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特開2024-49710空気調和システム、空気調和システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049710
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】空気調和システム、空気調和システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20240403BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20240403BHJP
   F24F 1/20 20110101ALI20240403BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/88
F24F1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156108
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】是澤 丈幸
(72)【発明者】
【氏名】大野 臣悟
(72)【発明者】
【氏名】縄田 和也
(72)【発明者】
【氏名】増田 啓介
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA49
3L260CB85
3L260FC33
3L260JA02
(57)【要約】
【課題】複数の室内機を、簡易な構成で遠隔操作する。
【解決手段】一台の室外機と、複数の室内機と、を備える空気調和システムであって、室内機は、室外機に対して第一の信号線を介して接続された第一の室内機と、室外機に対して第二の信号線を介して接続された第二の室内機と、を備え、第一の室内機は、外部の通信端末から送信される、複数の室内機の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により受信可能な無線通信部と、無線通信部で受信された操作信号が、第二の室内機を操作対象とする操作信号であった場合に、操作信号を、第一の信号線を介して室外機に転送する信号転送部と、を備え、室外機は、信号転送部から転送された操作信号を、第二の室内機に転送する室外機信号転送部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一台の室外機と、複数の室内機と、を備える空気調和システムであって、
前記室内機は、
前記室外機に対して第一の信号線を介して接続された第一の室内機と、
前記室外機に対して第二の信号線を介して接続された第二の室内機と、を備え、
前記第一の室内機は、
外部の通信端末から送信される、複数の前記室内機の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により受信可能な無線通信部と、
前記無線通信部で受信された前記操作信号が、前記第二の室内機に対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線を介して前記室外機に転送する信号転送部と、を備え、
前記室外機は、
前記信号転送部から転送された前記操作信号を、前記第二の室内機に転送する室外機信号転送部を備える
空気調和システム。
【請求項2】
前記第一の室内機は、
前記無線通信部で受信された前記操作信号の操作対象となる前記室内機を判別する信号判別部を更に備え、
前記信号転送部は、前記信号判別部における判別結果に基づき、前記操作信号が、前記第二の室内機に対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線を介して前記室外機に転送する
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記第一の室内機は、
前記信号判別部における判別結果に基づき、前記操作信号が、前記第一の室内機を操作対象とする操作信号であった場合に、前記操作信号に基づいて前記第一の室内機の動作を制御する第一室内機動作制御部、を更に備える
請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記第二の室内機は、
前記室外機信号転送部から転送された前記操作信号に基づいて、前記第二の室内機の動作を制御する、第二室内機動作制御部を備える
請求項1または2に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記第二の室内機を複数備え、
前記操作信号は、複数の前記室内機のうちの一つを特定する室内機特定情報を含み、
前記室外機信号転送部は、前記操作信号に含まれる前記室内機特定情報に基づいて特定される前記第二の室内機に、前記操作信号を転送する
請求項1または2に記載の空気調和システム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の空気調和システムの制御方法であって、
外部の通信端末から送信される、複数の前記室内機の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により、前記第一の室内機で受信するステップと、
受信された前記操作信号が、前記第二の室内機に対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線を介して前記第一の室内機から前記室外機に転送するステップと、
前記信号転送部から前記室外機に転送された前記操作信号を、前記第二の信号線を介して前記室外機から前記第二の室内機に転送するステップと、を含む
空気調和システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システム、空気調和システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一台の室外機に対し、複数の室内機が接続された空気調和システムにおいて、各室内機を遠隔操作する場合、複数の室内機のそれぞれに、無線LAN等により通信可能な無線通信部を備えることが考えられる。しかし、複数の室内機のそれぞれに無線通信部を備えると、室内機の部品点数が増え、高コスト化に繋がる。
【0003】
これに対し、例えば、特許文献1には、複数の室内機と、複数の室内機と有線で接続されて、室内機との間で信号を送受信する遠隔操作部(リモコン)と、を備えた空気調和システムが開示されている。この空気調和システムにおいて、遠隔操作部は、内部に設置された無線通信部により、情報処理装置との間で無線通信可能とされている。遠隔操作部は、複数の室内機と有線で接続されている。このような空気調和システムでは、情報処理装置から遠隔操作部の無線通信部に伝達された情報により、複数の室内機の動作を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-51668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、遠隔操作部を、複数の室内機と有線で接続する必要がある。このため、空気調和システムの構成が複雑化し、遠隔操作部と複数の室内機のそれぞれとを有線で接続する手間、及びコストが掛かるという問題があった。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、複数の室内機を、簡易な構成で遠隔操作することができる空気調和システム、空気調和システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る空気調和システムは、一台の室外機と、複数の室内機と、を備える空気調和システムであって、前記室内機は、前記室外機に対して第一の信号線を介して接続された第一の室内機と、前記室外機に対して第二の信号線を介して接続された第二の室内機と、を備え、前記第一の室内機は、外部の通信端末から送信される、複数の前記室内機の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により受信可能な無線通信部と、前記無線通信部で受信された前記操作信号が、前記第二の室内機に対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線を介して前記室外機に転送する信号転送部と、を備え、前記室外機は、前記信号転送部から転送された前記操作信号を、前記第二の室内機に転送する室外機信号転送部を備える。
【0008】
本開示に係る空気調和システムの制御方法は、空気調和システムの制御方法であって、外部の通信端末から送信される、複数の前記室内機の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により、前記第一の室内機で受信するステップと、受信された前記操作信号が、前記第二の室内機に対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線を介して前記第一の室内機から前記室外機に転送するステップと、前記信号転送部から前記室外機に転送された前記操作信号を、前記第二の信号線を介して前記室外機から前記第二の室内機に転送するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の空気調和システム、空気調和システムの制御方法によれば、複数の室内機を、簡易な構成で遠隔操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る空気調和システムの全体構成を示す図である。
図2】上記空気調和システムを構成する第一の室内機の室内機制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】上記空気調和システムを構成する室外機の室外機制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】上記空気調和システムを構成する第一の室内機の室内機制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係る空気調和システムの制御方法において、第一の室内機の室内機制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に係る空気調和システムの制御方法において、室外機製制御装置、及び第二の室内機の室内機制御装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示による空気調和システム、空気調和システムの制御方法を実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
(空気調和システムの構成)
図1に示すように、空気調和システム1は、一台の室外機2と、複数の室内機3と、を備えている。
【0012】
室外機2は、建物の室外に設置されている。室外機2は、複数の室内機3に対し、接続配管(図示無し)を介して接続されている。室外機2は、圧縮機と、コンデンサと、ファンと、膨張弁と、切換弁(いずれも図示無し)と、を備えている。圧縮機、コンデンサ、ファン、膨張弁、及び切換弁は、冷媒回路(図示無し)上に設けられている。圧縮機は、冷媒回路を構成する冷媒配管内を流れる冷媒を圧縮する。コンデンサは、室外の空気と、冷媒配管内を流れる冷媒との間で熱交換を行う。ファンは、コンデンサに向かって外部の空気を送る。膨張弁は、コンデンサを経た冷媒を膨張させる。切換弁は、冷媒回路における冷媒の流れを切り換え、冷房運転と暖房運転との切替を行う。室外機2は、室外機2の各部の動作を制御する室外機制御装置21を備えている。
【0013】
複数の室内機3は、それぞれ、建物の室内に設置されている。各室内機3は、冷房運転、暖房運転等を行うことで、室内の空気調和を図る。各室内機3は、エバポレータ(図示せず)と、室内温度センサ(図示せず)と、室内機制御装置31と、を備えている。各室内機3のエバポレータは、接続配管を介して室外機2に接続されている。接続配管は、冷媒回路(図示無し)の一部を構成する。室内温度センサは、室内機3が設置された室内の温度を検出する。
【0014】
室外機2と、複数の室内機3の各々とは、信号線5を介して電気的に接続されている。信号線5は、室外機2と室内機3との間における信号通信に用いられている。
【0015】
複数の室内機3は、一台の第一の室内機3Aと、一台以上の第二の室内機3B~3Dと、を備えている。本実施形態において、例えば三台の第二の室内機3B~3Dが備えられている。
【0016】
第一の室内機3Aは、無線通信部30を備えている。無線通信部30は、外部の通信端末100から送信される操作信号を、無線通信により受信可能である。外部の通信端末100としては、例えば、空気調和システム1のユーザが使用するスマートフォン、タブレット等の携帯型通信端末、パーソナルコンピュータ等が例示できる。
【0017】
無線通信部30は、例えば、空気調和システム1が設置された建物に備えられた無線LAN(Local Area Network)ルータ等のアクセスポイント8との間で、無線通信可能とされている。外部の通信端末100は、公衆無線通信網等のネットワーク200、及びアクセスポイント8を介し、無線通信部30との間で、複数の室内機3(第一の室内機3A、及び第二の室内機3B~3D)に対する操作信号を、無線通信により通信可能である。
【0018】
外部の通信端末100からの操作信号には、複数の室内機3のうち、操作対象となる一つの室内機3を特定するための室内機特定情報と、室内機3の操作内容を示す情報とが含まれている。室内機3の操作内容としては、室内機3の起動、停止、設定温度の設定、冷房運転と暖房運転との切り換え、タイマーの設定等が例示できる。
【0019】
なお、外部の通信端末100は、空気調和システム1が設置された建物内においては、公衆無線通信網を介さず、無線LANを介して、操作信号を無線通信部30に通信するようにしてもよい。また、無線通信部30は、アクセスポイント8を介さず、公衆無線通信網等のネットワーク200に、直接アクセス可能としてもよい。
【0020】
(第一の室内機の室内機制御装置の構成)
第一の室内機3Aの室内機制御装置31Aは、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータと、コンピュータの周辺回路や周辺装置等のハードウェアを用いて構成することができる。本実施形態では、室内機制御装置31Aは、マイクロコンピュータが搭載された制御基板により構成されている。図2に示すように、室内機制御装置31Aは、ハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成として、操作信号受信部32と、信号判別部33と、第一室内機動作制御部34と、信号転送部35と、を備えている。
【0021】
操作信号受信部32は、無線通信部30で受信した、外部の通信端末100からの操作信号を受け取る。
【0022】
信号判別部33は、操作信号受信部32で受け取った操作信号の操作対象となる室内機3を判別する。信号判別部33は、操作信号に含まれる、操作対象となる一つの室内機3を特定するための室内機特定情報に基づいて、操作信号の操作対象となる室内機3を判別する。信号判別部33は、操作信号の操作対象となる室内機3が、第一の室内機3Aであるか、第二の室内機3B~3Dであるかを判別する。
【0023】
第一室内機動作制御部34は、信号判別部33における判別結果に基づき、操作信号が、第一の室内機3Aを操作対象とする操作信号であった場合に、操作信号に基づいて第一の室内機3Aの動作を制御する。第一室内機動作制御部34は、外部から設定された設定温度と、室内温度センサ(図示せず)で検出された室内の温度とに基づいて、室内の温度が設定温度に近づくように、室内機3を制御する。また、第一室内機動作制御部34は、第一室内機動作制御部34に設定された設定温度、及び室内温度センサ(図示せず)で検出された室内の温度のデータを、信号線5を介して、室外機2の室外機制御装置21に送信する。
【0024】
信号転送部35は、信号判別部33における判別結果に基づき、操作信号が、第二の室内機3B~3Dに対する操作信号であった場合に、操作信号を、第一の信号線51(図1参照)を介して室外機2に転送する。ここで、第一の信号線51は、第一の室内機3Aと室外機2とを接続する信号線5である。
【0025】
(室外機の室外機制御装置の構成)
室外機2の室外機制御装置21は、マイクロコンピュータ、CPU等のコンピュータと、コンピュータの周辺回路や周辺装置等のハードウェアを用いて構成することができる。本実施形態では、室外機制御装置21は、マイクロコンピュータが搭載された制御基板により構成されている。図3に示すように、室外機制御装置21は、ハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成として、室外機操作信号受信部22と、室外機信号判別部23と、室外機動作制御部24と、室外機信号転送部25と、を備えている。
【0026】
室外機操作信号受信部22は、第一の信号線51を介して第一の室内機3Aから転送された操作信号を受信する。
【0027】
室外機信号判別部23は、室外機操作信号受信部22で受け取った操作信号の操作対象が、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれであるかを判別する。室外機信号判別部23は、操作信号に含まれる室内機特定情報に基づいて、操作信号の操作対象が、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれであるかを判別(特定)する。
【0028】
室外機動作制御部24は、複数の室内機3(第一の室内機3A、第二の室内機3B~3D)の室内機制御装置31から受信した、設定温度、及び室内の温度のデータに基づき、必要に応じ、圧縮機の回転数、ファンの回転数等を制御する。
【0029】
室外機信号転送部25は、操作信号に含まれる室内機特定情報に基づいて特定される第二の室内機3B~3Dに、操作信号を転送する。室外機信号転送部25は、室外機信号判別部23における判別結果に基づき、操作信号の操作対象となる、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれ一つに、第二の信号線52を介して転送する。ここで、第二の信号線52は、第二の室内機3B~3Dの各々と室外機2とを接続する信号線5である。
【0030】
(第二の室内機の室内機制御装置の構成)
第二の室内機3B~3Dは、それぞれ、室内機制御装置31Bを備えている。室内機制御装置31Bは、マイクロコンピュータ、CPU等のコンピュータと、コンピュータの周辺回路や周辺装置等のハードウェアを用いて構成することができる。本実施形態では、室内機制御装置31Bは、マイクロコンピュータが搭載された制御基板により構成されている。図4に示すように、室内機制御装置31Bは、ハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成として、第二操作信号受信部42と、第二室内機動作制御部44と、を備えている。
【0031】
第二操作信号受信部42は、後述する室外機2の室外機信号転送部25から、第二の信号線52を介して転送された操作信号を受け取る。
【0032】
第二室内機動作制御部44は、室外機信号転送部25から転送された操作信号に基づいて、第二の室内機3B~3Dの動作を制御する。第二室内機動作制御部44は、第二操作信号受信部42で受け取った操作信号に基づいて第二の室内機3B~3Dの各々の動作を制御する。第二室内機動作制御部44は、外部から設定された設定温度と、室内温度センサで検出された室内の温度とに基づいて、室内の温度が設定温度に近づくように、第二の室内機3B~3Dの各々を制御する。また、第二室内機動作制御部44は、第二室内機動作制御部44に設定された設定温度、及び室内温度センサ(図示せず)で検出された室内の温度のデータを、信号線5を介して、室外機2の室外機制御装置21に送信する。
【0033】
(空気調和システムの制御方法の手順)
図5に示すように、外部の通信端末100から、ネットワーク200、アクセスポイント8を介して操作信号が送信された場合、第一の室内機3Aの操作信号受信部32で、操作信号を受信する(ステップS11)。操作信号受信部32は、受信した操作信号を、信号判別部33に受け渡す。
【0034】
信号判別部33では、操作信号受信部32で受け取った操作信号において、操作対象となる室内機3を判別する。信号判別部33は、操作信号の操作対象となる室内機3が、第一の室内機3Aであるか、第二の室内機3B~3Dであるかを判別する(ステップS12)。
【0035】
ステップS12において、操作信号の操作対象となる室内機3が、第一の室内機3Aである、と判定された場合(ステップS12;Yes)、第一室内機動作制御部34は、操作信号に基づいて第一の室内機3Aの動作を制御する(ステップS13)。
【0036】
ステップS12において、操作信号の操作対象となる室内機3が、第二の室内機3B~3Dである、と判定された場合(ステップS12;No)、信号転送部35は、操作信号受信部32で受け取った操作信号を、第一の信号線51を介して室外機2に転送する(ステップS14)。
【0037】
図6に示すように、第一の室内機3Aの信号転送部35から操作信号が転送された場合、室外機2の室外機制御装置21では、室外機操作信号受信部22が、第一の室内機3Aからの操作信号を受信する(ステップS21)。室外機操作信号受信部22は、受信した操作信号を、室外機信号判別部23に受け渡す。
【0038】
次いで、室外機信号判別部23では、室外機操作信号受信部22で受け取った操作信号の操作対象が、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれであるかを判別する(ステップS22)。室外機信号判別部23は、操作信号に含まれる室内機特定情報に基づいて、操作信号の操作対象が、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれであるかを特定する。
【0039】
続いて、室外機信号転送部25では、ステップS22で特定された第二の室内機3B~3Dに、操作信号を転送する(ステップS23)。室外機信号転送部25は、室外機信号判別部23における判別結果に基づき、操作信号の操作対象となる、複数の第二の室内機3B~3Dのいずれ一つに、第二の信号線52を介して操作信号を転送する。
【0040】
ステップS23で操作信号が転送された第二の室内機3B~3Dのうちの一つにおいては、室内機制御装置31Bの第二操作信号受信部42で操作信号を受け取る(ステップS31)。第二操作信号受信部42は、受信した操作信号を、第二室内機動作制御部44に受け渡す。
【0041】
第二室内機動作制御部44では、室外機信号転送部25から転送された操作信号に基づいて、第二の室内機3B~3Dの動作を制御する(ステップS32)。
【0042】
(作用効果)
上記構成の空気調和システム1では、第一の室内機3Aの無線通信部30で、外部の通信端末100から送信された、複数の室内機3の各々を操作対象とする操作信号を受信する。受信された操作信号が、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号であった場合、信号転送部35は、操作信号を、第一の信号線51を介して室外機2に転送する。室外機2の室外機信号転送部25は、信号転送部35から転送された操作信号を、第二の室内機3B~3Dに転送する。転送された操作信号を受け取った第二の室内機3B~3Dは、操作信号に応じた動作を実行する。このようにして、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部30で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。これにより、複数の室内機3を備える場合であっても、全ての室内機3に無線通信部30を備える必要がない。また、さらに、複数の室内機3の各々と室外機2とは、元々、信号のやりとりのための信号線5により接続されている。この信号線5を、第一の信号線51、第二の信号線52として用いることで、新たに配線を追加する必要も抑えられる。したがって、複数の室内機3を、簡易な構成で遠隔操作することが可能となる。
【0043】
また、第一の室内機3Aの信号判別部33は、無線通信部30で受信された操作信号の操作対象となる室内機3を判別する。信号判別部33における判別結果に基づき、操作信号が、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号であった場合に、信号転送部35が、操作信号を、第一の信号線51を介して室外機2に転送する。このようにして、第一の室内機3Aの無線通信部30で受信した操作信号が、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号であった場合に、操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。
【0044】
また、第一の室内機3Aの信号判別部33において、無線通信部30で受信された操作信号が、第一の室内機3Aを操作対象とする操作信号であると判別された場合、第一室内機動作制御部34により、操作信号に基づいて第一の室内機3Aの動作を制御することができる。
【0045】
さらに、第二の室内機3B~3Dでは、室外機信号転送部25から転送された操作信号を受け取ると、受け取った操作信号に基づいて、第二室内機動作制御部44が第二の室内機3B~3Dの動作を制御する。
【0046】
また、第二の室内機3B~3Dを複数備えている場合、室外機信号判別部23が、操作信号に含まれる室内機特定情報に基づいて、操作信号による操作対象となる第二の室内機3B~3Dを特定する。室外機信号転送部25は、特定された第二の室内機3B~3Dに、操作信号を転送する。これにより、第二の室内機3B~3Dが複数備えられている場合であっても、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部30で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。
【0047】
上記構成の空気調和システム1の制御方法では、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部40で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。したがって、複数の室内機3を、簡易な構成で遠隔操作することが可能となる。
【0048】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、三台の第二の室内機3B~3Dを備える構成としたが、これに限るものではなく、第二の室内機は、一台、二台、あるいは四台以上であってもよい。
【0049】
<付記>
実施形態に記載の空気調和システム1、空気調和システム1の制御方法は、例えば以下のように把握される。
【0050】
(1)第1の態様に係る空気調和システム1は、一台の室外機2と、複数の室内機3と、を備える空気調和システム1であって、前記室内機3は、前記室外機2に対して第一の信号線51を介して接続された第一の室内機3Aと、前記室外機2に対して第二の信号線52を介して接続された第二の室内機3B~3Dと、を備え、前記第一の室内機3Aは、外部の通信端末100から送信される、複数の前記室内機3の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により受信可能な無線通信部30と、前記無線通信部30で受信された前記操作信号が、前記第二の室内機3B~3Dに対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線51を介して前記室外機2に転送する信号転送部35と、を備え、前記室外機2は、前記信号転送部35から転送された前記操作信号を、前記第二の室内機3B~3Dに転送する室外機信号転送部25を備える。
外部の通信端末100としては、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯型通信端末、パーソナルコンピュータ等が例示できる。
【0051】
この空気調和システム1は、第一の室内機3Aに無線通信部30を備えている。第一の室内機3Aの無線通信部30は、外部の通信端末100から送信された、複数の室内機3の各々を操作対象とする操作信号を受信する。受信された操作信号が、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号であった場合、信号転送部35は、操作信号を、第一の信号線51を介して室外機2に転送する。室外機2の室外機信号転送部25は、信号転送部35から転送された操作信号を、第二の室内機3B~3Dに転送する。転送された操作信号を受け取った第二の室内機3B~3Dは、操作信号に応じた動作を実行する。このようにして、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部30で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。これにより、複数の室内機3を備える場合であっても、全ての室内機3に無線通信部30を備える必要がない。また、複数の室内機3の各々と室外機2とは、元々、信号のやりとりのための信号線5により接続されている。この信号線5が、第一の信号線51、第二の信号線52を兼ねることで、新たに信号線を追加する必要も抑えられる。したがって、複数の室内機3を、簡易な構成で遠隔操作することが可能となる。
【0052】
(2)第2の態様に係る空気調和システム1は、(1)の空気調和システム1であって、前記第一の室内機3Aは、前記無線通信部30で受信された前記操作信号の操作対象となる前記室内機3を判別する信号判別部33を更に備え、前記信号転送部35は、前記信号判別部33における判別結果に基づき、前記操作信号が、前記第二の室内機3B~3Dに対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線51を介して前記室外機2に転送する。
【0053】
これにより、第一の室内機3Aの信号判別部33は、無線通信部30で受信された操作信号の操作対象となる室内機3を判別する。信号判別部33における判別結果に基づき、操作信号が、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号であった場合に、信号転送部35が、操作信号を、第一の信号線51を介して室外機2に転送する。このようにして、第二の室内機3B~3Dを操作対象とする操作信号を、第一の室内機3Aから室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。
【0054】
(3)第3の態様に係る空気調和システム1は、(2)の空気調和システム1であって、前記第一の室内機3Aは、前記信号判別部33における判別結果に基づき、前記操作信号が、前記第一の室内機3Aを操作対象とする操作信号であった場合に、前記操作信号に基づいて前記第一の室内機3Aの動作を制御する第一室内機動作制御部34、を更に備える。
【0055】
これにより、第一の室内機3Aの信号判別部33において、無線通信部30で受信された操作信号が、第一の室内機3Aを操作対象とする操作信号であると判別された場合に、第一室内機動作制御部34により、操作信号に基づいて第一の室内機3Aの動作を制御することができる。
【0056】
(4)第4の態様に係る空気調和システム1は、(1)から(3)の何れか一つの空気調和システム1であって、前記第二の室内機3B~3Dは、前記室外機信号転送部25から転送された前記操作信号に基づいて、前記第二の室内機3B~3Dの動作を制御する、第二室内機動作制御部44を備える。
【0057】
これにより、第二の室内機3B~3Dでは、室外機信号転送部25から転送された操作信号に基づいて、第二室内機動作制御部44により、第二の室内機3B~3Dの動作を制御することができる。
【0058】
(5)第5の態様に係る空気調和システム1は、(1)から(4)の何れか一つの空気調和システム1であって、前記第二の室内機3B~3Dを複数備え、前記操作信号は、複数の前記室内機3のうちの一つを特定する室内機特定情報を含み、前記室外機信号転送部25は、前記操作信号に含まれる前記室内機特定情報に基づいて特定される前記第二の室内機3B~3Dに、前記操作信号を転送する。
【0059】
これにより、操作信号は、複数の前記室内機3のうちの一つを特定する室内機特定情報を含んでいる。第二の室内機3B~3Dを複数備えている場合、室外機信号転送部25は、前記操作信号に含まれる前記室内機特定情報に基づいて、操作信号による操作対象となる第二の室内機3B~3Dを特定する。室外機信号転送部25は、特定された前記第二の室内機3B~3Dに、操作信号を転送する。これにより、第二の室内機3B~3Dが複数備えられている場合であっても、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部30で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。
【0060】
(6)第6の態様に係る空気調和システム1の制御方法は、(1)から(5)の何れか一つの空気調和システム1の制御方法であって、外部の通信端末100から送信される、複数の前記室内機3の各々を操作対象とする操作信号を、無線通信により、前記第一の室内機3Aで受信するステップS11と、受信された前記操作信号が、前記第二の室内機3B~3Dに対する前記操作信号であった場合に、前記操作信号を、前記第一の信号線51を介して前記第一の室内機3Aから前記室外機2に転送するステップS14と、前記信号転送部35から前記室外機2に転送された前記操作信号を、前記第二の信号線52を介して前記室外機2から前記第二の室内機3B~3Dに転送するステップS23と、を含む。
【0061】
これにより、第一の室内機3Aに備えられた無線通信部30で受信した操作信号を、室外機2を介して第二の室内機3B~3Dに転送することができる。したがって、複数の室内機3を、簡易な構成で遠隔操作することが可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1…空気調和システム
2…室外機
3…室内機
3A…第一の室内機
3B~3D…第二の室内機
5…信号線
51…第一の信号線
52…第二の信号線
8…アクセスポイント
21…室外機制御装置
22…室外機操作信号受信部
23…室外機信号判別部
24…室外機動作制御部
25…室外機信号転送部
30…無線通信部
31、31A、31B…室内機制御装置
32…操作信号受信部
33…信号判別部
34…第一室内機動作制御部
35…信号転送部
42…第二操作信号受信部
44…第二室内機動作制御部
100…通信端末
200…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6