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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049848
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240403BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240403BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240403BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240403BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20240403BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V23/00 160
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156329
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】室伏 和人
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA00
(57)【要約】
【課題】小形化できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、筐体11と、光源ユニット12と、取付部材13とを備える。筐体11は、器具本体20と、器具本体20の前面側に取り付けられる透光カバー21とを有する。光源ユニット12は、筐体11内に収容される。取付部材13は、器具本体20の内面側に取り付けられる器具本体取付部50と、器具本体20の側面側に対向する器具本体取付部50の一端側から立ち上がる立上部51と、立上部51の先端側から器具本体取付部50とは反対方向に向って突出され、光源ユニット12が取り付けられる光源ユニット取付部52と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、この器具本体の前面側に取り付けられる透光カバーとを有する筐体と;
前記筐体内に収容される光源ユニットと;
前記器具本体の内面側に取り付けられる器具本体取付部と、前記器具本体の側面側に対向する前記器具本体取付部の一端側から立ち上がる立上部と、この立上部の先端側から前記器具本体取付部とは反対方向に向って突出され、前記光源ユニットが取り付けられる光源ユニット取付部と、を有する取付部材と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記取付部材は、前記立上部の側部から前記光源ユニット取付部の突出方向に向かって折曲された側壁部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記立上部の内側に配線用開口を有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水構造の光源ユニットを備えた照明装置がある。
【0003】
また、耐食耐酸仕様の照明装置では、密閉構造の筐体内に光源が収容される。光源として光源ユニットを用いる場合、筐体内に取付部材を配設し、この取付部材に光源ユニットを取り付けるが、取付構造によっては筐体が大形になりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-57260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、小形化できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、筐体と、光源ユニットと、取付部材とを備える。筐体は、器具本体と、器具本体の前面側に取り付けられる透光カバーとを有する。光源ユニットは、筐体内に収容される。取付部材は、器具本体の内面側に取り付けられる器具本体取付部と、器具本体の側面側に対向する器具本体取付部の一端側から立ち上がる立上部と、立上部の先端側から器具本体取付部とは反対方向に向って突出され、光源ユニットが取り付けられる光源ユニット取付部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、小形化することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置を示し、(a)は断面図、(b)は器具本体の底面図である。
図3】同上照明装置の拡大断面図である。
図4】同上照明装置の器具本体の拡大底面図である。
図5】同上照明装置の図3のA-A視断面図である。
図6】同上照明装置に用いられる光源ユニットの斜視図である。
図7】同上照明装置に用いられる取付部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図5に示すように、照明装置10は、耐酸、耐薬品性に優れ、腐食性ガスが発生しやすい場所や湿度の高い環境下などでの使用にも対応される。照明装置10は、長尺状の筐体11と、この筐体11内に収容される長尺状の光源ユニット12と、この光源ユニット12の長手方向の両端を筐体11に取り付ける一対の取付部材13と、を備えている。
【0011】
筐体11の背面側には、設置金具14が取り付けられている。設置金具14は、筐体11の長手方向の長さよりも長く、両端部が筐体11の両端よりも突出され、その突出部分に設置孔15が設けられている。天井などの設置場所に設けられる一対の吊ボルトに設置金具14の両端の設置孔15を通してナットを螺着することにより、照明装置10が設置場所に取り付けられる。
【0012】
筐体11は、耐食性・耐酸性に優れた材質を使用し、筐体11内の高密閉性を保つように構成されている。筐体11は、器具本体20と、この器具本体20の前面側に取り付けられる透光カバー21と、器具本体20と透光カバー21との間に介在されるパッキン22と、器具本体20に対して透光カバー21を着脱可能に取り付ける複数のラッチ23と、を備えている。筐体11の内部には、密閉された内部空間24が形成される。
【0013】
器具本体20は、耐酸、耐薬品性の高い例えばガラス繊維強化ポリエステル製で、一体に形成されている。
【0014】
器具本体20は、被設置部に取り付けられる背面部25と、この背面部25の周辺部から前面側である下面側に突出された側面部26とを有している。側面部26は、長手方向の両端の側面部(端面部)26aと、長手方向に交差する短手方向である幅方向の側面部26bとを有している。背面部25から側面部26(側面部26a,26b)に亘って湾曲状に形成されている。
【0015】
器具本体20の両端の側面部26aには、器具本体20の内側に突出する、あるいは窪む電線挿通部27が設けられている。この電線挿通部27に、外部電力を供給する電線Lを引き込むための電線挿通孔28が形成されている。この電線挿通孔28には、電線Lが挿通されて電線挿通孔27との間を密閉するブッシュが取り付けられる。
【0016】
透光カバー21は、透光性を有していて変色しにくい例えばアクリル樹脂製で、一体に形成されている。透光カバー21は、前面部に対して周辺部が背面側に突出され、その周辺部がパッキン22を介して器具本体20の周辺部に嵌合され、複数のラッチ23で密閉状態に取り付けられる。なお、透光カバー21は、少なくとも光照射方向に対応して透光性を有していれば、例えば周辺部などは非透光であってもよい。
【0017】
また、図3図5および図6に示すように、光源ユニット12は、防水構造を備えている。光源ユニット12は、透光性を有する長尺状で筒状の光源カバー30と、この光源カバー30内に挿通される支持部31と、この支持部31に取り付けられる光源モジュール32および図示しない電源部と、光源カバー30の両端にパッキン33を介して配置されて支持部31に取り付けられる一対のキャップ34と、を備えている。
【0018】
光源モジュール32は、長尺状の基板35と、この基板35に実装された発光ダイオードなどの複数の発光素子36とを備えている。光源モジュール32は、基板35が支持部31の前面側に取り付けられ、前方の光照射方向に光を照射する。
【0019】
電源部は、外部から入力される交流電力などの外部電力を光源モジュール32が点灯する直流電力などの点灯電力に変換して光源モジュールに供給する。
【0020】
キャップ34は、光源カバー30の端面を閉塞する閉塞部37と、この閉塞部37の前部側から長手方向の外側へ向けて突出された突出部38とを有している。
【0021】
閉塞部37から突出部38に亘って、金属板で断面略Lの字形に形成された取付板39が取り付けられている。突出部38側に配置される取付板39の箇所で幅方向の中央には、光源ユニット12を器具本体20に配設される取付部材13に取り付けるための取付ねじ40が回動操作可能に保持されている。この取付ねじ40は、キャップ34の突出部38の前面側から挿入され、取付板39を貫通されるともに取付板39に回転可能に保持されている。
【0022】
突出部38側に配置される取付板39の箇所で、取付ねじ40に対して幅方向の一側に吊り金具41が取り付けられている。吊り金具41は、器具本体20に対して光源ユニット12を仮吊りするものである。吊り金具41は、線材によって形成され、両端に円弧状に屈曲された引掛り部42が設けられている。吊り金具41の下端側の引掛り部42は取付板39の下面側に引っ掛かるように配設され、上端側の引掛り部42は取付部材13に引っ掛け可能とする。
【0023】
キャップ34の閉塞部37には、幅方向の一側の吊り金具41とは反対側となる幅方向の他側に、配線引出部43が設けられている。この配線引出部43から、光源ユニット12内の電線部に電気的に接続された配線が引き出されている。
【0024】
また、図3図4および図7に示すように、取付部材13は、金属板によって形成されている。取付部材13は、器具本体20内の長手方向の両端部で、端面側の側面部26aに対向する位置にそれぞれ配設され、光源ユニット12の長手方向の両端のキャップ34が取り付けられる。
【0025】
取付部材13は、器具本体20の背面部25に取り付けられる四角形平板状の器具本体取付部50と、端面側の側面部26aの内面(電線挿通部27の内面)に対向する器具本体取付部50の一端側から略直角に立ち上がる立上部51と、この立上部51の先端側から器具本体取付部50とは反対方向に向って突出される光源ユニット取付部52と、この光源ユニット取付部52の先端側から立上部51と略平行に対向するように折曲された折返し部53と、立上部51の両側部から光源ユニット取付部52の突出方向に向かって折曲された側壁部54と、立上部51の内側域に設けられた配線用開口55と、を有している。
【0026】
器具本体取付部50は、器具本体20の長手方向に沿って長い長方形板状に形成されている。器具本体取付部50には、幅方向の中央に沿った中心線上に器具本体20に対してねじ止めするための複数の取付孔56が設けられ、これら取付孔56に対して器具本体取付部50の幅方向の一側にオフセットした位置に電線保持部57が設けられている。電線保持部57は、2つの取付孔56の間で、配線用開口55に近い側の取付孔56に近い位置に、背面部25の内面側に円弧状に切り起されている。電線保持部57には、結束バンドaが挿通され、この結束バンドaにより器具本体20の電線挿通孔28から配線用開口55を通じて引き込まれた電線Lを取付部材13の幅方向の一側にオフセットした位置に保持する。
【0027】
立上部51は、器具本体取付部50の幅方向の両側部から立ち上げられている。両側の立上部51間に、電線挿通孔28よりも大きい四角形状の開口で、電線挿通孔28に対向される配線用開口55が形成されている。
【0028】
光源ユニット取付部52の中央には、光源ユニット12の取付ねじ40が螺着される取付孔58が設けられている。光源ユニット取付部52には、吊り金具41の上端側が着脱可能に挿通される溝部59が設けられている。溝部59に挿通された吊り金具41が下降することによって上端側の引掛り部42が光源ユニット取付部52に引っ掛かり可能とする。
【0029】
折返し部53は、光源ユニット取付部52から折曲されることにより、光源ユニット取付部52の強度を向上させている。
【0030】
側壁部54は、立上部51側および光源ユニット取付部52側に対してそれぞれ反対側の辺に、器具本体20の背面部25と側面部26aとの間の曲面状の内面形状、および電線挿通部27の内面形状に沿って配置されるように、傾斜状に切り欠かれた形状の逃げ部60が形成された形状に形成されている。
【0031】
取付部材13は、器具本体取付部50が器具本体20の背面部25の内面側に配置されて各取付孔56を挿通するねじ、またはボルトとナットにより取り付けられる。器具本体20に取り付けられた取付部材13の立上部51は、器具本体20の端面側の側面部26aの内面(電線挿通部27の内面)に対向され、この立上部51の配線用開口55が器具本体20の電線挿通孔28に対向される。光源ユニット取付部52は器具本体20の側面部26の前端部よりも前方に突出した位置に配置される。側壁部54は、逃げ部60が器具本体20の背面部25と側面部26aとの間の曲面状の内面形状、および電線挿通部27の内面形状に沿って配置される。これにより、取付部材13は、器具本体20の長手方向の端部側に相対的に寄った位置に配置される。
【0032】
そして、照明装置10を施工する場合には、透光カバー21および光源ユニット12が外された器具本体20を設置金具14により設置場所に設置し、電線Lを電線挿通孔28から取付部材13の配線用開口55を通じて器具本体20内に引き込む。引き込んだ電線Lは、取付部材13の電線保持部57に通した結束バンドaによって取付部材13に保持する。結束バンドaによって保持された電線Lは、取付部材13の器具本体取付部50の幅方向の一側にオフセットした位置に配置され、器具本体取付部50の幅方向の中央で取付部材13を器具本体20に取り付けているねじやボルトとの干渉が防止される。
【0033】
光源ユニット12の両端の吊り金具41を器具本体20の両端の取付部材13の溝部59に引っ掛け、一対の吊り金具41を介して器具本体20の下方の離れた位置に光源ユニット12を仮吊りする。この仮吊り状態で、器具本体20と光源ユニット12の間を通じて、器具本体20に引き込まれた電線Lと光源ユニット12から引き出されている配線とを電気的に接続する。
【0034】
光源ユニット12を器具本体20内に押し上げ、光源ユニット12の両端のキャップ34を器具本体20の両端の取付部材13に配置する。キャップ34の閉塞部37が取付部材13の立上部51の内面側に対向するように配置され、キャップ34の突出部38が取付部材13の光源ユニット取付部52に対向するように配置される。キャップ34の突出部38に保持されている取付ねじ40を取付部材13の光源ユニット取付部52の取付孔58に螺着して締め付け、光源ユニット12の両端を器具本体20の両端の取付部材13に固定する。
【0035】
光源ユニット12を器具本体内に押し上げる際、光源ユニット12の端部から引き出されている配線の中間で折り返した折返し部分を取付部材13の配線用開口55に挿入することにより、配線が取付部材13に引っ掛かることなく、光源ユニット12を器具本体20内に配置できる。この配線は、折返し部分を介して器具本体20の中央方向に向かうが、取付部材13の器具本体取付部50の幅方向の一側にオフセットした位置に配置されている電線Lとは反対側となる幅方向の他側にオフセットした位置に配置され、電線Lと重なったり、器具本体取付部50の幅方向の中央で取付部材13を器具本体20に取り付けているねじやボルトと干渉するのが防止される。
【0036】
透光カバー21を器具本体20の前面側に被せ、複数のラッチ23で器具本体20に取り付ける。
【0037】
そして、電線Lを通じて外部電力が光源ユニット12の電源部に供給されると、光源モジュール32が点灯し、光源モジュール32からの光が光源カバー30および透光カバー21を透過して外部へ向けて照射される。
【0038】
このように構成された照明装置10では、器具本体20の背面部25から端面側の側面部26aに亘って湾曲状に形成されているため、背面部25に取り付けられる取付部材13の器具本体取付部50に対して立上部51の位置を器具本体20の端面側の側面部26aに近付けられる位置が決まっている。
【0039】
ここで仮に、光源ユニット取付部52を立上部51の先端側から器具本体取付部50と同じ方向に突出するように設けた場合、この光源ユニット取付部52に光源ユニット12を取り付けるには、取付ユニット12を基準として、取付部材13の位置を器具本体20の長手方向のより外側に配置しなければならず、そのため、器具本体20の長さが長く、筐体11が大形化する。
【0040】
本実施形態の取付部材13は、立上部51の先端側から器具本体取付部50とは反対方向に向って光源ユニット取付部52が突出するように設けられているため、取付部材13の位置を器具本体20の長手方向のより外側に配置しなくても光源ユニット12取り付けることができ、筐体11を小形化できる。
【0041】
また、立上部51の両側部から光源ユニット取付部52の突出方向に向かって側壁部54が折曲されているため、取付部材13の強度を向上できる。さらに、側壁部54には、器具本体20の背面部25と側面部26aとの間の曲面状の内面形状、および電線挿通部27の内面形状に沿って配置される逃げ部60が設けられることにより、取付部材13と器具本体20の端部側の側面部26aとを近付けることができ、筐体11をより小形化できる。
【0042】
また、立上部51の内側域に配線用開口55が設けられるため、器具本体20に引き込まれる電線Lを通したり、光源ユニット12から引き出される配線を配置することが可能となり、筐体11の小形化に寄与できる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 照明装置
11 筐体
12 光源ユニット
13 取付部材
20 器具本体
21 透光カバー
50 器具本体取付部
51 立上部
52 光源ユニット取付部
54 側壁部
55 配線用開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7