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特開2024-49635画像読取装置及び画像読取装置の画像読取方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049635
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像読取装置の画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240403BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240403BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H04N1/12 A
H04N1/00 567M
B65H5/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155980
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】池尾 優希
【テーマコード(参考)】
3F049
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
3F049AA10
3F049DA12
3F049EA10
3F049EA14
3F049LA11
3F049LB02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC12
5C062AC65
5C072AA01
5C072BA05
5C072NA01
5C072NA05
5C072RA02
(57)【要約】
【課題】ユーザーの利便性を向上させることができる画像読取装置及び画像読取装置の画像読取方法を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、DCモーターと、DCモーターによって駆動するローラーと、ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備える。制御部は、DCモーターの動力負荷値を検出可能である。制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するようにDCモーターを制御した状態でDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DCモーターと、
前記DCモーターによって駆動するローラーと、
前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、
前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記DCモーターの動力負荷値を検出可能であり、
前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、電源の投入に伴って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定した後に、読取指示が入力されると、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像読取装置において、
搬送される原稿を検出可能である原稿検出部を備え、
前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出された場合に、原稿を排出可能である第1時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像読取装置において、
搬送される原稿を検出可能である原稿検出部を備え、
前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出された場合に、原稿を排出可能である第1時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出し、
前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出されなかった場合に、前記第1時間よりも短い第2時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、読取指示が入力されると、前記読取部に原稿から画像を読み取らせる前に、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、読取指示が入力された後に、前記読取部に第1原稿から画像を読み取らせた後であって、かつ、前記読取部に前記第1原稿の次の第2原稿から画像を読み取らせる前である期間において、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えたと判定した後に、原稿の搬送を規制する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置において、
情報を表示可能である表示部を備え、
前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定したときに、前記第2搬送速度で原稿を搬送するか否かをユーザーに選択させるための選択情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、前記第2搬送速度で原稿を搬送すると選択された場合に、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能であり、前記第2搬送速度で原稿を搬送しないと選択された場合に、原稿の搬送を規制する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定した後に、以前の搬送速度よりも遅い搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えるか否かの判定を繰り返し行うことができる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置において、
前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が、前記第1閾値よりも小さい第3閾値を超えたと判定した後に、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
DCモーターと、前記DCモーターによって駆動するローラーと、前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備えた画像読取装置の画像読取方法であって、
前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御する場合において前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である、
ことを特徴とする画像読取装置の画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から画像を読み取る画像読取装置及び画像読取装置の画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、DCモーターの駆動により原稿を搬送するとともに、搬送される原稿から画像を読み取る画像読取装置が開示されている。このような画像読取装置では、DCモーターの回転速度に基づいて画像読取装置が使用できなくなるタイミングが判断される。特に、画像読取装置が使用できなくなるタイミングが突然に到来し画像読取装置を使用できない期間が長くなると、ユーザーの利便性が損なわれてしまう。このため、画像読取装置を使用できない期間を極力短くするためにも、画像読取装置が使用できなくなるタイミングにマージンが設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-15483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置では、画像読取装置が使用できなくなるタイミングを早期に特定できるものの、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体が延長されるものではなく、ユーザーの利便性を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する画像読取装置は、DCモーターと、前記DCモーターによって駆動するローラーと、前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備え、前記制御部は、前記DCモーターの動力負荷値を検出可能であり、前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である。
【0006】
上記課題を解決する画像読取装置の画像読取方法は、DCモーターと、前記DCモーターによって駆動するローラーと、前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備えた画像読取装置の画像読取方法であって、前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御する場合において前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像読取装置を示す模式側断面図である。
図2】画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】第2駆動部の動力負荷値の閾値を示す模式図である。
図4】動力負荷検出処理を示すフローチャートである。
図5】動力負荷判定処理を示すフローチャートである。
図6】第2駆動部の動力負荷値の閾値を示す模式図である。
図7】動力負荷判定処理を示すフローチャートである。
図8】動力負荷検出処理を示すフローチャートである。
図9】動力負荷検出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、画像読取装置及び画像読取装置の画像読取方法の一実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、原稿が搬送される方向を搬送方向Yとし、搬送方向Yに対して交差する方向を幅方向Xとする。
【0009】
<画像読取装置10の構成>
図1に示すように、画像読取装置10は、原稿Dから画像を読み取るように構成される。特に、画像読取装置10は、原稿Dを搬送するとともに、搬送させる原稿Dから画像を読み取るように構成される。
【0010】
画像読取装置10は、筐体11を備える。筐体11は、各種部材を収容するように構成される。筐体11は、本体部12と、カバー部13とを備える。カバー部13は、本体部12に対して開閉可能なように連結される。
【0011】
筐体11は、給送口11Aを備える。給送口11Aは、本体部12とカバー部13との間に設けられる。給送口11Aは、読取前の原稿Dを筐体11の内部に給送するための開口である。
【0012】
筐体11は、排出口11Bを備える。排出口11Bは、本体部12とカバー部13との間に設けられる。排出口11Bは、読取後の原稿Dを筐体11から外部に排出するための開口である。
【0013】
筐体11は、搬送経路14を備える。搬送経路14は、本体部12とカバー部13との間に設けられる。搬送経路14は、給送口11Aと排出口11Bにとの間に設けられる。搬送経路14は、給送口11Aから排出口11Bに原稿Dを搬送する経路である。
【0014】
画像読取装置10は、原稿サポート15を備えてもよい。原稿サポート15は、給送口11Aの上側に設けられる。原稿サポート15は、筐体11から延出するように構成される。原稿サポート15は、読取前の1枚又は複数枚の原稿Dが載置可能である。
【0015】
画像読取装置10は、給送ガイド16を備える。給送ガイド16は、筐体11に収容される。給送ガイド16は、給送口11Aの下側に設けられる。給送ガイド16は、給送口11Aから筐体11の内部に給送される原稿Dを搬送経路14に沿って案内する。
【0016】
画像読取装置10は、スタッカー17を備えてもよい。スタッカー17は、排出口11Bの下側に設けられる。スタッカー17は、幅方向Xに交差する前後方向にスライド可能な状態で筐体11に収納されてもよい。
【0017】
<搬送部20>
画像読取装置10は、搬送部20を備える。搬送部20は、筐体11に収容される。搬送部20は、搬送経路14に沿って原稿Dを搬送するように構成される。搬送部20は、原稿Dを読取領域SAに搬送し、排出口11Bから排出するように構成される。
【0018】
搬送部20は、給紙ローラー21を備える。給紙ローラー21は、搬送経路14の上流端に設けられる。給紙ローラー21は、給送ガイド16と対向する位置に設けられる。給紙ローラー21は、後述する第1駆動部25から伝達される駆動力により回転する。つまり、給紙ローラー21は、後述する第1駆動部25によって駆動するように構成される。給紙ローラー21は、原稿サポート15に載置された原稿Dを1枚ずつ給送口11Aから筐体11の内部へ給紙するように構成される。給紙ローラー21は、給送ガイド16に沿って原稿Dを給紙する。
【0019】
搬送部20は、給送ローラー対22を備える。給送ローラー対22は、給紙ローラー21よりも搬送方向Yの下流に設けられる。給送ローラー対22は、給送駆動ローラー22Aと給送分離ローラー22Bとを備える。給送駆動ローラー22Aと給送分離ローラー22Bとは、搬送経路14を挟むように設けられる。給送駆動ローラー22Aは、後述する第1駆動部25から伝達される駆動力により回転する。つまり、給送駆動ローラー22Aは、後述する第1駆動部25によって駆動するように構成される。給送分離ローラー22Bは、後述する第2駆動部26から伝達される駆動力により回転する。つまり、給送分離ローラー22Bは、後述する第2駆動部26によって駆動するように構成される。
【0020】
搬送部20は、搬送ローラー対23を備える。搬送ローラー対23は、給送ローラー対22よりも搬送方向Yの下流に設けられる。搬送ローラー対23は、読取領域SAよりも搬送方向Yの上流に設けられる。搬送ローラー対23は、読取前の原稿Dを読取領域SAに搬送する。
【0021】
搬送ローラー対23は、搬送駆動ローラー23Aと搬送従動ローラー23Bとを備える。搬送駆動ローラー23Aと搬送従動ローラー23Bとは、搬送経路14を挟むように設けられる。搬送駆動ローラー23Aは、後述する第2駆動部26から伝達される駆動力により回転する。つまり、搬送駆動ローラー23Aは、後述する第2駆動部26によって駆動するように構成される。搬送従動ローラー23Bは、搬送駆動ローラー23Aの回転により連れ回りする。
【0022】
搬送部20は、排出ローラー対24を備える。排出ローラー対24は、搬送ローラー対23よりも搬送方向Yの下流に設けられる。排出ローラー対24は、読取領域SAよりも搬送方向Yの下流に設けられる。排出ローラー対24は、読取後の原稿Dを筐体11の外部に排出する。排出ローラー対24は、搬送ローラー対23と共に読取中の原稿Dを搬送するように構成される。
【0023】
排出ローラー対24は、排出駆動ローラー24Aと排出従動ローラー24Bとを備える。排出駆動ローラー24Aと排出従動ローラー24Bとは、搬送経路14を挟むように設けられる。排出駆動ローラー24Aは、後述する第2駆動部26から伝達される駆動力により回転する。つまり、排出駆動ローラー24Aは、後述する第2駆動部26によって駆動するように構成される。排出従動ローラー24Bは、排出駆動ローラー24Aの回転により連れ回りする。
【0024】
搬送部20は、第1駆動部25を備える。第1駆動部25は、給紙ローラー21及び給送駆動ローラー22Aの駆動源である。第1駆動部25は、給紙ローラー21及び給送駆動ローラー22Aを回転させる。第1駆動部25は、例えばDCモーターであってもよい。
【0025】
搬送部20は、第2駆動部26を備える。第2駆動部26は、給送分離ローラー22B、搬送駆動ローラー23A及び排出駆動ローラー24Aの駆動源である。第2駆動部26は、給送分離ローラー22B、搬送駆動ローラー23A及び排出駆動ローラー24Aを回転させる。第2駆動部26は、例えばDCモーターであってもよい。つまり、画像読取装置10は、DCモーターを備える。
【0026】
画像読取装置10は、位置検出部27を備える。位置検出部27は、搬送駆動ローラー23Aの回転位置を検出可能であってもよいが、給送分離ローラー22B及び排出駆動ローラー24Aのうち何れかの回転位置を検出可能であってもよい。位置検出部27は、例えばエンコーダーであってもよい。
【0027】
画像読取装置10は、画像の読取に関する検出を行う1つ以上の検出部を備えてもよい。特に、画像読取装置10は、原稿Dに関する検出を行う1つ以上の検出部を備えてもよい。
【0028】
具体的に、画像読取装置10は、第1原稿検出部28を備える。第1原稿検出部28は、給紙ローラー21の搬送方向Yの上流に設けられる。第1原稿検出部28は、原稿サポート15に載置された原稿Dの有無を検出可能である。第1原稿検出部28は、例えばレバーなどを有する接触式センサーであってもよく、例えば光学式センサー等の非接触センサーであってもよい。
【0029】
画像読取装置10は、第2原稿検出部29を備える。第2原稿検出部29は、搬送経路14に沿うように設けられる。第2原稿検出部29は、給送ローラー対22よりも搬送方向Yの下流に設けられる。第2原稿検出部29は、搬送ローラー対23よりも搬送方向Yの上流に設けられる。第2原稿検出部29は、原稿Dを挟むキャリアシートを検出可能である。第2原稿検出部29は、搬送経路14における原稿Dの有無も検出可能である。第2原稿検出部29は、例えばレバーなどを有する接触式センサーであってもよく、例えば光学式センサー等の非接触センサーであってもよい。
【0030】
画像読取装置10は、第3原稿検出部30を備える。第3原稿検出部30は、搬送経路14に沿うように設けられる。第3原稿検出部30は、搬送ローラー対23よりも搬送方向Yの下流に設けられる。第3原稿検出部30は、読取領域SAよりも搬送方向Yの上流に設けられる。第3原稿検出部30は、原稿Dの有無を検出可能である。特に、第3原稿検出部30は、搬送経路14における原稿Dの有無も検出可能である。第3原稿検出部30は、例えばレバーなどを有する接触式センサーであってもよく、例えば光学式センサー等の非接触センサーであってもよい。
【0031】
<読取部31>
画像読取装置10は、読取部31を備える。読取部31は、筐体11に収容される。読取部31は、搬送ローラー対23の搬送方向Yの下流に設けられる。読取部31は、排出ローラー対24の搬送方向Yの上流に設けられる。読取部31は、搬送経路14に沿って搬送される原稿Dから画像を読み取るように構成される。つまり、読取部31は、各種のローラーによって搬送される原稿Dから画像を読取可能である。
【0032】
読取部31は、第1読取部31Aと、第2読取部31Bとを備えてもよい。第1読取部31Aと第2読取部31Bとは、搬送経路14を挟むように設けられる。第1読取部31Aと第2読取部31Bとは、搬送方向Yに互いに少しずれた位置に配置される。第1読取部31Aは、原稿Dの表面から画像を読み取るように構成される。第2読取部31Bは、原稿Dの裏面から画像を読み取るように構成される。
【0033】
第1読取部31Aは、第1光源32Aを備える。第1光源32Aは、読取領域SAに光を照射可能である。第1光源32Aは、読取領域SAにおいて搬送中の原稿Dに光を照射可能である。第1光源32Aは、例えばLEDや蛍光ランプ等により構成されてもよい。
【0034】
第1読取部31Aは、第1イメージセンサー33Aを備える。第1イメージセンサー33Aは、読取領域SAにおいて搬送中の原稿Dから画像を読取可能である。第1イメージセンサー33Aは、受けた光を光電変換する。第1イメージセンサー33Aは、受光量に応じた値の出力信号を出力する。第1イメージセンサー33Aは、コンタクト型イメージセンサーであってもよい。第1イメージセンサー33Aは、CMOSイメージセンサーであってもよい。
【0035】
第1イメージセンサー33Aは、モノクロセンサーでもよいし、カラーセンサーでもよい。第1読取部31Aは、フルカラーで原稿Dを読み取るように構成されてもよい。第1読取部31Aは、RGBの3色で原稿Dを読み取るように構成されてもよい。第1読取部31Aは、原稿Dをグレースケールで読み取るように構成されてもよい。
【0036】
第1読取部31Aは、第1背景板34Aを備える。第1背景板34Aは、後述する第2光源32B及び第2イメージセンサー33Bと対向する位置に設けられる。第1背景板34Aは、第2光源32Bから照射された光を反射し、第2イメージセンサー33Bに入射させる。第1背景板34Aは、第2イメージセンサー33Bによって原稿Dとともに読み取られる。第1背景板34Aは、第2イメージセンサー33Bによって原稿Dとともに背景として読み取られる。第1背景板34Aは、第1背景板34Aは、白色であっても灰色であってもよい。
【0037】
第2読取部31Bは、第1読取部31Aと同じ機能を有する。このため、第2読取部31Bについての詳細な説明を省略する。第2読取部31Bは、第2光源32Bと、第2イメージセンサー33Bと、第2背景板34Bを備える。第2光源32Bは、第1光源32Aと同じ機能を有する。第2イメージセンサー33Bは、第1イメージセンサー33Aと同じ機能を有する。第2背景板34Bは、第1背景板34Aと同じ機能を有する。
【0038】
以降、第1光源32Aと第2光源32Bとをまとめて光源32と示す場合がある。第1イメージセンサー33Aと第2イメージセンサー33Bとをまとめてイメージセンサー33と示す場合がある。第1背景板34Aと第2背景板34Bとをまとめて背景板34と示す場合がある。
【0039】
<制御部40>
画像読取装置10は、制御部40を備える。制御部40は、画像読取装置10を統括的に制御し、画像読取装置10で実行される各種動作を制御してもよい。つまり、制御部40は、画像の読取に関する制御を行う。制御部40は、プログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせを含んでもよい。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0040】
<画像読取装置10の電気的構成>
ここで、図2を参照して画像読取装置10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、画像読取装置10は、操作部18を備える。操作部18は、筐体11の外部からユーザーにより操作可能である。操作部18は、電源スイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチ及び設定スイッチのうち少なくとも何れかを含んでもよい。
【0041】
画像読取装置10は、報知部19を備える。報知部19は、所定の情報を報知可能である。報知部19は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部、及び、発光する発光部のうち少なくとも何れかを含んでもよい。操作部18と報知部19とは、別体に設けられていてもよく、例えばタッチパネルなどのように一体に設けられてもよい。
【0042】
制御部40は、操作部18、報知部19、第1駆動部25、第2駆動部26、位置検出部27、第1原稿検出部28、第2原稿検出部29、第3原稿検出部30及び読取部31と接続されている。制御部40は、操作部18、位置検出部27、第1原稿検出部28、第2原稿検出部29、第3原稿検出部30及び読取部31から信号を入力可能である。制御部40は、報知部19、第1駆動部25、第2駆動部26及び読取部31に信号を出力可能である。
【0043】
特に、制御部40は、読取指示の入力により、原稿Dから画像を読み取らせるように読取部31を制御する。具体的には、制御部40は、第1駆動部25の駆動を制御可能である。制御部40は、第2駆動部26の駆動を制御可能である。制御部40は、搬送部20によって搬送される原稿Dから画像を読み取らせるように読取部31を制御する。
【0044】
制御部40は、プログラムを実行することで機能する各種の機能部を備える。詳しくは、制御部40は、主制御部41、搬送制御部42、読取制御部43、画像処理部44を備える。主制御部41は、画像読取装置10を統括的に制御する。
【0045】
搬送制御部42は、搬送経路14に沿って原稿Dを搬送させる制御を行う。搬送制御部42は、主制御部41の指示に従って第1駆動部25及び第2駆動部26を駆動制御する。
【0046】
特に、搬送制御部42は、読取解像度に対応する搬送速度で原稿Dを搬送させるように第1駆動部25及び第2駆動部26を駆動制御してもよい。具体的な一例をあげると、搬送制御部42は、読取解像度が相対的に低い300dpiである場合に、読取解像度が相対的に高い600dpiである場合よりも高速度で原稿Dを搬送させる。
【0047】
読取制御部43は、後述するタイミングジェネレーター45を介して読取部31を制御する。特に、読取制御部43は、光源32の発光を制御する。読取制御部43は、イメージセンサー33に読出動作を行わせる制御を行う。これにより、読取制御部43は、読取部31に原稿Dの画像を読み取らせる制御を行う。
【0048】
画像処理部44は、読取部31によって読み取られた画像の画像データを処理する。特に、画像処理部44は、読み取られた画像データについての解析を行った結果に基づいて、画像データに補正を行うことができる。画像処理部44は、補正を行った画像データを端末装置100に出力する。
【0049】
制御部40は、タイミングジェネレーター45を備える。図中では、タイミングジェネレーター45をTGと示す。タイミングジェネレーター45は、読取動作タイミングを示すパルス信号を読取部31に出力する。制御部40は、アナログフロントエンド46を備える。図中では、アナログフロントエンド46をAFEと示す。アナログフロントエンド46は、イメージセンサー33からの画素信号について、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0050】
画像読取装置10は、と端末装置100と通信可能に接続されている。画像読取装置10は、端末装置100と有線で接続されていても無線で接続されていてもよい。端末装置100は、例えばパーソナルコンピューターであってもよいが、携帯端末装置であってもよい。
【0051】
端末装置100は、端末制御部101を備える。端末制御部101は、端末装置100を統括的に制御し、端末装置100で実行される各種動作を制御してもよい。端末装置100は、画像の読取に関する制御を行う画像読取装置10と通信可能に接続されている。つまり、端末制御部101は、画像の読取に関する制御を行うともいえる。
【0052】
端末装置100は、端末操作部102と端末表示部103とを備える。端末操作部102は、ユーザーによって操作可能である。つまり、端末操作部102は、ユーザーによる指示を入力可能である。端末表示部103は、画像を表示するように構成される。
【0053】
<制御部40による駆動制御>
ここで、制御部40による駆動制御について説明する。特に、主に第2駆動部26の駆動制御について説明するが、第2駆動部26の駆動制御についても同じように実行可能である。
【0054】
制御部40は、速度制御データに基づいて、フィードバック制御により第2駆動部26を制御するように構成される。速度制御データは、速度プロファイルを規定するデータである。速度プロファイルは、第2駆動部26の目標回転速度が規定されたデータである。速度制御データは、制御部40のメモリーに記憶されている。
【0055】
具体的に、制御部40は、位置検出部27からの信号の受信間隔に基づいて、第2駆動部26の実回転速度を取得する。制御部40は、速度制御データに基づいて、第2駆動部26の回転位置に対応する目標回転速度を取得する。
【0056】
制御部40は、第2駆動部26の回転位置に対応する実回転速度を目標回転速度に近づけるように指令値を算出する。指令値は、例えばPWM指令値であってもよい。制御部40は、算出した指令値に対応する電流を駆動信号として第2駆動部26に出力する。これにより、制御部40は、指令値に対応する駆動量だけ第2駆動部26を駆動させる。このように、制御部40は、速度制御データに基づいて、速度プロファイルに沿って第2駆動部26を制御することができる。
【0057】
制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値を取得する。詳しくは、制御部40は、第2駆動部26に出力される電流値に基づいて動力負荷値を取得する。特に、制御部40は、PWM指令値に応じて第2駆動部26に出力される電流のデューティー比に基づいて動力負荷値を取得してもよい。制御部40は、PWM指令値に基づいて動力負荷値を取得してもよい。動力負荷値は、第2駆動部26の実回転速度が目標回転速度に近づくにつれて小さくなり、第2駆動部26の実回転速度が目標回転速度から遠ざかるにつれて大きくなる。このように、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値を検出可能である。
【0058】
<動力負荷値の閾値>
ここで、図3を参照して、第2駆動部26の回転速度と第2駆動部26の動力負荷値との関係について説明する。
【0059】
図3に示すように、グラフ50は、縦軸に第2駆動部26の回転速度が、横軸に第2駆動部26の動力負荷値がそれぞれ割り当てられたグラフである。グラフ50は、第1閾値TH1を示すグラフである。グラフ50は、第2閾値TH2を示すグラフである。
【0060】
第1閾値TH1は、現状の回転速度では第2駆動部26の駆動に異常が発生する可能性があるが、現状の回転速度よりも低い回転速度であれば第2駆動部26の駆動に異常が発生しない可能性があると判定するための閾値である。第1閾値TH1は、第2駆動部26の回転速度に対する第2駆動部26動力負荷値の閾値である。第1閾値TH1は、第2駆動部26の回転速度に対応するように第2駆動部26の動力負荷値が定められている。特に、第1閾値TH1は、第2駆動部26の回転速度と反比例する。つまり、第2駆動部26の回転速度が遅くなるほど、第1閾値TH1は、大きくなる。
【0061】
具体的な一例をあげると、第2駆動部26の回転速度が速度v11であるときには、第1閾値TH1は、第2駆動部26の動力負荷値として値Tr11となる。第2駆動部26の回転速度が、速度v11よりも遅い速度v12であるときには、第1閾値TH1は、第2駆動部26の動力負荷値として値Tr12となる。値Tr12は、値Tr11よりも大きい値である。第2駆動部26の回転速度が、速度v12よりも遅い速度v13であるときには、第1閾値TH1は、第2駆動部26の動力負荷値として値Tr13となる。値Tr13は、値Tr12よりも大きい値である。
【0062】
第2閾値TH2は、第2駆動部26の駆動に異常が発生する可能性があると判定するための閾値である。特に、第2閾値TH2は、第1閾値TH1とは異なり、回転速度を低下させても第2駆動部26の駆動に異常が発生する可能性があると判定するための閾値でもある。第2閾値TH2は、第2駆動部26動力負荷値の絶対的な閾値である。第2閾値TH2は、第1閾値TH1よりも優先的に判定される。第2閾値TH2は、第2駆動部26の回転速度に関係なく、第2駆動部26の動力負荷値として予め定めされた一定の値Tr2である。また、第2閾値TH2は、第1閾値TH1よりも大きい値であるといえる。また、第1閾値TH1と第2閾値TH2との交点は、速度v2となる。
【0063】
<動力負荷検出処理>
ここで、図4を参照して、動力負荷検出処理について説明する。動力負荷検出処理は、所定の周期毎に制御部40によって実行される処理である。ここで、各処理の順序は、各処理の目的から逸脱しない範囲で任意に入れ替え可能である。
【0064】
図4に示すように、ステップS10において、制御部40は、検出条件が成立したか否かを判定する。検出条件は、第1検出条件と、第2検出条件と、第3検出条件とを含む。制御部40は、第1検出条件と、第2検出条件と、第3検出条件との少なくとも何れかが成立したときに、検出条件が成立したと判定する。
【0065】
第1検出条件は、電源の投入後に成立してもよい。つまり、第1検出条件は、電源の投入に伴って成立してもよい。第2検出条件は、読取指示が入力されると成立してもよい。つまり、第2検出条件は、読取指示が入力されると、原稿Dから画像を読み取らせる前に成立してもよい。第3検出条件は、読取指示が入力された後に、複数の原稿Dが読み取られる間に成立してもよい。つまり、第1原稿と、第1原稿の次の第2原稿とを搬送する場合に、第3検出条件は、読取指示が入力された後に、第1原稿から画像を読み取らせた後であって、かつ、第2原稿から画像を読み取らせる前である期間に成立してもよい。言い換えると、第3検出条件は、読取指示が入力された後、複数の原稿Dから画像を読み取る間の期間に成立してもよい。
【0066】
制御部40は、電源の投入後であれば、所定の処理を実行した後に第1検出条件が成立したと判定してもよい。つまり、制御部40は、電源の投入に伴って、第1検出条件が成立したと判定してもよい。制御部40は、読取指示が入力されると、第3原稿検出部30の検出結果に基づいて原稿Dの先端を検出する前に、第2検出条件が成立したと判定してもよい。制御部40は、第3原稿検出部30の検出結果に基づいて原稿Dの後端を検出したときに、第3検出条件が成立したと判定してもよい。制御部40は、第3原稿検出部30の検出結果に基づいて原稿Dの後端を検出した後に、予め定めた時間が経過したときに、第3検出条件が成立したと判定してもよい。
【0067】
制御部40は、検出条件が成立していないと判定した場合に、動力負荷検出処理を終了する。一方、制御部40は、検出条件が成立したと判定した場合に、ステップS11に処理を移行する。
【0068】
ステップS11において、制御部40は、速度取得処理を実行する。この処理において、制御部40は、第2駆動部26の回転速度として第1回転速度を取得する。第1回転速度は、原稿Dの搬送速度として第1搬送速度に対応する回転速度である。第1回転速度は、予め定められた回転速度であってもよい。この場合、第1回転速度は、画像読取装置10の最速搬送速度に対応する回転速度であってもよい。第1回転速度は、第2検出条件又は第3検出条件が成立したときに、読取指示に含まれる画像読取装置10の搬送速度に対応する回転速度であってもよい。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS12に処理を移行する。
【0069】
ステップS12において、制御部40は、閾値取得処理を実行する。この処理において、制御部40は、ステップS11において取得した第1回転速度に対応する第1閾値TH1を取得する。また、制御部40は、第1回転速度に関係なく、第2閾値TH2を取得する。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS13に処理を移行する。
【0070】
ステップS13において、制御部40は、モーター駆動処理を実行する。この処理において、制御部40は、ステップS11において取得した第1回転速度で第2駆動部26を駆動させる。特に、制御部40は、位置検出部27からの信号に基づいて、第1回転速度で第2駆動部26を駆動させる。制御部40は、第1検出条件が成立したときには、電源の投入に伴う初期動作処理としてモーター駆動処理を実行してもよい。制御部40は、第3検出条件が成立したときには、読取指示による原稿Dの搬送処理としてモーター駆動処理を実行してもよい。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS14に処理を移行する。
【0071】
ステップS14において、制御部40は、動力負荷値取得処理を実行する。この処理において、制御部40は、第2駆動部26に出力する電流値に基づいて、第2駆動部26の動力負荷値を取得する。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS15に処理を移行する。
【0072】
ステップS15において、制御部40は、動力負荷判定処理を実行する。詳しくは後述するが、この処理において、制御部40は、ステップS12において取得した第1閾値TH1及び第2閾値TH2に基づいて、ステップS14において取得した第2駆動部26の動力負荷値を判定する。この処理が終了した場合、制御部40は、動力負荷検出処理を終了する。
【0073】
<動力負荷判定処理>
次に、図5を参照して、動力負荷判定処理について説明する。
図5に示すように、ステップS31において、制御部40は、ステップS14において取得した第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えたか否かを判定する。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えたと判定した場合、ステップS32に処理を移行する。一方、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えていないと判定した場合、ステップS34に処理を移行する。
【0074】
ステップS32において、制御部40は、搬送規制処理を実行する。この処理において、制御部40は、原稿Dの搬送を規制する情報をメモリーに記憶する。これにより、制御部40は、原稿Dからの画像の読取を規制する。詳しくは、制御部40は、第2検出条件又は第3検出条件が成立した場合に、読取指示に応じた画像の読取を中止する。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS33に処理を移行する。
【0075】
このように、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えたと判定した後に、原稿Dの搬送を規制するように第2駆動部26を制御する。
【0076】
ステップS33において、制御部40は、規制通知処理を実行する。この処理において、制御部40は、搬送の規制を示す情報を報知部19に報知させる。具体的には、制御部40は、搬送の規制を示す情報を表示部に表示させる。制御部40は、サポートセンターへの連絡を促す情報を表示部に表示させてもよい。制御部40は、画像読取装置10の修理及び画像読取装置10の再購入を促す情報を表示部に表示させてもよい。この処理が終了した場合、制御部40は、動力負荷判定処理を終了する。
【0077】
ステップS34において、制御部40は、ステップS14において取得した第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたか否かを判定する。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した場合、ステップS35に処理を移行する。一方、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えていないと判定した場合、動力負荷判定処理を終了する。つまり、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送可能となるように第2駆動部26を制御する。
【0078】
ステップS35において、制御部40は、速度低下通知処理を実行する。この処理において、制御部40は、選択情報を報知部19に報知させる。具体的には、制御部40は、選択情報を表示部に表示させる。選択情報は、第2搬送速度で原稿Dを搬送するか否かをユーザーに選択させるための情報であってもよい。選択情報は、搬送速度を低下させるか否かをユーザーに選択させるための情報であってもよい。第2搬送速度は、第1搬送速度よりも低い搬送速度である。第2搬送速度は、第1搬送速度よりも予め定めた速度だけ低い搬送速度であってもよい。第2搬送速度は、速度v2より大きくてもよい。第2搬送速度は、速度v2と同じ速度であってもよい。第2搬送速度は、速度v2未満であってもよい。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS36に処理を移行する。
【0079】
このように、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定したときに、選択情報を表示部に表示させる。
【0080】
ステップS36において、制御部40は、ユーザーからの指示を待ち受けし、ユーザーからの指示が、搬送速度を低下させる指示であるか否かを判定する。制御部40は、ユーザーからの指示が、搬送速度を低下させる指示ではないと判定した場合、ステップS32に処理を移行する。つまり、制御部40は、第2搬送速度で原稿Dを搬送しないと選択された場合に、原稿Dの搬送を規制する。一方、制御部40は、ユーザーからの指示が、搬送速度を低下させる指示であると判定した場合、ステップS37に処理を移行する。
【0081】
ステップS37において、制御部40は、低下速度決定処理を実行する。この処理において、制御部40は、原稿Dの搬送速度として第2搬送速度を決定する。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS38に処理を移行する。
【0082】
ステップS38において、制御部40は、速度変更処理を実行する。この処理において、制御部40は、原稿Dの搬送速度が第2搬送速度となることを示す情報をメモリーに記憶する。つまり、制御部40は、第2搬送速度で原稿Dを搬送すると選択された場合に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。この処理が終了した場合、制御部40は、動力負荷判定処理を終了する。
【0083】
これにより、制御部40は、第1検出条件が成立したときに、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値を検出する。そして、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、読取指示が入力されると、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。
【0084】
詳しくは、制御部40は、位置検出部27からの信号に基づいて、第2回転速度で第2駆動部26を駆動させる。第2回転速度は、第2搬送速度に対応する回転速度である。制御部40は、第2搬送速度に対応する読取動作タイミングで、読取部31に原稿Dから画像を読み取らせる。
【0085】
また、制御部40は、第2検出条件が成立したときに、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値を検出する。そして、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。
【0086】
また、制御部40は、第3検出条件が成立したときに、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値を検出する。そして、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。
【0087】
このように、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。
【0088】
<第1実施形態の作用及び効果>
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値を検出可能である。制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。従来において、例えば第2駆動部26の軸受の摩耗など、第2駆動部26の劣化が進むと、第2駆動部26の動力負荷が増大する。このような場合、同じような搬送速度で原稿Dを搬送させるためには、第2駆動部26に出力する電流値が増大してしまい、その結果、消費電力が増大してしまう。これにより、例えば第2駆動部26の故障などにより、画像読取装置10が使用できなくなってしまう。もちろん、各法令で認可を受けている関係でも、異なる条件下において画像読取装置10を使用することは望ましくない。また、例えばUSB(Universal Serial Bus)給電などの給電方式によっては、消費電力が増大することにより、画像読取装置10が適切に使用できなくなってしまう場合も考えられる。このため、上記構成とすることで、第2駆動部26の経年劣化により第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えた場合であっても、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿Dを搬送することにより、第2駆動部26の経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0089】
(1-2)制御部40は、電源の投入に伴って第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、読取指示が入力されると、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。このため、電源の投入に伴って、第2駆動部26の経年劣化により第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えていれば、その後に読取指示が入力されると、第2搬送速度で原稿Dを搬送することにより、第2駆動部26の経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0090】
(1-3)制御部40は、読取指示が入力されると、読取部31に原稿Dから画像を読み取らせる前に、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値を検出する。このため、第2駆動部26の経年劣化により第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたことを早期に特定することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0091】
(1-4)制御部40は、読取指示が入力された後に、複数の原稿Dから画像を読み取る間の期間において、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値を検出する。このため、第2駆動部26の経年劣化により第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたことを早期に特定することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0092】
(1-5)制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が、第1閾値TH1よりも大きい第2閾値TH2を超えたと判定した後に、原稿Dの搬送を規制する。このため、第2駆動部26の動力負荷値について、第1閾値TH1と、第1閾値TH1よりも大きい第2閾値TH2との両方で判定することができる。これにより、第2駆動部26の動力負荷値に応じた制御内容に多様性を持たせることができる。特に、第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えるときに、原稿Dの搬送が規制される。したがって、原稿Dの搬送に伴う不良を未然に抑制することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0093】
(1-6)制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定したときに、選択情報を表示部に表示させる。このため、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定したときに、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿Dを搬送するか否かをユーザーに選択させる機会を提供することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0094】
(1-7)制御部40は、第2搬送速度で原稿Dを搬送すると選択された場合に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。制御部40は、第2搬送速度で原稿Dを搬送しないと選択された場合に、原稿Dの搬送を規制する。このため、第2搬送速度で原稿Dを搬送するか否かを選択する機会をユーザーに提供することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0095】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えるか否かについても判定される。以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成について同一符号を付し、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0096】
<動力負荷値の閾値>
図6に示すように、グラフ51は、グラフ50とは異なり、第3閾値TH3を示すグラフでもある。第3閾値TH3は、第2駆動部26の駆動に異常が発生する可能性が低いが、経時的には、第2駆動部26の駆動に異常が発生する可能性があると判定するための閾値である。第3閾値TH3は、現状の回転速度よりも低い回転速度であれば第2駆動部26の長寿命化を図ることができる閾値である。つまり、第3閾値TH3は、現状の回転速度よりも低い回転速度とすることを推奨するための閾値である。第3閾値TH3は、第1閾値TH1と同じような傾向があるが、第1閾値TH1よりも動力負荷値が小さい閾値である。
【0097】
具体的な一例をあげると、第2駆動部26の回転速度が速度v11であるときには、第3閾値TH3は、第2駆動部26の動力負荷値として、値Tr31となる。値Tr31は、値Tr11よりも小さい値である。第2駆動部26の回転速度が、速度v12であるときには、第3閾値TH3は、第2駆動部26の動力負荷値として値Tr32となる。値Tr32は、値Tr12よりも小さい値である。第2駆動部26の回転速度が、速度v13であるときには、第3閾値TH3は、第2駆動部26の動力負荷値として、値Tr33となる。値Tr33は、値Tr13よりも小さい値である。このように、第3閾値TH3は、第1閾値TH1よりも小さい値であるといえる。
【0098】
<動力負荷判定処理>
図7に示すように、動力負荷判定処理では、ステップS34において、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えていないと判定した場合、ステップS39に処理を移行する。ステップS39において、制御部40は、ステップS14において取得した第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えたか否かを判定する。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えたと判定した場合、ステップS40に処理を移行する。一方、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えていないと判定した場合、動力負荷判定処理を終了する。つまり、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送可能となるように第2駆動部26を制御する。
【0099】
ステップS40において、制御部40は、ステップS35と同じように、速度低下通知処理を実行する。そして、ステップS41において、制御部40は、ステップS36と同じように、ユーザーからの指示が、搬送速度を低下させる指示であると判定した場合、ステップS37に処理を移行する。一方、制御部40は、ユーザーからの指示が、搬送速度を低下させる指示ではないと判定した場合、動力負荷判定処理を終了する。つまり、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送可能となるように第2駆動部26を制御する。
【0100】
このように、制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えたと判定した後に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。
【0101】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)制御部40は、第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値が第3閾値TH3を超えたと判定した後に、第2搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。このため、第2駆動部26の動力負荷値について、第1閾値TH1と、第1閾値TH1よりも大きい第2閾値TH2と、第1閾値TH1よりも小さい第3閾値TH3とで判定することができる。これにより、第2駆動部26の動力負荷値に応じた制御内容に多様性を持たせることができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0102】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1検出条件が成立したときに、搬送経路14での原稿Dの有無に応じて異なる制御により動力負荷値が検出される。
【0103】
<動力負荷検出処理>
図8に示すように、動力負荷検出処理では、ステップS16において、制御部40は、電源が投入されたか否かを判定する。つまり、制御部40は、第1検出条件が成立したか否かを判定する。制御部40は、電源が投入されたとは判定しない場合に、動力負荷検出処理を終了する。一方、制御部40は、検出条件が成立したと判定した場合に、ステップS11に処理を移行する。
【0104】
ステップS12が終了した場合に、制御部40は、ステップS17に処理を移行する。ステップS17において、制御部40は、第2原稿検出部29及び第3原稿検出部30からの信号に基づいて、搬送経路14に原稿Dがあると検出されたか否かを判定する。この処理において、制御部40は、第2原稿検出部29及び第3原稿検出部30のうち少なくとも何れかで原稿Dがあると検出されると、搬送経路14に原稿Dがあると検出されたと判定する。制御部40は、搬送経路14に原稿Dがあると検出されなかったと判定した場合に、ステップS18に処理を移行する。一方、制御部40は、搬送経路14に原稿Dがあると検出されたと判定した場合に、ステップS19に処理を移行する。
【0105】
ステップS18において、制御部40は、第2駆動部26を駆動させる時間として第2時間を設定する。第2時間は、第2駆動部26の動力負荷値を検出するために必要な時間となる。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS13に処理を移行する。
【0106】
ステップS19において、制御部40は、第2駆動部26を駆動させる時間として第1時間を設定する。第1時間は、第2時間よりも長い時間である。つまり、第2時間は、第1時間よりも短い時間である。第1時間は、第2時間と排出時間との合計時間である。排出時間は、搬送経路14における原稿Dを排出口11Bから排出するために必要な時間となる。つまり、第1時間は、原稿Dを排出可能な時間といえる。この処理が終了した場合、制御部40は、ステップS20に処理を移行する。
【0107】
ステップS20において、制御部40は、ステップS13と同じように、モーター駆動処理を実行する。そして、ステップS21において、制御部40は、排出時間が経過したか否かを判定する。制御部40は、排出時間が経過したと判定するまで、ステップS21を実行し、排出時間が経過したと判定した場合に、ステップS14に処理を移行する。
【0108】
このように、制御部40は、電源の投入に伴って搬送経路14において原稿Dが検出された場合に、第1時間に亘って第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値を検出する。一方、制御部40は、電源の投入に伴って搬送経路14において原稿Dが検出されなかった場合に、第1時間よりも短い第2時間に亘って第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値を検出する。
【0109】
<第3実施形態の効果>
第3実施形態の効果について説明する。
(3-1)制御部40は、電源の投入に伴って原稿Dが検出された場合に、原稿Dを排出可能である第1時間に亘って第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で、第2駆動部26の動力負荷値を検出する。このため、電源の投入に伴って原稿Dが検出された場合に、原稿Dを排出可能である第1時間を用いて第2駆動部26の動力負荷値を検出することができる。これにより、電源の投入に伴って、原稿Dを排出する時間と、第2駆動部26の動力負荷値を検出するための時間とを共用することができる。したがって、電源の投入に伴う処理効率を向上させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0110】
(3-2)制御部40は、電源の投入に伴って原稿Dが検出されなかった場合に、第1時間よりも短い第2時間に亘って第1搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値を検出する。このため、電源の投入に伴って原稿Dが検出されなかった場合に、原稿Dを排出可能である第1時間よりも短い第2時間を用いて第2駆動部26の動力負荷値を検出することができる。したがって、電源の投入に伴う処理に多様性を持たせつつ、電源の投入に伴う処理効率を向上させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0111】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した場合に、以前よりも低下させた搬送速度で原稿Dを搬送させて、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたか否かの判定を繰り返し行う。
【0112】
図9に示すように、動力負荷検出処理では、ステップS14が終了した場合、制御部40は、ステップS31に処理を移行する。ステップS31において、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えたと判定した場合、ステップS32に処理を移行する。一方、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第2閾値TH2を超えていないと判定した場合、ステップS34に処理を移行する。
【0113】
ステップS34において、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した場合、ステップS37に処理を移行する。ステップS37において、制御部40は、低下速度決定処理を実行する。この処理において、制御部40は、原稿Dの搬送速度として、直前の搬送速度から規定搬送速度だけ低下させた搬送速度を決定する。規定搬送速度は、直前の搬送速度に対応するように規定されている。規定搬送速度は、直前の搬送速度毎に一定の速度が規定されていてもよいが、直前の搬送速度毎に異なる速度が規定されていてもよい。規定搬送速度は、第1搬送速度から速度v2以下となる速度であってもよいが、第1搬送速度から速度v2以下とならない程度の速度であってもよい。この処理が終了した場合、制御部40は、再度、ステップS11に処理を移行する。
【0114】
これにより、制御部40は、規定搬送速度だけ低下させた搬送速度で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えるか否かの判定を繰り返し行う。つまり、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後、以前よりも遅い搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御した状態で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えるか否かの判定を繰り返し行う。言い換えると、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えないと判定されるまで、以前よりも遅い搬送速度で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えるか否かの判定を繰り返し行う。
【0115】
一方、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えていないと判定した場合、ステップS38に処理を移行する。そして、ステップS38において、制御部40は、速度変更処理を実行する。この処理において、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えないと判定された搬送速度を示す情報をメモリーに記憶する。つまり、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えないと判定された搬送速度で原稿Dを搬送するように第2駆動部26を制御可能である。この場合、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えないと判定された搬送速度が第2搬送速度の一例に相当する。この処理が終了した場合、制御部40は、動力負荷判定処理を終了する。
【0116】
<第4実施形態の効果>
第4実施形態の効果について説明する。
(4-1)制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えたと判定した後に、以前の搬送速度よりも遅い搬送速度で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えるか否かの判定を繰り返し行うことができる。このため、複数の搬送速度で第2駆動部26の動力負荷値が第1閾値TH1を超えるか否かの判定を繰り返し行うことができる。これにより、適切な搬送速度で原稿Dを搬送することにより、第2駆動部26の経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0117】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、制御部40は、第2原稿検出部29及び第3原稿検出部30からの信号に基づいて、原稿Dの搬送速度を検出してもよい。具体的な一例としては、制御部40は、第2原稿検出部29からの信号に基づいて原稿Dの先端部を検出してから、第3原稿検出部30からの信号に基づいて原稿Dの先端部を検出するまでの経過時間を特定する。そして、制御部40は、第2原稿検出部29及び第3原稿検出部30の距離と経過時間とに基づいて、原稿Dの搬送速度を検出してもよい。そして、制御部40は、原稿Dの搬送速度と、第2駆動部26に出力される電流値とに基づいて、第2駆動部26の動力負荷値を取得してもよい。
【0118】
このように、制御部40は、実際の原稿Dの搬送速度に基づいて、第2駆動部26の動力負荷値を取得することができる。これにより、制御部40は、第2駆動部26だけではなく、第2駆動部26から原稿Dへの動力伝達部材を含めた動力負荷値を取得することができる。したがって、画像読取装置10が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。また、第2駆動部26から原稿Dへの動力伝達部材としては、給送分離ローラー22B、搬送駆動ローラー23A及び排出駆動ローラー24Aのうち少なくとも何れかを含む。
【0119】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0120】
・第4実施形態において、ステップS21では、制御部40は、第3原稿検出部30からの信号に基づいて搬送経路14において原稿Dの後端部を検出し、搬送経路14において原稿Dの後端部が検出されてから排出時間が経過したか否かを判定してもよい。第1時間は、予め定められていなくてもよい。
【0121】
・制御部40は、実際に原稿Dを搬送するか否かに基づいて、第2駆動部26の動力負荷値を補正してもよい。具体的な一例をあげると、制御部40は、実際に原稿Dを搬送する場合には、実際に原稿Dを搬送しない場合よりも、第2駆動部26の動力負荷値を小さくするようにしてもよい。
【0122】
・画像読取装置10は、原稿Dの厚みを検出する第4原稿検出部を備えてもよい。制御部40は、第4原稿検出部によって検出された結果に基づいて、第2駆動部26の動力負荷値を補正してもよい。具体的な一例をあげると、制御部40は、第4原稿検出部によって検出された結果に基づいて、原稿Dの厚みが厚い場合には、原稿Dの厚みが薄い場合よりも、第2駆動部26の動力負荷値を小さくするようにしてもよい。制御部40は、ユーザーの指示に基づいて、原稿Dの厚みを特定してもよい。
【0123】
・第2原稿検出部29の機能及び第3原稿検出部30の機能は、任意の機能でよい。例えば、第2原稿検出部29は、原稿Dの重送を検出する機能を備えた検出部あってもよい。原稿Dの重送とは、複数枚の原稿Dが重なった状態で搬送されることである。
【0124】
・第2原稿検出部29の位置及び第3原稿検出部30の位置は、任意の位置でよい。原稿Dの搬送速度の検出誤差が生じ難く、原稿Dの搬送速度の検出精度を高めることができるため、第2原稿検出部29と第3原稿検出部30と距離が離れていることが好ましい。
【0125】
・制御部40は、検出条件として、第1検出条件、第2検出条件及び第3検出条件とは異なる検出条件の成立により、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるか否かを判定してもよい。具体的な一例としては、検出条件は、ユーザーの指示により成立する条件を含んでもよい。検出条件は、例えば1ヶ月などの所定期間が経過したときに成立する条件を含んでもよい。検出条件は、原稿Dから画像を読み取った枚数が規定枚数に達した後に成立する条件を含んでもよい。また、これらの検出条件の組み合わせであってもよい。具体的な一例をあげると、制御部40は、原稿Dから画像を読み取った枚数が規定枚数に達した後に、電源の投入に伴って、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるか否かを判定してもよい。制御部40は、所定期間が経過した後に、読取指示が入力されると、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるか否かを判定してもよい。
【0126】
・制御部40は、第1検出条件が成立したときに、読取指示が入力される前に、第2搬送速度で原稿Dを搬送させるように制御してもよい。つまり、制御部40は、第1検出条件が成立したときに、読取指示の入力に基づく読取処理よりも前に、第2搬送速度で原稿Dを搬送させるように制御してもよい。
【0127】
・制御部40は、表示部、音声出力部及び発光部のうち少なくとも何れかから選択情報を出力してもよい。つまり、制御部40は、報知部19から選択情報を出力してもよい。制御部40は、端末装置100の端末表示部103に選択情報を表示させてもよい。
【0128】
・制御部40は、ユーザーの指示に基づいて、搬送速度を低下させるか否かを選択してもよく、ユーザーの指示ではなく、自動的に搬送速度を低下させてもよい。
・制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示により、設定を初期化してもよい。言い換えると、制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示があるまで、設定を保持してもよい。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示により、次の読取指示の入力に伴って設定を初期化してもよい。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示により、次の電源の投入後において設定を初期化してもよい。
【0129】
・制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示に関係なく、次の読取指示の入力に伴って設定を初期化してもよい。制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、ユーザーの指示に関係なく、次の電源の投入後において設定を初期化してもよい。
【0130】
・制御部40は、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合において、次の読取指示の入力に伴って設定を初期化した後に、再度、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて、搬送速度を低下させるか否かを判定してもよい。この場合、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるか否かを判定する頻度が高くなると、最新の第2駆動部26の動力負荷値に基づいて判定を行うことができる。一方、第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるか否かを判定する頻度が低くなると、第2駆動部26の動力負荷値の取得などの制御負荷を抑制することができる。
【0131】
・第1搬送速度は、読取解像度が相対的に高い場合における原稿Dの搬送速度であってもよい。第2駆動部26の動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させるように設定した場合に、第1搬送速度は、低下させた搬送速度であってもよい。つまり、制御部40は、低下させた搬送速度を第1搬送速度として特定してもよい。
【0132】
・第2搬送速度は、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度であってもよい。第2搬送速度は、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度よりも速くてもよい。第2搬送速度は、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度よりも遅くてもよい。
【0133】
・規定搬送速度は、読取解像度が相対的に低い場合における搬送速度と、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度との差分であってよい。規定搬送速度は、読取解像度が相対的に低い場合における搬送速度と、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度との差分よりも大きくてもよい。規定搬送速度は、読取解像度が相対的に低い場合における搬送速度と、読取解像度が相対的に高い場合における搬送速度との差分よりも小さくてもよい。
【0134】
・制御部40は、第1搬送速度、第2搬送速度及び規定搬送速度のうち少なくとも何れかをユーザーの指定により決定してもよい。
・画像読取装置10は、ローラーとして、給紙ローラー21、給送ローラー対22、搬送ローラー対23及び排出ローラー対24のうち少なくとも何れかを備えればよく、それ以外のローラーを備えてもよい。動力負荷値に基づいて搬送速度を低下させる対象となるローラーも任意のローラーであってもよい。
【0135】
・画像読取装置10は、DCモーターとして第1駆動部25及び第2駆動部26のうち少なくとも何れかを備えればよく、それ以外のDCモーターを備えてもよい。制御部40は、例えば、第1駆動部25の動力負荷値に基づいて、第1駆動部25の回転速度を制御してもよく、第1駆動部25及び第2駆動部26以外のDCモーターを対象としてもよい。
【0136】
・イメージセンサー33は、CMOSイメージセンサーに限定されず、例えばMOSイメージセンサーであってもよく、CCDイメージセンサーであってもよい。イメージセンサー33は、リニアイメージセンサーに限定されず、エリアイメージセンサーでもよい。
【0137】
・原稿の材質は紙に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、織物、金属フィルムなどであってもよい。
・画像読取装置10は、スキャナー機能に加え、印刷機能及びコピー機能を備えた複合機の一部でもよい。本発明は、画像読取装置10に適用されたが、これに限らない。例えば、本発明は、記録装置に適用されてもよい。記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、DCモーターと、ローラーと、制御部とを備える。ローラーは、媒体を搬送するように構成される。制御部は、搬送速度に対応するタイミングで媒体に記録を行うように構成される。
【0138】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0139】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0140】
(A)画像読取装置は、DCモーターと、前記DCモーターによって駆動するローラーと、前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備え、前記制御部は、前記DCモーターの動力負荷値を検出可能であり、前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である。
【0141】
この構成によれば、DCモーターの経年劣化によりDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えた場合であっても、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送することにより、DCモーターの経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を更に向上させることができる。
【0142】
(B)上記画像読取装置において、前記制御部は、電源の投入に伴って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定した後に、読取指示が入力されると、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能であってもよい。
【0143】
この構成によれば、電源の投入に伴って、DCモーターの経年劣化によりDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えていれば、その後に読取指示が入力されると、第2搬送速度で原稿を搬送することにより、DCモーターの経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0144】
(C)上記画像読取装置は、搬送される原稿を検出可能である原稿検出部を備え、前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出された場合に、原稿を排出可能である第1時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出してもよい。
【0145】
この構成によれば、電源の投入に伴って原稿が検出された場合に、原稿を排出可能である第1時間を用いてDCモーターの動力負荷値を検出することができる。これにより、電源の投入に伴って、原稿を排出する時間と、DCモーターの動力負荷値を検出するための時間とを共用することができる。したがって、電源の投入に伴う処理効率を向上させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0146】
(D)上記画像読取装置は、搬送される原稿を検出可能である原稿検出部を備え、前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出された場合に、原稿を排出可能である第1時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出し、前記制御部は、電源の投入に伴って前記原稿検出部によって原稿が検出されなかった場合に、前記第1時間よりも短い第2時間に亘って前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出してもよい。
【0147】
この構成によれば、(C)と同じ効果を奏することができる。一方、電源の投入に伴って原稿が検出されなかった場合に、原稿を排出可能である第1時間よりも短い第2時間を用いてDCモーターの動力負荷値を検出することができる。したがって、電源の投入に伴う処理に多様性を持たせつつ、電源の投入に伴う処理効率を向上させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0148】
(E)上記画像読取装置において、前記制御部は、読取指示が入力されると、前記読取部に原稿から画像を読み取らせる前に、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出してもよい。
【0149】
この構成によれば、DCモーターの経年劣化によりDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたことを早期に特定することができる。したがって、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0150】
(F)上記画像読取装置において、前記制御部は、読取指示が入力された後に、前記読取部に第1原稿から画像を読み取らせた後であって、かつ、前記読取部に前記第1原稿の次の第2原稿から画像を読み取らせる前である期間において、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で、前記DCモーターの動力負荷値を検出してもよい。
【0151】
この構成によれば、DCモーターの経年劣化によりDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたことを早期に特定することができる。したがって、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0152】
(G)上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えたと判定した後に、原稿の搬送を規制してもよい。
【0153】
この構成によれば、DCモーターの動力負荷値について、第1閾値と、第1閾値よりも大きい第2閾値との両方で判定することができる。これにより、DCモーターの動力負荷値に応じた制御内容に多様性を持たせることができる。特に、DCモーターの動力負荷値が第2閾値を超えるときに、原稿の搬送が規制される。したがって、原稿の搬送に伴う不良を未然に抑制することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0154】
(H)上記画像読取装置は、情報を表示可能である表示部を備え、前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定したときに、前記第2搬送速度で原稿を搬送するか否かをユーザーに選択させるための選択情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0155】
この構成によれば、DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定したときに、第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するか否かをユーザーに選択させる機会を提供することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0156】
(I)上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第2搬送速度で原稿を搬送すると選択された場合に、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能であり、前記第2搬送速度で原稿を搬送しないと選択された場合に、原稿の搬送を規制してもよい。
【0157】
この構成によれば、第2搬送速度で原稿を搬送するか否かを選択する機会をユーザーに提供することができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
(J)上記画像読取装置において、前記制御部は、前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えたと判定した後に、以前の搬送速度よりも遅い搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が前記第1閾値を超えるか否かの判定を繰り返し行うことができてもよい。
【0158】
この構成によれば、複数の搬送速度でDCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えるか否かの判定を繰り返し行うことができる。これにより、適切な搬送速度で原稿を搬送することにより、DCモーターの経年劣化を抑制することができる。したがって、画像読取装置が使用できなくなるタイミング自体を延長させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0159】
(K)上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御した状態で前記DCモーターの動力負荷値が、前記第1閾値よりも小さい第3閾値を超えたと判定した後に、前記第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能であってもよい。
【0160】
この構成によれば、DCモーターの動力負荷値について、第1閾値と、第1閾値よりも大きい第2閾値と、第1閾値よりも小さい第3閾値とで判定することができる。これにより、DCモーターの動力負荷値に応じた制御内容に多様性を持たせることができる。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0161】
(L)画像読取装置の画像読取方法は、DCモーターと、前記DCモーターによって駆動するローラーと、前記ローラーによって搬送される原稿から画像を読取可能である読取部と、前記DCモーターの駆動を制御可能である制御部と、を備えた画像読取装置の画像読取方法であって、前記制御部は、第1搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御する場合において前記DCモーターの動力負荷値が第1閾値を超えたと判定した後に、前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度で原稿を搬送するように前記DCモーターを制御可能である。この構成によれば、(A)と同じ効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0162】
D…原稿、SA…読取領域、TH1…第1閾値、TH2…第2閾値、TH3…第3閾値、X…幅方向、Y…搬送方向、10…画像読取装置、11…筐体、11A…給送口、11B…排出口、12…本体部、13…カバー部、14…搬送経路、15…原稿サポート、16…給送ガイド、17…スタッカー、18…操作部、19…報知部、20…搬送部、21…給紙ローラー、22…給送ローラー対、22A…給送駆動ローラー、22B…給送分離ローラー、23…搬送ローラー対、23A…搬送駆動ローラー、23B…搬送従動ローラー、24…排出ローラー対、24A…排出駆動ローラー、24B…排出従動ローラー、25…第1駆動部、26…第2駆動部、27…位置検出部、28…第1原稿検出部、29…第2原稿検出部、30…第3原稿検出部、31…読取部、31A…第1読取部、31B…第2読取部、32…光源、32A…第1光源、32B…第2光源、33…イメージセンサー、33A…第1イメージセンサー、33B…第2イメージセンサー、34…背景板、34A…第1背景板、34B…第2背景板、40…制御部、41…主制御部、42…搬送制御部、43…読取制御部、44…画像処理部、45…タイミングジェネレーター、46…アナログフロントエンド、50,51…グラフ、100…端末装置、101…端末制御部、102…端末操作部、103…端末表示部。
図1
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図9