(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049595
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】結露防止構造及び結露防止システム
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20240403BHJP
F24F 13/22 20060101ALI20240403BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20240403BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20240403BHJP
【FI】
F24F13/02 H
F24F13/22 221
F24F7/007 B
F24F11/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155904
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 美和子
【テーマコード(参考)】
3L056
3L080
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD04
3L056BE01
3L056BF02
3L056BF03
3L080AE01
3L260AA01
3L260AB15
3L260BA24
3L260CB53
3L260CB68
3L260FA07
3L260FB44
(57)【要約】
【課題】ダクトにおける結露の発生を抑制することが可能な結露防止構造を提供する。
【解決手段】空調空気を案内するダクト12の結露を防止するための結露防止構造21であって、前記ダクト12の少なくとも一部を覆うように設けられ、水分を吸収して発熱する吸湿発熱材21aを具備した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調空気を案内するダクトの結露を防止するための結露防止構造であって、
前記ダクトの少なくとも一部を覆うように設けられ、水分を吸収して発熱する吸湿発熱材を具備する、
結露防止構造。
【請求項2】
前記吸湿発熱材の少なくとも一部を覆うように設けられる透湿防水材をさらに具備する、
請求項1に記載の結露防止構造。
【請求項3】
請求項1に記載の結露防止構造と、
前記ダクトを収容するダクト収容部へと空気を送り込む送風部と、
を具備する、
結露防止システム。
【請求項4】
前記送風部は、
建物の屋内空間の空気を前記ダクト収容部へと送り込む、
請求項3に記載の結露防止システム。
【請求項5】
前記建物に設けられた局所換気装置の運転状況に応じて、前記送風部の動作を制御する制御部をさらに具備する、
請求項4に記載の結露防止システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記局所換気装置が運転した場合、前記送風部を作動させ、
前記局所換気装置が停止した場合、当該局所換気装置が停止してから所定時間が経過した後で前記送風部を停止させる、
請求項5に記載の結露防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調空気を案内するダクトの結露を防止するための結露防止構造及び結露防止システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調ユニットからの空調空気をダクトを用いて各居室へと案内し、建物全体の空調を行う全館空調システムに関する技術が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、住宅の2階に空調ユニットが設けられている。空調ユニットに接続されたダクト(空調ダクト)は、階間(1階の天井裏)や小屋裏を通るように配置され、各居室の吹き出し口と接続される。当該ダクトを介して、空調ユニットからの空調空気が各居室へと案内される。
【0004】
ここで、ダクトが配置された階間等には、住宅の隙間等から外気が流入する場合がある。例えば、夏季の高湿な外気が階間に流入すると、階間内の露点温度が上昇する。このため、冷却された空調空気を案内するダクトにおいて、結露が発生するおそれがある。階間における結露は、カビの発生や住宅の劣化の原因となるおそれがあるため、発生を抑制することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ダクトにおける結露の発生を抑制することが可能な結露防止構造及び結露防止システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、空調空気を案内するダクトの結露を防止するための結露防止構造であって、前記ダクトの少なくとも一部を覆うように設けられ、水分を吸収して発熱する吸湿発熱材を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記吸湿発熱材の少なくとも一部を覆うように設けられる透湿防水材をさらに具備するものである。
【0010】
請求項3においては、請求項1に記載の結露防止構造と、前記ダクトを収容するダクト収容部へと空気を送り込む送風部と、を具備するものである。
【0011】
請求項4においては、前記送風部は、建物の屋内空間の空気を前記ダクト収容部へと送り込むものである。
【0012】
請求項5においては、前記建物に設けられた局所換気装置の運転状況に応じて、前記送風部の動作を制御する制御部をさらに具備するものである。
【0013】
請求項6においては、前記制御部は、前記局所換気装置が運転した場合、前記送風部を作動させ、前記局所換気装置が停止した場合、当該局所換気装置が停止してから所定時間が経過した後で前記送風部を停止させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
本発明においては、ダクトにおける結露の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る結露防止システムが適用される住宅の全体的な構成を示した図。
【
図3】ダクト及び結露防止構造を示した断面模式図。
【
図4】結露防止システムが適用される住宅の模式図。
【
図5】結露防止システムの制御態様を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず以下では、本発明の一実施形態に係る結露防止システム20が適用される住宅1、及び、住宅1に設けられる全館空調システム10の概略について説明する。
【0018】
図1は、全館空調システム10が設けられた2階建ての住宅1を示している。住宅1の1階及び2階にはそれぞれ居室2が設けられ、階段3を介して1階と2階の間を往来できる。住宅1の1階の居室2(キッチン)には、局所換気を行うことが可能なレンジファン2aが設けられる。また住宅1の2階には、後述する空調機11を収容するための機械室4が設けられる。
【0019】
住宅1には、住宅1全体の空調を行う全館空調システム10が設けられる。全館空調システム10は、主として空調機11、ダクト12及び吹出口13等を具備する。
【0020】
空調機11は、機械室4に設けられる。空調機11には、空調空気を案内するダクト12が接続される。ダクト12は適宜分岐され、各居室2の天井に設けられた吹出口13と接続される。2階の居室2の吹出口13と接続されるダクト12は、機械室4から屋根裏5を介して2階の各居室2まで亘るように配設される。1階の居室2の吹出口13と接続されるダクト12は、機械室4から、1階の天井と2階の床の間に形成された階間6を介して、1階の各居室2まで亘るように配設される。
【0021】
このように構成された全館空調システム10において、空調機11によって空調された空気(空調空気)は、ダクト12を介して各居室2へと案内される。これによって、住宅1全体(各居室2)の空調を行うことができる。また、各居室2の空気は、階段3等を介して再び機械室4の空調機11へと循環される。
【0022】
次に、住宅1の模式図(
図2)を用いて、住宅1に外気が流入する様子について説明する。
【0023】
例えば、レンジファン2a(
図1参照)が作動すると、屋内の空気が住宅1の外部へと排出されるため、屋内は負圧になる。屋内が負圧になると、住宅1には各部(屋根裏5、床下7等)の隙間から外気が流入する。例えば階間6が負圧になると、屋根裏5へと流入した外気は、屋根裏5と階間6とを接続するパイプスペース8を介して階間6に流入する。また床下7から流入した外気は、床下7と階間6とを接続するパイプスペース8を介して階間6に流入する。なお、
図2では、階間6の一例として、1階の天井裏6a及び下がり天井6bを図示している。
【0024】
ここで、
図1に示したように、階間6にはダクト12が収容されているため、例えば夏季の高湿な外気が階間6に流入すると、冷却された空調空気を案内しているダクト12において結露が発生するおそれがある。結露の発生は、階間6におけるカビの発生や住宅1の劣化の原因となるおそれがあるため好ましくない。そこで本実施形態の住宅1には、
図3及び
図4に示すように、ダクト12における結露の発生を抑制するために、結露防止構造21、及び、それを含む結露防止システム20が適用されている。
【0025】
以下では、結露防止システム20について説明する。結露防止システム20は、主として結露防止構造21、送風機22、階間吹出口23及び制御部24を具備する。
【0026】
結露防止構造21は、ダクト12に設けられ、ダクト12における結露を防止するものである。以下では
図3を用いて、結露防止構造21の構成について説明する。
【0027】
図3に示すように、本実施形態のダクト12は、不織布12a、断熱材12b及び外皮材12cを順に積層させた筒状に形成される。結露防止構造21は、ダクト12の外周に設けられる。結露防止構造21は、主として吸湿発熱材21a及び透湿防水材21bを具備する。
【0028】
吸湿発熱材21aは、水分を吸収して発熱する機能を有する素材である。吸湿発熱材21aには、繊維系の材料、塗料系の材料等を用いることができる。例えば繊維系の吸湿発熱材21aとしては、アクリル系素材やキュプラを使用した素材等を挙げることができる。吸湿発熱材21aは、ダクト12の外側面を覆うように設けられる。
【0029】
透湿防水材21bは、防水性を有すると共に、湿気(水蒸気)を透過可能な素材である。透湿防水材21bは、例えばポリエチレン製不織布等により形成される。透湿防水材21bは、ダクト12を覆うように設けられた吸湿発熱材21aを、さらに外側から覆うように設けられる。
【0030】
このように構成された結露防止構造21によって、ダクト12における結露の発生を抑制することができる。具体的には、例えば冷却された空調空気がダクト12を流通する場合、ダクト12の温度が低下し、ダクト12の外周面において結露が発生することが懸念される。しかし、本実施形態では、ダクト12の外周面に吸湿発熱材21aが設けられているため、ダクト12の周囲の湿気(水蒸気)が吸湿発熱材21aに吸収され、当該吸湿発熱材21aが発熱する。これによって、ダクト12の外周面の温度を上昇させることができるため、ダクト12の外周面における結露の発生を抑制することができる。
【0031】
また本実施形態では、吸湿発熱材21aを覆うように透湿防水材21bが設けられているため、透湿防水材21bの外周面で結露が発生した場合であっても、内部(吸湿発熱材21aやダクト12)まで結露した水が浸入するのを防止することができる。これによって、カビの発生やダクト12等の劣化を抑制することができる。また透湿防水材21bは、防水効果はあるものの、湿気(水蒸気)を透過させることはできるため、内側に配置された吸湿発熱材21aの発熱を阻害することはない。
【0032】
図4に示す送風機22は、居室2内の空気を階間6へと送り込むためのものである。図例では、送風機22は、居室2の天井(下がり天井6b)の下面に設けられる。送風機22は、例えばファンを回転させることにより送風することができる。送風機22から送風された空気は、案内ダクト22aを介して天井裏6aへと送り込まれる。当該天井裏6aに送り込まれた空気は、適宜下がり天井6bにも供給される。
【0033】
階間吹出口23は、階間6内の空気を排出するための開口部である。階間吹出口23は、居室2の天井に設けられる。これによって階間6内の空気は、階間吹出口23を介して居室2へと流出することができる。なお、階間吹出口23は、例えば住宅1の外部(屋外)に向けて開口するように設けることも可能である。
【0034】
制御部24は、結露防止システム20の動作(特に、送風機22の動作)を制御するためのものである。制御部24は、CPU等の演算処理装置、RAMやROM、HDD等の記憶装置等により構成される。制御部24は、住宅1の居室2内等、任意の場所に配置することができる。制御部24としては、住宅1に設けられたHEMS(Home Energy Management System)等を用いることもできる。
【0035】
制御部24は送風機22と接続され、当該送風機22の動作を制御することができる。また、制御部24はレンジファン2a(
図1参照)と接続され、レンジファン2aの運転状況を把握することができる。
【0036】
以下では、結露防止システム20の制御態様について説明する。
【0037】
前述のように、ダクト12に結露防止構造21(
図3参照)を設けることによって、吸湿発熱材21aに湿気を吸収させることで発熱させ、ダクト12の外周面の温度を上昇させて結露の発生を抑制することができる。しかしながら、吸湿発熱材21aが湿気を吸収するにつれて発熱量も低下するため、長期に亘って効果的に吸湿発熱材21aを発熱させるためには、吸湿発熱材21aを乾燥させることが望ましい。
【0038】
そこで本実施形態では、制御部24によって送風機22を制御して、吸湿発熱材21aの乾燥を促している。特に本実施形態では、レンジファン2aが運転すると、高湿な外気が階間6に流入して結露の発生が懸念されるため、レンジファン2aと連動するように送風機22の運転を制御している。以下、
図5を用いて具体的に説明する。
【0039】
ステップS101において、制御部24は、レンジファン2aの運転状況を確認する。制御部24は、レンジファン2aが運転している(運転有り)ことが確認できた場合、送風機22を作動させる(ステップS102)。一方、制御部24は、レンジファン2aが運転していない場合、送風機22を作動させない(ステップS103)。
【0040】
このように、レンジファン2aが運転した際に送風機22を作動させると、
図4に示すように、居室2の空気が階間6に送り込まれる。例えば夏季の場合、居室2内の空調された空気は、外気と比べて乾燥していると想定される。従って、居室2の空気を階間6に送り込むことで、階間6に配置されたダクト12の吸湿発熱材21aの乾燥を促すことができる。
【0041】
また、レンジファン2aが運転している最中に送風機22を作動させることで、階間6内の負圧を抑制し、若しくは、正圧にすることができ、屋外から住宅1内(階間6内)への外気の流入を抑制することができる。これによって高湿な空気がダクト12付近へと供給され難くなり、結露の発生を抑制することができる。
【0042】
図5に示すように、送風機22を作動させた後、所定の時間(図例では、T分)が経過した後、制御部24は再びレンジファン2aの運転状況を確認する(ステップS104)。制御部24は、レンジファン2aが運転している(運転有り)ことが確認できた場合、送風機22を継続して運転させる(ステップS105)。その後、さらに所定の時間(図例では、T分)が経過した後、制御部24は再びステップS104の処理(レンジファン2aの運転状況の確認)を実行する。このように制御部24は、所定の時間ごとにレンジファン2aの運転状況を確認する。
【0043】
一方、制御部24は、ステップS104においてレンジファン2aが運転していないことが確認された場合、その後、送風機22を所定の時間だけ継続して運転(残運転)させた後(ステップS106)、送風機22を停止させる(ステップS107)。
【0044】
ここで、送風機22の残運転の運転時間は、レンジファン2aの運転時間に基づいて決定される。本実施形態では、レンジファン2aの運転時間(ステップS101で運転が確認されてから、ステップS104で停止が確認されるまでの時間)の2倍の時間を、送風機22の残運転の運転時間としている。このように、レンジファン2aの運転時間が長いほど、残運転の時間も長くなるように決定することで、屋内に流入した外気の量(ひいては、湿気の量)に応じた残運転の時間を設定することができる。
【0045】
なお、送風機22の残運転の運転時間は上記に限るものではなく、任意に設定することができる。例えば、レンジファン2aの運転時間だけでなく、換気性能(風量等)に応じて送風機22の残運転の運転時間を決定してもよい。また、レンジファン2aの運転時間等に関わらず、残運転の運転時間を設定してもよい。また、送風機22の残運転を行わず、レンジファン2aの停止が確認されたら速やかに送風機22を停止させてもよい。
【0046】
制御部24は、以上のような制御(
図5参照)を繰り返し行うことで、レンジファン2aが運転する度に吸湿発熱材21aを乾燥させることができる。また、吸湿発熱材21aの乾燥と併せて、外気の流入を抑制することができるため、ダクト12における結露の発生を効果的に抑制することができる。
【0047】
以上の如く、本実施形態に係る結露防止構造21は、
空調空気を案内するダクト12の結露を防止するための結露防止構造21であって、
前記ダクト12の少なくとも一部を覆うように設けられ、水分を吸収して発熱する吸湿発熱材21aを具備するものである。
【0048】
このように構成することにより、ダクト12における結露の発生を抑制することができる。すなわち、吸湿発熱材21aによってダクト12の温度を上昇させることができるため、結露の発生を抑制することができる。
【0049】
また、結露防止構造21は、
前記吸湿発熱材21aの少なくとも一部を覆うように設けられる透湿防水材21bをさらに具備するものである。
【0050】
このように構成することにより、透湿防水材21bの内側への水の浸入を防止することができ、カビの発生や住宅1の劣化を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る結露防止システム20は、
前記結露防止構造21と、
前記ダクト12を収容する階間6(ダクト収容部)へと空気を送り込む送風機22(送風部)と、
を具備するものである。
【0052】
このように構成することにより、吸湿発熱材21aの乾燥を促すことができる。これによって、吸湿発熱材21aの吸湿発熱機能を維持し、結露を効果的に抑制することができる。
【0053】
また、前記送風機22は、
住宅1(建物)の居室2(屋内空間)の空気を前記階間6へと送り込むものである。
【0054】
このように構成することにより、例えば夏季には空調されて比較的乾燥した空気を階間6へと送り込むことができ、吸湿発熱材21aの乾燥を効果的に促すことができる。
【0055】
また、結露防止システム20は、
前記住宅1に設けられたレンジファン2a(局所換気装置)の運転状況に応じて、前記送風機22の動作を制御する制御部24をさらに具備するものである。
【0056】
このように構成することにより、高湿な外気が流入し易いタイミングに応じて送風機22の動作を制御することができ、吸湿発熱材21aの乾燥を効果的に促すことができる。また、レンジファン2aの運転による負圧を抑制することができるため、住宅1内への外気の流入を抑制することもできる。
【0057】
また、前記制御部24は、
前記レンジファン2aが運転した場合、前記送風機22を作動させ、
前記レンジファン2aが停止した場合、当該レンジファン2aが停止してから所定時間が経過した後で前記送風機22を停止させるものである。
【0058】
このように構成することにより、レンジファン2aの停止後も送風機22の運転を行うことで、吸湿発熱材21aの乾燥を効果的に促すことができる。
【0059】
なお、本実施形態に係る階間6は、本発明に係るダクト収容部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る送風機22は、本発明に係る送風部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅1は、本発明に係る建物の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るレンジファン2aは、本発明に係る局所換気装置の実施の一形態である。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態においては、2階建ての住宅1に結露防止構造21及び結露防止システム20を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、1階建て、又は3階建て以上の建物に適用することも可能である。また、本実施形態においては、結露防止構造21及び結露防止システム20を住宅1に適用した例を示したが、本発明を適用可能な建物は住宅1に限るものではなく、その他種々の建物に適用することが可能である。
【0062】
また、本実施形態においては、結露防止システム20を用いて居室2の空気を階間6へと送風する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、その他任意の空間へと空気を送風するように構成することも可能である。例えば、屋根裏5へと送風するように構成し、屋根裏5に配置されたダクト12の結露を抑制するように構成することも可能である。
【0063】
また、本実施形態においては、ある居室2に送風機22を1つ設けた例を図示したが(
図4参照)、本発明はこれに限るものではなく、送風機22の配置や個数等は任意に変更可能である。例えば、1つの居室2に複数の送風機22を設けることや、複数の居室2にそれぞれ送風機22を設けることも可能である。
【0064】
また、本実施形態においては、局所換気を行う装置としてレンジファン2aを例示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、局所換気装置としては、トイレや浴室の換気扇等を含めることも可能である。すなわち、結露防止システム20は、レンジファン2aだけでなく、トイレや浴室の換気扇の運転状況に応じて、送風機22の動作を制御してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 住宅
2 居室
2a レンジファン
6 階間
12 ダクト
20 結露防止システム
21 結露防止構造
21a 吸湿発熱材
21b 透湿防水材
22 送風機
24 制御部