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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049678
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】油系クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20240403BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240403BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240403BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K8/39
A61K8/06
A61Q1/14
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156050
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390028897
【氏名又は名称】阪本薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】羽深 朱里
(72)【発明者】
【氏名】山田 武
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC421
4C083AC422
4C083CC02
4C083CC23
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE10
(57)【要約】
【課題】
クレンジング力が高く、水洗時に乳化工程を経由せずとも、クレンジング後の油剤の残留による被膜感がほとんど無い油系クレンジング化粧料を提供すること。
【解決手段】
エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸からなるモノ脂肪酸ポリグリセリルと構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、あるいは、およびエステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリルを用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)を4~30重量%含有し、成分(B)を10~96重量%含有することを特徴とする油系クレンジング化粧料。
(A)エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸からなるモノ脂肪酸ポリグリセリル
(B)構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、およびエステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリルからなる群より選ばれる1種以上の油剤
【請求項2】
成分(A)がモノオレイン酸ポリグリセリル-4であることを特徴とする請求項1に記載の油系クレンジング化粧料。
【請求項3】
成分(B)がテトラオレイン酸ポリグリセリル-2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油系クレンジング化粧料。
【請求項4】
前記油性クレンジング化粧料の3重量%水溶液を振とう撹拌し、レーザー回折・散乱法 粒度分布測定装置で測定した際の乳化粒子径が15μm以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の油系クレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油系クレンジング化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション、アイメイク、口紅等のメイクアップ化粧料を洗い落とすためのクレンジング用化粧料には、多量の油剤を配合したクリーム状、乳液状、オイル状、油性ジェル状の油系タイプから、油剤を全く配合しないか又は微量配合したローション状、水性ジェル状等の水系タイプまで様々なものがある。油系タイプのクレンジング化粧料は、油にメイクを溶解後に親水性活性剤により乳化し、メイクを除去するもので、水系タイプに比べてクレンジング効果に優れている。
【0003】
近年、クレンジング用化粧料を使用する環境が多様化し、洗面台から浴室や居室での使用が増加している。浴室でクレンジングを行うことで、クレンジングに要する時間を短縮することができる。浴室で使用されるクレンジング用化粧料には、クレンジング効果の他に、濡れた手でも使用できるよう耐水性が要望される。
【0004】
そこで、クレンジング効果に優れる油系のクレンジング化粧料について、耐水性を付与するために、様々な技術が検討されてきた。
【0005】
これまでクレンジング化粧料に耐水性を付与するため、界面活性剤を多く配合することで、液晶を形成し、液晶に水を保持させることで耐水性を付与した液晶型のクレンジング化粧料が知られている(特許文献1)。これは皮膚が濡れた状態でもクレンジング力が高く、水洗後の油剤の残留による被膜感も少ないものであったが、液晶を形成するために多量の界面活性剤を配合する必要があり、その結果として、目や皮膚等で刺激を生ずる可能性があった。
【0006】
クレンジング化粧料の耐水性を付与するためには、親水親油バランス(HLB)が低い親油性の界面活性剤を配合することでO/W転相を抑制する手法も知られている(特許文献2)。しかし、水洗後の被膜感が残りやすいため、さらにHLBの高い親水性の界面活性剤を組み合わせる必要があり、結果的に界面活性剤の総量が増え、目や皮膚等で刺激を生ずる可能性があった。
【0007】
また、従来の液晶型のクレンジングオイルでは、水洗性を向上するために、水洗時に液晶を形成させ乳化物の粒子径を微細化する方法が取られてきた。非特許文献1によると、水洗時に汚れを水に乳化させ除去するクレンジングオイルの水洗性は、乳化粒子径に依存するとされており、乳化物の粒子径を1μm以下とすることで高い水洗性が得られるとされている。そのため、これまでのオイルクレンジングは水洗性が高く過剰に皮脂を除去し肌のツッパリが生じるという課題もあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】鈴木敏幸,他3名,“液晶型メイク落とし-形成条件とクレンジング機構-”,日本化粧品技術者会誌,日本化粧品技術者会,1991年12月15日,第25巻,第3号,p.193-202
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014-088426号公報
【特許文献2】特開2007-169220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、クレンジング力が高く、水洗時に乳化工程を経由せずとも、クレンジング後の油剤の残留による被膜感がほとんど無い油系クレンジング化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討した結果、エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸からなるモノ脂肪酸ポリグリセリルと構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、およびエステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリルからなる群より選ばれる1種以上の油剤を特定量配合した油系クレンジング化粧料が、上記課題を解決し得る事を見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0012】
即ち、本発明は、特定のモノ脂肪酸ポリグリセリルとトリグリセリド、あるいはオレイン酸ポリグリセリルを配合することで、クレンジング力が高く、水洗時に乳化工程を経由せずとも水洗性に優れ、クレンジング後の油性感が無い油系クレンジング化粧料を提供することができる。
【0013】
前述の油系クレンジング化粧料は、乳化粒子径が比較的大きく、少ない界面活性剤量で油やメイクを水洗除去できるため、目や皮膚等への刺激が抑えられたクレンジング化粧料を提供することができる。また、液晶やD相、バイコンティニュアス相を経由し微細な乳化粒子を形成せずとも、容易に油やメイクを除去可能な油性クレンジング化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、範囲を表す表記「~」は、上限と下限を含むものである。
【0015】
本発明の界面活性剤を構成するモノ脂肪酸ポリグリセリルの原料であるポリグリセリンの製造方法は特に限定はない。
【0016】
常法のポリグリセリンの製造方法であるグリセリンをアルカリ触媒下に常圧又は減圧下で加熱して得る方法などがある。
【0017】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、従来公知のエステル化反応により製造することができる。例えば、脂肪酸とポリグリセリンとを水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒の存在下でエステル化反応させることにより製造することができる。エステル化は、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が所望の値になるまで行われる。
【0018】
本発明に係るポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は22%以下であり、好ましくは15~22%である。ここで、エステル化率とは、ポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加する脂肪酸のモル数(M)としたとき、下記式(1)で算出される値である。
エステル化率(%)=(M/(n+2))×100 ・・・(1)
【0019】
本発明に用いるモノ脂肪酸ポリグリセリルは、エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸からなるものである。具体的には、ポリグリセリンの重合度が3~6のモノオレイン酸ポリグリセリルやモノイソステアリン酸ポリグリセリルが挙げられる。特に、モノオレイン酸ポリグリセリル-3、モノオレイン酸ポリグリセリル-4(阪本薬品工業(株)製、SフェイスO-401P)、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-3、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-4(阪本薬品工業(株)製、SフェイスIS-401P)であることが好ましく、さらにモノオレイン酸ポリグリセリル-4が最も好ましい。
【0020】
本発明に用いるモノ脂肪酸ポリグリセリルのHLBは6~12であることが好ましく、8~12であることがより好ましい。HLBは以下の下式(2)により求める。
HLB値=20×(1-S/A) ・・・(2)
[S:エステルのけん化価、A:脂肪酸の酸価]
【0021】
上記のモノ脂肪酸ポリグリセリルの含有量は、油系クレンジング化粧料全量中の4~30重量%、好ましくは10~20重量%使用する。
なお、本発明の油性クレンジング化粧料にはその他の界面活性剤を併用することもできるが、目や皮膚等への刺激性の観点から界面活性剤の全量は4~30重量%であることが好ましい。
【0022】
本発明には、構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、およびエステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリルからなる群より選ばれる1種以上の油剤を含有する。具体的には、構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリドとして、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、アルガン油、マンゴー種子油、ぶどう油、椿油、ホホバ油、アボカド油、茶実油、ハト麦油等の植物油脂類が好ましい。エステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリルとして、特に限定はされないが、テトラオレイン酸ポリグリセリル-2、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-6(阪本薬品工業(株)製、SYグリスターPO-3S)、デカオレイン酸ポリグリセリル-10(阪本薬品工業(株)製、SYグリスターDAO-7S)等が好ましい。
【0023】
上記の油剤は、油系クレンジング化粧料全量中の10~96重量%使用する。
【0024】
本発明の油系クレンジング化粧料には必要に応じて水及び通常配合される添加成分、例えば油性基材、アルコール類、保湿剤、高分子・増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、紫外線吸収剤、美白剤、溶剤、角質剥離・溶解剤、鎮痒剤、消炎剤、制汗剤、清涼剤、還元剤・酸化剤、ビタミン類及びその誘導体類、糖類及びその誘導体類、有機酸類、香料等を配合することができる。
【0025】
これらの添加成分を例示すると、油性基剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクワラン、スクワレン、オゾケライト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;ヤシ油、水素添加ヤシ油、ヒマシ油、水素添加ヒマシ油、水素添加ホホバ油、メドウフォーム油、月見草油、ハッカ油等の植物油脂類;オクタン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2-へプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、2エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、アボカド油脂肪酸エチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジオクチル等の低級アルコール脂肪酸エステル類;アセトグリセライド、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水素添加ロジングリセリル(水素添加エステルガム)、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8等の多価アルコール脂肪酸エステル類;低粘度ジメチルポリシロキサン、高粘度ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。
また、高級アルコール類としてセタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等が挙げられる。また、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の脂肪酸類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、もくろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;パルミチン酸デキストリン、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、ジステアルジモニウムヘクトライト等の油性ゲル化剤等が挙げられる。
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール等のステロール類;酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類;ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類等;シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性ポリシロキサン、カチオン変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリグリセリン変性ポリシロキサン、糖変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、DPG、1,2-アルカンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、尿素、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、ベタイン、コンドロイチン硫酸、グルタチオン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、カルビトール、乳酸ナトリウム、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、アルブミン、トリメチルグリシン;コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;アルギニン、セリン、グリシン、スレオニン、グルタミン酸、システイン、メチオニン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類;胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス等の動物・植物抽出成分、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質等のセラミド類を例示することができる。
【0027】
高分子・増粘剤・ゲル化剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、クィーンスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、タラガム、タマリンド、ファーセレラン、カラヤガム、トロロアオイ、キャラガム、トラガントガム、ペクチン、アルギン酸及びその塩、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸及びその塩、ザンサンガム、プルラン、ジェランガム、キチン、キトサン、寒天、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキメチルセルロース及びその塩、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、ポリ酢酸ビニル部分けん化物、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・メタアクリル酸エステル共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸・カチオン化メタアクリル酸アミド共重合体、塩化メタクリル酸コリンエステル重合体、カチオン化グアーガム、ニトロセルロース;12-ヒドロキシステアリン酸及びその塩、デキストリン脂肪酸エステル、無水ケイ酸、金属石鹸、有機変性粘土鉱物、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル等を例示することができる。
【0028】
酸化防止剤としては、BHT、BHA、没食子酸プロピル、ビタミンE(トコフェロール)および/またはその誘導体、ビタミンC(アスコルビン酸)および/またはその誘導体、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等を例示することができる。防腐剤としては、フェノール類、フェノキシエタノール、ヒドロキシ安息香酸及びその塩類、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ハロゲン化ビスフェノール類、酸アミド類、四級アンモニウム塩類等を例示することができる。殺菌剤としては、トリクロロカルバニド、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルフェノール、感光素類等を例示することができる。キレート剤としては、エデト酸塩、フィチン酸、ホスホン酸類、シュウ酸ナトリウム、ポリアミノ酸類等を例示することができる。pH調整剤・酸・アルカリとしては、クエン酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、酢酸、塩酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸グアニジン等を例示することができる。
【0029】
溶剤類としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、トルエン等を例示することができる。
【0030】
角質剥離・溶解剤としては、サリチル酸、イオウ、レゾルシン、硫化セレン、ピリドキシン等を例示することができる。鎮痒剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー等を例示することができる。消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グアイアズレン、酢酸ヒドロコーチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。制汗剤としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛等を例示することができる。清涼剤としては、メントール、サリチル酸メチル等を例示することができる。抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルレチン酸誘導体等を例示することができる。収れん剤としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、硫酸アルミニウム・カリウム、タンニン酸等を例示することができる。刺激剤としては、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジル等を例示することができる。育毛用薬剤・血行促進剤としては、センブリエキス、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、カンタリスチンキ等の植物エキス・チンキ類;セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、γ-オリザノール、ニコチン酸及びニコチン酸ベンジルエステル等の誘導体、アラントイン、感光素301、感光素401、ペンタデカン酸モノグリセリド、フラバノノール誘導体、ミノキシジル等を例示することができる。
【0031】
還元剤としては、チオグリコール酸、システイン、システアミン等を例示することができる。酸化剤としては、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム等を例示することができる。
【0032】
α-ヒドロキシ酸類及びその誘導体類としては、乳酸、グリコール酸、フルーツ酸、ヒドロキシカプリン酸、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等を例示することができる。
【0033】
ビタミン類及びその誘導体類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール等のビタミン誘導体類を例示することができる。
【0034】
糖類及びその誘導体類としては、シクロデキストリン、β-グルカン、キチン、キトサン、グルコース、トレハロース、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等を例示することができる。有機酸類としては、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、アビエチン酸、酒石酸等を例示することができる。
【0035】
酵素類としては、塩化リゾチーム、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ等を例示することができる。核酸類としては、アデノシン三リン酸二ナトリウム等を例示することができる。ホルモン類としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。
【0036】
その他公知の化粧料、医薬品、食品等成分などに使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合することができる。
【0037】
本発明のクレンジング化粧料は、乳化粒子径が比較的に大きいという特長がある。具体的には、粒度分布測定装置(LS 13 320,ベックマン・コールター株式会社製)を用いて、溶媒にイオン交換水(屈折率1.333)、Pump speedを70%とした条件で、クレンジングオイルを3重量%配合し、撹拌することで得られた試料液を測定した際の乳化粒子径が15~65μmが好ましい。
【0038】
本発明のクレンジング化粧料は、油の含有量が15%より多いことが好ましく、その用途目的、方法、使用する環境等に応じ、液状、ジェル状、あるいはそれらを不織布等に含浸させたシート状、または噴射剤を組み合わせたエアゾールスプレー、エアゾールフォーム等の、いずれの剤型にも適用することが出来る。容器形態も同様であり、ボトル、ディスペンサー付きボトル、ポンプフォーマー、ジャー、チューブ、スプレー、エアゾール缶、シート類を充填した袋、箱等、特に制限されず、様々な容器に適用することが出来る。
【0039】
本発明のクレンジング化粧料の調製方法は、特に限定されない。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例0040】
<実施例1~13、比較例1~10>
エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸から成るモノ脂肪酸ポリグリセリル、および構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、あるいはエステル化率80%以上のオレイン酸ポリグリセリルを含む表1に示す成分を表に記載された組成で70℃にて加熱溶解した後、室温まで冷却して、クレンジング化粧料を製造した。
得られたクレンジング化粧料を用い、使用性における官能試験を実施した。評価項目としては、「クレンジング力の高さ」、「水洗後の被膜感の無さ」の2項目であり、5点満点とした。また、クレンジング化粧料を用いて乳化物の粒子径を粒度分布計を用いて測定した。
【0041】
[クレンジング力の高さ]
20名の女性パネラーにより官能評価した。口紅を前腕に塗布し、塗布した部分にクレンジング化粧料を0.02g塗布し、流水で洗い流した。口紅の落ち具合について5点満点で、メイク汚れが残っていないものを5、残っているものを1として平均点を算出し、以下の基準により評価した。これらの結果を表1、表2に示す。
【0042】
[水洗後の被膜感の無さ]
20名の女性パネラーにより官能評価した。各クレンジング化粧料を0.02g前腕に塗布し、水洗後の油剤の残留による被膜感の無さについて5点満点で、被膜感が少ないものを5、多いものを1として平均点を算出し、以下の基準により評価した。これらの結果を表1、表2に示す。
【0043】
[乳化粒子径]
各クレンジング化粧料をスクリュー管に0.03g量り取り、イオン交換水を加えて全体を1.00gとし、よく撹拌することで3重量%の試料液を調製した。粒度分布測定装置(LS 13 320,ベックマン・コールター株式会社製)を用いて、溶媒にイオン交換水(屈折率1.333)、Pump speedを70%とした条件で各試料液を測定し、乳化粒子径を評価した。これらの結果を表1、表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
※1:Sフェイス O-401P(阪本薬品工業(株)製)
※2:SYグリスター MO-5S(阪本薬品工業(株)製)
※3:Sフェイス IS-401P(阪本薬品工業(株)製)
※4:SYグリスター DAO-7S(阪本薬品工業(株)製)
※5:SYグリスター PO-5S(阪本薬品工業(株)製)
【0046】
エステル化率が22%以下で炭素数が18の脂肪酸からなるモノ脂肪酸ポリグリセリル4重量%以上と構成脂肪酸にオレイン酸を含むトリグリセリド、あるいはエステル化率が80%以上であるオレイン酸ポリグリセリル10重量%以上を組み合わせた実施例1~13は、いずれかを満たさない比較例1~10に比べて「クレンジング力の高さ」、「水洗後の被膜感の無さ」に優れていた。
【0047】
配合実施例 クレンジングバーム
オレイン酸ポリグリセリル-4 ※1 12.0%
オレイン酸ポリグリセリル-6 ※2 3.0%
オリーブ種子油 63.0%
ホホバ種子油 10.0%
ヒマワリ種子ロウ 9.0%
ペンタ(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル-10 ※6 3.0%

※6:Sフェイス BED-102(阪本薬品工業(株)製)
【0048】
配合実施例の処方で調製することで、クレンジング力が高く、水洗性が良く、水洗後の被膜感が少ない耐水性に優れるクレンジングバームが得られた。