(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049845
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ばね装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20240403BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240403BHJP
【FI】
F21V19/00 414
F21S2/00 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156326
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 圭一
(72)【発明者】
【氏名】久安 武志
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】小形で、組立性がよく、取付状態が安定するばね装置を提供する。
【解決手段】ばね装置43は、取付部材70と、線ばね71とを備える。線ばね71は、一対のコイル部80と、一対のコイル部80の一端側からそれぞれ延設された一対の端部81と、一対のコイル部80の他端側からそれぞれ延設されて先端側で連結されているアーム部82とを有する。一対のコイル部80および一対の端部81がそれぞれ取付部材70に取り付けられ、アーム部82が取付部材70上に重なり合うように配置される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部材と;
一対のコイル部と、これら一対のコイル部の一端側からそれぞれ延設された一対の端部と、前記一対のコイル部の他端側からそれぞれ延設されて先端側で連結されているアーム部とを有し、前記一対のコイル部および前記一対の端部がそれぞれ前記取付部材に取り付けられ、前記アーム部が前記取付部材上に重なり合うように配置される線ばねと;
を備えることを特徴とするばね装置。
【請求項2】
前記取付部材は、器具取付部と、この器具取付部の一端側に設けられ、前記一対のコイル部が取り付けられるコイル部取付部と、前記器具取付部に設けられ、前記一対の端部が取り付けられる端部取付部とを有し、前記アーム部が前記器具取付部の他端側に向けて突出されて前記器具取付部上に重なり合うように、前記線ばねが取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載のばね装置。
【請求項3】
前記線ばねは、前記アーム部が前記取付部材上に重なり合う方向にばね力を有し、前記アーム部が前記取付部材上に当接された状態でばね力が作用している
ことを特徴とする請求項1記載のばね装置。
【請求項4】
前記アーム部が前記取付部材上に当接された状態で、前記アーム部の先端側が前記取付部材の下面側に平行な面と略同じ高さに位置される
ことを特徴とする請求項3記載のばね装置。
【請求項5】
器具本体と;
前記器具本体に着脱可能に取り付けられる光源ユニットと;
前記器具本体に取り付けられるばね受部材と;
前記光源ユニットに前記取付部材によって取り付けられ、前記アーム部が前記ばね受部材に係合する前記線ばねによって前記器具本体に着脱可能に取り付けられる請求項1ないし4いずれか一記載のばね装置と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記線ばねの前記一対の端部は、前記取付部材および前記光源ユニットに貫通される
ことを特徴とする請求項5記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ばね装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、器具本体と、この器具本体に着脱可能に取り付けられる光源ユニットとを備え、器具本体に光源ユニットを着脱可能に取り付けるためのばね装置を光源ユニットに設けた照明装置がある。
【0003】
ばね装置は、光源ユニットに取り付けられる取付部材と、この取付部材に取り付けられる線ばねとを備えている。線ばねは、一対のコイルと、これら一対のコイル部の一端側からそれぞれ延設された一対の端部と、一対のコイル部の他端側からそれぞれ延設されて先端側で連結されているアーム部とを有している。取付部材の一端側に一対のコイル部が係合され、一対の端部が取付部材の他端側に向うとともに取付部材に取り付けられ、アーム部が取付部材の一端側から突出されている。
【0004】
ばね装置が光源ユニットに取り付けられた状態では、アーム部が光源ユニットに向ってばね力が作用する。そのため、ばね装置を光源ユニットに取り付ける際には、アーム部の先端側が光源ユニットに当接してからばね力に抗して取付部材を光源ユニットに取り付けなければならず、組立性がよくない。組立後は、アーム部を介して取付部材に常に反力が加わるため、取付部材が光源ユニットから外れやすくなるなど、取付部材の取付状態が安定しない。さらに、ばね装置の外形が大きいため、器具本体に配設される部品や器具本体を設置面に取り付ける取付構造との干渉が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、小形で、組立性がよく、取付状態が安定するばね装置および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のばね装置は、取付部材と、線ばねとを備える。線ばねは、一対のコイル部と、一対のコイル部の一端側からそれぞれ延設された一対の端部と、一対のコイル部の他端側からそれぞれ延設されて先端側で連結されているアーム部とを有する。一対のコイル部および一対の端部がそれぞれ取付部材に取り付けられ、アーム部が取付部材上に重なり合うように配置される。
【発明の効果】
【0008】
実施形態のばね装置によれば、小形で、組立性がよく、取付状態が安定することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態を示す照明装置の分解斜視図である。
【
図4】同上照明装置のばね装置を光源ユニットから離している斜視図である。
【
図5】同上ばね装置を光源ユニットから離している斜視図である。
【
図6】同上ばね装置を光源ユニットに取り付けた一部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1および
図2に示すように、照明装置10は、被設置面である例えば天井面に設置される直付形照明装置である。照明装置10は、長尺に設けられており、発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続するベースライトである。
【0012】
照明装置10は、本体ユニット11と、この本体ユニット11に着脱可能に取り付けられる光源ユニット(光源バー)12とを備えている。
【0013】
本体ユニット11は、器具本体20と、この器具本体20に配置された一対のばね受金具であるばね受部材21、端子台22および電源部23とを備えている。
【0014】
器具本体20は、金属製で長尺に形成されている。器具本体20は、上面側の長尺な天板部26と、長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側の側板部27と、長手方向の両端の端板部28とを有し、下面側に開口部29が形成されている。天板部26と両側の側板部27とは一体に形成され、これら天板部26および両側の側板部27の長手方向の両端に端板部28が取り付けられている。
【0015】
器具本体20の天板部26の長手方向の両端近傍には、天井構造物からの吊ボルトを挿通して取り付けたり、天井面に対してねじで取り付けるための複数の取付孔30が設けられている。天板部26の長手方向の中央域には、天井からの電源ケーブルを器具本体20内に引き込むための配線孔31が設けられている。
【0016】
ばね受部材21は、光源ユニット12を取り付けるための被取付部であり、器具本体20の天板部26の長手方向の両端近傍に例えばねじ止めによって取り付けられている。ばね受部材21は、天板部26から下方に突出する支持部34と、この支持部34に設けられた引掛孔35と、この引掛孔35の下縁中央に設けられた引掛突部36とを有している。
【0017】
端子台22は、器具本体20の天板部26の配線孔31の近傍に取り付けられている。端子台22には、配線孔31を挿通された電源ケーブルが電気的に接続される。
【0018】
電源部23は、器具本体20の天板部26の配線孔31の近傍かつ端子台22とは反対側に取り付けられている。電源部23は、外部電源からの外部電力を所定の点灯電力に変換して光源ユニット12に供給する。電源部23の外部電力入力部には端子台22との間に配線される内部配線が接続され、点灯電力出力部には光源ユニット12と接続するための図示しないコネクタケーブルが接続されている。なお、電源部23は、光源ユニット12に配置されていてもよい。
【0019】
また、
図1ないし
図3に光源ユニット12を示す。光源ユニット12は、光源ユニット本体部であるシャーシ40と、このシャーシ40の下面に取り付けられる光源モジュール41と、シャーシ40との間に光源モジュール41を収納するカバー42と、器具本体20に対して光源ユニット12を着脱可能に取り付ける一対のばね装置43とを備えている。
【0020】
シャーシ40は、金属製で長尺に形成されている。シャーシ40は、長尺な光源取付部45と、この光源取付部45の幅方向の両側に立ち上げられた側面部46とを有している。側面部46の上部側には、外側に円弧状に屈曲する屈曲部47が形成されている。
【0021】
シャーシ40の両側の側面部46には、各ばね装置43の取付位置に対応して取付孔48が設けられている。取付孔48は、屈曲部47よりも下側に位置され、
図4ないし
図6に示すように、シャーシ40の長手方向に沿って長い長方形状に形成されている。
【0022】
光源モジュール41は、長尺な基板50と、この基板50に実装された複数の発光素子(半導体発光素子)51とを備えている。発光素子51には例えば表面実装形のLEDが用いられ、複数の発光素子51が基板50の長手方向に沿って1列または複数列に実装されている。なお、発光素子51は、LEDに限らず、有機ELなどの他の半導体発光素子でもよい。また、光源モジュール41に電気的に接続された図示しないコネクタケーブルがシャーシ40の上面側から引き出されている。このコネクタケーブルは、電源部23のコネクタケーブルとコネクタ接続される。
【0023】
カバー42は、長尺な透光カバー53と、この透光カバー53の両端に取り付けられた一対の端面カバー54とを備えている。透光カバー53は、長手方向に沿ってライン状に発光する発光領域として構成される。
【0024】
透光カバー53は、例えば樹脂製で、透光性および光拡散性を有している。透光カバー53は、長尺で、シャーシ40と略同じ長さに形成されているとともに、長手方向に沿って同一形状に形成されている。透光カバー53の下面側は、長手方向に交差する断面が略凸湾曲状に形成されている。透光カバー53の上面側には、幅方向の中央域に光源モジュール41が配置されるカバー開口55が長手方向に沿って形成されている。
【0025】
透光カバー53の上面側には、幅方向の両側域であるカバー開口55の両側域に、器具本体20の幅方向両側の側板部27の下部側に当接可能とする当接部56と、この当接部56から上方に突出され、器具本体20の開口部29の幅方向の内側に挿入されて位置決めする位置決め部57とが長手方向に沿って形成されている。
【0026】
透光カバー53の上面側には、当接部56および位置決め部57よりも幅方向中央側の位置に、シャーシ40の下面側に係合される下側係合部58と、シャーシ40の側面部46の屈曲部47を保持する断面略Lの字形の上側保持部59と、が長手方向に沿って設けられている。
【0027】
上側保持部59は、下側係合部58から上方に立ち上げられた立上部60と、この立上部60の上側から幅方向の外側に向けて傾斜された傾斜部61と、この傾斜部61の上側に設けられた外側押え部62と、この外側押え部62の上端から下側係合部58と略平行に対向するように設けられた上側押え部63とを有している。外側押え部62と上側押え部63とが屈曲部47の外側および上側にそれぞれ係合して保持する。立上部60は、シャーシ40の側面部46の外面との間に間隔があくように配置されている。傾斜部61は、側面部46の取付孔48に対向する高さ域から幅方向の外側に向けて傾斜されている。そして、上側保持部59とシャーシ40の側面部46との間で屈曲部47の下側に、空間部64が形成されている。
【0028】
透光カバー53の端部から、両側の下側係合部58と上側保持部59との間に、シャーシ40の両側部が差し込まれることにより、透光カバー53とシャーシ40とが組み立てられている。
【0029】
一対の端面カバー54は、例えば樹脂製であるが、非透光性であってもよいし透光性を有していてもよい。一対の端面カバー54は、透光カバー53の当接部56から下側の形状に対応した形状に形成されている。一対の端面カバー54は、シャーシ40および光源モジュール41が組み立てられた透光カバー53の両端に取り付けられ、透光カバー53内にシャーシ40および光源モジュール41を保持する。
【0030】
また、
図3ないし
図9にばね装置43を示す。ばね装置43は、シャーシ40に取り付けられる取付部材70と、この取付部材70に取り付けられた線ばね71とを有している。
【0031】
取付部材70は、例えば金属板にて形成されており、光源ユニット12のシャーシ40に取り付けられる器具取付部72を備えている。器具取付部72は、シャーシ40の光源取付部45上に配置される取付板部73と、この取付板部73の幅方向の両側から上方に折曲され、シャーシ40の両側の側面部46の内面側に配置される側板部74と、この側板部74の上端側から幅方向の外側に略逆Uの字形に折曲され、シャーシ40の屈曲部47を保持するカバー42の上側保持部59を周囲から囲む囲み部75とを有している。
【0032】
取付板部73の幅方向に対して交差する方向の一端側には、線ばね71を保持するための略Lの字形に切り起された一対のコイル部取付部76が幅方向に並んで設けられている。
【0033】
側板部74には、複数の引掛部77と、端部取付部78とが設けられている。引掛部77は、例えば2つで、取付板部73の上面側と平行な方向に所定の間隔をあけて設けられている。引掛部77は、取付部材70をシャーシ40に取り付けた際に、側面部46の取付孔48に嵌まり込み、取付孔48の上側縁に引っ掛かって取付部材70をシャーシ40に取り付ける。引掛部77は、側板部74の外面側に例えば切り起しによって突設され、下面側が傾斜面または凸曲面のガイド面に形成され、上面側が側板部74の外面に略垂直な引掛面に形成されている。また、端部取付部78は、一対の引掛部77間の位置に設けられた挿通孔79にて構成されている。挿通孔79は、上下方向の長さが長い長孔状に形成され、線ばね71の一部を挿通可能とする。挿通孔79は、取付部材70をシャーシ40に取り付けた際に、側面部46の取付孔48に対向し、連通される。
【0034】
線ばね71は、1本の線ばね材にて形成されており、両端近傍がコイル状に巻回されて形成された一対のコイル部80と、一対のコイル部80の一端側からそれぞれ延設された一対の端部81と、一対のコイル部80の他端側からそれぞれ延設されて先端側で連結された略コの字形のアーム部82と、を有している。
【0035】
線ばね71は、一対のコイル部80が取付部材70の一対のコイル部取付部76に挿通されて取り付けられる。
【0036】
一対の端部81は、一対のコイル部80が配置される取付板部73の一端側から他端側に向けて突出され、先端側が折曲部83を介して略Lの字形に折曲され、その先端側に外れ防止部84が形成されている。一対の端部81の外れ防止部84が挿通孔79に挿通されて側板部74の外面側に突出されている。
【0037】
アーム部82は、一対のコイル部80が配置される取付板部73の一端側から他端側に向けて突出され、取付板部73の上面側に重なり合うように配置されている。アーム部82の先端側は、取付板部73の他端側よりもさらに突出されている。
【0038】
ばね装置43は、一対のコイル部80および一対の端部81が取付部材70に取り付けられた状態で、アーム部82が取付板部73の上面側に近付いて重なり合う方向に向けてばね力が作用している。アーム部82は、取付板部73の上面側に重なり合う状態で、取付板部73の一端側の縁部73aに当接され、この当接状態でばね力が作用している。
【0039】
アーム部82が取付板部73の縁部73aに当接された状態で、
図9に示すように、取付板部73の下面側とアーム部82の先端部とが略同じ高さに位置されている。すなわち、取付板部73の下面側(シャーシ40への取付面側)に平行な面とアーム部82の先端部とが略同じ高さに位置されている。
【0040】
そして、ばね装置43をシャーシ40に取り付ける際には、
図4および
図5に示すように、取付部材70をシャーシ40の上方から組み込む。つまり、取付部材70の取付板部73および両側の側板部74の下部側をシャーシ40の両側の側面部46間に嵌め込んで押し込む。
【0041】
この取付部材70の押し込み動作により、両側の側板部74の外面側から突出する引掛部77の傾斜状または凸曲面状のガイド面がシャーシ40の屈曲部47の最上部よりも内側に当接し、両側の引掛部77で両側の側板部74を押し広げながら、両側の引掛部77が両側の側板部74の内面側に押し込まれる。
【0042】
取付部材70の押し込み動作により、両側の側板部74の外面側から突出する線ばね71の両端の外れ防止部84がシャーシ40の屈曲部47に当接する。側板部74の外面側から突出する線ばね71の突出量が少ない場合や、引掛部77によって両側の側板部74が押し開かれることにより、外れ防止部84の先端側がシャーシ40の屈曲部47の最上部よりも内側に当接することで、外れ防止部84が取付部材70の側板部74の外面側から引っ込む方向に弾性的に押されて移動し、両端の取付部材70が両側の側板部74の内面側に押し込まれる。また、外れ防止部84の先端側がシャーシ40の屈曲部47の最上部に当接し、取付部材70が押し込みにくい場合には、線ばね71の端部81を操作して外れ防止部84が側板部74の外面側から引っ込む方向に弾性的に移動させることにより、取付部材70が側板部74の内面側に押し込まれる。また、外れ防止部84は、折曲部83から、取付部材70の挿通孔79に向けて斜めに立ち上がっているため、つまりシャーシ40への挿入方向に対して斜めになっているため、シャーシ40の内面側に押し込みやすくできる。
【0043】
取付部材70の押し込み動作により、引掛部77がシャーシ40の側面部46の取付孔48に臨むと、引掛部77が取付孔48に嵌まり込み、引掛部77の上面側の引掛面が取付孔48の上側縁に引っ掛かり、取付部材70がシャーシ40に取り付けられる。
【0044】
取付部材70の押し込み動作により、外れ防止部84の先端側がシャーシ40の側面部46の取付孔48に臨むと、外れ防止部84が取付部材70の側板部74の外面側から突出する方向への弾性力によって取付孔48内に進入し、取付孔48を貫通してシャーシ40の側面部46の外面側に突出する。
【0045】
取付部材70をシャーシ40に取り付ける際、取付部材70から突出する線ばね71のアーム部82の先端側は、取付部材70の取付板部73の下面側に平行な面と略同じ高さに位置されているため、このアーム部82の先端側がシャーシ40に当接することで、ばね力に抗して取付部材70をシャーシ40に取り付ける負荷がかからないか軽減され、組立性がよい。
【0046】
さらに、光源ユニット12を組み立てることにより、シャーシ40とカバー42とが組み合わされ、シャーシ40の側面部46の屈曲部47にカバー42の上側保持部59が係合される。シャーシ40の屈曲部47の下側で側面部46とカバー42の上側保持部59との間に空間部64が形成され、この空間部64にシャーシ40の外面側から突出する引掛部77および外れ防止部84の先端側が配置される。また、取付部材70の囲み部75がシャーシ40の屈曲部47に係合するカバー42の上側保持部59を覆い、シャーシ40の屈曲部47とカバー42の上側保持部59とが外れるのを防止する。
【0047】
そして、照明装置10を施工するには、天井面からの電源ケーブルを配線孔31から器具本体20内に引き込み、複数の取付孔30を利用して器具本体20を天井面に固定する。電源ケーブルは、端子台22に電気的に接続する。
【0048】
光源ユニット12の一対の線ばね71のアーム部82をばね力に抗してシャーシ40および取付部材70から上方に引き起こし、器具本体20の一対のばね受部材21に引っ掛ける。すなわち、アーム部82をばね受部材21の引掛孔35に挿入して引掛突部36に引っ掛ける。これにより、光源ユニット12が一対の線ばね71を介して器具本体20に仮吊された状態となり、光源ユニット12の光源モジュール41からのコネクタケーブルを電源部23からのコネクタケーブルとコネクタ接続できる。
【0049】
電気的な接続の後、光源ユニット12を器具本体20へ向けて上方へ押し上げることにより、アーム部82がばね受部材21の引掛孔35に挿入されつつ、アーム部82のばね力によって光源ユニット12が器具本体20に引き上げられて取り付けられる。
【0050】
また、光源ユニット12を器具本体20から取り外す場合には、光源ユニット12を一対の線ばね71のばね力に抗して引き下げる。これにより、光源ユニット12が一対の線ばね71を介して器具本体20に仮吊された状態となり、光源ユニット12の光源モジュール41からのコネクタケーブルと電源部23からのコネクタケーブルとの接続を外す。その後、光源ユニット12の一対の線ばね71を器具本体20の一対のばね受部材21から外すことで、光源ユニット12を器具本体20から取り外す。線ばね71をばね受部材21から外すのには、アーム部82をばね受部材21の引掛突部36から引っ掛かりを外して引掛孔35から引き抜く。
【0051】
ところで、光源ユニット12を器具本体20から取り外すために、光源ユニット12を一対の線ばね71のばね力に抗して引き下げる際、光源ユニット12を勢いよく引き下げてばね受部材21とばね装置43とに負荷が加わると、ばね装置43の取付部材70がシャーシ40から外れるおそれがある。
【0052】
すなわち、ばね受部材21は器具本体20にねじ止めされ、このばね受部材21の引掛突部36に線ばね71のアーム部82が引っ掛かり、この線ばね71のコイル部80が取付部材70に保持されていて外れることがないことから、取付部材70とシャーシ40との取付部分に加わる力によって、引掛部77がシャーシ40の取付孔48から外れ、取付部材70がシャーシ40から外れるおそれがある。
【0053】
本実施形態では、線ばね71の外れ防止部84が取付部材70の挿通孔79を挿通し、シャーシ40の取付孔48を貫通しているため、引掛部77がシャーシ40の取付孔48から外れても、線ばね71の外れ防止部84がシャーシ40の取付孔48に引っ掛かり、取付部材70がシャーシ40から外れるのを防止できる。そのため、光源ユニット12を落としてしまうようなことを防止できる。
【0054】
このように、本実施形態のばね装置43では、線ばね43の一対のコイル部80および一対の端部81がそれぞれ取付部材70に取り付けられ、アーム部82が取付部材70上に重なり合うように配置されるため、アーム部82の先端側が取付部材70から大きく突出することがなく、小形化できる。
【0055】
ばね装置43の外形が小さいことで、このばね装置43を取り付けた光源ユニット12を器具本体20に組み合わせた際に、ばね装置43と器具本体20に配設される部品や器具本体20を設置面に取り付ける取付構造とが干渉しないように配置しやすくできる。
【0056】
アーム部82が取付部材70上に重なり合うように配置されるため、ばね力によるアーム部82の回動が取付部材70により規制されるため、アーム部82のばね力が強く設定されていても、アーム部82の先端側が取付部材70の下面側よりも大きく突出することがなく、ばね装置43を光源ユニット12に取り付ける際にアーム部82のばね力に抗して取り付ける負荷が軽減され、組立性が向上できる。
【0057】
すなわち、ばね装置43の線ばね71は、アーム部82が取付部材70上に重なり合う方向にばね力を有し、このばね力が作用した状態でアーム部82が取付部材70上に当接されているため、アーム部82のばね力が強く設定されていても、アーム部82の先端側が取付部材70の下面側よりも大きく突出することがなく、ばね装置43を光源ユニット12に取り付ける際にアーム部82のばね力に抗して取り付ける負荷が軽減され、組立性が向上できる。
【0058】
しかも、ばね装置43を光源ユニット12に取り付けた状態では、アーム部82のばね力により取付部材70が光源ユニット12から外れる方向に作用するのを軽減でき、ばね装置43の取付状態を安定させることができる。
【0059】
アーム部82の先端側が取付部材70の下面側(光源ユニット12への取付面側)と平行な面と略同じ高さに位置されることにより、組立性がよく、取付状態を安定させることができる。
【0060】
また、線ばね71の端部81が取付部材70および器具本体20を貫通するため、取付部材70が光源ユニット12から外れるのを防止できる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10 照明装置
12 光源ユニット
20 器具本体
21 ばね受部材
43 ばね装置
70 取付部材
71 線ばね
72 器具取付部
76 コイル部取付部
78 端部取付部
80 コイル部
81 端部
82 アーム部