(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049696
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】圧力センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20240403BHJP
G01L 13/02 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G01L19/00 A
G01L13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156086
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】津嶋 鮎美
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB05
2F055CC60
2F055DD05
2F055EE40
2F055FF23
2F055GG12
2F055HH05
(57)【要約】
【課題】センサチップがセンサケースに収容された後は導圧パイプに加えられた外力がセンサチップに伝達されることがない圧力センサの製造方法を提供する。
【解決手段】センサチップを形成するステップS1と、第1、第2の導圧パイプを形成するステップS2と、センサケース本体を形成するステップS3と、蓋体を形成するステップS4とを有する。センサチップの圧力導入口に第1、第2の導圧パイプを挿入して接着するステップS5と、導圧パイプをセンサケース本体の底部に半田付けするステップS6とを有する。導圧パイプが半田付けされた後に、センサケース本体の導体にセンサチップの電極を接続するステップS7と、センサケース本体の開口部に蓋体を接合するステップS8とを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力伝達媒体が導入される圧力導入口を有しかつ外部接続用の電極を有し、前記圧力伝達媒体の圧力を検出するセンサチップを形成するステップと、
前記圧力導入口に挿入可能な導圧パイプを形成するステップと、
前記センサチップを収容可能な有底筒状に形成され、底部に貫通孔を有しかつ前記センサチップに電気的に接続される導体を有するセンサケース本体を形成するステップと、
前記センサケース本体の開口部を塞ぐ蓋体を形成するステップと、
前記センサチップの前記圧力導入口に前記導圧パイプを挿入して接着するステップと、
前記センサチップに接着された前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記貫通孔に貫通させ、前記センサチップが前記センサケース本体の内部に収容された状態で前記導圧パイプを前記底部に半田付けするステップと、
前記導圧パイプが前記底部に半田付けされた後に、前記センサケース本体の前記導体に前記センサチップの前記電極を接続するステップと、
前記導体と前記電極とが接続された後に、前記センサケース本体の開口部に前記蓋体を接合するステップとによって実施することを特徴とする圧力センサの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力センサの製造方法において、
前記導圧パイプを形成するステップは、前記導圧パイプに金めっきを施すステップを含み、
前記センサケース本体を形成するステップは、前記センサケース本体の外面であって前記貫通孔の周囲にメタライズを施すステップを含み、
前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記底部に半田付けするステップは、前記メタライズが施された部分から前記導圧パイプまで半田がぬれ拡がり、前記貫通孔と前記導圧パイプとの間に半田が入り込むように実施することを特徴とする圧力センサの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の圧力センサの製造方法において、
前記導体に前記センサチップの前記電極を接続するステップは、ワイヤボンディングによって行うことを特徴とする圧力センサの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の圧力センサの製造方法において、
前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記底部に半田付けするステップで前記センサチップが前記センサケース本体の内部に収容されたときに前記センサチップが前記センサケース本体の前記底部に弾性接着剤によって接着されることを特徴とする圧力センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサチップに導圧パイプが接着された圧力センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力センサとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1には、
図12に示す圧力センサ1が開示されている。この圧力センサ1は、センサチップ2に2本の導圧パイプ3が接続されている。これらの導圧パイプ3は、センサケース4の底部4aを貫通している。導圧パイプ3の中には、圧力伝達媒体としての封入液が充填される。また、センサチップ2は、センサケース4の底部4aに接着されている。この種の圧力センサ1において、センサチップ2はシリコンによって形成され、センサケース4は、セラミックスによって形成されることが多い。
【0003】
シリコン製のセンサチップ2をセラミックス製のセンサケース4に接着する構造を採るにあたっては、センサチップ2に熱応力が伝達されることを緩和することが必要である。これを実現するために、従来では弾性接着剤を用いてセンサチップ2をセンサケース4に接着することが行われている。この構成を採ることにより、異種材料の接合に伴う応力発生が抑えられ、センサチップ2の温度特性や温度印加によるドリフトの発生が抑えられるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、弾性接着剤でセンサチップ2をセンサケース4に接着すると、センサチップ2のセンサケース4に対する接着強度が不足し易く、接着した後の工程で導圧パイプ3に外力が加えられたときに接着部に応力が発生してセンサチップ2が剥がれたり壊れてしまうおそれがあった。また、圧力センサ1の製造が完了した後に耐圧強度の低下や封入液のリークが発生する可能性もある。さらに、振動等で導圧パイプ3が変位した場合も同様に接着部に力が加えられて上記と同様な問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、センサチップがセンサケースに収容された後は導圧パイプに加えられた外力がセンサチップに伝達されることがない圧力センサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明に係る圧力センサの製造方法は、圧力伝達媒体が導入される圧力導入口を有しかつ外部接続用の電極を有し、前記圧力伝達媒体の圧力を検出するセンサチップを形成するステップと、前記圧力導入口に挿入可能な導圧パイプを形成するステップと、前記センサチップを収容可能な有底筒状に形成され、底部に貫通孔を有しかつ前記センサチップに電気的に接続される導体を有するセンサケース本体を形成するステップと、前記センサケース本体の開口部を塞ぐ蓋体を形成するステップと、前記センサチップの前記圧力導入口に前記導圧パイプを挿入して接着するステップと、前記センサチップに接着された前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記貫通孔に貫通させ、前記センサチップが前記センサケース本体の内部に収容された状態で前記導圧パイプを前記底部に半田付けするステップと、前記導圧パイプが前記底部に半田付けされた後に、前記センサケース本体の前記導体に前記センサチップの前記電極を接続するステップと、前記導体と前記電極とが接続された後に、前記センサケース本体の開口部に前記蓋体を接合するステップとによって実施する方法である。
【0008】
本発明は、前記圧力センサの製造方法において、前記導圧パイプを形成するステップは、前記導圧パイプに金めっきを施すステップを含み、前記センサケース本体を形成するステップは、前記センサケース本体の外面であって前記貫通孔の周囲にメタライズを施すステップを含み、
前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記底部に半田付けするステップは、前記メタライズが施された部分から前記導圧パイプまで半田がぬれ拡がり、前記貫通孔と前記導圧パイプとの間に半田が入り込むように実施してもよい。
【0009】
本発明は、前記圧力センサの製造方法において、前記導体に前記センサチップの前記電極を接続するステップは、ワイヤボンディングによって行ってもよい。
【0010】
本発明は、前記圧力センサの製造方法において、前記導圧パイプを前記センサケース本体の前記底部に半田付けするステップで前記センサチップが前記センサケース本体の内部に収容されたときに前記センサチップが前記センサケース本体の前記底部に弾性接着剤によって接着されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、センサチップがセンサケース本体に収容された後は導圧パイプが半田によってセンサケース本体に固定されるから、導圧パイプに加えられた外力がセンサチップに伝達されることがない。したがって、圧力センサの製造途中あるいは製造後に導圧パイプに加えられた外力が原因でセンサチップに不具合が生じることを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る圧力センサの製造方法によって製造された圧力センサの使用例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る圧力センサの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、導圧パイプを形成するステップを示す図である。
【
図10】
図10は、導圧パイプをセンサチップに接着するステップを示す断面図である。
【
図11】
図11は、導圧パイプをセンサケース本体に半田付けするステップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る圧力センサの製造方法の取付構造の一実施の形態を
図1~
図11を参照して詳細に説明する。
図1に示す圧力センサ11は、圧力測定装置12に搭載されて第1、第2の被測定流体13,14の差圧を検出するものである。第1の被測定流体13は第1のパイプ15の内部を満たし、第2の被測定流体14は第2のパイプ16の内部を満たしている。
【0014】
圧力測定装置12は、第1のパイプ15と第2のパイプ16とに挟まれたボディ17と、第1の被測定流体13に接する第1の受圧ダイアフラム18と、第2の被測定流体14に接する第2の受圧ダイアフラム19とを備えている。ボディ17には、第1の受圧ダイアフラム18が壁の一部となる第1の受圧室21と、第2の受圧ダイアフラム19が壁の一部となる第2の受圧室22とが形成されている。第1の受圧室21および第2の受圧室22は、ボディ17内に形成された第1の導圧路23および第2の導圧路24と、後述する圧力センサ11の第1および第2のワッシャ25,26と、第1および第2の導圧パイプ27,28とを介してセンサチップ31(
図2参照)の第1、第2の圧力室32,33に連通されている。
【0015】
第1、第2の受圧室21,22から第1、第2の圧力室32,33に至る圧力伝達系は、圧力伝達媒体34(
図1参照)で満たされている。センサチップ31は、第1および第2の受圧ダイアフラム18,19との間に充填された圧力伝達媒体34の圧力を受圧して圧力を検出する。
圧力センサ11は、
図2に示すように、
図2において最も下に描かれている第1、第2のワッシャ25,26と、これらの第1、第2のワッシャ25,26に一端部が溶接された第1、第2の導圧パイプ27,28と、第1、第2の導圧パイプ27,28の他端部に接合されたセンサケース35およびセンサチップ31などを備えている。
【0016】
第1、第2のワッシャ25,26は、ステンレス鋼によって円板状に形成され、ボディ17に溶接される。
第1、第2の導圧パイプ27,28は、ステンレス鋼によって形成され、その一端部が第1、第2のワッシャ25,26の貫通孔25a,26aに挿入された状態で第1、第2のワッシャ25,26に溶接されている。また、第1、第2の導圧パイプ27,28は、第1、第2のワッシャ25,26が溶接された状態で金めっきが施されている。
第1、第2の導圧パイプ27,28の他端部は、詳細は後述するが、センサケース35の内部に挿入されてセンサチップ31に接着されている。
【0017】
センサケース35は、
図2および
図3に示すように、セラミックスによって形成されたセンサケース本体36と、金属材料によって形成された蓋体37とによって構成されている。センサケース本体36は、センサチップ31を収容可能な大きさの有底角筒状に形成されている。蓋体37は、板状に形成され、センサケース本体36の開口部を覆う状態でセンサケース本体36にろう付けあるいはシーム溶接などによって固着されている。
図2および
図3に示す蓋体37は、センサケース本体36の開口部に設けられたシームリング37aに溶接されている。
センサケース本体36の底部36aには、
図3および
図4に示すようにセンサチップ31の両側部を支承する取付座38が形成されているとともに、第1、第2の導圧パイプ27,28を通すための第1の貫通孔41と第2の貫通孔42とが形成されている。
【0018】
センサケース本体36の外面であって第1および第2の貫通孔41,42の周囲には、第1および第2の導圧パイプ27,28を半田付けするために、メタライズ処理が施され、メタライズ層43{
図8(B)参照}が形成されている。
図3に示すように、センサケース本体36の両側壁36bには、導体44が埋設されている。導体44は、後述するセンサチップ31と、センサケース本体36が実装される基板45(
図1参照)の回路(図示せず)とを電気的に接続するためのものである。導体44の一端部は、センサケース本体36の両側壁36bに形成された段部36cに露出してボンディングパッド46を構成している。このボンディングパッド46は、センサチップ31の電極47にボンディングワイヤ48によって接続されている。
【0019】
センサチップ31は、複数のシリコン製の板状部材を厚み方向に重ねて立方体状に形成され、センサケース本体36の中に収容されて取付座38に例えば弾性接着剤49(
図4参照)によって接着されている。弾性接着剤49は、硬化することによりゴム状弾性体となるもので、例えばフッ素系のものやシリコーン系のものを使用することができる。なお、センサチップ31は、後述するように第1、第2の導圧パイプ27,28によって支持されるために、センサケース本体36に接着しなくてもよい。
【0020】
センサチップ31は、第1の圧力室32に連通された第1の孔51(
図4参照)と、第2の圧力室33に連通された第2の孔52とが形成されている。この実施の形態においては、第1の孔51と第2の孔52が本発明でいう「圧力導入口」に相当する。
第1の孔51には第1の導圧パイプ27が挿入され、第2の孔52には第2の導圧パイプ28が挿入されている。第1および第2の導圧パイプ27,28は、センサチップ31に接着剤53によって接着されている。この接着剤53としては、エポキシ系の接着剤を用いることができる。
【0021】
センサチップ31は、第1の孔51に伝達された圧力伝達媒体34の圧力と、第2の孔52に伝達された圧力伝達媒体34の圧力との差圧を検出するように構成されている。
図4に示すように、第1および第2の導圧パイプ27,28におけるセンサケース本体36の第1および第2の貫通孔41,42を貫通する部分は、センサケース本体36に半田付けされている。半田付けは、半田54がメタライズ層43に沿って第1および第2の貫通孔41,42の周囲の全域にわたって濡れ拡がるように行われている。第1および第2の導圧パイプ27,28がセンサケース本体36に半田付けされることにより、センサチップ31は第1、第2の導圧パイプ27,28を介してセンサケース本体36に支持されることになる。
【0022】
次に、上述したように構成された圧力センサ11の製造方法を
図5のフローチャートを参照して詳細に説明する。圧力センサ11を製造するためには、先ず、ステップS1~S4において、圧力センサ11の構成部品を個々に形成する。構成部品の形成順序は、
図5に示す順序に限定されることはない。ステップS1においては、
図6に示すようにセンサチップ31を形成する。ステップS2においては、先ずステップS2Aにおいて第1、第2の導圧パイプ27,28となる管体61{
図7(A)参照}を形成する。次に、ステップS2Bにおいて、管体61に第1、第2のワッシャ25,26を溶接する{
図7(B)参照}。その後、ステップS2Cにおいて、管体61と第1、第2のワッシャ25,26とからなる組立体を
図7(C)に示すようにめっき液槽62に浸漬し、金めっきを施す。
【0023】
ステップS3においては、先ずステップS3Aでセラミックス製のセンサケース本体36を焼成する{
図8(A)参照}。その後、ステップS3Bにおいて、底部36aの第1、第2の貫通孔41,42の周囲にメタライズ処理を施し、メタライズ層43 {
図8(B)参照}を形成する。なお、このステップS3Bにおいては、例えばメタライズ層43を形成した後にセンサケース本体36の開口部に蓋体37を接合するためのシームリング37aを設けることができる。
【0024】
ステップS4においては、蓋体37を形成する(
図9参照)。
ステップS5においては、センサチップ31の第1の孔51に第1の導圧パイプ27を挿入して接着剤53によって接着し、第2の孔52に第2の導圧パイプ28を挿入して接着剤53によって接着する。このステップS5においては、
図10(A)に示すように、第1、第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36の第1、第2の貫通孔41,42に通した状態でセンサチップ31の第1の孔51と第2の孔52とに挿入する。そして、
図10(B)に示すように、第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサチップ31に接着剤53によって接着する。
【0025】
接着剤53が硬化した後、ステップS6において第1、第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36に半田付けする。このときは、先ず、
図11(A)に示すようにセンサケース本体36の取付座38に弾性接着剤49を塗布し、その後、
図11(B)に示すように、センサチップ31を取付座38に接着した状態で第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36の底部36aに半田付けする。すなわち、導圧パイプをセンサケース本体36の底部36aに半田付けするステップでセンサチップ31がセンサケース本体36の内部に収容されたときに、センサチップ31がセンサケース本体36の底部36aに弾性接着剤49によって接着される。
半田付けは、
図4に示すように、センサケース本体36の第1、第2の貫通孔41,42の周辺(メタライズが施された部分)から第1、第2の導圧パイプ27,28まで半田がぬれ拡がり、第1、第2の貫通孔41,42と第1、第2の導圧パイプ27,28との間に半田が入り込むように実施する。
【0026】
半田付け後、ステップS7において、センサケース本体36の導体44とセンサチップ31の電極47とを電気的に接続する。このステップS7においては、先ず、ステップS7Aでセンサケース本体36を図示していないボンディング装置に装填し、ステップS7Bにおいてワイヤボンディングを行う。
その後、ステップS8において、センサケース本体36を図示していないチャンバーの中に装填し、チャンバー内を所定の雰囲気(真空あるいはN2雰囲気)とした状態でセンサケース本体36の開口部に蓋体37をろう付けあるいはシーム溶接によって溶接する。蓋体37がセンサケース本体36に接合されることによって圧力センサ11が完成する。
【0027】
このように構成された圧力センサの製造方法においては、センサチップ31がセンサケース本体36に収容された後は第1および第2の導圧パイプ27,28がセンサケース本体36に半田付けされるから、第1および第2の導圧パイプ27,28に加えられた外力がセンサチップ31に伝達されることがない。したがって、この圧力センサの製造方法によれば、圧力センサ11の製造途中あるいは製造後に第1、第2の導圧パイプ27,28に加えられた外力が原因でセンサチップ31に不具合が生じることを確実に防ぐことができる。
【0028】
この実施の形態において、第1および第2の導圧パイプ27,28を形成するステップS2は、第1および第2の導圧パイプ27,28に金めっきを施すステップS2Cを含んでいる。また、センサケース本体36を形成するステップS3は、センサケース本体36の外面であって第1および第2の貫通孔41,42の周囲にメタライズを施すステップS3Bを含んでいる。第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36の底部36aに半田付けするステップS6は、メタライズが施された部分から第1および第2の導圧パイプ27,28まで半田54がぬれ拡がり、第1および第2の貫通孔41,42と第1および第2の導圧パイプ27,28との間に半田が入り込むように実施する。このため、第1および第2の導圧パイプ27,28の半田付け範囲が第1および第2の貫通孔41,42の内部にも拡がるから、第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36により一層強固に半田付けすることができる。
【0029】
この実施の形態においてセンサケース本体36の導体44にセンサチップ31の電極47を接続するステップS7は、ワイヤボンディングによって行っている。このため、センサチップ31が第1および第2の導圧パイプ27,28によってセンサケース本体36に強固に支持されている状態でワイヤボンディングが行われるから、例えばワイヤボンディングを超音波振動を利用して行う場合にセンサチップ31が不必要に遊動することがなく、振動エネルギーを効率よく使ってボンディング部の圧着強度を向上させることができる。
【0030】
この実施の形態においては、第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36の底部36aに半田付けするステップS6でセンサチップ31がセンサケース本体36の内部に収容されたときにセンサチップ31がセンサケース本体36の底部36aに弾性接着剤49によって接着される。このため、第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36に半田付けするときに第1および第2の導圧パイプ27,28をセンサケース本体36に対して固定しておくことができるから、半田付けをより一層正確に行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
11…圧力センサ、27…第1の導圧パイプ、28…第2の導圧パイプ、31…センサチップ、34…圧力伝達媒体、36…センサケース本体、37…蓋体、47…電極、51…第1の孔(圧力導入口)、52…第2の孔(圧力導入口)、41…第1の貫通孔、42…第2の貫通孔、44…導体、49…弾性接着剤、S1…センサチップを形成するステップ、S2…導圧パイプを形成するステップ、S2C…導圧パイプに金めっきを施すステップ、S3…センサケース本体を形成するステップ、S3B…メタライズを施すステップ、S4…蓋体を形成するステップ、S5…センサチップに導圧パイプを接着するステップ、S6…センサケース本体に導圧パイプを半田付けするステップ、S7…センサケース本体の導体とセンサチップの電極とを電気的に接続するステップ、S8…蓋体をセンサケース本体に接合するステップ。