事業者管理サーバ。
【請求項4】
前記受信部は、前記第1の路側機情報をさらに受信し、
前記路側機情報を前記駐車場データベースに登録させ、駐車場機器にゲート開放指示を生成する登録制御部と、
前記ゲート開放指示を送信する送信部と、
をさらに備える、請求項1に記載の事業者管理サーバ。
【請求項5】
前記受信部は、前記第1の車両固有IDを含む精算要求をさらに受信し、
前記事業者管理サーバは、前記精算要求を受信した日時と前記第1の路側機情報を受信した日時に基づいて前記有料駐車場の駐車料金を算出する精算制御部と、
前記駐車料金をユーザ機器に送信する送信部と、
をさらに備え、前記受信部は、ユーザが前記駐車料金を支払ったことを示す支払い情報をさらに受信し、前記精算制御部は、前記支払い情報を前記第1の路側機情報に紐付けて前記駐車場データベースに記憶させる、請求項4に記載の事業者管理サーバ。
【請求項6】
前記受信部は、前記有料駐車場から出場する車両から取得した第3の車両固有IDを含む第2の路側機情報をさらに受信し、
前記判定制御部は、前記第3の車両固有IDが前記第1の車両固有IDと一致するかどうか判定し、
一致すると判定した場合、前記精算制御部は、前記支払い情報を前記駐車場データベースから取得し、
前記送信部は、前記支払い情報に基づいてゲート開放指示を送信する、請求項5に記載の事業者管理サーバ。
【請求項7】
前記精算制御部は、前記駐車場データベースに記憶された第1の路側機情報を削除する、請求項6に記載の事業者管理サーバ。
【請求項8】
前記施設情報および前記第1の車両固有IDは、購買情報に含まれる、請求項1に記載の事業者管理サーバ。
【請求項9】
前記判定制御部は、前記第1の車両固有IDに基づいて、電子駐車券が発券されているかどうか判定し、前記発券制御部は、前記電子駐車券が発券されていないと判定された場合に前記発券情報を生成する、請求項7に記載の事業者管理サーバ。
【請求項10】
事業者管理サーバのプロセッサによって実行される事業者管理方法であって、
第1の車両固有IDおよび施設情報を含む電子駐車券発券要求を受信することと、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む第1の路側機情報を記憶することと、
前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと、前記第2の車両固有IDとが一致するかどうか判定することと、
前記施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと前記第2の車両固有IDとが一致する場合に、ユーザ機器に電子駐車券を発券するための発券指示を生成することと、
を備える、事業者管理方法。
【請求項11】
第1の車両固有IDおよび施設情報を含む電子駐車券発券要求を受信することと、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む第1の路側機情報を記憶することと、
前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと、前記第2の車両固有IDとが一致するかどうか判定することと、
前記施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと前記第2の車両固有IDとが一致する場合に、ユーザ機器に電子駐車券を発券するための発券指示を生成することと、
を事業者管理サーバが備えるプロセッサによって実行させるための命令を備える事業者管理プログラム。
【請求項12】
第1の車両固有IDおよび施設情報を含む2次元コードから読み取られた2次元コード情報を含む登録要求を受信する受信部と、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む路側機情報を記憶する第1の記憶部と、
第3の車両固有IDに紐付けられ、電子駐車券アプリケーションの登録者についての情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第1の車両固有IDが前記第2の車両固有IDと一致し、前記第1の車両固有IDが前記第3の車両固有IDと一致しない場合、登録処理を行う登録制御部と、
を備える事業者管理サーバ。
【請求項13】
前記第1の車両固有IDが前記第3の車両固有IDと一致する場合、前記登録制御部512は、前記第2の記憶部に記憶された情報を削除する、請求項12に記載の事業者管理サーバ。
【請求項14】
前記車両が前記有料駐車場から出場した場合、前記登録制御部は、前記第2の記憶部に記憶された路側機情報を削除する、請求項12または13に記載の事業者管理サーバ。
【請求項15】
前記車両が前記有料駐車場から出場した場合、前記登録制御部は、所定の期間経過後、前記第2の記憶部に記憶された路側機情報を削除する、請求項12または13に記載の事業者管理サーバ。
【請求項16】
前記2次元コードは、前記有料駐車場に入場してきた際に発券される駐車券に印刷される、請求項12に記載の事業者管理サーバ。
【請求項17】
前記2次元コードは、前記有料駐車場から出場する際に発券されるレシートに印刷される、請求項12に記載の事業者管理サーバ。
【請求項18】
事業者管理サーバのプロセッサが実行する事業者管理方法であって、
第1の車両固有IDおよび施設情報を含む2次元コードから読み取られた2次元コード情報を含む登録要求を受信することと、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む路側機情報を記憶することと、
第3の車両固有IDに紐付けられ、電子駐車券アプリケーションの登録者についての情報を記憶することと、
前記第1の車両固有IDが前記第2の車両固有IDと一致し、前記第1の車両固有IDが前記第3の車両固有IDと一致しない場合、登録処理を行うことと、
を備える事業者管理方法。
【請求項19】
第1の車両固有IDおよび施設情報を含む2次元コードから読み取られた2次元コード情報を含む登録要求を受信することと、
有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む路側機情報を記憶することと、
第3の車両固有IDに紐付けられ、電子駐車券アプリケーションの登録者についての情報を記憶することと、
前記第1の車両固有IDが前記第2の車両固有IDと一致し、前記第1の車両固有IDが前記第3の車両固有IDと一致しない場合、登録処理を行うことと、
を事業者管理サーバが備えるプロセッサによって実行させるための命令を備える事業者管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、事業者管理サーバ、事業者管理方法、および事業者管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットまたはショッピングモール等の施設で駐車場を利用する際、駐車場の入出場管理に、磁気券または紙媒体などに印刷された2次元コードを用いている。
【0003】
その他に駐車場の入出場管理の方法として、ETC(Electronic Toll Collection)技術を活用して、事前に登録された車載機の識別子と現地で取得した車載機の識別子が一致することにより、車両を特定する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-022285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
COVID-19の流行およびキャッシュレス化の進展に伴って、手間の掛からないデジタルな手法によって有料駐車場の入出場を管理することに対する需要が出てきている。
【0006】
また、ETC技術を活用して入出場を管理する場合であって、中古車のように車両の所有者が変更した場合に、誤って前の所有者に通行料金を請求してしまう等の問題がある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、駐車場の入出場の管理をスムーズに行うための技術を提供することにある。
【0008】
この発明のさらなる目的として、入出場のゲート通過時(すなわちユーザが運転している際)、スマートフォン等のユーザ機器の操作を行わずに入出場をすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る、事業者管理サーバは、施設情報およびユーザ機器に記憶された第1の車両固有IDを受信する受信部と、有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む第1の路側機情報を記憶する駐車場データベースと、前記施設情報が前記有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと、前記第2の車両固有IDとが一致するかどうか判定する判定制御部と、前記施設情報が有料駐車場と関連付けられ、且つ前記第1の車両固有IDと前記第2の車両固有IDとが一致する場合に、ユーザ機器に電子駐車券を発券するための発券情報を生成する発券制御部と、を備えるものである。
【0010】
他の実施形態に係る、事業者管理サーバは、第1の車両固有IDおよび施設情報を含む2次元コードから読み取られた2次元コード情報を含む登録要求を受信する受信部と、有料駐車場に入場してきた車両から取得した第2の車両固有IDを含む路側機情報を記憶する第1の記憶部と、第3の車両固有IDに紐付けられ、電子駐車券アプリケーションの登録者についての情報を記憶する第2の記憶部と、前記第1の車両固有IDが前記第2の車両固有IDと一致し、前記第1の車両固有IDが前記第3の車両固有IDと一致しない場合、登録処理を行う登録制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る電子駐車券利用システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、ユーザ機器のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、車載機のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、路側機のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、駐車場機器のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、事業者管理サーバのハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、車両情報管理サーバのハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、図1に示される駐車券利用システムにおいて、車両が有料駐車場に入場し、退場するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
図9図9は、ユーザ機器の出力部に電子駐車券アプリケーションを表示した例を示す図である。
図10図10は、図8に示す入場フェーズの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、図1に示される電子駐車券利用システムにおいて、電子駐車券を発券するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
図12図12は、駐車券発券フェーズにおける事業者管理サーバの駐車券発券手順の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、事前精算フェーズにおける事業者管理サーバの精算手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、出口フェーズにおける事業者管理サーバの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、事業者管理サーバのハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図16図16は、図1に示される駐車券利用システムにおいて、車両が有料駐車場に入場し、退場するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
図17図17は、図16に示される電子駐車券利用システムにおいて、ユーザが物品等を購入する場面を示したイメージ図である。
図18図18は、購入フェーズにおける事業者管理サーバの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、出口フェーズにおける事業者管理サーバの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、発券された紙媒体の駐車券の一例を示す図である。
図21図21は、電子駐車券アプリケーションの登録を行う場合の各装置の動作を示したイメージ図である。
図22図22は、電子駐車券アプリケーションの登録時における事業者管理サーバの動作手順の一例を示すフローチャートである。
図23図23は、処理種別ごとの発券、入場ゲート、出場ゲート、精算、駐車券がどのようになるのかを示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら業者管理サーバ、事業者管理方法、および事業者管理プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0013】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、本実施形態に係る電子駐車券利用システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る電子駐車券利用システムは、ユーザ機器1と、車両20に配置された車載機2と、有料駐車場30に配置された路側機3および駐車場機器4と、事業者管理サーバ5と、車両情報管理サーバ6と、ネットワーク10と、を備える。
【0014】
ユーザ機器1、車載機2、路側機3、駐車場機器4、事業者管理サーバ5、および車両情報管理サーバ6は、ネットワーク10を通じて、互いに通信可能である。また、事業者管理サーバ5は、ネットワーク10を通じて、車両情報管理サーバ6と通信可能である。さらに、路側機3は、車載機2および駐車場機器4と通信可能である。なお、路側機3は、車両情報管理サーバ6と通信可能であっても良い。
【0015】
なお、情報処理システムは、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を備えたり、情報処理システムから特定の構成が除外されたりしても良い。
【0016】
ユーザ機器1は、ユーザが利用する端末である。ユーザ機器1は、スマートフォン等の携帯端末型の装置であって良い。
【0017】
車両20は、施設に設置された駐車場を利用可能な車両であれば一般的な車両20で良い。例えば、車両20は、複数人で車両20を共有するカーシェアリング等の車両20も含んで良い。また、車両20は、中古車のようにオーナーが変更した車両20を含んでも良い。
【0018】
車載機2は、例えば、ETCカードを挿入することによりETCシステムを利用することが可能である。
【0019】
路側機3は、有料駐車場30内に設置される。路側機3は、例えばDSRC(dedicated short-range communications)機能を搭載した機器を備えていて良い。なお駐車場の入場と出場の場所が異なる場合、路側機3は、それぞれ入口および出口の両方に設置されていても良い。
【0020】
有料駐車場30は、スーパーマーケット、ショッピングモール等の施設内に設置されても良いし、コインパーキングまたは月極の駐車場であっても良い。すなわち、有料駐車場30は、駐車料金が発生する駐車場であれば一般的な駐車場であって良い。
【0021】
駐車場機器4は、有料駐車場30内に設置される。そして、駐車場機器4は、車両20が有料駐車場30に入場または出場する際に車両20を検知する。また、駐車場機器4は、ゲートを用いて、車両20の入出場を制御する。
【0022】
ここで、駐車場機器4は、無くとも良い。例えば、路側機3が車両情報管理サーバ6と通信可能であり、車両20を検知可能な場合、駐車場機器4を省略することが可能である。この場合、例えば、有料駐車場30は、車両20が入出場をする際のゲート等を配置しなくとも良い。
【0023】
事業者管理サーバ5は、有料駐車場30を管理する会社内の所定の場所等に設置される。あるいは、クラウド等を管理する事業者の管理会社の所定の場所に設置されても良い。事業者管理サーバ5は、ユーザ機器1、駐車場機器4、および車両情報管理サーバ6とネットワーク10を通じて通信可能であり、各種情報を送受信する。上述したように、事業者管理サーバ5は、ネットワーク10を通じて、路側機3と通信可能であっても良い。
【0024】
車両情報管理サーバ6は、事業者管理サーバ5と同一の場所または異なる場所に設置されても良い。車両情報管理サーバ6は、事業者管理サーバ5と直接有線または無線を用いて、またはネットワーク10を通じて接続可能である。また、事業者管理サーバ5と車両情報管理サーバ6との間の通信は、セキュアな通信である。また、図1では、事業者管理サーバ5と車両情報管理サーバ6は、別個のサーバとして示しているが、1つのサーバに機能をまとめても良いのは勿論である。
【0025】
図2は、ユーザ機器1のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
ユーザ機器1は、制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、入出力インタフェース14、入力部15、および出力部16を備える。制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、および入出力インタフェース14は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース14は、入力部15および出力部16と互いに通信可能に接続されている。
【0026】
ユーザ機器1の制御部11は、ユーザ機器1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサを備える。また、制御部11は、通信制御部111、2次元コード読み取り部112、およびアプリケーション制御部113を備える。
【0027】
通信制御部111は、通信インタフェース13を通じて、後述する2次元コード読み取り部112で読み取った2次元コード情報を事業者管理サーバ5に送信する。さらに、通信制御部111は、通信インタフェース13を通じて、有料駐車場30の駐車料金の事前精算を行うための精算要求を事業者管理サーバ5に送信する。
【0028】
2次元コード読み取り部112は、有料駐車場30または有料駐車場30を有する施設に配置されたデジタルサイネージ、看板、広告等に表示された2次元コードを読み取り、2次元コード情報を取得する。2次元コード情報は、例えば、当該有料駐車場30または施設にいることを示す施設情報を含んで良い。なお、施設情報は後述する。
【0029】
アプリケーション制御部113は、電子駐車券アプリケーションを制御する。例えば、アプリケーション制御部113は、電子駐車券アプリケーションを出力部16に表示させるように制御する。なお、電子駐車券アプリケーションが出力部16に表示する情報の例は、後述する。
【0030】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部12は、事前登録された暗号化された車両固有IDおよび電子駐車券アプリケーションの会員番号等を記憶して良い。以下では、車両固有IDは、暗号化されたものとしているが、車両固有IDは、暗号化されていなくても良いのは勿論である。また、車両固有IDの詳細は、後述する。
【0031】
通信インタフェース13は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース13は、LANまたはインターネット等を含むネットワーク10を通じて、事業者管理サーバ5と無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース13は、制御部11の制御の下、事業者管理サーバ5との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0032】
入出力インタフェース14は、入力部15および出力部16との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース14は、通信インタフェース13の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース14は、入力部15、出力部16と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0033】
入力部15は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース14を介して、ユーザ7のタッチ位置に対応した信号を制御部11に出力する。例えば、入力部15および出力部16は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部15は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等にユーザ7がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部11に出力しても良い。また、入力部15は、例えば、ユーザ機器1のユーザ7がユーザ機器1に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0034】
出力部16は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース14から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0035】
図3は、車載機2のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
車載機2は、制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、入出力インタフェース24、入力部25、および出力部26を備える。制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、および入出力インタフェース24は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース24は、入力部25および出力部26と互いに通信可能に接続されている。
【0036】
車載機2の制御部21は、車載機2を制御する。制御部21は、CPUなどのハードウェアプロセッサを備える。また、制御部21は、通信制御部211および車載機情報生成部212を備える。
【0037】
通信制御部211は、通信インタフェース23を通じて、車載機情報要求を路側機3から受信し、当該車載機情報要求に応答して車載機情報を路側機3に送信する。
【0038】
車載機情報生成部212は、車載機情報要求に応答して車載機情報を生成する。ここで、車載機情報は、例えば、後述する記憶部22に記憶された車載機情報、車載機2に挿入されたETCカードのETCカードID、ETCカード番号、およびETCカードの有効期限等を含んで良い。また、車載機情報は、少なくとも車両固有IDを含む。車両固有IDは、車載機ID(例えば、ASL-IDまたはWCN)、ナンバープレート情報、ETCカードIDのうちの少なくとも1つであって良い。車両固有IDは、車両を一意に識別することが可能な情報であれば任意の情報であって良い。
【0039】
記憶部22は、記憶媒体である。記憶部22は、例えばHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部22は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部22は、車載機ID、ナンバープレート情報、車種、車重、車長、車高等の各種情報を記憶していて良い。
【0040】
通信インタフェース23は、1つ以上の無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース23は、路側機3と無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース23は、制御部21の制御の下、路側機3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0041】
入出力インタフェース24は、入力部25および出力部26との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース24は、通信インタフェース23の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース24は、入力部25および出力部26と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0042】
入力部25は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース24を介して、ユーザ7のタッチ位置に対応した信号を制御部21に出力する。例えば、入力部25および出力部26は、入出力が一体となったタッチスクリーンを含んで良い。例えば、入力部25は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等にユーザ7がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部21に出力しても良い。また、入力部25は、ETCカード等の決済用カードを挿入可能なカード挿入部を含む。カード挿入部にETCカードが挿入されると、制御部21は、ETCカードに記憶されたETCカードID等の各種情報を読み取ることが可能となる。
【0043】
出力部26は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース24から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。また、出力部26は、スピーカ等を有する。例えば、出力部26は、カード挿入部にETCカードが挿入されていない、ETCカードから情報が読み取れない場合等にユーザ7に音声でその旨を伝えることが可能である。
【0044】
図4は、路側機3のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
路側機3は、制御部31、記憶部32、通信インタフェース33、入出力インタフェース34、入力部35、および出力部36を備える。制御部31、記憶部32、通信インタフェース33、および入出力インタフェース34は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース34は、入力部35および出力部36と互いに通信可能に接続されている。
【0045】
路側機3の制御部31は、路側機3を制御する。制御部31は、CPUなどのハードウェアプロセッサを備える。また、制御部31は、通信制御部311、信号制御部312、および暗号制御部313を備える。
【0046】
通信制御部311は、駐車場機器4から取得指示を受信し、車載機2に車載機情報要求を送信し、車載機2から車載機情報を受信する。
【0047】
信号制御部312は、受信した取得指示に基づいて車載機情報要求を生成する。また、信号制御部312は、受信した路側機情報に加えて、記憶部32に記憶された路側機の識別情報、路側機位置情報、車両20が有料駐車場30に進入した日時を示す日時情報を含む路側機情報を生成する。ここで、路側機位置情報は、路側機の位置を示す情報であっても良いし、路側機管理番号であっても良い。
【0048】
暗号制御部313は、記憶部32に記憶された鍵情報を用いて、路側機情報を暗号化する。なお、暗号化は、路側機情報に対して行っても良いし、路側機情報に含まれる車載機情報に対して行っても良い。
【0049】
記憶部32は、記憶媒体である。記憶部32は、例えばHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部32は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。記憶部32は、路側機ID、路側機位置情報、および路側機情報を暗号化するための鍵情報等の各種情報を記憶する。
【0050】
通信インタフェース33は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース33は、車載機2と無線接続する通信モジュールを含む。さらに通信インタフェース33は、駐車場機器4と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース33は、制御部31の制御の下、車載機2および駐車場機器4との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0051】
入出力インタフェース34は、入力部35および出力部36との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース34は、通信インタフェース33の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース34は、入力部35、出力部36と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0052】
入力部35は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース34を介して、路側機3の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部31に出力する。例えば、入力部35および出力部36は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部35は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に路側機3の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部31に出力しても良い。また、入力部35は、例えば、路側機3の管理者が路側機3に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0053】
出力部36は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース34から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0054】
図5は、駐車場機器4のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
駐車場機器4は、制御部41、記憶部42、通信インタフェース43、入出力インタフェース44、入力部45、出力部46、車両検知機47、ゲート48、および発券・支払い部49を備える。制御部41、記憶部42、通信インタフェース43、および入出力インタフェース44は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース44は、入力部45、出力部46、車両検知機47、ゲート48および発券・支払い部49と互いに通信可能に接続されている。
【0055】
駐車場機器4の制御部41は、駐車場機器4を制御する。制御部41は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。また、制御部41は、車両検知制御部412、信号制御部413、ゲート制御部414、および通信制御部411を備える。
【0056】
通信制御部411は、取得指示を路側機3に送信し、路側機情報を事業者管理サーバ5に転送する。また、通信制御部411は、路側機情報を記憶部42に記憶させて良い。
【0057】
車両検知制御部412は、車両検知機47を用いて車両20を検知する。そして車両検知制御部412は、車両を検知したことを示す検知信号を信号制御部413に出力して良い。
【0058】
信号制御部413は、検知信号に基づいて車載機2から車載機情報を取得する取得指示を生成し、通信制御部411に出力して良い。また、信号制御部413は、案内指示に基づいて出力部46に含まれるスピーカに案内指示に含まれる音声情報を出力して良い。
【0059】
ゲート制御部414は、ゲート48を制御する。例えば、ゲート制御部414は、ゲート開放指示に基づいてゲート48を開放し、車両20の通行を許可する。
【0060】
発券制御部415は、事業者管理サーバ5から受信した発券指示に応じて、紙媒体の駐車券を発券する指示を発券・支払い部49に出力する。この際、発券制御部415は、路側機情報に含まれる車両固有IDを2次元コードで表示するための情報を発券指示に含ませて良い。
【0061】
支払い制御部416は、事業者管理サーバ5から受信する料金情報を受信し、ユーザ7に駐車料金を支払わせる。例えば、支払い制御部416は、料金情報に含まれる料金をユーザ7に知らせるために出力部46に料金を表示させ、音声で料金を知らせるように制御して良い。また、ユーザ7が駐車料金を支払った際、支払い情報を生成し、事業者管理サーバ5に送信して良い。
【0062】
記憶部42は、記憶媒体である。記憶部42は、例えばHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部42は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部42は、駐車場機器4を識別する駐車場機器識別情報を記憶する。
【0063】
通信インタフェース43は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース43は、LANまたはインターネット等を含むネットワーク10を通じて、事業者管理サーバ5と無線接続する通信モジュールを含む。さらに通信インタフェース43は、路側機3と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース43は、制御部41の制御の下、路側機3および事業者管理サーバ5との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0064】
入出力インタフェース44は、入力部45および出力部46との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース44は、通信インタフェース43の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース44は、入力部45、出力部46、車両検知機47、ゲート48、および発券・支払い部49と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0065】
入力部45は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース44を介して、駐車場機器4の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部41に出力する。例えば、入力部45および出力部46は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部45は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部41に出力しても良い。また、入力部45は、例えば、駐車場機器4の管理者が駐車場機器4に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0066】
出力部46は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース44から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。また、出力部46は、スピーカを含んで良い。出力部46は、信号制御部413から受信した音声情報に従って車両20の運転者(ユーザ機器1のユーザ7)に向けて音声を出力して良い。
【0067】
車両検知機47は、車両20が有料駐車場30に接近してきたことを検知する。例えば、車両検知機47は、レーザ式またはループ式の検知方法によって車両20を検知して良い。例えば、レーザ式の車両検知機47は、制御部41の制御の下、レーザ光を照射し、車両20等の物体で反射されるレーザ光の反射光を検知する。また、例えば、ループ式の車両検知機47は、有料駐車場30の入口に進入する前の道路等に埋め込まれたループコイルを備える。車両検知機47は、車両20がループコイル上を通り過ぎる際のインダクタンスの変化に基づいて車両20を検知する。
【0068】
ゲート48は、有料駐車場30の入口および出口に設置される。ゲート制御部414の制御の下、ゲート48を開閉することで車両20の有料駐車場30の通行(入場又は出場)を制御する。例えば、車両20を一時停止させる必要がある場合あるいは車両20の通行(入場又は出場)を不可とする場合、ゲート48は、ゲート制御部414の制御により閉じられ、車両20の通行を物理的に阻止する。また、車両20の通行(入場又は出場)を許可する場合、ゲート48は、ゲート制御部414の制御により開放され、車両20の通過を許可する。
【0069】
発券・支払い部49は、発券制御部415からの発券指示に応じて、2次元コードが印刷された紙媒体の駐車券を発券して良い。また、発券・支払い部49は、ユーザ7が駐車料金を支払うための現金投入口またはクレジットカード投入口等を備えていて良い。発券・支払い部49は、ユーザ7が駐車料金を支払ったことを示す信号を発券・支払い部49に出力して良い。
【0070】
図6は、事業者管理サーバ5のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
事業者管理サーバ5は、制御部51、記憶部52、通信インタフェース53、入出力インタフェース54、入力部55、および出力部56を備える。制御部51、記憶部52、通信インタフェース53、および入出力インタフェース54は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース54は、入力部55および出力部56と互いに通信可能に接続されている。
【0071】
事業者管理サーバ5の制御部51は、事業者管理サーバ5を制御する。制御部51は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。また、制御部51は、通信制御部511、登録制御部512、判定制御部513、発券制御部514、および精算制御部515を備える。
【0072】
通信制御部511は暗号化された車両固有IDを受信すると、車両情報管理サーバ6に転送する。そして、通信制御部511は、車両情報管理サーバ6から復号された車両固有IDを受信する。また、通信制御部511は、復号された車両固有IDを含む各種情報を各部に出力する。
【0073】
登録制御部512は、復号された路側機情報を通信制御部511から受信し、受信した路側機情報、すなわち車両固有IDを駐車場データベースに記憶させる。また、登録制御部512は、ゲート開放指示を、通信制御部511を通じて、駐車場機器4に送信して良い。また、登録制御部512は、電子駐車券アプリケーションデータベース522へのユーザ登録を制御して良い。
【0074】
判定制御部513は、通信制御部511から施設情報を受信する。ここで、施設情報の詳細は、後述する。そして、受信した施設情報が有料駐車場30に関連付けられているかどうかを判定する。例えば、判定制御部513は、施設情報に基づいて駐車場データベースを特定できるかどうかを判定する。また、判定制御部513は、復号された車両固有IDが特定された駐車場データベースに登録されているかどうかを判定する。
【0075】
発券制御部514は、電子駐車券の発券を制御する。施設情報が駐車場データベース521に関連付けられ、関連付けられた駐車場データベースに復号された車両固有IDが登録されている場合、発券制御部514は、電子駐車券を発券する。ここで、電子駐車券の詳細は、後述する。
【0076】
精算制御部515は、精算要求を受信した日時または出口側に設置された路側機3または駐車場機器4から路側機情報を受信した日時を示す出口日時情報と、入口側に設置された路側機3または駐車場機器4から路側機情報を受信した日時を示す入口日時情報とに基づいて駐車料金を算出する。また、駐車料金は、割引情報を考慮して算出して良い。
【0077】
記憶部52は、記憶媒体である。記憶部52は、例えばHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部52は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。また、記憶部52は、電子駐車券アプリケーションの会員番号リスト、会員についての情報、有料駐車場30の利用料金、割引条件等の各種情報を記憶する。ここで、会員についての情報は、ユーザ7の氏名、住所、電話番号、およびクレジットカード情報等を含んで良い。
【0078】
記憶部52は、駐車場データベース521および電子駐車券アプリケーションデータベース522を備える。
【0079】
駐車場データベース521は、有料駐車場30毎に存在して良い。すなわち、駐車場データベース521は、事業者管理サーバ5が管理する複数の有料駐車場30それぞれに対応付けられた駐車場データベース521を備える。なお、図6では、簡単化のため、1つの駐車場データベース521のみを表している。そして、駐車場データベース521は、各有料駐車場30に入出場する車両20の情報を記憶するために用いられる。例えば、駐車場データベース521は、有料駐車場30に入場する車両20の車両固有IDと紐付けて各種情報を記憶する。また、有料駐車場30から出場した車両20の車両固有IDは、削除されて良い。
【0080】
電子駐車券アプリケーションデータベース522は、電子駐車券アプリケーションで登録済みのユーザ7の個人情報等を記憶するために用いられる。例えば、電子駐車券アプリケーションは、ユーザ7の個人情報に加えて、車両固有IDを記憶していて良い。
【0081】
通信インタフェース53は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース53は、LANまたはインターネット等を含むネットワーク10を通じて、ユーザ機器1、駐車場機器4、車両情報管理サーバ6、および路側機3と無線接続する通信モジュールを含む。なお、通信インタフェース53は、車両情報管理サーバ6と有線接続する通信モジュールを含んでも良い。通信インタフェース53は、制御部51の制御の下、ユーザ機器1、駐車場機器4、車両情報管理サーバ6、および路側機3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0082】
入出力インタフェース54は、入力部55および出力部56との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース54は、通信インタフェース53の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース54は、入力部55、出力部56と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0083】
入力部55は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース54を介して、事業者管理サーバ5の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部51に出力する。例えば、入力部55および出力部56は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部55は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に事業者管理サーバ5の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部51に出力しても良い。また、入力部55は、例えば、事業者管理サーバ5の管理者が事業者管理サーバ5に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0084】
出力部56は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース54から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0085】
図7は、車両情報管理サーバ6のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
車両情報管理サーバ6は、制御部61、記憶部62、通信インタフェース63、入出力インタフェース64、入力部65、および出力部66を備える。制御部61、記憶部62、通信インタフェース63、および入出力インタフェース64は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース64は、入力部65および出力部66と互いに通信可能に接続されている。
【0086】
車両情報管理サーバ6の制御部61は、車両情報管理サーバ6を制御する。制御部61は、CPUなどのハードウェアプロセッサを備える。さらに、制御部61は、通信制御部611および復号制御部612を備える。
【0087】
通信制御部611は、事業者管理サーバ5から暗号化された車両固有IDを受信し、復号制御部612に出力する。また、通信制御部611は、復号された車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信する。
【0088】
復号制御部612は、記憶部62に記憶された鍵情報に基づいて暗号化された車両固有IDを復号する。なお、復号方式は、路側機情報およびゲート開放要求が暗号化の際に用いられた暗号化に対応する復号方式であれば良いのは勿論である。
【0089】
記憶部62は、記憶媒体である。記憶部62は、例えばHDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部62は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。記憶部62は、暗号化された路側機情報およびゲート開放要求を復号するために用いる鍵情報を記憶する。また、路側機情報に含まれる車両固有ID等を一時的に記憶しても良い。
【0090】
通信インタフェース63は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース63は、LANまたはインターネット等を含むネットワーク10を通じて、事業者管理サーバ5と無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース63は、制御部61の制御の下、事業者管理サーバ5との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0091】
入出力インタフェース64は、入力部65および出力部66との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース64は、通信インタフェース63の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース64は、入力部65、出力部66と有線または無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0092】
入力部65は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース64を介して、車両情報管理サーバ6の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部61に出力する。例えば、入力部65および出力部66は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部65は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に車両情報管理サーバ6の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部61に出力しても良い。また、入力部65は、例えば、車両情報管理サーバ6の管理者が車両情報管理サーバ6に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0093】
出力部66は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース64から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0094】
(動作)
図8は、図1に示される駐車券利用システムにおいて、車両20が有料駐車場30に入場し、退場するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
第1の実施形態では、有料駐車場30のみを利用する場合について説明する。例えば、ユーザ7は、有料駐車場30を有する施設で物品等の購買を行わない。
【0095】
図8の例では、ユーザ7が有料駐車場30を利用すると、有料駐車場30に入場するための入場フェーズと、電子駐車券を発券するための電子駐車券発券フェーズと、事前精算を行うための事前精算フェーズと、有料駐車場30から出場する出場フェーズとがある。ここで、電子駐車券発券フェーズと事前精算フェーズは、必ず行わなければならない動作ではなく、ユーザ7が任意に行う動作であって良い。
【0096】
図8では、これらのフェーズの動作イメージは、説明の簡単化のため、省略している。また、図8において、説明を簡単化するために、路側機3、駐車場機器4(但しゲート48を除く)、車両情報管理サーバ6等の表示を省略している。
【0097】
ここで、ユーザ機器1のユーザ7は、ユーザ機器1に電子駐車券アプリケーションをインストールし、登録が完了したユーザ7であるとする。すなわち、事業者管理サーバ5の電子駐車券アプリケーションデータベース522にユーザ7の個人情報および車両固有IDが登録されていることになる。また、登録が完了しているため、ユーザ機器1の記憶部12は、暗号化された車両固有ID等を記憶している。
【0098】
図9は、ユーザ機器1の出力部16に電子駐車券アプリケーションを表示した例を示す図である。
図9の例では、電子駐車券アプリケーションは、暗号化された車両固有IDと、有料駐車場30への入り時間および経過時間を表示することが可能なアプリケーションである。車両固有IDは、例えば、ASL-IDを用いて良い。また、更新ボタンを押すことで、経過時間、入り時間等を更新することが可能となる。なお、電子駐車券アプリケーションを起動して出力部16に表示することが可能な情報は、図9に示す車両固有ID、入り時間、および経過時間に限られず、事前精算をするための情報、有料駐車場30の料金情報、割引情報、各店舗で使用できるクーポン等任意の情報を表示して良いのは勿論である。
【0099】
[1]入場フェーズ
最初に図8で示した入場フェーズについて説明する。
図8の入場フェーズにおいて、車両20が有料駐車場30の入口に進入すると、駐車場機器4が車両20を検知する。路側機3は、検知した車両20の車載機2から車両固有IDを含む車載機情報を取得する。そして、図8の(1)で示すように、路側機3は、車載機情報を含む路側機情報を、駐車場機器4を介して事業者管理サーバ5に送信する。
【0100】
(2)で示すように、事業者管理サーバ5は、記憶部52の車両情報データベースに車両固有IDを記憶させる。そして、事業者管理サーバ5は、駐車場機器4にゲート48を開けるように指示する。
【0101】
(3)で示すように、指示を受信した駐車場機器4は、ゲート48を開く。車両20は、有料駐車場30の駐車可能な場所に駐車することになる。
【0102】
ここで、上述の説明は、車載機2が車両20に配備されている場合の例を説明したが、例えば、車載機2が車両20に配備されていない場合、従来と同様に駐車場機器4は、紙媒体の駐車券を発券しても良い。
【0103】
図10は、図8に示す入場フェーズの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
このシーケンス図は、ユーザ機器1の制御部11、車載機2の制御部21、路側機3の制御部31、駐車場機器4の制御部41、事業者管理サーバ5の制御部51、および車両情報管理サーバ6の制御部61がそれぞれ記憶部12、記憶部22、記憶部32、記憶部42、記憶部52、および記憶部62に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンス図の動作が実現される。
【0104】
図10のシーケンスは、例えば、車両20が有料駐車場30に進入しようとすることで開始する。すなわち、車両20が有料駐車場30の入口に進んでくることで開始する。すなわち、このシーケンスは、図8で示した入場フェーズの(1)~(3)の一連の動作を説明する。
【0105】
駐車場機器4の車両検知制御部412は、車両20を検知する(ステップST101)。車両検知制御部412は、車両検知機47を制御して車両20を検知する。車両20を検知すると、車両検知制御部412は、車両20を検知したことを示す検知信号を信号制御部413に出力する。
【0106】
通信制御部411は、取得指示を路側機3に送信する(ステップST102)。検知信号を受信した信号制御部413は、車載機2から車載機情報を取得することを指示する取得指示を生成し、通信制御部411に出力する。通信制御部411は、路側機3に取得指示を送信する。なお、取得指示の送信は、ネットワーク10を介しても良いし、有線またはWi-Fi等の無線技術を用いて路側機3に直接送信しても良い。
【0107】
通信制御部311は、車載機2に車載機情報要求を送信する(ステップST103)。通信制御部311は、通信インタフェース33を通じて、取得指示を受信し、受信した取得指示を信号制御部312に出力する。信号制御部312は、受信した取得指示に基づいて車載機情報要求を生成し、生成した車載機情報要求を通信制御部311に出力する。通信制御部311は、通信インタフェース33を通じて、車載機2に車載機情報要求を送信する。
【0108】
通信制御部211は、車載機情報を路側機3に送信する(ステップST104)。通信制御部211は、通信インタフェース23を通じて、車載機情報要求を受信し、受信した車載機要求情報を車載機情報生成部212に出力する。車載機情報生成部212は、車両固有ID、ETCカード番号、およびETCカードの有効期限等を含む車載機情報を生成し、通信制御部211に出力する。通信制御部211は、通信インタフェース23を通じて、車載機情報を路側機3に送信する。
【0109】
ここで、路側機3は、車載機2から車載機情報を取得せず、カメラの撮影画像等から車両20のナンバープレート情報を取得し、取得したナンバープレート情報を含む情報を車載機情報の代わりに用いても良い。すなわち、路側機3は、車載機2と通信する代わりに車両20から得られる情報を車載機情報の代わりに使用することもできる。例えば、路側機3は、車載機2と通信できない等の際に車両20から取得できる情報を使用しても良い。
【0110】
暗号制御部313は、車載機情報を含む路側機情報を暗号化する(ステップST105)。通信制御部311は、通信インタフェース33を通じて、車載機情報を受信し、信号制御部312に出力する。信号制御部312は、記憶部32に記憶された路側機3の位置情報、路側機識別情報を取得する。そして、信号制御部312は、車載機情報、位置情報、路側機識別情報、車両20が有料駐車場30に入場した日時を示す入場日時情報を含む路側機情報を生成し、当該路側機情報を暗号制御部313に出力する。ここで、路側機位置情報は、路側機の位置を示す情報であっても良いし、路側機管理番号であっても良い。また、路側機位置情報は、車両20が有料駐車場30のどこの入口または出口を通過しているかを特定するための番号である。例えば、路側機位置情報は、路側機に固有の番号であっても良いし、駐車場機器4と路側機3との組み合わせで固有に割り振られた番号であっても良い。また、路側機位置情報は、車両情報管理サーバ6が暗号化された情報を復号する際にどの復号鍵を使用するかを特定するために用いられる番号であっても良い。
【0111】
暗号制御部313は、記憶部32に記憶された鍵情報を用いて、路側機情報を暗号化する。なお、暗号化は、路側機位置情報を除いた路側機情報に対して行っても良いし、路側機情報に含まれる車載機情報に対して行っても良い。また、暗号化方式は、共通鍵暗号化方式、または公開鍵暗号化方式等の一般的な暗号化方式であって良い。また、暗号化方式は、改ざん耐性が追加される方式を利用しても良い。
【0112】
ここで、本実施形態では、路側機情報を暗号化する例を示しているが、車載機情報を含む路側機情報を暗号化しなくとも良い。この場合、ステップST105は、スキップして良い。
【0113】
通信制御部311は、路側機情報を駐車場機器4に送信する(ステップST106)。暗号制御部313は、信号制御部312を介して通信制御部311に暗号化された路側機情報を出力する。通信制御部311は、通信インタフェース33を通じて、路側機情報を駐車場機器4に送信する。
【0114】
通信制御部411は、路側機情報を事業者管理サーバ5に転送する(ステップST107)。通信制御部411は、通信インタフェース43を通じて、路側機情報を受信する。通信制御部411は、通信インタフェース43を通じて、受信した路側機情報を事業者管理サーバ5に転送する。なお、路側機3が事業者管理サーバ5と通信可能な場合、ステップST106で、通信制御部311が路側機情報を事業者管理サーバ5に直接送信しても良い。この場合、ステップST107は、省略される。
【0115】
通信制御部511は、路側機情報を車両情報管理サーバ6に転送する(ステップST108)。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、路側機情報を受信する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、受信した路側機情報を車両情報管理サーバ6に転送する。
【0116】
復号制御部612は、路側機情報を復号する(ステップST109)。通信制御部611は、通信インタフェース63を通じて路側機情報を受信する。そして、通信制御部611は、受信した路側機情報を復号制御部612に出力する。復号制御部612は、記憶部62に記憶された鍵情報を用いて路側機情報を復号する。ここで、復号方式は、ステップST105で用いた暗号化方式に対応する復号方式であれば良いのは勿論である。
【0117】
通信制御部611は、復号路側機情報を事業者管理サーバ5に送信する(ステップST110)。復号制御部612は、通信インタフェース63を通じて、事業者管理サーバ5に復号路側機情報を送信する。
【0118】
また、ステップST105で説明したように、路側機情報が暗号化されていない場合、ステップST108~ステップST110は、スキップして良い。
【0119】
通信制御部511は、路側機情報に含まれる車両固有IDをデータベースに記憶する(ステップST111)。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、復号路側機情報を受信し、受信した復号路側機情報を登録制御部512に出力する。登録制御部512は、受信した復号路側情報に含まれる車両固有IDおよび日時情報を駐車場データベース521に記憶させる。なお、登録制御部512は、復号路側機情報に含まれるすべての情報を駐車場データベースに記憶させても良い。また、登録制御部512は、電子駐車券アプリケーションデータベース522に車両固有IDが登録されているか検索しても良い。
【0120】
通信制御部511は、ゲート開放指示を駐車場機器4に送信する(ステップST112)。登録制御部512は、駐車場データベース521に車両固有IDおよび日時情報を登録した後、ゲート開放指示を生成し、通信制御部511に出力する。ここで、検索の結果、電子駐車券アプリケーションデータベース522に車両固有IDが登録されていない場合、登録制御部512は、「電子駐車券アプリケーションをご利用になりたい方は、発券ボタンを押して下さい」と音声および映像で出力するためのアナウンス情報をゲート開放指示に含めても良い。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、駐車場機器4にゲート開放指示を送信する。駐車場機器4は、ゲート開放指示に従って、ゲート48を開ける。また、制御部41は、出力部46を通じて、「事前精算機をご利用の方は発券ボタンを押して下さい」という音声案内および表示をしても良い。また、ゲート開放指示にアナウンス情報を含む場合、制御部41は、出力部46に当該アナウンス情報を音声および映像で出力させるように制御して良い。
【0121】
上記から、入場フェーズにおいて、車両20が車載機2を搭載している場合、車両20がゲート48に進入すると、自動的にゲートが開くことになる。一方、車両20が車載機2を搭載していない場合、従来と同様に駐車場機器4から紙媒体の駐車券が発券されて良い。
【0122】
[2]電子駐車券発券フェーズ
次に、図8で示す電子駐車券発券フェーズについて説明する。
図11は、図1に示される電子駐車券利用システムにおいて、電子駐車券を発券するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
有料駐車場30の空いているスペースに車両20を停車した後、ユーザ7は、電子駐車券を発券する必要がある。
【0123】
最初に、有料駐車場30または有料駐車場30を有する施設内には、電子駐車券を発券するための2次元コードが表示された看板またはデジタルサイネージ等が配置されていて良い。2次元コードは、例えば、有料駐車場30または施設内にいることを示す施設情報、例えば、位置情報および施設ID等を含む。ここで、位置情報は、2次元コードが配置された位置を示すGPS情報であって良い。すなわち、位置情報が示す位置は、有料駐車場30または有料駐車場30を有する施設内である。また、施設IDは、有料駐車場30に関連付けられたID、すなわち有料駐車場30を特定可能なIDであれば良く、例えば、有料駐車場ID、施設ID、施設内の任意の店舗ID、デジタルサイネージを表示している機器ID等でも良い。なお、施設情報は、施設IDまたは位置情報のいずれかを含んでも良い。また、図11に示すように、デジタルサイネージに表示された2次元コードは、任意の時間間隔で情報更新しても良い。また、情報更新は、事業者管理サーバ5の制御部51が制御しても良い。
【0124】
ユーザ7は、ユーザ機器1を用いて2次元コードを読み取る。図11の(1)に示すように、ユーザ機器1は、読み取った2次元コードから取得した施設情報および記憶部12に記憶された暗号化された車両固有IDを含む電子駐車券発券要求を事業者管理サーバ5に送信する。
【0125】
ここで、ユーザ機器1が事業者管理サーバ5に送信する施設情報は、位置情報および有料駐車場30を特定可能な施設IDを含めば良い。そのため、2次元コードで読み取った情報に限られない。例えば、施設情報は、有料駐車場30または施設内の機器にBluetooth(登録商標)を用いて接続して得られた位置情報および機器ID、有料駐車場30または施設内のWi-Fiスポットに接続して得られた位置情報および機器ID、または近距離無線通信を用いて有料駐車場30または施設内の機器から取得した位置情報および機器ID等であっても良い。すなわち、有料駐車場30施設内の任意の場所において、ユーザ機器1が操作された結果、電子駐車券発券要求が送信されたことが証明できる情報であれば、ユーザ7の位置特定方法は任意の方法でよい。つまり、車両が駐車した場所または当該施設の場所において、ユーザ機器が操作され、電子駐車発券要請が出されたことを証明できれば、位置の特定方法は問わない。
【0126】
事業者管理サーバ5は、ユーザ機器1から受信した駐車券発券要求に含まれる暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。車両情報管理サーバ6は、暗号化された車両IDを復号し、復号された車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信する。
【0127】
(2)および(3)に示すように、事業者管理サーバ5は、ユーザ機器1から受信した車両固有IDが駐車場データベース521に登録されているか、そして、ユーザ7が有料駐車場30または施設内にいるかを検定する。検定の結果、車両固有IDが登録され、且つユーザ7が有料駐車場30または施設にいると判定された場合、(4)に示すように、事業者管理サーバ5は、電子駐車券を発券する。例えば、事業者管理サーバ5は、ユーザ機器1に駐車場データベース521に記憶された入場日時情報、すなわち、入り時間を送信する。また、事業者管理サーバ5は、電子駐車券をユーザ機器1に送信しても良い。
【0128】
ここで、電子駐車券とは、紙媒体の駐車券のように実際に存在する必要のない仮想的な駐車券であって良い。そのため、電子駐車券を発券するとは、事業者管理サーバ5で、有料駐車場30の駐車料金を計算し、ユーザ7に当該駐車料金を請求する一連のプログラムを実行し始めたことを意味する。すなわち、事業者管理サーバ5がユーザ機器1に電子駐車券を送信するとは、電子駐車券が発券された(当該一連のプログラムが実行された)ことを示す情報を事業者管理サーバ5がユーザ機器に送信することを意味する。したがって、事業者管理サーバ5が電子駐車券を発券すれば良いため、事業者管理サーバ5は、電子駐車券をユーザ機器1に送信してもしなくとも良い。
【0129】
入場日時情報を受信したユーザ機器1の出力部16に表示された電子駐車券アプリケーションには、入り時間が表示され、電子駐車券が発券されたことが示されて良い。
【0130】
(5)に示すように、事業者管理サーバ5は、電子駐車券を発券した車両固有IDを電子駐車券アプリケーションデータベース522に記憶させて良い。
【0131】
図12は、電子駐車券発券フェーズにおける事業者管理サーバ5の駐車券発券手順の一例を示すフローチャートである。
【0132】
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0133】
ステップST201で、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、駐車券発券要求を受信する。通信制御部511は、登録制御部512に受信した発券要求を出力する。
【0134】
ステップST202で、通信制御部511は、発券要求に含まれる暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。登録制御部512は、受信した発券要求に含まれる暗号化された車両固有IDを通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、受信した車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。図10のステップST109~ステップST110で説明したのと同様に、復号制御部612は、車両固有IDを復号する。そして、通信制御部611は、復号した車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信することになる。
【0135】
また、登録制御部512は、発券要求に含まれる施設情報を判定制御部513に出力して良い。
【0136】
ステップST203で、通信制御部511は、復号された車両固有IDを受信する。通信制御部511は、受信した復号された車両固有IDを判定制御部513に出力する。
【0137】
ステップST204で、判定制御部513は、有料駐車場30に関連付けられているかどうかを判定する。判定制御部513は、施設情報が有料駐車場30に関連付けられているかどうかを判定する。例えば、判定制御部513は、施設情報に含まれる位置情報の位置が有料駐車場30または有料駐車場30を有する施設内であるかを判定する。或いは、判定制御部513は、施設情報に含まれる施設IDが有料駐車場30に関連付けられたIDである、すなわち有料駐車場30を特定可能なIDであるかどうかを判定する。判定制御部513は、施設情報が有料駐車場30または有料駐車場30を有する施設に関連付けられていると判定した場合、有料駐車場30に対応付けられた駐車場データベース521を特定できる。この場合、処理は、ステップST205に進む。
【0138】
一方、施設情報が有料駐車場30に関連付けられていないと判定した場合、処理は終了する。この場合、制御部51は、電子駐車券を発券できなかった理由(例えば、有料駐車場30を特定できなかった)を含む電子駐車券未発券応答をユーザ機器1に送信して良い。
【0139】
ステップST205で、判定制御部513は、復号された車両固有IDが登録されているかどうかを判定する。判定制御部513は、特定した有料駐車場30に対応する駐車場データベース521に復号された車両固有IDが登録されている、すなわち一致する車両固有IDがあるかどうかを判定する。登録されていると判定した場合、ユーザ7は、当該有料駐車場30を利用していることが確定できる。そこで、処理は、ステップST206に進む。
【0140】
一方、登録されていないと判定した場合、処理は終了する。この場合、制御部51は、電子駐車券を発券できなかった理由(例えば、車両固有IDが登録されていない)を含む電子駐車券未発券応答をユーザ機器1に送信して良い。
【0141】
ステップST206で、通信制御部511は、発券情報を送信する。判定制御部513は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDに紐付けられた入場日時情報を取得し、取得した入場日時情報、車両固有ID、および駐車場データベース521を特定可能なID、例えば有料駐車場IDを発券制御部514に出力する。発券制御部514は、入場日時情報および有料駐車場IDを含む、電子駐車券を発券するための発券情報を生成し、生成した発券情報を通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、発券情報をユーザ機器1に送信する。また、発券制御部514は、発券情報に基づいて電子駐車券を発券して良い。
【0142】
ここで、発券情報は、施設情報が有料駐車場30に関連付けられており、且つ車両固有IDが駐車場データベース521に登録されていることに応じて、発券制御部514が電子駐車券を発券する際に用いる情報であって良い。例えば、発券情報は、電子駐車券を発券する(すなわち、有料駐車場30の駐車料金を計算し、ユーザ7に請求する一連のプログラムを開始する)ために必要な情報(例えば、有料駐車場ID、車両固有ID,入場日時情報等)の一部または全てであって良い。また、通信制御部511は、発券情報に加えて電子駐車券をユーザ機器1に送信して良い。
【0143】
また、発券情報を受信したユーザ機器1のアプリケーション制御部113は、出力部16に表示された電子駐車券アプリケーションの入り時間を表示させて良い。また、有料駐車場ID等に基づいてどの有料駐車場30に車両20が停まっているかという情報を表示させても良い。さらに、アプリケーション制御部113は、電子駐車券が発券されたことを示す情報を表示させても良い。
【0144】
ステップST207で、発券制御部514は、駐車場データベース521に駐車情報を記憶させる。発券制御部514は、車両固有IDに発券情報等を紐付けて駐車情報として駐車場データベース521に記憶させる。
【0145】
[3]事前精算フェーズ
図8に戻って、ユーザ7が有料駐車場30から車両20を出庫させる前に事前精算を行っておくことが可能である。但し、ユーザ7は、事前精算を行わなくとも良い。そのため、当該事前精算は、オプションとなる。
【0146】
図13は、事前精算フェーズにおける事業者管理サーバ5の精算手順の一例を示すフローチャートである。
【0147】
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0148】
最初に、事前精算を行うユーザ7は、上で説明した電子駐車券が発券されているユーザ7であるとする。すなわち、ユーザ機器1は、暗号化された車両固有IDに加えて、有料駐車場30について情報、入場日時情報等が記憶部12に記憶されていて良い。そして、ユーザ7が事前精算を行いたいと望む場合、アプリケーション制御部113は、有料駐車場30についての情報、入場日時情報、および暗号化された車両固有IDを含む精算要求を生成する。そして、制御部11が通信インタフェース13を通じて、精算要求を事業者管理サーバ5に送信することにより、このフローチャートは、開始する。
【0149】
ステップST301で、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、精算要求を受信する。
【0150】
ステップST302で、通信制御部511は、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。通信制御部511は、受信した精算要求を精算制御部515に出力する。精算制御部515は、精算要求に含まれる暗号化された車両固有IDを通信制御部511に出力する。そして、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。
【0151】
暗号化された車両固有IDを受信した車両情報管理サーバ6は、図10を参照して説明したステップST109~ステップST110と同様に、暗号化された車両固有IDを復号し、復号した車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信することになる。
【0152】
ステップST303で、通信制御部511は、復号した車両固有IDを受信する。通信制御部511は、受信した復号された車両固有IDを精算制御部515に出力する。
【0153】
ステップST304で、精算制御部515は、駐車情報を取得する。精算制御部515は、精算要求に含まれる有料駐車場情報に基づいて有料駐車場30に対応する駐車場データベース521を特定し、復号された車両固有IDに基づいて駐車場データベース521に記憶された駐車情報を取得する。
【0154】
ステップST305で、精算制御部515は、割引情報があるかどうかを判定する。例えば、精算要求が割引情報を含む場合、精算制御部515は割引情報を有すると判定する。
【0155】
ステップST306で、精算制御部515は、割引情報を考慮して駐車料金を算出する。例えば、精算情報を受信した日時および駐車情報に含まれる入場日時情報が示す日時に基づいて駐車料金を算出し、当該割引情報に応じてユーザ7に請求すべき駐車料金を決定する。
【0156】
ステップST307で、精算制御部515は、駐車料金を算出する。例えば、精算情報を受信した日時および駐車情報に含まれる入場日時情報が示す日時に基づいて駐車料金を算出する。
【0157】
ステップST308で、通信制御部511は、料金情報を送信する。精算制御部515は、決定した駐車料金を含む料金情報を生成し、生成した料金情報を通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、ユーザ機器1に料金情報を送信する。ユーザ機器1のアプリケーション制御部113は、電子駐車券アプリケーションが表示されている出力部16に駐車料金を表示する。ユーザ7は、オンラインで決済可能な任意の方法で駐車料金を支払う。
【0158】
ステップST309で、通信制御部111は、支払い情報を受信する。支払いが済むと、アプリケーション制御部113は、支払いが済んだことを示す支払い情報を生成し、生成した支払い情報を通信制御部111に出力する。そして、通信制御部111は、通信インタフェース13を通じて、事業者管理サーバ5に支払い情報を送信する。通信制御部511は、受信した支払い情報を精算制御部515に出力する。
【0159】
ステップST310で、精算制御部515は、支払い情報を車両固有IDに紐付けて駐車場データベース521に記憶させる。
【0160】
[4]出場フェーズ
図8に戻って、ユーザが用事などを済ませて有料駐車場30から出場する。この場合、入場フェーズと同様に、車両20が有料駐車場30の出口に進入すると、駐車場機器4が車両20を検知する。そして、図8の(1)で示すように、路側機3は、車載機2から車両固有IDを含む車載機情報を取得する。そして、路側機3は、車載機情報を含む路側機情報を、駐車場機器4を介して事業者管理サーバ5に送信する。すなわち、事業者管理サーバ5は、車両固有IDを取得する。
【0161】
次に、図8の(2)で示すように、事業者管理サーバ5は、取得した車両固有IDに基づいて車両20が入場した時刻を示す入場日時情報を取得する。そして、(3)および(4)で示すように、有料駐車場30の駐車料金を算出し、精算する。
【0162】
(5)で示すように、精算時間内であればゲート48が自動的に開く、一方、精算時間外であれば、追加の支払いをする必要がある。(6)で示すように、ゲート48が開くと車両20は、出庫する。
【0163】
(7)で示すように、車両20が出庫すると、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDは必要なくなるため、削除される。
【0164】
図14は、出口フェーズにおける事業者管理サーバ5の動作手順の一例を示すフローチャートである。
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0165】
このフローチャートは、図10を参照して説明したステップST101~ステップST110の動作を経て、車両情報管理サーバ6が復号された車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信することにより開始する。
【0166】
ステップST401で、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、復号された車両固有IDを受信する。
【0167】
ステップST402で、判定制御部513は、車両固有IDが登録済みであるかどうかを判定する。判定制御部513は、路側機情報に含まれる路側機ID等に基づいて有料駐車場30を特定し、特定した有料駐車場30に対応する駐車場データベース521に記憶された車両固有IDと一致する車両固有IDがあるかどうか、すなわち登録済みであるかどうかを判定する。登録されていない、例えば、車両20が車載機2を有していない場合、判定制御部513は、登録されていないことを示す信号を精算制御部515に出力し、処理は、ステップST403に進む。一方、登録されている場合、判定制御部513は、登録されていることを示す信号を精算制御部515に出力し、処理はステップST404に進む。
【0168】
ステップST403で、通信制御部511は、駐車券挿入指示を駐車場機器4に送信する。車両20が車載機2を有していない場合、従来と同様に、紙媒体の駐車券が発券されている。そこで、精算制御部515は、ユーザ7に紙媒体の駐車券を駐車場機器4に挿入してもらうための駐車券挿入指示を送信する。
【0169】
駐車場機器4は、当該指示に応じてユーザ7に紙媒体の駐車券を挿入するように促す。ユーザ7は、紙媒体の駐車券を駐車場機器4の所定の場所に挿入し、駐車料金の精算を行って車両20を出庫させることになる。
【0170】
ステップST404で、精算制御部515は、ユーザ7が事前精算済みかを判定する。上述したように、車両20に乗り込む前にユーザ7が電子駐車券アプリケーションを操作して、駐車場料金を事前に精算することが可能である。ユーザ7が事前精算を行っていたと判定した場合、処理は、ステップST405に進む。一方、ユーザ7が事前精算済みでないと判定した場合、処理はステップST408に進む。
【0171】
ステップST405で、精算制御部515は、精算時間内であるかどうかを判定する。事前精算が完了して、所定の時間以内、例えば、10分以内に車両20が出口に到達した場合、精算制御部515は、精算時間内であると判定する。この場合処理は、ステップST406に進む。一方、精算時間内ではないと判定した場合、処理は、ステップST408に進む。
【0172】
ステップST406で、通信制御部511は、ゲート開放指示を送信する。精算制御部515は、支払いが済んでいると判定すると、ゲート開放指示を生成し、通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、ゲート開放指示を駐車場機器4に送信する。駐車場機器4は、ゲート開放指示に従って、ゲート48を開け、車両20を出庫させる。
【0173】
ステップST407で、精算制御部515は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDを削除する。精算が済み、車両20が有料駐車場30から出庫した場合、駐車場データベース521に車両固有IDを記憶しておく必要はない。そこで、精算制御部515は、車両固有IDを駐車場データベース521から削除する。
【0174】
ステップST408で、精算制御部515は、駐車料金を算出する。精算制御部515は、車両固有IDと共に記憶されている入場日時情報を取得し、路側機情報に含まれる日時情報すなわち出場日時情報との差に基づいて駐車料金を算出する。また、事前精算が終わっているにも関わらず、精算時間内に出口に到達しなかった車両に対して、精算制御部515は、駐車料金と事前精算額との差額を算出して、この差額を駐車料金として算出して良い。
【0175】
ステップST409で、通信制御部511は、支払い指示を駐車場機器4に送信する。精算制御部515は、駐車料金を含む支払い指示を生成し、通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、支払い指示を駐車場機器4に送信する。
【0176】
ステップST410で、通信制御部511は、支払い情報を受信する。ユーザ7による支払いが済むと、駐車場機器4の制御部41は、支払いが済んだことを示す支払い情報を生成し、生成した支払い情報を通信制御部411に出力する。そして、通信制御部411は、通信インタフェース43を通じて、事業者管理サーバ5に支払い情報を送信する。通信制御部511は、受信した支払い情報を精算制御部515に出力する。
【0177】
図13で説明したように、事前精算が終了していれば、車両20が出口に近づくと、自動的にゲート48が開き、車両20は、出庫することが可能となる。
【0178】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、駐車場の入出場を車両固有IDに基づいて行うことにより、手間の掛からない手法で管理することができる。
【0179】
また、入出場の際、ユーザ7がユーザ機器1等の操作を行わずに、入出場することが可能となる。
【0180】
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態における電子駐車券利用システムは、ユーザ7の購買情報を事業者管理サーバ5が有していれば、図1で示した概略構成と同一であって良い。なお、ユーザ7の購買情報は、図示していない施設に併設された装置が有しており、必要に応じて、事業者管理サーバ5が取得可能であっても良い。
【0181】
図15は、事業者管理サーバ5のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
第2の実施形態における事業者管理サーバ5は、図6で説明した事業者管理サーバ5と比較して、記憶部52が購買情報データベース523を備える点で異なる。
【0182】
購買情報データベース523は、ユーザ7が有料駐車場30を有する施設内での購買した情報を記憶するデータベースである。例えば、ユーザ7がスマートレシート等を利用するような場合、購買情報データベース523は、当該スマートレシートに表示すべき購買履歴を記憶していて良い。
【0183】
(動作)
第2の実施形態は、ユーザ7が施設等で物品等を購入する場合について説明する。すなわち、ユーザ7が施設で物品等を購買することにより、有料駐車場30の割引等のサービスを受けることが可能である場合について説明する。
【0184】
図16は、図1に示される駐車券利用システムにおいて、車両20が有料駐車場30に入場し、退場するまでの一連の場面を示したイメージ図である。
図16は、購買フェーズを有する以外、図8で説明したイメージ図と同じである。そして、入場フェーズおよび電子駐車券発券フェーズは、第1の実施形態で説明した各動作と同様であって良い。そのため、これらのフェーズの重複した説明を省略する。但し、第2の実施形態において、入場フェーズにおいて、車両20が有料駐車場30に入庫した後、ユーザ7は、有料駐車場30に併設された施設に入り、物品等を購入する。
【0185】
[1]購買フェーズ
図17は、図16に示される電子駐車券利用システムにおいて、ユーザ7が物品等を購入する場面を示したイメージ図である。
最初に、ユーザ7は、電子駐車券発券フェーズで電子駐車券を発券していても、していなくとも良い。例えば、電子駐車券発券フェーズで電子駐車券を発券をしていなくとも、施設での購買の際、電子駐車券を発券することが可能である。
【0186】
最初に、ユーザ7が施設内の店舗で何らかの商品を購入し、スマートレシート等を受け取るために、ユーザ機器1の出力部16に2次元コード等を表示する。レジにおいて、当該2次元コードを読み取る。この2次元コードは、例えば、電子駐車券アプリケーションが所持する車両固有IDを含んでも良い。
【0187】
図17の(1)および(2)で示すように、車両固有IDを含む購買情報は、事業者管理サーバ5に送信される。ここで、購買情報は、施設情報も含む。なお、施設情報に含まれる施設IDは、ユーザ7が物品またはサービスを購入した店舗IDであっても良い。また、購買情報は、ユーザ7が購入した物品またはサービスの値段などの情報を含んで良い。購買情報の送信は、例えば、ユーザ機器1が行っても良いし、車両固有IDを読み取ったレジの装置が行っても良い。ここで、レジの装置は、事業者管理サーバ5等が有する構成に加えて、一般的なレジが有する構成を備えた装置であって良いので、ここでの構成および機能の説明を省略する。
【0188】
(3)で示すように、事業者管理サーバ5は、受信した購買情報に基づいて、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDを取得する。
【0189】
そして、(4)で示すように、事業者管理サーバ5は、検定・精算を実行する。例えば、事業者管理サーバ5は、購買額に応じた無料時間を算出する。そして、(5)で示すように、駐車場データベース521に車両固有IDと共にサービス内容(例えば、無料時間)を記憶させる。
【0190】
図18は、購入フェーズにおける事業者管理サーバ5の動作手順の一例を示すフローチャートである。
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0191】
ステップST501で、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、購買情報を受信する。
【0192】
ステップST502で、通信制御部511は、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。通信制御部511は、受信した購買情報を精算制御部515に出力する。精算制御部515は、精算要求に含まれる暗号化された車両固有IDを通信制御部511に出力する。そして、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。
【0193】
暗号化された車両固有IDを受信した車両情報管理サーバ6は、図10を参照して説明したステップST109~ステップST110と同様に、暗号化された車両固有IDを復号し、復号した車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信することになる。
【0194】
ステップST503で、通信制御部511は、復号した車両固有IDを受信する。通信制御部511は、受信した復号された車両固有IDを判定制御部513に出力する。
【0195】
ステップST504で、判定制御部513は、施設IDが有料駐車場30に関連付けられているかどうかを判定する。例えば、判定制御部513は、施設IDが有料駐車場30に関連付けられたIDである、すなわち有料駐車場30を特定可能なIDであるかどうかを判定する。判定制御部513は、施設IDが有料駐車場30に関連付けられていると判定した場合、有料駐車場30に対応付けられた駐車場データベース521を特定できる。この場合、処理は、ステップST505に進む。
【0196】
一方、施設IDが有料駐車場30に関連付けられていなかった場合、処理は終了する。この場合、制御部51は、電子駐車券を発券できなかった理由(例えば、有料駐車場30を特定できなかった)を含む情報を、購買情報を送信したユーザ機器1または施設内の装置に送信して良い。
【0197】
ステップST505で、判定制御部513は、復号された車両固有IDが登録されているかどうかを判定する。判定制御部513は、特定した有料駐車場30に対応する駐車場データベース521に復号された車両固有IDが登録されている、すなわち一致する車両固有IDがあるかどうかを判定する。登録されていると判定した場合、ユーザ7は、当該有料駐車場30を利用していることが確定できる。そこで、処理は、ステップST506に進む。
【0198】
一方、登録されていないと判定した場合、処理は終了する。この場合、制御部51は、電子駐車券を発券できなかった理由(例えば、車両固有IDが登録されていない)を含む電子駐車券未発券応答を、購入情報を送信したユーザ機器1または施設内の装置に送信して良い。
【0199】
ステップST506で、判定制御部513は、電子駐車券が既に発券されているかどうかを判定する。登録された車両固有IDに紐付けられた電子駐車券が発券されていると判定した場合、処理は、ステップST509に進む。一方、登録された車両固有IDに紐付けられた電子駐車券が発券されていないと判定した場合、処理は、ステップST507に進む。また、判定制御部513は、車両固有IDおよび購買情報を精算制御部515に出力して良い。
【0200】
ステップST507で、通信制御部511は、発券情報を送信する。判定制御部513は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDに紐付けられた入場日時情報を取得し、取得した入場日時情報および車両固有IDを発券制御部514に出力する。発券制御部514は、入場日時情報および車両固有IDを含む、電子駐車券を発券するための発券情報を生成し、生成した発券情報を通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、発券情報をユーザ機器1に送信する。また、発券制御部514は、発券情報に加えて電子駐車券を通信制御部511に出力して良い。通信制御部511は、発券情報に加えて電子駐車券をユーザ機器1に送信して良い。
【0201】
ここで、発券情報を受信したユーザ機器1のアプリケーション制御部113は、出力部16に表示された電子駐車券アプリケーションの入り時間を表示させて良い。ここで、入り時間は、入場日時情報に示された時刻であって良い。また、アプリケーション制御部113は、電子駐車券が発券されたことを示す情報を表示させても良い。
【0202】
ステップST508で、発券制御部514は、駐車場データベース521に発券情報を記憶させる。発券制御部514は、車両固有IDに発券情報、入場日時情報等を紐付けた駐車情報として駐車場データベース521に記憶させる。
【0203】
ステップST509で、精算制御部515は、割引をすることが可能かどうか判定する。
【0204】
精算制御部515は、施設内でユーザ7が購入した物品またはサービスの購入履歴を精算済みデータベースから取得し、購買情報に含まれるユーザ7の購入した代金および購入履歴に基づいて有料駐車場30の料金の割引が可能かどうかを判定する。例えば、同一施設内での複数の店舗での精算額の合計が5000円を超える場合、精算制御部515は、有料駐車場30の駐車料金が2時間無料可能であると判定する。
【0205】
ステップST510で、精算制御部515は、割引情報を精算済みデータベースに記憶させる。精算制御部515は、駐車場情報に割引情報を加えて駐車場データベース521に記憶させる。
【0206】
[2]出場フェーズ
図19は、出口フェーズにおける事業者管理サーバ5の動作手順の一例を示すフローチャートである。
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0207】
このフローチャートは、図10を参照して説明したステップST101~ステップST110の動作を経て、車両情報管理サーバ6が復号された車両固有IDを事業者管理サーバ5に送信することにより開始する。
【0208】
ステップST601~ST605は、図14を参照して説明したステップST401~ステップST405と同じであるため、重複した説明を省略する。
【0209】
ステップST606で、精算制御部515は、駐車料金が無料であるかどうかを判定する。事前精算をしていなくとも、購買フェーズでユーザ7が施設内で物品またはサービスを購入した結果、駐車料金が無料になっている場合がある。そこで、精算制御部515は、駐車場データベース521に、車両固有IDに紐付けられた割引情報がないかを検索する。例えば、その割引情報が、入庫から2時間無料という割引であった場合、精算制御部515は、路側機情報に含まれる日時情報、すなわち出場日時情報と入場日時情報との差が2時間以内であるかどうかを判定する。そして、2時間以内であると判定した場合、精算制御部515は、駐車場が無料であると判定する。一方駐車料金が無料でないと判定された場合、処理は、ステップST607に進む。
【0210】
ステップST607~ステップST608は、図14を参照して説明したステップST406~ステップST407と同じであるため、重複した説明を省略する。
【0211】
ステップST609で、精算制御部515は、駐車料金を算出する。精算制御部515は、車両固有IDと共に記憶されている入場日時情報を取得し、路側機情報に含まれる日時情報すなわち出場日時情報との差に基づいて駐車料金を算出する。ここで、精算制御部515は、駐車場データベース521に記憶された割引情報を考慮して駐車料金を算出する。例えば、割引情報が500円の割引であれば、精算制御部515は、算出された料金から500円引いた料金を駐車料金として算出する。また、事前精算が終わっているにも関わらず、精算時間内に出口に到達しなかった車両に対して、精算制御部515は、駐車料金と事前精算額との差額を算出して、この差額を駐車料金として算出して良い。
【0212】
ステップST610~ステップST611は、図14を参照して説明したステップST409~ステップST410と同じであるため、重複した説明を省略する。
【0213】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、駐車場の入出場を車両固有IDに基づいて行うことにより、手間の掛からない手法で管理することができる。
【0214】
また、入出場の際、ユーザ7がユーザ機器1等の操作を行わずに、入出場することが可能となる。
【0215】
さらに、第2の実施形態によれば、電子駐車券発券フェーズで電子駐車券を発券しなくとも、施設内で物品等を購入するのと同時に電子駐車券を発券でき、ユーザの手間を省くことができる。
【0216】
[電子駐車券アプリケーションの登録]
第1の実施形態および第2の実施形態において、電子駐車券アプリケーションへの登録が既に終わっている場合について説明した。ここでは、電子駐車券アプリケーションを登録する方法について説明する。
【0217】
図10のステップST111~ステップST112で説明したように、車両20が有料駐車場30に入場する際、駐車場機器4から紙媒体の駐車券の発券を促すアナウンスが流れる。そして、アナウンスにより、ユーザ7が発券ボタンを押した場合、駐車場機器4の発券制御部415は、発券・支払い部49から紙媒体の駐車券を発券する。
【0218】
図20は、発券された紙媒体の駐車券の一例を示す図である。
図20に示すように、駐車券は、どこの駐車場の駐車券であるかを示す表示と、入り時間と、2次元コードが印刷される。当該2次元コードにより読み取り可能な情報は、暗号化された車両固有IDおよび施設情報等を含む。
【0219】
例えば、ユーザ機器1の2次元コード読み取り部112は、駐車券に印刷された2次元コードを読み取ることが可能である。
【0220】
図21は、電子駐車券アプリケーションの登録を行う場合の各装置の動作を示したイメージ図である。
最初に、ユーザ7が電子駐車券アプリケーションをインストールし、ユーザ機器1上に立ち上げる。そして、ユーザ機器1は、2次元コード読み取り部112を用いて駐車券に印刷された2次元コードを読み取り、2次元コード情報を取得する。そして、図21の(1)で示すように、読み取った2次元コード情報を含む登録要求を事業者管理サーバ5に送信する。ここで、2次元コード情報は、暗号化された車両固有IDおよび施設情報を含む。また、登録要求は、個人情報である、ユーザの氏名、メールアドレス、住所等を含んでもよい。なお、送信された車両固有IDは、図10を参照して説明したステップST108~ステップST110と同様の処理で、車両情報管理サーバ6により復号されて良い。
【0221】
図21の(2)で示すように、事業者管理サーバ5の制御部51は、駐車場データベース521に登録された車両固有IDを取得し、復号された車両固有IDが駐車場データベース521に登録されていることを確認する。さらに(3)で示すように、電子駐車券アプリケーションデータベース522に車両固有IDが登録されていないことを確認する。これらの確認後、(5)で示すように、電子駐車券アプリケーションの登録が許可されたまたは不許可となったかを通知する。(6)で示すように、電子駐車券アプリケーションに登録された場合、事業者管理サーバ5の制御部51は、電子駐車券アプリケーションデータベース522に登録情報を記憶する。
【0222】
図22は、電子駐車券アプリケーションの登録時における事業者管理サーバ5の動作手順の一例を示すフローチャートである。
事業者管理サーバ5の制御部51が記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0223】
このフローチャートは、ユーザ機器1が登録要求を送信することで開始される。ここで、登録要求は、暗号化された車両固有IDおよび駐車場ID等を含む。
【0224】
ステップST701で、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、登録要求を受信する。
【0225】
ステップST702で、通信制御部511は、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。通信制御部511は、受信した登録要求を登録制御部512に出力する。登録制御部512は、登録要求に含まれる暗号化された車両固有IDを通信制御部511に出力する。そして、通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、暗号化された車両固有IDを車両情報管理サーバ6に送信する。
【0226】
ステップST703で、通信制御部511は、復号された車両固有IDを受信する。通信制御部511は、復号した車両固有IDを登録制御部512に出力する。
【0227】
ステップST704で、登録制御部512は、車両固有IDが駐車場データベース521に登録済みであるかどうかを判定する。登録制御部512は、登録要求に含まれる車両情報に基づいて駐車場データベース521を特定し、特定した駐車場データベース521に車両固有IDが登録されているか判定する。例えば、登録制御部512は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDに復号された車両固有IDと一致するものが有るかどうかを判定する。登録されていると判定した場合、処理は、ステップST705に進む。
【0228】
何らかの事情により、駐車場データベース521に登録されていない場合、処理は終了する。この場合、制御部51は、登録できなかった理由(例えば、駐車場データベース521に登録がなされていない)を含む登録不許可応答をユーザ機器1に送信して良い。
【0229】
ステップST705で、登録制御部512は、電子駐車券アプリケーションデータベース522に車両固有IDが登録済みかどうかを判定する。登録済みであると判定した場合、処理は、ステップST706に進む。一方、未登録であると判定した場合、処理はステップST707に進む。
【0230】
ステップST706で、登録制御部512は、電子駐車券アプリケーションデータベース522から登録情報を削除する。例えば、車両20を中古で購入し、前のオーナーが電子駐車券アプリケーションデータベース522に登録済みの場合、この登録情報を削除する必要がある。そこで、登録制御部512は、電子駐車券アプリケーションデータベース522に記憶された登録情報を削除する。また、制御部51は、登録情報が削除されたユーザに対して、登録情報に記憶されたメールアドレス等を利用して、登録が削除された旨を含む通知を送信しても良い。
【0231】
ステップST707で、通信制御部511は、登録許可を送信する。登録制御部512は、登録許可を生成し、通信制御部511に出力する。通信制御部511は、通信インタフェース53を通じて、ユーザ機器1に登録許可を送信する。また、発券制御部514は、発券情報を生成し、生成した発券情報に基づいて電子駐車券を発券して良い。また、通信制御部411は、登録許可に加えて電子駐車券を送信して良い。
【0232】
ステップST708で、登録制御部512は、登録情報を電子駐車券アプリケーションデータベース522に記憶する。例えば、登録要求に個人情報である、ユーザの指名、メールアドレス、住所等が含まれていない場合、登録制御部512は、登録許可を受けたユーザに対して、個人情報を要求し、取得して良い。そして、登録制御部512は、車両固有IDに紐付けてこれらの個人情報を電子駐車券アプリケーションデータベース522に記憶させる。すなわち、登録制御部512は、登録処理を行う。
【0233】
また、登録制御部512は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDを用いて再度登録できないように排他処理を行っても良い。例えば、登録制御部512は、駐車場データベース521に記憶された車両固有IDを用いて電子駐車券アプリケーションが登録されたことを示す情報を車両固有IDに紐付けて駐車場データベース521に記憶させる。例えば、再度登録要求を受信したとしても、ステップST704で、登録制御部512は、駐車場データベース521に記憶された情報に基づいて、処理を終了に進めてよい。
【0234】
このようにすることで、電子駐車券アプリケーションを登録したユーザが紙媒体の駐車券を捨てた、または無くしたとしても、それを拾った悪意のある第3者が電子駐車券アプリケーションを登録しようとしても、登録することができなくなる。
【0235】
また、車両20を家族で利用するなど、車両20を複数人で使用する場合に、電子駐車券アプリケーションを登録したいというニーズもあると考えられる。このような場合、登録要求に複数人で使用する旨の情報を含めるようしてよいし、登録許可後を送信した後に登録制御部512が個人情報を取得する際に、車両20を利用する家族等の個人情報も取得して良い。例えば、ユーザ7の家族などが電子駐車券アプリケーションを登録する際は、当該家族等は、電子駐車券アプリケーションデータベース522に登録された情報の一部を事業者管理サーバ5に送信すれば、登録可能にしても良い。
【0236】
或いは、当該家族等が有料駐車場30を利用した際に上述した登録要求を送信して登録しても良い。この場合、ステップST706で登録情報を削除せずに、登録制御部512は、家族が登録されたことを電子駐車券アプリケーションに記憶させるようにして良い。
【0237】
登録可能な期間は、駐車場データベース521に車両固有IDが記憶されている間、すなわちユーザ7が有料駐車場30を利用している間のみ登録可能であっても良い。しかしながら、ユーザ7が有料駐車場30の利用後、所定の期間の間に登録可能にしても良い。この場合、車両20が有料駐車場30を出場した後、所定の期間の間、駐車場データベース521に車両固有IDを記憶させておいて良い。
【0238】
また、紙媒体の駐車券を利用せず、事前精算も行わない場合、ユーザ7は、駐車場機器4で駐車料金を精算する。この場合、精算した後のレシートに暗号化された車両固有IDおよび駐車場IDを含む2次元コードを印刷しても良い。
【0239】
そして、所定の期間の間に、ユーザ7は、ユーザ機器1を用いて2次元コードを読み取って2次元コード情報を取得し、電子駐車券アプリケーションの登録を行っても良い。なお、セキュリティを高めるため、事業者管理サーバ5は、登録をすることができる有効期間を設定しても良い。
【0240】
図23は、処理種別ごとの発券、入場ゲート、出場ゲート、精算、駐車券がどのようになるのかを示した表である。
図23のNO3~NO6に示すように、車両20が車載機2を有しており、さらに、既に電子駐車券アプリケーションの会員であるユーザ7のユーザ機器1は、Cの電子駐車券発券フェーズまたはDの購買フェーズの実施により、施設情報を事業者管理サーバ5に送信することになる。そして、事業者管理サーバ5がユーザ機器1を認証した場合、Jの駐車券で示すように、電子駐車券がユーザ機器1に発券される。そして、電子駐車券が発券されたユーザ機器1を有するユーザ7は、Eの事前精算フェーズを実施することができる。
【0241】
例えば、図23のNo3に示すように、Eの事前精算フェーズを実施した場合、ユーザ7の車両20がゲート48に近付くと、出口に設置された駐車場機器4のゲート48は、自動的にオープンすることになる。一方、No4に示すように、Eの事前精算フェーズを実施しない場合、ユーザ7の車両20が出口に設置された駐車場機器4を通過する際に駐車料金を現金またはカードにより支払うことにより、ゲート48は、オープンすることになる。ここで、支払いは、現金またはカードに限られず、電子マネー、2次元コードによる支払い等、一般的な支払方法を含むのは勿論である。
【0242】
また、図23のNo2に示すように、Cの電子駐車券発券フェーズおよびDの購買フェーズを実施しないことにより、事業者管理サーバ5が施設情報を取得しない場合、Jの電子駐車券は、発券されない。すなわち、ユーザ7は、Eの事前精算フェーズを実施することができない。したがって、ユーザ7の車両20が出口に設置された駐車場機器4を通過する際に駐車料金を現金またはカードにより支払うことにより、ゲート48は、オープンすることになる。
【0243】
また、図23のNo7~10は、車両20が車載機2を有している場合であって、電子駐車券アプリケーションの非会員であったユーザ7が、入口に設置された駐車場機器4を通過する際に紙媒体の駐車券を発券し、当該駐車券を用いて会員を行った場合を示している。会員登録を行うことにより、No2~No6と同様の処理動作が実施されることになる。
【0244】
なお、図23のNo1に示すように、車両20が車載機2を有していない場合、入口の駐車場機器4を通過する際にゲート48が自動的にオープンせず、従来通り、紙媒体の駐車券を発券することでゲート48がオープンする。また、出口から車両20が出場する際も、従来通り、出口の駐車場機器4を通過する際に精算処理を行うことになる。
【0245】
また、図23のNo.8のように非会員であっても、登録して会員になれば、事前精算をすることで、入場ゲートおよび出場ゲートは自動で開くことが明示されている。
【0246】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上の実施形態では、路側機3と駐車場機器4は、別個の機器として示しているが、路側機3の機能を含む1つの駐車場機器4が実施しても良い。すなわち、路側機3が処理する動作を駐車場機器4が行っても良い。
【0247】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0248】
1…ユーザ機器
11…制御部
111…通信制御部
112…2次元コード読み取り部
113…アプリケーション制御部
12…記憶部
13…通信インタフェース
14…入出力インタフェース
15…入力部
16…出力部
2…車載機
21…制御部
211…通信制御部
212…車載機情報生成部
22…記憶部
23…通信インタフェース
24…入出力インタフェース
25…入力部
26…出力部
3…路側機
31…制御部
311…通信制御部
312…信号制御部
313…暗号制御部
32…記憶部
33…通信インタフェース
34…入出力インタフェース
35…入力部
36…出力部
4…駐車場機器
41…制御部
411…通信制御部
412…車両検知制御部
413…信号制御部
414…ゲート制御部
415…発券制御部
416…支払い制御部
42…記憶部
43…通信インタフェース
44…入出力インタフェース
45…入力部
46…出力部
47…車両検知機
48…ゲート
49…発券・支払い部
5…事業者管理サーバ
51…制御部
511…通信制御部
512…登録制御部
513…判定制御部
514…発券制御部
515…精算制御部
52…記憶部
521…駐車場データベース
522…電子駐車券アプリケーションデータベース
523…購買情報データベース
53…通信インタフェース
54…入出力インタフェース
55…入力部
56…出力部
6…車両情報管理サーバ
61…制御部
611…通信制御部
612…復号制御部
62…記憶部
63…通信インタフェース
64…入出力インタフェース
65…入力部
66…出力部
7…ユーザ
10…ネットワーク
20…車両
30…有料駐車場
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23