(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049807
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】加熱処理装置
(51)【国際特許分類】
F27B 5/14 20060101AFI20240403BHJP
F27B 5/05 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
F27B5/14
F27B5/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156267
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】石原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】磯 明典
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】福田 丈二
【テーマコード(参考)】
4K061
【Fターム(参考)】
4K061AA01
4K061BA11
4K061DA05
4K061FA07
4K061FA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヒータのON/OFF時に、ヒータが中心軸に沿った方向に伸縮しても、パーティクル発生を抑制できる加熱処理装置を提供する。
【解決手段】加熱処理装置は、ワークが収納されるチャンバと、チャンバ内に設けられる棒状の複数のヒータ33と、チャンバ内にてヒータを支持する、第1の支持部34、および第2の支持部のいずれかを備える。前記複数のヒータは、ヒータ中心軸交差方向に並び、前記第1の支持部は、前記ヒータの下方に設けられた第1のプレート34a2と、前記ヒータと前記第1のプレートとの間に設けられ、前記ヒータと前記第1のプレートと接触し、前記ヒータ中心軸方向に移動可能な回動部34bを有する。前記第2の支持部は、前記ヒータを保持する保持部と、前記保持部に接続され、前記ヒータの伸縮に応じ、前記ヒータの中心軸方向に弾性変形可能な第2のプレートと、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にワークが収納されるチャンバと、
前記チャンバの内部に設けられ、棒状を呈する複数のヒータと、
前記チャンバの内部において前記ヒータを支持する、第1の支持部、および第2の支持部の少なくともいずれかと、
を備え、
前記複数のヒータは、前記ヒータの中心軸と交差する方向に並び、
前記第1の支持部は、前記ヒータの下方に設けられた第1のプレートと、前記ヒータと前記第1のプレートとの間に設けられ、前記ヒータと前記第1のプレートと接触し、前記ヒータの中心軸に沿った方向に移動可能な回動部と、を有し、
前記第2の支持部は、前記ヒータを保持する保持部と、前記保持部に接続され、前記ヒータの伸縮に応じて、前記ヒータの中心軸に沿った方向に弾性変形可能な第2のプレートと、を有する加熱処理装置。
【請求項2】
前記回動部は、円柱状、または円筒状を呈し、前記ヒータの中心軸と交差する方向に延び、
前記ヒータの中心軸に交差する方向における、前記回動部の長さは、
前記ヒータの伸び量の20倍以上の長さ、
および、
3つ以上の前記ヒータと接触する長さ、
の少なくともいずれかである請求項1記載の加熱処理装置。
【請求項3】
前記チャンバの内部を排気する排気部をさらに備え、
前記回動部、および前記保持部は、前記ヒータの端部の近傍における非加熱部に設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【請求項4】
前記複数のヒータの温度制御は、前記ワークにおける複数の領域毎に行われ、
前記回動部は、前記複数の領域のそれぞれに1つ設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、加熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを加熱して、ワークの表面に膜などを形成したり、ワークの表面を処理したりする加熱処理装置がある。
例えば、内部にワークが保持されるチャンバと、チャンバの内部に設けられた板材および複数のヒータと、を有する加熱処理装置が提案されている。板材は、ワークの表面側及びワークの裏面側のそれぞれに対向するように設けられている。
【0003】
複数のヒータは、棒状を呈し、板材の、ワークの側とは反対側に並べて設けられている。複数のヒータの一方の端部側は、チャンバに固定されている。複数のヒータの他方の端部は、チャンバに固定された板状のブラケットに支持されている。
【0004】
ここで、ヒータへの電力の印加時(ON時)には、ヒータが高温になるため自身が膨張する。これによって、ヒータが主に中心軸に沿った方向に伸びる。ヒータへの電力の印加の停止時(OFF時)には、ヒータが中心軸に沿った方向に縮む(元に戻る)。そのため、ヒータの端部がチャンバに固定された板状のブラケットに支持されていると、ヒータとブラケットとの接触部分に擦れが生じる。ヒータとブラケットとの接触部分に擦れが生じると、パーティクルが発生する場合がある。発生したパーティクルがワークに付着すると、ワークの品質が低下するおそれがある。
そこで、ヒータのON/OFF時に、ヒータが伸縮したとしても、パーティクルが発生するのを抑制することができる加熱処理装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ヒータのON/OFF時に、ヒータが伸縮したとしても、パーティクルが発生するのを抑制することができる加熱処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る加熱処理装置は、内部にワークが収納されるチャンバと、前記チャンバの内部に設けられ、棒状を呈する複数のヒータと、前記チャンバの内部において前記ヒータを支持する、第1の支持部、および第2の支持部の少なくともいずれかと、を備えている。前記複数のヒータは、前記ヒータの中心軸と交差する方向に並んでいる。前記第1の支持部は、前記ヒータの下方に設けられた第1のプレートと、前記ヒータと前記第1のプレートとの間に設けられ、前記ヒータと前記第1のプレートと接触し、前記ヒータの中心軸に沿った方向に移動可能な回動部と、を有する。前記第2の支持部は、前記ヒータを保持する保持部と、前記保持部に接続され、前記ヒータの伸縮に応じて、前記ヒータの中心軸に沿った方向に弾性変形可能な第2のプレートと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、ヒータのON/OFF時に、ヒータが伸縮したとしても、パーティクルが発生するのを抑制することができる加熱処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る加熱処理装置を例示するための模式正面図である。
【
図2】
図1における加熱処理装置のA-A線方向の模式断面図である。
【
図3】チャンバ、およびカセットラックの模式斜視図である。
【
図4】カセットを例示するための模式斜視図である。
【
図5】保持部によるヒータの保持を例示するための模式斜視図である。
【
図6】比較例に係る支持部によるヒータの支持を例示するための模式斜視図である。
【
図7】本実施の形態に係る支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【
図9】支持部の作用を例示するための模式図である。
【
図10】他の実施形態に係る支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【
図11】他の実施形態に係る支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【
図12】他の実施形態に係るカセットを例示するための模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下においては、一例として、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワークを加熱して、ワークの表面に有機膜を形成する加熱処理装置を説明する。しかしながら、本発明は、これに限定されるわけではない。例えば、本発明は、ワークを加熱して、ワークの表面に無機膜などを形成したり、ワークの表面を処理したりする加熱処理装置にも適用することができる。
【0011】
また、加熱前のワークは、例えば、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有するものであってもよいし、基板のみであってもよい。以下においては、一例として、加熱前のワークが、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有する場合を説明する。
【0012】
本実施の形態に係る加熱処理装置1により加熱処理される前のワーク100は、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有する。基板は、例えば、ガラス基板や半導体ウェーハなどである。ただし、基板は、例示をしたものに限定されるわけではない。溶液は、例えば、有機材料と溶剤を含んでいる。有機材料は、溶剤により溶解が可能なものであれば特に限定はない。溶液は、例えば、ポリアミド酸を含むワニスなどとすることができる。ただし、溶液は、例示をしたものに限定されるわけではない。また、溶液は、液体が仮焼成されて半硬化状態(流れない状態)となっているものであってもよい。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る加熱処理装置1を例示するための模式正面図である。
なお、
図1においては、煩雑となるのを避けるために、カセット50を1つのみ描いている。
図2は、
図1における加熱処理装置1のA-A線方向の模式断面図である。
なお、
図2においては、煩雑となるのを避けるために、カセット50を省いて描いている。
図3は、チャンバ10、およびカセットラック60の模式斜視図である。
なお、各図中のX方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する三方向を表している。例えば、X方向、およびY方向は、水平方向である。例えば、Z方向は、上下方向(鉛直方向)である。
【0014】
図1、および
図2に示すように、加熱処理装置1には、例えば、チャンバ10、排気部20、加熱部30、冷却部40、カセット50、カセットラック60、およびコントローラ70が設けられている。
【0015】
コントローラ70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを備えている。コントローラ70は、例えば、コンピュータなどである。コントローラ70は、例えば、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、加熱処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
【0016】
図1~
図3に示すように、チャンバ10は、箱状を呈している。チャンバ10は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ10の外観形状には特に限定はない。チャンバ10の外観形状は、例えば、直方体や円筒とすることができる。チャンバ10は、例えば、ステンレスなどの金属から形成される。
【0017】
例えば、Y方向におけるチャンバ10の両端には開口が設けられている。Y方向におけるチャンバ10の一方の端部には、フランジ11が設けられている。フランジ11には、Oリングなどのシール材12が設けられている。チャンバ10の、フランジ11が設けられた側には開閉扉13が設けられている。開閉扉13を閉めた際には、シール材12により、チャンバ10の開口が気密になるように閉鎖される。開閉扉13を開けた際には、チャンバ10の開口を介した、カセット50の内部へのワーク100の搬入または搬出を行うことができる。すなわち、チャンバ10の内部にはワーク100が収納される。
【0018】
例えば、Y方向におけるチャンバ10の他方の端部には、フランジ14が設けられている。フランジ14には、シール材12が設けられている。チャンバ10の、フランジ14が設けられた側には蓋15が設けられている。例えば、蓋15は、ネジなどの締結部材を用いて、フランジ14に着脱可能に設けられる。蓋15を取り付けた際には、シール材12により、チャンバ10の開口が気密になるように閉鎖される。着脱可能な蓋15が設けられていれば、加熱処理装置1の、フランジ14が設けられた側からのメンテナンスが容易となる。また、メンテナンスのために蓋15を開けた際には、ワーク100を加熱する処理空間を有するカセット50が、チャンバ10の開口を介して、チャンバ10の内部に搬入される。または、カセット50が、チャンバ10の開口を介して、チャンバ10の外部に搬出される。
【0019】
また、チャンバ10の外壁には図示しない冷却装置を設けることができる。冷却装置は、例えば、ウォータージャケット(Water Jacket)とすることができる。冷却装置が設けられていれば、チャンバ10の外壁温度が所定の温度よりも高くなるのを抑制することができる。
【0020】
排気部20は、チャンバ10の内部を排気する。
図1に示すように、排気部20は、第1の排気部21、および第2の排気部22を有する。第1の排気部21、および第2の排気部22は、チャンバ10の底面に設けられた排気口16に接続されている。
【0021】
第1の排気部21は、排気ポンプ21aと、圧力制御部21bを有する。
排気ポンプ21aは、大気圧から所定の圧力まで粗引き排気を行う排気ポンプとすることができる。そのため、排気ポンプ21aは、後述する排気ポンプ22aよりも排気量が多い。排気ポンプ21aは、例えば、ドライ真空ポンプなどとすることができる。
【0022】
圧力制御部21bは、排気口16と排気ポンプ21aとの間に設けられている。圧力制御部21bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部21bは、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
【0023】
第2の排気部22は、排気ポンプ22aと、圧力制御部22bを有する。
排気ポンプ22aは、排気ポンプ21aによる粗引き排気の後、さらに低い所定の圧力まで排気を行う。排気ポンプ22aは、例えば、高真空の分子流領域まで排気可能な排気能力を有する。例えば、排気ポンプ22aは、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
【0024】
圧力制御部22bは、排気口16と排気ポンプ22aとの間に設けられている。圧力制御部22bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部22bは、例えば、APCなどとすることができる。
【0025】
チャンバ10の内部空間の圧力が減圧されれば、チャンバ10の外部に放出される熱を少なくすることができる。そのため、加熱効率と蓄熱効率を向上させることができるので、後述するヒータ33に印加する電力を低減できる。ヒータ33に印加する電力を低減できれば、ヒータ33の負荷が高くなるのを抑制できる。そのため、ヒータ33の寿命を長くすることができる。
【0026】
加熱部30は、例えば、第1の加熱部31、および第2の加熱部32を有する。第1の加熱部31、および第2の加熱部32は、チャンバ10の内部に設けられている。
第1の加熱部31は、カセット50の上方に設けられている。
第2の加熱部32は、カセット50の下方に設けられている。第2の加熱部32は、第1の加熱部31と対向している。
【0027】
後述するように、カセット50の内部にはワーク100が支持される。そのため、第1の加熱部31は、カセット50の内部に支持されたワーク100の表面(上面)を加熱する。第2の加熱部32は、カセット50の内部に支持されたワーク100の裏面(下面)を加熱する。
【0028】
図1に示すように、チャンバ10の内部において、複数のカセット50が、Z方向(鉛直方向)に並べて設けられている場合には、上側のカセット50の下方に設けられた第2の加熱部32を、下側のカセット50の上方に設けられた第1の加熱部31とすることができる。すなわち、カセット50とカセット50との間に設けられた第1の加熱部31または第2の加熱部32は、兼用することができる。
なお、便宜上、一つのカセット50に着目したときに、そのカセット50から見て上側を第1の加熱部31、下側を第2の加熱部32としているが、全てのカセット50の上下のそれぞれに加熱部(ヒータ33)が設けられる。
【0029】
この場合、上側のカセット50の内部に支持されたワーク100の裏面は、兼用される第1の加熱部31または第2の加熱部32により加熱される。下側のカセット50の内部に支持されたワーク100の表面は、兼用される第1の加熱部31または第2の加熱部32により加熱される。
この様にすれば、第1の加熱部31または第2の加熱部32の数を減らすことができる。そのため、消費電力の低減、製造コストの低減、省スペース化などを図ることができる。
【0030】
第1の加熱部31、および第2の加熱部32は、例えば、ヒータ33、支持部34(第1の支持部の一例に相当する)、および保持部35を有する。ヒータ33は、少なくとも1つ設けられている。支持部34は、例えば、1つのヒータ33に対して1つ、または、複数のヒータ33に対して1つ設けられている。保持部35は、例えば、1つのヒータ33に対して1つ、または、複数のヒータ33に対して1つ設けられている。
【0031】
図1、および
図2に例示をした第1の加熱部31、および第2の加熱部32のそれぞれは、複数のヒータ33を有している。複数のヒータ33は、例えば、X方向に延び、Y方向に並んでいる。なお、複数のヒータ33は、Y方向に延び、X方向に並んでいてもよい。すなわち、複数のヒータ33は、ヒータ33の中心軸と交差する方向に並んでいる。複数のヒータ33は、等間隔に並べてもよいし、ワーク100の温度の面内分布などに応じて間隔を変化させてもよい。また、第2の加熱部32に設けられるヒータ33の仕様、数、間隔などは、第1の加熱部31に設けられるヒータ33の仕様、数、間隔などと同じであってもよいし、異なっていてもよい。ヒータ33の仕様、数、間隔などは、加熱する溶液の組成(溶液の加熱温度)、ワーク100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。ヒータ33の仕様、数、間隔などは、シミュレーションや実験などを行うことで適宜決定することができる。
【0032】
ヒータ33は、一方向に延びる棒状のヒータとすることができる。ヒータ33は、棒状のヒータであれば特に限定はない。ヒータ33は、例えば、シーズヒータ、セラミックヒータ、カートリッジヒータなどとすることができる。ヒータ33は、例えば、石英カバーを有するものであってもよい。
なお、本明細書においては、石英カバーで覆われたヒータをも含めて「棒状のヒータ」と称する。また、「棒状」の外観形状には限定がなく、例えば、円柱状や角柱状などとすることができる。
【0033】
また、ヒータ33は、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワーク100を加熱できれば、前述したものに限定されない。すなわち、ヒータ33は、棒状を呈し、放射による熱エネルギーを利用するものであればよい。
【0034】
後述する
図5に示すように、ヒータ33の、端子33a側の端部の近傍は、チャンバ10の外側において、保持部35により着脱可能に保持されている。
ヒータ33の、端子33a側とは反対側の端部の近傍は、チャンバ10の内部において、支持部34により支持されている。
なお、保持部35によるヒータ33の保持、および、支持部34によるヒータ33の支持に関する詳細は後述する。
【0035】
冷却部40は、後述するカセット50に設けられた冷却部57と協働してカセット50に冷却ガスを供給する。後述する様に、カセット50に供給された冷却ガスは、カセット50の内部に支持されているワーク100に供給される。また、カセット50に供給された冷却ガスは、後述するカセット50の均熱板(上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55)にも供給される。
【0036】
冷却ガスがワーク100に供給されることで、高温状態にあるワーク100が直接冷却される。また、ワーク100に供給された冷却ガスがカセット50の均熱板に供給されることで、カセット50も冷却される。カセット50が冷却されることで、カセット50の熱がワーク100に伝わるのを抑制することができる。そのため、ワーク100がカセット50によって間接的に冷却される。
【0037】
冷却部40が設けられていれば、ワーク100の冷却時間を短縮することができる。また、ワーク100の冷却の際に、カセット50からの熱で、ワーク100の面内において温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。
【0038】
冷却部40は、例えば、ジョイント41、ガス源42、およびガス制御部43を有する。ジョイント41、ガス源42、およびガス制御部43は、配管44により接続されている。
【0039】
ジョイント41は、例えば、カセット50に設けられた冷却部57の、図示しないジョイントに、着脱自在に接続される。
ガス源42は、ガス制御部43を介して、カセット50の冷却部57に冷却ガスを供給する。ガス源42は、例えば、高圧ガスボンベ、工場配管などとすることができる。
冷却ガスは、加熱されたワーク100と反応し難いガスであれば特に限定がない。冷却ガスは、例えば、窒素ガス、希ガスなどである。希ガスは、例えば、アルゴンガスやヘリウムガスなどである。冷却ガスの温度は、例えば、室温(例えば、25℃)以下とすることができる。
【0040】
ガス制御部43は、ジョイント41とガス源42との間に設けられている。ガス制御部43は、例えば、冷却ガスの供給と、供給の停止と、冷却ガスの流速および流量の少なくともいずれかの制御と、を行うことができる。
【0041】
図1に示すように、カセット50は、チャンバ10の内部に設けられたカセットラック60の、一対の受け部材62に着脱自在に設けられる。この場合、カセット50は、第1の加熱部31と第2の加熱部32との間に着脱自在に設けられる。
【0042】
図4は、カセット50を例示するための模式斜視図である。
図4に示すように、カセット50は、箱状を呈し、内部にワーク100が支持される処理空間を有している。カセット50の外観形状には特に限定はない。カセット50の外観形状は、例えば、直方体とすることができる。
【0043】
カセット50は、例えば、カセットフレーム51、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55、ワーク支持部56、冷却部57、および、カセット支持部58を有する。
【0044】
カセットフレーム51は、ワーク100を加熱する処理空間を画する。本実施の形態においては、カセットフレーム51は、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、および側部均熱板55により囲まれた空間を画する。カセットフレーム51は、例えば、細長い板材や形鋼などを用いた骨組み構造を有する。または、カセットフレーム51は、板金加工などで形成された枠体などであってもよい。カセットフレーム51の外観形状には特に限定はない。カセットフレーム51の外観形状は、例えば、直方体である。
【0045】
上部均熱板52は、板状を呈し、カセットフレーム51の上部に設けられる。上部均熱板52は、カセットフレーム51の上部に着脱自在に設けることができる。上部均熱板52は、少なくとも1つ設けることができる。
図4に例示をしたカセット50には7個の上部均熱板52が設けられている。上部均熱板52の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。上部均熱板52の数と平面形状は、カセットフレーム51の上部の大きさと形状に応じて適宜変更することができる。
【0046】
下部均熱板53は、板状を呈し、カセットフレーム51の下部に設けられる。下部均熱板53は、上部均熱板52と同様に、カセットフレーム51の下部に着脱自在に設けることができる。下部均熱板53は、上部均熱板52と対向している。下部均熱板53は、少なくとも1つ設けることができる。下部均熱板53の数と平面形状は、上部均熱板52の数と平面形状と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
【0047】
側部均熱板54は、板状を呈している。側部均熱板54は、一対設けることができる。一方の側部均熱板54は、例えば、カセットフレーム51の、互いに対向する一方の側部に設けられる。
【0048】
ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部に搬入される。あるいは、ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部から搬出される。そのため、カセットフレーム51の、側部均熱板54が設けられる側部とは反対側の側部は、開口している。
【0049】
カセットフレーム51の開口は、他方の側部均熱板54により開閉される。例えば、前述したチャンバ10の開閉扉13に側部均熱板54を設け、開閉扉13が閉じた際にカセットフレーム51の開口が側部均熱板54により閉鎖される様にすることができる。また、カセットフレーム51の側部に開閉自在に側部均熱板54を設け、開閉自在な側部均熱板54により、カセットフレーム51の開口が閉鎖される様にすることもできる。
【0050】
側部均熱板55は、板状を呈しカセットフレーム51の内部に一対設けられる。一対の側部均熱板55は、互いに対向し、一対の側部均熱板54の間を延びている。一対の側部均熱板55の一方は、カセットフレーム51の、一方の側部の近傍に設けられる。一対の側部均熱板55の他方は、カセットフレーム51の、他方の側部の近傍に設けられる。
【0051】
上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、および側部均熱板55により囲まれた空間が、ワーク100を加熱する処理空間となる。カセット50の内部の処理空間と、チャンバ10の内部空間とは、例えば、均熱板同士の間の隙間(均熱板間に存在するカセットの梁と均熱板との隙間)などを介して繋がっている。そのため、チャンバ10の内部空間の圧力が減圧されると、カセット50の内部の空間の圧力も減圧される。
【0052】
ここで、前述したように、棒状を呈する複数のヒータ33は、所定の間隔を空けて並べて設けられている。ヒータ33が棒状である場合、ヒータ33の中心軸を中心として放射状に熱が放射される。そのため、ヒータ33の中心軸と、ワーク100の加熱される部分との間の距離が短くなるほど加熱される部分の温度が高くなる。すなわち、棒状を呈する複数のヒータ33を用いてワーク100を直接加熱すると、加熱されたワーク100の面内において温度分布にばらつきが生じる。
【0053】
ワーク100の面内において温度分布にばらつきが生じると、形成された有機膜の品質が低下するおそれがある。例えば、温度が高くなった部分において、泡が発生したり、有機膜の組成が変化したりするおそれがある。
【0054】
上部均熱板52、および下部均熱板53が設けられていれば、複数のヒータ33から放射された熱は、上部均熱板52および下部均熱板53に入射する。上部均熱板52および下部均熱板53に入射した熱は、これらの内部を面方向に伝搬しながらワーク100に向けて放射される。そのため、ワーク100の面内において温度分布にばらつきが生じるのを抑制することができる。その結果、形成される有機膜の品質を向上させることができる。
【0055】
上部均熱板52、下部均熱板53、および側部均熱板54、55は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属から形成することができる。
【0056】
ワーク支持部56は、カセット50の内部に複数設けられている。複数のワーク支持部56は、ワーク100を加熱する処理空間においてワーク100の裏面を支持する。複数のワーク支持部56は、ワーク100が、上部均熱板52および下部均熱板53と対向するようにワーク100を支持する。
【0057】
ワーク支持部56は、棒状体とすることができる。ワーク支持部56は、例えば、ステンレスなどから形成される。ワーク支持部56の数、配置、間隔などは、ワーク100の大きさや剛性(撓み)などに応じて適宜変更することができる。
【0058】
冷却部57は、前述した冷却部40から供給される冷却ガスをカセット50内のワーク100に供給する。冷却部57は、例えば、カセットフレーム51の側面に設けることができる。
【0059】
冷却部57は、例えば、いずれも図示しない配管、ノズル、およびジョイントを有する。配管は、前述した冷却部40から供給された冷却ガスをノズルに供給する。配管は、例えば、カセット50(カセットフレーム51)の外部に設けられる。配管は、少なくとも1つ設けることができる。また、配管の先端を分岐させて、複数の先端を有するようにしてもよい。
【0060】
ノズルは、カセット50(カセットフレーム51)の内部に設けられる。ノズルは、例えば、配管の先端に取り付けられる。例えば、ノズルは、カセット50の処理空間に支持されたワーク100の裏面に冷却ガスを供給する。ノズルは、少なくとも1つ設けることができる。
ジョイントは、前述した冷却部40と配管とを着脱自在に接続する。
【0061】
カセット支持部58は、カセットフレーム51の、側部均熱板54が設けられる側面と交差する側面に設けられている。カセット支持部58は、一対設けられている。カセット支持部58は、カセットフレーム51の側面から外部に向けて突出し、側部均熱板54が設けられる側面と直交する方向に延びている。
【0062】
カセット支持部58は、カセット50の、互いに対向する一対の側面のそれぞれに設けられる。カセット支持部58は、後述するカセットラック60の受け部材62に支持される。すなわち、カセット50は、カセット支持部58、および受け部材62により、チャンバ10(カセットラック60)の内部に着脱自在に設けられる。カセット50がチャンバ10の内部に着脱自在に設けられていれば、メンテナンスの容易化を図ることができる。
【0063】
カセットラック60は、チャンバ10の内部に設けられている。カセットラック60は、ヒータ33およびカセット50をチャンバ10の内部において、所定の位置に保持する。
【0064】
カセットラック60は、フレーム61、受け部材62、および反射板63を有する。
フレーム61は、例えば、細長い部材を用いて構成された骨組み構造を有している。フレーム61の外観形状には特に限定はない。フレーム61の外観形状は、例えば、直方体や円筒とすることができる。
【0065】
フレーム61の内部には、少なくとも一対の受け部材62が設けられている(
図3参照)。一対の受け部材62は、チャンバ10の内部において、カセット50のカセット支持部58を支持する。Z方向において、一対の受け部材62は、第1の加熱部31と第2の加熱部32との間に設けられる。一対の受け部材62の上には、1つのカセット50が載置される。そのため、一対の受け部材62は、カセット50毎に設けられる。例えば、フレーム61の内部に14個のカセット50を収納可能とする場合には、一対の受け部材62がフレーム61の内部に14組設けられる。
【0066】
一対の受け部材62のそれぞれは、例えば、X方向において、フレーム61の、互いに対向する内壁に設けられる。一対の受け部材62は、Y方向に延びている。一対の受け部材62を複数組設ける場合には、一対の受け部材62をZ方向に並べて設けることができる。
【0067】
反射板63は、ヒータ33側から入射した熱を、カセット50側に反射する。反射板63が設けられていれば、カセット50の内部空間(処理空間)における蓄熱性を向上させることができる。反射板63は、板状を呈し、フレーム61の外周に設けられる。なお、煩雑さを避けるため、
図1および
図2には反射板63は描かれていない。また、
図3において、フレーム61の、受け部材62が取り付けられた側面に取り付けられる反射板63のみを描いている。
【0068】
次に、保持部35によるヒータ33の保持、および、支持部34によるヒータ33の支持についてさらに説明する。
図5は、保持部35によるヒータ33の保持を例示するための模式斜視図である。
図5に示すように、保持部35は、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、チャンバ10の外側面に設けることができる。保持部35は、ヒータ33の、端子33a側の端部の近傍を、着脱自在に保持する。保持部35は、例えば、挿入されたヒータ33を締め付ける割締め機構を有する。保持部35により、ヒータ33の、端子33a側の端部の近傍を保持した際には、ヒータ33の端子33aがチャンバ10の外側に露出する様になっている。
【0069】
ヒータ33の端子33aがチャンバ10の外側に露出していれば、ヒータ33のメンテナンスが容易となる。また、ワーク100に電力を印加する際に、ヒータ33の端子33aにおいて、真空放電が生じるのを抑制することができる。
【0070】
保持部35は、例えば、1つのヒータ33に対して1つ、または、複数のヒータ33に対して1つ設けられている。
図5に例示をした保持部35は、1つのヒータ33に対して1つ設けられている。
【0071】
図6は、比較例に係る支持部134によるヒータ33の支持を例示するための模式斜視図である。
図6に示すように、支持部134は、ヒータ33の下方に設けられている。支持部134は、取付プレート134a、プレート134b、および支持プレート134cを有する。
【0072】
取付プレート134aは、カセットラック60のフレーム61に設けられている。
プレート134bは、X方向において、取付プレート134aと支持プレート134cとの間に設けられている。
【0073】
支持プレート134cは、厚み方向を貫通し、ヒータ33を挿入可能な切欠き134c1を有する。切欠き134c1は、U字状の孔とすることができる。
【0074】
ヒータ33を切欠き134c1の内部に挿入した際には、Z方向における切欠き134c1の内壁(切欠き134c1の下側の内壁)にヒータ33が接触する。そのため、ヒータ33の、端子33a側とは反対側の端部の近傍が、支持部134により支持される。
【0075】
ここで、ヒータ33への電力の印加時(ON時)には、発生した熱によりヒータ33が加熱されるので、熱膨張によりヒータ33が主に中心軸に沿った方向に伸びる。また、ヒータ33への電力の印加の停止時(OFF時)には、加熱されたヒータ33が冷却されるので、ヒータ33が中心軸に沿った方向に縮む。すなわち、ヒータ33への電力の印加時(ON時)、または、ヒータ33への電力の印加の停止時(OFF時)には、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮する。なお、ヒータ33の端子33a側の一端は保持部35により固定されているため、ヒータ33の熱膨張による伸縮は、端子33a側の一端が起点となる。
【0076】
この場合、ヒータ33の、端子33a側とは反対側の端部の近傍は、重力により、切欠き134c1の下側の内壁に載置されているだけであるため、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮したとしても、ヒータ33が拘束されることが無い。そのため、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮した際に、ヒータ33が変形するのを抑制することができる。
【0077】
ところが、重力により、ヒータ33が切欠き134c1の下側の内壁に載置されていると、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮した際に、ヒータ33と切欠き134c1の内壁とが擦れることになる。ヒータ33と切欠き134c1の内壁とが擦れると、パーティクルが発生する場合がある。発生したパーティクルがワーク100に付着すると、ワーク100の品質が低下するおそれがある。
【0078】
図7は、本実施の形態に係る支持部34によるヒータ33の支持を例示するための模式図である。
図8は、支持部34を例示するための模式斜視図である。
図7、および
図8に示すように、支持部34は、ガイド部34a、および回動部34bを有する。
ガイド部34aは、ヒータ33の下方に設けられている。ガイド部34aは、例えば、取付プレート34a1、プレート34a2(第1のプレートの一例に相当する)、およびガイドプレート34a3を有する。取付プレート34a1、プレート34a2、およびガイドプレート34a3は、例えば、板材を折り曲げることで一体に形成することができる。
【0079】
取付プレート34a1は、カセットラック60のフレーム61に設けられている。
プレート34a2は、X方向において、取付プレート34a1とガイドプレート34a3との間に設けられている。X方向におけるプレート34a1の一方の端部は、Z方向における取付プレート34a1の上側の端部に接続されている。X方向におけるプレート34a2の他方の端部は、Z方向におけるガイドプレート34a3の下側の端部に接続されている。
また、プレート34a2は、ヒータ33の下方に所定の間隔を空けて設けられている。例えば、プレート34a2は、ヒータ33と対向し、ヒータ33と平行となるように設けることができる。
【0080】
ガイドプレート34a3は、X方向およびZ方向において、取付プレート34a1とは異なる位置に設けられている。この場合、ガイドプレート34a3は、取付プレート34a1よりも上側に設けられている。ガイドプレート34a3は、Y方向において、取付プレート34a1と同じ位置に設けられている。ガイドプレート34a3は、取付プレート34a1と平行となるように設けられている。
【0081】
ガイドプレート34a3は、厚み方向を貫通し、ヒータ33を挿入可能な切欠き34a3aを有する。切欠き34a3aは、Z方向におけるガイドプレート34a3の上側の端部に開口している。切欠き34a3aは、U字状の切欠きとすることができる。
【0082】
図8に示すように、ヒータ33を切欠き34a3aの内部に挿入した際には、切欠き34a3aの内壁と、ヒータ33との間に隙間が設けられる。ガイド部34a(ガイドプレート34a3)は、Y方向におけるヒータ33の位置がズレるのを抑制するが、支持部134(支持プレート134c)のようにヒータ33を支持しているわけではない。
【0083】
回動部34bは、ガイド部34aのプレート34a2と、ヒータ33との間に設けられている。回動部34bは、ヒータ33とプレート34a2と接触する。回動部34bがヒータ33と接触した状態では、Z方向におけるガイドプレート34a3の切欠き34a3aの内壁(切欠き34a3aの下側の内壁)と、ヒータ33とは接触しない。Y方向におけるガイドプレート34a3の切欠き34a3aの一方の内壁(切欠き34a3aの一方の側壁)と、ヒータ33とは接触する場合がある。しかしながら、ヒータ33は、重力により、切欠き34a3aの側壁に押し付けられるわけではない。
支持部34(回動部34b)の作用については後述する。
【0084】
また、回動部34bは、ヒータ33と接触した状態で、ヒータ33の伸縮に応じて(追従して)、ヒータ33の中心軸に沿った方向(X方向)に移動可能となっている。回動部34bは、例えば、円柱状(中実)、または円筒状(中空)を呈し、ヒータ33の中心軸と交差する方向に延びている。
【0085】
回動部34bは、ヒータ33に接触するので、耐熱性を有する材料から形成される。また、回動部34bは、ヒータ33が延びる方向に移動可能となっているので、移動してもパーティクルが発生しにくい材料から形成することが好ましい。回動部34bは、例えば、ステンレスなどの金属から形成することができる。
【0086】
次に、支持部34の作用について説明する。
図9は、支持部34の作用を例示するための模式図である。
図9において実線で示すように、ヒータ33への電力の印加時(ON時)には、発生した熱によりヒータ33が加熱されるので、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸びる。
図9において一点鎖線で示すように、ヒータ33への電力の印加の停止時(OFF時)には、加熱されたヒータ33が冷却されるので、ヒータ33が中心軸に沿った方向に縮む。
【0087】
前述した様に、回動部34bは、ヒータ33を支持した状態で移動が可能となっている。そのため、
図9に示すように、回動部34bは、ヒータ33の中心軸に沿った方向の伸縮に応じて移動する。この場合、回動部34bは、回転移動するので、回動部34bとヒータ33との間、回動部34bとプレート34a2との間に擦れが生じるのを抑制することができる。
【0088】
また、回動部34bがヒータ33を支持するので、前述した様に、ガイドプレート34a3の切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33とは接触しない。そのため、ヒータ33が中心軸に沿った方向の伸縮した際に、切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33との間に擦れが生じることがない。
【0089】
回動部34bとヒータ33との間、回動部34bとプレート34a2との間、および、切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33との間に擦れが生じ無ければ、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0090】
なお、前述した様に、ガイドプレート34a3の切欠き34a3aの一方の側壁と、ヒータ33とは接触し得るが、ヒータ33は、切欠き34a3aの側壁に押し付けられるわけではない。そのため、ヒータ33と、切欠き34a3aの側壁との間に擦れが生じたとしても、パーティクルの発生量は大幅に少なくなる。
【0091】
そのため、本実施の形態に係る支持部34とすれば、ヒータ33のON/OFF時に、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮したとしても、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0092】
また、回動部34bが円筒状(中空)であれば、回動部34bの軽量化を図ることができる。回動部34bの軽量化を図ることができれば、回動部34bの取り付けや取り外しが容易となったり、回動部34bの回転移動が容易となったりする。
【0093】
また、回動部34b直径寸法を小さくすれば、回動部34bの回転移動が容易となる。例えば、回動部34b直径寸法は、ヒータ33の直径寸法と同等か、それよりも小さくすることができる。この様にすれば、回動部34bが回転移動するために必要になる力が小さくてすむため、回動部34bの回転移動をさらに容易とすることができる。小さい力で回動部34bが回転移動できると、ヒータ33の伸びに応じて回動部34bがスムーズに追従して移動するため、ヒータ33と回動部34bとがこすれ合うことをより確実に防止できる。
【0094】
回動部34bは、1つのヒータ33に対して1つ設けることもできるし、複数のヒータ33に対して1つ設けることもできる。この場合、回動部34bが、複数のヒータ33に対して1つ設けられていれば、ヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に回動部34bが移動するのを抑制することができる。回動部34bが、ヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に移動しなければ、回動部34bとヒータ33との間、および回動部34bとプレート34a2との間の擦れが生じるのを抑制することができる。
【0095】
例えば、ヒータ33の中心軸に交差する方向における、回動部34bの長さ(回動部34bの軸方向の長さ)は、3つ以上のヒータ33と接触する長さとすることができる。この様にすれば、ヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に回動部34bが移動するのを効果的に抑制することができる。
ここで、回動部34bに対してヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に力が働くと、回動部34bの中心軸は次第にヒータ33の中心軸と直交する方向から大幅にずれてしまう。回動部34bの中心軸がヒータ33の中心軸と直交する方向から大幅にずれると、ヒータ33と回動部34bとの接触面積が大きくなり、両者がこすれ合う面積が大きくなってしまい、パーティクルが生じる原因となる。
そのため、回動部34bの長さを3つ以上のヒータ33と接触する長さとすれば、回動部34bの上に3つ分以上のヒータ33の荷重をかけることができる。そのため、回動部34bの長手方向の中央から外れた部分において、中央部分よりも荷重がかかるのを防止できるので、ヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に力が働くことを防止することができる。
【0096】
また、ヒータ33の中心軸に交差する方向における、回動部34bの長さ(回動部34bの軸方向の長さ)は、ヒータ33の伸び量の20倍以上の長さとすることができる。例えば、ヒータ33の伸び量が20mm程度の場合には、回動部34bの軸方向の長さは、400mm以上とすることができる。回動部34bの軸方向の長さをこの様にすれば、ヒータ33の中心軸に沿った方向と交差する方向に回動部34bが移動するのを効果的に抑制することができる。この場合にも、回動部34bの中心軸がヒータ33の中心軸と直交する方向から大幅にずれることを防止することができるので、パーティクルの発生をより効果的に防止することができる。
【0097】
なお、
図8に示すように、カセットフレーム61と取付プレート34a1との間に遮熱板65を設けることができる。遮熱板65は、ヒータ33の熱がチャンバ10の外部へ伝わるのを妨げ、チャンバ10内における加熱効率と蓄熱効率を向上させるために設けられる。
図9に示すように、遮熱板65にも切欠きが設けられている。遮熱板65に切欠きが設けられていれば、ヒータ33が膨張して、ヒータ33の端部が遮熱板65の位置まで到達した場合に、ヒータ33の端部と遮熱板65とがこすれ合ってパーティクルが発生するのを防止することができる。後述するとおり、ヒータ33の端部は非加熱領域となるので、遮熱板65に切欠きが設けられていても、ヒータ33の、回動部34より内側部分から放射的にフレーム61に向かって拡がる熱を十分に遮熱することができる。
【0098】
ここで、例えば、ワーク100の端部の近傍は、ワーク100の中央よりも熱が外部に逃げやすい。そのため、ワーク100の面内温度のバラツキを小さくするために、ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を複数の領域に分けて行う場合がある。例えばワーク100の両端部近傍の2つの領域と、ワーク100の中央の1つの領域の、3つの領域に分けてヒータ33の制御を行うと、領域毎にヒータ33の温度設定やON/OFFのタイミングが異なる場合がある。例えば、熱が外部に逃げやすい両端部の2つの領域は中央の領域よりも温度設定を高くすることが考えられる。領域毎にヒータ33の温度設定が異なると、領域毎にヒータ33の伸縮量が異なる場合がある。ワーク100の面内温度を均一に加熱するためにヒータ33の温度設定やON/OFFのタイミングを制御するため、結果として周辺の温度も均一となり、ヒータ33の膨張も概ね同じスピードとなることが考えられるが、正確にはこれらの温度制御によって領域毎にヒータの伸縮量が異なってしまうことがある。あるいは、熱が外部へ逃げやすい両端部の2つの領域においてヒータ33同士の間隔を中央の領域よりも密にすることが考えられる。そうすると、回動部34bのY方向の位置によって支持するヒータ33の本数が変わり、回動部34bの回転移動の容易さに差異が生じることがある。
【0099】
この場合、ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を行う複数の領域に対して1つの回動部34bを設けたり、複数の領域を跨いで1つの回動部34bを設けたりすると、回動部34bとヒータ33との間、および回動部34bとプレート34a2との間の擦れが生じる場合がある。擦れが生じると、パーティクルが発生する。あるいは支持するヒータ33の本数が異なる場合には、多くのヒータ33を支持している領域とそうでない領域とで回動部34bの回転移動の容易さが異なるため、先に述べたような回動部34bの中心軸がヒータ33の中心軸と直交する方向から大幅にずれてしまうことがある。そうすると、ヒータ33と回動部34bとの接触面積が増大し、両者がこすれ合う面積が大きくなるため、パーティクルが生じる原因となる。
【0100】
そこで、回動部34bは、例えば、ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を行う複数の領域のそれぞれに対して、1つ設けることが好ましい。ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を行う1つの領域においては、ヒータ33の伸縮量がほぼ同じとなる。そのため、回動部34bが、ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を行う複数の領域のそれぞれに対して、1つ設けられていれば、ヒータ33の伸縮量の違いに起因する擦れ、ひいてはパーティクルの発生を抑制することができる。
【0101】
すなわち、複数のヒータ33の温度制御が、ワーク100における複数の領域毎に行われる場合には、回動部34bは、複数の領域のそれぞれに1つ設けることが好ましい。
例えば、ワーク100の温度制御(ヒータ33の制御)を複数の領域に分けて行う場合には、温度制御を行う領域毎に温度センサが設けられる場合が多い。そのため、回動部34bは、1つの温度センサに対して1つ設けることもできる。なお、このようにY方向において複数の回動部34bを設ける場合においては、複数の回動部34b同士の接触を避けるため、位置決め用の僅かな突起を取付プレート34a1に設けるようにしても良い。
【0102】
温度制御の差異に基づく複数の領域それぞれに回動部34bを設けるほかに、全体を単に2つの領域に分け、この領域毎に回動部34bを設けることも可能である(つまり、回動部34bをY方向において2つ設ける)。このように回動部34bがY方向において2つに分けて設けられる場合には、一方を開閉扉13側、他方を蓋15側から取り出すことができ、メンテナンス等を行う際、効率的に取り外しをすることができる。
【0103】
図10、および
図11は、他の実施形態に係る支持部36(第2の支持部の一例に相当する)によるヒータ33の支持を例示するための模式図である。
図10、および
図11に示すように、支持部36は、取付プレート36a、プレート36b(第2のプレートの一例に相当する)、および保持部36cを有する。
【0104】
取付プレート36aは、板状を呈している。取付プレート36aは、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、カセットラック60に設けられた梁64などに取り付けられる(
図4参照)。
【0105】
プレート36bは、板状を呈し、ヒータ33側に延びている。プレート36bの一方の端部は、取付プレート36aと接続されている。取付プレート36a、およびプレート36bは、例えば、板材を折り曲げることで一体に形成することができる。
【0106】
保持部36cは、バンド状を呈し、ネジなどの締結部材を用いて、ヒータ33を保持する。プレート36bの、取付プレート36a側とは反対側の端部は、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、保持部36cと接続されている。
【0107】
支持部36(取付プレート36a、プレート36b、および保持部36c)は、耐熱性を有し、パーティクルが発生しにくく、且つ、弾性変形する材料から形成される。支持部36は、例えば、厚みが0.5mm程度のステンレスの板材から形成することができる。
【0108】
ヒータ33のON/OFF時に、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮した場合には、保持部36cを介して、プレート36bに曲げ応力が働く。プレート36bは、弾性変形する材料から形成されているので、板バネとして機能する。すなわち、プレート36bは、保持部36cに接続され、ヒータ33の伸縮に応じて、ヒータ33の中心軸に沿った方向に弾性変形する。
【0109】
プレート36bがヒータ33の中心軸に沿った方向に弾性変形すれば、ヒータ33が伸縮したとしても、支持部36(保持部36c)と、ヒータ33との間に擦れが生じるのを抑制することができる。
そのため、ヒータ33のON/OFF時に、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮したとしても、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0110】
なお、以上においては、支持部34、または保持部36cを、ヒータ33の軸方向の端部の近傍に設ける場合を例示した。しかしながら、1つのヒータ33に複数の支持部34設けたり、1つのヒータ33に複数の支持部36設けたり、1つのヒータ33に支持部34および保持部36cを設けたり、前述した温度制御を行う領域毎に支持部34と支持部36を使い分けたりすることもできる。
すなわち、支持部34、および保持部36cの少なくともいずれかを設けることができる。
【0111】
また、一般的には、ヒータ33の軸方向の端部の近傍は、非加熱領域となっている。また、ワーク100に上方や下方に、支持部34や支持部36を設けると、ワーク100の温度の面内分布がばらつくおそれがある。
そのため、支持部34、および保持部36cは、ヒータ33の端部の近傍における非加熱部に設けることが好ましい。また、非加熱部に支持部34および保持部36cが設けられることにより、チャンバ10内が真空下でワーク100の加熱処理をおこなっているときには特に、ヒータ33の輻射を妨げることがなく、ワーク100の加熱処理を均一におこなうことができる。
【0112】
図12は、他の実施形態に係るカセット50aを例示するための模式斜視図である。
図12に示すように、カセット50aは、前述したカセット50と同様に、カセットフレーム51、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55、ワーク支持部56、冷却部57、および、カセット支持部58を有している。
また、カセット50aは、一対のヒータ33をさらに備えている、なお、ヒータ33の径寸法や長さは、カセットフレーム51の大きさに応じて適宜変更することができる。ヒータ33は、ワーク100が支持される領域の外側に設けることができる。
【0113】
カセット50a(カセットフレーム51)の内部にヒータ33を設ける場合にも、前述したものと同様に、ヒータ33を支持する支持部34、および保持部36cの少なくともいずれかを設けることができる。
例えば、カセット50aのX方向両端において、カセット50aの内部にヒータ33を設けることができる。この場合にも、
図12の紙面手前側に開閉扉13が設けられているが、ヒータ33はY方向に延びるように設けられるため、開閉扉13側のヒータ33端部に支持部34a、回動部34bを設けることができない。そこで
図10、
図11に示した支持部36を採用することが好ましい。
【0114】
この様にすれば、ヒータ33のON/OFF時に、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮したとしても、カセット50a(カセットフレーム51)の内部において、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0115】
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、加熱処理装置1の形状、寸法、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0116】
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0117】
1 加熱処理装置、10 チャンバ、20 排気部、30 加熱部、33 ヒータ、33a 端子、34 支持部、34a ガイド部、34a1 取付プレート、34a2 プレート、34a3 ガイドプレート、34a3a 切欠き、34b 回動部、36 支持部、36a 取付プレート、36b プレート、36c 保持部、50 カセット、50a カセット、60 カセットラック、61 フレーム、62 受け部材、100 ワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にワークが収納されるチャンバと、
前記チャンバの内部に設けられ、棒状を呈する複数のヒータと、
前記チャンバの内部において前記ヒータを支持する、第1の支持部、および第2の支持部の少なくともいずれかと、
を備え、
前記複数のヒータは、前記ヒータの中心軸と交差する方向に並び、
前記第1の支持部は、前記ヒータの下方に、前記複数のヒータと平行となるように設けられた第1のプレートと、前記ヒータと前記第1のプレートとの間に設けられ、前記ヒータと前記第1のプレートと接触し、前記ヒータの中心軸に沿った方向に移動可能な回動部と、を有し、
前記第2の支持部は、前記ヒータを保持する保持部と、前記保持部に接続され、前記ヒータの伸縮に応じて、前記ヒータの中心軸に沿った方向に弾性変形可能な第2のプレートと、を有する加熱処理装置。
【請求項2】
前記第1のプレートの前記チャンバの中央側の一端側に設けられ、前記第1のプレートから前記ヒータに近づく方向に立ち上がるように設けられるガイドプレートをさらに有することを特徴とする請求項1記載の加熱処理装置。
【請求項3】
前記ガイドプレートは、前記ヒータを挿入可能な切欠きを有し、
前記切欠きは、前記ヒータの中心軸と交差する方向において、前記ヒータの位置ずれを抑制することを特徴とする請求項2記載の加熱処理装置。
【請求項4】
前記チャンバ内に設けられ、前記ワークを収納するカセットをさらに有し、
前記カセットは、板状物と前記板状物を支える梁とを有し、
前記第2のプレートの、前記保持部とは反対側の端部は前記カセットの前記梁に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の加熱処理装置。
【請求項5】
前記回動部は、円柱状、または円筒状を呈し、前記ヒータの中心軸と交差する方向に延び、
前記ヒータの中心軸に交差する方向における、前記回動部の長さは、
前記ヒータの伸び量の20倍以上の長さ、
および、
3つ以上の前記ヒータと接触する長さ、
の少なくともいずれかである請求項1乃至3のいずれかに記載の加熱処理装置。
【請求項6】
前記チャンバの内部を排気する排気部をさらに備え、
前記回動部、および前記保持部は、前記ヒータの端部の近傍における非加熱部に設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載の加熱処理装置。
【請求項7】
前記複数のヒータの温度制御は、前記ワークにおける複数の領域毎に行われ、
前記回動部は、前記複数の領域のそれぞれに1つ設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載の加熱処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態に係る加熱処理装置は、内部にワークが収納されるチャンバと、前記チャンバの内部に設けられ、棒状を呈する複数のヒータと、前記チャンバの内部において前記ヒータを支持する、第1の支持部、および第2の支持部の少なくともいずれかと、を備え、前記複数のヒータは、前記ヒータの中心軸と交差する方向に並び、前記第1の支持部は、前記ヒータの下方に、前記複数のヒータと平行となるように設けられた第1のプレートと、前記ヒータと前記第1のプレートとの間に設けられ、前記ヒータと前記第1のプレートと接触し、前記ヒータの中心軸に沿った方向に移動可能な回動部と、を有し、前記第2の支持部は、前記ヒータを保持する保持部と、前記保持部に接続され、前記ヒータの伸縮に応じて、前記ヒータの中心軸に沿った方向に弾性変形可能な第2のプレートと、を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
カセット50は、例えば、カセットフレーム51、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55、ワーク支持部56、冷却部57
(図1、図2参照)、および、カセット支持部58を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図1に戻って、冷却部57は、前述した冷却部40から供給される冷却ガスをカセット50内のワーク100に供給する。冷却部57は、例えば、カセットフレーム51の側面に設けることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
また、回動部34bがヒータ33を支持するので、前述した様に、ガイドプレート34a3の切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33とは接触しない。そのため、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸縮した際に、切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33との間に擦れが生じることがない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
図12は、他の実施形態に係るカセット50aを例示するための模式斜視図である。
図12に示すように、カセット50aは、前述したカセット50と同様に、カセットフレーム51、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55、ワーク支持部56、冷却部57、および、カセット支持部58を有している。
また、カセット50aは、一対のヒータ33をさらに備えている
。なお、ヒータ33の径寸法や長さは、カセットフレーム51の大きさに応じて適宜変更することができる。ヒータ33は、ワーク100が支持される領域の外側に設けることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】