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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049624
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240403BHJP
   B41J 3/36 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
G06F3/12 351
G06F3/12 305
G06F3/12 378
G06F3/12 356
G06F3/12 392
B41J3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155966
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 冬湖
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 遵
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055AA00
(57)【要約】
【課題】データベース印刷に対応可能なプログラムであって、データベース印刷の利便性を向上させる技術を提供すること。
【解決手段】印刷アプリ22は、一行あるいは一列に並べられた複数のパネルデータを読み出し、レイアウト変更の指示を受け付けると、1つのラベルのラベルデータに含めるオブジェクトの個数を取得し、読み出した複数のパネルデータに基づいて、取得された個数ごとにパネルデータを抽出し、抽出された個数のパネルデータを纏めたレコードを生成し、生成したレコードに含まれるパネルデータごとに、ラベルデータに含められるオブジェクトの1つを関連付ける。さらに、印刷アプリ22は、生成されたレコードごとに、そのレコードの各パネルデータが、それぞれ関連付けられたオブジェクトに書き込まれたラベルデータに基づく印刷を、ラベルプリンタ3に行わせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
一列あるいは一行に並べられた複数のテキストデータを読み出す読出し処理を実行させ、前記複数のテキストデータが読み出された状態で第1の操作を可能にさせ、
さらに前記コンピュータに、前記第1の操作に基づいて、
特定のラベルデータに含めるテキストオブジェクトの個数を取得する取得処理と、
前記読出し処理にて読み出された前記複数のテキストデータに基づいて、前記取得処理にて取得された個数ごとに抽出し、抽出された個数の前記テキストデータを纏めた特定のレコードを生成する生成処理と、
前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記特定のラベルデータに含められる前記テキストオブジェクトの1つを関連付ける自動関連付け処理と、
を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記生成処理にて生成された前記特定のレコードごとに、前記特定のレコードの各テキストデータがそれぞれ関連付けられた前記テキストオブジェクトに書き込まれた前記特定のラベルデータに基づく印刷を、ラベルプリンタに行わせる特定印刷処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定のラベルデータに含める前記テキストオブジェクトを作業領域に配置する配置処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記取得処理では、前記配置処理の実行後、前記作業領域に配置されている前記テキストオブジェクトの個数を取得し、
前記自動関連付け処理では、前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記作業領域に配置されている前記テキストオブジェクトの1つを関連付ける、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータと、前記作業領域に配置された前記テキストオブジェクトと、の関連付けを自動的に行うか否かを設定する設定処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記設定処理にて関連付けを自動的に行うことが設定されている場合、前記生成処理の実行後、前記自動関連付け処理を実行させ、
前記設定処理にて関連付けを自動的に行わないことが設定されている場合、前記生成処理の実行後、前記自動関連付け処理を実行させず、前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記作業領域に配置されている前記テキストオブジェクトの1つの選択を受け付け、選択された前記テキストオブジェクトを関連付ける手動関連付け処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記自動関連付け処理では、前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記作業領域に配置された順に前記テキストオブジェクトの1つを関連付ける、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記取得処理では、前記テキストオブジェクトの個数の入力を受け付け、入力された個数を取得し、
さらに前記コンピュータに、
前記取得処理の実行後、前記自動関連付け処理を実行させる前に、前記取得処理にて取得された個数の前記テキストオブジェクトを作業領域に配置する自動配置処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記生成処理の実行後、前記特定印刷処理を実行させる前に、前記生成処理にて生成された前記特定のレコードを、前記情報処理装置のユーザインタフェースに一覧表示させる一覧表示処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記生成処理にて生成された前記特定のレコードが一覧表示されている状態で、前記生成処理にて生成された前記特定のレコードのうち、印刷対象となる前記特定のレコードの選択を受け付ける選択処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記特定印刷処理では、前記選択処理にて選択された前記特定のレコードごとに、前記特定のレコードの各テキストデータがそれぞれ関連付けられた前記テキストオブジェクトに書き込まれた前記特定のラベルデータに基づく印刷を、前記ラベルプリンタに行わせる、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記生成処理にて生成された前記特定のレコードが登録された新たなデータベースファイルをエクスポートするエクスポート処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
複数のフィールドが定義されたデータベースファイルであって、各フィールドに対応するテキストデータを記憶するレコードを登録可能な前記データベースファイルを指定する指定処理と、
前記指定処理にて指定された前記データベースファイルに定義される前記フィールドごとに1つのテキストオブジェクトを関連付ける関連付け処理と、
前記データベースファイルに登録されている前記レコードごとに、前記フィールドが関連付けられた各テキストオブジェクトに、各フィールドに対応する前記テキストデータが書き込まれたラベルデータを生成し、生成された前記ラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる印刷処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
ユーザインタフェースと、
コンピュータと、
を備える情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
一列あるいは一行に並べられた複数のテキストデータを読み出す読出し処理を実行可能であり、前記複数のテキストデータが読み出された状態で第1の操作を可能にし、
さらに前記コンピュータは、前記ユーザインタフェースを介して前記第1の操作があった場合に、
特定のラベルデータに含めるテキストオブジェクトの個数を取得する取得処理と、
前記読出し処理にて読み出された前記複数のテキストデータに基づいて、前記取得処理にて取得された個数ごとに抽出し、抽出された個数の前記テキストデータを纏めた特定のレコードを生成する生成処理と、
前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記特定のラベルデータに含められる前記テキストオブジェクトの1つを関連付ける自動関連付け処理と、
を実行し、
さらに前記コンピュータは、
前記生成処理にて生成された前記特定のレコードごとに、前記特定のレコードの各テキストデータがそれぞれ関連付けられた前記テキストオブジェクトに書き込まれた前記特定のラベルデータに基づく印刷を、ラベルプリンタに行わせる特定印刷処理を実行可能である、
ように構成される情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルプリンタに印刷させるデータの編集を行うプログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルプリンタに印刷させるデータの編集を行うプログラムの技術として、「データベース印刷」と呼ばれる機能が知られている。データベース印刷では、データベースファイルが指定されてそのデータベースファイルに定義されるフィールドごとに1つのテキストオブジェクトが関連付けられる。その後、印刷指示があった場合に、データベースファイルに登録されているレコード分、フィールドが関連付けられた各テキストオブジェクトに、各フィールドのテキストデータが書き込まれたラベルデータを生成し、生成されたラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる。このようなデータベース印刷に関する技術を開示した文献としては、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-268388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベルによっては、配置されるテキストデータの個数があらかじめ決まっている場合がある。このようにあらかじめ決められた個数のテキストデータを並べたラベルをデータベース印刷で作成する際、その個数ごとにテキストデータを纏めたレコードが必要になるが、データベースファイルによっては全てのテキストデータが一列あるいは一行で記載され、レコードの区切りが明確になっていない場合があり、そのような場合にユーザが希望するラベルが得られないといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、一列あるいは一行に並べられた複数のテキストデータを読み出す読出し処理を実行させ、前記複数のテキストデータが読み出された状態で第1の操作を可能にさせ、さらに前記コンピュータに、前記第1の操作に基づいて、特定のラベルデータに含めるテキストオブジェクトの個数を取得する取得処理と、前記読出し処理にて読み出された前記複数のテキストデータに基づいて、前記取得処理にて取得された個数ごとに抽出し、抽出された個数の前記テキストデータを纏めた特定のレコードを生成する生成処理と、前記特定のレコードに含まれる前記テキストデータごとに、前記特定のラベルデータに含められる前記テキストオブジェクトの1つを関連付ける自動関連付け処理と、を実行させ、さらに前記コンピュータに、前記生成処理にて生成された前記特定のレコードごとに、前記特定のレコードの各テキストデータがそれぞれ関連付けられた前記テキストオブジェクトに書き込まれた前記特定のラベルデータに基づく印刷を、ラベルプリンタに行わせる特定印刷処理を実行させる、ように構成される。
【0006】
本明細書に開示されるプログラムによれば、情報処理装置は、第1の操作に基づいて、一列あるいは一行に並べられた複数のテキストデータから、特定のラベルデータのテキストオブジェクトの個数ごとに纏められた特定のレコードを生成し、さらにその特定のレコードの各テキストデータをそれぞれ特定のラベルデータのテキストオブジェクトに関連付ける。さらに、プログラムは、その特定のレコードの各テキストデータが書き込まれた特定のラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせる。これにより、レコードの区切りがない複数のテキストデータを読み出した場合であっても、テキストデータがユーザの所望する数に区切られたラベルが出力されることになる。
【0007】
上記のプログラムを実行する情報処理装置、プログラムの機能を実現するための制御方法、プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、データベース印刷に対応可能なプログラムであって、データベース印刷の利便性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】印刷システムの概略構成図である。
図2】ラベル作成手順を示すシーケンス図である。
図3】パネルDBの例を示す説明図である。
図4】ラベル編集画面の例を示す説明図である。
図5】データベース表示画面の例を示す説明図である。
図6】レイアウト変更後のデータベース表示画面の例を示す説明図である。
図7】ラベル編集画面の例を示す説明図である。
図8】印刷画面の例を示す説明図である。
図9】オブジェクトの個数を選択する画面の例を示す説明図である。
図10】ラベル編集画面とデータベース表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、プログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書では、ラベルプリンタに接続可能な携帯端末にて実行されるプログラムを開示する。
【0011】
本形態の印刷システム100に含まれる携帯端末1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。携帯端末1は、情報処理装置の一例である。CPU11は、コンピュータの一例である。また、携帯端末1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。なお、図1中のコントローラ10は、携帯端末1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際に携帯端末1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。なお、情報処理装置の一例は、携帯端末に限らず、パーソナルコンピュータであっても良い。
【0012】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12には、各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリ12の一例である。なお、メモリ12の一例は、携帯端末1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体、例えば、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体であっても良い。
【0013】
ユーザIF13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。携帯端末1のユーザIF13は、表示機能と入力受付機能とを備えるタッチパネルを含む。なお、ユーザIF13は、情報を表示可能なディスプレイと、入力受付機能を有するハードウェアキーと、の組み合わせであっても良い。
【0014】
通信IF14は、ラベルプリンタ3等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、USBなどである。携帯端末1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていてもよい。
【0015】
携帯端末1のメモリ12には、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、印刷アプリケーションプログラム(以下、「印刷アプリ」とする)22と、パッチパネル用データベース(以下、「パネルDB」とする)23と、が記憶されている。OS21は、例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)である。
【0016】
印刷アプリ22は、例えば、ユーザIF13を介してユーザの指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて、印刷対象となる画像の編集と、ラベルプリンタ3への印刷指示の送信と、を行うプログラムである。印刷アプリ22は、プログラムの一例である。パネルDB23は、複数のパネルデータが記憶されているデータベースである。パネルDB23は、ユーザによって作成されるファイルであり、携帯端末1の工場出荷時には、メモリ12に記憶されていない。パネルDB23は、データベースファイルの一例である。印刷アプリ22やパネルDB23の詳細については、後述する。
【0017】
本形態のラベルプリンタ3は、少なくとも印刷機能と通信機能とを有する。ラベルプリンタ3の印刷方式は、例えば、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、である。ラベルプリンタ3は、通信機能を介して携帯端末1等の外部装置から印刷指示と印刷対象のラベルデータとを受信した場合、ラベルデータに基づく印刷を実行してラベルを作成する。
【0018】
ラベルプリンタ3は、例えば、ロール状のラベル紙を収容可能であり、そのラベル紙に画像を印刷してラベルを作成する機能を有している。ロール状のラベル紙は、連続した帯状の剥離紙上にラベル紙が重ね合わされて捲回された状態の印刷媒体である。ラベル紙は、連続した長尺テープであっても良いし、あらかじめ所定の形状にカットされたダイカットラベルであっても良い。また、本形態のラベルプリンタ3は、印刷後に印刷済みの部分を切断して排出する機能を有していても良い。
【0019】
続いて、パネルラベルを作成する手順について、図2のシーケンス図を参照して説明する。なお、以下に説明する各プログラムの手順や処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「決定」、「取得」、「受付」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、OS21のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS21の記載を省略して各プログラムの動作を説明する。また、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。
【0020】
本形態の印刷アプリ22は、テキストデータを含むデータベースファイルに基づいて、データベース印刷を実行可能である。データベース印刷では、印刷アプリ22は、印刷対象のデータベースの指定と、ラベルデータに配置するテキストオブジェクトの指定と、指定されたデータベースをテキストオブジェクトに関連付ける指示と、を受け付ける。
【0021】
印刷アプリ22は、データベース印刷の実行指示を受け付けると、指定されたデータベースに含まれるテキストデータを、配置されたテキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを作成して、作成したラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタ3に実行させる。印刷アプリ22は、データベースに含まれる各テキストデータをテキストオブジェクトに書き込んだラベルデータを、データベースに含まれるテキストデータ分について順に作成し、ラベルプリンタ3に渡すことで、データベースの各テキストデータが印刷された複数のラベルを作成させることができる。
【0022】
本形態の印刷アプリ22は、データベース印刷を用いてさらに、複数のテキストオブジェクトが配置されたラベルデータを生成可能である。印刷アプリ22は、例えば、複数のフィールドが定義されたレコードを登録可能であって、各フィールドにテキストデータが含まれるデータベースファイルの指定を受け付けた場合に、そのデータベースファイルに定義されるフィールドごとに1つのテキストオブジェクトを関連付けることができる。この場合、印刷アプリ22は、データベースファイルのレコードごとに、各フィールドに対応するテキストデータを、そのフィールドに関連付けられた各テキストオブジェクトに書き込んで、レコードごとのラベルデータを生成する。印刷アプリ22は、データベースファイルに含まれるレコード分について順にラベルデータを作成してラベルプリンタ3に渡すことで、複数のテキストデータが印刷された複数のラベルを作成させることができる。
【0023】
本明細書では、データベース印刷を用いて、パネルラベルを作成する手順について説明する。パネルラベルは、パッチパネルあるいはパッチボードと呼ばれる板状部材に貼り付けるためのラベルである。パッチパネルは、複数のコネクタが整然と配置されているパネルである。パッチパネルの各コネクタは、パッチパネルの裏側を通して他のコネクタと接続されており、例えば、各機器に接続されるケーブルのプラグを所定のコネクタに差し込むことで、機器同士を接続することができる。パネルラベルは、パッチパネルが備える複数のコネクタを区別するために、コネクタの近くに貼り付けられるラベルである。
【0024】
また、パネルラベルは、フェイスプレート用のラベルとしても使用される。フェイスプレートは、ソケットやスイッチを貫通させるための開口の周囲を覆うプレートであり、1個以上の開口が設けられる。複数の開口を備えるフェイスプレートでは、各開口は、整然と配置されていることが多い。
【0025】
図2に示すように、パネルラベルを作成したいユーザは、印刷対象のデータを記憶するデータベースであるパネルDB23を作成し(S01)、携帯端末1にパネルDB23を記憶させる(S02)。パネルDB23は、例えば、図3に示すように、パネルラベルに印刷する印刷対象の文字列であるパネルデータを、カンマや改行で区切って並べたデータベースである。パネルラベルを作成するユーザは、個々のコネクタや開口を示す文字列を決定し、各文字列をパネルデータとして記憶するパネルDB23を作成する。
【0026】
パネルDB23は、例えば、CSVファイルである。ユーザは、パネルDB23を、表作成用アプリケーションプログラムなどを利用して作成しても良いし、パネルデータを示すテキストを並べたテキストファイルとして作成しても良い。印刷アプリ22は、CSVファイル以外の形式のデータベースファイルに対応可能であっても良い。また、ユーザは、携帯端末1にてパネルDB23を作成しても良いし、他の装置にて作成したものを携帯端末1に記憶させても良い。
【0027】
図3の例のパネルDB23は、パネルデータを一列に並べたデータベースである。本形態の印刷アプリ22は、データベース印刷を実行可能であることから、例えば、このパネルDB23に基づいて、ラベルプリンタ3に、個々のパネルデータがそれぞれ印刷された複数のラベルを作成させることができる。しかし、個々のパネルデータを印刷した個々のラベルを作成した場合、各ラベルを個々のソケットの位置に貼り付ける必要があるため、貼り付けが手間であり、また、貼り付け間違いが発生する可能性がある。本形態の印刷アプリ22は、貼り付け対象のパネルの構成に合わせて、パネルDB23を加工する指示を受け付け可能である。加工の詳細については、後述する。
【0028】
パネルDB23を作成した後、ユーザは、携帯端末1にて、印刷アプリ22の起動指示を入力する(S11)。印刷アプリ22は、起動されたことで、例えば、図4に示すように、ラベル作成の指示を受け付けるラベル編集画面30を、ユーザIF13に表示する(S12)。そして、携帯端末1は、表示中のラベル編集画面30へのユーザの操作を受け付け可能となる。
【0029】
ラベル編集画面30は、例えば、図4に示すように、ラベル領域31と、各種の指示を受け付けるボタンと、を含む画面である。ラベル領域31は、印刷対象のラベルの印刷イメージを表示する領域である。終了ボタン32は、印刷アプリ22を終了する指示を受け付けるボタンである。保存ボタン33は、ラベル領域31に表示されている印刷対象のラベルのラベルデータを保存する指示を受け付けるボタンである。印刷ボタン34は、印刷実行の指示を受け付けるボタンである。
【0030】
ユーザは、ラベル編集画面30にて、印刷するパネルラベルのラベルデータを生成する。そのために、ユーザは、ラベル編集画面30中のラベル領域31に、作成したいラベルの構成となるようにオブジェクトを配置する(S15)。ラベル領域31は、作業領域の一例であり、S15は、配置処理の一例である。
【0031】
印刷アプリ22は、ラベル領域31に配置可能なオブジェクトとして、テキスト、マーク、写真など、複数種類のオブジェクトを備えている。パネルラベルを作成したいユーザは、パネルラベル用のオブジェクトをラベル領域31に配置する。パネルラベル用のオブジェクトは、テキストデータが書き込まれるテキストオブジェクトである。ユーザは、1枚のラベルに印刷されるパネルデータの数を決定し、決定した個数のオブジェクトをラベル領域31に配置する。
【0032】
パッチパネル等では、各コネクタの配置は、様々である。全てのコネクタが一列に均等に配置されているパネル、複数個のコネクタの列が複数列に配置されているパネル、複数個のコネクタのグループが間隔を空けて複数グループ並んでいるパネル、などがある。ユーザは、貼り付け対象のパネルにおけるコネクタの配置に合わせて、貼り付け易さや貼り付け後の見易さを考慮して、1枚のラベルに印刷されるパネルデータの数を決定する。
【0033】
例えば、4つずつのコネクタが固まって配置されているパッチパネルに貼り付けるパネルラベルを作成する場合、4つずつのパネルデータがそれぞれ1枚のラベルに印刷されたパネルラベルを作成することで、貼り付けが容易になる。その場合、ユーザは、例えば、図4に示すように、4個のパネルラベル用のオブジェクト311~314を1つのラベル領域31に配置する。なお、既存のパネルラベル用のラベルデータが有れば、パネルラベル用のオブジェクトを新規にラベル領域31に配置する代わりに、そのラベルデータを読み出して利用することもできる。
【0034】
印刷アプリ22は、各オブジェクトのラベル長さ方向のサイズを、印刷対象の文字列の長さに合わせて自動的に設定する。印刷アプリ22は、オブジェクトのサイズの明示的な指定も受け付け可能である。また、印刷アプリ22は、複数のパネルラベル用のオブジェクトがラベル領域31に配置された場合、例えば、図4に示すように、オブジェクト同士の間に縦線310を自動的に配置しても良い。
【0035】
ラベル領域31にパネルラベル用のオブジェクトが配置されると、印刷アプリ22は、データベース印刷の指示を受け付け可能となる。印刷アプリ22は、図4に示すように、データベース印刷に用いるデータベースの選択を受け付けるボタン35、36を表示する。ボタン35は、携帯端末1に記憶されているCSVファイルから、印刷対象のデータベースを選択する指示を受け付けるボタンである。ボタン36は、データベースの新規作成の指示を受け付けるボタンである。ユーザは、S01とS02とに代えて、ボタン36を操作してパネルDB23を作成しても良い。
【0036】
ユーザは、ボタン35を選択して、表示されるCSVファイルの一覧から、先に作成したパネルDB23を指定する(S16)。印刷アプリ22は、指定されたデータベースであるパネルDB23を読み出す(S17)。S17は、読出し処理の一例である。
【0037】
印刷アプリ22は、例えば、図5に示すように、読み出したパネルDB23の各パネルデータを含むデータベース表示画面を、ユーザIF13に表示する(S18)。図5では、図3に示したパネルデータを含むパネルDB23を読み出した例を示している。データベース表示画面には、データ表示欄41と、レイアウト変更ボタン42と、フィールド指定欄43と、自動割り当てボタン44と、キャンセルボタン46と、完了ボタン47と、が含まれる。
【0038】
データ表示欄41には、読み出したパネルDB23に含まれる各パネルデータ(図3参照)が表示可能な範囲内で表示される。この例のパネルDB23は、カンマによって区切られた一列のパネルデータを含むものであり、全てのパネルデータは、フィールド「F1」に表示されている。なお、パネルDB23のパネルデータは、改行によって区切られた一行のパネルデータであっても良く、その場合、パネルデータは、レコード「0」にそれぞれ設けられた複数のフィールドに配置される。読み出したデータベースが、一行のパネルデータを含むものであっても、印刷アプリ22は、同様の処理を実行可能である。
【0039】
レイアウト変更ボタン42は、表示中のデータベースのレイアウトの変更指示を受け付けるボタンである。レイアウト変更ボタン42への操作を受け付けると、印刷アプリ22は、データベースのフィールドの個数を変更して、パネルデータを並べ替える。フィールド指定欄43は、レイアウト変更ボタン42によるレイアウトの変更の対象となるフィールドの指定を受け付ける欄である。自動割り当てボタン44は、レイアウトを変更した後のデータベースの各フィールドを、ラベルデータに配置される各オブジェクトに自動的に割り当てる指示を受け付けるボタンである。なお、レイアウト変更ボタン42と自動割り当てボタン44とは、左右へスワイプすることでオンとオフとが切り替わる切換スイッチであり、図5ではいずれもオフ状態を示している。
【0040】
キャンセルボタン46は、データベース表示画面にて受け付けた操作をキャンセルして、ラベル編集画面30に戻る指示を受け付けるボタンである。完了ボタン47は、データ表示欄41に表示中のデータベースを、ラベルデータに印刷する印刷対象のデータベースとすると決定して、データベースの生成を完了する指示を受け付けるボタンである。完了ボタン47が操作された場合、印刷アプリ22は、データベース表示画面にて受け付けた操作によって生成されたデータベースを記憶して、ラベル編集画面30を表示する。
【0041】
ユーザは、図5に示す状態でレイアウト変更ボタン42を右方向ヘスワイプすることで、パネルデータのレイアウトを変更する指示を行うことができる(S21)。本形態の印刷アプリ22は、レイアウト変更ボタン42がオンにされた場合、自動割り当てボタン44を自動的にオンとする。この場合のレイアウト変更ボタン42への操作は、第1の操作の一例である。第1の操作は、レイアウト変更ボタン42をオンにする操作と、自動割り当てボタン44をオンにする操作と、の組み合わせであっても良い。
【0042】
レイアウト変更ボタン42がオン状態とされた場合、印刷アプリ22は、図4に示したラベル編集画面30にてラベル領域31に配置されているオブジェクトの個数を取得する(S22)。S22は、取得処理の一例である。図4の例では、個数は4個である。
【0043】
さらに、印刷アプリ22は、S17で読み出したパネルDB23のパネルデータを、先頭から順に、S22にて取得した個数分ずつ抽出し、抽出されたパネルデータをまとめたレコードを生成する(S23)。S23は、生成処理の一例である。S22にて生成される各レコードは、特定のレコードの一例である。
【0044】
そして、印刷アプリ22は、取得した個数分のフィールドを含むデータベースを用意し、そのデータベースの各レコードに、S23にて生成した各レコードを順に、自動的に再配置して、データ表示欄41に一覧表示する(S24)。S24は、一覧表示処理の一例である。
【0045】
例えば、個数が4個であれば、印刷アプリ22は、図6に示すように、F1~F4の4個のフィールドを有するデータベースを用意し、S17にて読み出したパネルデータのうち、先頭から4個のパネルデータを先頭のレコード「0」の各フィールドに、次の4個を次のレコード「1」の各フィールドに、となるように全てのパネルデータを順に再配置する。先にユーザがパネルラベル用のオブジェクトをラベル領域31に配置し、配置されたパネルラベル用のオブジェクトの個数に合わせて、印刷アプリ22がパネルデータの再配置を行うことで、ユーザの所望するラベルが作成される可能性が高い。
【0046】
12個のパネルデータを含むパネルDB23を4個のフィールドを有するデータベースに再配置した場合、印刷アプリ22は、図6に示すように、データ表示欄41に3行4列に再配置されたデータベースを表示する。なお、オブジェクトの個数が3個であって、12個のパネルデータを含むパネルDB23を3個のフィールドを有するデータベースに再配置した場合、データ表示欄41に表示されるデータベースは、4行3列に再配置されたデータベースとなる。再配置した後のデータベースを表示することで、適切なデータベースが生成されたか否かをユーザが確認することができる。
【0047】
本形態の印刷アプリ22は、前述したように、図6に示すレイアウト変更ボタン42がオンにされた場合、自動割り当てボタン44を自動的にオンとする。つまり、印刷アプリ22は、S21の指示を受け付けた場合、再配置したデータベースを作成するのみではなく、再配置したデータベースの各フィールドを、ラベル編集画面30(図4参照)のラベル領域31に配置されている各オブジェクトに自動的に関連付ける(S25)。印刷アプリ22は、例えば、フィールド「F1」をオブジェクト311に、フィールド「F2」をオブジェクト312に、というように関連付ける。これにより、生成されたレコードに含まれるパネルデータごとに、オブジェクトの1つが関連付けられる。S25は、自動関連付け処理の一例である。
【0048】
なお、印刷アプリ22は、レイアウトを変更する指示を受け付けた場合、表示中のパネルDB23のコピーを作成して、コピーのパネルDB23を用いてレイアウトを変更したデータベースを作成する等の処理を行うと良い。このようにすれば、一旦レイアウトの変更を行った後に、その処理がキャンセルされた場合でも、印刷アプリ22は、元のパネルDB23を容易に表示できる。
【0049】
再配置によってデータベースの作成が完了すると、ユーザは、図6に示す表示中のデータベース表示画面にて、完了ボタン47を操作する(S31)。完了ボタン47が操作されると、印刷アプリ22は、その時点でデータベース表示画面に表示されているデータベースである再配置済みデータベースを印刷対象のデータベースとして決定する。S31は、印刷対象のデータベースを指定する処理であり、指定処理の一例である。
【0050】
そして、印刷アプリ22は、印刷対象として決定した再配置済みデータベースに基づくデータベース印刷の実行指示を受け付け可能となる。さらに、印刷アプリ22は、データベース表示画面の表示を終了して、図7に示すように、ラベル編集画面30を表示する(S32)。図7に示すラベル編集画面30では、図4に示したデータベース選択のための各ボタン35、36に代えて、データベース表示欄38と、エクスポートボタン39と、が表示される。また、ラベル領域31には、完成した再配置済みデータベースのうち、先頭のレコードに含まれる4つのパネルデータがオブジェクト311~314にそれぞれ書き込まれたラベルデータが表示される。
【0051】
図7に示すラベル編集画面30のデータベース表示欄38には、再配置済みデータベースが表示可能な範囲内で表示され、レコードごとに印刷対象とするか否かを示すチェック欄381、382が含まれる。S32では、印刷アプリ22は、全てのチェック欄381、382等を印刷対象とするチェックが入った状態で表示する。ユーザは、印刷対象としないレコードがあれば、そのレコードのチェック欄のチェックを外して、印刷対象としない指示を行うことができる。チェック欄381、382によって印刷対象の選択を受け付ける処理は、選択処理の一例である。印刷対象のラベルデータを選択できることで、無駄な印刷を回避できる。
【0052】
また、印刷アプリ22は、図7に示すラベル編集画面30にてエクスポートボタン39への操作によって、エクスポートの指示を受け付け可能である。エクスポートの指示を受け付ける(S34)と、印刷アプリ22は、データベース表示欄38に表示中の再配置済みデータベースを、データベースファイルに生成して、指定されたエクスポート先にエクスポートする(S35)。S35は、エクスポート処理の一例である。再配置済みデータベースをエクスポートすることで、他の端末でも、そのデータベースを利用できる。
【0053】
なお、ここまで、一列あるいは一行のパネルデータを含むパネルDB23を読み出した場合の例について説明したが、印刷アプリ22は、複数のフィールドと複数のレコードとを含むデータベースを処理の対象とすることもできる。その場合、図5に示したデータベース表示画面40のデータ表示欄41には、複数のフィールドと複数のレコードとが表示され、印刷アプリ22は、フィールド指定欄43にて、再配置の対象となるフィールドの選択を受け付け可能である。印刷アプリ22は、フィールド指定欄43でのフィールドの選択と、レイアウト変更の指示と、を受け付けた場合、元のデータベースから、指定されたフィールドに含まれるパネルデータを、S22にて取得された個数ずつ抽出して、オブジェクトの配置に合わせて再配置したデータベースを作成する。
【0054】
また、印刷アプリ22は、レイアウト変更の指示を受け付けた場合に自動的にオンとされた自動割り当てボタン44を、手動でオフに変更する指示を受け付け可能である。自動割り当てボタン44がオフに変更されると、印刷アプリ22は、再配置済みデータベースと、ラベル編集画面30のラベル領域31に配置されている各オブジェクト311~314との割り当てを、手動で受け付け可能となる。この状態で完了ボタン47への操作を受け付けた場合には、印刷アプリ22は、S32にて、ラベル領域31にパネルデータが書き込まれていない状態のラベル編集画面30を表示しても良い。
【0055】
つまり、印刷アプリ22は、自動割り当てボタン44への操作に基づいて自動的に関連付けを行うか否かを設定する。自動割り当てボタン44をオフにする操作を含むS21は、設定処理の一例である。そして、自動割り当てボタン44がオフにされた状態で、ユーザの操作に基づいて変更されたデータベースに基づいて、各レコードのパネルデータを各オブジェクトに関連付ける場合のS25は、手動関連付け処理の一例である。手動での関連付けも可能にすることで、関連付けの自由度が高まり、データベース印刷の利便性がより高まる。
【0056】
ラベル編集画面30が表示されている状態で、ユーザは、印刷ボタン34を操作することで印刷を指示することができる。印刷アプリ22は、印刷ボタン34が操作されると(S41)、図8に示すような印刷画面50をユーザIF13に表示する(S42)。印刷画面50は、印刷を実行させるプリンタの選択や、印刷部数の選択を受け付ける画面である。
【0057】
図8に示す印刷画面50には、例えば、カットの選択を受け付けるカット指示ボタン51~53と、キャンセルボタン54と、印刷ボタン55と、が含まれる。カット指示ボタン51は、ラベルごとに、ラベル紙と剥離紙とをともに切断するカット指示を受け付けるボタンである。カット指示ボタン52は、ラベルごとに、ラベル紙を切断し剥離紙を切断しないカット指示を受け付けるボタンである。カット指示ボタン53は、ラベル間では切断せず、最後に印刷したラベルの後端のみを切断するカット指示を受け付けるボタンである。
【0058】
印刷アプリ22は、カット指示ボタン51~53のいずれかへの操作を受け付けた場合、各ラベルデータに、カットすることを示すカット情報を付加する。ラベルプリンタ3は、カット情報が付加されたラベルデータを受信した場合、そのラベルデータに基づく印刷を実行後、カット情報に基づいて、切断の処理を行う。
【0059】
印刷画面50にて印刷ボタン55が操作されると(S51)、印刷アプリ22は、印刷対象のデータベースに基づくデータベース印刷を、ラベルプリンタ3に行わせる(S52)。S52は、印刷処理の一例である。例えば、印刷対象のデータベースが再配置済みデータベースであれば、印刷アプリ22は、ラベル編集画面30のデータベース表示欄38に表示されているデータベースの各レコードについて、関連付けられたオブジェクトに各パネルデータを書き込んでラベルデータを生成し、生成したラベルデータをラベルプリンタ3に送信する。この場合のS52は、特定印刷処理の一例である。これにより、ラベルプリンタ3によってラベルデータに基づく印刷が実行され、パネルラベルが作成される。
【0060】
なお、ここまで、ラベル編集画面30(図4参照)にて、ラベル領域31に必要な個数のパネルラベル用のオブジェクトをユーザが配置して(S15)、その後、データベースの指定(S16)と、再配置の指示(S21)と、を受け付ける手順について説明した。印刷アプリ22は、オブジェクトを配置せずにデータベースの指定を受け付け、そのデータベースの再配置の指示を受け付け可能であっても良い。
【0061】
印刷アプリ22は、例えば、ラベル領域31にオブジェクトが配置されていない状態でデータベースの指定を受け付け可能であっても良い。その場合、例えば、図9に示すように、オブジェクトの種類と、その個数と、の入力を受け付ける受付画面61を表示して、ユーザの選択を受け付け可能であっても良い。印刷アプリ22は、受付画面61にて受け付けたユーザの選択に基づいて、配置するオブジェクトの種類と個数とを決定して、ラベル領域31に自動的に配置しても良い。受付画面61にて入力された個数のオブジェクトをラベル領域31に配置する処理は、自動配置処理の一例である。
【0062】
あるいは、印刷アプリ22は、図10に示すように、ラベル領域31にオブジェクトが配置されていない状態(図10の(A))でデータベースの指定を受け付けた場合、再配置するフィールドの個数の選択を受け付ける個数選択欄62を含むデータベース表示画面40(図10の(B))を表示しても良い。このデータベース表示画面40にて、個数「4」が選択されて、レイアウト変更ボタン42への操作を受け付けた場合、印刷アプリ22は、図6に示したように、データベースのレイアウトを変更するとしても良い。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本形態の印刷アプリ22は、レイアウト変更ボタン42への操作を受け付けると、一列あるいは一行に並べられた複数のパネルデータを、ラベル領域31に配置されたオブジェクトの個数ごとに纏めたレコードを生成し、そのレコードの各パネルデータを、それぞれのオブジェクトに関連付ける。そして、印刷アプリ22は、レコードごとに、関連付けられた各オブジェクトに、各パネルデータが書き込まれたラベルデータに基づく印刷をラベルプリンタに行わせるように構成されている。これにより、レコードの区切りがない複数のパネルデータを読み出した場合にであっても、パネルデータがユーザの所望する数に区切られたラベルが出力されることになり、データベース印刷の利便性が高まる。
【0064】
さらに、本形態の印刷アプリ22は、例えば、ポート番号が横一列に並べられたラベルであって、パッチパネルに貼り付けられるラベルであるパッチパネル用ラベルの印刷を、データベース印刷を用いて実行可能である。本形態の印刷アプリ22を利用すれば、このパッチパネル用ラベルのようなあらかじめ決められた個数のパネルデータを並べたラベルを生成する際、レコードの区切りがないデータベースファイルに基づいて、ユーザが所望するラベルを作成できる。
【0065】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、ラベルプリンタの印刷媒体は、ロール状のラベル紙に限らず、ファンフォールド紙でも良いし、カット紙状のラベル紙であっても良い。
【0066】
また、添付の図面にて図示した各表示画面の形態は、図示の例に限らず、適宜変更が可能である。例えば、各ボタンの配置や形状は、図示の例に限らない。例えば、実施の形態では、1行のテキストのみを印刷するラベルデータの例を示しているが、ラベルの幅方向に複数行のテキストを印刷可能であっても良い。また、パネルラベルには、パネルデータ以外のテキストや図形を含めることができても良い。
【0067】
また、実施の形態では、ラベル領域31に複数のパネルラベル用のオブジェクトが配置されると、オブジェクト同士の間に縦線310が配置されるとしたが、これに限らない。印刷アプリ22は、縦線310を配置しないとしても良いし、各オブジェクトを枠線で囲っても良いし、縦線以外の図形で区切っても良いし、ユーザの選択を受け付け可能であっても良い。
【0068】
また、実施の形態では、レイアウト変更ボタン42がオンにされた場合、自動割り当てボタン44が自動的にオンとされるとしたが、これに限らない。例えば、レイアウト変更ボタン42をオンにする操作と、自動割り当てボタン44をオンにする操作とは、個別の操作として受け付け可能であっても良い。また、印刷アプリ22は、これらのボタンを自動的に連動させるか否かの設定を受け付け可能であっても良い。
【0069】
また、実施の形態では、データ表示欄41に表示中のデータベースのうち、印刷対象とするレコードの選択を受け付けるとしたが、受け付けなくても良い。このようなものであっても、例えば、印刷対象としないレコードを含まないデータベースを生成することで、印刷対象のレコードのみを印刷させることができる。
【0070】
また、データベースのエクスポートはできなくても良い。具体的には、ラベル編集画面30のエクスポートボタン39は、無くても良い。
【0071】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0072】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組合せで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 携帯端末
3 ラベルプリンタ
11 CPU
13 ユーザIF
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10