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特開2024-49830ブラダー用ゴム組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049830
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ブラダー用ゴム組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/22 20060101AFI20240403BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
C08L23/22
C08K3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156299
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】近藤 徹弥
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BB18W
4J002BB18X
4J002BB20W
4J002BB20X
4J002DA036
4J002FD016
4J002FD030
4J002FD140
4J002FD150
4J002FD160
4J002GN01
(57)【要約】
【課題】省エネルギー化、生産性を向上しつつ、諸性能に優れたブラダー用ゴム組成物及びその製造方法、並びにブラダーを提供する。
【解決手段】ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、
前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、
前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、
前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2と
を含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物。
【請求項2】
ベース練り工程1Aにおいて、更にクロロプレンゴム、オイル及び老化防止剤を混錬する請求項1記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項3】
ベース練り工程1Bにおいて、更に酸化亜鉛を混錬する請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項4】
更に、混錬物2及び架橋薬品を混錬し、混錬物3を作製する仕上げ練り工程を含む製造方法により得られる請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項5】
ベース練り工程1Aは、混錬物1Aの温度が150~180℃になるまで混錬する請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項6】
ベース練り工程1Bは、混錬物1Bの温度が150~180℃になるまで混錬する請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項7】
ベース練り工程2は、混錬物2の温度が110~130℃になるまで混錬する請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項8】
仕上げ練り工程は、混錬物3の温度が90~105℃になるまで混錬する請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物。
【請求項9】
請求項1又は2記載のブラダー用ゴム組成物を用いたブラダー。
【請求項10】
ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物の製造方法であって、
前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、
前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、
前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含むブラダー用ゴム組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラダー用ゴム組成物及びその製造方法、並びにブラダーに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラダーはタイヤの加硫成型時に用いられるものであり、加硫ブラダーをグリーンタイヤの内側に配置し、加硫ブラダー内部に加熱媒体を充填させて該タイヤを内側から加硫金型に向けて押圧することにより、タイヤの加硫成型を行う。ブラダーには種々の性能が要求されるが、最近、諸性能を確保しつつ、省エネルギー化、生産性を進めることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記課題を解決し、省エネルギー化、生産性を向上しつつ、諸性能に優れたブラダー用ゴム組成物及びその製造方法、並びにブラダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、
前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、
前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、
前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2と
を含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物に関する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物であるので、省エネルギー化、生産性を向上しつつ、諸性能に優れたブラダー用ゴム組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例で得られたブラダー断面の電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
図2】比較例で得られたブラダー断面の電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物である。
【0008】
従来から、2種類以上のブチル系ゴムを用いたブラダー用ゴム組成物の場合、例えば、2種類以上のブチル系ゴム、カーボンブラック、オイルの全量を150℃程度まで混錬する工程、得られた混錬物、カーボンブラック、酸化亜鉛、老化防止剤を135℃程度まで混錬する工程、得られた混錬物、クロロブレンゴム、ステアリン酸を130℃程度まで混錬する工程、得られた混錬物、架橋薬品を105℃程度まで混錬する工程の4工程を行う製法が汎用的に用いられている。しかし、第3工程でクロロブレンゴムと酸化亜鉛が反応しないような温度で混錬する必要があるため、粘度が落ちにくいこと、4工程を要するため、電力消費が大きくなること、などの問題がある。
【0009】
一方、本発明では、ブチル系ゴムA及びカーボンブラックの一部を混錬して混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックの残部を混錬して混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bとを別々に実施した後、予め作製した混錬物1A及び混錬物1Bを混錬して混錬物2を作製することで、各工程で十分な混錬が可能になる。その結果、より短時間で多量のブラダー用ゴム組成物を製造でき、生産性の向上が可能となる。また、製造時の混錬機の使用電力を抑えることも可能で、電力消費も抑えられる。従って、本発明によれば、省エネルギー化、生産性を向上しつつ、諸性能に優れたブラダー用ゴム組成物を提供できる。
【0010】
先ず、本発明で使用する各成分について説明する。
【0011】
(ゴム成分)
前記ゴム成分は、少なくとも2種のブチル系ゴム(ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB)を含む。
ブチル系ゴムとしては、ブチルゴム(非ハロゲン化ブチルゴム、IIR);臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X-IIR);などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐熱性に優れるという理由から、非ハロゲン化ブチルゴムがより好ましい。
【0012】
非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量は、耐熱性の向上効果に優れるという理由から、3モル%以下が好ましく、2モル%以下がより好ましい。また、ブラダーライフの観点から、非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量は、0.5モル%以上が好ましく、0.7モル%以上がより好ましく、1.0モル%以上がさらに好ましい。
なお、本発明では、少なくともブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBの2種のブチル系ゴムが使用されるが、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBが非ハロゲン化ブチルゴムの場合、いずれも上記範囲のイソプレンの含有量であることが望ましい。
【0013】
ブチル系ゴムには、通常2重結合部位が0.5%以下しかなく、架橋を行っても、架橋数は極めて少なくなる。ブチル系ゴムは、通常、イソブチレンとイソプレンモノマーを混合し、反応させることにより製造できる。
【0014】
ブラダー用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量(2種以上のブチル系ゴムの合計含有量)は、ブラダー用ゴム組成物としての性能保持という理由から、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましい。また、ブチル系ゴムの含有量は、耐空気透過性および耐熱性に優れるという理由から、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。なお、非ハロゲン化ブチルゴムの含有量も同様の範囲が望ましい。
【0015】
ブラダー用ゴム組成物は、少なくともブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBの2種のブチル系ゴムが使用され、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBは特に限定されないが、耐熱性、ブラダーライフの観点からは、非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量が1.20~3.00モル%のブチル系ゴムAと、非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量が0.50~1.10モル%のブチル系ゴムBとを用いることが望ましい。
【0016】
また、ブラダー用ゴム組成物は、少なくともブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBの2種のブチル系ゴムが使用され、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムBの配合比は特に限定されず、例えば、ブチル系ゴムA及びブチル系ゴムBの質量比(ブチル系ゴムAの含有量(質量部)/ブチル系ゴムBの含有量(質量))は、好ましくは10/90以上、より好ましくは30/70以上、更に好ましくは40/60以上であり、また、好ましくは90/10以下、より好ましくは70/30以下、更に好ましくは60/40以下である。なお、非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量が1.20~3.00モル%のブチル系ゴムAと、非ハロゲン化ブチルゴム中のイソプレンの含有量が0.50~1.10モル%のブチル系ゴムBとを用いる場合も同様の範囲が望ましい。
【0017】
ブラダー用ゴム組成物は、ブチル系ゴム以外に、他のゴム成分を含んでもよい。
他のゴム成分としては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。これらは、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。なかでも、耐劣化性、耐亀裂性、耐薬品性および架橋速度の観点から、クロロプレンゴム(CR)が望ましい。
【0018】
ブラダー用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のクロロプレンゴムの含有量は、ブラダー用ゴム組成物としての性能保持という理由から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。また、クロロプレンゴムの含有量は、コストおよび生産性の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。
【0019】
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを含有することで、補強性を高めることができる。
【0020】
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、補強力、ブラダーライフの観点から、40m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。また、分散性、ブラダーライフの観点から、該NSAは、120m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
【0021】
ブラダー用ゴム組成物において、補強性の観点から、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。また、また、分散性、ブラダーライフの観点から、該カーボンブラックの含有量は、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。
【0022】
(オイル)
ブラダー用ゴム組成物は、オイルを含むことが望ましい。オイルを含有することで、加工性を改善するとともに、ゴム強度を高めることができる。
【0023】
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、またはその混合物を用いることができる。なかでも、揮発し難く、ブラダー表面にブリードし、タイヤカバーとの密着を防止することができる点から、植物油脂が好ましく、ひまし油がより好ましい。
【0024】
ブラダー用ゴム組成物において、加硫後のブラダーとタイヤカバーの密着を防止する観点から、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、ブラダーライフの観点から、該オイルの含有量は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましい。
【0025】
(老化防止剤)
ブラダー用ゴム組成物は、老化防止剤を含むことが望ましい。
老化防止剤としては特に限定されず、例えば、耐熱性を高めるフェノール系老化防止剤(モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤)などが好適に用いられる。
【0026】
ブラダー用ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。上記範囲内であると、優れたブラダーライフが得られる傾向がある。
【0027】
(酸化亜鉛)
ブラダー用ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛は架橋の触媒として作用することから、ブラダーライフの向上が期待できる。酸化亜鉛としては、ゴム工業で従来から使用される酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛など)などが挙げられる。
【0028】
ブラダー用ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、また、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましい。上記範囲内であると、優れたブラダーライフが得られる傾向がある。
【0029】
(架橋薬品)
ブラダー用ゴム組成物は、架橋薬品を含有することが好ましい。
架橋薬品としては、架橋剤、架橋添加剤などが挙げられる。これらは、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。なかでも、架橋剤と架橋添加剤とを併用することが好ましい。
【0030】
架橋剤としては特に限定されず、硫黄、架橋樹脂などが挙げられる。なかでも、酸化亜鉛や架橋樹脂自体の分散が良好となり十分なブラダーの寿命が得られるという理由から、架橋樹脂を用いることが好ましい。
【0031】
架橋樹脂としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂の種類については特に制限はないが、耐熱性に優れるという点から、ハロゲン化されていない非ハロゲン化のものが好ましい。アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂中のメチロール基の含有量は、通常、7~10質量%である。
【0032】
ブラダー用ゴム組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量は、十分な架橋が形成され、優れたブラダーライフを付与できる観点から、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましい。また、架橋過多を防止し、良好なブラダーライフおよびブラダー性能が得られる観点から、該架橋剤の含有量は、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。なお、架橋樹脂の含有量も同様の範囲が望ましい。
【0033】
架橋添加剤としては、架橋促進剤などが挙げられる。
なかでも、架橋時間を短縮できる観点から、架橋促進剤を含有することが好ましい。
【0034】
ブラダー用ゴム組成物が架橋添加剤を含有する場合、十分な添加効果が得られる観点から、架橋添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、コスト面、架橋添加剤の分散性の観点から、該架橋添加剤の含有量は、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。なお、架橋促進剤の含有量も同様の範囲が望ましい。
【0035】
(他の配合剤)
ブラダー用ゴム組成物は、前記成分のほかに、離型剤、ステアリン酸、無機充填剤(ホワイトカーボン、シリカ、活性化炭酸カルシウム、タルク、アルミナなど)、有機補強剤(ハイインパクトスチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、石油樹脂など)、耐熱性向上剤、難燃剤、熱伝導付与剤などを添加することができる。
【0036】
なかでも、離型剤が望ましい。これにより、架橋樹脂を使用した場合に、バンバリー内への架橋樹脂の付着を抑制できる。離型剤としては、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物などを好適に使用できる。ここで、ブラダー用ゴム組成物が離型剤を含有する場合、離型剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.1~10質量部が好ましい。
【0037】
次に、前記各成分を用いた本発明のブラダー用ゴム組成物の製造方法について説明する。
【0038】
<ブラダー用ゴム組成物の製造方法>
本発明のブラダー用ゴム組成物は、ブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含み、ブチル系ゴムA及びカーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、混錬物1A及び混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含む製造方法により得られる。
【0039】
(ベース練り工程1A)
上記製造方法では、前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬して混錬物1Aを得る。
【0040】
ベース練り工程1Aで使用可能な密閉式混練機は、特に限定されず、例えば、ロータ回転数の制御およびブチル系ゴムAとカーボンブラックが混ざり合ったことの確認が可能な密閉式混練機を使用でき、ゴム工業で従来から使用されているものを使用できる。なお、ブチル系ゴムAとカーボンブラックが混ざり合ったことの確認は、混練トルクの推移などにより行うことができる。
【0041】
ベース練り工程1Aは、例えば、密閉式混練機の混練室に配合剤を投入後、混練室内のロータを回転させることで混練を行い、混練物の温度が所定の温度に到達するまで混練し、排出することにより実施できる。
【0042】
例えば、ベース練り工程1Aは、ロータ回転数25~50rpmで混練開始し、混錬物が150~180℃になるまで混錬することにより、実施できる。混練開始からブチル系ゴムAとカーボンブラックが混ざり合うまでのロータ回転数は、設備への負担およびウェアリング温度の上昇を抑制し、カーボンブラックの分散効果に優れるという理由から、好ましくは20~40rpm、より好ましくは30~40rpmである。なお、この回転数による混練時間は、ウェアリング温度の上昇抑制の観点から、10秒以上が好ましく、生産性の観点から、50秒以下が好ましい。
【0043】
本発明で使用される2種以上のブチル系ゴムのうち、いずれのブチル系ゴムをベース練り工程1Aのブチル系ゴムAとして用いてもよい。ブラダー用ゴム組成物が2種以上のブチル系ゴムを含む場合、2種以上の一部をベース練り工程1Aのブチル系ゴムAとして用い、残りをベース練り工程1Bのブチル系ゴムBとして用いることが望ましい。具体的には、例えば、3種のブチル系ゴムを含む場合、1種のブチル系ゴムをベース練り工程1Aのブチル系ゴムAとして用い、残りの2種のブチル系ゴムをベース練り工程1Bのブチル系ゴムBとして用いてもよいし、また、2種のブチル系ゴムをベース練り工程1Aのブチル系ゴムAとして用い、残りの1種のブチル系ゴムをベース練り工程1Bのブチル系ゴムBとして用いることも可能である。
【0044】
ベース練り工程1Aでは、ブチル系ゴムAが混錬されるが、上記製造方法に使用されるブチル系ゴムA全量100質量%中、ベース練り工程1Aで80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0045】
ベース練り工程1Aでは、カーボンブラックの一部が混錬されるが、上記製造方法に使用されるカーボンブラック全量100質量%中、ベース練り工程1Aで50質量%以上を混練することが好ましく、60質量%以上を混練することがより好ましく、70質量%以上を混練することが更に好ましい。上限は、90質量%以下を混練することが好ましく、85質量%以下を混練することがより好ましく、80質量%以下を混練することが更に好ましい。
【0046】
なお、ベース練り工程1Aでは、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。なかでも、クロロプレンゴム、オイル、老化防止剤などを混錬することが望ましい。
【0047】
ベース練り工程1Aにおいて、クロロプレンゴム、オイル、老化防止剤を混錬する場合、上記製造方法に使用されるクロロプレンゴム、オイル、老化防止剤のそれぞれの全量100質量%中、ベース練り工程1Aで80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0048】
(ベース練り工程1B)
上記製造方法では、前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬して混錬物1Bを得る。ベース練り工程1A、ベース練り工程1Bは、それぞれ別個独立に行われる工程で、いずれを先に行ってもよいし、別の混練機を用いてそれぞれ同時に行ってもよい。
【0049】
ベース練り工程1Bで使用可能な密閉式混練機は、特に限定されず、ベース練り工程1Aと同様の混練機を使用でき、同様の方法で混錬可能である。
【0050】
例えば、ベース練り工程1Bは、ロータ回転数25~50rpmで混練開始し、混錬物が150~180℃になるまで混錬することにより、実施できる。混練開始からブチル系ゴムBとカーボンブラックが混ざり合うまでのロータ回転数は、設備への負担およびウェアリング温度の上昇を抑制し、カーボンブラックの分散効果に優れるという理由から、好ましくは20~40rpm、より好ましくは30~40rpmである。なお、この回転数による混練時間は、ウェアリング温度の上昇抑制の観点から、10秒以上が好ましく、生産性の観点から、50秒以下が好ましい。
【0051】
前記のとおり、本発明で使用される2種以上のブチル系ゴムのうち、いずれのブチル系ゴムをベース練り工程1Bのブチル系ゴムBとして用いてもよい。
【0052】
ベース練り工程1Bでは、ブチル系ゴムBが混錬されるが、上記製造方法に使用されるブチル系ゴムB全量100質量%中、ベース練り工程1Bで80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0053】
ベース練り工程1Bでは、カーボンブラックの残部が混錬されるが、上記製造方法に使用されるカーボンブラック全量100質量%中、ベース練り工程1Bで10質量%以上を混練することが好ましく、15質量%以上を混練することがより好ましく、20質量%以上を混練することが更に好ましい。上限は、50質量%以下を混練することが好ましく、40質量%以下を混練することがより好ましく、30質量%以下を混練することが更に好ましい。
【0054】
なお、ベース練り工程1Bでは、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。なかでも、酸化亜鉛などを混錬することが望ましい。
【0055】
ベース練り工程1Bにおいて、酸化亜鉛を混錬する場合、本発明に使用される酸化亜鉛全量100質量%中、ベース練り工程1Bで80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0056】
(ベース練り工程2)
上記製造方法のベース練り工程2では、ベース練り工程1Aで得られた混錬物1Aと、ベース練り工程1Bで得られた混錬物1Bとが混錬される。
【0057】
ベース練り工程2で使用可能な密閉式混練機は、特に限定されず、ベース練り工程1Aと同様の混練機を使用でき、同様に混錬が可能である。
【0058】
例えば、ベース練り工程2は、混錬物1A及び混錬物1Bを混錬し、混錬物が110~130℃になるまで混錬することにより、実施できる。混錬機の回転数は、好ましくは30~55rpm、より好ましくは30~40rpmである。なお、この回転数による混練時間は、ウェアリング温度の上昇抑制の観点から、10秒以上が好ましく、生産性の観点から、50秒以下が好ましい。
【0059】
ベース練り工程2では、混錬物1Aと混錬物1Bとが混錬されるが、上記製造方法に使用される混錬物1A、混錬物1Bのそれぞれの全量100質量%中、ベース練り工程2で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0060】
なお、ベース練り工程2では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。
【0061】
(仕上げ練り工程)
上記製造方法では、ベース練り工程2の後、混錬物2及び架橋薬品を混錬し、混錬物3を作製する仕上げ練り工程を行うことが望ましい。
【0062】
仕上げ練り工程で使用可能な密閉式混練機は、特に限定されず、ベース練り工程1Aと同様の混練機を使用でき、同様に混錬が可能である。
【0063】
例えば、仕上げ練り工程は、ロータ回転数20~50rpmで混練開始し、混錬物が90~105℃になるまで混錬することにより、実施できる。ロータ回転数は、好ましくは20~45rpmである。なお、この回転数による混練時間は、ウェアリング温度の上昇抑制の観点から、10秒以上が好ましく、生産性の観点から、50秒以下が好ましい。
【0064】
仕上げ練り工程では、架橋剤、架橋添加剤などの架橋薬品が混錬されるが、上記製造方法に使用される架橋剤、架橋添加剤のそれぞれの全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0065】
なお、仕上げ練り工程では、前記成分以外の成分を適宜混練してもよい。なかでも、離型剤などを混錬することが望ましい。
【0066】
仕上げ練り工程において、離型剤を混錬する場合、本発明に使用される離型剤全量100質量%中、仕上げ練り工程で80質量%以上を混練することが好ましく、90質量%以上を混練することがより好ましく、95質量%以上を混練することが更に好ましく、100質量%(全量)を混練することが特に好ましい。
【0067】
(架橋反応工程)
以上の工程を行った後、架橋反応工程を行うことにより、架橋後のブラダー用ゴム組成物が得られる。上記架橋反応工程は、例えば、第2仕上げ練り工程により得られたゴム組成物(未架橋ゴム組成物)を170~210℃で2~30分間架橋反応を行うことにより実施できる。
【実施例0068】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0069】
以下に試験用ゴム組成物および試験用タイヤの製造に用いた各種薬品を示す。
ブチルゴム1:エクソンモービル化学社製のBUTYL268(イソプレンの含有量1.70モル%)(非ハロゲン化ブチルゴム)
ブチルゴム2:エクソンモービル化学社製のBUTYL065(イソプレンの含有量1.05モル%)(非ハロゲン化ブチルゴム)
クロロプレンゴム:昭和電工(株)製のネオプレンW
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(HAF、NSA:75m/g)
オイル:豊国製油(株)製の工業用1号ヒマシ油
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラックNS-5(2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種(平均一次粒子径:270nm)
架橋樹脂:田岡化学工業(株)製のタッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)
架橋促進剤:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
【0070】
<実施例>
(ベース練り工程1A)
1.7Lの密閉型バンバリーミキサー(密閉式混練機)を用いて、表1の「ベース練り工程1A」に示す薬品(質量部)を、同じく表1に示す「排出温度」でベース練り工程1Aを行った。得られた混練物1Aをバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物1Aを得た。なお、ゴム成分とカーボンブラックが混ざり合ったことは混練チャートおよび目視により確認した。
【0071】
(ベース練り工程1B)
別途、1.7Lの密閉型バンバリーミキサー(密閉式混練機)を用いて、表1の「ベース練り工程1B」に示す薬品(質量部)を、同じく表1に示す「排出温度」でベース練り工程1Bを行った。得られた混練物1Bをバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物1Bを得た。なお、ゴム成分とカーボンブラックが混ざり合ったことは混練チャートおよび目視により確認した。
【0072】
(ベース練り工程2)
シート状の混練物1Aおよび混練物1Bを1.7Lの密閉型バンバリーミキサーに投入し、同じく表1に示す「排出温度」でベース練り工程2を行った。得られた混練物2をバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物2とした。
【0073】
(仕上げ練り工程)
シート状の混練物2および表1の「仕上げ練り工程」に示す薬品(質量部)を1.7Lの密閉型バンバリーミキサーに投入し、同じく表1に示す排出温度で仕上げ練り工程を行い未架橋ゴム組成物を得た。
【0074】
得られた未架橋ゴム組成物をブラダーの形状に成形し、200℃、30分間架橋反応を行うことにより、ブラダー(タイヤサイズ:195/65R15、ブラダーストレッチ(ペリフェリ:1.08、サーカム:1.25)、ブラダーゲージ:5mm)を作製した。
【0075】
<比較例>
(ベース練り工程(1))
1.7Lの密閉型バンバリーミキサー(密閉式混練機)を用いて、表2の「ベース練り工程(1)」に示す薬品(質量部)を、同じく表2に示す「排出温度」でベース練り工程を行った。得られた混練物(1)をバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物(1)を得た。なお、ゴム成分とカーボンブラックが混ざり合ったことは混練チャートおよび目視により確認した。
【0076】
(ベース練り工程(2))
シート状の混練物(1)および表2の「ベース練り工程(2)」に示す薬品(質量部)を、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーに投入し、同じく表2に示す「排出温度」でベース練り工程(2)を行った。得られた混練物(2)をバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物(2)とした。なお、ゴム成分とカーボンブラックが混ざり合ったことは混練チャートおよび目視により確認した。
【0077】
(ベース練り工程(3))
シート状の混練物(2)および表2の「ベース練り工程(3)」に示す薬品(質量部)を、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーに投入し、同じく表2に示す「排出温度」でベース練り工程(3)を行った。得られた混練物(3)をバンバリーミキサーから排出後、スクリュー押出機およびカレンダーロールによりシーティングし、シート状の混練物(3)とした。
【0078】
(仕上げ練り工程)
シート状の混練物(3)および表2の「仕上げ練り工程」に示す薬品(質量部)を1.7Lの密閉型バンバリーミキサーに投入し、同じく表2に示す排出温度で仕上げ練り工程を行い未架橋ゴム組成物を得た。
【0079】
得られた未架橋ゴム組成物をブラダーの形状に成形し、200℃、30分間架橋反応を行うことにより、ブラダー(タイヤサイズ:195/65R15、ブラダーストレッチ(ペリフェリ:1.08、サーカム:1.25)、ブラダーゲージ:5mm)を作製した。
【0080】
実施例および比較例の製造工程、およびブラダーについて下記の評価を行った。結果を表1、2、図1及び2に示す。
【0081】
<省エネルギー性>
上記製造工程において、1工程(1バッチ)当たりの混錬機の使用電力(kw/バッチ)を測定した。
【0082】
<生産性>
上記製造工程において、1時間当たりの未架橋ゴム組成物の製造量(kg/h)を測定した。
【0083】
<酸化亜鉛の分散性>
得られたブラダーの断面について、酸化亜鉛の分散状態を電子顕微鏡で観察した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
表1、2の評価結果から、実施例は、比較例に比べて、省エネルギー化、生産性の向上が可能であった。また、図1、2から、実施例のブラダーは、比較例のブラダーと同等以上の酸化亜鉛の分散性を有することが観察された。
【0087】
本発明(1)はブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物であって、
前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、
前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、
前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2と
を含む製造方法により得られるブラダー用ゴム組成物である。
【0088】
本発明(2)はベース練り工程1Aにおいて、更にクロロプレンゴム、オイル及び老化防止剤を混錬する本発明(1)記載のブラダー用ゴム組成物である。
【0089】
本発明(3)はベース練り工程1Bにおいて、更に酸化亜鉛を混錬する本発明(1)又は(2)記載のブラダー用ゴム組成物である。
【0090】
本発明(4)は更に、混錬物2及び架橋薬品を混錬し、混錬物3を作製する仕上げ練り工程を含む製造方法により得られる本発明(1)~(3)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物である。
【0091】
本発明(5)はベース練り工程1Aは、混錬物1Aの温度が150~180℃になるまで混錬する本発明(1)~(4)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物である。
【0092】
本発明(6)はベース練り工程1Bは、混錬物1Bの温度が150~180℃になるまで混錬する本発明(1)~(5)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物である。
【0093】
本発明(7)はベース練り工程2は、混錬物2の温度が110~130℃になるまで混錬する本発明(1)~(6)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物である。
【0094】
本発明(8)は仕上げ練り工程は、混錬物3の温度が90~105℃になるまで混錬する本発明(1)~(7)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物である。
【0095】
本発明(9)は本発明(1)~(8)のいずれかとの任意の組合せのブラダー用ゴム組成物を用いたブラダーである。
【0096】
本発明(10)はブチル系ゴムA、ブチル系ゴムB及びカーボンブラックを含むブラダー用ゴム組成物の製造方法であって、
前記ブチル系ゴムA及び前記カーボンブラックの一部を混錬し、混錬物1Aを作製するベース練り工程1Aと、
前記ブチル系ゴムB及び前記カーボンブラックの残部を混錬し、混錬物1Bを作製するベース練り工程1Bと、
前記混錬物1A及び前記混錬物1Bを混錬し、混錬物2を作製するベース練り工程2とを含むブラダー用ゴム組成物の製造方法である。

図1
図2