(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004987
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 27/32 20060101AFI20240110BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20240110BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20240110BHJP
H01F 41/12 20060101ALI20240110BHJP
H01F 5/02 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01F27/32 140
H01F30/10 E
H01F30/10 G
H01F30/10 A
H01F30/10 F
H01F17/04 N
H01F41/12 F
H01F30/10 H
H01F5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104935
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】東海林 淳
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 勝
【テーマコード(参考)】
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E044BA02
5E070AA11
5E070CA12
5E070DA02
(57)【要約】
【課題】巻回部と引出部との間の絶縁性に優れた小型低背のコイル装置を提供すること。
【解決手段】コイル装置1は、巻回部11と、巻回部11から引き出される引出部12aとを有するコイル10と、引出部12aが接続される端子30aと、巻回部11が形成される巻回筒部41と、巻回筒部41の軸方向に平行な第1方向の端部に形成され、端子30aが設けられる端子設置部42とを有するボビン40と、ボビン40に取り付けられるコア70と、巻回部11とその周囲を通過する引出部12aとの間に配置されるカバー部材90と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記引出部が接続される端子と、
前記巻回部が形成される巻回筒部と、前記巻回筒部の軸方向に平行な第1方向の端部に形成され、前記端子が設けられる端子設置部とを有するボビンと、
前記ボビンに取り付けられるコアと、
前記巻回部と、前記巻回部の周囲を通過する前記引出部との間に配置されるカバー部材と、を有するコイル装置。
【請求項2】
前記引出部は、前記コアとは反対側で、前記巻回部の周囲を前記端子に向けて引き出されており、
前記カバー部材は、前記コアとは反対側で、前記ボビンに取り付けられている請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体に形成された開口部とを有し、
前記引出部は、前記開口部を介して、前記巻回部から、前記巻回部とは反対側に位置する前記カバー本体の第1面に向けて引き出される請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記カバー本体の外縁部から、前記カバー本体の内側に向かって延在している請求項3に記載のコイル装置。
【請求項5】
前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体に形成され、前記カバー本体から突出する第1ガイド部とを有し、
前記第1ガイド部は、前記巻回部とは反対側に位置する前記カバー本体の第1面に形成されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項6】
前記第1ガイド部の少なくとも一部は、前記第1方向に沿って延在している請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記第1ガイド部の高さは、前記引出部の線径と同等以上である請求項5に記載のコイル装置。
【請求項8】
前記端子設置部は、前記コアとは反対側に向かって突出する第2ガイド部を有する請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項9】
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部と同一方向に突出しており、前記第1方向に沿って延在している請求項8に記載のコイル装置。
【請求項10】
前記ボビンは、第1ボビンと、第2ボビンとを有し、
前記第2ボビンの少なくとも一部は、前記第1ボビンの内部に収容される請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項11】
前記コイルは、第1巻回部を有する第1コイルと、第2巻回部を有する第2コイルとを有し、
前記第1ボビンは、前記第1巻回部が形成される第1巻回筒部を有し、
前記第2ボビンは、前記第2巻回部が形成され、前記コアが挿入される第2巻回筒部を有し、
前記第2巻回筒部は、前記第1巻回筒部に挿入される請求項10に記載のコイル装置。
【請求項12】
前記コアは、第1コアと、前記第1コアに組み合わされる第2コアとを有し、
前記第1コアは、I型コアであり、
前記第2コアは、U型コアであり、
前記第1コアは、前記巻回筒部に挿入される請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項13】
前記第1方向に沿った前記第1コアの長さは、前記第1方向に沿った前記第2コアの長さよりも長い請求項12に記載のコイル装置。
【請求項14】
前記端子は、基板に接続可能な外部接続部を有し、
前記外部接続部は、前記凸部の突出方向とは反対方向、または前記突出方向に垂直な方向に向かって突出している請求項1または2に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トランスなどとして用いられるコイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランスなどとして用いられるコイル装置として、たとえば特許文献1に示すコイル装置がある。特許文献1のコイル装置は、コイルと、コイルの巻回部が形成されるボビンと、コイルの引出部が接続される端子とを有する。
【0003】
この種のコイル装置では、巻回部の周囲に沿って、引出部を端子に向けて引き出す場合がある。コイル装置の小型化の進展により、巻回部と引出部との間の間隔が狭くなると、これらの間の絶縁距離が短くなり、絶縁性が低下するおそれがある。仮に、巻回部と引出部との間の絶縁距離を確保するために、巻回部と引出部との間の間隔を広くした場合、コイル装置の小型低背化を図ることが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、巻回部と引出部との間の絶縁性に優れた小型低背のコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示のコイル装置は、
巻回部と、前記巻回部から引き出される引出部とを有するコイルと、
前記引出部が接続される端子と、
前記巻回部が形成される巻回筒部と、前記巻回筒部の軸方向に平行な第1方向の端部に形成され、前記端子が設けられる端子設置部とを有するボビンと、
前記ボビンに取り付けられるコアと、
前記巻回部と、前記巻回部の周囲を通過する前記引出部との間に配置されるカバー部材と、を有する。
【0007】
本開示のコイル装置では、カバー部材が、巻回部と、巻回部の周囲を通過する引出部との間に配置される。この場合、巻回部と引出部とが、カバー部材を介して、互いに反対側に配置されるため、カバー部材によって、巻回部と引出部との間の沿面距離または空間距離(絶縁距離)を延長することができる。したがって、引出部が巻回部に近接して配置されたとしても、巻回部と引出部との間の絶縁性を確保することが可能であり、(耐圧)信頼性に優れた小型低背のコイル装置を実現することができる。
【0008】
前記引出部は、前記コアとは反対側で、前記巻回部の周囲を前記端子に向けて引き出されており、前記カバー部材は、前記コアとは反対側で、前記ボビンに取り付けられていてもよい。この場合、コアと引出部との間の絶縁距離を確保することができ、コイル装置の(耐圧)信頼性を向上させることができる。
【0009】
前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体に形成された開口部とを有し、前記引出部は、前記開口部を介して、前記巻回部から、前記巻回部とは反対側に位置する前記カバー本体の第1面に向けて引き出されてもよい。この場合、巻回部からカバー本体の第1面に向けて引出部を引き出すときに、引出部の屈曲を防止することが可能であり、引出部の損傷を防止することができる。また、巻回部からカバー本体の第1面に向けて引出部を短い距離で引き出すことができるため、巻回部の巻数を増大させることができる。
【0010】
前記開口部は、前記カバー本体の外縁部から、前記カバー本体の内側に向かって延在していてもよい。この場合、カバー本体の外縁部からカバー本体の内側に向けて、引出部を開口部の内部へ案内することができる。
【0011】
前記カバー部材は、カバー本体と、前記カバー本体に形成され、前記カバー本体から突出する第1ガイド部とを有し、前記第1ガイド部は、前記巻回部とは反対側に位置する前記カバー本体の第1面に形成されていてもよい。引出部を第1ガイド部に沿って引き出すことにより、引出部を所望の方向(第1ガイド部の延在方向)へ案内することができる。また、引出部を第1ガイド部に沿って引き出すことにより、引出部を外的負荷から保護することができる。
【0012】
前記第1ガイド部の高さは、前記引出部の線径と同等以上でもよい。この場合、たとえば引出部を第1ガイド部に固定しつつ、引出部を所望の方向(第1ガイド部の延在方向)へ案内することができる。
【0013】
前記端子設置部は、前記コアとは反対側に向かって突出する第2ガイド部を有していてもよい。この場合、引出部を第2ガイド部に沿って引き出すことにより、引出部を所望の方向(第2ガイド部の延在方向)へ案内することができる。また、引出部を第2ガイド部に沿って引き出すことにより、引出部を外的負荷から保護することができる。
【0014】
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部と同一方向に突出しており、前記第1方向に沿って延在していてもよい。この場合、第1ガイド部および第2ガイド部に沿って、引出部を巻回部から端子まで引き出すことができる。
【0015】
前記ボビンは、第1ボビンと、第2ボビンとを有し、前記第2ボビンの少なくとも一部は、前記第1ボビンの内部に収容されていてもよい。第2ボビンの少なくとも一部を第1ボビンの内部に収容することにより、第1方向に沿ってボビンの長さを短くすることが可能となり、コイル装置の小型化を図ることができる。
【0016】
前記コイルは、第1巻回部を有する第1コイルと、第2巻回部を有する第2コイルとを有し、前記第1ボビンは、前記第1巻回部が形成される第1巻回筒部を有し、前記第2ボビンは、前記第2巻回部が形成され、前記コアが挿入される第2巻回筒部を有し、前記第2巻回筒部は、前記第1巻回筒部に挿入されていてもよい。この場合、たとえば、コイル装置をトランスとして機能させることができ、特に小型のトランスを実現することができる。
【0017】
前記コアは、第1コアと、前記第1コアに組み合わされる第2コアとを有し、前記第1コアは、I型コアであり、前記第2コアは、U型コアであり、前記第1コアは、前記巻回筒部に挿入されてもよい。この場合、第1コアと第2コアとで環状コアを形成することができるため、コイル装置の磁気特性を向上させることができる。
【0018】
前記第1方向に沿った前記第1コアの長さは、前記第1方向に沿った前記第2コアの長さよりも長くてもよい。この場合、第1コアまたは/および第2コアの第1方向への位置ずれにより、第1コアと第2コアとの当接部の位置にずれが生じたとしても、これらの当接部の面積(すなわち、磁路の断面積)が変動することを防止することができる。
【0019】
前記端子は、基板に接続可能な外部接続部を有し、前記外部接続部は、前記凸部の突出方向とは反対方向、または前記突出方向に垂直な方向に向かって突出していてもよい。この場合、外部接続部を介して、コイル装置を基板に挿入実装または表面実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】
図3は
図1Aに示すコイル装置のIII-III線に沿う断面図である。
【
図6】
図6は
図2に示す第1ボビンおよび第2ボビンの底面図である。
【
図8】
図8は第1ボビンに第1カバー部材を取り付けたときの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施形態を、図面を用いて説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図示する内容は、本開示の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。以下、本開示を実施形態により具体的に説明するが、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0022】
図1Aおよび
図1Bに示す本実施形態のコイル装置1は、たとえばトランス(昇圧トランスなど)として用いることができる。
図2に示すように、コイル装置1は、第1コイル10と、第2コイル20と、端子30a~30d(
図1B)と、第1ボビン40と、第2ボビン60と、第1コア70と、第2コア80と、第1カバー部材90と、第2カバー部材100とを有する。
【0023】
図面において、X軸は、第1ボビン40の長手方向(軸方向)に対応する軸である。Y軸は、第1ボビン40の短手方向(あるいは、端子30aおよび30bの配置方向)に対応する軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。
【0024】
以下では、Z軸正方向側を「上方」と呼び、Z軸負方向側を「下方」と呼ぶ。また、X軸、Y軸およびZ軸の各々について、コイル装置1の中心に向かう方向を「内側」と呼び、コイル装置1の中心から離れる方向を「外側」と呼ぶ。
【0025】
コイル装置1は、第1ボビン40の軸芯が実装基板(図示略)に対して平行に配置される横型のコイル装置である。本実施形態において、「平行」とは、厳密に平行である場合に限定されず、±10度以内の誤差を許容するものとする。また、「垂直」についても同様であり、厳密に垂直である場合に限定されず、±10度以内の誤差を許容するものとする。
【0026】
たとえば、コイル装置1のX軸に沿った長さは30~50mmであり、Y軸に沿った長さは10~20mmであり、Z軸に沿った長さは10~25mmである。ただし、コイル装置1のサイズは、これに限定されない。
【0027】
第1コイル10は、第1ボビン40に形成されている。第1コイル10は、コイル状の巻回部11と、巻回部11から引き出される引出部12aおよび12bとを有する。第2コイル20は、第2ボビン60に形成されている。第2コイル20は、コイル状の巻回部21と、巻回部21から引き出される引出部22aおよび22b(
図1B)とを有する。本実施形態では、第1コイル10が二次コイルを構成し、第2コイル20が一次コイルを構成しているが、これらの関係を逆にしてもよい。
【0028】
図3に示すように、巻回部11は、第1ボビン40の径方向に沿って5層で形成されているが、巻回部11の層数は4層以下または6層以上でもよい。巻回部21は、第2ボビン60の径方向に沿って1層で形成されているが、巻回部21の層数は複数でもよい。
【0029】
第1コイル10および第2コイル20を構成するワイヤは、特に限定されないが、絶縁被覆ワイヤである。ワイヤの芯材の材質は、たとえば銅線である。ワイヤは、単線でもよく、あるいはペア線でもよい。ワイヤの線径(直径)は、特に限定されないが、たとえば0.1~1.0mmである。第2コイル20を形成するワイヤの線径は、第1コイル10を形成するワイヤの線径よりも太くなっているが、各ワイヤの線径は等しくてもよい。本実施形態において、「等しい」とは、厳密に等しい場合に限定されず、比較対象の間に±10%以内の誤差がある場合を許容するものとする。
【0030】
図1Aおよび
図1Bに示すように、端子30a~30dの形状は同一であるが、異なっていてもよい。端子30a~30dの形状は、特に限定されないが、L字形状である。端子30a~30dは、金属などの導体で形成されている。端子30a~30dは、継線部31a~31dと、外部接続部32a~32dとを有していてもよい。継線部31aには、第1コイル10(
図2)の一方の引出部12aが接続され、継線部31bには、第1コイル10の他方の引出部12bが接続される。継線部31cには、第2コイル20(
図2)の一方の引出部22aが接続され、継線部31dには、第2コイル20の他方の引出部22bが接続される。
【0031】
外部接続部32a~32dは、外部基板(図示略)に接続される。外部接続部32a~32dは、下方に突出しているが、外部接続部32a~32dの突出方向は、これに限定されない。たとえば、外部接続部32a~32dは、X軸に沿って突出していてもよい。あるいは、外部接続部32a~32dは、Z軸に対して、斜め方向に突出していてもよい。本実施形態では、外部接続部32a~32dを介して、コイル装置1を外部基板に挿入実装または表面実装することができる。
【0032】
図2に示すように、第1コア70は、直方体形状を有するI型コアである。第2コア80は、U型コアである。第2コア80は、直方体形状を有する本体部81と、本体部81のX軸方向の両端から突出する脚部82とを有する。脚部82の突出方向は、本体部81に対して垂直な方向である。
【0033】
第1コア70および第2コア80は、たとえば、磁性体と樹脂とを含む材料で形成されてもよく、あるいは金属磁性体の焼結体でもよい。第1コア70および第2コア80を形成する磁性材料としては、Mn-Zn系フェライト等のフェライト粒子、あるいは金属磁性体粒子等が例示される。
【0034】
図1Aに示すように、第1コア70および第2コア80は、第1ボビン40に直接または間接的に取り付けられる。
図3に示すように、第2コア80は、第1コア70に組み合わされる。より詳細には、一方の脚部82は、一方の当接部120において、第1コア70の表面に当接する。他方の脚部82は、他方の当接部120において、第1コア70の表面に当接する。本実施形態では、第1コア70と第2コア80とで環状コアを形成することができるため、コイル装置1の磁気特性を向上させることができる。
【0035】
第1コア70のX軸に沿った長さL1は、第2コア80のX軸に沿った長さL2よりも長くてもよい。この場合、第1コア70のX軸正方向側の端部は、一方の当接部120よりもX軸に沿って、たとえば1mm以上外側に突出していてもよい。また、第1コア70のX軸負方向側の端部は、他方の当接部120よりもX軸に沿って外側に突出する。L1>L2とした場合、第1コア70または/および第2コア80のX軸方向への位置ずれにより、各当接部120の位置にずれが生じたとしても、各当接部120の面積(当接部120における環状コアの磁路の断面積)が変動することを防止することができる。
【0036】
図4Aおよび
図4Bに示すように、第1ボビン40は、巻回筒部41と、端子設置部42と、鍔部43および44とを有する。鍔部43および44については、省略してもよい。第1ボビン40は、たとえばPPS、PET、PBT、LCP等のプラスチック、あるいはその他の絶縁部材(たとえば、耐熱性を有する材料)で構成されている。
【0037】
巻回筒部41は、筒体からなり、貫通孔410と、隔壁411とを有する。巻回筒部41の軸方向は、X軸方向に対応している。巻回筒部41の軸方向に垂直な断面形状は、矩形(長方形)であるが、これに限定されない。巻回筒部41の外周面には、巻回部11(
図2)が形成される。
【0038】
貫通孔410は、X軸に沿って、巻回筒部41の一端から他端にかけて形成されている。巻回筒部41の内部には、第2ボビン60(
図2)の少なくとも一部を挿入(収容)することが可能となっている。
【0039】
隔壁411は、巻回筒部41の外周面に形成されている。隔壁411は、巻回筒部41の外周面から、径方向外側に突出しており、巻回筒部41の周方向に沿って延在している。隔壁411は、巻回筒部41の周方向に沿って、一周していてもよい。
【0040】
本実施形態では、巻回筒部41の外周面には、複数(たとえば、6つ)の隔壁411が形成されている。複数の隔壁411は、X軸に沿って、巻回筒部41の外周面を複数の区画に仕切っている。そのため、複数の区画のうち、任意の区画に巻回部11(
図2)を形成することが可能である。なお、本実施形態では、
図2に示すように、すべての区画に跨るように、巻回部11が巻回筒部41に形成されている。
【0041】
図4Aに示すように、鍔部43は、巻回筒部41のX軸正方向側の端部に形成されており、鍔部44は、巻回筒部41のX軸負方向側の端部に形成されている。鍔部43および44は、巻回筒部41の外周面から、径方向外側に突出しており、巻回筒部41の周方向に沿って延在している。
【0042】
鍔部43は、係合溝部430と、係合凸部431と、側壁部433aおよび433bとを有していてもよい。係合溝部430は、鍔部43の上方に形成されており、Y軸に沿って、鍔部43の一端から他端にかけて延在している。係合凸部431は、鍔部43の上方の端面に形成されており、X軸方向の外側に突出している。側壁部433aは、鍔部43のY軸負方向側に形成され、X軸方向の外側に突出している。側壁部433bは、鍔部43のY軸正方向側に形成され、側壁部433aと同方向に突出している。
図6に示すように、鍔部43の下方には、係合凸部432aおよび432bが形成されていてもよい。係合凸部432aおよび432bは、X軸方向の外側に突出している。
【0043】
図4Bに示すように、鍔部44は、係合溝部440と、係合凸部441と、係合凸部442aおよび442bと、側壁部443aおよび443bと、係合凹部444とを有していてもよい。係合溝部440は、鍔部44の上方に形成されており、Y軸に沿って、鍔部44の一端から他端にかけて延在している。係合凸部441は、鍔部44の上方の端面に形成されており、X軸方向の外側に突出している。係合凸部442aおよび442bは、鍔部44の下方の端面に形成されており、X軸方向の外側に突出している。側壁部443aは、鍔部44のY軸負方向側に形成され、X軸方向の外側に突出している。側壁部443bは、鍔部44のY軸正方向側に形成され、側壁部443aと同方向に突出している。係合凹部444は、鍔部44の下方に形成されており、Y軸に沿って、鍔部44の一端から他端にかけて延在している。
【0044】
図4Aおよび
図4Bに示す係合溝部430および440と、係合凸部431および441とには、第2カバー部材100(
図2)が取り付けられる。また、
図6に示す係合凸部432aおよび432bと、係合凸部442aおよび442bとには、第1カバー部材90(
図2)が取り付けられる。
【0045】
図4Aに示すように、端子設置部42は、巻回筒部41のX軸正方向側の端部に、巻回筒部41に対して連続的に形成されている。端子設置部42は、巻回筒部41のX軸正方向側の端部から、X軸方向の外側に突出している。
【0046】
図1Aに示すように、端子設置部42には、端子30aおよび30bが設けられている。端子30aおよび30bは、Y軸に沿って、離間して配置されている。端子30aおよび30bは、端子設置部42に一体成形(インサート成形)されてもよく、あるいは端子設置部42に後付けされてもよい。継線部31aおよび31bは、端子設置部42からX軸方向の外側に突出しており、外部接続部32aおよび32bは、端子設置部42から下方に突出している。
【0047】
図4Aに示すように、端子設置部42は、凸部45と、第1ストッパ46aおよび46bと、第2ストッパ47aおよび47bと、ガイド部48aおよび48b(
図6)と、突出部49aおよび49bと、載置面50とを有する。載置面50には、第1コア70(
図3)が載置される。
【0048】
凸部45は、端子設置部42のX軸正方向側の端部に一体的に形成されており、載置面50から上方に突出している。
図1Aに示すように、凸部45は、第1コア70のX軸正方向側の端部と、端子30aおよび端子30bとの間に形成されている。
【0049】
より詳細には、凸部45の少なくとも一部は、X軸に沿って、第1コア70のX軸正方向側の端部と、端子設置部42から露出した継線部31aおよび31bとの間に形成されている。また、凸部45の少なくとも一部は、Z軸に沿って、第1コア70のX軸正方向側の端部と、端子設置部42から露出した外部接続部32aおよび32bとの間に形成されている。
【0050】
凸部45は、第1コア70と端子30aおよび30bとの間で、第1コア70と端子30aおよび30bとを隔てることにより、第1コア70と端子30aおよび30bとの間の沿面距離および空間距離(絶縁距離)を延長する役割を有する。
【0051】
図3に示すように、第1コア70と端子30aおよび30bとの間の絶縁距離を延長する観点では、凸部45の高さHは、第1コア70のZ軸方向の厚みと同等、あるいはこれ以上でもよい。凸部45の高さHは、凸部45のX軸方向の幅Wよりも大きくてもよい。凸部45のX軸方向の幅Wは、第1コア70のZ軸方向の厚みよりも小さいが、これと同等以上でもよい。
【0052】
図1Aに示すように、凸部45は、Y軸に沿って、端子設置部42の一端部から他端部にかけて直線的に延在している。ただし、凸部45は、端子設置部42の一端部から他端部にかけて、屈曲しつつ延在していてもよい。また、凸部45は、端子設置部42の一端部から他端部にかけて連続的に延在しているが、断続的に延在していてもよい。また、凸部45は、Y軸に対して、斜め方向に延在していてもよい。
【0053】
第1コア70と端子30aおよび30bとの間の絶縁距離を延長する観点では、凸部45のY軸に沿った長さL3(
図4B)は、第1コア70のY軸に沿った長さと同等、あるいはこれ以上でもよい。また、同様の観点で、凸部45は、少なくとも、端子30aと端子30bとの間に形成されていてもよい。また、凸部45の長さL3(
図4B)は、端子30aと端子30bとの間のY軸に沿った間隔と同等、あるいはこれ以上でもよい。また、凸部45の長さL3(
図4B)は、端子設置部42のY軸に沿った長さよりも短くてもよい。
【0054】
凸部45は、端子設置部42のX軸正方向側の端部よりも、X軸方向の内側に形成されていてもよい。たとえば、凸部45は、端子設置部42のX軸正方向側の端部と、X軸負方向側の端部(巻回筒部41のX軸正方向側の端部)との間の任意の位置に形成されていてもよい。
【0055】
端子設置部42には、1個の凸部45が形成されているが、複数の凸部45が形成されていてもよい。たとえば、複数の凸部45が、X軸に沿って離間して配置されていてもよい。あるいは、複数の凸部45が、一体となって、配置されていてもよい。この場合、第1コア70と端子30aおよび30bとの間の絶縁距離をさらに延長することができる。凸部45のY軸方向の両端部には切り欠き450(
図4A)が形成されていてもよい。
【0056】
図3に示すように、凸部45は、継線部31aよりも上方で、載置面50から上方に突出している。
図1Aに示すように、凸部45のX軸方向の位置は、外部接続部32aおよび32bのX軸方向の位置に近接している。なお、凸部45は、X軸に沿って、外部接続部32aおよび32bよりも外側に位置してもよい。
【0057】
凸部45の突出方向は、外部接続部32aおよび32bの突出方向とは反対方向となっているが、これに限定されない。凸部45は、継線部31aおよび31bと同一方向に突出していてもよい。たとえば、凸部45は、端子設置部42のX軸正方向側の端部から、X軸方向の外側に突出していてもよい。
【0058】
図4Aに示すように、第1ストッパ46aおよび46bは、載置面50から、上方に突出している。また、第1ストッパ46aおよび46bは、凸部45のX軸方向の内側の面から、X軸方向の内側に突出している。第1ストッパ46aおよび46bは、X軸方向に関して、凸部45よりも内側に位置し、Y軸に沿って離間して配置されている。
【0059】
図1Aに示すように、第1ストッパ46aおよび46bは、X軸方向に関して、凸部45と、第1コア70のX軸正方向側の端部との間に位置する。第1ストッパ46aおよび46bは、第1コア70のX軸正方向側の端部に当接することにより、X軸方向に関して、第1コア70を位置決めする。なお、第1ストッパの数は、1個あるいは3個以上でも良い。また、第1コア70は、第1ストッパ46aおよび46bに当接していなくてもよい。
【0060】
図4Aに示すように、第2ストッパ47aおよび47bは、載置面50から、上方に突出している。また、第2ストッパ47aおよび47bは、鍔部43から、X軸方向の外側に突出している。第2ストッパ47aと第2ストッパ47bとは、Y軸に沿って、離間して配置されている。
【0061】
図1Aに示すように、第2ストッパ47aおよび47bは、第1コア70のY軸方向の外側で、第1コア70のX軸正方向側の端部に隣接して配置される。第2ストッパ47aおよび47bは、第1コア70のY軸方向の両端部に当接してもよく、Y軸方向に関して、第1コア70を位置決めする役割を有する。
【0062】
第2ストッパ47aおよび47bと、第1コア70のX軸正方向側の端部とは、樹脂110で接続されている。また、第1コア70のX軸正方向側の端部は、樹脂110を介して、載置面50に接続されている。より詳細には、第1コア70のX軸正方向側の端部は、当接部120(
図3)よりもX軸方向の外側において、樹脂110を介して、載置面50に接続されている。なお、樹脂110に代えて、接着テープなどの固定手段を用いてもよい。
【0063】
図4Aに示すように、第2ストッパ47aおよび47bには、それぞれ切り欠き470が形成されていてもよい。これにより、第1コア70(
図1A)のX軸正方向側の端部と切り欠き470とを樹脂110で接合したときに、これらの間の接合面積を増大させ、接合強度を向上させることができる。なお、切り欠き470の位置において、第2ストッパ47aおよび47bの高さ位置と、第1コア70の上面の位置とが等しくなっていてもよい。
【0064】
図6に示すように、ガイド部48aおよび48bは、端子設置部42の底に形成されており、端子設置部42の底から下方に突出している。ガイド部48aおよび48bの突出方向は、第1コア70および第2コア80が設置されている側とは反対方向である。
図3に示すように、ガイド部48a(ガイド部48bも同様)は、X軸に沿って延在している。ガイド部48aおよび48bの下方への突出長は、引出部12aおよび12bの線径(直径)よりも大きくてもよい。
【0065】
図6に示すように、引出部12aおよび12bは、巻回筒部41の底面側(第1コア70および第2コア80とは反対側)において、端子30aおよび30bに向けて、巻回部11の周囲をX軸方向の外側に引き出される。引出部12aおよび12bをそれぞれガイド部48aおよび48bに沿って引き出すことにより、引出部12aおよび12bを所望の方向(ガイド部48aおよび48bの延在方向)へ案内することができる。また、引出部12aおよび12bを外的負荷から保護することができる。
【0066】
図4Aに示すように、突出部49aおよび49bは、端子設置部42の底に形成されており、端子設置部42の底から下方に突出している。突出部49aおよび49bの突出方向は、ガイド部48aおよび48bの突出方向と同一方向であるが、これに限定されない。
【0067】
図6に示すように、突出部49aおよび49bは、たとえば、ガイド部48aおよび48bとともに、引出部12aおよび12bを所望の方向(突出部49aおよび49bの延在方向)へ案内する役割を有する。また、突出部49aおよび49bは、たとえば、ガイド部48aおよび48bとともに、引出部12aおよび12bを外的負荷から保護する役割を有する。
【0068】
図5に示すように、第2ボビン60は、巻回筒部61と、端子設置部62とを有する。第2ボビン60は、第1ボビン40と同一の材料で構成されているが、異なる材料で構成されていてもよい。
【0069】
巻回筒部61は、筒体からなり、貫通孔610と、隔壁611a~611dとを有する。巻回筒部61の軸方向は、X軸方向に対応している。巻回筒部61の軸方向に垂直な断面形状は、矩形(長方形)であるが、これに限定されない。巻回筒部61の外周面には、巻回部21(
図2)が形成される。
【0070】
貫通孔610は、X軸に沿って、巻回筒部61の一端から他端にかけて形成されている。巻回筒部61の内部には、第1コア70(
図2)の少なくとも一部を挿入(収容)することが可能となっている。
【0071】
隔壁611a~611dは、巻回筒部61の外周面に形成されている。隔壁611a~611dは、巻回筒部61の外周面から、径方向外側に突出しており、巻回筒部61の周方向に沿って延在している。隔壁611a~611dは、巻回筒部61の周方向に沿って、一周していてもよい。
【0072】
隔壁611a~611dは、X軸に沿って、巻回筒部61の外周面を複数の区画に仕切っている。本実施形態では、隔壁611bと隔壁611cとの間の区画に、巻回部21(
図2)が形成される。他の区画に巻回部21が形成されないのは、巻回筒部61のX軸方向の両端から突出する第1コア70(
図3)と、巻回部21との間の絶縁距離を確保するためである。なお、必要に応じて、他の区画に跨るように、巻回部21を巻回筒部61に形成してもよい。
【0073】
端子設置部62は、巻回筒部61のX軸負方向側の端部に、巻回筒部61に対して連続的に形成されている。端子設置部62は、巻回筒部61のX軸負方向側の端部から、X軸方向の外側に突出している。
【0074】
図1Bに示すように、端子設置部62には、端子30cおよび30dが設けられている。端子30cおよび30dは、Y軸に沿って、離間して配置されている。端子30cおよび30dは、端子設置部62に一体成形(インサート成形)されてもよく、あるいは端子設置部62に後付けされてもよい。継線部31cおよび31dは、端子設置部62からX軸方向の外側に突出しており、外部接続部32cおよび32dは、端子設置部62から下方に突出している。
【0075】
図5に示すように、端子設置部62は、載置面63と、凸部65と、第1ストッパ66と、第2ストッパ67aおよび67bと、ガイド部68(
図6)と、突出部69aおよび69b(
図6)とを有する。
図3に示すように、載置面63には、第1コア70が載置される。載置面63は、貫通孔610の底面および載置面50と面一になっていてもよい。本実施形態において、「面一」とは、厳密に面一である場合に限定されず、±10%以内の誤差を許容するものとする。
【0076】
図5に示すように、凸部65は、端子設置部62のX軸負方向側の端部に一体的に形成されており、載置面63から上方に突出している。
図1Bに示すように、凸部65は、第1コア70のX軸負方向側の端部と、端子30cおよび端子30dとの間に形成されている。
【0077】
具体的には、凸部65の少なくとも一部は、X軸に沿って、第1コア70のX軸負方向側の端部と、端子設置部62から露出した継線部31cおよび継線部31dとの間に形成されている。また、凸部45の少なくとも一部は、Z軸に沿って、第1コア70のX軸負方向側の端部と、端子設置部62から露出した外部接続部32cおよび32dとの間に形成されている。
【0078】
凸部65は、第1コア70と端子30cおよび30dとの間で、第1コア70と端子30cおよび30dとを隔てることにより、第1コア70と端子30cおよび30dとの間の沿面距離および空間距離(絶縁距離)を延長する役割を有する。
【0079】
凸部65の形状および大きさは、凸部45(
図4A)の形状および大きさと同一である。したがって、上述した凸部45の形状、形成位置、大きさ(凸部45の高さH、幅W、長さL3等)およびこれらの変形例に関して説明した事項は、凸部65に対しても適用することができる。ただし、凸部65の形状および大きさは、凸部45の形状および大きさとは異なっていてもよい。たとえば、凸部65のY軸に沿った長さは、凸部45のY軸に沿った長さよりも短くてもよい。また、凸部65の高さは、凸部45の高さよりも低くてもよい。凸部65のY軸方向の両端部には、切り欠き650が形成されていてもよい。
【0080】
図3に示すように、凸部65は、継線部31cよりも上方で、載置面63から上方に突出している。
図1Bに示すように、凸部65のX軸方向の位置は、外部接続部32cおよび32dのX軸方向の位置と近接している。凸部65は、X軸に沿って、外部接続部32cおよび32dよりも外側に位置していてもよい。
【0081】
凸部65の突出方向は、外部接続部32cおよび32dの突出方向とは反対方向となっているが、これに限定されない。凸部65は、継線部31cおよび31dと同一方向に突出していてもよい。たとえば、凸部65は、端子設置部62のX軸負方向側の端部から、X軸方向の外側に突出していてもよい。
【0082】
図5に示すように、第1ストッパ66は、載置面63から、上方に突出している。また、第1ストッパ66は、凸部65のX軸方向の内側の面から、X軸方向の内側に突出している。第1ストッパ66は、X軸方向に関して、凸部65よりも内側に位置し、端子設置部62のY軸方向の中央部に配置されている。
【0083】
図1Bに示すように、第1ストッパ66は、X軸方向に関して、凸部65と、第1コア70のX軸負方向側の端部との間に位置する。第1ストッパ66は、第1コア70のX軸負方向側の端部に当接することにより、X軸方向に関して、第1コア70を位置決めする。なお、第1ストッパ66の数は、複数でも良い。
【0084】
図5に示すように、第2ストッパ67aおよび67bは、載置面63から、上方に突出している。また、第2ストッパ67aおよび67bは、隔壁611dから、X軸方向の外側に突出している。第2ストッパ67aと第2ストッパ67bとは、Y軸に沿って、離間して配置されている。
【0085】
図1Bに示すように、第2ストッパ67aおよび67bは、第1コア70のY軸方向の外側で、第1コア70のX軸負方向側の端部に隣接して配置される。第2ストッパ67aおよび67bは、第1コア70のY軸方向の両端部に当接してもよく、Y軸方向に関して、第1コア70を位置決めする役割を有する。
【0086】
第2ストッパ67aおよび67bと、第1コア70のX軸負方向側の端部とは、樹脂110で接続されている。また、第1コア70のX軸負方向側の端部は、樹脂110を介して、載置面63に接続されている。より詳細には、第1コア70のX軸負方向側の端部は、当接部120(
図3)よりもX軸負方向側において、樹脂110を介して、載置面63に接続されている。
【0087】
図5に示すように、第2ストッパ67aおよび67bには、それぞれ切り欠き670が形成されていてもよい。切り欠き670の機能は、切り欠き470(
図4A)の機能と同様である。
【0088】
図6に示すように、ガイド部68は、端子設置部62の底に形成されており、端子設置部62の底から下方に突出している。ガイド部68の突出方向は、第1コア70および第2コア80が設置されている側とは反対方向である。
図3に示すように、ガイド部68は、X軸に沿って延在している。ガイド部68の下方への突出長は、引出部22aおよび22bの線径(直径)よりも大きくてもよい。
【0089】
図6に示すように、引出部22aおよび22bは、巻回筒部61の底面側(第1コア70および第2コア80とは反対側)において、端子30cおよび30dに向けて、巻回部21の周囲をX軸方向の外側に引き出される。引出部22aおよび22bをガイド部68に沿って引き出すことにより、引出部22aおよび22bを所望の方向(ガイド部68の延在方向)へ案内することができる。また、引出部22aおよび22bを外的負荷から保護することができる。
【0090】
突出部69aおよび69bは、端子設置部62の底に形成されており、端子設置部62の底面から下方に突出している。突出部69aおよび69bの突出方向は、ガイド部68の突出方向と同一方向であるが、これに限定されない。
【0091】
突出部69aおよび69bは、たとえば、ガイド部68とともに、引出部22aおよび22bを所望の方向(突出部69aおよび69bの延在方向)へ案内する役割を有する。また、突出部69aおよび69bは、たとえば、ガイド部68とともに、引出部22aおよび22bを外的負荷から保護する役割を有する。
【0092】
巻回筒部61は、
図6の矢印で示す向きで、巻回筒部41の内部(貫通孔410)に挿入される。
図3に示すように、貫通孔410の内部には、第1コア70が貫通孔610の内部に収容され、かつ、巻回部21が巻回された状態の巻回筒部61が収容されている。巻回筒部61のX軸正方向側の端部は、鍔部43(巻回筒部41のX軸正方向側の端部)に当接している。すなわち、鍔部43は、巻回筒部61のX軸方向の位置を規制するストッパとして機能している。
【0093】
巻回部11の少なくとも一部と、巻回部21とは、径方向に対向していてもよい。第1コア70は、第1ボビン40の載置面50と、貫通孔610の底面と、第2ボビン60の載置面63とに跨って載置される。
【0094】
図7に示すように、第1カバー部材90は、カバー本体91と、開口部92と、ガイド部93と、係合部94a~94dと、係合凸部95とを有する。
図8に示すように、第1カバー部材90は、巻回筒部41の底面側(第1コア70および第2コア80とは反対側)で、第1ボビン40に取り付けられている。第1カバー部材90は、第1ボビン40と同一の材料で構成されていてもよい。
【0095】
図7に示すように、カバー本体91は、直方体形状を有する板体で構成されていてもよい。カバー本体91は、第1面91aと、第1面91aの反対側の第2面91bとを有する。第1面91aは、巻回筒部41(
図4A)とは反対側の面であり、Z軸方向の外側を向いている。第2面91bは、巻回筒部41側の面である。
【0096】
図8に示すように、カバー本体91は、巻回部11と、巻回部11の周囲をX軸に沿って通過する引出部12aとの間に配置される。カバー本体91は、巻回部11と引出部12aとの間で、巻回部11と引出部12aとを隔てることにより、巻回部11と引出部12aとの間の沿面距離および空間距離(絶縁距離)を延長する役割を有する。
【0097】
カバー本体91のX軸に沿った長さは、巻回筒部41(
図4A)のX軸に沿った長さ、または巻回部11(
図2)のX軸に沿った長さと同等以上でもよい。いずれの場合も、巻回部11と引出部12aとの間の絶縁性を向上させることができる。
【0098】
カバー本体91のY軸に沿った長さは、巻回筒部41(
図4A)のY軸に沿った長さと同等であるが、これよも短くてもよい。また、カバー本体91のY軸に沿った長さは、巻回部11(
図2)のY軸に沿った長さと同等であるが、これよりも短くてもよい。いずれの場合も、巻回部11と引出部12aとの間の絶縁性を向上させることができる。なお、カバー本体91は、引出部12aの引出位置に局所的に配置されていてもよい。
【0099】
図3に示すように、カバー本体91の第2面91bは、巻回筒部41の外周面に形成された複数の隔壁411に当接している。そのため、カバー本体91と、巻回筒部41の外周面との間の距離は、隔壁411の径方向の長さに等しくなっている。ただし、カバー本体91と巻回筒部41の外周面との間の距離は、隔壁411の径方向の長さよりも大きくてもよい。
【0100】
図7に示すように、開口部92は、カバー本体91の第1面91aと第2部分92bとの間を貫通しており、Y軸に沿って、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、Y軸方向の内側に向かって延在している(切り欠かれている)。開口部92は、第1部分92aと、第2部分92bとを有する。第1部分92aは、Y軸に沿って、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、Y軸方向の内側に向かって延在している。第1部分92aは、Y軸に対して傾斜する方向に延在していてもよい。第1部分92aは、引出部12aをカバー本体91のY軸負方向側の外縁部からY軸方向の内側へ案内する役割を有する。
【0101】
第2部分92bは、第1部分92aに連続しており、X軸に沿って延在している。第2部分92bは、X軸に対して傾斜する方向に延在していてもよい。第2部分92bの長さは、第1部分92aの長さよりも短くなっているが、これと同等以上でもよい。第2部分92bのY軸方向の幅は、第1部分92aのX軸方向の幅よりも小さくなっているが、これと同等以上でもよい。第2部分92bは、引出部12aをX軸正方向側に案内する役割を有する。
【0102】
図8に示すように、引出部12aは、開口部92を介して、巻回部11から、第1面91a側に引き出される。たとえば、引出部12aは、第1部分92aを介して、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、カバー本体91のY軸方向の内側に向けて引き出される。さらに、引出部12aは、第2部分92bを介して、第1面91a上を、X軸に沿って、カバー本体91のY軸方向の内側から端子30aに向けて引き出される。なお、引出部12bは、カバー本体91の第2面91b側(
図7)で、X軸に沿って、第2面91b上を、端子30aに向けて引き出される。
【0103】
ガイド部93は、第1面91aに形成され、第1面91aからZ軸方向の外側に突出している。ガイド部93の高さは、引出部12aの線径と同等以上であるが、これよりも低くてもよい。
【0104】
ガイド部93は、第1延在部93aと、第2延在部93bとを有し、L字形状を呈するように延在している。第1延在部93aは、開口部92の第1部分92aに沿って、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、カバー本体91のY軸方向の内側に向かって延在している。第1延在部93aのY軸に沿った長さは、第1部分92aのY軸に沿った長さと等しくてもよい。第1延在部93aは、Y軸に対して、傾斜する方向に延在していてもよい。第1延在部93aは、たとえば、引出部12aを引っ掛けつつ、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部からY軸方向の内側に案内する役割を有する。また、第1延在部93aは、引出部12aと巻回部11との間の沿面距離を延長する役割を有する。
【0105】
第2延在部93bは、第1延在部93aに連続しており、X軸に沿って延在している。第2延在部93bの一部は、開口部92の第2部分92bに沿って延在している。第2延在部93bは、X軸に対して傾斜する方向に延在していてもよい。第2延在部93bは、引出部12aを引っ掛けつつ、X軸正方向側に案内する役割を有する。また、第2延在部93bは、引出部12aと巻回部11との間の沿面距離を延長する役割を有する。
【0106】
第2延在部93bのX軸に沿った長さは、第1延在部93aのY軸に沿った長さよりも長くなっているが、第1延在部93aの長さと同等以下でもよい。第2延在部93bのX軸に沿った長さは、たとえば、カバー本体91のX軸に沿った長さの1/2以上でもよい。第2延在部93bは、カバー本体91のX軸正方向側の外縁部まで延在しているが、その手前まで延在していてもよい。
【0107】
引出部12aは、カバー本体91のY軸方向の中央よりも一方側(負方向側)において、開口部92を介して、巻回部11から第1面91a側に引き出されるとともに、端子30aに向けて引き出される。ただし、引出部12aの引出位置は、特に限定されず、カバー本体91のY軸方向の中央部でもよい。
【0108】
第2延在部93bは、ガイド部48aと同一方向に突出しており、ガイド部48aとともに、X軸方向に沿って延在している。そのため、第2延在部93bおよびガイド部48aに沿って、引出部12aを巻回部11から端子30aまで引き出すことができる。なお、ガイド部93は、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、カバー本体91のX軸正方向側の外縁部に向けて、斜めに延在していてもよい。
【0109】
図7に示すように、係合部94a~94dは、カバー本体91の四隅に形成されており、カバー本体91の第2面91b側に突出している。係合部94aおよび94bは、カバー本体91のX軸正方向側の外縁部に、Y軸方向に離間して配置されている。係合部94cおよび94dは、カバー本体91のX軸負方向側の外縁部に、Y軸方向に離間して配置されている。
【0110】
係合部94a~94dには、それぞれ係合孔940が形成されている。係合孔940は、係合部94a~94dを貫通している。
図8に示すように、係合部94aおよび94bの係合孔940は、それぞれ第1ボビン40の係合凸部432aおよび432bに係合する。係合部94cおよび94dの係合孔940は、それぞれ第1ボビン40の係合凸部442aおよび442bに係合する。これにより、第1カバー部材90を第1ボビン40に取り付けることができる。
【0111】
図7に示すように、係合凸部95は、カバー本体91の第2面91bに形成され、第2面91bから突出している。係合凸部95は、カバー本体91のY軸方向の一端から他端にかけて延在しているが、係合凸部95のY軸に沿った長さは特に限定されない。係合凸部95の一部は、開口部92の第1部分92aに沿って延在している。
【0112】
図1Aに示すように、係合凸部95は、鍔部44の係合凹部444に係合する。係合凸部95と係合凹部444とを係合させることにより、第1ボビン40に対する第1カバー部材90の位置ずれを防止することができる。また、巻回部11と引出部12aとの間の絶縁距離を延長することができる。
【0113】
図9に示すように、第2カバー部材100は、カバー本体101と、係合凸部102aおよび102bと、コア規制部103aおよび103bと、側方凸部104と、係合部105aおよび105bと、係合孔106とを有する。第2カバー部材100は、第1カバー部材90と同一の材料で構成されていてもよい。
図1Bに示すように、第2カバー部材100は、巻回筒部41の上面側(第2コア80が配置される側)で、第1ボビン40に取り付けられる。
【0114】
図9に示すように、カバー本体101は、直方体形状を有する板体で構成されていてもよい。カバー本体101は、第1面101aと、第1面101aの反対側の第2面101bとを有する。第1面101aは、Z軸方向の外側を向く面であり、第2面101bは、巻回筒部41(
図4A)を向く面である。
【0115】
図1Bおよび
図3に示すように、カバー本体101は、巻回部11と、第2コア80の本体部81との間に配置される。カバー本体101は、巻回部11と本体部81との間で、巻回部11と本体部81とを隔てることにより、巻回部11と本体部81との間の沿面距離および空間距離(絶縁距離)を延長する役割を有する。
【0116】
カバー本体101のZ軸方向の厚みは、特に限定されないが、第1カバー部材90のカバー本体91のZ軸方向の厚みと同等でもよい。カバー本体101のX軸に沿った長さは、第1ボビン40の巻回筒部41のX軸に沿った長さ、または巻回部11のX軸に沿った長さと同等以上でもよい。いずれの場合も、巻回部11と本体部81との間の絶縁性を向上させることができる。
【0117】
カバー本体101のY軸に沿った長さは、巻回筒部41のY軸に沿った長さ、または巻回部11のY軸に沿った長さと同等でもよい。また、カバー本体101のY軸に沿った長さは、本体部81のY軸に沿った長さと同等でもよい。いずれの場合も、巻回部11と本体部81との間の絶縁性を向上させることができる。
【0118】
図3に示すように、カバー本体101の第2面101bは、巻回筒部41の外周面に形成された複数の隔壁411に当接している。そのため、カバー本体101と、巻回筒部41の外周面との間の距離は、隔壁411の径方向の長さに等しくなっている。ただし、カバー本体101と巻回筒部41の外周面との間の距離は、隔壁411の径方向の長さよりも大きくてもよい。
【0119】
図9に示すように、係合凸部102aおよび102bは、第2面101bからZ軸方向の内側に突出している。係合凸部102aは、カバー本体101のX軸正方向側の端部に形成され、係合凸部102bは、カバー本体101のX軸負方向側の端部に形成されている。係合凸部102aおよび102bは、カバー本体101のY軸方向の一端から他端にかけて延在しているが、係合凸部102aおよび102bのY軸に沿った長さは特に限定されない。
【0120】
コア規制部103aおよび103bは、第1面101aからZ軸方向の外側に突出している。コア規制部103aは、カバー本体101のY軸負方向側の端部に形成され、コア規制部103bは、カバー本体101のY軸正方向側の端部に形成されている。コア規制部103aおよび103bは、カバー本体101のX軸方向の一端から他端にかけて延在しているが、コア規制部103aおよび103bのX軸に沿った長さは特に限定されない。
【0121】
図1Bに示すように、コア規制部103aおよび103bは、それぞれ第2コア80のY軸方向の一端および他端に沿って延在しており、第2コア80のY軸方向の一端および他端に当接する。これにより、コア規制部103aおよび103bは、第2コア80のY軸方向への位置ずれを防止することができる。また、コア規制部103aおよび103bによって、巻回部11と、第2コア80との沿面距離を延長することができる。
【0122】
図9に示すように、側方凸部104は、第1面101aからZ軸方向の外側に突出している。また、側方凸部104は、コア規制部103aおよび103bのY軸方向の外側の面に形成され、当該面からY軸方向の外側に突出している。側方凸部104は、たとえば、カバー本体101の強度を向上させる役割を有する。
【0123】
コア規制部103aには、3つの側方凸部104が形成されており、3つの側方凸部104は、それぞれコア規制部103aのX軸方向の各端部および中央部に配置されている。また、コア規制部103bには、3つの側方凸部104が形成されており、3つの側方凸部104は、それぞれコア規制部103bのX軸方向の各端部および中央部に配置されている。ただし、側方凸部104の数および配置は、これに限定されない。また、すべての側方凸部104が同一形状を有している必要はなく、たとえばコア規制部103aのX軸方向の中央部に位置する側方凸部104の大きさを小さくしてもよい。
【0124】
係合部105aおよび105b(
図1B)は、それぞれカバー本体101のX軸方向の両端部に形成されており、第2面101b側に突出している。係合部105aおよび105bには、それぞれ係合孔106が形成されている。係合孔106は、係合部105aおよび105bを貫通している。
図1Bに示すように、係合部105aおよび105bの係合孔106は、それぞれ第1ボビン40の係合凸部431(
図4A)および441に係合する。これにより、第2カバー部材100を第1ボビン40に取り付けることができる。
【0125】
次に、コイル装置1の製造方法について説明する。まず、
図2に示す各部材を準備する。第1ボビン40の端子設置部42には、たとえばインサート成形により、端子30aおよび30bを取り付けておく。同様に、第2ボビン60の端子設置部62には、端子30cおよび30d(
図1B)を取り付けておく。
【0126】
次に、巻回筒部61に巻回部21を形成する。次に、
図6に示すように、引出部22aおよび22bを、巻回筒部61の底面側から端子30cおよび30dに向けて引き出し、それぞれ継線部31cおよび31dに接続する。
【0127】
次に、
図2に示す巻回筒部61の貫通孔610に第1コア70を挿入する。次に、
図6の矢印で示す向きに、第1コア70が挿入された巻回筒部61を、巻回筒部41の貫通孔410の内部に挿入する。
【0128】
次に、
図2に示す巻回筒部41に巻回部11を形成する。ただし、巻回筒部61に巻回部21を形成するときに、巻回筒部41に巻回部11を形成してもよい。次に、
図6に示すように、引出部12bを巻回筒部41の底面側から端子30bに向けて引き出し、継線部31bに接続する。
【0129】
次に、
図8に示すように、第1カバー部材90を第1ボビン40に取り付ける。このとき、引出部12bについては、カバー本体91の内側に配置しておく。次に、開口部92を介して、巻回部11からカバー本体91の第1面91a側に向けて、引出部12aを引き出す。このとき、開口部92の第1部分92aに沿って、引出部12aをカバー本体91のY軸負方向側の外縁部からY軸方向の内側に向けて引き出す。また、第2部分92bに沿って、引出部12aを引き出すとともに、ガイド部93の第2延在部93bに沿って、引出部12aを端子30aに向けて引き出す。次に、引出部12aを継線部31aに接続する。なお、引出部12aを継線部31aに接続するときに、上述した引出部12bの継線部31bへの接続を行ってもよい。
【0130】
次に、
図1Bに示すように、第2カバー部材100を第1ボビン40に取り付ける。次に、第2カバー部材100の上から第2コア80を取り付ける。そして、
図3に示すように、当接部120において、第2コア80の脚部82を第1コア70の表面に当接させる。
【0131】
次に、
図1Aに示すように、巻回筒部41から突出した第1コア70のX軸正方向側の端部に樹脂110を付着させる。そして、樹脂110を介して、第1コア70のX軸正方向側の端部を、第2コア80の脚部82とともに、第2ストッパ47aおよび47bと、載置面50(
図4A)とに接続する。
【0132】
同様に、
図1Bに示すように、巻回筒部61から突出した第1コア70のX軸負方向側の端部に樹脂110を付着させる。そして、樹脂110を介して、第1コア70のX軸負方向側の端部を、第2コア80の脚部82とともに、第2ストッパ67aおよび67bと、載置面63とに接続する。以上のようにして、コイル装置1を製造することができる。
【0133】
本実施形態のコイル装置1では、
図2および
図8に示すように、第1カバー部材90(カバー本体91)が、巻回部11と、巻回部11の周囲をX軸方向に通過する引出部12aとの間に配置される。この場合、巻回部11と引出部12aとが、カバー本体91を介して、互いに反対側に配置されるため、カバー本体91によって、巻回部11と引出部12aとの間の沿面距離または空間距離(絶縁距離)を延長することができる。したがって、引出部12aが巻回部11に近接して配置されたとしても、これらの間の絶縁性を確保することが可能であり、(耐圧)信頼性に優れた小型低背のコイル装置1を実現することができる。
【0134】
また、カバー本体91は、第2コア80とは反対側で、第1ボビン40に取り付けられているため、第2コア80と引出部12aとの間の絶縁距離を確保することができ、コイル装置1の(耐圧)信頼性を向上させることができる。
【0135】
また、引出部12aは、開口部92を介して、巻回部11から、カバー本体91の第1面91aに向けて引き出される。そのため、巻回部11から第1面91aに向けて引出部12aを引き出すときに、引出部12aの屈曲を防止することが可能であり、引出部12aの損傷を防止することができる。また、巻回部11から第1面91aに向けて引出部12aを短い距離で引き出すことができるため、巻回部11の巻数を増大させることができる。
【0136】
また、開口部92は、カバー本体91のY軸負方向側の外縁部から、カバー本体91のY軸方向の内側に向かって延在している。そのため、カバー本体91のY軸方向の外縁部からY軸方向の内側に向けて、引出部12aを開口部92の内部へ案内することができる。
【0137】
また、ガイド部93が第1面91aに形成されているため、引出部12aをガイド部93に沿って引き出すことにより、引出部12aを所望の方向(ガイド部93の延在方向)へ案内することができる。また、引出部12aを外的負荷から保護することができる。
【0138】
また、ガイド部93の突出長が引出部12aの線径と同等以上であるため、たとえば引出部12aをガイド部93に固定しつつ、所望の方向(ガイド部93の延在方向)へ案内することができる。
【0139】
また、
図3に示すように、巻回筒部61を巻回筒部41に収容することにより、X軸に沿ってボビン全体の長さを短くすることが可能となり、コイル装置1の小型化を図ることができる。特に、本実施形態では、小型のトランスを実現することができる。
【0140】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々に改変することができる。上記各実施形態では、コイル装置1のトランスへの適用例について説明したが、トランスだけではなく、他のコイル装置にも適用することができる。
【0141】
上記各実施形態において、I型コアを組み合わせて第2コア80(
図1A)を構成してもよい。また、
図3に示すように、上記各実施形態では、I型コアとU型コアとを組み合わせて環状コアを形成していたが、2つのU型コアを組み合わせて環状コアを形成してもよい。
【0142】
上記各実施形態において、ボビン、コイル、コア、端子および第1カバー部材90以外の部材を必要に応じて省略してもよい。また、
図2に示すように、ボビンは、第1ボビン40および第2ボビン60で構成されていたが、ボビンの数は特に限定されない。たとえば、コイル装置1には、1つのボビンが具備されていてもよい。また、コイルは、第1コイル10および第2コイル20で構成されていたが、コイルの数は特に限定されない。たとえば、コイル装置1には、1つのコイルが具備されていてもよい。また、コアは、第1コア70および第2コア80で構成されていたが、コアの数は特に限定されない。また、端子は、4つの端子30a~30dで構成されていたが、端子の数は特に限定されない。
【0143】
上記各実施形態において、
図7に示す第1カバー部材90から、カバー本体91以外の部材を必要に応じて省略してもよい。
【符号の説明】
【0144】
1…コイル装置
10…第1コイル
11…巻回部
12a,12b…引出部
20…第2コイル
21…巻回部
22a,22b…引出部
30a~30d…端子
31a~31d…継線部
32a~32d…外部接続部
40…第1ボビン
41…巻回筒部
410…貫通孔
411…隔壁
42…端子設置部
43,44…鍔部
430,440…係合溝部
431,432a,432b,441,442a,442b…係合凸部
433a,433b,443a,443b…側壁部
444…係合凹部
45…凸部
450…切り欠き
46a,46b…第1ストッパ
47a,47b…第2ストッパ
470…切り欠き
48a,48b…ガイド部
49a,49b…突出部
50…載置面
60…第2ボビン
61…巻回筒部
610…貫通孔
611a~611d…隔壁
62…端子設置部
63…載置面
65…凸部
650…切り欠き
66…第1ストッパ
67a,67b…第2ストッパ
670…切り欠き
68…ガイド部
69a,69b…突出部
70…第1コア
80…第2コア
81…本体部
82…脚部
90…第1カバー部材
91…カバー本体
91a…第1面
91b…第2面
92…開口部
92a…第1部分
92b…第2部分
93…ガイド部
93a…第1延在部
93b…第2延在部
94a~94d…係合部
940…係合孔
95…係合凸部
100…第2カバー部材
101…カバー本体
102a,102b…係合凸部
103a,103b…コア規制部
104…側方凸部
105a,105b…係合部
106…係合孔
110…樹脂
120…当接部