(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049623
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240403BHJP
B41J 3/36 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
G06F3/12 351
G06F3/12 305
G06F3/12 392
G06F3/12 378
G06F3/12 356
B41J3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155965
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 冬湖
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 遵
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一彦
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055AA00
(57)【要約】
【課題】データベース印刷に対応可能なプログラムであって、データベース印刷の利便性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】印刷アプリ22は、データベース印刷をラベルプリンタ3に実行させることができる。印刷アプリ22は、クロスデータの生成指示を受け付けると、ケーブルDB23から読み出したケーブルデータの複製であるコピーデータを生成し、生成されたコピーデータのうち、文字列の中間に区切り文字が含まれるコピーデータについて、区切り文字の前の文字列と区切り文字の後の文字列とを入れ替えたクロスデータを生成する。印刷アプリ22は、クロスデータがある場合のデータベース印刷では、読み出されたケーブルデータとクロスデータとによって構成されるテキストデータ群に含まれるテキストデータごとにオブジェクトに書き込んだラベルデータを生成し、ラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタ3に行わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
複数のテキストデータを含むデータベースファイルを指定する指定処理と、
前記指定処理にて指定された前記データベースファイルをテキストオブジェクトに関連付ける関連付け処理と、
前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる特定印刷処理と、
を実行させ、
さらに前記コンピュータに、第1の操作に基づいて、
前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータである第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータの複製である第2テキストデータを生成する複製処理と、
前記複製処理にて生成された前記第2テキストデータのうち、前記第2テキストデータを構成する文字列の中間に特定文字が含まれる前記第2テキストデータについて、前記特定文字の前の文字列と、前記特定文字の後の文字列と、を入れ替える入替処理と、
を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成されるテキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成される前記テキストデータ群の各テキストデータについて、前記第1テキストデータの1つと前記1つの前記第1テキストデータに基づいて生成された前記第2テキストデータとを連続させてペアとし、前記ペアごとに並べるペアソート処理を実行させ、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記ペアソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記ペアソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせ、さらに先行する前記ペアに基づく印刷と後続する前記ペアに基づく印刷との間で、シートの切断を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記ペアソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせ、さらに先行する前記ペアに基づく印刷と後続する前記ペアに基づく印刷との間で、シートの切断を前記ラベルプリンタに行わせ、さらに前記ペアの中で前記第1テキストデータに基づく印刷と前記第2テキストデータに基づく印刷との間で、一方のラベルを他方のラベルから分離するための処理を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成される前記テキストデータ群の各テキストデータについて、前記第1テキストデータを第1グループとし、前記第2テキストデータを第2グループとし、グループごとに並べるグループソート処理を実行させ、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記グループソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記グループソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせ、さらに先行するグループに基づく印刷と後続するグループに基づく印刷との間で、シートの切断を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記グループソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせ、さらに先行するグループに基づく印刷と後続するグループに基づく印刷との間で、シートの切断を前記ラベルプリンタに行わせ、さらにグループの中の先行するテキストデータに基づく印刷と後続するテキストデータに基づく印刷との間で、一方のラベルを他方のラベルから分離するための処理を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項5に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記グループソート処理では、前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成される前記テキストデータ群の各テキストデータについて、前記第1テキストデータを前記第1グループとし、前記第2テキストデータを前記第2グループとし、グループごとに並べ、さらに前記第2グループの各第2テキストデータの順を、前記第1グループの、各第2テキストデータに対応する前記第1テキストデータの順に揃える、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
テキストデータの順序を、第1順と第2順とのいずれか一方に設定する順序設定処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成される前記テキストデータ群の各テキストデータについて、前記順序設定処理にて前記第1順が設定されている場合、前記第1テキストデータの1つと前記1つの前記第1テキストデータに基づく前記第2テキストデータとを連続させてペアとし、前記ペアごとに並べ、前記順序設定処理にて前記第2順が設定されている場合、前記第1テキストデータを第1グループとし、前記第2テキストデータを第2グループとし、グループごとに並べるソート処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記テキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記ソート処理で並べられた順に、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記第1の操作と異なる第2の操作に基づいて、
前記複製処理を実行させて前記第2テキストデータを生成させ、生成された前記第2テキストデータに対して前記入替処理を実行さない、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定文字を設定する文字設定処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記入替処理では、前記複製処理にて生成された前記第2テキストデータのうち、前記第2テキストデータを構成する文字列の中間に、前記設定処理にて設定された前記特定文字が含まれる前記第2テキストデータについて、前記特定文字の前の文字列と、前記特定文字の後の文字列と、を入れ替える、
ように構成されるプログラム。
【請求項12】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記入替処理の実行後、前記特定印刷処理を実行させる前に、前記テキストデータ群を構成する前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータを、前記情報処理装置のユーザインタフェースに一覧表示させる一覧表示処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項13】
ユーザインタフェースと、
コンピュータと、
を備える情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
複数のテキストデータを含むデータベースファイルを指定する指定処理と、
前記指定処理にて指定された前記データベースファイルをテキストオブジェクトに関連付ける関連付け処理と、
前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる特定印刷処理と、
を実行可能であり、
さらに前記コンピュータは、前記ユーザインタフェースを介して第1の操作があった場合に、
前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータである第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータの複製である第2テキストデータを生成する複製処理と、
前記複製処理にて生成された前記第2テキストデータのうち、前記第2テキストデータを構成する文字列の中間に特定文字が含まれる前記第2テキストデータについて、前記特定文字の前の文字列と、前記特定文字の後の文字列と、を入れ替える入替処理と、
を実行し、
さらに前記コンピュータは、
前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成されるテキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成される情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルプリンタに印刷させるデータの編集を行うプログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルプリンタに印刷させるデータの編集を行うプログラムの技術として、「データベース印刷」と呼ばれる機能が知られている。データベース印刷では、データベースファイルが指定されてそのデータベースファイルがテキストオブジェクトに関連付けられる。その後、印刷指示があった場合に、そのデータベースファイルのテキストデータごとに、そのテキストデータをテキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを生成し、生成されたラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる。このようなデータベース印刷に関する技術を開示した文献としては、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベルには、「ABC/XYZ」と「XYZ/ABC」といったように2つの文字列の順番を特定文字(例えば、「/」)を基準に入れ替えたペアのラベルが必要となる場合がある。このようなペアで用いられるラベルをデータベース印刷で作成する際、各文字列に対応するテキストデータが必要になるのに対し、データベースファイルには、「ABC/XYZ」のみといったような、ペアのうち一方のテキストデータしか用意されていない場合があり、ユーザが希望するペアのラベルが得られない場合があるといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、複数のテキストデータを含むデータベースファイルを指定する指定処理と、前記指定処理にて指定された前記データベースファイルをテキストオブジェクトに関連付ける関連付け処理と、前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる特定印刷処理と、を実行させ、さらに前記コンピュータに、第1の操作に基づいて、前記データベースファイルに含まれる前記テキストデータである第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータの複製である第2テキストデータを生成する複製処理と、前記複製処理にて生成された前記第2テキストデータのうち、前記第2テキストデータを構成する文字列の中間に特定文字が含まれる前記第2テキストデータについて、前記特定文字の前の文字列と、前記特定文字の後の文字列と、を入れ替える入替処理と、を実行させ、さらに前記コンピュータに、前記特定印刷処理では、前記第2テキストデータがある場合、前記第1テキストデータおよび前記第2テキストデータによって構成されるテキストデータ群に含まれる前記テキストデータごとに、前記テキストデータを前記テキストオブジェクトに書き込んだ前記ラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷を前記ラベルプリンタに行わせる、ように構成される。
【0006】
本明細書に開示されるプログラムによれば、第1の操作に基づいて、データベースファイルに含まれる第1テキストデータから第2テキストデータが生成され、さらに第2テキストデータについて中間に特定文字が含まれる場合に、その特定文字に基づいて前後の文字列が入れ替えられる。そして、特定印刷処理では、プログラムは、第1テキストデータとその第1テキストデータに基づく第2テキストデータとによって構成されるテキストデータ群を用いて、各テキストデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる。これにより、1つの第1テキストデータから、その第1テキストデータのラベルとその第1テキストデータに含まれる文字列が入れ替えられた第2テキストデータのラベルとのペアのラベルが出力されることになる。従って、ペアのうち一方のテキストデータしか用意されていない場合であっても、ペアのラベルを得ることができる。
【0007】
上記のプログラムを実行する情報処理装置、プログラムの機能を実現するための制御方法、プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、データベース印刷に対応可能なプログラムであって、データベース印刷の利便性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】データベース表示画面の例を示す説明図である。
【
図6】コピー追加後のケーブルDBの例を示す説明図である。
【
図7】ペアソート後のケーブルDBの例を示す説明図である。
【
図8】ペアソートでのクロスデータ追加後のデータベース表示画面の例を示す説明図である。
【
図9】グループソート後のケーブルDBの例を示す説明図である。
【
図10】グループソートでのクロスデータ追加後のデータベース表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、プログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書では、ラベルプリンタに接続可能な携帯端末にて実行されるプログラムを開示する。
【0011】
本形態の印刷システム100に含まれる携帯端末1は、
図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。携帯端末1は、情報処理装置の一例である。CPU11は、コンピュータの一例である。また、携帯端末1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。なお、
図1中のコントローラ10は、携帯端末1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際に携帯端末1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。なお、情報処理装置の一例は、携帯端末に限らず、パーソナルコンピュータであっても良い。
【0012】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12には、各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリ12の一例である。なお、メモリ12の一例は、携帯端末1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体、例えば、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体であっても良い。
【0013】
ユーザIF13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。携帯端末1のユーザIF13は、表示機能と入力受付機能とを備えるタッチパネルを含む。なお、ユーザIF13は、情報を表示可能なディスプレイと、入力受付機能を有するハードウェアキーと、の組み合わせであっても良い。
【0014】
通信IF14は、ラベルプリンタ3等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、USBなどである。携帯端末1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていてもよい。
【0015】
携帯端末1のメモリ12には、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、印刷アプリケーションプログラム(以下、「印刷アプリ」とする)22と、ケーブル用データベース(以下、「ケーブルDB」とする)23と、が記憶されている。OS21は、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)である。
【0016】
印刷アプリ22は、例えば、ユーザIF13を介してユーザの指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて、印刷対象となる画像の編集と、ラベルプリンタ3への印刷指示の送信と、を行うプログラムである。印刷アプリ22は、プログラムの一例である。ケーブルDB23は、ケーブル情報が記憶されているデータベースである。ケーブルDB23は、ユーザによって作成されるファイルであり、携帯端末1の工場出荷時には、メモリ12に記憶されていない。ケーブルDB23は、データベースファイルの一例である。印刷アプリ22やケーブルDB23の詳細に付いては、後述する。
【0017】
本形態のラベルプリンタ3は、少なくとも印刷機能と通信機能とを有する。ラベルプリンタ3の印刷方式は、例えば、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、である。ラベルプリンタ3は、通信機能を介して携帯端末1等の外部装置から印刷指示と印刷対象のラベルデータとを受信した場合、ラベルデータに基づく印刷を実行してラベルを作成する。
【0018】
ラベルプリンタ3は、例えば、ロール状のラベル紙を収容可能であり、そのラベル紙に画像を印刷してラベルを作成する機能を有している。ロール状のラベル紙は、連続した帯状の剥離紙上にラベル紙が重ね合わされて捲回された状態の印刷媒体である。ラベル紙は、連続した長尺テープであっても良いし、あらかじめ所定の形状にカットされたダイカットラベルであっても良い。また、本形態のラベルプリンタ3は、印刷後に印刷済みの部分を切断して排出する機能を有している。
【0019】
続いて、ケーブルに貼り付けるためのケーブルラベルを作成する手順について、
図2のシーケンス図を参照して説明する。なお、以下に説明する各プログラムの手順や処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「決定」、「取得」、「受付」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、OS21のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS21の記載を省略して各プログラムの動作を説明する。また、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。
【0020】
本形態の印刷アプリ22は、テキストデータを含むデータベースファイルに基づいて、データベース印刷を実行可能である。データベース印刷では、印刷アプリ22は、印刷対象のテキストデータを含むデータベースの指定と、ラベルデータに配置するテキストオブジェクトの指定と、指定されたデータベースをテキストオブジェクトに関連付ける指示と、を受け付ける。
【0021】
印刷アプリ22は、データベース印刷の実行指示を受け付けると、指定されたデータベースに含まれるテキストデータを、配置されたテキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを作成して、作成したラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタ3に実行させる。印刷アプリ22は、データベースに含まれる各テキストデータをテキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを、データベースに含まれるテキストデータ分について順に作成し、ラベルプリンタ3に渡すことで、データベースの各テキストデータが印刷された複数のラベルを作成させることができる。
【0022】
本明細書では、データベース印刷を用いて、ケーブルラベルを作成する手順について説明する。ケーブルラベルは、配線に用いられる複数のケーブルを区別するために、例えば、ケーブルの両端近くにそれぞれ貼り付けられるラベルである。本明細書の手順にて作成対象となるケーブルラベルは、例えば、各ケーブルについて、貼り付け対象の端部を示す情報と他端の情報とが1枚に印刷されたラベルである。
【0023】
図2に示すように、ケーブルラベルを作成したいユーザは、印刷対象のデータを記憶するデータベースであるケーブルDB23を作成し(S01)、携帯端末1にケーブルDB23を記憶させる(S02)。本形態のケーブルDB23は、例えば、
図3に示すように、同じ形式で記載された複数のケーブルデータ231、232等を含む。各ケーブルデータ231、232等は、それぞれ1本のケーブルを示すデータであり、例えば、各ケーブルの両端を示す2つの文字列を、区切り文字で区切って並べた文字列である。区切り文字は、例えば、「/」であり、予め印刷アプリ22にて決定されている文字である。ユーザは、印刷対象の全てのケーブルについてのケーブルデータを決定し、ケーブルDB23を作成する。
【0024】
ケーブルDB23は、例えば、CSVファイルである。ユーザは、ケーブルDB23を、表作成用アプリケーションプログラムなどを利用して作成しても良いし、ケーブルデータを示すテキストを並べたテキストファイルとして作成しても良い。印刷アプリ22は、CSVファイル以外の形式のデータベースファイルに対応可能であっても良い。また、ユーザは、携帯端末1にてケーブルDB23を作成しても良いし、他の装置にて作成したものを携帯端末1に記憶させても良い。
【0025】
ケーブルDB23を作成した後、ユーザは、携帯端末1にて、印刷アプリ22の起動指示を入力する(S11)。印刷アプリ22は、起動されたことで、例えば、
図4に示すように、ラベル作成の指示を受け付けるラベル編集画面30を、ユーザIF13に表示する(S12)。そして、携帯端末1は、表示中のラベル編集画面30へのユーザの操作を受け付け可能となる。
【0026】
ラベル編集画面30は、例えば、
図4に示すように、ラベル領域31と、各種の指示を受け付けるボタンと、を含む画面である。ラベル領域31は、印刷対象のラベルの印刷イメージを表示する領域である。終了ボタン32は、印刷アプリ22を終了する指示を受け付けるボタンである。保存ボタン33は、ラベル領域31に表示されている印刷対象のラベルのラベルデータを保存する指示を受け付けるボタンである。印刷ボタン34は、印刷実行の指示を受け付けるボタンである。
【0027】
ユーザは、ラベル編集画面30にて、作成するケーブルラベルのラベルデータを生成する。そのために、ユーザは、ラベル編集画面30中のラベル領域31に、作成したいラベルのオブジェクト311を配置する(S15)。印刷アプリ22は、ラベル領域31に配置可能なオブジェクトとして、テキスト、マーク、写真など、複数種類のオブジェクトを備えている。ケーブルラベルを作成したいユーザは、ケーブルラベル用のオブジェクト311をラベル領域31に配置する。ケーブルラベル用のオブジェクトは、テキストデータが書き込まれるテキストオブジェクトである。
【0028】
なお、印刷アプリ22は、各種のラベルの作成を容易にするための複数種類のテンプレートを備えていても良い。印刷アプリ22がケーブルラベル用のテンプレートを備えている場合には、ユーザがケーブルラベル用のテンプレートを選択することで、印刷アプリ22は、ケーブルラベル用のオブジェクト311をラベル領域31に配置する。
【0029】
ラベル領域31にケーブルラベル用のオブジェクト311が配置されると、印刷アプリ22は、データベース印刷の指示を受け付け可能となる。印刷アプリ22は、
図4に示すように、データベース印刷に用いるデータベースの選択を受け付けるボタン35、36を表示する。ボタン35は、携帯端末1に記憶されているCSVファイルから、印刷対象のデータベースを選択する指示を受け付けるボタンである。ボタン36は、データベースの新規作成の指示を受け付けるボタンである。ユーザは、S01とS02とに代えて、ボタン36を操作してケーブルDB23を作成しても良い。
【0030】
ユーザは、ボタン35を選択して、表示されるCSVファイルの一覧から、先に作成したケーブルDB23を指定する(S16)。S16は、指定処理の一例である。印刷アプリ22は、指定されたデータベースであるケーブルDB23を読み出す(S17)。
【0031】
印刷アプリ22は、ケーブルDB23が指定されると、例えば、
図5に示すように、読み出したケーブルDB23の各ケーブルデータを含むデータ表示画面40を、ユーザIF13に表示する(S18)。データ表示画面40は、データ表示欄400と、ユーザの操作を受け付ける各種のボタンと、を含む画面である。データ表示欄400には、読み出したケーブルDB23に含まれる全てのケーブルデータ231~235(
図3参照)が表示可能な範囲内で表示される。
【0032】
コピーデータ追加ボタン41と、クロスデータ作成ボタン42と、まとまりカットボタン45とは、左右へスワイプすることでオンとオフとが切り替わる切換スイッチであり、
図5ではいずれもオフ状態を示している。クロスデータ作成ボタン42と、ソート指示ボタン43、44と、まとまりカットボタン45とは、コピーデータ追加ボタン41がオン状態とされた場合に操作可能となるボタンであり、
図5に示すオフ状態ではグレーアウトされて操作を受け付けない。
【0033】
キャンセルボタン46は、データ表示画面40にて受け付けた操作をキャンセルして、ラベル編集画面30に戻る指示を受け付けるボタンである。完了ボタン47は、データ表示欄400に表示中の各ケーブルデータを印刷対象として、データベースの生成を完了する指示を受け付けるボタンである。完了ボタン47が操作された場合、印刷アプリ22は、データ表示画面40にて受け付けた操作によって生成されたデータベースを記憶して、ラベル編集画面30に戻る。
【0034】
コピーデータ追加ボタン41は、読み出したケーブルDB23に含まれる全てのケーブルデータ231~235の複製であるコピーデータを生成して追加したデータベースを作成する指示を受け付けるボタンである。ユーザは、
図5に示す状態で、コピーデータ追加ボタン41を右方向ヘスワイプすることで、オン状態とする(S21)。コピーデータ追加ボタン41をオンとする操作は、第2の操作の一例である。
【0035】
コピーデータ追加ボタン41がオン状態とされた場合、印刷アプリ22は、ケーブルDB23の各ケーブルデータの複製であるコピーデータを作成して、データベースに追加する(S22)。S22は、複製処理の一例である。ケーブルDB23の各ケーブルデータは、第1テキストデータの一例であり、コピーデータは、第2テキストデータの一例である。印刷アプリ22は、作成した各コピーデータを、例えば、
図6に示すように、各ケーブルデータの直後にそれぞれ配置する。
【0036】
なお、印刷アプリ22は、コピーデータの追加指示を受け付けた場合、まず、表示中のケーブルDB23のコピーのデータベースファイルを作成して、コピーのデータベースファイルに対して、コピーデータを追加する等の処理を行うと良い。このようにすれば、ユーザの指示に基づいて、一旦コピーデータの追加を行った後に、その処理がキャンセルされた場合でも、印刷アプリ22は、元のケーブルDB23を容易に表示できる。
【0037】
コピーデータ追加ボタン41がオン状態とされた場合、印刷アプリ22は、クロスデータ作成ボタン42への操作を受け付け可能となる。クロスデータ作成ボタン42は、追加した各コピーデータを、クロスデータに変更する指示を受け付けるボタンである。クロスデータは、対象のテキストデータについて、含まれる区切り文字の前の文字列と後の文字列とを入れ替えたデータである。例えば、区切り文字が「/」の場合、「A/B」のクロスデータは、「B/A」である。
【0038】
クロスデータ作成ボタン42がオン状態とされた場合(S23)、印刷アプリ22は、S22にて追加した各コピーデータの文字列を入れ替えて、各クロスデータを作成する(S24)。区切り文字は、特定文字の一例であり、S24は、入替処理の一例である。コピーデータ追加ボタン41をオン状態とした後にクロスデータ作成ボタン42をオンとする操作は、第1の操作の一例である。
【0039】
なお、区切り文字は、「/」に限らず、他の文字であっても良いし、複数種類の文字を設定できても良い。また、印刷アプリ22は、区切り文字の全角、半角を区別しても良いし、しなくても良い。なお、本形態の印刷アプリ22は、対象のコピーデータの中間に区切り文字が含まれる場合、すなわち、区切り文字の前後のいずれにもテキストが含まれる場合に、そのコピーデータをクロスデータに変更する。「中間」は、中央を意味するものではなく、先頭と末尾以外を意味する。
【0040】
一方、印刷アプリ22は、先頭または末尾に区切り文字が含まれるコピーデータを、クロスデータに変更せずそのまま残しても良いし、削除しても良い。また、印刷アプリ22は、先頭または末尾に区切り文字が含まれるケーブルデータをデータベースから削除しても良いし、コピーデータやクロスデータを含まずケーブルデータのみを含むデータベースとしても良い。
【0041】
S24の実行後、印刷アプリ22は、ソート指示ボタン43、44のいずれが選択されているかに応じて、作成したクロスデータをソートして、ケーブルデータとクロスデータとをユーザIF13に一覧表示させる(S25)。ソート指示ボタン43、44は、ケーブルデータとクロスデータとの並び順を指定するボタンであり、いずれか一方のみの選択が可能な選択ボタンである。クロスデータ作成ボタン42がオン状態とされた直後には、印刷アプリ22は、ソート指示ボタン43が選択された状態とする。
【0042】
印刷アプリ22は、クロスデータ作成ボタン42がオン状態とされた場合に、ソート指示ボタン43、44への操作を受け付け可能であり、ユーザの選択に応じて異なるデータベースを作成する。ソート指示ボタン43、44のいずれが選択されているかに応じて、ケーブルデータとクロスデータとの並び順を設定するS25は、順序設定処理の一例であり、ソート処理の一例である。S25は、一覧表示処理の一例である。
【0043】
ペアソートを指示するソート指示ボタン43が選択されている場合、印刷アプリ22は、
図7に示すように、個々のケーブルデータの後にそのケーブルデータに対応するクロスデータを並べたデータベースを作成する。これにより、データ表示画面40のデータ表示欄400には、
図8に示すように、ケーブルデータとクロスデータとをペアにして並べたデータベースが表示される。ソート指示ボタン43が選択されている場合のS25は、ペアソート処理の一例である。ペアソートは、第1順の一例である。
【0044】
グループソートを指示するソート指示ボタン44が選択されている場合、印刷アプリ22は、
図9に示すように、全てのケーブルデータを並べた後に全てのクロスデータを並べたデータベースを作成する。この場合、印刷アプリ22は、元のケーブルDB23の順にケーブルデータを全て並べ、その後に各ケーブルデータに対応する各クロスデータを、対応するケーブルデータの順に揃えて並べる。クロスデータの並び順をケーブルデータの並び順に揃えることで、このデータベースに基づいてラベルを作成した場合に、ケーブルデータのラベルとクロスデータのラベルとが同じ順で作成されるので、ラベルの使用ミスを抑制できる。
【0045】
これにより、
図10に示すように、データ表示画面40のデータ表示欄400には、ケーブルデータのグループとクロスデータのグループとが並んだデータベースが表示される。ソート指示ボタン44が選択されている場合のS25は、グループソート処理の一例である。ケーブルデータのグループが第1グループの一例であり、クロスデータのグループが第2グループの一例である。グループソートは、第2順の一例である。
【0046】
図9または
図10に示すように、データ表示欄400には、ケーブルデータとクロスデータとを指定されたソート方法でソートしたデータベースの内容が表示される。ソート指示ボタン43、44の選択によってクロスデータの並べ順を選択できることから、ユーザの用途にあった順でラベルを作成できる。さらに、ソート結果が表示されることから、ユーザは、データ表示欄400によって、生成されたクロスデータや印刷されるラベルの並び順を確認できる。なお、データ表示画面40では、データベースの編集が可能であっても良い。
【0047】
さらに、本形態の印刷アプリ22は、クロスデータを作成した場合に、まとまりカットボタン45への操作を受け付け可能となる。まとまりカットボタン45への操作を受け付けた場合(S31)、印刷アプリ22は、データベースの情報にカット情報を付与して記憶する(S32)。カット情報は、印刷後のラベルの切断に関する情報である。
【0048】
本形態のラベルプリンタ3は、ラベル紙と剥離紙とを含むシートの切断を行わせて前後のラベルを切り離すフルカットと、ラベル紙のみを切断して剥離紙を切断しないことで、剥離紙によって前後のラベルが繋がった状態とするハーフカットと、を実行可能である。ハーフカットは、一方のラベルを他方のラベルから分離するための処理の一例である。印刷アプリ22は、ラベルデータにカット情報を付与して送信することで、ラベルプリンタ3に、印刷後のラベルの切断方法を指示することができる。
【0049】
まとまりカットは、
図7または
図9の右側に示すように、破線で示すハーフカットと実線で示すフルカットとを組み合わせて、まとまりごとにカットする指示である。具体的には、ペアソートでのまとまりカットは、
図7に示すように、ペアのケーブルデータとクロスデータとの間をハーフカットとし、先行するペアと後続するペアとの間をフルカットとするカット指示である。グループソートでのまとまりカットは、
図9に示すように、ケーブルデータやクロスデータの各データ間をハーフカットとし、ケーブルデータのグループとクロスデータのグループとの間をフルカットとするカット指示である。印刷アプリ22は、表示中のデータ表示画面40に、2種類のカットのカット箇所を示す表示を行っても良い。
【0050】
データベースの作成が完了すると、ユーザは、
図8または
図10に示す表示中のデータ表示画面40にて、完了ボタン47を操作する(S33)。完了ボタン47が操作されると、印刷アプリ22は、データ表示画面40の表示を終了して、
図4のラベル編集画面30を表示する(S34)。この場合、印刷アプリ22は、データ表示画面40に表示されていたデータベースを、ラベル編集画面30のラベル領域31に配置されているオブジェクト311に関連付ける。S34は、関連付け処理の一例を含む。そして、印刷アプリ22は、ラベル編集画面30のラベル領域31に、完成したデータベースの先頭のデータをオブジェクト311に書き込んだ印刷イメージを表示する。
【0051】
ユーザは、ラベル編集画面30にて、印刷ボタン34を操作することで印刷を指示する(S41)。印刷アプリ22は、印刷ボタン34が操作されると、
図11に示すような印刷画面50をユーザIF13に表示する(S42)。印刷画面50は、印刷を実行させるプリンタの選択や、印刷部数の選択を受け付ける画面である。
【0052】
印刷画面50には、例えば、カットの選択を受け付けるカット指示ボタン51~53と、キャンセルボタン54と、印刷ボタン55と、が含まれる。カット指示ボタン51は、ラベルごとに、ラベル紙と剥離紙とをともに切断するカット指示を受け付けるボタンである。カット指示ボタン52は、ラベルごとに、ラベル紙を切断し剥離紙を切断しないカット指示を受け付けるボタンである。カット指示ボタン53は、ラベル間では切断せず、最後に印刷したラベルの後端のみを切断するカット指示を受け付けるボタンである。
【0053】
印刷アプリ22は、カット指示ボタン51~53のいずれかへの操作を受け付けた場合、先にカット指示の情報を記憶していても、カット指示ボタン51~53への操作による指示を優先する。例えば、カット指示ボタン51への選択を受け付けた場合、印刷アプリ22は、全てのラベルを個別に切断するカット情報を印刷指示に付加する。
【0054】
印刷画面50にて印刷ボタン55が操作されると(S51)、印刷アプリ22は、作成したデータベースに基づいて、印刷指示とラベルデータとカット情報とをラベルプリンタ3に送信する(S52)。S52は、特定印刷処理の一例である。具体的には、印刷アプリ22は、作成されたデータベースに記憶されている各テキストデータをオブジェクト311に書き込んだラベルデータを、データベースに含まれる各テキストデータ分について順に作成し、順にラベルプリンタ3に送信する。ラベルプリンタ3は、受信したラベルデータに基づく印刷を実行し、ラベルを作成する。ラベルプリンタ3は、印刷指示にカット情報が付加されていれば、印刷後のシートをそのカット情報に基づいてカットする。
【0055】
例えば、ソート指示ボタン43によって指示されるペアソート後のデータベースに基づく印刷を実行した場合、元のケーブルDB23に含まれる各ケーブルデータに基づく印刷物とそのクロスデータに基づく印刷物とが連続して作成され、全てのペアのラベルが作成される。ペアごとにラベルが作成されることで、ケーブルごとにラベルを貼付し易く、データベース印刷の利便性がより高まる。
【0056】
さらに、ペア同士の間でフルカットを行うカット情報が付加されていれば、ペアごとにラベルが切断されるので、ペア単位でラベルを取得することができ、ラベルの使用ミスを抑制できる。さらに、ペア内のラベル間でハーフカットを行うカット情報が付加されていれば、ペア単位でラベルを取得した後に、ペアのラベルを分けることが容易であり、それぞれのラベルを使用し易い。
【0057】
また、例えば、ソート指示ボタン44によって指示されるグループソート後のデータベースに基づく印刷を実行した場合、元のケーブルDB23に含まれる各ケーブルデータに基づく印刷物が全て作成され、その後に、各クロスデータに基づく印刷物がそれぞれ作成される。グループ単位でラベルが作成されることで、複数のケーブルについて一端側と他端側とに分けてラベルを貼付し易く、データベース印刷の利便性がより高まる。
【0058】
さらに、グループ間でフルカットを行うカット情報が付加されていれば、グループごとにラベルが切断されるので、グループ単位でラベルを取得することができ、ラベルの使用ミスを抑制できる。さらに、グループ内のラベル間でハーフカットを行うカット情報が付加されていれば、グループ単位でラベルを取得した後に、グループ内でラベルをそれぞれに分けることが容易であり、それぞれのラベルを使用し易い。
【0059】
なお、印刷アプリ22は、S22にてコピーデータを追加した後、S23によるクロスデータの作成指示を受け付けることなく、データ表示画面40(
図5参照)中の完了ボタン47への操作を受け付けることもできる。その場合、印刷アプリ22は、
図6に示したようなケーブルデータとコピーデータとを含むデータベースを、
図4のラベル編集画面30に表示する。さらに、ラベル編集画面30にて印刷ボタン34への操作を受け付けた場合、印刷アプリ22は、ケーブルデータとコピーデータとを含むデータベースを印刷対象として、印刷画面50(
図11参照)を表示し、印刷実行の指示を受け付け可能となる。つまり、印刷アプリ22は、クロスデータを作成することなくデータベース印刷を行うこともできる。
【0060】
ここまで、印刷アプリ22が区切り文字として用いる文字が予め決められており、ユーザは、その区切り文字を用いたケーブルデータを含むデータベースを作成することが求められるものとしたが、印刷アプリ22は、ユーザによる区切り文字の設定指示を受け付け可能であっても良い。例えば、印刷アプリ22は、クロスデータ作成ボタン42への操作を受け付けた場合、
図12に示すような選択画面60を表示して、予め用意されている複数の区切り文字の中からユーザの選択を受け付け可能であっても良い。選択画面60によって区切り文字の指定を受け付ける処理は、文字設定処理の一例である。
【0061】
この場合、印刷アプリ22は、選択画面60にて選択された文字を区切り文字として、その前後の文字列を入れ替えることでクロスデータを作成する。区切り文字を設定可能にすることで、ユーザの用途や好みにあったラベルの作成が可能となる。なお、印刷アプリ22は、複数の文字を区切り文字とする設定を受け付け可能であっても良い。
【0062】
また、印刷アプリ22は、例えば、ケーブルDB23に区切り文字の情報を含ませることができても良い。そして、区切り文字の情報が含まれていれば、印刷アプリ22は、ケーブルDB23の情報に基づいて区切り文字を決定するとしても良い。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本形態の印刷アプリ22は、クロスデータ作成ボタン42への操作を受け付けたことに基づいて、ケーブルDB23に含まれるケーブルデータからコピーデータを生成し、さらに、区切り文字の前後の文字列を入れ変えてクロスデータを生成する。そして、印刷アプリ22は、印刷指示を受け付けると、ケーブルデータとクロスデータとのテキストデータ群に含まれるテキストデータごとに、ラベルデータを生成し、その印刷をラベルプリンタ3に行わせるように構成されている。従って、1つのケーブルデータから、ケーブルデータのラベルとクロスデータのラベルとが作成されることになり、ペアのうち一方のテキストデータしか用意されていない場合であっても、ペアのラベルを得ることができ、データベース印刷の利便性が高まる。
【0064】
さらに、本形態の印刷アプリ22によれば、例えば、ケーブルの両端に貼り付けられるラベルの印刷において、両端で区切り文字の前後を入れ変えたペアのラベルが必要になる場合、ペアの一方のケーブルデータのみを登録したデータベースを用いて、ペアのラベルを容易に作成できる。
【0065】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、ラベルプリンタの印刷媒体は、ロール状のラベル紙に限らず、ファンフォールド紙でも良いし、カット紙状のラベル紙であっても良い。
【0066】
また、添付の図面にて図示した各表示画面の形態は、図示の例に限らず、適宜変更が可能である。例えば、各ボタンの配置や形状は、図示の例に限らない。クロスデータを追加した後のデータベースをエクスポート可能であっても良く、その場合、印刷アプリ22は、エクスポートの指示を受け付けるボタンを表示可能であると良い。
【0067】
また、本形態では、コピーデータの追加指示(S21)の後、クロスデータの作成指示(S23)を行うことでクロスデータが作成されるとしたが、印刷アプリ22は、1つの操作でこれらの指示を纏めて受け付け可能であっても良い。具体的には、印刷アプリ22は、コピーデータ追加ボタン41を表示せず、データベースが指定されたらクロスデータ作成ボタン42を操作可能として、クロスデータ作成ボタン42への操作を受け付けたら、クロスデータを作成して追加するとしても良い。
【0068】
また、本形態では、コピーデータからクロスデータを作成し(S24)、その後に、ケーブルデータとクロスデータとの並べ替えを行う(S25)、という手順について説明したが、S25とS24とは逆順に実行しても良い。つまり、印刷アプリ22は、コピーデータのままで並べ替えを行い、その後にクロスデータを作成しても良い。
【0069】
また、本形態では、コピーデータの追加指示(S21)を受け付けた場合、各ケーブルデータの後にそれぞれのコピーデータを追加するとしたが、全てのケーブルデータの後に全てのコピーデータを配置しても良いし、ケーブルデータとコピーデータとの順序は逆でもよいし、並び順についてのユーザの選択を受け付け可能であっても良い。全てのケーブルデータと全てのコピーデータとを別に配置する場合、コピーデータの並び順は、ケーブルデータの順と一致していても、一致していなくても良い。
【0070】
また、本形態では、クロスデータ作成ボタン42がオン状態とされた場合、印刷アプリ22は、S25にて初期状態として、ソート指示ボタン43が選択された場合と同様のペアソートの並び順とするとしたが、ソート指示ボタン44が選択された場合と同様のグループソートの並び順としても良い。また、印刷アプリ22は、デフォルトの並び順について、ユーザの設定を受け付け可能であっても良い。
【0071】
また、一方のラベルを他方のラベルから分離するための処理は、ハーフカットに限らず、例えば、ミシン目を入れる処理や、切り取り線の印刷、でも良い。
【0072】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0073】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組合せで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 携帯端末
3 ラベルプリンタ
11 CPU
13 ユーザIF