IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-CMOS回路 図1
  • 特開-CMOS回路 図2
  • 特開-CMOS回路 図3
  • 特開-CMOS回路 図4
  • 特開-CMOS回路 図5
  • 特開-CMOS回路 図6
  • 特開-CMOS回路 図7
  • 特開-CMOS回路 図8
  • 特開-CMOS回路 図9
  • 特開-CMOS回路 図10
  • 特開-CMOS回路 図11
  • 特開-CMOS回路 図12
  • 特開-CMOS回路 図13
  • 特開-CMOS回路 図14
  • 特開-CMOS回路 図15
  • 特開-CMOS回路 図16
  • 特開-CMOS回路 図17
  • 特開-CMOS回路 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049771
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】CMOS回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20240403BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240403BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H01L29/78 613A
H01L29/78 618B
H01L27/092 G
H01L27/088 331E
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156207
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 賢治
【テーマコード(参考)】
5F048
5F110
【Fターム(参考)】
5F048AB03
5F048AB04
5F048AC04
5F048BA14
5F048BA19
5F048BB02
5F048BC18
5F048BF16
5F048CB01
5F110AA01
5F110BB02
5F110BB04
5F110BB11
5F110CC01
5F110CC02
5F110EE30
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG32
5F110HJ01
5F110HJ13
5F110NN77
5F110NN78
5F110QQ11
(57)【要約】
【課題】 製造時間及び製造コストを抑制可能であり、占有面積を減少させることができ、応答の速い高性能なCMOS回路を提供する。
【解決手段】 CMOS回路は、多結晶珪素層を有するpチャネル型トランジスタと、酸化物半導体層を有するnチャネル型トランジスタと、を備え、前記pチャネル型トランジスタ及び前記nチャネル型トランジスタは、相補的に接続され、前記多結晶珪素層及び前記酸化物半導体層が、平面視で重畳している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶珪素層を有するpチャネル型トランジスタと、
酸化物半導体層を有するnチャネル型トランジスタと、
を備え、
前記pチャネル型トランジスタ及び前記nチャネル型トランジスタは、相補的に接続され、
前記多結晶珪素層及び前記酸化物半導体層が、平面視で重畳している、CMOS回路。
【請求項2】
前記pチャネル型トランジスタの前記多結晶珪素層は、p型を付与する不純物を含む、請求項1に記載のCMOS回路。
【請求項3】
前記CMOS回路は、1つの前記pチャネル型トランジスタ及び1つの前記nチャネル型トランジスタを備える、インバータである、請求項1に記載のCMOS回路。
【請求項4】
前記pチャネル型トランジスタの第1ドレイン電極は、前記多結晶珪素層に接続されており、
前記nチャネル型トランジスタの第2ドレイン電極は、前記酸化物半導体層及び前記第1ドレイン電極に接続されている、請求項3に記載のCMOS回路。
【請求項5】
前記nチャネル型トランジスタのドレイン電極は、前記酸化物半導体層及び前記多結晶珪素層に接続されている、請求項3に記載のCMOS回路。
【請求項6】
前記pチャネル型トランジスタのゲート電極及び前記nチャネル型トランジスタのゲート電極は、平面視で重畳している、請求項3に記載のCMOS回路。
【請求項7】
前記CMOS回路は、NORゲートであり、
前記NORゲートは、
2つの前記pチャネル型トランジスタである、第1pチャネル型トランジスタ及び第2pチャネル型トランジスタと、
2つの前記nチャネル型トランジスタである、第1nチャネル型トランジスタ及び第2nチャネル型トランジスタと、
を備える、請求項1に記載のCMOS回路。
【請求項8】
前記第1pチャネル型トランジスタ及び前記第2pチャネル型トランジスタは、前記多結晶珪素層を共有する、請求項7に記載のCMOS回路。
【請求項9】
前記第2pチャネル型トランジスタの第1ドレイン電極は、前記多結晶珪素層に接続されており、
前記第2nチャネル型トランジスタの第2ドレイン電極は、前記第1nチャネル型トランジスタの前記酸化物半導体層及び前記第1ドレイン電極に接続されている、請求項8に記載のCMOS回路。
【請求項10】
前記第2nチャネル型トランジスタの第1ドレイン電極は、前記第2nチャネル型トランジスタの前記酸化物半導体層及び前記多結晶珪素層に接続されている、請求項8に記載のCMOS回路。
【請求項11】
前記第1pチャネル型トランジスタの第1ゲート電極、及び、前記第1nチャネル型トランジスタの第2ゲート電極は、平面視で重畳しており、
前記第2pチャネル型トランジスタの第3ゲート電極、及び、前記第2nチャネル型トランジスタの第4ゲート電極は、平面視で重畳している、請求項8に記載のCMOS回路。
【請求項12】
前記CMOS回路は、NANDゲートであり、
前記NANDゲートは、
2つの前記pチャネル型トランジスタである、第1pチャネル型トランジスタ及び第2pチャネル型トランジスタと、
2つの前記nチャネル型トランジスタである、第1nチャネル型トランジスタ及び第2nチャネル型トランジスタと、
を備える、請求項1に記載のCMOS回路。
【請求項13】
前記第1nチャネル型トランジスタ及び前記第2nチャネル型トランジスタは、前記酸化物半導体層を共有する、請求項12に記載のCMOS回路。
【請求項14】
前記第2pチャネル型トランジスタの第1ドレイン電極は、前記第2pチャネル型トランジスタの前記多結晶珪素層に接続されており、
前記第2nチャネル型トランジスタの第2ドレイン電極は、前記酸化物半導体層及び前記第1ドレイン電極に接続されている、請求項13に記載のCMOS回路。
【請求項15】
前記第2nチャネル型トランジスタの第1ドレイン電極は、前記第2nチャネル型トランジスタの前記酸化物半導体層及び前記多結晶珪素層に接続されている、請求項13に記載のCMOS回路。
【請求項16】
前記第1pチャネル型トランジスタの第1ゲート電極、及び、前記第1nチャネル型トランジスタの第2ゲート電極は、平面視で重畳しており、
前記第2pチャネル型トランジスタの第3ゲート電極、及び、前記第2nチャネル型トランジスタの第4ゲート電極は、平面視で重畳している、請求項13に記載のCMOS回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、CMOS回路及びそれを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)と、酸化物半導体TFTとを、一つの回路に組み込む技術が実用化されている。例えば、低温ポリシリコンTFTと酸化物半導体TFTとを含む画素回路が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-77412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、製造時間及び製造コストを抑えることが可能なCMOS回路及び表示装置を提供する。
また本実施形態は、回路面積が減少したCMOS回路を得ることが可能である。
さらに本実施形態は、スイッチング応答の速い高性能のCMOS回路を得ることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るCMOS回路は、
多結晶珪素層を有するpチャネル型トランジスタと、
酸化物半導体層を有するnチャネル型トランジスタと、
を備え、
前記pチャネル型トランジスタ及び前記nチャネル型トランジスタは、相補的に接続され、
前記多結晶珪素層及び前記酸化物半導体層が、平面視で重畳している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態1の表示装置の概略的な構成の一例を示す平面図である。
図2図2は、実施形態1のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。
図3図3は、インバータの回路記号を示す図である。
図4図4は、インバータの回路記号を示す図である。
図5図5は、実施形態1のインバータの平面図である。
図6図6は、図5に示す線A1-A2に沿ったインバータの断面図である。
図7図7は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。
図8図8は、図7に示す線B1-B2に沿ったインバータの断面図である。
図9図9は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。
図10図10は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。
図11図11は、実施形態2のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。
図12図12は、NORゲートの回路記号を示す図である。
図13図13は、実施形態2のNORゲートの平面図である。
図14図14は、実施形態2のNORゲートの他の構成例を示す平面図である。
図15図15は、実施形態3のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。
図16図16は、NANDゲートの回路記号を示す図である。
図17図17は、実施形態3のNANDゲートの平面図である。
図18図18は、実施形態3におけるNANDゲートの他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
本明細書で述べる実施形態は、一般的なものでなく、本発明の同一又は対応する特別な技術的特徴について説明する実施形態である。以下、図面を参照しながら一実施形態に係るCMOS回路について詳細に説明する。
【0009】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。なお第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを、それぞれ、X方向、Y方向、及び、Z方向と呼ぶこともある。
【0010】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0011】
また、第3方向Zの矢印の先端側にCMOS回路を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面におけるCMOS回路の断面を見ることを断面視という。
【0012】
[実施形態1]
図1は、実施形態1の表示装置の概略的な構成の一例を示す平面図である。図1に示す表示装置DSPには、基板SUB1には、表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域FAと、周辺領域FAに設けられた走査線駆動回路GDV(GDV1及びGDV2)並びに信号線駆動回路SDVとが設けられている。
【0013】
表示領域DAは、複数の画素PXを含み、複数の画素PXは、マトリクス状に配置される。複数の画素PXそれぞれは、複数の走査線GLそれぞれ及び複数の信号線SLそれぞれの交点に設けられている。複数の画素PXそれぞれは、対応する走査線GL及び信号線SLに接続されている。
【0014】
周辺領域FAは、表示領域DAの外側の領域をいう。周辺領域FAには、走査線駆動回路GDV(GDV1及びGDV2)、信号線駆動回路SDV、及び、図示しない端子を介して接続される配線基板FPCを有している。図1に示す例では、走査線駆動回路GDVから走査線GLが延伸している。奇数番目の走査線GLは、走査線駆動回路GDV1に接続されている。偶数番目の走査線GLは、走査線駆動回路GDV2に接続されている。なお走査線駆動回路は、2つに分かれておらずともよく、1つの走査線駆動回路に全ての走査線GLが接続されていてもよい。信号線駆動回路SDVから信号線SLが延伸している。駆動素子CTLは、配線基板FPC上に設けられている。駆動素子CTLは、例えばドライバICが挙げられる。
【0015】
表示装置DSPの外部から、配線基板FPCを介して、映像信号及び各種制御信号が供給される。映像信号は、駆動素子CTLを介して複数の画素PXに入力される。各種駆動信号は、駆動素子CTLを介して、走査線駆動回路GDV及び信号線駆動回路SDVに入力される。映像信号及び各種制御信号に基づいて、画素PXが発光する。
【0016】
図1に示す走査線駆動回路GDV、信号線駆動回路SDV、及び画素PXは、それぞれ、CMOS回路を備えていることがある。CMOS回路とは、pチャネル型トランジスタ及びnチャネル型トランジスタが相補的に接続された回路である。CMOS回路として、例えば、インバータ、NORゲート、NANDゲート等が挙げられる。
【0017】
図2は、実施形態1のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。図2に示すCMOS回路は、インバータである。インバータINVは、nチャネル型トランジスタTRN及びpチャネル型トランジスタTRPから構成されている。
【0018】
nチャネル型トランジスタTRNのソース又はドレインの一方は、pチャネル型トランジスタTRPのソース又はドレインの一方に接続されている。nチャネル型トランジスタTRNのソース又はドレインの他方は、低電位電源vssに接続されている。低電位電源vssは接地電位であってもよい。nチャネル型トランジスタTRNのゲートは、pチャネル型トランジスタTRPのゲートに接続されている。
【0019】
pチャネル型トランジスタTRPのソース又はドレインの一方は、nチャネル型トランジスタTRNのソース又はドレインの一方に接続されている。pチャネル型トランジスタTRPのソース又はドレインの他方は、高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRPのゲートは、nチャネル型トランジスタTRNのゲートに接続されている。
【0020】
nチャネル型トランジスタTRNのゲート、及び、pチャネル型トランジスタTRPのゲートは、インバータINVの入力端子inに相当する。nチャネル型トランジスタTRNのソース又はドレインの一方、及び、pチャネル型トランジスタTRPのソース又はドレインの一方は、インバータINVの出力端子outに相当する。
【0021】
図3及び図4は、インバータの回路記号を示す図である。図2に示すインバータINVは、図3のように示すことができる。図3の高電位電源vdd及び低電位電源vssをさらに省略したものが、図4に相当する。
【0022】
実施形態1では、nチャネル型トランジスタTRNを、酸化物半導体層を活性層として用いるトランジスタ(以下「酸化物半導体トランジスタ」という)で形成する。一方、pチャネル型トランジスタTRPは、多結晶珪素層を活性層として用いるトランジスタ(以下「poly-Siトランジスタ」、「多結晶シリコントランジスタ」、又は「ポリシリコントランジスタ」という)で形成する。
【0023】
上記のようなnチャネル型トランジスタTRN及びpチャネル型トランジスタTRPを有するインバータINVは、nチャネル型トランジスタTRNをpoly-Siトランジスタで形成する場合と比較して、下記のような利点を有する。
【0024】
すなわち、まず第1に、n型の極性を付与する不純物(例えば、リン(P))を注入する工程が不要となる。よって、注入工程に必要なフォトマスクが不要となる。これにより、インバータINV、及びこれを有する表示装置DSPの製造時間及び製造コストを抑えることができる。
【0025】
第2に、酸化物半導体トランジスタ及びpoly-Siトランジスタを異なる層に形成することが可能である。これにより、酸化物半導体トランジスタ(nチャネル型トランジスタTRN)及びpoly-Siトランジスタ(pチャネル型トランジスタTRP)を、重畳して形成することができる。よって、インバータINVが占める面積を減少することができ、インバータINVを含む回路面積を減らすことができる。さらに、これらトランジスタのゲート容量負荷の削減が可能となる。
【0026】
第3に、nチャネル型トランジスタTRN及びpチャネル型トランジスタTRPを重畳して形成することにより、これらトランジスタのゲートを共通とすることができる。よって、スイッチング応答の速い高性能のインバータINVを形成することが可能である。
【0027】
図5は、実施形態1のインバータの平面図である。図6は、図5に示す線A1-A2に沿ったインバータの断面図である。なお図6において、図面を分かり易くするために、電極間の絶縁層の記載は省略している。
【0028】
pチャネル型トランジスタTRPは、半導体層SCSと、ソース電極SESと、ドレイン電極DESと、ゲート電極GESと、を備えている。半導体層SCSは、上述のように多結晶珪素層(poly-Si)で形成されている。pチャネル型トランジスタTRPは、poly-Siトランジスタである。
【0029】
半導体層SCSは、チャネル形成領域CRSと、ソース領域SRSと、ドレイン領域DRSと、を備えている。ソース領域SRS、ドレイン領域DRS、及びチャネル形成領域CRSには、p型を付与する不純物、例えば、ホウ素(ボロン(B))が注入されている。ソース領域SRS及びドレイン領域DRS中の当該不純物の濃度は、チャネル形成領域CRS中の当該不純物の濃度より高い。
【0030】
チャネル形成領域CRSの端部は、ゲート電極GESの端部と一致していてもよい。まず、第1濃度で半導体層SCSに当該不純物を注入する。次いで、第1濃度より第2濃度で当該不純物を半導体層SCSに注入する。第2濃度で注入を行う際に、ゲート電極GESをマスクとすることで、チャネル形成領域CRSを形成することができる。チャネル形成領域CRSの不純物濃度は、第1濃度に対応したものとなり、ソース領域SRS及びドレイン領域DRSの不純物濃度は、第2濃度に対応したものとなる。
【0031】
pチャネル型トランジスタTRPのソース電極SESは、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCSに接続されている。pチャネル型トランジスタTRPのドレイン電極DESは、コンタクトホールCHD1を介して、半導体層SCSに接続されている。pチャネル型トランジスタTRPのゲート電極GESは、平面視でソース電極SES及びドレイン電極DESの間で、半導体層SCSに重畳している。
【0032】
nチャネル型トランジスタTRNは、半導体層SCOと、ソース電極SEOと、ドレイン電極DEOと、ゲート電極GEOと、ゲート電極GESと、を備えている。ゲート電極GESは、pチャネル型トランジスタTRPのトップゲートとして機能すると共に、nチャネル型トランジスタTRNのボトムゲートとしても機能する。
【0033】
半導体層SCOは、酸化物半導体層である。酸化物半導体層として、例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide:IGZO)が挙げられる。酸化物半導体層は、不純物を注入しなくても、n型の特性を示す。
【0034】
ドレイン電極DEOは、コンタクトホールCHD2を介して、ドレイン電極DESと、半導体層SCOに直接接続されている。
【0035】
ゲート電極GEOは、平面視でソース電極SEO及びドレイン電極DEOの間で、半導体層SCOに重畳している。ゲート電極GEOは、コンタクトホールCHGを介して、ゲート電極GESに接続されている。ゲート電極GEO及びGESは、インバータINVの入力端子inとして機能する。
【0036】
pチャネル型トランジスタTRP(poly-Siトランジスタ)のソース電極SESは、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCSのソース領域SRSに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN(酸化物半導体トランジスタ)のソース電極SEOは、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCOに接続されている。
【0037】
pチャネル型トランジスタTRPのソース電極SES及びドレイン電極DES、並びに、nチャネル型トランジスタTRNのゲート電極GEOは、同層に設けられている。本実施形態において、同じ材料及び同じ工程で形成されている導電層や絶縁層を、同層に設けられるという。ソース電極SES、ドレイン電極DES、及びゲート電極GEOを同層に形成することで、工程数を低減させることが可能である。
【0038】
図5及び図6に示されるように、半導体層SCS及びSCOは、平面視で重畳している。ドレイン電極DES及びDEOは、平面視で重畳している。これにより、インバータINVの面積を減少させることが可能である。またこれらトランジスタTRN及びTRPのゲート容量負荷の削減が可能となる
【0039】
<実施形態1の構成例1>
図7は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。図7に示した構成例では、図5に示した構成例と比較して、ドレイン電極がnチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタで共通である、という点で異なっている。
【0040】
図7は、構成例1のインバータの構成を示す平面図である。図8は、図7に示す線B1-B2に沿ったインバータの断面図である。図7及び図8に示すnチャネル型トランジスタTRNのドレイン電極DEOは、半導体層SCOだけでなく、半導体層SCSにも接続されている。
【0041】
pチャネル型トランジスタTRPのドレイン電極として、nチャネル型トランジスタTRNのドレイン電極DEOを用いることにより、より面積の削減を実現することが可能である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
<実施形態1の構成例2>
図9は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。図9に示した構成例では、図5に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタの半導体層が平面視で重畳していない、という点で異なっている。
【0043】
図9に示すインバータINVのpチャネル型トランジスタTRPの半導体層SCS、及び、nチャネル型トランジスタTRNの半導体層SCOは、上述の通り、平面視で離間している。
【0044】
pチャネル型トランジスタTRPのソース電極SESは、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCSに接続されている。ドレイン電極DESは、コンタクトホールCHD1を介して、半導体層SCSに接続されている。ゲート電極GESは、平面視でソース電極SES及びドレイン電極DESの間で、半導体層SCSに重畳している。
【0045】
nチャネル型トランジスタTRNのソース電極SEOは、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCOに接続されている。ドレイン電極DEOは、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCOに接続されている。ゲート電極GEOは、平面視でソース電極SEO及びドレイン電極DEOの間で、半導体層SCOに重畳している。
【0046】
ゲート電極GESの一部は、ゲート電極GEOの近傍まで延伸し、コンタクトホールCHGを介して、ゲート電極GEOに接続されている。
ドレイン電極DEOの一部は、ドレイン電極DESの近傍まで延伸し、コンタクトホールCHD3を介して、ドレイン電極DESに接続されている。
【0047】
図10は、実施形態1におけるインバータの他の構成例を示す平面図である。図10に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタのゲート電極が同一である、という点で異なっている。
【0048】
図10に示すpチャネル型トランジスタTRPでは、ゲート電極GES1が平面視で半導体層SCSに重畳している。nチャネル型トランジスタTRNでは、ゲート電極GES2が平面視で半導体層SCOに重畳している。ゲート電極GES1及びGES2は一体形成され、ゲート電極GESを構成している。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
[実施形態2]
図11は、実施形態2のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。図11に示すCMOS回路は、図2に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタでNORゲートを形成する、という点で異なっている。
【0050】
図11に示すCMOS回路は、NORゲートである。NORゲートNRは、nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2、並びに、pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2から構成されている。
【0051】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの一方は、高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの他方は、pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの一方に接続されている。pチャネル型トランジスタTRP1のゲートは、ノードNDibを介して、nチャネル型トランジスタのゲート及び入力端子inbに接続されている。
【0052】
pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの一方は、ノードNDotを介して、nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの一方、nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの一方、及び、出力端子outに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方は、pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの他方に接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のゲートは、ノードNDiaを介して、nチャネル型トランジスタTRN2のゲート及び入力端子inaに接続されている。
【0053】
nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの一方は、nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの一方、並びに、ノードNDotを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方、及び、出力端子outに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの他方は、低電位電源vssに接続されている。低電位電源vssは、例えば、接地電位である。nチャネル型トランジスタのゲートは、ノードNDibを介して、pチャネル型トランジスタTRP1のゲート及び入力端子inbに接続されている。
【0054】
nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの一方は、nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの一方、並びに、ノードNDotを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方及び出力端子outに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの他方は、低電位電源vssに接続されている。低電位電源vssは、例えば、接地電位である。nチャネル型トランジスタTRN2のゲートはノードNDiaを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のゲート及び入力端子inaに接続されている。
【0055】
図12は、NORゲートの回路記号を示す図である。図11に示すNORゲートNRは、図12のように示すことができる。
【0056】
図13は、実施形態2のNORゲートの平面図である。図13に示すNORゲートNRでは、多結晶珪素層の半導体層及び酸化物半導体層の半導体層が、平面視で重畳している。
【0057】
NORゲートNRのpチャネル型トランジスタTRP1は、半導体層SCSと、ソース電極SES1と、ゲート電極GES1と、を備えている。pチャネル型トランジスタTRP2は、半導体層SCSと、ゲート電極GES2と、ドレイン電極DES2と、を備えている。pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2は、半導体層SCSを共有している。pチャネル型トランジスタTRP1のドレイン電極及びpチャネル型トランジスタTRP2のソース電極は設けられていない。半導体層SCSの領域の内、平面視でゲート電極GES1及びGES2の間の領域が、pチャネル型トランジスタTRP1のドレイン領域及びpチャネル型トランジスタTRP2のソース領域として機能する。
【0058】
NORゲートNRのnチャネル型トランジスタTRN1は、半導体層SCO1と、ソース電極SEO1と、ドレイン電極DEO1と、を備えている。nチャネル型トランジスタTRN2は、半導体層SCO2と、ソース電極SEO2と、ドレイン電極DEO2と、を備えている。
【0059】
半導体層SCO1及びSCO2は、平面視で、半導体層SCSに重畳している。ゲート電極GEO1は、平面視で、ゲート電極GES1に重畳している。ゲート電極GEO2は、平面視で、ゲート電極GES2に重畳している。
【0060】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース電極SES1は、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCSに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2は、コンタクトホールCHD1を介して、半導体層SCSに接続されている。
【0061】
nチャネル型トランジスタTRN1のソース電極SEO1及びnチャネル型トランジスタTRN2のソース電極SEO2は、一体形成されており、図示しない低電位電源vssに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1のソース電極SEO1は、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCO1に接続されている。
【0062】
nチャネル型トランジスタTRN1のドレイン電極DEO1及びnチャネル型トランジスタTRN2のドレイン電極DEO2は、一体形成されており、出力端子outを構成する。nチャネル型トランジスタTRN1のドレイン電極DEO1は、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCO1に接続されている。
【0063】
nチャネル型トランジスタTRN1のゲート電極GEO1は、平面視でソース電極SEO1及びドレイン電極DEO1の間で、半導体層SCO1に重畳している。ゲート電極GEO1は、コンタクトホールCHG1を介して、ゲート電極GES1に接続されている。ゲート電極GEO1及びGES1は、入力端子inaを構成する。
【0064】
nチャネル型トランジスタTRN2のソース電極SEO2及びnチャネル型トランジスタTRN1のソース電極SEO1は、一体形成されており、図示しない低電位電源vssに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN2のソース電極SEO2は、コンタクトホールCHS3を介して、半導体層SCO2に接続されている。
【0065】
nチャネル型トランジスタTRN2のドレイン電極DEO2及びnチャネル型トランジスタTRN1のドレイン電極DEO1は、一体形成されており、出力端子outを構成する。nチャネル型トランジスタTRN2のドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCO2に接続されている。ドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD3を介して、ドレイン電極DES2に接続されている。
【0066】
ドレイン電極DEO2は、図6と同様、ドレイン電極DES2及び半導体層SCO2に接続されていてもよい。あるいは、図8と同様、ドレイン電極DES2を設けず、ドレイン電極DEO2が半導体層SCS及びSCO2に接続されていてもよい。
【0067】
nチャネル型トランジスタTRN2のゲート電極GEO2は、平面視でソース電極SEO2及びドレイン電極DEO2の間で、半導体層SCO2に重畳している。ゲート電極GEO2は、コンタクトホールCHG2を介して、ゲート電極GES2に接続されている。ゲート電極GEO2及びGES2は、入力端子inbを構成する。
【0068】
実施形態2においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、まず第1に、n型の極性を付与する不純物(例えば、リン(P))を注入する工程が不要となる。よって、注入工程に必要なフォトマスクが不要となる。これにより、NORゲートNR、及びこれを有する表示装置DSPの製造時間及び製造コストを抑えることができる。
【0069】
第2に、酸化物半導体トランジスタ(nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2)及びpoly-Siトランジスタ(pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2)を異なる層に形成することが可能である。これにより、酸化物半導体トランジスタ及びpoly-Siトランジスタを、重畳して形成することができる。よって、NORゲートNRが占める面積を減少することができ、NORゲートNRを含む回路面積を減らすことができる。さらに、これらトランジスタのゲート容量負荷の削減が可能となる。
【0070】
第3に、nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2、並びに、pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2を重畳して形成することにより、これらトランジスタのゲートを共通とすることができる。よって、スイッチング応答の速い高性能のNORゲートNRを形成することが可能である。
【0071】
<実施形態2の構成例1>
図14は、実施形態2のNORゲートの他の構成例を示す平面図である。図14に示した構成例では、図13に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタの半導体層が平面視で重畳していない、という点で異なっている。
【0072】
図14に示すNORゲートNRでは、pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2の半導体層SCS、nチャネル型トランジスタTRN1の半導体層SCO1、及びnチャネル型トランジスタTRN2の半導体層SCO2は、平面視で重畳せず、離間している。
【0073】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース電極SES1、pチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2、nチャネル型トランジスタTRN1のゲート電極GEO1、及び、nチャネル型トランジスタTRN2のゲート電極GEO2は、同層に形成されている。
【0074】
nチャネル型トランジスタTRN1のソース電極SEO1は、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCO1に接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1のソース電極SEO1は、図示しない低電位電源vssに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1のドレイン電極DEO1は、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCO1に接続されている。
【0075】
nチャネル型トランジスタTRN2のソース電極SEO2は、コンタクトホールCHS3を介して、半導体層SCO2に接続されている。nチャネル型トランジスタTRN2のソース電極SEO2は、図示しない低電位電源vssに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN2のドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD3を介して、半導体層SCO2に接続されている。
【0076】
ドレイン電極DEO1及びDEO2は、図示しないコンタクトホールを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2に接続されている。
本構成例においても、実施形態と同様の構成を有する。
【0077】
[実施形態3]
図15は、実施形態3のCMOS回路の概略的な構成の一例を示す回路図である。図15に示すCMOS回路は、図2に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタでNANDゲートを形成する、という点で異なっている。
【0078】
図15に示すCMOS回路は、NANDゲートである。NANDゲートNNDは、nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2、並びに、pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2から構成されている。
【0079】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの一方は、高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの他方は、pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方、並びに、ノードNDotを介して、nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの他方、及び、出力端子outに接続されている。
【0080】
pチャネル型トランジスタTRP1のゲートは、ノードNDibを介して、nチャネル型トランジスタTRN2のゲート、及び、入力端子inbに接続されている。
【0081】
pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの一方は、高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方は、pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの他方、並びに、ノードNDotを介して、nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの他方及び出力端子outに接続されている。
【0082】
pチャネル型トランジスタTRP2のゲートは、ノードNDiaを介して、nチャネル型トランジスタTRN1のゲート及び入力端子inaに接続されている。
【0083】
nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの一方は、nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの他方に接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの他方は、ノードNDotを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のソース又はドレインの他方は、pチャネル型トランジスタTRP1のソース又はドレインの他方、及び、出力端子outに接続されている。
【0084】
nチャネル型トランジスタTRN1のゲートは、ノードNDiaを介して、pチャネル型トランジスタTRP2のゲート及び入力端子inaに接続されている。
【0085】
nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの一方は、低電位電源vssに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN2のソース又はドレインの他方は、nチャネル型トランジスタTRN1のソース又はドレインの一方に接続されている。
【0086】
nチャネル型トランジスタTRN2のゲートは、ノードNDibを介して、pチャネル型トランジスタTRP1のゲート及び入力端子inbに接続されている。
【0087】
図16は、NANDゲートの回路記号を示す図である。図15に示すNANDゲートNNDは、図16のように示すことができる。
【0088】
図17は、実施形態3のNANDゲートの平面図である。図17に示すNANDゲートNND
では、多結晶珪素層の半導体層及び酸化物半導体層の半導体層が、平面視で重畳している。
【0089】
NANDゲートNNDのpチャネル型トランジスタTRP1は、半導体層SCS1と、ソース電極SES1と、ドレイン電極DES1と、ゲート電極GES1と、を備えている。ソース電極SES1は、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCS1に接続されている。ドレイン電極DES1は、コンタクトホールCHD1を介して、半導体層SCS1に接続されている。ゲート電極GES1は、平面視でソース電極SES1及びドレイン電極DES1の間で、半導体層SCS1に重畳している。
【0090】
pチャネル型トランジスタTRP2は、半導体層SCS2と、ソース電極SES2と、ドレイン電極DES2と、ゲート電極GES2と、を備えている。ソース電極SES2は、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCS2に接続されている。ドレイン電極DES2は、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCS2に接続されている。ゲート電極GES2は、平面視でソース電極SES2及びドレイン電極DES2の間で、半導体層SCS2に重畳している。
【0091】
NANDゲートNNDのnチャネル型トランジスタTRN1は、半導体層SCOと、ソース電極SEO1と、ゲート電極GEO1と、を備えている。ソース電極SEO1は、コンタクトホールCHS3を介して、半導体層SCOに接続されている。ソース電極SEO1は、低電位電源vssに接続されている。
【0092】
nチャネル型トランジスタTRN2は、半導体層SCOと、ドレイン電極DEO2と、ゲート電極GEO2と、を備えている。ドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD3を介して、半導体層SCOに接続されている。nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2は、半導体層SCOを共有している。
【0093】
ドレイン電極DEO2は、図6と同様、ドレイン電極DES2及び半導体層SCOに接続されていてもよい。あるいは、図8と同様、ドレイン電極DES2を設けず、ドレイン電極DEO2が半導体層SCS2及びSCOに接続されていてもよい。
【0094】
nチャネル型トランジスタTRN1のドレイン電極及びnチャネル型トランジスタTRN2のソース電極は設けられていない。半導体層SCOの領域の内、平面視でゲート電極GEO1及びGEO2の間の領域が、nチャネル型トランジスタTRN1のドレイン領域及びnチャネル型トランジスタTRN2のソース領域として機能する。
【0095】
ソース電極SES1及びSES2は、一体形成され、高電位電源vddに接続されている。ドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD3を介して、ドレイン電極DES2に接続されている。ドレイン電極DEO2は、コンタクトホールCHD4を介して、ドレイン電極DES1に接続されている。
【0096】
ゲート電極GEO1は、平面視でゲート電極GES1に重畳している。ゲート電極GEO1は、コンタクトホールCHG1を介して、ゲート電極GES1に接続されている。ゲート電極GES1及びGEO1は、入力端子inaを構成している。
【0097】
ゲート電極GEO2は、平面視でゲート電極GES2に重畳している。ゲート電極GEO2は、コンタクトホールCHG2を介して、ゲート電極GES2に接続されている。ゲート電極GES2及びGEO2は、入力端子inbを構成している。
【0098】
一体形成されているソース電極SES1及びSES2、並びに、ゲート電極GEO1及びGEO2は、同層に形成されている。
【0099】
実施形態3においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、まず第1に、n型の極性を付与する不純物(例えば、リン(P))を注入する工程が不要となる。よって、注入工程に必要なフォトマスクが不要となる。これにより、NANDゲートNND、及びこれを有する表示装置DSPの製造時間及び製造コストを抑えることができる。
【0100】
第2に、酸化物半導体トランジスタ(nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2)及びpoly-Siトランジスタ(pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2)を異なる層に形成することが可能である。これにより、酸化物半導体トランジスタ及びpoly-Siトランジスタを、重畳して形成することができる。よって、NANDゲートNNDが占める面積を減少することができ、NANDゲートNNDを含む回路面積を減らすことができる。さらに、これらトランジスタのゲート容量負荷の削減が可能となる。
【0101】
第3に、nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2、並びに、pチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2を重畳して形成することにより、これらトランジスタのゲートを共通とすることができる。よって、スイッチング応答の速い高性能のNANDゲートNNDを形成することが可能である。
【0102】
<実施形態3の構成例1>
図18は、実施形態3におけるNANDゲートの他の構成例を示す平面図である。図18に示した構成例では、図17に示した構成例と比較して、nチャネル型トランジスタ及びpチャネル型トランジスタの半導体層が平面視で重畳していない、という点で異なっている。
【0103】
図18に示すNANDゲートNNDでは、pチャネル型トランジスタTRP1の半導体層SCS1、pチャネル型トランジスタTRP2の半導体層SCS2、並びに、nチャネル型トランジスタTRN1及びTRN2の半導体層SCOは、平面視で重畳せず、離間している。
【0104】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース電極SES1及びドレイン電極DES1、pチャネル型トランジスタTRP2のソース電極SES2及びドレイン電極DES2、nチャネル型トランジスタTRN1のゲート電極GEO1、並びに、nチャネル型トランジスタTRN2のゲート電極GEO2は、同層に形成されている。
【0105】
pチャネル型トランジスタTRP1のソース電極SES1は、コンタクトホールCHS1を介して、半導体層SCS1に接続されている。pチャネル型トランジスタTRP1のソース電極SES1は、図示しない高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP1のドレイン電極DES1は、コンタクトホールCHD1を介して、半導体層SCS1に接続されている。
【0106】
pチャネル型トランジスタTRP2のソース電極SES2は、コンタクトホールCHS2を介して、半導体層SCS2に接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のソース電極SEO2は、図示しない高電位電源vddに接続されている。pチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2は、コンタクトホールCHD2を介して、半導体層SCS2に接続されている。
【0107】
ゲート電極GEO1は、コンタクトホールCHG1を介して、ゲート電極GES1に接続されている。ゲート電極GEO1及びGES1は、コンタクトホールCHG1付近で重畳するのみで、他の領域では重畳しない。
【0108】
ゲート電極GEO2は、コンタクトホールCHG2を介して、ゲート電極GES2に接続されている。ゲート電極GEO2及びGES2は、コンタクトホールCHG2付近で重畳するのみで、他の領域では重畳しない。
【0109】
ドレイン電極DEO2は、図示しないコンタクトホールを介して、pチャネル型トランジスタTRP1のドレイン電極DES1及びpチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2に接続されている。
本構成例においても、実施形態と同様の構成を有する。
【0110】
本開示において、図5及び図7に示すドレイン電極DES及びDEOを、それぞれ、第1ドレイン電極及び第2ドレイン電極ともいう。
【0111】
本開示において、図13及び図17に示すpチャネル型トランジスタTRP1及びTRP2を、それぞれ、第1pチャネル型トランジスタ及び第2pチャネル型トランジスタともいう。また、nチャネル型トランジスタTRPN1及びTRN2を、第1nチャネル型トランジスタ及び第2nチャネル型トランジスタともいう。
【0112】
本開示において、図13及び図17に示す、pチャネル型トランジスタTRP2のドレイン電極DES2を、第1ドレイン電極ともいう。nチャネル型トランジスタTRN2のドレイン電極DEO2を、第2ドレイン電極ともいう。
【0113】
本開示において、図13及び図17に示す、pチャネル型トランジスタTRP1のゲート電極GES1、nチャネル型トランジスタTRN1のゲート電極GEO1、pチャネル型トランジスタTRP2のゲート電極GES2、及び、nチャネル型トランジスタTRN2のゲート電極GEO2を、それぞれ、第1ゲート電極、第2ゲート電極、第3ゲート電極、及び、第4ゲート電極ともいう。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
CHD1…コンタクトホール、CHG…コンタクトホール、CHS1…コンタクトホール、DEO…ドレイン電極、DES…ドレイン電極、DSP…表示装置、GEO…ゲート電極、GES…ゲート電極、INV…インバータ、NND…NANDゲート、NR…NORゲート、PX…画素、SCO…半導体層、SCS…半導体層、SEO…ソース電極、SES…ソース電極、TRN…nチャネル型トランジスタ、TRP…pチャネル型トランジスタ、in…入力端子、out…出力端子、
vdd…高電位電源、vss…低電位電源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18