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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049869
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】製袋機
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/10 20170101AFI20240403BHJP
   B31B 155/00 20170101ALN20240403BHJP
【FI】
B31B70/10
B31B155:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156360
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】506314357
【氏名又は名称】株式会社New IWASHO
(71)【出願人】
【識別番号】000109200
【氏名又は名称】ダックエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】日比野 稔
(72)【発明者】
【氏名】金子 直揮
(72)【発明者】
【氏名】セラノ キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】高松 博
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓太
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕司
(72)【発明者】
【氏名】弥永 昌克
(72)【発明者】
【氏名】氷上 好孝
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA10
3E075BA42
3E075CA02
3E075DA14
3E075DA32
3E075DB03
3E075DB14
3E075DD12
3E075FA15
3E075GA07
(57)【要約】
【課題】加工ユニットや検知ユニットの位置調整について、安価で、設計自由度も高く、停電等の際の復帰も迅速に行うことができ、さらに、高度な演算能力が不要で、精度も高い位置調整が可能で、高品質を維持できる製袋機を提供せんとする。
【解決手段】1袋分に対応する印刷ピッチで反復印刷された印刷柄を有する長尺状のフィルムFに対し、所定数袋分に対応するフィルムFの長尺方向に沿った長さ毎に、加工ユニットや検知ユニットを設けて熱シールやカットを行い、袋状に形成するもので、加工ユニット及び検知ユニットに、他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの種類、状態に応じて位置調整される加工ユニット又は検知ユニットを有する製袋機であって、
前記加工ユニット及び検知ユニットのうち少なくとも一つのユニットにつき、他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段を備えることを特徴とする製袋機。
【請求項2】
前記少なくとも一つのユニットを前記フィルムの送り方向に平行な方向又は送り方向に直交する方向に沿って移動可能に支持する支持ガイドと、
該ユニットを前記支持ガイドに支持された状態で該支持ガイドに沿って移動させる駆動モータと、
前記測定手段により測定される該ユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離に基づき、前記駆動モータを制御し、該ユニットの位置を調整する調整手段と、
を備える、請求項1記載の製袋機。
【請求項3】
前記測定手段が、
前記少なくとも一つのユニットと、前記他のユニット又は前記ユニット外の定位置とのうちの一方に、他方に向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサが設けられ、他方に、前記レーザ距離センサのターゲットが設けられてなる、請求項1記載の製袋機。
【請求項4】
前記加工ユニット及び検知ユニットのうち隣り合う二つ以上のユニットに前記測定手段が備えられ、
前記測定手段は、送り方向に平行な上流方向及び下流方向のうち一方に隣り合う他のユニットに向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサと、他方に隣り合う他のユニットのレーザ距離センサのターゲットとが設けられている、請求項3記載の製袋機。
【請求項5】
前記加工ユニット及び検知ユニットのうち隣り合う二つ以上のユニットに前記測定手段が備えられ、
前記調整手段は、二つ以上の前記ユニットのうち定められた一つのユニットから順次、隣りのユニットを移動させて距離を調整する、請求項2記載の製袋機。
【請求項6】
送り中のフィルムを撮像してフィルムの伸長を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出されたフィルムの伸長情報に基づき、調整すべきユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を算出する算出手段とを備え、
前記調整手段は、前記算出手段により算出された距離と前記測定手段により測定される当該ユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離に基づき、該ユニットの駆動モータを制御し、前記距離を調整する、請求項2記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムの種類、状態に応じて位置調整される加工ユニット又は検知ユニットを有する製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋機は、たとえば1袋分に対応する印刷ピッチで反復印刷された印刷柄を有する長尺状のフィルムに対し、1袋分に対応する長さ(1ピッチ)毎に送りローラで間欠的に送られ、途中、ヒートシールやカットなどの加工や傾き等の検出などが行われる。このため、製袋機は、フィルムをヒートシールする熱板ユニットや冷却板ユニット、フィルムをカットするカットユニットなどの加工ユニットや、フィルムの傾き等を検知する検知ユニットを有している。
【0003】
フィルムは、送りローラのテンションやヒートシールの際の熱あるいはその後の冷却により伸縮が生じることがあるため、定位置でヒートシールやカット、検知を続けると、印刷柄に合った正確な位置でヒートシールやカット等の加工がなされず、正確な検知も行えない。結果、多量の不良が発生する虞がある。また、フィルムの種類が変われば、1ピッチの長さも変わり、これらヒートシールやカットの位置、及び検知ユニットの位置も合わせて変更する必要がある。
【0004】
このため、製袋機では、従来から加工ユニットや検知ユニットを位置調整できるように構成されている。最近では、フィルムの伸縮(状態)を自動で検出し、加工ユニットや検知ユニットの位置を自動調整できるようにしたものも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ところで、このように加工ユニットや検知ユニットを位置調整するためには、前提として、各ユニットの現在位置を正確に把握する必要がある。したがって、上記特許文献1でも記載されているように、通常、各ユニットに駆動モータとしてエンコーダ内蔵のサーボモータが用いられ、該エンコーダのパルス信号により各ユニットの現在位置を管理している。
【0005】
しかしながら、エンコーダ内蔵のサーボモータは、高価である上、その制御部を含めてモータ部分が大型化し、熱や振動に対する配慮も必要になるため、設計自由度に限界が生じ、扱いにくいという問題がある。また、停電等で現在位置のデータが消失すると、各々、原点復帰させて一から調整し直す必要が生じ、効率が極端に悪化する。また、各ユニットごとに個別に絶対位置を特定するものであるため、フィルムの伸縮や種類(品種)変更の際、各ユニットの調整すべき位置を算出する演算量が多くなり、処理装置に高い演算能力が必要で、コスト及び調整の時間を要する。更に、各ユニットの上記エンコーダは、原点からの距離が長いほど機械的精度が低下するため、印刷ピッチに対応すべきユニット間の離間距離に累積的な誤差が生じることが避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-199525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、加工ユニットや検知ユニットの位置調整について、安価で、設計自由度も高く、停電等の際の復帰も迅速に行うことができ、さらに、高度な演算能力が不要で、精度も高い位置調整が可能で、高品質を維持できる製袋機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、かかる現況に鑑み、鋭意検討した結果、各ユニットの位置を特定し、調整するにあたり、精度や品質に影響するのは、1ピッチあたりの長さに対応するユニット間の距離であることに着目した。そして、このようなユニット間の距離を測定するのであれば、一般的に、長い距離は正確に測定できないレーザ距離測定センサを利用して精度良く測定できること、各ユニットの位置を順次調整でき、演算量が少なくなり、停電の際にも復帰が容易であること、サーボモータの代わりにDCモータ等の安価な各種モータで各ユニットの駆動モータを代用できることを見出し、さらに、精度が担保できる近距離の範囲であればユニット間ではなく定位置からの各ユニットの位置を測定しても同様の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1) フィルムの種類、状態に応じて位置調整される加工ユニット又は検知ユニットを有する製袋機であって、前記加工ユニット及び検知ユニットのうち少なくとも一つのユニットにつき、他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段を備えることを特徴とする製袋機。
【0010】
(2) 前記少なくとも一つのユニットを前記フィルムの送り方向に平行な方向又は送り方向に直交する方向に沿って移動可能に支持する支持ガイドと、該ユニットを前記支持ガイドに支持された状態で該支持ガイドに沿って移動させる駆動モータと、前記測定手段により測定される該ユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離に基づき、前記駆動モータを制御し、該ユニットの位置を調整する調整手段とを備える、(1)記載の製袋機。
【0011】
(3) 前記測定手段が、前記少なくとも一つのユニットと、前記他のユニット又は前記ユニット外の定位置とのうちの一方に、他方に向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサが設けられ、他方に、前記レーザ距離センサのターゲットが設けられてなる、(1)記載の製袋機。
【0012】
(4) 前記加工ユニット及び検知ユニットのうち隣り合う二つ以上のユニットに前記測定手段が備えられ、前記測定手段は、送り方向に平行な上流方向及び下流方向のうちの一方に隣り合う他のユニットに向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサと、他方に隣り合う他のユニットのレーザ距離センサのターゲットとが設けられている、(3)記載の製袋機。
【0013】
(5) 前記加工ユニット及び検知ユニットのうち隣り合う二つ以上のユニットに前記測定手段が備えられ、前記調整手段は、二つ以上の前記ユニットのうち定められた一つのユニットから順次、隣りのユニットを移動させて距離を調整する、(2)記載の製袋機。
【0014】
(6) 送り中のフィルムを撮像してフィルムの伸長を検出する検出手段と、前記検出手段で検出されたフィルムの伸長情報に基づき、調整すべきユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を算出する算出手段とを備え、前記調整手段は、前記算出手段により算出された距離と前記測定手段により測定される当該ユニットの前記他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離に基づき、該ユニットの駆動モータを制御し、前記距離を調整する、(2)記載の製袋機。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、加工ユニット及び検知ユニットのうち少なくとも一つのユニットにつき、他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段を備えたので、エンコーダのような累積誤差が生じることなく高い精度で位置特定でき、各ユニットの位置を順次調整でき、演算量が少なくより効率的に位置調整ができる。また、停電の際にも、各ユニットの原点復帰が不要で、停電前の位置に容易に復帰でき、生産効率を維持できる。さらに、DCモータ等の安価な各種モータで各ユニットの駆動モータを代用でき、コスト低減できるとともに、制御部を含めてモータ部分をコンパクト化でき、設計自由度も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の代表的実施形態に係る製袋機を示す説明図。
図2】同じく製袋機における横シール用の熱板ユニットおよび冷却板ユニットの構成を示す概略説明図。
図3】熱板ユニットの具体的な構造を示す説明図。
図4】測定手段の変形例を示す説明図。
図5】測定手段の他の変形例を示す説明図。
図6】同じく製袋機における縦シール用の熱板ユニットの構成を示す概略説明図。
図7】熱板ユニットの具体的な構造を示す説明図。
図8】同じく送り方向に直交する方向から見た熱板ユニットの側面図。
図9】同じく送り方向に平行な方向から見た熱板ユニットの正面図。
図10】同じく製袋機の処理システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0018】
本発明に係る製袋機1は、1袋分に対応する印刷ピッチで反復印刷された印刷柄を有する長尺状のフィルムFに対し、所定数袋分に対応するフィルムFの長尺方向に沿った長さ毎に、加工ユニットや検知ユニットを設けて熱シールやカットを行い、袋状に形成するものである。加工ユニットや検知ユニットは、フィルムの種類、状態に応じて位置調整されるように構成されている。
【0019】
本例では、加工ユニットとして、M板ユニット10B、熱板ユニット2A~2D、2a~2c、冷却板ユニット12、14、パンチユニット17、カッターユニット16が設けられている。また、検知ユニットとして、LPCセンサユニット10A,撮像ユニット15が設けられている。また、本例では、最下流位置のカッターユニット16の位置は固定とされ、該カッターユニット16の位置を基準に、他のユニットを順次、位置調整するものとして説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
本発明は、これら加工ユニット及び検知ユニットに、他のユニットとの間の距離、またはユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段を備えたことを特徴とする。これにより、各ユニットの位置を高い精度で特定できるとともに、効率的に位置調整が可能である。本実施形態では、位置調整される上記各ユニットに駆動モータを設け、レーザ距離センサが示す距離に基づいて自動で位置調整するものについて説明するが、本発明はこれに限らず、駆動モータを省略し、レーザ距離センサが示す距離に基づき手動で位置調整する機構のみ設けたものでもよい。
【0021】
本実施形態は、フィルムFの伸長を検出する検出手段51として、送り中のフィルムFを撮像する撮像ユニット15と、撮像ユニット15で撮像されたフィルムの画像に基づいてフィルムの伸長を検出する検出処理部50aを有する処理装置24を備えている。撮像ユニット15(検出手段)は、たとえば、上述の特開2018-199525号公報に記載されている撮像手段を採用することができ、長尺状のラインセンサからなり、フィルムFの表面の全幅に及ぶ画像を取得する。
【0022】
処理装置24は、さらに、自動で位置調整する調整手段52として、検出したフィルムの伸長情報に基づき、調整すべきユニットの前記他のユニットとの間の距離を算出する算出手段としての算出処理部50bと、算出処理部50bで算出された距離と測定手段により測定されるユニット間の距離に基づき、該ユニットの駆動モータを制御する制御信号を生成する制御手段としての制御部50cとを備えている。
【0023】
処理装置24は、演算処理装置(CPU等)及び記憶装置を備え、図10に示すように、測定手段23(レーザ距離センサ)、駆動モータ22、撮像ユニット15、その他、手動操作盤71や表示ユニット71、データ通信部73介して外部のコンピュータ74等に接続されている。演算処理装置はマイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、入出力部、バスラインを通じて記憶装置や上記測定手段23等の接続先と各種情報を送受信する。
【0024】
処理装置24の記憶装置は、演算処理部内外のRAM、ROMなどの記憶メモリやハードディスク等より構成され、演算処理装置の各種処理動作(上記した検出処理部50a,算出処理部50b、制御部50cなど)の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。処理装置24の各機能は、コンピュータによるソフトウエア処理で構成することもできるが、一部又は全部をハードウエア処理回路で構成することが好ましい。
【0025】
検出処理部50aは、撮像ユニット15で撮像されたフィルムの画像とあらかじめ記憶装置に記憶された正しいとされる画像(マスター画像)とを比較して、伸長が所定の閾値を超える場合に伸長したと判定し、その伸長量を記憶装置に記憶する。具体的には、上述の特開2018-199525号公報に記載の実施形態を参考にできる。算出処理部50bは、上記検出処理部50aで検出された伸長量(たとえば10mmあたりの伸長量など)を用いて、ユニット間の距離を伸長した状態の所定数袋分(たとえば1袋分)に対応する長さに調整することができる。
【0026】
その他の構造は、従来から公知の製袋機の構成を採用できる。図1の例における符号101は、原反ロールから原反フィルムGを繰り出す繰出し軸、102は、繰出された原反フィルムGを幅方向が鉛直方向となるように方向転換させるターンバー、103は、原反フィルムGをその幅方向の中央で切断して2枚の基材フィルムF1、F2とするスリット刃、104は、基材フィルムF1、F2の各々を幅方向が水平方向となるように方向転換する一対のターンバー,105は、基材フィルムF1、F2を連続から間欠送りに変換するダンサーローラをそれぞれ示している。
【0027】
図1に示すように、原反ロールから繰り出された基材フィルムF1、F2は、シーソーローラ108、109により幅方向の位置合わせが行われ、その後、ニップローラ110,111により上下に重ね合わされる。基材フィルムF1、F2は軟質であり、ここでは合成樹脂製とするが、本発明のフィルムは素材は問わず、合成樹脂製以外に、金属製や紙製であってもよいし、それらの複合材であってもよい。
【0028】
以下、加工ユニットである熱板ユニット及びこれに続く冷却板ユニットを例に、これらユニットに設けられる測定手段や位置調整手段について説明する。
【0029】
図2は、図1の横シール用の熱板ユニット2a~2c、及びこれに続く冷却板ユニット14a,14bの構成を示す概略図である。熱板ユニット2a~2cは、図2の概念図に示すように、フィルムFの送り方向に直交する方向に延びる上下一対の熱板200、201からなり、互いに所定数袋分(たとえば1袋分)に対応する長さ毎に配置されている。熱板200、201はヒータにより加熱される。ここでは、横シール用の熱板ユニットとして三つ設けた例を示しているが、その数はこれに限定されず、一つのみでもよい。
【0030】
各熱板ユニット2a~2cは、フィルムFの送り方向d1に延びる支持ガイド21により、該支持ガイド21に沿ってd1方向に移動可能に支持されるとともに、該支持ガイド21に沿って移動するための駆動モータ22が各々設けられている。熱板ユニット2a~2cの下流側には、冷却板ユニット14a,14bが配置されている。
【0031】
冷却板ユニット14a,14bは、熱板ユニット2a~2cの熱板200、201の代わりに、同じくフィルムFの送り方向に直交する方向に延びて冷却水等の冷媒が内部を流れる上下一対の冷却板140、141を設けたものであり、その他の構成は基本的に熱板ユニット2a~2cと同じである。すなわち、冷却板ユニット14a、14bは、熱板ユニット2a~2cと支持ガイド21を共有するとともに、該支持ガイド21に支持された状態で、該支持ガイド21に沿って移動するための駆動モータ22が各々設けられている。ここでは、横シール用の冷却板ユニットとして二つ設けた例を示しているが、その数はこれに限定されず、一つのみでもよく、冷却板ユニット自体を省略してもよい。
【0032】
上流側の冷却板ユニット14aとこれに隣接する熱板ユニット2c、および,冷却板ユニット14a,14b同士は、互いに所定数袋分(たとえば1袋分)に対応する長さ毎に配置されている。そして、これら熱板ユニット2a~2c、及び冷却板ユニット14a,14bには、それぞれユニット間の距離を測定するレーザ距離センサ230からなる測定手段23が設けられている。本例では、測定手段23として、隣り合う各ユニットの一方(上流側のユニット)に、他方(下流側のユニット)に向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサ230が設けられ、且つ他方(下流側のユニット)に、該レーザ距離センサ230のターゲット231が設けられている。
【0033】
より詳しくは、各ユニット(熱板ユニット2a~2c、及び冷却板ユニット14a,14b)に、測定手段23として、フィルムFの送り方向に平行な上流方向及び下流方向のうちの一方(下流側)に隣り合うユニットに向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサ230と、他方(上流側)に隣り合うユニットのレーザ距離センサ230のターゲット231とが設けられている。これにより、各ユニットに上記レーザ距離センサ230とターゲット231とからなる同じ測定手段23を設けることができ、測定手段23の共通化によりコスト低減が可能とされている。
【0034】
図3は、各ユニットについて、駆動モータ22による支持ガイド21に沿った移動機構や上記測定手段23の具体的な一例を示している。図3の例は熱板ユニット2a~2cの例である。熱板200、201は、それぞれ下フレーム40、及び該下フレーム40に対して駆動機構42により上下に昇降される上フレーム41に固定されている。上フレーム41側の熱板201が最下降位置まで下降したとき、下フレーム40側の熱板200との間にフィルムFを挟んでヒートシール(熱溶着)する。
【0035】
下フレーム40は、熱板200の左右外側の端部をそれぞれ支持する左右一対の支持ガイド21によりフィルムFの送り方向d1に平行な方向に移動可能に支持されている。また、下フレーム40には、支持ガイド21上に設けられたガイド方向に延びるラック44に噛み合うピニオン43が連結されており、該ピニオン43の回動軸には、同じく下フレーム40に付設された駆動モータ22によりベルトやチェーンを介して回転駆動されるプーリやスプロケットが取着されている。これにより、駆動モータ22でピニオン43を回動させ、下フレーム40を含むユニット全体が支持ガイド21に沿って移動可能に構成されている。
【0036】
また、下フレーム40の左右一方の端部には、該端部を支持する支持ガイド21よりも外側の位置に延びる測定手段23を取り付けるためのブラケット45が設けられ、該ブラケット45の前記支持ガイド21より外側の位置に、レーザ距離センサ230およびターゲット231がそれぞれ設けられている。より具体的には、ブラケット45には、フィルムFの送り方向に平行な法線を有する取付板部451が設けられており、該取付板部451の一方の面にレーザ距離センサ230が取り付けられ、他方の面が、これに対面する隣接ユニットのレーザ距離センサのターゲット231とされている。
【0037】
本実施形態では、以上のように測定手段23により隣接する各ユニット間の距離を測定して位置を調整するように構成されている。すなわち、図1で示した最後の加工となるカッターユニット16から上流側に向けて、撮像ユニット15の位置、パンチユニット17の位置、冷却板ユニット14a,14bの各位置、熱板ユニット2a~2cの各位置を、各ユニットに設けられる測定手段23で求められるユニット間の距離に基づいて順次、ユニット間の距離を変更して位置調整していくように構成されている。
【0038】
しかしながら、本実施形態のように順次、位置を調整していくものとしても、その間のすべての隣接ユニット間の距離を測定する必要はない。レーザ距離センサ230の許容範囲であれば、たとえば一部のユニット群(図4の例では熱板ユニット2a~2cの群)については、該ユニット群より外側のユニット(図4の例では、冷却板ユニット14a)を基準に、各ユニットとの間の距離を測定するように構成してもよい。
【0039】
この場合、基準となるユニットとユニット群をなす各ユニットとの間に、それぞれレーザ距離センサ230とターゲット231の組を設ければよいが、図4のようにユニット群が熱を発する熱板ユニットの場合には、外側である冷却ユニット14a側に熱に弱いレーザ距離センサ230を各熱板ユニット2a~2c用に3つ設け、熱板ユニット2a~2cには、ターゲット231のみ設けることが好ましい例である。ただし、このようにユニット群の外側のユニットを基準に各ユニットまでの距離を測定すると、レーザの干渉の可能性が高まるとともに図示のとおり測定手段23が大型化するため、図2で示したように隣接するユニット間の距離を測定するものが好ましい実施例となる。
【0040】
また、本実施形態では、隣接するユニット間の距離を測定する測定手段23として、各ユニット(熱板ユニット2a~2c、及び冷却板ユニット14a,14b)に、フィルムFの送り方向に平行な上流方向及び下流方向のうちの一方(下流側)に向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサ230と、他方(上流側)のレーザ距離センサ230用のターゲット231とが設けられ、これにより、部品の共通化を図っているが、本発明はこれに限定されるものでもない。たとえば、図5に示すように、一つのユニットに上流側および下流側に向く二つのレーザ距離センサ230のみ設けることや、他のユニットに上流側用、下流側用の二つのターゲット231のみ設けることで、同じく隣接するユニット間の距離を測定することも勿論可能である。
【0041】
各ユニット(熱板ユニット2a~2c、及び冷却板ユニット14a,14b)のレーザ距離センサ230や上記駆動モータ22(のモータドライバ)は、上述した処理装置24に接続され、ユニット間の距離データを処理装置24に送信するとともに、駆動モータ22が処理装置24に(制御部50c)より動作制御される。
【0042】
次に、図6は、図1の縦シール用の熱板ユニット2A~2Dの構成を示す概略図である。各熱板ユニット2A~2Dは、それぞれ図6に示すように、送り方向に延びる下側の熱板202が、フィルムFの送り方向に直交する方向d2に延びる下側の支持ガイド212によりd2方向に移動可能に支持され、且つ、送り方向に延びる上側の熱板203が、同じく方向d2に延びる上側の支持ガイド213によりd2方向に移動可能に支持されている。本例では、フィルムFが左右に2袋取りで印刷されており、縦シール用の熱板ユニットを4つ(2A~2D)設けた例を示しているが、その数はこれに限定されない。
【0043】
熱板ユニット2A~2Dの下側の4本の熱板202は、共通の支持ガイド212により間隔をおいて支持されている。上側の4本の熱板203も、同じく共通の支持ガイド213により間隔をおいて支持されている。すなわち、各熱板ユニット(2A~2D)は、下側の熱板202を有する下側ユニット60と、上側の熱板203を有する上側ユニット61とに分離構成されており、上下のユニット60、61は上記支持ガイド212、213に支持された状態で、互いにd2方向の位置が一致するように同じ量だけ移動して位置調整されることになる。熱板202、203はヒータにより加熱される。
【0044】
各熱板ユニット2A~2Dの下側ユニット60及び上側ユニット61には、それぞれ支持ガイド212/213に沿って各ユニットを移動させる駆動モータ22が設けられている。これにより各熱板ユニット2A~2Dを構成する上下の熱板202、203(下側ユニット60、上側ユニット61)は、各自の駆動モータ22により同じ距離だけ移動し、常に上下に対面するように位置づけられる。
【0045】
また、熱板ユニット2A~2Dには、それぞれユニット間のd2方向の離間距離を測定するレーザ距離センサ230からなる測定手段23が設けられている。本例では、各熱板ユニット2A~2Dの下側ユニット60同士の離間距離を測定する測定手段23aが各下側ユニット60に設けられるとともに、上側ユニット61同士の離間距離を測定する測定手段23bが各上側ユニット61に設けられている。
【0046】
下側の各ユニットの測定手段23aは、隣り合う各下側ユニット60の一方に、他方に向けてレーザ光を照射するレーザ距離センサ230が設けられ、且つ他方に、該レーザ距離センサ230のターゲット231が設けられている。ここでも、上述の横シールのユニットの場合と同様、一部のユニット群(例えば、熱板ユニット2B~2Dの下側ユニット60の群)について、該ユニット群より外側のユニット(熱板ユニット2Aの下側ユニット60)を基準に、各ユニットとの間の距離を測定するように構成してもよい。また、すべてのユニットより外側の定位置から各ユニットまでの位置を測定するようにすることも勿論可能である。
【0047】
また、上述した横シールの熱板ユニットの測定手段23の場合と同様、一つの下側ユニット60に二つのレーザ距離センサ230のみ設け、他の下側ユニット60に二つのターゲット231のみ設けることで、同じく隣接する下側ユニット60間の距離を測定することも勿論可能である。以上の下側ユニット60の測定手段23aの説明は、上側ユニット61の測定手段23bについても同じである。上記のとおり、縦シールの各熱板ユニット2A~2Dの場合、互いに対面する下側ユニット60と上側ユニット61とはd1方向の位置が同じになるように制御される。したがって、下側ユニット60と上側ユニット61のうち一方にのみ上記測定手段23a(23b)を設けてもよい。
【0048】
図7図9は、縦シール用の熱板ユニット2A~2Dの上下のユニット60、61について、それぞれ駆動モータ22による支持ガイド212(213)に沿った移動機構や上記測定手段23a,23bの具体的な一例を示している。熱板202、203は、それぞれ下フレーム40及び上フレーム41に固定されている。下フレーム40は、上記した下側の支持ガイド212により移動可能に支持されており、上フレーム41は、上側の支持ガイド213によって吊り下げられた状態で移動可能に支持されている。
【0049】
この上フレーム41を支持している支持ガイド213は、下側の支持ガイド212に対して駆動機構42により上下に昇降され、上フレーム41側の熱板203が最下降位置まで下降したとき、下フレーム40側の熱板202との間にフィルムFを挟んでヒートシール(熱溶着)する。下フレーム40には、支持ガイド212上に設けられたガイド方向に延びるラック44に噛み合うピニオン43が連結されており、該ピニオン43の回動軸には、同じく下フレーム40に付設された駆動モータ22によりベルトやチェーンを介して回転駆動されるプーリやスプロケットが取着されている。これにより、駆動モータ22でピニオン43を回動させ、下フレーム40を含む下側ユニット60が支持ガイド212に沿って移動可能に構成されている。
【0050】
また、下フレーム40の左右一方の端部には、該端部を支持する支持ガイド212よりも外側の位置に延びる測定手段23を取り付けるためのブラケット45が設けられ、該ブラケット45の前記支持ガイド21より外側の位置に、レーザ距離センサ230およびターゲット231がそれぞれ設けられている。より具体的には、ブラケット45には、送り方向に直交する横方向に平行な法線を有する取付板部451が設けられており、該取付板部451の一方の面にレーザ距離センサ230が取り付けられ、他方の面が、これに対面する隣接下側ユニット60のレーザ距離センサのターゲット231とされている。以上の下側ユニット60の構成は、上側ユニット61についても同様である。ただし、上側ユニット61は、上フレーム41が支持ガイド213の下面に設けられた係合レール80に上端面の係合凸条部81が係合して吊り下げられた状態で、該支持ガイド213の長手方向に移動可能に支持されている。
【0051】
本実施形態では、隣接する各ユニット間の距離を測定して位置を調整するように構成されているが、レーザ距離センサ230を最も左右外側に配される熱板ユニット2A,2D、またはこれら熱板ユニットよりも外側の定位置に設けられるものでもよい。各ユニット(熱板ユニット2A~2Dの下側ユニット60、上上側ユニット61)のレーザ距離センサ230や上記駆動モータ22(のモータドライバ)は、上述した処理装置24に接続され、ユニット間の距離データを処理装置24に送信するとともに、駆動モータ22が処理装置24に(制御部50c)より動作制御される。
【0052】
以上、熱板ユニットや冷却板ユニットについて説明したが、その他の加工ユニット(M板ユニット10B、パンチユニット17)や、検知ユニット(LPCセンサユニット10A,撮像ユニット15)についても、同様に、たとえばユニット間やユニット外の定位置からの距離を測定するレーザ距離センサからなる測定手段や、当該ユニットを移動可能に支持する支持ガイド、駆動モータ、調整手段等が設けられることが好ましい。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 製袋機 2A~2D 熱板ユニット
2a~2c 熱板ユニット 10A LPCセンサユニット
10B M板ユニット 12A~12D 冷却板ユニット
14a、14b 冷却板ユニット 15 撮像ユニット
16 カッターユニット 17 パンチユニット
21 支持ガイド 22 駆動モータ
23 測定手段 23a,23b 測定手段
24 処理装置 40 下フレーム
41 上フレーム 42 駆動機構
43 ピニオン 44 ラック
45 ブラケット 50 制御部
50a 検出処理部 50b 算出処理部
50c 制御部 51 検出手段
52 調整手段 60 下側ユニット
61 上側ユニット 71 手動操作盤
72 表示ユニット 73 データ通信部
74 コンピュータ 80 係合レール
81 係合凸条部 108、109 シーソーローラ
110,111 ニップローラ 140、141 冷却板
200、201 熱板 202、203 熱板
212、213 支持ガイド 230 レーザ距離センサ
231 ターゲット 451 取付板部
105 ターンバー F フィルム
G 原反フィルム d1、d2 方向
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