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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049747
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】加工品仕分装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 13/05 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B07B13/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156168
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀志
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021JA01
4D021KA12
4D021KA18
4D021KB01
4D021LA01
4D021LA05
4D021LA07
(57)【要約】
【課題】仕分けの時間を短縮可能とする加工品仕分装置を提供する。
【解決手段】柱状又は筒状の基本形状を有する加工品Wと加工品Wとはサイズが異なる切粉Cとの混合物Mの供給を受けて振動により移送及び仕分を行うものであり、移送路7及び仕分部9を備え、移送路7は、混合物Mの移送交差方向で斜面11、13が対峙するように配置され振動により移送を行わせ、仕分部9は、移送路7上に形成された開口6を有し振動により移送される混合物M中の加工品W又は切粉Cを開口6により移送路7から排出する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状又は筒状の基本形状を有する加工品とこの加工品とはサイズが異なる前記加工品の加工くずとの混合物の供給を受けて振動により移送及び仕分けを行う加工品仕分装置であって、
前記混合物の移送方向に対する交差方向で斜面が対峙するように配置され振動により前記移送を行わせる移送路と、
前記移送路上に形成された開口を有し前記振動により移送される前記混合物中の前記加工品又は前記加工くずを前記開口により前記移送路から排出するための仕分部と、
を備えた加工品仕分装置。
【請求項2】
請求項1の加工品仕分装置であって、
前記仕分部は、前記移送路に形成した貫通部を備えている、
加工品仕分装置。
【請求項3】
請求項2の加工品仕分装置であって、
前記移送路は、前記対峙する斜面の一方が移送シュートのシュート面であり、同他方が前記移送シュートに対し前記移送方向に沿って配置された移送ガイドのガイド面である、
加工品仕分装置。
【請求項4】
請求項3の加工品仕分装置であって、
前記貫通部は、前記移送ガイドに形成され前記移送シュートに対向する凹部で形成された、
加工品仕分装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項の加工品仕分装置であって、
前記移送路及び前記仕分部は、多段に備えられ、
前記仕分部は、上段、下段においてサイズが異なるように設定された、
加工品仕分装置。
【請求項6】
請求項5の加工品仕分装置であって、
前記上段の仕分部は、前記混合物に含まれる相対的に小さなサイズの小加工くずを前記加工品と共に含む小仕分混合物を仕分けて排出し前記混合物に含まれる相対的に大きなサイズの大加工くずを排出せずに通過させるサイズであり、
前記下段の仕分部は、前記小仕分混合物の前記小加工くずを仕分けて排出し前記加工品を排出せずに通過させるサイズである、
加工品仕分装置。
【請求項7】
請求項6の加工品仕分装置であって、
前記移送路は、上段、下段において共通の前記斜面の一方で形成された移送シュートのシュート面を備え、
前記上段の移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って配置された上段の移送ガイドを備え、
前記下段の移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って配置されて前記移送方向の上流側が前記シュート面に沿ったシュート面方向で前記上段の仕分部に対向した下段の移送ガイドを備えた、
加工品仕分装置。
【請求項8】
請求項5の加工品仕分装置であって、
前記上段の仕分部は、前記混合物に含まれる相対的に小さなサイズの小加工くずを仕分けて排出し前記混合物の相対的に大きなサイズの大加工くずを前記加工品と共に含む大仕分混合物を排出せずに通過させるサイズであり、
前記下段の仕分部は、前記大仕分混合物の前記加工品を仕分けて排出し大加工くずを排出せずに通過させるサイズである、
加工品仕分装置。
【請求項9】
請求項8の加工品仕分装置であって、
前記移送路は、上段、下段において共通の前記斜面の一方で形成された移送シュートのシュート面を備え、
前記上段、下段の移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って連繋して配置された上段、下段の移送ガイドを備えた、
加工品仕分装置。
【請求項10】
請求項5の加工品仕分装置であって、
前記上段、下段の移送路は、それぞれ主移送路及び分岐移送路を含み、
前記上段、下段の仕分部は、それぞれ主仕分部及び分岐仕分部を含み、
前記上段の主仕分部は、前記混合物の相対的に小さなサイズの小加工品及び相対的に小さなサイズの小加工くずを含む小仕分混合物を仕分けて排出し前記混合物の相対的に大きなサイズの大加工品、相対的に中程度のサイズの中加工くず、及び相対的に大きなサイズの大加工くずを含む大中大仕分混合物を排出せずに通過させるサイズであり、
前記下段の主仕分部は、前記上段の主仕分部を通過した大中大仕分混合物の前記中加工くず及び前記大加工品を含む中大仕分混合物を仕分けて排出し前記大加工くずを排出せずに通過させるサイズであり、
前記上段の分岐仕分部は、前記上段の主仕分部から排出された前記小仕分混合物の前記小加工くずを仕分けて排出し前記小加工品を通過させるサイズであり、
前記下段の分岐仕分部は、前記下段の主仕分部から排出された前記中大仕分混合物の前記中加工くずを仕分けて排出し前記大加工品を通過させるサイズである、
加工品仕分装置。
【請求項11】
請求項10の加工品仕分装置であって、
前記移送路は、上段、下段において共通の前記斜面の一方で形成された移送シュートのシュート面を備え、
前記上段、下段の主移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って連繋し前記シュート面に配置された上段、下段の主移送ガイドを備え、
前記上段の分岐移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って配置され前記移送方向の上流側が前記シュート面に沿ったシュート面方向で前記上段の主仕分部に対向した上段の分岐移送ガイドを備え、
前記下段の分岐移送路は、前記シュート面に前記移送方向に沿って配置され前記移送方向の上流側が前記シュート面方向で前記下段の主仕分部に対向した下段の分岐移送ガイドを備た、
加工品仕分装置。
【請求項12】
請求項5の加工品仕分装置であって、
前記移送路は、上段から下段にわたって前記移送方向に順次配置された第1~第4移送路を含み、
前記仕分部は、前記第1~第4移送路に第2仕分部、第3仕分部、第4仕分部、第1仕分部の順に備えられ、
前記第2仕分部は、前記混合物の相対的に小さなサイズの小加工くずを仕分けて排出し前記混合物の大小加工品及び相対的に中程度のサイズの中加工くず及び相対的に大きなサイズの大加工くずを含む大小中大仕分混合物を排出せずに通過させるサイズであり、
前記第3仕分部は、前記大小中大仕分混合物の小加工品を仕分けて排出し前記大加工品及び前記中加工くず及び前記大加工くずを含む大中大仕分混合物を排出せずに通過させるサイズであり、
前記第4仕分部は、前記大中大仕分混合物の前記中加工くずを仕分けて排出し前記大加工品及び前記大加工くずを含む大大仕分混合物を排出せずに通過させるサイズであり、
前記第1仕分部は、前記大大仕分混合物の前記大加工品を仕分けて排出すると共に前記大加工くずを排出せずに通過させるサイズである、
加工品仕分装置。
【請求項13】
請求項12の加工品仕分装置であって、
前記第1~第4移送路は、共通の前記斜面の一方で形成された移送シュートのシュート面を備え、移送シュートのシュート面と、前記移送方向に連繋して直線的に配置された移送ガイドとを備えた、
加工品仕分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円柱状又は円筒状の基本形状を有する加工品と加工くずとを仕分ける加工品仕分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加工品仕分装置としては、例えば、プリント基板を切断、穿孔した際に発生する切粉から、フィラメント状の導電性の金属屑と細粒状の絶縁材料とを仕分けて排出するプリント基板の切粉分離装置がある(特許文献1)。
【0003】
この切粉分離装置では、上部に投入口を有すると共に下部に金属屑用及び絶縁材料用の2つの出口を有する容器の内部に、スクリーンがほぼ水平に配置されている。
【0004】
スクリーンには、多数の長孔が設けられている。このスクリーンは、振動により、上面に載せられた切粉の内の細粒状の絶縁材料を落下させ、フィラメント状の金属屑を球状に丸めて面上を移動させた後に金属屑用の出口に集めるようになっている。
【0005】
しかし、かかる切粉分離装置は、スクリーンが容器の内部にほぼ水平に配置されたものであり、円柱状又は円筒状の加工品の仕分には適さず、仕分けに時間もかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-173981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、基本形状が円柱状又は円筒状の加工品に適さず、仕分に時間がかかる点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、柱状又は筒状の基本形状を有する加工品とこの加工品とはサイズが異なる加工くずとの混合物の供給を受けて振動により移送及び仕分けを行う加工品仕分装置であって、前記混合物の移送方向に対する交差方向で斜面が対峙するように配置され振動により前記移送を行わせる移送路と、前記移送路上に形成された開口を有し前記振動により移送される前記混合物中の前記加工品又は前記加工くずを前記開口により前記移送路から排出するための仕分部と、を備えた加工品仕分装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、基本形状が柱状又は筒状の長尺の加工品を短時間で仕分けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施例1に係る加工品仕分装置の概念図である。
図2図2は、図1の加工品仕分装置に適用される第1仕分部を概念的に示す断面図である。
図3図3は、図1の加工品仕分装置に適用される第2仕分部を概念的に示す断面図である。
図4図4は、図1の加工品仕分装置に適用される仕分部以外の部分を概念的に示す断面図である。
図5図5は、本発明の実施例1に係る加工品仕分装置の斜視図である。
図6図6は、図5の加工品仕分装置の平面図である。
図7図7(A)は、図5の加工品仕分装置の分離部の斜視図、図7(B)は、図7(A)の第1仕分部を拡大して示す斜視図である。
図8図8は、本発明の実施例2に係る加工品仕分装置の概念図である。
図9図9は、図8の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。
図10図10は、本発明の実施例3に係る加工品仕分装置の概念図である。
図11図11は、図10の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。
図12図12は、本発明の実施例4に係る加工品仕分装置の概念図である。
図13図13は、図12の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、仕分けの時間を短縮することを可能にするという目的を以下のように実現した。
【0012】
図のように、加工品仕分装置1は、基本形状が柱状又は筒状の加工品Wとこの加工品Wとはサイズが異なる加工くずCとの混合物の供給を受けて振動により移送及び仕分けを行う。この加工品仕分装置1は、移送路7と、仕分部9とを備える。移送路7は、混合物Mの移送方向に対する交差方向で斜面11、13が対峙するように配置され振動により移送を行わせる。仕分部9は、移送路7上に開口6を有し、振動により移送される混合物M中の加工品W又は加工くずC開口6により移送路7から排出する。
【0013】
移送路7は、移送方向に対する交差方向で斜面が対峙するように配置され振動により移送を行わせる形態であればよく、対峙する斜面の一方が移送シュート15のシュート面11であり、他方が移送シュート15に対し移送方向に沿って配置された移送ガイド17のガイド面13であってもよい。以下、シュート面11は、斜面11であり、ガイド面13は、斜面13であるから、シュート面11及び斜面11間で並びにガイド面13及び斜面13間で符号を共通に用いる。
【0014】
仕分部9は、移送路7に形成した貫通部19を備えた構成としてもよい。特に、貫通部19は、移送ガイド17に形成した凹部としてもよい。
【0015】
移送路7及び仕分部9は、多段に備えられ、仕分部9は、上段、下段においてサイズが異なるように設定されてもよい。
【0016】
上段の仕分部9aは、混合物Mに含まれる相対的に小さなサイズの小加工くずC1を加工品Wと共に含む小仕分混合物M1を仕分けて排出し、混合物Mに含まれる相対的に大きなサイズの大加工くずC2を排出せずに通過させるサイズであってもよい。この場合、下段の仕分部9bは、小仕分混合物M1の小加工くずC1を仕分けて排出し、加工品Wを排出せずに通過させるサイズとする。
【0017】
この場合において、移送路7は、上段、下段において共通の斜面11、13の一方11で形成された移送シュート15のシュート面11a、11bを備えてもよい。上段の移送路7aは、シュート面11に移送方向に沿って配置された上段の移送ガイド17aを備え、下段の移送路7bは、シュート面11に移送方向に沿って配置されて、移送方向の上流側がシュート面11に沿ったシュート面方向で上段の仕分部9aに対向した下段の移送ガイド17bを備えてもよい。
【0018】
他の実施形態として、上段の仕分部9bは、混合物Mに含まれる相対的に小さなサイズの小加工くずC1を仕分けて排出し、混合物Mの相対的に大きなサイズの大加工くずC2を加工品Wと共に含む大仕分混合物Mを排出せずに通過させるサイズであってもよい。これに応じ、下段の仕分部9cは、大仕分混合物Mの加工品Wを仕分けて排出し、大加工くずC2を排出せずに通過させるサイズとする。
【0019】
移送路7は、上段、下段において共通の斜面11、13の一方11で形成された移送シュート15のシュート面11a、11bを備え、上段、下段の移送路7a、7bは、シュート面11に移送方向に沿って連繋して配置された上段、下段の移送ガイド17a、17bを備えてもよい。
【0020】
更に他の実施形態として、上段、下段の移送路7は、主移送路7c、7d及び分岐移送路7ca、7daを含み、上段、下段の仕分部9は、主仕分部9d、9e及び分岐仕分部9da、9eaを含んでもよい。上段の主仕分部9dは、混合物Mの相対的に小さなサイズの小加工品W1及び相対的に小さなサイズの小加工くずC1を含む小仕分混合物M1を仕分けて排出し、混合物Mの相対的に大きなサイズの大加工品W2及び相対的に中程度のサイズの中加工くずC3及び相対的に大きなサイズの大加工くずC2を含む大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させるサイズとしてもよい。下段の主仕分部9eは、上段の主仕分部9dを通過した大中大仕分混合物M3の中加工くずC3及び大加工品W2を含む中大仕分混合物M4を仕分けて排出し、大加工くずC2を排出せずに通過させるサイズとしてもよい。上段の分岐仕分部9daは、上段の主仕分部9dから排出された小仕分混合物M1の小加工くずC1を仕分けて排出し、小加工品W1を通過させるサイズとしてもよい。下段の分岐仕分部9eaは、下段の主仕分部9eから排出された中大仕分混合物M4の中加工くずC3を仕分けて排出し、大加工品W2を通過させるサイズとしてもよい。
【0021】
この場合において、移送路7は、上段、下段において共通の斜面11、13の一方11で形成された移送シュート15のシュート面11a、11bを備え、上段、下段の主移送路7c、7dは、移送方向に連繋しシュート面11に配置された上段、下段の主移送ガイド17c、17dを備えてもよい。上段の分岐移送路7caは、シュート面方向でシュート面11に移送方向に沿って配置されて移送方向の上流側がシュート面方向で上段の主仕分部9dに対向した上段の分岐移送ガイド17caを備えてもよい。さらに、下段の分岐移送路7daは、シュート面11に移送方向に沿って配置され移送方向の上流側がシュート面方向で下段の主仕分部9eに対向した下段の分岐移送ガイド17daを備えてもよい。
【0022】
更に他の実施形態として、移送路7は、上段から下段にわたって移送方向に順次配置された第1~第4移送路7f、7g、7h、7iを含んでもよい。この場合、上段、下段の仕分部9は、第1~第4移送路7f、7g、7h、7iに第2仕分部9g、第3仕分部9h、第4仕分部9i、第1仕分部9fの順に備えられる。第2仕分部9gは、混合物Mの相対的に小さなサイズの小加工くずC1を仕分けて排出し、混合物Mの大小加工品W2、W1及び相対的に中程度のサイズの中加工くずC3及び相対的に大きなサイズの大加工くずC2を含む大小中大仕分混合物M5を排出せずに通過させるサイズである。第3仕分部9hは、大小中大仕分混合物M5の小加工品W1を仕分けて排出し、大加工品W2及び中加工くずC3及び大加工くずC2を含む大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させるサイズである。第4仕分部9iは、大中大仕分混合物M3の中加工くずC3を仕分けて排出し、大加工品W2及び大加工くずC2を含む大大仕分混合物M6を排出せずに通過させるサイズである。第1仕分部9fは、大大仕分混合物M6の大加工品W2を仕分けて排出すると共に大加工くずC2を排出せずに通過させるサイズである。
【実施例0023】
図1は、本発明の実施例1に係る加工品仕分装置の概念図である。図2は、図1の加工品仕分装置に適用される第1仕分部を概念的に示す断面図である。図3は、図1の加工品仕分装置に適用される第2仕分部を概念的に示す断面図である。図4は、図1の加工品仕分装置に適用される仕分部以外の部分を概念的に示す断面図である。図中Xは、移送方向、Yは、移送交差方向、Zは、重力方向である。移送方向は、加工品や加工くずである切粉を移送する方向、及び移送交差方向は、移送方向に対する交差方向、重力方向は、重力の方向をいう。
【0024】
図1のように、加工品仕分装置1は、加工品W及び加工くずである切粉Cの混合物Mの供給を受けて振動により移送及び仕分けを行う。
【0025】
本実施例の加工品Wは、例えば回路基板の導通検査に用いられるプローブ用のものとしている。この加工品Wは、基本形状が長尺の円筒状であり、鍔及び爪等の他、外周にフランジを備えている。この加工品Wは、100μm~1000μm程度の径、径より大きい長さを有するサイズである。
【0026】
ただし、加工品Wは、基本形状が柱状や筒状の長尺部材であれば種々の形状を採用することができる。例えば、加工品Wは、円柱状、多角形筒状、或いは多角形柱状の基本形状に鍔や爪等を備え、又は円柱状、多角形筒状、或いは多角形柱状の基本形状そのものであってもよい。
【0027】
本実施例の切粉Cは、加工品Wを旋削加工したときのものである。切粉Cは、相対的に小さな小切粉C1、相対的に大きな大切粉C2が混在している。なお、切粉Cは、旋削加工時のものに限られず、他の切削や穿孔時の加工時のものであってもよい。
【0028】
かかる切粉Cは、旋削によって螺旋状に削り出され、加工品Wから離れると丸まった固まり(粒状)になる傾向がある。小切粉C1は、加工品Wの径方向寸法以下の大きさの固まりであり、大切粉C2は、加工品Wの径方向寸法を超える大きさの固まりである。加工品Wの径方向寸法は、最も大きい部分での径方向の寸法をいい、本実施例においてフランジでの外径寸法である。
【0029】
加工品仕分装置1は、挿入部3及び分離部5を備えている。
【0030】
挿入部3は、混合物Mを収容し、振動により混合物Mをバラしながら分離部5へ供給する。分離部5は、混合物Mを受けて移送しながら、加工品Wと切粉C1、C2とを仕分ける分離を行う。
【0031】
分離部5は、図1図4のように、移送路7及び仕分部9を備えている。
【0032】
移送路7は、混合物Mの移送交差方向で斜面11、13が対峙するように配置され、振動により混合物Mの移送を行わせる。移送路7は、移送方向の前方へ向けて下方に傾斜するのが好ましい。ただし、移送路7の振動により混合物Mの移送が可能である限り、移送路7の傾斜はなくてもよい。
【0033】
移送路7は、移送シュート15に移送ガイド17が取り付けられて構成され、全体として後述するように振動されるようになっている。移送シュート15は、斜面11を有する移送方向に沿った長尺部材であり、移送ガイド17は、移送シュート15に取り付けられ、斜面13を有する移送方向に沿った長尺部材である。
【0034】
なお、移送シュート15及び移送ガイド17は、斜面11及び13を有するものであればよく、具体的形状は問わない。また、移送ガイド17は、移送シュート15に一体に形成してもよい。
【0035】
移送路7は、対峙する斜面11、13によってV字状に形成されている。対峙する斜面11、13は、下縁で相互に連続するが、下縁に僅かな隙間を有してもよい。なお、移送シュート15と移送ガイド17を一体に形成する場合は、例えば移送シュート15を矩形ブロック状とし、移送路7をV字状の溝によって形成してもよい。
【0036】
斜面11、13は、平坦な面であり、斜面11、13の一方11は、移送シュート15のシュート面であり、同他方13は、移送シュート15に対し移送方向に沿って配置された移送ガイド17のガイド面である。シュート面11は、これに沿って加工品W、小切粉C1、及び大切粉C2を下方へ排出させる面であり、ガイド面13は、加工品W、小切粉C1、及び大切粉C2の下方への排出を抑制して移送をガイドする面である。以下、シュート面11又は斜面11、ガイド面13又は斜面13を場合に応じて用いる。
【0037】
シュート面11及びガイド面13は、斜面11、13に応じて平坦面であるが、混合物Mの移送を可能とするものであれば、曲面を含んでもよい。
【0038】
本実施例の移送路7は、多段に備えられ、上段の第1移送路7a及び下段の第2移送路7bを有する。第1移送路7a及び第2移送路7bにおいて、シュート面11、ガイド面13、移送ガイド17は、それぞれ第1シュート面11a及び第2シュート面11b、第1ガイド面13a及び第2ガイド面13b、並びに第1移送ガイド17a及び第2移送ガイド17bと称する。
【0039】
なお、上段及び下段は、本実施例において物理的に重力方向の上側の段と下側の段とであるが、仕分の過程における上段及び下段であればよく、必ずしも物理的なものを意味するわけではない。
【0040】
仕分部9は、移送路7に形成された開口6を有し、振動により移送される混合物M中の加工品W又は切粉C1、C2を開口6により移送と7から排出する部分である。本実施例の仕分部9は、移送路7に形成した貫通部19を備えて構成されている。
【0041】
貫通部19は、移送ガイド17に形成された凹部21で形成されている。凹部21は、移送シュート15のシュート面11との間にシュート面11に沿ったシュート面方向の貫通孔を構成する。貫通部19は、移送路7を構成するガイド面13上に開口する。凹部21の移送方向の両側では、移送ガイド17の面がシュート面11に当接するが、僅かな隙間を有してもよい。
【0042】
なお、移送ガイド17を移送シュート15と一体に構成した場合、移送ガイド17に貫通孔を設けて貫通部19を構成してもよい。また、移送ガイド17と移送シュート15とが一体か別体かに拘わらず、貫通部19は、移送路7のシュート面11に形成し、又はシュート面11から移送シュート15を貫通して設け、若しくはシュート面11及びガイド面13間に渡るように形成してもよい。仕分部9は、貫通部19に代えて貫通しない溝を備え、加工品W等を回収するように構成してもよい。
【0043】
仕分部9は、移送路7と同様に、多段に備えられ、上段、下段においてサイズが異なるように設定されている。なお、混合物Mが大切粉C2又は小切粉C1の一方を含まない場合は、加工品Wと大切粉C2又は小切粉C1とを1段の仕分部9で仕分けることもできる。
【0044】
図1図2のように、上段の第1仕分部9aは、混合物Mに含まれる相対的に大きなサイズの大切粉C2を排出せずに通過させ、小仕分混合物M1を仕分けて排出するサイズである。小仕分混合物M1は、混合物Mに含まれる相対的に小さなサイズの小切粉C1及び加工品Wを含む。
【0045】
第1仕分部9aのサイズは、第1仕分部9aの貫通部19aの移送方向の長さ及び第1ガイド面13aに沿ったガイド面方向の幅、つまり第1移送ガイド17aの第1ガイド面13a上での開口6aの長さ及び幅で特定される。貫通部19aの長さは、加工品Wの長さ寸法よりも大きく設定され、同幅は、加工品Wの径方向寸法よりも大きく設定され、大切粉C2の固まりの大きさよりも小さく設定されている。
【0046】
図1図3のように、下段の第2仕分部9bは、加工品Wを排出せずに通過させ、小仕分混合物M1の小切粉C1を仕分けて排出するサイズである。
【0047】
第2仕分部9bのサイズは、第2仕分部9bの貫通部19bの移送方向の長さ及びガイド面方向の幅、第2移送ガイド17bの第2ガイド面13b上での開口6bの長さ及び幅で特定される。貫通部19bの幅は、加工品Wの径方向寸法よりも小さく設定され、小切粉C1の固まりの大きさよりも大きく設定されている。
【0048】
図1図4のように、仕分部9以外の箇所では、シュート面11(11a、11b)及びガイド面13(13a、13b)が直交するように接続されている。シュート面11及びガイド面13間の角度は、適宜設定することが可能である。なお、図4において、仕分部9以外の箇所では、仕分けの状況に応じて加工品W、小切粉C1、大切粉C2の存在の有無が異なるが、説明の便宜上、加工品W、小切粉C1、大切粉C2を全て図示している。
【0049】
かかる構成の分離部5では、挿入部3から順次供給された混合物Mが第1移送路7aに受けられ、振動により混合物Mが第1移送路7a上を移送方向の下流側へ移動する。
【0050】
第1移送路7aの振動により混合物Mの中で比重の大きな加工品Wが図4のようにV状の下部に移動しながら第1移送路7aに沿って下流へ移送される。
【0051】
この移送時に加工品Wは、図1図3図4のように長手方向が移送方向に沿った姿勢となり、径方向においてガイド面13に当接する傾向となり易い。
【0052】
そして、図1及び図2のように、加工品Wを含む混合物Mが第1移送路7aを移動して第1仕分部9aに至ると、小仕分混合物M1が第1仕分部9aの貫通部19aに落ち込むように通り、第2移送路7bへ小仕分混合物M1が引き継がれる。小仕分混合物M1の大切粉C2は、第1仕分部9aの貫通部19aには落ち込まずに貫通部19a上を通過し、加工品仕分装置1外へ排出される。
【0053】
図1図3のように、第2移送路7bへ引き継がれた小仕分混合物M1は、第2移送路7bの振動により第2移送路7b上を移動する。このときも、第2移送路7bの振動により小仕分混合物M1の中で比重の大きな加工品WがV状の下部に移動しながら第2移送路7bに沿って下流へ移送される。
【0054】
小仕分混合物M1が第2移送路7bを移動して第2仕分部9bに至ると、小切粉C1が第2仕分部9bの貫通部19bに落ち込むように通り、小切粉C1が加工品仕分装置1外へ排出される。小仕分混合物M1の加工品Wは、第2仕分部9bの貫通部19bには落ち込まずに貫通部19b上を通過し、加工品仕分装置1外へ排出される。
【0055】
図5は、実施例1に係る加工品仕分装置1の具体構成を示す斜視図である。図6は、図5の加工品仕分装置の平面図である。図7(A)は、図5の加工品仕分装置の分離部の斜視図、図7(B)は、図7(A)の第1仕分部を拡大して示す斜視図である。
【0056】
図5及び図6のように、加工品仕分装置1の挿入部3及び分離部5は、ベースB上に取り付けられている。
【0057】
本実施例の挿入部3は、ボール31及び振動発生部33で構成されている。
【0058】
ボール31は、内部に螺旋状のトラック35を備えている。トラック35は、ボール31の底部側から側部の接続口37へ至るように形成されている。
【0059】
振動発生部33は、例えばコア及び電磁石を備え、通電によりボール31にねじり振動を与える。なお、振動の形態は自由である。
【0060】
従って、振動発生部33によりボール31にねじり振動が働くと、ボール31に収容された混合物Mがボール31内でバラけるようにしてトラック35にガイドされる。
【0061】
混合物Mは、概ねバラけてトラック35に沿って移動し、接続口37から分離部5に供給される。
【0062】
分離部5は、移送シュート15及び移送ガイド17を備え、移送シュート15が振動発生部39に取り付けられている。
【0063】
移送路7は、シュート面11が移送交差方向に対して下降傾斜し、移送方向に延設されている。シュート面11は、移送シュート15の設定により移送方向に若干傾斜するようにして振動発生部39に取り付けられるのが好ましい。この移送シュート15のシュート面11は、上段、下段のシュート面11a、11bを共通に構成する。
【0064】
上段の移送ガイドである第1移送ガイド17aは、シュート面方向で斜面11の中間部に配置されている。下段の移送ガイドである第2移送ガイド17bは、シュート面方向で斜面11の下部に配置されている。第2移送ガイド17bは、移送方向で上流側が上段の第1仕分部9aの貫通部19aにシュート面11に沿ったシュート面方向で対向している。
【0065】
第1仕分部9aに対しシュート面11のシュート面方向の下方の真下に第2移送ガイド17bの移送方向の上流側が位置する。ただし、シュート面11に傾斜方向のガイドが備えられて、第1仕分部9aに対しシュート面11の傾斜下方の真下からずれた位置に第2移送ガイド17bの移送方向の上流側が位置してもよい。
【0066】
移送方向で第2移送ガイド17bの下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、加工品Wの排出回収側に連繋される。移送シュート15には、貫通部19bに対応して排出用凹部41が形成されている。排出用凹部41は、小切粉C1の排出回収側に連繋される。
【0067】
シュート面11には、溝状の排出レーン43が形成されている。排出レーン43は、上流側の端部が上段の第1移送ガイド17aの下流側の端部に移送方向で連繋するように備えられている。排出レーン43は、移送方向で下流側に延設されている。排出レーン43の下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、開放されている。この開放により排出レーン43の下流側の端部は、大切粉C2の排出回収側に連繋される。
【0068】
振動発生部39は、例えばコア及び電磁石を備え、通電により移送シュート15に移送用の振動を与える。なお、振動の形態は自由である。
【0069】
かかる構成の分離部5は、第1移送路7aの上流側の端部が、挿入部3の接続口37に連繋して配置されている。この端部に振動発生部39引き継がれた混合物Mが、図1図4のように第1移送路7aを下流側へ移動し、第1仕分部9aに至る。混合物Mは、第1仕分部9aの貫通部19aで上記の図1図2のように仕分けられる。第1仕分部9aで第2移送路7bへ仕分け排出された小仕分混合物M1は、第2仕分部9bで上記の図1図3のように仕分けられる。
【0070】
従って、加工品W、小切粉C1、及び大切粉C2は、仕分けられて別々に排出されて回収が行われる。
【0071】
以上説明したように、本発明実施例1の加工品仕分装置1では、移送路7において、加工品Wが振動を受けてV状の斜面11、13間で移送方向に沿った姿勢となり、斜面11、13により加工品Wの移送が確実にガイドされる。
【0072】
ガイドされた加工品Wは、移送状態から開口6を介して仕分部9での排出状態へと直ちに遷移させて確実に仕分けることができ、基本形状が円筒状の長尺の加工品Wを短時間で仕分けることが可能となる。
【0073】
移送路7は、対峙する斜面11、13の一方11が移送シュート15のシュート面であり、同他方13が移送シュート15に対し移送方向に沿って配置された移送ガイド17のガイド面である。従って、仕分の時間を短縮できる移送路7を簡単に形成することができる。
【0074】
本実施例では、仕分部9が移送路7に形成した貫通部19を備えている。従って、貫通部19の大きさを設定することで移送路7の斜面11、13でガイドされた加工品Wを、移送状態から仕分部9での排出状態へとより確実に遷移させて確実に仕分けることができる。
【0075】
貫通部19は、移送ガイド17に形成され移送シュート15に対向する凹部21で形成されている。従って、移送ガイド17が凹部21を備えるだけで貫通部19を形成することができ、貫通部19のサイズの設定等を容易に行わせることができる。
【0076】
移送路7及び仕分部9は、多段に備えられ、仕分部9は、上段、下段においてサイズが異なるように設定されている。このため、混合物Mの加工品Wと小切粉C1と大切粉C2とに応じて多段を設定することで、これらを確実に仕分けることができる。
【0077】
上段の仕分部である第1仕分部9aは、小仕分混合物M1を仕分けて排出し、混合物Mに含まれる相対的に大きなサイズの大切粉C2を排出せずに通過させるサイズである。下段の仕分部である第2仕分部9bは、小仕分混合物M1の小切粉C1を仕分けて排出し、加工品Wを排出せずに通過させるサイズである。このため、容易に多段化を実現することができる。
【0078】
移送路7は、上段の第1移送ガイド17aがシュート面方向でシュート面11の中間部に配置され、下段の第2移送ガイド17bは、シュート面方向でシュート面11の下部に配置されて移送方向の上流側がシュート面方向で上段の第1仕分部9aに対向している。移送交差方向でシュート面11の中間部に、溝状の排出レーン43が備えられている。排出レーン43の上流側の端部は、上段の第1移送ガイド17aの下流側の端部に移送方向で連繋するように備えられる。
【0079】
従って、小仕分混合物M1の大小切粉C2、C1と加工品Wとを並列して仕分けることができ、装置の全長を短くすることができる。また、移送シュート15の全長が短いので、仕分の時間を短縮することができる。
【実施例0080】
図8は、本発明の実施例2に係る加工品仕分装置の概念図である。図9は、図8の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。なお、本実施例2は、基本的な構成が実施例1と同様であり、実施例1と同一又は対応する構成部分に同符号を付して説明し、重複した説明を省略する。
【0081】
図8図9のように、実施例2の加工品仕分装置1では、移送路7が上段の第1移送路7a及び下段の第2移送路7bを移送方向で連繋して直線的に備えている。シュート面11は、上段、下段のシュート面である第1、第2シュート面11a、11bを移送方向に連続させて共通に構成されている。
【0082】
仕分部9は、上段が第2仕分部9bであり、下段が第1仕分部9cである。
【0083】
第2仕分部9bの貫通部19bは、混合物Mに含まれる小切粉C1を仕分けて排出し、大仕分混合物M2を排出せずに通過させるサイズである。大仕分混合物M2は、混合物Mの大切粉C2を加工品Wと共に含む。第1仕分部9cの貫通部19cは、大仕分混合物M2の加工品Wを仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させるサイズである。
【0084】
本実施例の加工品仕分装置1は、直線的に配置された上段の第1移送路7a及び下段の第2移送路7bに応じて、移送シュート15に第1、第2仕分部9c、9bが移送方向で間隔をあけて同列上に配置されている。その他は、実施例1と同様である。
【0085】
かかる構成の本実施例の加工品仕分装置1では、混合物Mが第1移送路7aを下流側へ移動し、第2仕分部9bに至る。第2仕分部9bの貫通部19bでは、混合物Mに含まれる小切粉C1を仕分けて排出し、大仕分混合物M2は排出せずに通過させる。
【0086】
大仕分混合物M2は、第1、第2移送ガイド17a、17bの直線的な連係により第1移送路7aから第2移送路7bへ移送され、第1仕分部9cに至る。第1仕分部9cの貫通部19cでは、大仕分混合物M2の加工品Wを仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させる。
【0087】
従って、加工品W、小切粉C1、及び大切粉C2は、仕分けられて別々に排出されて回収が行われる。
【0088】
このように、本実施例の加工品仕分装置1では、移送シュート15の移送交差方向の幅を小さくすることができる。また、混合物Mを直線的に移送して仕分けることができ、実施例1で示した排出レーン43が不要となる。その他、本実施例2においても実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
【実施例0089】
図10は、本発明の実施例3に係る加工品仕分装置の概念図である。図11は、図10の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。なお、本実施例3は、基本的な構成が実施例1と同様であり、実施例1と同一又は対応する構成部分に同符号を付して説明し、重複した説明を省略する。
【0090】
図10図11のように、実施例3の加工品仕分装置1では、上段、下段の移送路7が、それぞれ主移送路である第1、第2主移送路7c、7d及び分岐移送路である第1、第2分岐移送路7ca、7daを含む。
【0091】
シュート面11は、上段、下段のシュート面である第1、第2シュート面11a、11bを共通に備えている。このシュート面11の上側中間部に、上段、下段の第1、第2主移送路7c、7dの一体の第1、第2主移送ガイド17c、17dが移送方向に連繋して直線的に配置されている。
【0092】
上段の第1分岐移送路7caの第1分岐移送ガイド17caは、シュート面方向でシュート面11の下部に配置されている。第1分岐移送ガイド17caの移送方向の上流側は、シュート面方向で上段の第1仕分部9dに対向している。
【0093】
下段の第2分岐移送路7daの第2分岐移送ガイド17daは、シュート面方向でシュート面11の下側中間部に配置されている。第2分岐移送ガイド17daの移送方向の上流側は、シュート面方向で下段の第3仕分部9eに対向している。
【0094】
移送方向で第2主移送ガイド17dの下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、大切粉C2の排出回収側に連繋されている。第1分岐移送ガイド17caの下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、小加工品W1の排出回収側に連繋されている。第2分岐移送ガイド17daの下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、大加工品W2の排出回収側に連繋されている。
【0095】
シュート面11の下側中間部に、溝状の分岐排出レーン45を備えている。分岐排出レーン45は、その上流側の端部が下段の第4分岐仕分部9eaに連繋するように備えられている。
【0096】
上段、下段の仕分部9は、主仕分部である第1、第3仕分部9d、9e及び分岐仕分部である第2、第4仕分部9da、9eaを含む。第1、第3仕分部9d、9eは、第1、第2主移送ガイド17c、17dに応じて移送方向で間隔をあけて同列上に配置されている。第2、第4分岐仕分部9da、9eaは、第1分岐移送路7ca、第2分岐移送路7daに応じて第1、第3仕分部9d、9eに対して並列に配置されている。
【0097】
本実施例の混合物Mは、小加工品W1、大加工品W2、小切粉C1、大切粉C2、中切粉C3を含む。小加工品W1は、相対的に小さく、大加工品W2は、相対的に大きいサイズを有する。中切粉C3は、小切粉C1よりも大きく大切粉C2よりも小さい、相対的に中程度のサイズを有する。また、中切粉C3は、小加工品W1よりも大きく、大加工品W2よりも小さい。
【0098】
上段の第1仕分部9dの貫通部19dは、混合物Mから小仕分混合物M1を仕分けて排出し、大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させるサイズである。小仕分混合物M1は、小加工品W1及び小切粉C1を含む。大中大仕分混合物M3は、大加工品W2及び中切粉C3並びに大切粉C2を含む。
【0099】
下段の第3仕分部9eの貫通部19eは、大中大仕分混合物M3から中大仕分混合物M4を仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させるサイズである。中大仕分混合物M4は、中切粉C3及び大加工品W2を含む。
【0100】
上段の第2仕分部9daの貫通部19daは、上段の第1仕分部9dから排出された小仕分混合物M1の小切粉C1を仕分けて排出し、小加工品W1を通過させるサイズである。
【0101】
下段の第4仕分部9eaの貫通部19eaは、下段の第3仕分部9eから排出された中大仕分混合物M4の中切粉C3を仕分けて排出し、大加工品W2を通過させるサイズである。
【0102】
かかる構成の本実施例の加工品仕分装置1では、第1主移送路7cに引き継がれた混合物Mが第1主移送路7cを下流側へ移動し、第1仕分部9dに至る。
【0103】
上段の第1仕分部9dでは、混合物Mから小仕分混合物M1を仕分けて排出し、大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させる。
【0104】
下段の第3仕分部9eは、大中大仕分混合物M3から中大仕分混合物M4を仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させる。
【0105】
上段の第2仕分部9daは、上段の第1仕分部9dから排出された小仕分混合物M1の小切粉C1を仕分けて排出し、小加工品W1を通過させる。
【0106】
下段の第4仕分部9eaは、下段の第3仕分部9eから排出された中大仕分混合物M4の中切粉C3を仕分けて排出し、大加工品W2を通過させる。
【0107】
従って、小加工品W1、大加工品W2、小切粉C1、中切粉C3、及び大切粉C2は、仕分けられて別々に排出されて回収が行われる。
【0108】
このように、本実施例の加工品仕分装置1では、小加工品W1、大加工品W2、小切粉C1、大切粉C2、及び中切粉C3の混合物Mから小加工品W1、大加工品W2を短時間で確実に仕分けることができる。
【0109】
また、本実施例では、第1、第2主移送路7c、7d及び第1、第3仕分部9e、9eが直列的に多段に備えられ、第1主移送路7cが第1分岐移送路7ca、第2主移送路7dが第2分岐移送路7daを備えても、移送シュート15の移送交差方向の幅を小さくすることができる。
【0110】
また、第1、第2主移送路7c、7d及び第1、第3仕分部9e、9eが直列的に多段に備えられているため、混合物M等の流れが円滑となり、仕分の時間を短縮することが可能となる。
【0111】
その他、本実施例3においても実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
【実施例0112】
図12は、本発明の実施例4に係る加工品仕分装置の概念図である。図13は、図12の加工品仕分装置の分離部の斜視図である。なお、本実施例4は、基本的な構成が実施例1、3と同様であり、実施例1、3と同一又は対応する構成部分に同符号を付して説明し、重複した説明を省略する。
【0113】
図12図13のように、実施例4の加工品仕分装置1は、移送路7が、上段から下段にわたって移送方向に直列的に順次配置された第1、第2、第3、第4移送路7f、7g、7h、7iを含む。
【0114】
本実施例において、シュート面11は、上段から下段にわたるシュート面である第1、第2シュート面11f、11gを共通に備えている。このシュート面11に、上段、下段の移送ガイドである第1、第2、第3、第4移送ガイド17f、17g、17h、17iが、この順で移送方向に連繋して直線的に一体に配置されている。
【0115】
移送方向で第4移送ガイド17iの下流側の端部は、移送シュート15の下流側の端部に至り、大切粉C2の排出回収側に連繋されている。
【0116】
仕分部9は、第1、第2、第3、第4移送ガイド17f、17g、17h、17iに、第2、第3、第4、第1仕分部9g、9h、9i、9fがこの順に移送方向で間隔をあけて同列上に配置されている。仕分部9は、上段が第2仕分部9gであり、下段が第3、第4、第1仕分部9h、9i、9fである。
【0117】
実施例3と同様に、混合物Mは、小加工品W1、大加工品W2、小切粉C1、大切粉C2、中切粉C3を含む。
【0118】
第2仕分部9gの貫通部19gは、混合物Mの小切粉C1を仕分けて排出し、大小中大仕分混合物M5を排出せずに通過させるサイズである。大小中大仕分混合物M5は、混合物Mの大小加工品W2、W1及び中切粉C3及び大切粉C2を含む。
【0119】
第3仕分部9hの貫通部19hは、大小中大仕分混合物M5の小加工品W1を仕分けて排出し、大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させるサイズである。大中大仕分混合物M3は、大加工品W2及び中切粉C3及び大切粉C2を含む。
【0120】
第4仕分部9iの貫通部19iは、大中大仕分混合物M3の中切粉C3を仕分けて排出し、大大仕分混合物M6を排出せずに通過させるサイズである。大大仕分混合物M6は、大加工品W2及び大切粉C2を含む。
【0121】
第1仕分部9fの貫通部19fは、大大仕分混合物M6の大加工品W2を仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させるサイズである。
【0122】
かかる構成の本実施例の加工品仕分装置1では、第1移送路7fに引き継がれた混合物Mが第1移送路7fを下流側へ移動し、第2仕分部9gに至る。
【0123】
上段の第2仕分部9gでは、小切粉C1を仕分けて排出し、大小中大仕分混合物M5を排出せずに通過させる。
【0124】
下段の第3仕分部9hは、大小中大仕分混合物M5から小加工品W1を仕分けて排出し、大中大仕分混合物M3を排出せずに通過させる。
【0125】
次の下段の第4仕分部9iは、大中大仕分混合物M3から中切粉C3を仕分けて排出し、大大仕分混合物M6を排出せずに通過させる。
【0126】
さらに下段の第1仕分部9fは、大大仕分混合物M6から大加工品W2を仕分けて排出し、大切粉C2を排出せずに通過させる。
【0127】
従って、小加工品W1、大加工品W2、小切粉C1、中切粉C3、及び大切粉C2は、仕分けられて別々に排出されて回収が行われる。
【0128】
このように、本実施例の加工品仕分装置1では、移送路7及び仕分部9が多段に備えられても、移送シュート15の移送交差方向の幅を小さくすることができる。
【0129】
その他、本実施例4においても実施例1、3と同様な作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 加工品仕分装置
3 挿入部
5 分離部
7 移送路
9 仕分部
11 斜面(シュート面)
13 斜面(ガイド面)
15 移送シュート
17 移送ガイド
19 貫通部
39 移送振動発生部
43 排出レーン
45 分岐排出レーン
C 切粉
M 混合物
W 加工品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13