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特開2024-497時計調整すなわちクロノグラフ機構車を停止または解放するための停止機構
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  • 特開-時計調整すなわちクロノグラフ機構車を停止または解放するための停止機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000497
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】時計調整すなわちクロノグラフ機構車を停止または解放するための停止機構
(51)【国際特許分類】
   G04F 7/08 20060101AFI20231225BHJP
   G04B 27/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G04F7/08 A
G04B27/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023071344
(22)【出願日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】22179968.7
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ・ロシャ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クロノグラフ機構車の停止または解放をトリガするための停止機構、およびこのような停止機構を含む、クロノグラフ機構を含む時計を提供する。
【解決手段】クロノグラフ機構車の主軸の周りを回転を停止させる、または解放するための機構であって、支持表面20が相補支持表面から距離を隔てる動作位置と、その上に載る停止位置との間を移動することができる停止レバー2とリンクすることができる制御機構を含み、ピボット軸DPに対して回転することができる第1の制御部品21は、取外し可能な方法で、ピボット軸DPと平行のリンク軸で制御機構とリンクされ、取外し可能リンクは、制御機構に対する平面的な抜取りまたは挿入を許容する第1の制御部品21と、支持表面20を含む第2の支持部品22とを含み、停止表面2は、ピボット軸DPで、構造に含まれている回転案内要素に対して軸方向に取外し可能な方法で適合される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(1000)の調整すなわちクロノグラフ機構車(1)の停止または解放をトリガするための停止機構(100)であって、主軸(D)の周りを回転することができる前記車(1)の両側に構造(500)および少なくとも第1のブリッジ(600)を含み、前記停止機構(100)は、ユーザが直接または間接的に操作することができ、また、停止レバー(2)であって、前記車(1)の相補前部および/または縁部支持表面(11)の上に載るようになされた少なくとも1つの支持表面(20)を含み、すべての前記支持表面(20)が前記相補支持表面(11)から距離を隔てる、前記車(1)が自由に回転する動作位置と、少なくとも1つの前記支持表面(20)が前記相補支持表面(11)の上に載り、前記車(1)が回転停止位置に位置している停止位置との間を移動することができる停止レバー(2)とリンクすることができる制御機構(210)を含む停止機構(100)において、前記停止レバー(2)は、互いに剛直に接続され、かつ、前記主軸(D)と平行のピボット軸(DP)に対して一体で回転することができる第1の制御部品(21)であって、前記第1の制御部品(21)は、取外し可能な方法で、前記ピボット軸(DP)と平行のリンク軸(DA)で前記制御機構(210)とリンクされ、前記取外し可能リンクは、前記リンク軸(DA)に対して直角方向における、前記制御機構(210)に対する前記第1の部品(21)の実質的に平面的な抜取りまたは挿入を許容する第1の制御部品(21)と、前記少なくとも1つの支持表面(20)を含み、前記構造(500)と前記第1のブリッジ(600)の間で移動可能である第2の支持部品(22)とを含むことを特徴とする停止機構(100)。
【請求項2】
前記停止レバー(2)は、前記ピボット軸(DP)で、前記構造(500)に含まれている回転案内要素(510)に対して軸方向に取外し可能な方法で適合されることを特徴とする請求項1に記載の停止機構。
【請求項3】
前記停止機構(100)は、前記停止レバー(2)に軸方向の力を加え、前記停止レバー(2)を前記構造(500)に押し付けるように配置された少なくとも1つの弾性復帰手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の停止機構。
【請求項4】
前記停止レバー(2)は、前記停止機構(100)の中に含まれている前記構造(500)と第2のブリッジ(700)の間に挿入され、前記構造(500)および前記第2のブリッジ(700)は相俟ってチャンバー(800)を画定し、前記停止レバー(2)は、前記ピボット軸(DP)で、前記回転案内要素(510)に対して軸方向に取外し可能な方法で適合されることを特徴とする請求項1に記載の停止機構(100)。
【請求項5】
前記チャンバー(800)は、前記ピボット軸(DP)を画定し、また、前記停止レバー(2)の中に含まれている孔(820)との半径方向の最小の遊びと共同するようになされ、その逆についても同様であるピボッティング・トラニオン(810)を前記回転案内要素(510)として含み、前記ピボッティング・トラニオン(810)の歯末のたけの高さは、前記ピボット軸(DP)における前記軸方向(Z)に沿った前記チャンバー(800)の高さと、前記停止レバー(2)の最大厚さとの間の差未満であり、したがって前記ピボッティング・トラニオン(810)の前記孔(820)を自由にするための軸方向の移動と、前記停止レバー(2)の前記リンク軸(DA)に対して直角の実質的な平面移動とを組み合わせることによって前記停止レバー(2)を抜き取ることができることを特徴とする請求項4に記載の停止機構(100)。
【請求項6】
前記停止機構(100)は、前記第1の部品(21)および第2の部品(22)に剛直に接続された第3の安定化部品(23)をさらに含み、前記第3の安定化部品23は、前記チャンバー(800)の中を前記主軸(D)と平行の軸方向(Z)に沿って、少なくとも1軸方向自由度で移動することができることを特徴とする請求項4に記載の停止機構(100)。
【請求項7】
前記構造(500)および前記第2のブリッジ(700)は、前記第2の部品(22)の前記ピボット軸(DP)の周りの、前記主軸(D)に対して実質的に平面直角の回転移動を保証するために、前記第3の安定化部品(23)の軸方向の移動を最大値(CM)未満に制限することを特徴とする請求項6に記載の停止機構(100)。
【請求項8】
前記第1の制御部品(21)と前記制御機構(210)の間の前記取外し可能リンクは、前記第1の部品(21)によって支えられたフォーク(25)を含み、前記フォーク(25)は、前記制御機構(210)の中に含まれているピン(26)と協同し、あるいは前記ピン(26)は前記フォーク(25)と協同するようになされ、それにより前記第1の部品(21)と前記制御機構(210)の間の横方向の適合または取除きを許容することを特徴とする請求項1に記載の停止機構(100)。
【請求項9】
前記弾性復帰手段は、前記第2のブリッジ(700)の底部表面(724)と協同支持して、前記停止レバー(2)を前記構造(500)に押し付けるようになされた第4の可撓部品(24)を含む前記停止レバー(2)によって支えられることを特徴とする請求項1に記載の停止機構(100)。
【請求項10】
前記第4の部品(24)は前記第1の部品(21)、前記第2の部品(22)および前記第3の部品(23)と共面ではなく、前記第1の部品(21)、前記第2の部品(22)および前記第3の部品(23)は互いに共面であることを特徴とする請求項9に記載の停止機構(100)。
【請求項11】
前記第4の部品(24)は前記第3の部品(23)と一体であり、互いに共面である前記第1の部品(21)および前記第2の部品(22)とは共面ではないことを特徴とする請求項9に記載の停止機構(100)。
【請求項12】
前記第4の部品(24)は前記第1の部品(21)と一体であり、互いに共面である前記第2の部品(22)および前記第3の部品(23)とは共面ではないことを特徴とする請求項9に記載の停止機構(100)。
【請求項13】
前記停止レバー(2)は一片であることを特徴とする請求項1に記載の停止機構(100)。
【請求項14】
主軸(D)の周りを回転する車(1)の両側に構造(500)および少なくとも第1のブリッジ(600)を含み、また、前記調整すなわちクロノグラフ機構車(1)の停止または解放をトリガするための請求項1に記載の停止機構(100)を含む、調整すなわちクロノグラフ機構を含む時計(1000)。
【請求項15】
前記車(1)を担っている前記機構は調整機構であり、前記車(1)は慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージであり、また、調整機構は、下部ピボット(520)を担っている前記構造(500)から前記軸方向(Z)に沿って重畳した、つめアセンブリ・ブリッジ(900)、前記慣性ブロックまたは前記テンプ輪あるいは前記トゥールビヨン・ケージ、前記つめアセンブリ・ブリッジ(900)への軸方向のアクセスを残し、かつ、前記慣性ブロックまたは前記テンプ輪あるいは前記トゥールビヨン・ケージの取外しを許容することによって取り除くことができる前記停止レバー(2)、前記第2のブリッジ(700)、および上部ピボット(540)を担っている前記第1のブリッジ(600)を含むことを特徴とする請求項14に記載の時計(1000)。
【請求項16】
前記停止レバー(2)は、ハート-ピースを解放している間、ハート-ピースを再始動して始動させるために、前記慣性ブロックまたは前記テンプ輪あるいは前記トゥールビヨン・ケージによって支えられた前記ハート-ピースと協同するようになされることを特徴とする請求項15に記載の時計(1000)。
【請求項17】
前記下部ピボット(520)および/または前記上部ピボット(540)は磁気ピボットであることを特徴とする請求項15に記載の時計(1000)。
【請求項18】
前記停止レバー(2)は、前記慣性ブロックまたは前記テンプ輪あるいは前記トゥールビヨン・ケージに含まれているフェローまたは周囲表面と協同接線支持するようになされ、また、前記軸方向(Z)に沿った平面投影において、そのそれぞれの位置において、前記つめアセンブリ・ブリッジ(900)の外部であることを特徴とする請求項15に記載の時計(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが操作することができ、また、停止レバーであって、車の相補支持表面と協同するようになされた支持表面を含み、また、すべての支持表面が相補支持表面から距離を隔てる動作位置と、支持表面が相補支持表面の上に載る停止位置との間を移動することができる停止レバーとリンクすることができる制御機構を含む、調整すなわちクロノグラフ機構車が主軸の周りを回転するのを停止させ、または解放するための機構に関する。本発明は、さらに、主軸の周りを回転する車の両側に構造および少なくとも第1のブリッジを含み、また、前記調整すなわちクロノグラフ機構車の停止または解放をトリガするためのこのような停止機構を含む、調整すなわちクロノグラフ機構を含む時計に関する。
【0002】
本発明は時計停止機構の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ストップ・レバーとしても知られている停止レバーは、ユーザの命令で車の回転を停止させるように、また、車を解放するように設計されている。これらのレバーは、通常、当該車の隣に挿入され、かなりのゾーンを占有し、その空間はほとんど利用することができない。そのため、これらのレバーは、取り除くことができない方法でブリッジ、等々のスタックに挿入されることがしばしばであり、ストップ・レバーの後ろに配置された機構に介入し、あるいはストップ・レバー自体に介入するためには、これらのブリッジの積み重ねを完全に取り除かなければならない。
【0004】
詳細には、再発する問題は、例えばつめアセンブリ・ブリッジのマウントをセットする必要がある場合に、ストップ・レバーがつめアセンブリ・ブリッジの取除きを妨害することである。
【0005】
秒停止を取り外すためには、原理的に、ブリッジがない構成を獲得して秒停止の取除きを可能にするために、秒停止ブリッジの頂部に存在しているブリッジを取り外す必要がある。
【0006】
そのためには極めて長い時間を要し、また、構成要素を損傷し、および/または汚す危険をもたらすため、これは不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、最小コストでのストップ・レバーの取外しを許容し、それにより時計に対するあらゆる他の介入を可能にすることにより、この問題に対する経済的な解決法の提供を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、請求項1に記載されている、調整すなわちクロノグラフ機構車を停止または解放するための機構に関している。
【0009】
本発明は、さらに、この調整すなわちクロノグラフ機構車の停止または解放をトリガするためのこのような停止機構を含む、調整すなわちクロノグラフ機構を含む時計に関している。
【0010】
本発明は、以下の説明および添付の図面に照らしてより明確に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】テンプ輪と、第1のテンプ輪ブリッジおよび第2の秒停止ブリッジを担っているプレートとの間に挿入されたストップ・レバーを含む停止機構を有するばねテンプ輪調整機構を含む時計を部分平面図で概略的に示す図である。
図2図1の詳細図である。
図3】テンプ輪ブリッジおよびテンプ輪を取り外した後の同じ機構を示す図であり、ストップ・レバーがつめアセンブリ・ブリッジへのアクセスを遮っていることが分かる。
図4図3の状態にある同じ機構を斜視図で概略的に示す図である。
図5】すべてのブリッジ、とりわけ秒停止ブリッジを取り外した後の同じ機構を示す、図3と同様の図である。
図6図3の状態、すなわちテンプ輪ブリッジおよびテンプ輪を取り外した後の状態と同様の状態にある、本発明による停止機構を含む機構を部分斜視図で概略的に示す図であり、停止レバーのピボッティング・ガイダンスが、トラニオンの周りの、支持プレートと第2の秒停止ブリッジの間に配置されたチャンバーの中に見られ、トラニオンは、停止レバーの軸方向の抜取り、次に平面的な抜取りを許容するために高さが制限されている。
図7】本発明による停止レバーおよびその取外し可能リンクを部分斜視図で概略的に示す図であり、ユーザが直接または間接的に操作することができる制御機構が図の左側の部分に示されている。
図8】停止レバーのみを斜視図で概略的に示す図であり、第1の制御アーム、第2の支持アーム、第3の安定化アームがピボット軸の周りのファンの中に配置され、制御機構との取外し可能リンクを可能にするフォークが第1の制御アームの遠位端に配置され、また、他のアームと共面ではない第4の可撓アームが後部に配置され、また、正規の動作における支持プレートに対する停止レバーの押付けを可能にすることがなされている。
図9図2と同様の構成における、テンプ輪フェローの上に秒停止軸受を有する低周波発振器(5Hz以下)の従来の事例における本発明による停止機構を備えた機構を部分斜視図で概略的に示す図であり、秒停止を取り除くことなく、つめアセンブリ・ブリッジを取り除くことができる。
図10図3と同様の構成における、テンプ輪フェローの上に秒停止軸受を有する低周波発振器(5Hz以下)の従来の事例における本発明による停止機構を備えた機構を部分斜視図で概略的に示す図であり、秒停止を取り除くことなく、つめアセンブリ・ブリッジを取り除くことができる。
図11図1と同様の構成における、ハート-ピース(図には示されていない)を再始動して始動させるためにそのハート-ピースに作用する秒停止をテンプ輪の上に有する高周波発振器(5Hzより高い周波数、詳細には約10Hz)を有するキャリバーの事例における本発明による停止機構を備えた機構を部分平面図で概略的に示す図であり、秒停止はつめアセンブリ・ブリッジの上方を通過し、また、本発明のおかげで、軸方向移動によってそのピボットからのその抜取りを可能にし、また、平面移動によって、第1のアームのフォークと制御機構のトラニオンとの結合の解除と、テンプ輪ベッドによる停止レバーの実質的に平面的な抜取りの両方を可能にすることにより、つめアセンブリ・ブリッジを、そのつめアセンブリ・ブリッジを支持プレートと秒停止ブリッジの間に含んでいるチャンバーから抜き取ることができる。
図12図2と同様の構成における、ハート-ピース(図には示されていない)を再始動して始動させるためにそのハート-ピースに作用する秒停止をテンプ輪の上に有する高周波発振器(5Hzより高い周波数、詳細には約10Hz)を有するキャリバーの事例における本発明による停止機構を備えた機構を斜視図で概略的に示す図であり、秒停止はつめアセンブリ・ブリッジの上方を通過し、また、本発明のおかげで、軸方向移動によってピボットからの抜取りを可能にし、また、平面移動によって、第1のアームのフォークと制御機構のトラニオンとの結合の解除と、テンプ輪ベッドによる停止レバーの実質的に平面的な抜取りの両方を可能にすることにより、つめアセンブリ・ブリッジを、そのつめアセンブリ・ブリッジを支持プレートと秒停止ブリッジの間に含んでいるチャンバーから抜き取ることができる。
図13図3と同様の構成における、ハート-ピース(図には示されていない)を再始動して始動させるためにそのハート-ピースに作用する秒停止をテンプ輪の上に有する高周波発振器(5Hzより高い周波数、詳細には約10Hz)を有するキャリバーの事例における本発明による停止機構を備えた機構を斜視図で概略的に示す図であり、秒停止はつめアセンブリ・ブリッジの上方を通過し、また、本発明のおかげで、軸方向移動によってピボットからの抜取りを可能にし、また、平面移動によって、第1のアームのフォークと制御機構のトラニオンとの結合の解除と、テンプ輪ベッドによる停止レバーの実質的に平面的な抜取りの両方を可能にすることにより、つめアセンブリ・ブリッジを、そのつめアセンブリ・ブリッジを支持プレートと秒停止ブリッジの間に含んでいるチャンバーから抜き取ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、時計1000の調整すなわちクロノグラフ機構車1の停止および解放をトリガするための停止機構100に関している。
【0013】
この停止機構100は、構造500、詳細にはプレート、等々、および車1の両側に少なくとも第1のブリッジ600を含み、車1は主軸Dの周りを回転することができる。
【0014】
停止機構100は、ユーザが直接または間接的に操作することができ、また、停止レバー2とリンクされる制御機構210を含み、停止レバー2は、車1の相補前部および/または縁部支持表面11の上に載るようになされた少なくとも1つの支持表面20を含む。
【0015】
この停止レバー2は、すべての支持表面20が相補支持表面11から距離を隔てる、車1が自由に回転する動作位置と、少なくとも1つの支持表面20が相補支持表面11の上に載っている、車1が回転停止位置にある停止位置との間を移動することができる。
【0016】
本発明によれば、停止レバー2は、互いに剛直に接続され、かつ、主軸Dと平行のピボット軸DPに対して一体で回転することができる第1の制御部品21および第2の支持部品22を含む。第1の制御部品21は、ピボット軸DPと平行であることが好ましいリンク軸DAで制御機構210と取外し可能にリンクされている。この取外し可能リンクは、リンク軸DAに対して直角方向における、制御機構210に対する第1の部品21の実質的に平面的な抜取りまたは挿入を許容している。この少なくとも1つの支持表面20を含む第2の支持部品22は、構造500と第1のブリッジ600の間を移動することができる。
【0017】
停止レバー2は、ピボット軸DPで、構造500に含まれている回転案内要素510に対して軸方向に取外し可能な方法で適合されている。
【0018】
停止機構100は、停止レバー2に軸方向の力を加え、停止レバー2を構造500に押し付けるように配置されている少なくとも1つの弾性復帰手段をさらに含む。
【0019】
より詳細には、停止レバー2は、停止機構100の中に含まれている構造500と第2のブリッジ700の間に挿入されており、構造500および第2のブリッジ700は相俟ってチャンバー800を画定し、停止レバー2は、ピボット軸DPで、回転案内要素510に対して軸方向に取外し可能な方法で適合されている。
【0020】
より詳細には、チャンバー800は、ピボット軸DPを画定し、また、停止レバー2の中に含まれている孔820との半径方向の最小の遊びと共同するようになされ、その逆についても同様であるピボッティング・トラニオン810を含む。ピボッティング・トラニオン810の歯末のたけのピボッティングは、ピボット軸DPにおける軸方向Zに沿ったチャンバー800の高さと、停止レバー2の最大厚さとの間の差未満であり、したがってピボッティング・トラニオン810の孔820に皿穴をあけるための軸方向の移動と、停止レバー2のリンク軸DAに対して直角の実質的な平面移動とを組み合わせることによって停止レバー2を抜き取ることができる。
【0021】
より詳細には、停止機構100は、第1の部品21および第2の部品22に剛直に接続された第3の安定化部品23をさらに含み、この第3の安定化部品23は、チャンバー800の中を主軸Dと平行の軸方向Zに沿って、少なくとも1軸方向自由度で移動することができる。
【0022】
より詳細には、構造500および第2のブリッジ700は、第2の部品22のピボット軸DPの周りの、主軸Dに対して実質的に平面直角の回転移動を保証するために、第3の安定化部品23の軸方向の移動を最大値CM未満に制限している。
【0023】
より詳細には、第1の制御部品21と制御機構210の間の取外し可能リンクは、第1の部品21によって支えられたフォーク25を含み、フォーク25は、制御機構210の中に含まれているピン26と協同し、あるいはピン26がフォーク25と協同するようになされており、それにより第1の部品21と制御機構210の間の横方向の適合または取除きを許容している。
【0024】
より詳細には、弾性復帰手段は、第2のブリッジ700の底部表面724と協同支持して、停止レバー2を構造500に押し付けるようになされた第4の可撓部品24を含む停止レバー2によって支えられている。図には示されていない変形態様では、この弾性復帰手段は、第2のブリッジ700に剛直に接続されたばね、等々からなっていてもよい。より詳細には、第4の部品24は、第1の部品21、第2の部品22および第3の部品23と共面ではなく、第1の部品21、第2の部品22および第3の部品23は互いに共面である。図には示されていない特定の変形態様では、第4の部品24は第3の部品23と一体であり、また、互いに共面である第1の部品21および第2の部品22とは共面ではない。さらに他の変形態様では、第4の部品24は第1の部品21と一体であり、互いに共面である第2の部品22および第3の部品23とは共面ではない。
【0025】
より詳細には停止レバー2は一片である。
【0026】
より詳細には、停止レバー2は打ち抜かれた湾曲構成要素であり、したがって極めて経済的である。
【0027】
本発明は、さらに、主軸Dの周りを回転する車1の両側に構造500および少なくとも第1のブリッジ600を含み、また、この調整すなわちクロノグラフ機構車1の停止または解放をトリガするためのこのような停止機構100を含む、調整すなわちクロノグラフ機構を含む時計1000に関している。
【0028】
より詳細には、車1を担っている機構は調整機構であり、車1は慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージであり、また、この調整機構は、下部ピボット520を担っている構造500から軸方向Zに沿って重畳した、つめアセンブリ・ブリッジ900、慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージ、前記つめアセンブリ・ブリッジ900への軸方向のアクセスを残し、かつ、慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージの取外しを許容することによって取り除くことができる停止レバー2、第2のブリッジ700、および上部ピボット540を担っている第1のブリッジ600を含む。
【0029】
より詳細には、停止レバー2は、ハート-ピースを解放している間、ハート-ピースを再始動して始動させるために、慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージによって支えられたハート-ピースと協同するようになされている。
【0030】
より詳細には、下部ピボット520および/または上部ピボット540は磁気ピボットである。実際、磁気ピボットの使用は、10Hz程度の高周波発振器を導くためにとりわけ有利である。
【0031】
より詳細には、停止レバー2は、慣性ブロックまたはテンプ輪あるいはトゥールビヨン・ケージに含まれているフェローまたは周囲表面と協同接線支持するようになされており、また、軸方向Zに沿った平面投影において、そのそれぞれの位置において、つめアセンブリ・ブリッジ900の外部である。
【0032】
したがって本発明は、言及されている問題に対する経済的な解決法を提供し、より一般的にはストップ・レバーとも呼ばれている停止レバーは、停止レバーの上方のブリッジを取り外すことなく取り除くことができるように設計されている。断面図によってシステムを理解することができる。
【0033】
停止レバーを取り除くために加えられる移動は、ピボット軸DPにおける案内から停止レバーを自由にするための方向Zに沿った軸方向の移動と、その次の、テンプ輪の平面と平行の平面内の平面移動の2つのフェーズに分解される。実際、停止レバーを案内するシャフトは、テンプ輪の回転軸と平行の軸Zに沿った軸方向の適合/取除きを可能にしている。
【0034】
上流側の制御機構とのリンクは、横方向の取除きを可能にするフォークおよびピン、等々などのリンク機構を使用して実施される。
【0035】
停止レバーを所定の位置に保持し、また、自らの取除きを防止するために、上部ブリッジの上に載っている可撓条片を含むことが有利であり、この可撓条片は、停止レバーを構造、とりわけプレートに軸方向に下向きに押し付ける。
【0036】
秒停止がテンプ輪フェローの上に載っている低周波発振器(5Hz以下)を有するキャリバーの上で、秒停止を取り除くことなくつめアセンブリ・ブリッジを取り除くことができるが、ハート-ピースを再始動して始動させるためにそのハート-ピースに作用する秒停止をテンプ輪の上に必要とし、次に秒停止がつめアセンブリ・ブリッジの上方を通過する高周波発振器(5Hzより高い)を含むキャリバーの上ではそうはいかず、本発明は、すべてのその有用性をその中に見出している。実際、高周波発振器を有するキャリバーには、ハート-ピースを再始動して始動させるためにそのハート-ピースに作用するこのような秒停止がテンプ輪の上に必要であり、この始動機能は、周波数が5Hzより高いために必要である。したがって秒停止はつめアセンブリ・ポイントの上方を通過する。つめアセンブリのつめを設定する場合、つめアセンブリ・ブリッジを取り除くことができる必要があり、したがって秒停止を取り除くことができる必要がある。本発明によれば、上部ブリッジ(バレル・ブリッジ、歯車列ブリッジ、等々)を取り除くことができ、保守作業をより経済的にすることができ、また、機構の清潔性を保証することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 クロノグラフ機構車
2 停止レバー
11 相補前部および/または縁部支持表面、相補支持表面
20 支持表面
21 第1の制御部品
22 第2の支持部品
23 第3の安定化部品
24 第4の可撓部品
25 フォーク
26 ピン
100 停止機構
210 制御機構
500 構造
510 回転案内要素
520 下部ピボット
540 上部ピボット
600 第1のブリッジ
700 第2のブリッジ
724 第2のブリッジの底部表面
800 チャンバー
810 ピボッティング・トラニオン
820 孔
900 つめアセンブリ・ブリッジ
1000 時計
CM 第3の安定化部品の軸方向の移動の最大値
D 主軸
DA リンク軸
DP ピボット軸
Z 軸方向
図1
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【外国語明細書】