(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049707
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】折畳テーブルおよびテーブルセット
(51)【国際特許分類】
A47B 3/08 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A47B3/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156103
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 春彦
(72)【発明者】
【氏名】北川 匠里
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053GA00
3B053GB01
(57)【要約】
【課題】天板が損傷を受けにくい折畳テーブルおよびテーブルセットを提供する。
【解決手段】折畳テーブル1は、床面Fに接地する接地部15を有する支持構造体11と、幅方向に沿う軸心C1を介して支持構造体11に枢支された天板2と、を備える。天板2は、上面2aが上方を向く使用位置と、上面2aが傾斜した起立位置P2との間で回動可能である。天板2と支持構造体11の少なくとも一方である本体に、本体に比べて硬度が低い当接部21Aが形成されている。天板2が起立位置P2にある一対の折畳テーブル1を、上面2aを相手側の折畳テーブル1と反対側に向けた姿勢で向かい合わせて互いに接触させる。このとき、一対の折畳テーブル1のうち少なくとも一方の当接部21Aが他方の折畳テーブル1に当接することによって、一対の折畳テーブル1は互いに突き当てられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に接地する接地部を有する支持構造体と、幅方向に沿う軸心を介して前記支持構造体に枢支された天板と、を備えた折畳テーブルであって、
前記天板は、上面が上方を向く使用位置と、前記上面が傾斜した起立位置との間で回動可能であり、
前記天板と前記支持構造体の少なくとも一方である本体に、前記本体に比べて硬度が低い当接部が形成され、
前記天板が前記起立位置にある一対の前記折畳テーブルを、前記上面を相手側の折畳テーブルと反対側に向けた姿勢で向かい合わせて互いに接触させたとき、一対の前記折畳テーブルのうち少なくとも一方の前記当接部が他方の前記折畳テーブルに当接することによって、一対の前記折畳テーブルが互いに突き当てられる、
折畳テーブル。
【請求項2】
前記天板は、前記使用位置から前記起立位置に移行する際に上昇する第1端部を有し、
前記当接部は、少なくとも前記第1端部に設けられ、
一対の前記折畳テーブルが互いに近づく方向を並び方向の内方として、
前記天板が前記起立位置にあるとき、前記当接部は、前記支持構造体の上端部に比べて前記並び方向の内方に位置する、
請求項1に記載の折畳テーブル。
【請求項3】
前記天板と前記支持構造体との間に介在する天板回動機構を備え、
前記幅方向と上下方向とに直交する方向を前後方向とし、
一対の前記折畳テーブルが互いに離れる方向を並び方向の外方として、
前記天板回動機構は、
前記天板の前記前後方向の中央部、または前記中央部よりも前記並び方向の外方の位置で前記軸心に枢支される被枢支部と、
前記軸心を有する枢軸部と、を備え、
前記支持構造体は、前記前後方向の中央部を基準として前記前後方向に対称をなす形状である、
請求項1に記載の折畳テーブル。
【請求項4】
前記天板の回動を規制するロック機構と、
前記ロック機構による規制を解除する解除部材と、をさらに備え、
前記支持構造体は、前記幅方向に位置を違えて設けられた一対の脚部を備え、
前記ロック機構および前記解除部材は、一対の前記脚部のうち一方の前記脚部のみに対応した位置に設けられている、
請求項1に記載の折畳テーブル。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の折畳テーブルを複数備える、
テーブルセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳テーブルおよびテーブルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、脚体と、回動可能な天板とを備えた折り畳みテーブルが開示されている。折り畳みテーブルは、天板が水平な使用状態と、天板が傾斜した折り畳み状態とを切り替えできる。複数の折り畳みテーブルは、不使用時に、折り畳み状態で前後に重ねて並べることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記折り畳みテーブルは、前後に重ねて並べたとき、隣の折り畳みテーブルの脚体と接触することにより、天板が損傷を受ける可能性があった。
【0005】
本発明の一態様は、天板が損傷を受けにくい折畳テーブルおよびテーブルセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る折畳テーブルは、床面に接地する接地部を有する支持構造体と、幅方向に沿う軸心を介して前記支持構造体に枢支された天板と、を備えた折畳テーブルであって、前記天板は、上面が上方を向く使用位置と、前記上面が傾斜した起立位置との間で回動可能であり、前記天板と前記支持構造体の少なくとも一方である本体に、前記本体に比べて硬度が低い当接部が形成され、前記天板が前記起立位置にある一対の前記折畳テーブルを、前記上面を相手側の折畳テーブルと反対側に向けた姿勢で向かい合わせて互いに接触させたとき、一対の前記折畳テーブルのうち少なくとも一方の前記当接部が他方の前記折畳テーブルに当接することによって、一対の前記折畳テーブルが互いに突き当てられる。
【0007】
この構成によれば、一対の折畳テーブルを向かい合わせて互いに接触させると、硬度が低い当接部によって、一対の折畳テーブルが互いに突き当てられる。よって、天板が損傷を受けるのを抑制できる。
【0008】
前記折畳テーブルにおいて、前記天板は、前記使用位置から前記起立位置に移行する際に上昇する第1端部を有し、前記当接部は、少なくとも前記第1端部に設けられ、一対の前記折畳テーブルが互いに近づく方向を並び方向の内方として、前記天板が前記起立位置にあるとき、前記当接部は、前記支持構造体の上端部に比べて前記並び方向の内方に位置することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、一対の折畳テーブルを向かい合わせて互いに接触させる際に、支持構造体は接触に関与しにくくなる。よって、支持構造体との接触による損傷を回避しやすい。
【0010】
前記折畳テーブルは、前記天板と前記支持構造体との間に介在する天板回動機構を備え、前記幅方向と上下方向とに直交する方向を前後方向とし、一対の前記折畳テーブルが互いに離れる方向を並び方向の外方として、前記天板回動機構は、前記天板の前記前後方向の中央部、または前記中央部よりも前記並び方向の外方の位置で前記軸心に枢支される被枢支部と、前記軸心を有する枢軸部と、を備え、前記支持構造体は、前記前後方向の中央部を基準として前記前後方向に対称をなす形状であることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、支持構造体の前後方向の突出寸法を小さくできる。したがって、向かい合う2つの折畳テーブルの支持構造体が互いに接触して損傷を受けるのを回避しやすい。
【0012】
前記折畳テーブルは、前記天板の回動を規制するロック機構と、前記ロック機構による規制を解除する解除部材と、をさらに備え、前記支持構造体は、前記幅方向に位置を違えて設けられた一対の脚部を備え、前記ロック機構および前記解除部材は、一対の前記脚部のうち一方の前記脚部のみに対応した位置に設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、一対の折畳テーブルを前後に向かい合わせて配置したとき、解除部材どうしが干渉する(接触する)のを回避できる。よって、折畳テーブルは、取り扱い性の点で有利となる。
【0014】
本発明の一態様に係るテーブルセットは、前記折畳テーブルを複数備える。
【0015】
この構成によれば、一対の折畳テーブルを向かい合わせて互いに接触させると、硬度が低い当接部によって、一対の折畳テーブルが互いに突き当てられる。よって、天板が損傷を受けるのを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、天板が損傷を受けにくい折畳テーブルおよびテーブルセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る折畳テーブルの斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る折畳テーブルの斜視図である。
【
図3】天板が使用位置にあるときの折畳テーブルの側面図である。
【
図4】天板が起立位置にあるときの折畳テーブルの側面図である。
【
図5】天板が起立位置にある一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の側面図である。
【
図6】天板が起立位置にある一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の平面図である。
【
図7】天板が起立位置にある一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の部分斜視図である。
【
図8】天板が起立位置にある一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の部分断面図である。
【
図9】第2実施形態に係る一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の部分側面図である。
【
図10】第2実施形態に係る一対の折畳テーブルを向かい合わせた状態の部分斜視図である。
【
図11】実施形態の折畳テーブルの第1の使用例の斜視図である。
【
図12】実施形態の折畳テーブルの第2の使用例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態の折畳テーブルについて図面を参照して説明する。
【0019】
[折畳テーブル](第1実施形態)
図1および
図2は、第1実施形態に係る折畳テーブル1の斜視図である。
図3は、天板2が使用位置P1にあるときの折畳テーブル1の側面図である。
図1~
図3に示すように、第1実施形態に係る折畳テーブル1は、天板(本体)2と、フレーム(支持構造体)11と、一対の天板回動機構3と、ロック機構5と、解除部材6と、を備えている。折畳テーブル1は、単に「テーブル1」ということがある。
【0020】
テーブル1は、いわゆるフラップ式であり、天板2がフレーム11に対して回動可能となっている。以下の説明では、特に記載がなければ、天板2の作業面(上面2a)を上方に向けた状態(天板2が使用位置P1にある状態)における各構成について説明する。
【0021】
XYZ直交座標系を設定してテーブル1の各構成を説明する。X軸に沿う方向を左右方向という。Y軸に沿う方向を前後方向という。Z軸に沿う方向を上下方向という。X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。上下方向は、テーブル1が設置される水平な床面Fの法線方向(鉛直方向)とする。前後方向のうち、Y軸を示す矢印Yが指し示す側を前側という。前側の反対側を後側という。左右方向から見ることを側面視という。左右方向は「幅方向」の一例である。
【0022】
天板2は、例えば、平面視において矩形状とされている。天板2は、例えば、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きい長方形状である。天板2の前後方向の中央位置を含む中間部は、天板回動機構3を介してフレーム11に支持されている。符号2aは天板2の上面(外面)を示す。符号2bは天板2の下面(裏面)を示す。天板2は、例えば、樹脂、木材、金属などで形成されている。天板2は「本体」の一例である。
【0023】
図3に示すように、天板2の外周縁には、縁部材21が形成されている。縁部材21の硬度は、天板2の硬度より低い。すなわち、縁部材21は、天板2に比べて軟質である。縁部材21は、軟質材料(低硬度材料)で形成される。硬度の指標としては、例えば、デュロメータ硬さ(JIS K6253-3:2012に準拠)が挙げられる。縁部材21の硬度は、例えば、天板2の硬度に対して0.1~0.95倍であってよい。縁部材21は、弾性変形可能であることが望ましい。縁部材21の材料としては、ゴム、エラストマなどがある。
【0024】
縁部材21は、少なくとも、天板2の後側の端部である第1端部2Aに設けられている。第1端部2Aは、長方形状の天板2の後側の長辺に相当する。縁部材21は、天板2の前側の端部である第2端部2Bにも設けられていることが好ましい。第2端部2Bは、天板2の前側の長辺に相当する。縁部材21は、天板2の外周縁に、全周にわたって形成されていることが望ましい。
【0025】
第1端部2Aに設けられた部分の縁部材21を「第1当接部21A」という。第1当接部21Aは、第1端部2Aに、左右方向の全長にわたって形成されている。第2端部2Bに設けられた部分の縁部材21を「第2当接部21B」という。第2当接部21Bは、第2端部2Bに、左右方向の全長にわたって形成されている。第1当接部21Aおよび第2当接部21Bは、「当接部」の例である。
【0026】
縁部材21は、天板2の外周縁の端面2cの少なくとも下部(端面2cの下端を含む領域)に形成されている。縁部材21は、端面2cの下部だけでなく、端面2cの上部(端面2cの上端を含む領域)にも形成されていることが好ましい。縁部材21は、天板2の外周縁の端面2cの全領域を覆って形成されていることが望ましい。
【0027】
図1~
図3に示すように、フレーム11は、一対の脚部12と、クロスフレーム16とを備えている。一対の脚部12は、左右方向に位置を違えて設けられている。一対の脚部12は、左右方向に互いに離間している。一対の脚部12は、左右方向に対称の構成を有している。一対の脚部12は、クロスフレーム16および脚柱側ブラケット3bを介して連結されている(
図2参照)。脚部12は、例えば、金属、木材、樹脂などで形成されている。
【0028】
脚部12は、第1脚柱13と、第2脚柱14とを備える。第1脚柱13は、天板回動機構3を介して、上端部で天板2を支持する。第1脚柱13は、前側に向けて徐々に下降するように傾斜して直線状に延びている。第1脚柱13の断面形状(第1脚柱13の長さ方向に直交する断面の形状)は、例えば、円形状である。第1脚柱13は、例えば、先端に向かって徐々に径が小さくなる形状である。
【0029】
第2脚柱14は、天板回動機構3を介して、上端部で天板2を支持する。第2脚柱14は、第1脚柱13の後側に設けられている。第2脚柱14は、後側に向けて徐々に下降するように傾斜して直線状に延びている。第2脚柱14の断面形状(第2脚柱14の長さ方向に直交する断面の形状)は、例えば、円形状である。第2脚柱14は、例えば、先端に向かって徐々に径が小さくなる形状である。
【0030】
第1脚柱13と第2脚柱14とは、先端に向かって徐々に離間距離が大きくなる。第1脚柱13と第2脚柱14とは、水平面に対する傾斜角度が同じであることが望ましい。第1脚柱13と第2脚柱14とは長さが等しいことが望ましい。
【0031】
脚部12は、前後方向の中央部を基準として前後方向に対称をなす形状であることが望ましい。詳しくは、
図3に示すように、脚部12は、クロスフレーム16の軸心C2を通る鉛直線Lを対称軸として前後方向に線対称形である。第1脚柱13と第2脚柱14とは、鉛直線Lを対称軸として前後方向に線対称形である。
【0032】
クロスフレーム16は、左右方向に延びる。クロスフレーム16は、一対の脚部12を、脚柱側ブラケット3bを介して連結する。クロスフレーム16は、左右方向に沿う軸心C2を有する。軸心C2は、フレーム11の前後方向の中央部に位置する。軸心C2は、天板2の前後方向の中央部に位置する。
【0033】
図1~
図3に示すように、第1脚柱13の下端部および第2脚柱14の下端部には、床面F上でテーブル1を移動可能とするキャスター(接地部)15が設けられている。キャスター15は床面Fに接地する。
【0034】
天板回動機構3は、天板側ブラケット(被枢支部)3aと、脚柱側ブラケット3bと、天板回動軸4(枢軸部)と、を備えている。天板側ブラケット3aは、天板2の裏面(下面2b)に設けられている。天板側ブラケット3aは、天板回動軸4に枢支される。天板回動機構3は天板2とフレーム11との間に介在する。
【0035】
脚柱側ブラケット3bは、第1脚柱13の上部と、第2脚柱14の上部との間に設けられている。脚柱側ブラケット3bは、第1脚柱13および第2脚柱14に固定されている。
【0036】
天板側ブラケット3aと脚柱側ブラケット3bとは、天板回動軸4を介して相対回動可能に連結されている。天板回動軸4は、左右方向に沿う回動軸である。天板回動軸4は軸心C1を有する。天板回動軸4は、天板2の下面2bの下方に配置されている。天板回動軸4は、天板2の前後方向の中央部よりも並び方向の外方(
図3に示す方向R2)の位置に設けられている。なお、天板回動軸4の軸心C1の前後方向の位置は、天板2の前後方向の中央部と同じ位置であってもよい。例えば、天板回動軸4の軸心C1は、クロスフレーム16の軸心C2と一致していてもよい。
【0037】
天板2は、天板回動機構3によって、天板回動軸4を介してフレーム11に枢支される。すなわち、天板2は、天板回動軸4を中心に回動可能な状態でフレーム11に支持される。
【0038】
作業面(上面2a)を上方に向けた天板2の位置を「使用位置P1」という。使用位置P1にある天板2の上面2aは、例えば水平である。
【0039】
図2に示すように、ロック機構5および解除部材6は、例えば、一対の脚部12のうち一方の脚部12のみに対応した位置に設けられている。詳しくは、ロック機構5および解除部材6は、一方の脚部12に接続された天板回動機構3のみに設けられている。すなわち、ロック機構5および解除部材6は、一方の天板回動機構3のみに設けられている。
ロック機構5は、天板回動軸4を介した天板2の回動を規制する。ロック機構5は、例えば、天板側ブラケット3aと脚柱側ブラケット3bとの相対回動を規制することができる。
【0040】
ロック機構5は、例えば、固定部と、可動部と、付勢部材とを備える。ロック機構5は、天板側ブラケット3aに設けられる。可動部は、天板2の回動を規制する第1位置と、天板2の回動規制を規制しない第2位置との間で移動可能である。付勢部材は、可動部を第2位置から第1位置に向けて付勢する。天板2が使用位置P1または起立位置P2にあるとき、可動部が第1位置に配置されると、天板2の回動は規制される。
【0041】
解除部材6は、使用者による回動操作によって、ロック機構5の可動部を第1位置から第2位置に移動させる。これにより、天板2の回動規制を解除する。解除部材6は、例えば、左右方向に沿う回動軸6a(
図7参照)を介して天板側ブラケット3aに回動可能に連結されている。解除部材6は、回動軸6aの回りに回動可能な操作レバーである。
【0042】
天板2が使用位置P1(
図3参照)または起立位置P2(
図4参照)にあるときは、ロック機構5によって天板回動機構3をロック状態とし、天板2の回動を規制することができる。解除部材6の操作によりロック機構5によるロックを解除すると、天板2は回動可能となる。
【0043】
図4は、天板2を、天板回動軸4を中心として回動させたときのテーブル1の側面図である。
図4に示すように、上面2aが傾斜した天板2の位置を「起立位置P2」という。起立位置P2では、例えば、天板2は、上面2aが前側(詳しくは、
図4において斜め右上方)を向くように傾斜している。天板2は、前側に向けて徐々に下降するように傾斜している。なお、起立位置においては、天板2は、上面2aが上下方向に沿う姿勢となってもよい。この姿勢の天板2も「上面2aが傾斜した天板2」に該当する。
【0044】
天板2の第1端部2A(後側の端部)は、天板2が使用位置P1(
図3参照)から起立位置P2(
図4参照)に移行する際に上昇する。天板2の第2端部2B(前側の端部)は、天板2が使用位置P1から起立位置P2に移行する際に下降する。
【0045】
天板2が起立位置P2にあるとき、第1当接部21Aは、フレーム11の上端部11aと比べて、並び方向の内方(対向方向)に位置する。「並び方向の内方」は、一対のテーブル1を、上面2aを相手側のテーブル1と反対側に向けた姿勢で前後に向い合せたとき(
図5参照)、2つのテーブル1が互いに近づく方向(
図4に示す方向R1)である。以下、第1当接部21Aと、フレーム11の上端部11aとの位置関係を、
図4に基づいて詳しく説明する。
【0046】
図4において、一対のテーブル1を向かい合わせたときの並び方向の内方は、左方向(後方)(
図4に示す方向R1)である(
図5参照)。フレーム11の上端部11aのうち最も後側の箇所(最後部11b)と、第1当接部21Aとの位置を比較すると、第1当接部21Aは、最後部11bに比べて後寄りに位置する。例えば、第1当接部21Aは、クロスフレーム16の軸心C2に対して距離L1(前後方向の距離)だけ後方寄りに位置する。最後部11bは、軸心C2に対して距離L2(前後方向の距離)だけ後方寄りに位置する。距離L1は距離L2より大きい。そのため、第1当接部21Aは、最後部11bに比べて後方寄りに位置するといえる。よって、第1当接部21Aは、フレーム11の上端部11aと比べて、並び方向の内方に位置する。
【0047】
[テーブルセット]
図5は、一対のテーブル1を向かい合わせた状態の側面図である。
図6は、一対のテーブル1を向かい合わせた状態の平面図である。
図7は、一対のテーブル1を向かい合わせた状態の部分斜視図である。
図8は、一対のテーブル1を向かい合わせた状態の部分断面図である。
【0048】
図5~
図7に示すように、テーブルセット101は、一対のテーブル1を備える。一対のテーブル1の天板2は、それぞれ起立位置P2にある。一対のテーブル1は、上面2aを相手側のテーブル1と反対側に向けた姿勢で前後に向かい合わせて配置されている。
【0049】
図6に示すように、一対のテーブル1は、左右方向の位置を互いにずらせて組み合わされている。そのため、一対のテーブル1の脚部12どうしが干渉する(接触する)のを回避できる。
図5に示すように、第2脚柱14の少なくとも一部は、相手側のテーブル1の天板2の下に入り込む。
【0050】
第1当接部21Aは、フレーム11の上端部11aと比べて並び方向の内方に位置するため、
図7および
図8に示すように、2つのテーブル1を互いに接触させると、第1当接部21Aどうしが当接する。一対のテーブル1は、互いに近づく方向に位置決めされる。
【0051】
本実施形態のテーブル1は、天板2の第1端部2Aに、硬度が低い第1当接部21Aが形成されている。そのため、一対のテーブル1を向かい合わせて互いに接触させると、第1当接部21Aどうしが当接することによって、一対のテーブル1が互いに突き当てられる。2つのテーブル31は第1当接部21Aで接触するため、天板2が損傷を受けるのを抑制できる。
【0052】
テーブル1は、第1当接部21Aが、フレーム11の上端部11aと比べて並び方向の内方(
図4に示す方向R1)に位置する。そのため、一対のテーブル1を向かい合わせて互いに接触させる際に、フレーム11は接触に関与しにくくなる。よって、テーブル1は、相手側のテーブル1のフレーム11との接触による損傷を回避しやすい。
【0053】
フレーム11は、前後方向の中央部を基準として前後方向に対称をなす形状である。そのため、フレーム11の前後方向の突出寸法を小さくできる。したがって、向かい合う2つのテーブル1のフレーム11が互いに接触して損傷を受けるのを回避しやすい。
【0054】
テーブル1では、ロック機構5および解除部材6が、一対の脚部12のうち一方の脚部12のみに対応した位置に設けられている。そのため、一対のテーブル1を前後に向かい合わせて配置したとき、一方のテーブル1の解除部材6と、他方のテーブル1の解除部材6とは、左右方向に異なる位置に配置される。したがって、解除部材6どうしが干渉する(接触する)のを回避できる。よって、テーブル1は、取り扱い性の点で有利となる。
【0055】
テーブルセット101は、一対のテーブル1を備えるため、第1当接部21Aどうしが当接することによって、一対のテーブル1が互いに突き当てられる。よって、天板2が損傷を受けるのを抑制できる。
【0056】
複数のテーブルセット101を前後に並べる場合、隣り合うテーブル1の天板2が、上面2aを向かい合わせて互いに接触することがある。この場合、第2端部2Bに設けられた第2当接部21Bどうしが当接することによって、隣り合うテーブル1が互いに突き当てられる。そのため、天板2が損傷を受けるのを抑制できる。
【0057】
[折畳テーブル](第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る一対のテーブル31を向かい合わせた状態の部分側面図である。
図10は、一対のテーブル31を向かい合わせた状態の部分斜視図である。
【0058】
図9および
図10に示すように、一対のテーブル31は、テーブルセット201を構成する。
テーブル31の2つの第2脚柱14のうち少なくとも一方の第2脚柱14には、ストッパ33が形成されている。ストッパ33は、テーブル31のフレーム(本体)111に含まれる。ストッパ33は、第2脚柱14の上部に形成されている。ストッパ33は、柱状(例えば、円柱状)とされている。ストッパ33は、左右方向の内方に向かって突出する。「左右方向の内方」は、左右方向に並ぶ2つの脚部12が互いに近づく方向である。ストッパ33は、金属などの硬質材料で形成される。
【0059】
図10に示すように、ストッパ33の外周面には、当接部34が形成されている。当接部34は、例えば、ストッパ33の外周面に形成された被覆である。当接部34は、例えば、ストッパ33の外周面の全領域に形成される。当接部34の硬度は、ストッパ33の硬度より低い。当接部34は、弾性変形可能であることが望ましい。当接部34の材料としては、ゴム、エラストマなどがある。
【0060】
本実施形態のテーブル31は、ストッパ33に当接部34が形成されている。そのため、一対のテーブル31を前後に向かい合わせて互いに接触させると、一方のテーブル31の当接部34は、他方のテーブル31の第2脚柱14に当接する。これによって、一対のテーブル31は、互いに突き当てられる。2つのテーブル31は当接部34で接触するため、天板2およびフレーム111が損傷を受けるのを抑制できる。
【0061】
ストッパ33は脚部12に形成されているため、一対のテーブル31を向かい合わせたときに、脚部12の相対位置を安定させることができる。
【0062】
テーブルセット201は、一対のテーブル31を備えるため、天板2およびフレーム111が損傷を受けるのを抑制できる。
【0063】
[折畳テーブルの使用例]
図11は、実施形態のテーブル41の第1の使用例の斜視図である。
図11に示すように、複数のテーブル41は、天板2を使用位置P1として、向かい合わせて配置することができる。実施形態のテーブル41では、天板2の下方に幕板17が設けられていてもよい。
この使用例の場合は、テーブル41が向かい合わせた配置であるため、使用後に、天板2を起立位置P2として向かい合わせた形態(
図5参照)とする操作が容易となる。
【0064】
図12は、実施形態のテーブル41の第2の使用例の斜視図である。
図12に示すように、複数のテーブル41は、前向きの姿勢として左右方向および前後方向にマトリックス状に並べて配置してもよい。
【0065】
図11および
図12に示す2つの使用例のいずれの場合でも、使用後は、天板2を起立位置P2として、テーブル41を向かい合わせた形態(
図5参照)とすることができる。これにより、省スペース化を図ることができる。
【0066】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、
図5に示すテーブルセット101は一対のテーブル1で構成されるが、テーブルセットを構成するテーブルの数は2つに限定されない。テーブルセットを構成するテーブルの数は複数(2以上の任意の数)であればよい。、テーブルセットを構成するテーブルは、一対であってもよいし、複数対であってもよい。
【0067】
実施形態のテーブルは、天板2に形成された第1当接部21A(
図3参照)と、フレーム111に形成された当接部34(
図10参照)との両方を備えていてもよいし、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1,31,41 折畳テーブル
2 天板(本体)
2a 上面
2A 第1端部
3 天板回動機構
3a 天板側ブラケット(被枢支部)
4 天板回動軸(枢軸部)
5 ロック機構
6 解除部材
11 フレーム(支持構造体)
11a 上端部
12 脚部
15 キャスター(接地部)
21A 第1当接部(当接部)
34 当接部
101,201 テーブルセット
111 フレーム(支持構造体)(本体)
C1 軸心
F 床面
P1 使用位置
P2 起立位置