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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049812
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/12 20190101AFI20240403BHJP
   G07D 11/13 20190101ALI20240403BHJP
【FI】
G07D11/12
G07D11/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156273
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】大石 皓太郎
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA12
3E141CA05
3E141FC03
3E141FF07
(57)【要約】
【課題】紙幣を取り出し易くする。
【解決手段】筐体から引き出し可能に設けられた装置本体と、前記装置本体に対して着脱可能に設けられた、紙幣を収納する紙幣収納庫と、前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知する引出検知部とを備え、前記紙幣収納庫は、紙幣を収納する紙幣収納空間と、前記紙幣収納空間を第1収納空間と第2収納空間とに仕切り、前記第1収納空間を広げる方向及び狭める方向に移動することにより、紙幣の収納先を前記第1収納空間又は前記第2の収納空間に切り替える仕切部とを備え、前記仕切部は、前記引出検知部により前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知された場合に、前記第1収納空間を広げる方向に移動する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体から引き出し可能に設けられた装置本体と、
前記装置本体に対して着脱可能に設けられた、紙幣を収納する紙幣収納庫と、
前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知する引出検知部と
を備え、
前記紙幣収納庫は、
紙幣を収納する紙幣収納空間と、
前記紙幣収納空間を第1収納空間と第2収納空間とに仕切り、前記第1収納空間を広げる方向及び狭める方向に移動することにより、紙幣の収納先を前記第1収納空間又は前記第2収納空間に切り替える仕切部と
を備え、
前記仕切部は、
前記引出検知部により前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知された場合に、前記第1収納空間を広げる方向に移動する
ことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記紙幣収納庫は、前記紙幣収納空間を有する収納庫筐体を有し、
前記収納庫筐体の一側面に、前記第1収納空間と繋がる紙幣取出口が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記仕切部は、
紙幣の収納先を前記第2収納空間に切り替える第1の位置と、紙幣の収納先を前記第1収納空間に切り替える第2の位置との間で移動し、前記第2の位置にあるときに前記第1収納空間が最も広くなるようになっていて、前記引出検知部により前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知された場合に、前記第2の位置まで移動する
ことを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記仕切部が前記第2の位置にあるとき、前記紙幣取出口側から見た前記第1収納空間の大きさが最も大きくなる
ことを特徴とする請求項3に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記紙幣収納庫が前記装置本体に装着されていることを検知する装着検知部と、
前記第1収納空間に収納されている紙幣の有無を検知する紙幣有無検知部と
をさらに備え、
前記仕切部は、
前記引出検知部により前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知され、さらに前記装着検知部により前記紙幣収納庫が前記装置本体に装着されていることを検知され、且つ前記紙幣有無検知部により前記第1収納空間に収納されている紙幣が有ると検知されている場合に、前記第2の位置まで移動する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記仕切部は、
前記引出検知部により前記筐体から引き出されていた前記装置本体が前記筐体に戻されたことを検知された場合に、前記第2の位置から前記第1の位置まで移動する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記仕切部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と
を備え、
前記仕切部は、前記第1の位置に付勢されていて、
前記制御部は、前記駆動部に通電して前記駆動部を駆動させることにより前記仕切部を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させ、前記駆動部への通電を停止することにより前記仕切部を前記第2の位置から前記第1の位置へ戻す
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記仕切部は、
一端側に設けられた回動軸を中心に回動可能に設けられ、前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の紙幣処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙幣処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、POS(Point Of Sales)システム等に接続されたPOSレジスタに、紙幣と硬貨の入出金処理を行う釣銭機が組み合わされたものが普及している。従来、この種の釣銭機に含まれる紙幣処理装置として、入金された紙幣のうち汚れ等により釣銭に適さないと判別されたリジェクト紙幣と、精算処理時に回収する紙幣とを装置本体に対して着脱可能な回収カセットに収納するようにしたものがある。
【0003】
回収カセットは、内部空間が、仕切部によって、リジェクト紙幣を収納するリジェクト庫と回収する紙幣を収納する回収庫とに仕切られていて、さらにこの仕切部が移動することにより、回収カセットへと搬送されてきた紙幣の収納先をリジェクト庫又は回収庫に切り替えるようになっている。
【0004】
また回収カセットは、一側面にリジェクト庫と繋がる紙幣取出口が設けられていて、回収カセットを装置本体に装着したまま、この紙幣取出口からリジェクト庫に収納されているリジェクト紙幣を取り出すことができるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-8811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の紙幣処理装置は、回収庫のサイズと比べてリジェクト庫のサイズが小さく、紙幣取出口も狭い為に、紙幣を取り出し難いという問題を有していた。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、紙幣を取り出し易くした紙幣処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の紙幣処理装置においては、筐体と、前記筐体から引き出し可能に設けられた装置本体と、前記装置本体に対して着脱可能に設けられた、紙幣を収納する紙幣収納庫と、前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知する引出検知部とを備え、前記紙幣収納庫は、紙幣を収納する紙幣収納空間と、前記紙幣収納空間を第1収納空間と第2収納空間とに仕切り、前記第1収納空間を広げる方向及び狭める方向に移動することにより、紙幣の収納先を前記第1収納空間又は前記第2の収納空間に切り替える仕切部とを備え、前記仕切部は、前記引出検知部により前記筐体から前記装置本体が引き出されたことを検知された場合に、前記第1収納空間を広げる方向に移動する。
【0009】
このように、筐体から装置本体が引き出された場合に、第1収納空間を広げるようにしたことにより、装置本体が引き出されて第1収納空間に収納されている紙幣が取り出される状況になった場合に、第1収納空間を広げて第1収納空間に収納されている紙幣を取り出し易くすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、紙幣を取り出し易くした紙幣処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態による入出金機の外観構成を示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態による紙幣ユニットがスライドする様子を示す斜視図である。
図3】第1の実施の形態による紙幣ユニットの外観構成を示す斜視図である。
図4】第1の実施の形態による紙幣ユニットの内部構成を示す図である。
図5】第1の実施の形態による回収カセットの外観構成を示す斜視図である。
図6】第1の実施の形態による回収カセットの内部構成を示す図である。
図7】第1の実施の形態による紙幣ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.入出金機の外観構成]
図1に、第1の実施の形態としての入出金機1の外観を示す。図1に示す入出金機1は、紙幣及び硬貨の入金及び出金が可能なセルフ精算機であり、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ガソリンスタンド等の小売店の精算所に設置されている。この入出金機1は、図示しないPOSレジなどのレジスタと接続されており、当該レジスタの制御に基づき動作する。
【0014】
入出金機1は、箱型の筐体2を有している。ここで、筐体2を形成する各面のうち、利用者と対峙する面を前面2a、利用者から見て上側の面を上面2bとする。
【0015】
筐体2は、前後方向及び左右方向に比べて上下方向に長い箱型であり、上面2bの中央に、取引明細などが記載されたレシートを出力するレシートプリンタ3と、各種画面を表示する表示部及び表示部に表示された各種画面に対する操作入力を受け付ける操作部として機能する操作表示部4とが設けられている。操作表示部4としては、例えばタッチパネル付きディスプレイが用いられる。
【0016】
さらに筐体2の前面2aの上部左寄りには、紙幣が投入される紙幣投入口5が設けられ、さらに当該紙幣投入口5の下方に、紙幣が排出される紙幣排出口6が設けられている。尚、紙幣投入口5と紙幣排出口6には、例えばシャッタが設けられ、シャッタの開閉により露出又は遮蔽されるようになっている。紙幣投入口5及び紙幣排出口6は、後述する紙幣ユニット7の一部として入出金機1に組み込まれている。
【0017】
さらに筐体2の前面2aには、紙幣投入口5の右側に、硬貨が投入される硬貨投入口8が設けられ、さらに紙幣排出口6の下方に、硬貨が排出される硬貨排出口9が設けられている。硬貨投入口8及び硬貨排出口9は、硬貨ユニット10の一部として入出金機1に組み込まれている。
【0018】
また筐体2は、前面2aが開閉可能な扉11となっていて、この扉11を開くことで、内部(つまり紙幣ユニット7や硬貨ユニット10)にアクセスできるようになっている。
【0019】
[1-2.紙幣ユニットの外観及び内部構成]
つづけて、図2図4を用いて、紙幣ユニット7の外観及び内部構成について説明する。図2(B)に外観斜視図を示すように、紙幣ユニット7は、前後方向に長い直方体形状の装置本体20を有している。
【0020】
この紙幣ユニット7は、図2(A)に示すように、入出金機1の筐体2内部に設けられた紙幣ユニット収納部12に収納されるようになっている。また紙幣ユニット7は、装置本体20の左右両側面の下部に、前後方向に延びるスライドレール21が設けられていて、このスライドレール21が、紙幣ユニット収納部12に設けられたスライドガイド13に係合されることで、前後方向にスライド可能に支持されている。
【0021】
つまり、紙幣ユニット7は、図2(A)に示すように、装置本体20の前端部を除く部分が紙幣ユニット収納部12の内部に収納された状態(以下、収納状態と呼ぶ)と、図2(B)に示すように、装置本体20が前方に引き出されて装置本体20のほぼ全体が紙幣ユニット収納部12の外部に露出した状態(以下、露出状態と呼ぶ)との間で、前後方向にスライド可能となっている。
【0022】
入出金機1では、例えば、保守員等が扉11(図1参照)を開けて紙幣ユニット7を引出状態まで引き出して紙幣ユニット7の保守作業等を行うようになっていて、作業を完了すると、保守員等が紙幣ユニット7を収納状態まで押し込んで扉11を閉じるようになっている。
【0023】
この紙幣ユニット7は、図3(A)に示すように、装置本体20の前面上部に紙幣が投入される紙幣投入口5が設けられ、前面下部に紙幣が排出される紙幣排出口6が設けられている。尚、図3(A)、(B)に示す紙幣ユニット7は、紙幣投入口5及び紙幣排出口6がシャッタで覆われた状態である。この紙幣ユニット7は、使用者により紙幣投入口5に投入された紙幣を取り込んで装置本体20内部に収納すると共に、内部に収納している紙幣を紙幣排出口6から釣銭として排出するようになっている。
【0024】
さらに図4に内部構成図を示すように、紙幣ユニット7の装置本体20の内部には、紙幣に関する種々の処理を行う部分として、紙幣入金部22と、紙幣出金部23と、紙幣認識部24と、千券庫25と、5千券庫26と、万券庫27と、回収カセット28と、これらを繋ぐ紙幣搬送路Rと、制御部29とが設けられている。
【0025】
紙幣入金部22は、装置本体20内部の前端上部(つまり紙幣投入口5の奥側)に設けられている。この紙幣入金部22は、紙幣投入口5と繋がっていて、使用者によって紙幣投入口5に投入された紙幣(つまり入金する紙幣)を1枚ずつに分離して紙幣搬送路Rへと繰り出すようになっている。紙幣出金部23は、装置本体20内部の前端下部(つまり紙幣排出口6の奥側であり、紙幣入金部22の下方)に設けられている。この紙幣出金部23は、紙幣排出口6と繋がっていて、釣銭としての紙幣(つまり出金する紙幣)を、紙面を上下方向に向けて集積した状態で、紙幣排出口6から排出するようになっている。
【0026】
紙幣搬送路Rは、ローラやベルト等により、長方形の紙幣を短手方向に搬送する。また図中省略しているが、紙幣搬送路Rの分岐箇所には、紙幣の搬送先を切り替える為のブレードが設けられている。
【0027】
紙幣認識部24は、紙幣入金部22の後方に設けられている。この紙幣認識部24は、紙幣搬送路Rに沿って搬送されてくる紙幣を、内部で搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種、真偽、正損(損傷しているか否か)及び搬送状態等を認識して、その鑑別結果を制御部29に通知する。制御部29は、紙幣認識部24から通知された鑑別結果に基づいて、ブレード等を制御することにより、紙幣の搬送先を決定する。
【0028】
紙幣認識部24の下方には、回収カセット28が設けられ、さらに回収カセット28の後方には、千券庫25、5千券庫26及び万券庫27が設けられている。尚、これら千券庫25、5千券庫26及び万券庫27をまとめて紙幣収納庫ともいう。千券庫25、5千券庫26及び万券庫27は、それぞれ内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。千券庫25、5千券庫26及び万券庫27は、それぞれ紙幣認識部24により損傷の程度が小さく再利用が可能(つまり釣銭として利用可能)であると判別された紙幣が金種ごとに搬送されてくると、これを内部に集積して収納する。また千券庫25、5千券庫26及び万券庫27は、制御部29により紙幣を繰り出すよう指示されると、収納している紙幣を1枚ずつに分離して紙幣搬送路Rへと繰り出すようになっている。
【0029】
回収カセット28は、上側のリジェクト庫28Aと下側の回収庫28Bとを有するカセットであり、紙幣ユニット7の装置本体20に対して着脱可能に設けられている。この回収カセット28は、図3(A)、(B)に示すように、一部が装置本体20の左側面20Lに設けられた開口部20Hから露出するようにして、装置本体20に設けられたカセット装着部20C(図2(B)参照)に装着されている。この回収カセット28は、図2(B)に示すように、装置本体20の開口部20H(図2(B)では省略)から左方向に引き出すようにしてカセット装着部20Cから取り外すことができ、また装置本体20の開口部20Hに押し込むようにしてカセット装着部20Cに装着できるようになっている。
【0030】
図4に戻り、この回収カセット28は、紙幣収納庫(千券庫25、5千券庫26及び万券庫27)から繰り出された紙幣のうち、紙幣認識部24により汚れや重送等で釣銭に適さないと判別されたリジェクト紙幣が搬送されてくると、これをリジェクト庫28Aに収納する。また回収カセット28は、紙幣収納庫に収納された紙幣の一部又は全部を売上金として回収する回収処理時に、回収される紙幣が搬送されてくると、これを回収庫28Bに収納するようになっている。回収カセット28について詳しくは後述する。
【0031】
また紙幣ユニット7は、所定箇所(例えば装置本体20の後端側)に紙幣ユニット7のスライド状態を検知するセンサ30が設けられていて、このセンサ30によりスライド状態を検知するようになっている。具体的には、このセンサ30は、例えば、スイッチ型のセンサであり、紙幣ユニット7が図2(A)に示す収納状態にあるときにはON、紙幣ユニット7が収納状態から前方に引き出されるとOFFするようになっている。このセンサ30の出力は、制御部29に通知される。
【0032】
また紙幣ユニット7は、回収カセット28の近傍に回収カセット28の着脱状態を検知するセンサ31が設けられていて、このセンサ31により着脱状態を検知するようになっている。具体的には、このセンサ31は、例えばスイッチ型のセンサであり、回収カセット28がカセット装着部20Cに装着されている装着状態にあるときにはON、カセット装着部20Cから取り外されるとOFFするようになっている。このセンサ31の出力も、制御部29に通知される。
【0033】
紙幣ユニット7は、このような構成であり、紙幣認識部24による紙幣の鑑別結果やセンサ30、31の出力(ON、OFF)等をもとに制御部29が各部を制御して、紙幣の入金処理、出金処理及び回収処理等を行うようになっている。
【0034】
[1-3.回収カセットの構成]
次に、図5図6を用いて回収カセット28の構成についてより詳しく説明する。図5に外観斜視図を示すように、回収カセット28は、左右方向に長い略直方体形状のカセット筐体40を有している。より詳しくは、カセット筐体40は、左側面40Lの上下方向の中央部分40LCが左方向に迫り出した形状であり、後方及び前方から見て凸字形状となっている。
【0035】
カセット筐体40は、図6に一部を省略した左側面図を示すように、前面40Fの上部に、紙幣搬送路Rに沿って搬送されてくる紙幣を受け取るスリット状の受取口41が設けられ、また図5に示すように、左側面40Lの上部(中央部分40LCの上側)に、リジェクト庫28A(図6参照)に収納されている紙幣を取り出す為の紙幣取出口42が設けられている。
【0036】
紙幣取出口42は、前後方向に長い四角形状であり、図6に示すように、下縁42Bが後端から前端に向かって下方に傾斜していて、後端側(図6の左側)よりも前端側(図6の右側)の方が上下方向に広い開口部となっている。尚、紙幣取出口42の下縁42B以外の上と左右の縁は、当該紙幣取出口42の奥にあるリジェクト庫28Aの上と左右の壁面に沿って設けられている。この紙幣取出口42は、開閉可能な扉43(図6では省略、図5参照)により遮蔽されていて、この扉43を開くことで露出するようになっている。
【0037】
カセット筐体40の内部には、当該内部の大部分を占有する紙幣収納空間44と、紙幣収納空間44の前側上部と受取口41とを繋ぐ内部搬送路45と、内部搬送路45に設けられた集積ローラ部46と、紙幣収納空間44を上側のリジェクト庫28Aと下側の回収庫28Bとに仕切るリジェクト庫プレート47とが設けられている。
【0038】
集積ローラ部46は、内部搬送路45を間に挟んで上下方向に対向配置された2つのローラで構成され、2つのローラの間に紙幣を挟んで内部搬送路45から紙幣収納空間44に放出する。尚、図では省略しているが、集積ローラ部46の下側のローラは、例えば、円筒状のローラの外周に放射状に延びる舌片が設けられた舌片ローラである。
【0039】
リジェクト庫プレート47は、内部搬送路45の後方に設けられていて、後端部に設けられた回動軸47Sを中心に、前端部が内部搬送路45よりも上方にくる第1の位置(実線で示す位置)と、前端部が内部搬送路45より下方にくる第2の位置(点線で示す位置)との間で回動可能となっている。尚、このリジェクト庫プレート47は、例えば図示しないバネなどの付勢部材により第1の位置に付勢されていて、後述するプレート駆動部101(図7参照)の駆動力を受けて第1の位置から第2の位置まで回動するようになっている。
【0040】
ここで、リジェクト庫プレート47が第1の位置にあるとき、リジェクト庫28Aが最も狭くなり回収庫28Bが最も広くなる。このとき、リジェクト庫プレート47は、後端の上下方向の位置が、紙幣取出口42の下縁42Bの後端とほぼ同じ位置となり、前端の上下方向の位置が、紙幣取出口42の下縁42Bの前端よりも上方に位置する。また一方で、リジェクト庫プレート47が第2の位置にあるとき、リジェクト庫28Aが最も広くなり回収庫28Bが最も狭くなる。このとき、リジェクト庫プレート47は、後端の上下方向の位置が、紙幣取出口42の下縁42Bの後端とほぼ同じ位置となり、且つ前端の上下方向の位置も、紙幣取出口42の下縁42Bの前端とほぼ同じ位置となる。つまりこのとき、リジェクト庫プレート47は、紙幣取出口42の下縁42Bと平行で且つ上下方向の位置がほぼ等しくなる。
【0041】
回収カセット28では、回収される紙幣を回収庫28Bに収納する場合、リジェクト庫プレート47を第1の位置に回動させて停止させる。このとき、リジェクト庫プレート47の前端が、内部搬送路45よりも上方にくる為、受取口41から入ってきた紙幣は、集積ローラ部46により内部搬送路45からリジェクト庫プレート47の下側を通ってリジェクト庫プレート47の下側に位置する回収庫28Bに集積される。
【0042】
一方で、回収カセット28では、リジェクト紙幣をリジェクト庫28Aに収納する場合、リジェクト庫プレート47を第2の位置に回動させて停止させる。このとき、リジェクト庫プレート47の前端が、内部搬送路45よりも下方にくる為、受取口41から入ってきた紙幣は、集積ローラ部46により内部搬送路45からリジェクト庫プレート47の上側を通ってリジェクト庫プレート47の上側に位置するリジェクト庫28Aに集積される。
【0043】
またカセット筐体40の内部には、リジェクト庫28Aに収納されている紙幣の有無を検知する為のセンサ48が設けられている。具体的には、このセンサ48は、例えば、光電センサであり、リジェクト庫28Aに紙幣が収納されているときにはON、紙幣が1枚も収納されていないときはOFFするようになっている。このセンサ48の出力も、紙幣ユニット7の制御部29に通知される。
【0044】
さらに回収カセット28は、図3(A)、(B)に示したように、紙幣ユニット7の装置本体20に装着された装着状態のときに、装置本体20の左側面20Lに設けられた開口部20Hから、カセット筐体40の左側面40Lが露出するようになっている。このとき、回収カセット28は、扉43を開くことで紙幣取出口42を露出させることができ、この紙幣取出口42から、リジェクト庫28Aに収納されているリジェクト紙幣を取り出すことができるようになっている。
【0045】
つまり、紙幣ユニット7は、入出金機1の筐体2から引き出された際に、回収カセット28を装着したまま、回収カセット28の紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出すことができるようになっている。
【0046】
さらに回収カセット28は、図6に示すように、カセット筐体40の後面40Bが開閉可能な扉49となっていて、紙幣ユニット7の装置本体20から取り外されたときに、この扉49を開くことで、内部にアクセスでき、リジェクト庫28Aや回収庫28Bに収納されている紙幣を取り出すことができるようになっている。回収カセット28の構成は、以上のようになっている。
【0047】
[1-4.紙幣ユニット7の機能構成]
次に、図7を用いて紙幣ユニット7の機能構成について説明する。尚、ここでは、紙幣ユニット7の機能構成のうち、回収カセット28のリジェクト庫プレート47の動作に係る機能構成のみを説明し、それ以外の機能構成については説明を省略する。
【0048】
紙幣ユニット7は、リジェクト庫プレート47の動作に係る機能構成として、制御部29と、状態検知部100と、プレート駆動部101と、リジェクト庫プレート47とを有している。
【0049】
状態検知部100は、センサ30、31、48を含み、センサ30、31、48のそれぞれの出力を制御部29に通知する。プレート駆動部101は、例えばリジェクト庫プレート47を回動させる為のソレノイドを有していて、制御部29からの指示に従ってソレノイドをON(つまりソレノイドに通電)することにより、リジェクト庫プレート47を第2の位置(収納先をリジェクト庫28Aとする位置)に回動させ、ソレノイドをOFF(つまりソレノイドへの通電を停止)することにより、リジェクト庫プレート47を第1の位置(収納先を回収庫28Bとする位置)に回動させるようになっている。つまり、リジェクト庫プレート47は、通常、第1の位置に付勢されていて、ソレノイドにより第1の位置から第2の位置まで回動する構成となっている。
【0050】
制御部29は、状態検知部100から通知されるセンサ30、31、48の出力などに基づいて、リジェクト庫プレート47の回動(つまりプレート駆動部101の動作)を制御するようになっている。紙幣ユニット7の機能構成は、以上のようになっている。
【0051】
[1-5.リジェクト庫プレートの動作]
次に、リジェクト庫プレート47の動作について説明する。ここでは、リジェクト庫プレート47の動作として、回収カセット28に紙幣を収納する際のリジェクト庫プレート47の動作と、回収カセット28のリジェクト庫28Aからリジェクト紙幣を取り出す際のリジェクト庫プレート47の動作について説明する。尚、リジェクト庫プレート47の動作は、上述したように、制御部29がプレート駆動部101を介して制御するようになっている。
【0052】
まず、回収カセット28に紙幣を収納する際のリジェクト庫プレート47の動作について説明する。このときの動作は、上述した為、簡単に説明するが、回収される紙幣を回収庫28Bに収納する場合、制御部29は、リジェクト庫プレート47を第1の位置に回動させ、リジェクト紙幣をリジェクト庫28Aに収納する場合、リジェクト庫プレート47を第2の位置に回動させる。
【0053】
次に、回収カセット28のリジェクト庫28Aからリジェクト紙幣を取り出す(つまり紙幣取出口42から紙幣を取り出す)際のリジェクト庫プレート47の動作について説明する。上述したように、リジェクト庫28Aの紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出す為には、紙幣ユニット7を入出金機1の筐体2から前方に引き出して、回収カセット28のカセット筐体40の左側面40L(つまり紙幣取出口42が設けられた面)を露出させる必要がある。
【0054】
この為、制御部29は、センサ30の出力結果から、紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2から前方に引き出されたことを判別すると、リジェクト庫プレート47を第2の位置へと回動させて(つまりリジェクト庫28Aを広げる方向に回動させて)停止させる。
【0055】
このとき、図6に示したように、リジェクト庫プレート47は、紙幣取出口42の下縁42Bと平行で且つ上下方向の位置がほぼ等しくなる。ここで、リジェクト庫プレート47の上側がリジェクト庫28Aとなることから、紙幣取出口42側(つまり回収カセット28の左側)から見たリジェクト庫28Aの大きさは、紙幣取出口42とほぼ同程度の大きさまで広がったことになる。
【0056】
別の言い方をすると、リジェクト庫プレート47が第1の位置にある場合、リジェクト庫プレート47の前端が、紙幣取出口42の下縁42Bの前端よりも上方に位置する為、紙幣取出口42全体のうち、実際に手を入れてリジェクト紙幣を取り出す範囲(リジェクト庫プレート47と紙幣取出口42の上と左右の縁で囲われる範囲)Ar1が、紙幣取出口42よりも狭くなってしまう。
【0057】
これに対して、リジェクト庫プレート47が第2の位置にある場合、紙幣取出口42全体のうち、実際に手を入れてリジェクト紙幣を取り出す範囲(リジェクト庫プレート47と紙幣取出口42の上と左右の縁で囲われる範囲)Ar1が、紙幣取出口42と同程度となり、第1の位置にある場合よりも広くなる。
【0058】
このように、制御部29は、紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2から前方に引き出されると、リジェクト庫プレート47を第2の位置へと回動させ、紙幣取出口42側から見たリジェクト庫28Aの大きさを、紙幣取出口42とほぼ同程度の大きさまで広げることで、紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出し易くする。
【0059】
その後、例えば、回収カセット28が紙幣ユニット7から取り外されると、このとき、回収カセット28側では、紙幣ユニット7からの電力供給がなくなり、ソレノイドがOFFすることで、リジェクト庫プレート47が第1の位置へと戻る。またこのとき、紙幣ユニット7側では、制御部29が、センサ31の出力結果から、回収カセット28が取り外されたことを判別すると、回収カセット28への電力供給を遮断する。
【0060】
さらに回収カセット28の制御部29は、センサ30の出力結果から、前方に引き出された紙幣ユニット7が再び入出金機1の筐体2に収納されたことを判別すると、このとき行うメカイニシャル動作(初期化動作)の中で、リジェクト庫プレート47を第2の位置から第1の位置へと回動させる。リジェクト庫プレート47の動作は、以上のようになっている。
【0061】
[1-6.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、紙幣処理装置としての入出金機1に、筐体2と、筐体2から引き出し可能に設けられた装置本体20と、装置本体20に対して着脱可能に設けられた、紙幣を収納する紙幣収納庫としての回収カセット28と、筐体2から装置本体20が引き出されたことを検知する引出検知部としてのセンサ30とを設けた。
【0062】
また回収カセット28に、紙幣を収納する紙幣収納空間44と、紙幣収納空間44を第1収納空間としてのリジェクト庫28Aと、紙幣を収納する第2収納空間としての回収庫28Bとに仕切り、リジェクト庫28Aを広げる方向及び狭める方向に移動(回動)することにより、紙幣の収納先をリジェクト庫28A又は回収庫28Bに切り替える仕切部としてのリジェクト庫プレート47を設けた。
【0063】
そして、センサ30により筐体2から装置本体20が引き出されたことを検知された場合に、リジェクト庫プレート47が、リジェクト庫28Aを広げる方向に(つまり第1の位置から第2の位置に)移動するようにした。
【0064】
このように、筐体2から装置本体20が引き出された場合に、リジェクト庫28Aを広げるようにリジェクト庫プレート47を移動させるようにしたことにより、装置本体20が引き出されてリジェクト庫28Aに収納されているリジェクト紙幣が取り出される状況になった場合に、リジェクト庫28Aを広げてリジェクト庫28Aに収納されているリジェクト紙幣を取り出し易くすることができる。
【0065】
すなわち、リジェクト庫プレート47を、リジェクト庫28Aを広げる方向に第1の位置から第2の位置に移動させると、収納庫筐体としてのカセット筐体40の一側面に設けられ、リジェクト庫28Aと繋がっている紙幣取出口42側から見たリジェクト庫28Aの大きさが最も大きくなる。
【0066】
この結果、リジェクト庫プレート47が第1の位置にある場合と比較して、紙幣取出口42全体のうち、実際に手を入れてリジェクト紙幣を取り出す範囲(リジェクト庫プレート47と紙幣取出口42の上と左右の縁で囲われる範囲)Ar1が広くなり、リジェクト庫28Aに収納されている紙幣を取り出し易くすることができる。
【0067】
また本実施の形態では、入出金機1に、リジェクト庫プレート47を回動させる駆動部としてのプレート駆動部101を設けた。そして、センサ30により、筐体2から装置本体20が引き出されたことを検知した場合に、プレート駆動部101に通電してプレート駆動部101を駆動させる(ソレノイドをONする)ことによりリジェクト庫プレート47を第2の位置へ回動し、センサ30により引き出された装置本体20が筐体2に装着されたことを検知された場合に、プレート駆動部101への通電を遮断してプレート駆動部101の駆動を停止させる(ソレノイドをOFFする)ことによりリジェクト庫プレート47を第1の位置へ戻すようにした。
【0068】
こうすることで、プレート駆動部101に通電し続けることを防ぐことができ、プレート駆動部101の消費電力を抑制できるとともに、プレート駆動部101の発熱を抑制できる。
【0069】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、リジェクト庫プレート47をリジェクト紙幣が取り出し易くなる第2の位置に回動させる動作を、第1の実施の形態よりも限定した条件下で行うようにした実施の形態である。つまり、この第2の実施の形態は、回収カセット28のリジェクト庫28Aからリジェクト紙幣を取り出す際のリジェクト庫プレート47の動作が、第1の実施の形態とは異なっていて、入出金機1、紙幣ユニット7、回収カセット28等の構成については、第1の実施の形態と同一となっている。よって、ここでは、回収カセット28のリジェクト庫28Aからリジェクト紙幣を取り出す際のリジェクト庫プレート47の動作について説明する。
【0070】
[2-1.リジェクト庫プレートの動作]
第1の実施の形態でも述べたように、リジェクト庫28Aの紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出す為には、紙幣ユニット7を入出金機1の筐体2から前方に引き出して、回収カセット28のカセット筐体40の左側面40L(つまり紙幣取出口42が設けられた面)を露出させる必要がある。
【0071】
さらにいうと、紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出す為には、少なくともリジェクト庫28Aにリジェクト紙幣が収納されていなければならない。また一方で、回収カセット28が、紙幣ユニット7から取り外されている場合は、紙幣取出口42からリジェクト紙幣を取り出す必要はない(回収カセット28の扉49を開いて取り出す為)。
【0072】
これらのことから、第2の実施の形態では、紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2から前方に引き出されていることに加えて、リジェクト庫28Aにリジェクト紙幣が収納されていて、且つ回収カセット28が紙幣ユニット7に装着されている場合に、リジェクト庫プレート47を第2の位置に回動させるようになっている。
【0073】
具体的には、紙幣ユニット7の制御部29は、センサ30、31、48の出力結果から、紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2から前方に引き出されていて、さらに回収カセット28が紙幣ユニット7に装着されていて、さらにリジェクト庫28Aに紙幣(つまりリジェクト紙幣)が収納されていることを判別すると、リジェクト庫プレート47を第2の位置へと回動させて(つまりリジェクト庫28Aを広げる方向に回動させて)停止させる。リジェクト庫プレート47の動作は、以上のようになっている。
【0074】
[2-2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、紙幣ユニット7の制御部29が、紙幣取出口42からリジェクト紙幣が取り出される可能性が高い状況として、引出検知部としてのセンサ30により筐体2から装置本体20が引き出されたことを検知され、さらに装着検知部としてのセンサ31により回収カセット28が紙幣ユニット7の装置本体20に装着されていることを検知され、且つ紙幣有無検知部としてのセンサ48によりリジェクト庫28Aに収納されている紙幣が有ると検知されている場合に、リジェクト庫プレート47を第2の位置に回動させて、紙幣取出口42から取り出し易くするようにした。
【0075】
このように、第2の実施の形態では、リジェクト庫プレート47をリジェクト紙幣が取り出し易くなる第2の位置に回動させる動作を、第1の実施の形態よりも限定した条件下で行うようにしたことにより、プレート駆動部101の消費電力をより一層抑制できるとともに、プレート駆動部101の発熱をより一層抑制できる。
【0076】
[3.他の実施の形態]
[3-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、リジェクト庫プレート47を、後端側の回動軸47Sを中心に回動な構成としたが、これに限らず、リジェクト庫プレート47を上下方向に移動可能な構成としてもよい。この場合、例えば、リジェクト庫プレート47を、ほぼ水平な状態で上下方向に移動可能な構成にするとともに、紙幣取出口42についても、下縁42Bがほぼ水平な四角形状にする。
【0077】
そして、紙幣を回収庫28Bに収納する場合には、リジェクト庫プレート47を第1の位置(内部搬送路45より上方となる位置)に移動させ、紙幣をリジェクト庫28Aに収納する場合には、第2の位置(内部搬送路45より下方となる位置)に移動させるようにする。尚、第2の位置にあるリジェクト庫プレート47は、紙幣取出口42の下縁42Bと上下方向の位置がほぼ等しくなっているとする。
【0078】
そのうえで、紙幣取出口42から紙幣を取り出す際には、リジェクト庫プレート47を第2の位置に移動させる。このとき、紙幣取出口42全体のうち、実際に手を入れてリジェクト紙幣を取り出す範囲(リジェクト庫プレート47と紙幣取出口42の上と左右の縁で囲われる範囲)Ar1が、紙幣取出口42と同程度となる為、リジェクト庫28Aから紙幣を取り出し易くすることができる。
【0079】
尚、ここでは、リジェクト庫プレート47が水平な状態で上下方向に移動可能な構成としたが、水平ではなく傾いていてもよい。紙幣取出口42の下縁42Bについても同様に水平ではなく傾いていてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0080】
また上述した第1の実施の形態では、リジェクト庫プレート47が第2の位置にあるときに、当該リジェクト庫プレート47が、紙幣取出口42の下縁42Bと平行で上下方向の位置がほぼ等しくなるとしたが、これに限らず、リジェクト庫プレート47と下縁42Bとが平行でなかったり、上下方向の位置がずれたりしていてもよい。
【0081】
[3-2.他の実施の形態2]
さらに上述した第1の実施の形態では、紙幣取出口42を後端側よりも前端側の方が上下方向に広い四角形状の開口部としたが、これに限らず、紙幣取出口42の形状については、紙幣を取り出すことができる開口部であれば、長方形状であったり、楕円形状であったり、レーストラック形状であったりしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0082】
[3-3.他の実施の形態3]
さらに上述した第1の実施の形態では、リジェクト庫プレート47を回動(移動)するプレート駆動部101としてソレノイドを用いたが、これに限らず、リジェクト庫プレート47を回動(移動)できるものであれば、モータなど、ソレノイド以外のプレート駆動部を用いてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0083】
[3-4.他の実施の形態4]
さらに上述した第1の実施の形態では、前方に引き出されている紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2に収納された際に行うメカイニシャル動作の中で、リジェクト庫プレート47を第2の位置から第1の位置に回動させるようにしたが、これに限らず、制御部29が、センサ30の出力結果から、前方に引き出されている紙幣ユニット7が入出金機1の筐体2に収納されたことを判別した際に、メカイニシャル動作とは別に、リジェクト庫プレート47を第2の位置から第1の位置に回動させるようにしてもよい。
【0084】
[3-5.他の実施の形態5]
さらに上述した第1の実施の形態では、本発明を、紙幣ユニット7から着脱可能な回収カセット28に適用したが、これに限らず、2つの収納空間と当該2つの収納空間を仕切る仕切部とを備える収納庫であれば、回収カセット28とは異なる収納庫に適用することもできる。第2の実施の形態についても同様である。
【0085】
[3-6.他の実施の形態6]
さらに上述した第1の実施の形態では、釣銭機としてのセルフ精算機である入出金機1に本発明を適用したが、これに限らず、レジ係員に操作される精算機、顧客が精算のみを行うセミセルフ精算機、銀行で使用される自動テラー現金預払機(窓口端末)などの紙幣処理装置に本発明を適用してもよい。さらに上述した第1の実施の形態では、紙幣を扱う紙幣処理装置としての入出金機1に本発明を適用したが、これに限らず、硬貨を扱う硬貨処理装置に適用してもよい。この場合も、硬貨を収納する2つの収納空間と当該2つの収納空間を仕切る仕切部とを備える収納庫を備える硬貨処理装置であればよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0086】
[3-7.他の実施の形態7]
さらに上述した第1の実施の形態では、紙幣ユニット7と硬貨ユニット10とを有する入出金機1に本発明を適用したが、これに限らず、紙幣ユニット7のみを有する入出金機や、入金機能と出金機能のどちらか一方のみを有する紙幣ユニットを備える紙幣処理装置などに適用してもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0087】
[3-8.他の実施の形態8]
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、例えばセルフ精算機などの紙幣処理装置で広く利用できる。
【符号の説明】
【0089】
1……入出金機、2……筐体、4……釣銭制御部、5……紙幣投入口、6……紙幣排出口、7……紙幣ユニット、12……紙幣ユニット収納部、13……スライドガイド、20……装置本体、21……スライドレール、22……紙幣入金部、23……紙幣出金部、24……紙幣認識部、28……回収カセット、28A……リジェクト庫、28B……回収庫、29……制御部、30、31、48……センサ、40……カセット筐体、41……受取口、42……紙幣取出口、43……扉、44……紙幣収納空間、45……内部搬送路、47……リジェクト庫プレート、49……扉、100……状態検知部、101……プレート駆動部、Ar1……範囲、R……紙幣搬送路。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7