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特開2024-49671作業情報管理システム、作業情報管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049671
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】作業情報管理システム、作業情報管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240403BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240403BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240403BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/00 300
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156038
(22)【出願日】2022-09-29
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】399105715
【氏名又は名称】株式会社インフォマティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】関 慶宏
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC07
5L049CC15
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】情報の可搬性が高い作業情報管理システム、作業情報管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】作業情報管理システムは、作業指示登録部及び作業結果登録部を有し、前記作業指示登録部は、作業の大単位を示す第1カテゴリと、前記大単位に含まれる前記作業の小単位を示す第2カテゴリと、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の指示内容を含む指示ファイルと、を所定の記憶領域に登録し、前記作業結果登録部は、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の結果を示す写真又は動画ファイルを前記記憶領域に登録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業指示登録部及び作業結果登録部を有し、
前記作業指示登録部は、
作業の大単位を示す第1カテゴリと、
前記大単位に含まれる前記作業の小単位を示す第2カテゴリと、
前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の指示内容を含む指示ファイルと、を所定の記憶領域に登録し、
前記作業結果登録部は、
前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の結果を示す写真又は動画ファイルを前記記憶領域に登録する
作業情報管理システム。
【請求項2】
作業情報出力部をさらに有し、
前記作業情報出力部は、前記第1カテゴリに相当するフォルダと、前記第2カテゴリに相当するサブフォルダと、前記サブフォルダに格納された前記指示ファイル、及び、前記写真又は動画ファイルと、を出力する
請求項1記載の作業情報管理システム。
【請求項3】
作業情報出力部をさらに有し、
前記作業情報出力部は、前記第1カテゴリに関する情報と、前記第2カテゴリに関する情報と、前記指示ファイル、及び、前記写真又は動画ファイルに関する情報と、を含む帳票を出力する
請求項1記載の作業情報管理システム。
【請求項4】
前記作業指示登録部は地図ビューアを備え、前記地図ビューア上で指定された座標に基づいて前記第2カテゴリを作成する
請求項1記載の作業情報管理システム。
【請求項5】
作業の大単位を示す第1カテゴリと、
前記大単位に含まれる前記作業の小単位を示す第2カテゴリと、
前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の指示内容を含む指示ファイルと、を所定の記憶領域に登録する作業指示登録ステップと、
前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の結果を示す写真又は動画ファイルを前記記憶領域に登録する作業結果登録ステップと、を有する
作業情報管理方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業情報管理システム、作業情報管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物や土木構造物等の調査をはじめとする各種作業を行う際、作業指示者と作業実施者との間で情報伝達を円滑に行うためのシステムが種々提案されている。
【0003】
特許文献1には、建物の三次元モデルの特定の部分と、工事写真や文書等のファイルとを紐づけて管理するシステムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、特定の位置に紐付けられたコンテンツをマップ上に表示するシステムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、巡視者と管理者との間で巡視結果を伝達するシステムが記載されている。巡視者の端末装置が、あらかじめ登録された検査場所(河川の距離ポスト等)で写真を撮影し、所見を示すテキスト等の入力を受け付け、サーバに登録する。管理者は、地図上にプロットされた巡視結果を閲覧する。巡視結果を集計した帳票(図やグラフ等)を出力する。
【0006】
特許文献4には、点検者と管理者との間で点検結果を伝達するシステムが記載されている。点検者の端末装置が、あらかじめ登録された検査場所(複合施設の施錠箇所等)で異常箇所の写真を撮影し、サーバに登録する。管理者は、点検結果を集約した帳票(一覧表)を出力する。
【0007】
特許文献5には、工事写真を共有するためのシステムが記載されている。検査者の端末装置が、建物の検査結果(写真、発話内容等)を取得し、あらかじめ定められたフォルダにアップロードすると、プロジェクトごとに異なるフォルダにファイルが振り分けられる。
【0008】
特許文献6には、検査写真撮影時に、図面上のどの位置またはどの方向から検査対象を撮影したかを示す検査ポイント情報を入力すると、写真のメタデータに保存するシステムが記載されている。
【0009】
特許文献7には、工事写真を所定のルールに従ってフォルダに分類すると、写真の属性情報を含む台帳が出力されるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第7009522号公報
【特許文献2】特許第6169350号公報
【特許文献3】特許第5722658号公報
【特許文献4】登録実用新案第3199683号公報
【特許文献5】特開2022-056050号公報
【特許文献6】特開2011-048673号公報
【特許文献7】特開2009-259093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来のシステムは作業に関する情報伝達という点で不足がある。例えば、作業指示者や作業実施者が入力した情報は、汎用性の高い形式で一括出力され顧客に納品できることが望ましいが、従来のシステムはそのことを意識した情報管理をしていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施の形態によれば、作業情報管理システムは、作業指示登録部及び作業結果登録部を有し、前記作業指示登録部は、作業の大単位を示す第1カテゴリと、前記大単位に含まれる前記作業の小単位を示す第2カテゴリと、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の指示内容を含む指示ファイルと、を所定の記憶領域に登録し、前記作業結果登録部は、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の結果を示す写真又は動画ファイルを前記記憶領域に登録する。
一実施の形態によれば、作業情報管理システムは、作業情報出力部をさらに有し、前記作業情報出力部は、前記第1カテゴリに相当するフォルダと、前記第2カテゴリに相当するサブフォルダと、前記サブフォルダに格納された前記指示ファイル、及び、前記写真又は動画ファイルと、を出力する。
一実施の形態によれば、作業情報管理システムは、作業情報出力部をさらに有し、前記作業情報出力部は、前記第1カテゴリに関する情報と、前記第2カテゴリに関する情報と、前記指示ファイル、及び、前記写真又は動画ファイルに関する情報と、を含む帳票を出力する。
一実施の形態によれば、作業情報管理システムは、前記作業指示登録部は地図ビューアを備え、前記地図ビューア上で指定された座標に基づいて前記第2カテゴリを作成する。
一実施の形態によれば、作業情報管理方法は、作業の大単位を示す第1カテゴリと、前記大単位に含まれる前記作業の小単位を示す第2カテゴリと、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の指示内容を含む指示ファイルと、を所定の記憶領域に登録する作業指示登録ステップと、前記第2カテゴリに関連づけられた前記作業の結果を示す写真又は動画ファイルを前記記憶領域に登録する作業結果登録ステップと、を有する。
一実施の形態によれば、プログラムは、上記方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、情報の可搬性が高い作業情報管理システム、作業情報管理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】作業情報管理システム1のハードウェア構成例を示す図である。
図2】作業情報管理システム1の機能構成例を示すブロック図である。
図3】作業情報管理システム1が出力する画面の一例である。
図4】作業情報管理システム1が出力する帳票の一例である。
図5】作業情報管理システム1の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態にかかる作業情報管理システム1のハードウェア構成を示す図である。
作業情報管理システム1は、作業指示者用端末10、作業実施者用端末20、サーバ30を含む。
【0016】
作業指示者用端末10、作業実施者用端末20、サーバ30は、いずれもプロセッサがメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する情報処理装置である。作業指示者用端末10、作業実施者用端末20は、典型的にはパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレットコンピュータ等である。サーバ30は、典型的にはサーバコンピュータである。なお作業指示者用端末10、作業実施者用端末20、サーバ30は、クラウドコンピューティング等の技術を利用した仮想的な情報処理環境として実現されても良い。サーバ30は、作業指示者用端末10及び作業実施者用端末20との間で相互に通信できるよう有線又は無線により接続される。
【0017】
図2は、作業情報管理システム1の機能構成を示すブロック図である。
作業指示者用端末10は、作業指示登録部101、作業結果閲覧部102、作業情報出力部103を有する。
【0018】
作業指示登録部101は、作業を実施するために必要な情報(以下、作業指示ともいう)を予め登録する機能を提供する。登録された情報は、サーバ30の記憶部301に格納される。
【0019】
<第1カテゴリの登録>
作業指示登録部101は、作業に関連する情報をグループ分けして保管するための機能を提供する。このグループを第1カテゴリという。例えば業務、組織、地域等を分類する目的で第1カテゴリが使用される。例えば、建物や土木構造物等の受託調査業務であれば、発注者、プロジェクト、年度、地域、部署毎に第1カテゴリが作成されうる。
【0020】
作業指示登録部101は、ユーザの要求に応じ第1カテゴリの登録、編集及び削除を行う。第1カテゴリには名前を付与することができる。好ましくは、発注者、プロジェクト、年度、地域、部署等の名称を付与できる。
【0021】
<第2カテゴリの登録>
作業指示登録部101は、作業に関連する情報をグループ分けし、かつ階層的に保管するための機能を提供する。第1カテゴリの下層に位置するグループを第2カテゴリという。例えば、建物や土木構造物等の調査業務では、複数の場所を巡回して調査する必要があり、場所毎に作業結果が発生する。このような場合、第1カテゴリの下に、複数の場所に対応する複数の第2カテゴリが作成される。
【0022】
作業指示登録部101は、ユーザの要求に応じ第2カテゴリの登録、編集及び削除を行う。第2カテゴリには名前を付与することができる。好ましくは、調査場所等の名称を付与できる。
【0023】
また、第2カテゴリには1以上の属性を付与することができる。例えば、建物や土木構造物等の調査業務であれば、作業進捗(選択項目:例えば「未作業」「作業中」「完了」のうちいずれか1つを選択可能とする)、作業予定日(日付:例えば「20220101」)、作業完了日(日付)、注意事項(文字列:例えば「近くにハチの巣あり」)、場所の座標等、その場所での作業全体に関わる情報を属性として付与することができる。なお括弧内はデータタイプを示す。作業指示登録部101は、予め定義されたデータタイプに従って属性の登録、編集及び削除を受け付ける。
【0024】
好ましくは、作業指示登録部101は、地図上で指定した座標に基づいて第2カテゴリを生成する機能を提供する。例えば、作業指示登録部101は地図データ及びビューアを備え、地図ビューア上で作業指示者が指定したポイントの座標を取得する。作業指示登録部101は、取得した座標を属性として有する新規な第2カテゴリを作成する。
【0025】
<指示ファイルの登録>
また、作業指示登録部101は、第2カテゴリの下に、作業の指示に関連するファイル(以下、指示ファイルという)を保管する機能を提供する。例えば、建物や土木構造物等の調査業務では、調査場所での作業内容を指示するために、図面、写真、動画、指示書等のファイルが必要となる。このような場合、第2カテゴリの下に、図面ファイル、写真ファイル、動画ファイル、文書ファイル等が格納される。
【0026】
作業指示登録部101は、ユーザの要求に応じファイルの登録及び削除を行う。指示ファイルには名前を付与することができる。好ましくは、指示ファイルの内容を示す名称を付与できる。また、指示ファイルにも上述のような属性を付与することができる。
【0027】
<作業結果の閲覧>
作業結果閲覧部102は、作業結果登録部202が登録した作業結果(後述)を閲覧するためのインターフェイスを提供する。作業結果登録部202によってサーバ30の記憶部301に格納された情報は、作業結果閲覧部102により即座に閲覧することが可能である。
【0028】
<作業情報の出力>
作業情報出力部103は、作業指示登録部101が登録した作業指示、及び作業結果登録部202が登録した作業結果(以下、作業指示と作業結果をまとめて作業情報という)をまとめて出力する機能を提供する。
【0029】
例えば、作業情報出力部103は、作業指示及び作業結果を、階層構造を有するフォルダと、フォルダに格納されたファイルとして出力する。具体的には、作業情報出力部103は、第1カテゴリに相当する最上位フォルダ、第2カテゴリに相当する最上位フォルダ配下の第2レベルフォルダ、作業指示及び作業結果に相当する第2レベルフォルダ配下の各種ファイル群をダウンロードさせても良い。この際、これらのフォルダ又はファイルのうち任意のものを選択させダウンロードさせても良い。各種ファイル群には、作業指示登録部101によって登録された指示ファイル、及び作業結果登録部202により登録された写真又は動画のファイルが含まれうる。
【0030】
この際、作業情報出力部103は、第1カテゴリ、第2カテゴリ、指示ファイル、写真又は動画のファイル等に付与された属性を出力する。
【0031】
1つの方法として、作業情報出力部103は、出力するフォルダやファイルの属性値にこれらの属性を設定することができる。ファイルシステムによっては、フォルダにコメント等の属性値の設定を許容するものがある。この場合、作業情報出力部103は、第1カテゴリ及び第2カテゴリに相当する最上位フォルダ及び第2レベルフォルダのコメント属性値に、作業情報管理システム1が管理していた第1カテゴリ及び第2カテゴリの属性を転記する。また、写真又は動画ファイルにはメタデータとしてExif情報を設定できる場合がある。この場合、作業情報出力部103は、作業情報管理システム1が管理していた動画又は写真のファイルの属性(撮影地点、撮影日時、撮影方向等)をExif領域に記録する。
【0032】
他の方法として、作業情報出力部103は、テキストその他任意の形式のファイルに属性を書き出して出力することができる。例えば、第1カテゴリの属性は、最上位フォルダ内に作成したテキストファイルに書き出す。第2カテゴリの属性は、第2レベルフォルダ内に作成したテキストファイルに書き出す。指示ファイルや写真又は動画のファイルの属性は、これらのファイルと同じフォルダ内に作成したテキストファイルに書き出す。
【0033】
又は、作業情報出力部103は、作業指示及び作業結果を、帳票形式にまとめて出力しても良い。図4は帳票の一例である。帳票には、第1カテゴリの名称及び属性、第2カテゴリの名称及び属性、第2カテゴリに関連づけられた指示ファイルや作業結果、例えば写真及び動画のファイルやその属性等を含みうる。また、図3に示すような、写真又は動画の撮影地点、撮影日時、撮影方向等をプロットした地図を帳票に含んでも良い。
【0034】
作業実施者用端末20は、作業指示閲覧部201、作業結果登録部202、作業情報出力部203を有する。
【0035】
作業指示閲覧部201は、作業指示登録部101が登録した作業指示を閲覧するためのインターフェイスを提供する。作業指示登録部101によってサーバ30の記憶部301に格納された情報は、作業指示閲覧部201により即座に閲覧することが可能である。
【0036】
好ましくは、作業指示閲覧部201は、現在地と調査場所とを地図上で確認するための機能を提供する。例えば、作業指示閲覧部201は地図データ及びビューアを備える。作業実施者が任意の調査場所すなわち第2カテゴリを指定すると、作業指示閲覧部201は第2カテゴリの属性である座標を取得し、地図ビューア上に作業実施者用端末20の現在位置と調査場所の位置とを表示する。
【0037】
作業結果登録部202は、作業の実施結果に関する情報(以下、作業結果ともいう)を登録する機能を提供する。登録された情報は、サーバ30の記憶部301に格納される。
【0038】
<写真及び動画の登録>
作業結果登録部202は、調査場所で撮影された写真又は動画を登録する機能を提供する。例えば、建物や土木構造物等の調査業務では、調査場所での作業の結果を示す証拠として、異常箇所を示す写真又は動画を撮影することがある。このような場合、当該調査場所すなわち第2カテゴリの下に、撮影した写真又は動画のファイルが格納される。
【0039】
作業実施者が任意の調査場所すなわち第2カテゴリを指定すると、作業実施者用端末20は、第2カテゴリへの写真又は動画の登録を待機する。カメラによる写真又は動画撮影機能を備えている場合、作業結果登録部202は、作業実施者の要求に応じてカメラを起動し、写真又は動画を撮影する。また、作業結果登録部202は、作業実施者用端末20の図示しない記憶領域に格納されている写真又は動画ファイルのうち所望のファイルを作業実施者が選択するためのインターフェイスを提供する。作業実施者用端末20は、撮影又は選択された写真又は動画のファイルを、指定された第2カテゴリの下に登録する。
【0040】
好ましくは、作業結果登録部202は、写真にコメントを記入する機能を提供する。例えば、写真に指等で図形を書き加えたり、文字を追加したりする。これにより、作業実施者は、写真に含まれる変状箇所を図形で強調したり、変状の態様を文字で記述したりすることができる。
【0041】
好ましくは、作業実施者用端末20は、写真又は動画の撮影地点、撮影日時、撮影方向等を地図上に表示することができる。図3に、地図上にこれらの情報を表示した画面例を示す。この画面では、地図ビューア上に複数のピン及び矢印が表示されている。これは、写真又は動画の撮影地点及び撮影方向を示している。また、写真又は動画のサムネイルが表示されており、サムネイル上に撮影日時が表示されている。なお撮影地点、撮影日時、撮影方向等の取得方法については公知であるため詳細な説明を省略する。作業実施者用端末20は、撮影地点、撮影日時、撮影方向等を取得した場合、これらの情報を写真又は動画のファイルの属性として保存することができる。
【0042】
また、作業実施者用端末20は、ユーザの要求に応じ写真又は動画のファイルの削除を行う。写真又は動画のファイルには名前を付与することができる。好ましくは、写真又は動画の内容を示す名称を付与できる。また、写真又は動画のファイルにも上述のように任意の属性を付与することができる。
【0043】
作業情報出力部203は、作業情報出力部103と同様の機能を提供する。これにより、作業指示者、作業実施者の双方が作業情報を含むファイル群や帳票等を出力することが可能となる。
【0044】
これらの機能は、作業指示者用端末10又は作業実施者用端末20上でほとんどの処理が行われるローカルアプリケーションとして提供されても良く、クラウドコンピューティング等の技術を利用して他の情報処理装置と協調して処理が実行されるウェブアプリケーション等として提供されても良い。
【0045】
サーバ30は、記憶部301を有する。
【0046】
記憶部301は、作業指示登録部101及び作業結果登録部202から入力される作業指示及び作業結果を記憶領域に格納する。また、記憶部301は、作業指示閲覧部201及び作業結果閲覧部102の要求に応じ、記憶領域に格納された作業指示及び作業結果を取得及び出力する。
【0047】
図5のフローチャートを用いて、作業情報管理システム1の動作例について説明する。
S101:作業指示(第1カテゴリ)の登録
作業指示者は、作業指示者用端末10を使用し、作業指示登録部101を介して第1カテゴリを登録する。また、第1カテゴリに「Xプロジェクト検査業務」といった名称を登録する。
【0048】
S102:作業指示(第2カテゴリ)の登録
作業指示者は、作業指示者用端末10を使用し、作業指示登録部101を介して第1カテゴリの下に複数の第2カテゴリを登録する。第2カテゴリには「検査箇所1」「検査箇所2」・・・といった名称をそれぞれ登録する。
【0049】
また、第2カテゴリそれぞれに関連づけて、作業進捗(例えば「未作業」)、作業予定日(例えば「2022年9月1日」)、注意事項(例えば「近くにハチの巣あり」)、場所の座標等を入力する。各検査箇所の状況を示す写真や図面、細かな作業指示を記載したマニュアル等のファイルを登録しても良い。
【0050】
S103:作業指示の閲覧
作業実施者は、作業実施者用端末20を使用し、作業指示閲覧部201を介して登録済みの作業指示を閲覧する。例えば、当日実施予定の作業に係る第1カテゴリ、第2カテゴリを選択し、登録されている属性情報やファイル等を閲覧する。例えば、作業指示閲覧部201は指定された検査箇所の座標を取得し、地図ビューア上に作業実施者用端末20の現在位置と調査場所の位置とを表示する。また、検査箇所に関連する写真や図面等を表示する。
【0051】
S104:作業結果の登録
作業実施者は、作業実施者用端末20を使用し、作業結果登録部202を介して作業結果を登録する。例えば、当日実施した作業に係る第1カテゴリ、第2カテゴリを選択し、検査箇所で撮影した写真やコメント等を登録する。
【0052】
S105:作業結果の閲覧
作業指示者は、作業指示者用端末10を使用し、作業結果閲覧部102を介して、作業実施者が入力した作業結果を閲覧する。
【0053】
S106:作業情報の出力
作業指示者又は作業実施者は、作業指示者用端末10又は作業実施者用端末20を使用し、作業情報出力部103又は203を介して、作業支持者が入力した作業情報や、作業実施者が入力した作業結果を含む帳票やファイル群等を出力する。出力した成果物は顧客への納品等に利用される。
【0054】
本実施の形態によれば、作業指示者や作業実施者が入力した情報は、汎用性の高い形式で一括出力される。これにより、情報の可搬性が高まり、顧客への納品や他のシステムへのエクスポート等が容易になる。
【0055】
従来、作業指示者や作業実施者は、現場での作業が完了して事務所に戻ってから情報の整理や帳票の作成等の作業を行っていた。しかし本実施の形態によれば、作業情報出力部103又は203が予め定められた形式に従って作業情報を整理し出力するため、作業指示者や作業実施者の働き方を改善することが可能になる。
【0056】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限り適宜構成要素の置換、追加、削除が可能である。
【0057】
また本発明を構成する各処理手段は、ハードウェアにより構成されるものであってもよく、任意の処理をCPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現するものであってもよい。また、コンピュータプログラムは、様々なタイプの一時的又は非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば有線又は無線によりコンピュータに供給される電磁的な信号を含む。
【符号の説明】
【0058】
1 作業情報管理システム
10 作業指示者用端末
101 作業指示登録部
102 作業結果閲覧部
103 作業情報出力部
20 作業実施者用端末
201 作業指示閲覧部
202 作業結果登録部
203 作業情報出力部
30 サーバ
301 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5