(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049873
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20240403BHJP
F24F 11/47 20180101ALI20240403BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20240403BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20240403BHJP
【FI】
F24F7/06 101Z
F24F11/47
F24F11/58
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156364
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須本 彩月
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝平
(72)【発明者】
【氏名】池田 亮
【テーマコード(参考)】
3L058
3L260
【Fターム(参考)】
3L058BK09
3L058BK10
3L260AB16
3L260BA41
3L260BA64
3L260CB85
3L260CB90
3L260GA15
(57)【要約】
【課題】設備機器が外部通信網と通信する際の中継装置を搭載したレンジフードの待機電力を抑制する。
【解決手段】通信部170は、ルータ30との無線通信52により、インターネット40と接続した通信を行うことができる。通信部180は、無線通信52よりも近距離の無線通信51aにより、コンロ10との通信を実行する。電源スイッチ160は、通信部170への電源供給をオンオフする。マイコン135は、レンジフード100及びコンロ10の状態に応じて、電源スイッチ160のオンオフを制御する。マイコン135は、電源スイッチ160が電源供給をオフしている状態において、コンロ10を運転状態とするためのユーザ操作を検知すると、電源供給をオンする様に電源スイッチ160を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードであって、
外部通信網と通信を行うための第1の通信部と、
設備機器と通信を行うための第2の通信部と、
前記第1の通信部に対する電源供給をオンオフする電源スイッチと、
前記レンジフード及び前記設備機器の状態に応じて前記電源スイッチのオンオフを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記電源スイッチが前記電源供給をオフしている状態において、前記設備機器の待機状態を解除するユーザ操作を検知すると、前記電源供給をオンする様に前記電源スイッチを制御する、レンジフード。
【請求項2】
前記制御部は、前記電源スイッチが前記電源供給をオフしている状態において、前記第2の通信部からの受信信号に基づいて、前記ユーザ操作を検知する、請求項1記載のレンジフード。
【請求項3】
前記設備機器の作動開始又は作動停止を報知するための前記設備機器からの信号の受信部を更に備え、
前記制御部は、前記電源スイッチが前記電源供給をオフしている状態において、前記第2の通信部からの受信信号、又は、前記受信部からの前記受信信号に基づいて、前記ユーザ操作を検知する、請求項1記載のレンジフード。
【請求項4】
前記制御部は、前記電源スイッチが前記電源供給をオンしている状態において、前記レンジフードが前記待機状態であることを検知し、かつ、前記設備機器が前記待機状態であることを検知すると、前記電源供給をオフする様に前記電源スイッチを制御する、請求項1~3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記制御部は、前記電源スイッチが前記電源供給をオフしている状態において、前記レンジフードの前記待機状態を解除するためのユーザ操作を検知すると、前記電源供給をオンする様に前記電源スイッチを制御する、請求項1~3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記第1の通信部による通信は、前記第2の通信部による通信と比較して、通信距離が長い、請求項1~3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記設備機器は、電池駆動式のコンロである、請求項1~3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記第1の通信部は、無線LANルータと通信するための無線LAN通信モジュールである、請求項1~3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関し、より特定的には、設備機器が外部通信網と通信する際の中継装置を搭載したレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器と、携帯端末と、給湯リモコンと、サーバとを備えた通信システムにおいて、加熱調理器と、携帯端末及び給湯リモコンとの間でBluetooth(登録商標)方式による通信(BT通信)を行うとともに、給湯リモコンがWiFi(登録商標)方式による通信(Wi-Fi通信)を実行してインターネット経由でサーバに通信接続する構成が、特開2020-112319号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
特許文献1には、上記通信システムにおいて、給湯リモコン及び加熱調理器の間でBT通信が確立されている場合に、サーバに格納されたレシピデータが、中継装置として動作する給湯リモコンを経由して、加熱調理器に送信されることが記載される。又、給湯リモコンの代わりに、加熱調理器の近傍に配置される機器、例えばレンジフードを、中継装置として使用してもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レンジフードが中継装置として使用された特許文献1の通信システムでは、レンジフード以外の機器によってWi-Fi通信が利用されることに備えて、Wi-Fi通信を常時有効化することで、レンジフードの待機電力が十分に抑制できないことが懸念される。
【0006】
本発明はこの様な問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、設備機器が外部通信網と通信する際の中継装置を搭載したレンジフードの待機電力を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面では、レンジフードが提供される。レンジフードは、外部通信網と通信を行うための第1の通信部と、設備機器と通信を行うための第2の通信部と、第1の通信部に対する電源供給をオンオフする電源スイッチと、制御部とを備える。制御部は、レンジフード及び設備機器の状態に応じて電源スイッチのオンオフを制御する。制御部は、電源スイッチが電源供給をオフしている状態において、設備機器を運転状態とするためのユーザ操作を検知すると、電源供給をオンする様に電源スイッチを制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設備機器が外部通信網と通信する際の中継装置を搭載したレンジフードにおいて、設備機器の通信機能を阻害することなくレンジフードの待機電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係るレンジフードの外観を示す斜視図である。
【
図2】本実施の形態に係るレンジフードを用いて構成される通信システムを説明するブロック図である。
【
図3】
図2に示された電源スイッチのオンオフ制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0011】
図1は、本実施の形態に係るレンジフードの外観を示す斜視図である。
【0012】
図1に示される様に、レンジフード100は、設備機器の代表例として示されるコンロ10の上方近傍に配設される。
【0013】
コンロ10には、1個または複数個のバーナ12が配設され、各バーナ12に対応して操作部11が設けられている。又、コンロ10には、図示しないグリルが配置されてもよい。各バーナ12及びグリル(図示せず)は、操作部11のユーザ操作に応じて、作動又は停止される。又、操作部11は、バーナ12の作動(燃焼)を伴わずに、後述する、通信機能のみをオンするためのスイッチ(図示せず)を含んでもよい。
【0014】
コンロ10は、各バーナ12の燃焼が停止されており、かつ、上記通信機能もオフされているときに「待機状態」であるものとする。
【0015】
レンジフード100は、枠部材101と、照明102と、整流板110と、操作部105と、筐体に内蔵されるファン120(例えば、シロッコファン)とを備える。
【0016】
整流板110は、枠部材101の下縁によって形成される開口部に着脱可能に取り付けられる。整流板110が上記開口部に取り付けられた状態でファン120を回転駆動すると、枠部材101及び整流板110の隙間115から空気が吸い込まれて、図示しないダクトを通じて屋外へ排出される。
【0017】
操作部105は、ユーザ操作用の各種スイッチ、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)による表示部等を含む。ユーザは、操作部105によって、レンジフード100の運転オンオフを指示することができる。照明102のオンオフ(点灯/消灯)についても、操作部105へのユーザ操作に応じて制御することができる。
【0018】
レンジフード100は、電源投入時には、待機状態又は運転状態のいずれかであり、例えば、ファン120が停止しており(回転速度=0)、かつ、照明102もオフされているときに「待機状態」であるものとする。一方で、ファン120が作動、及び/又は、照明がオンであると、運転状態であるものとする。
【0019】
尚、レンジフード100のファン120のオン及びオフの少なくとも一方は、コンロ10の動作に連動して制御されてもよい。具体的には、バーナ12及び/又はグリルの作動及び停止に連動して、レンジフード100が制御されてもよい。この場合は、コンロ10の操作部11のユーザ操作に連動して、レンジフード100では、ファン120の運転が、オン及び/又はオフされる。同様に、照明102のオンオフについても、コンロ10の動作と連動して制御されてもよい。
【0020】
図2は、レンジフード100を用いて構成される通信システムを説明するブロック図である。
図2には、レンジフード100の構成要素のうちの、通信機能に関連する主要な一部のみが示されている。
【0021】
図2を参照して、レンジフード100は、操作部105に対応して設けられる操作基板130と、
図1に示されたファン120に対応して設けられる電源基板150と、コンロ10(設備機器)と近距離無線通信するための通信部180と、「外部通信網」の代表例であるインターネット40と通信接続されたルータ30と通信するための通信部170とを備える。
【0022】
通信部180は、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標)に従う通信(以下、BLE通信)等の近距離無線通信機能を有する。通信部180は、例えば、基板に搭載された、近距離無線通信用の通信モジュールによって構成される。通信部180は、コンロ10(後述する通信部16)との間のBLE通信51a、又は、スマートフォン等の端末機器60との間のBLE通信51bにより、データ及び信号を送受信する。尚、近距離無線通信は、BLE通信に限定されず、Zigbee(登録商標)等の他の通信方式が用いられてもよい。
【0023】
通信部170は、インターネット接続するためのルータ30と通信するための通信機能を有する。ルータ30は、代表的には、無線LAN(Local Area Network)ルータであり、通信部170は、ルータ30との間でWi-Fi通信52を実行するための、無線LANモジュールによって構成される。尚、通信部170は、Wi-Fi通信以外の通信方式による通信機能を有する様に構成されてもよい。
【0024】
通信部170及び180は、各通信モジュールが搭載された基板間での通信のための通信線53によって接続される。これにより、通信部170及び180の間では、通信線53を介して、データ及び信号を送受信することができる。
【0025】
通信部170は「第1の通信部」の一実施例に対応し、通信部180は「第2の通信部」の一実施例に対応する。通信部170によるWi-Fi通信は、通信部180によるBLE通信よりも通信距離が長く、この結果、通信部170の消費電力も、通信部180の消費電力より大きい。
【0026】
操作基板130には、操作部105と電気的に接続されたマイコン135が搭載される。マイコン135は、コネクタ136を介して、通信部170及び180と接続される。これにより、マイコン135は、通信部180を経由して、コンロ10(通信部16)との間でデータ及び信号を送受信することができる。更に、マイコン135は、通信部170及びルータ30を介して、インターネット40と通信接続された機器(例えば、サーバ50)との間で、データ及び信号を送受信することができる。
【0027】
マイコン135は、操作部105へのユーザ入力、及び/又は、通信部170,180を経由して受信したデータ・信号に従ってレンジフード100が動作する様に、ファン120及び照明102等の動作を制御する。
【0028】
電源基板150には、商用系統等の交流電源5からの交流電圧を、レンジフード100内で使用される電源電圧に変換する電力変換器155が搭載される。電力変換器155が生成する電源電圧には、
図2に示す様に、通信部170,180間の基板間通信の電源電圧Vcc(例えば、3.3[V])と、通信部170のWi-Fi通信用の電源電圧Vdc(例えば、15[V])とが含まれる。
【0029】
電源電圧Vccは、コネクタ165を経由して、通信部170及び180へ供給される。電源電圧Vdcは、コネクタ166を経由して、通信部170に供給される。更に、電源基板150において、電源電圧Vdcの供給経路には、通信部170に対する電源電圧Vdcの供給をオンオフするための電源スイッチ160が配置される。電源スイッチ160は、マイコン135からコネクタ132,152を経由して伝送される制御信号Scnに従ってオンオフ制御される。制御信号Scnは、デジタル信号であり、例えば、電源スイッチ160をオフするときには論理ハイレベル(Hレベル)に設定される一方で、電源スイッチ160をオンするときには論理ローレベル(Lレベル)に設定される。
【0030】
これに対して、通信部170及び180の間の基板間通信に用いられる電源電圧Vccは、電源スイッチを設けることなく、通信部170及び180の各々に常時供給される。従って、通信部170は、電源スイッチ160がオフされる期間において、ルータ30との通信(Wi-Fi通信)は実行できない一方で、通信部180又はマイコン135との通信は実行可能である。
【0031】
尚、マイコン135の電源については、電力変換器155とは別個の電力変換器(図示せず)を用いて、電源基板150側で用いられる電源電圧とは絶縁して生成されてもよい。この場合には、上述の制御信号Scnは、フォトカプラ等の絶縁素子を経由して伝送される。
【0032】
レンジフード100の近傍に配置された設備機器の一例であるコンロ10は、操作部11と、マイコン15と、通信部16とを備える。例えば、コンロ10は、電池17からの電力供給によって駆動される。
【0033】
マイコン15は、操作部11へのユーザ入力に従ってコンロ10の動作を制御する。例えば、マイコン15は、操作部11のユーザ操作に直接対応して、
図1に示されたバーナ12の点火又は消火、及び、点火時の火力を制御する。或いは、マイコン15によって、操作部11に対するメニュー選択操作に応じて、バーナ12又は図示しないグリルにおいて、点火及び消火タイミング、並びに、点火中の火力が、予め定められたパターンに従って自動運転制御される。
【0034】
上述の様に、操作部11は、バーナ12の作動(燃焼)を伴わずに、通信機能をオンするためのスイッチ13を有する。スイッチ13をオンすることにより、例えば、インターネット40を経由してサーバ50にアクセスして、レシピ等の情報を受信する機能を有効にすることが可能である。更に、受信した情報に基づいて上述したバーナ12又は図示しないグリルの自動運転制御が行われてもよい。又、スイッチ13をオンすることで、端末機器60との間でのBLE通信51cも、実行可能となる。
【0035】
図2に示される様に、本実施の形態に係るレンジフード100では、Wi-Fi通信用の通信部170及びBLE通信用の通信部180を中継装置として用いることで、コンロ10(通信部16)と、インターネット40に接続された機器(サーバ50)との間に、ルータ30及びインターネット40を経由した通信経路を形成することができる。この結果、コンロ10において、電池17の電力をWi-Fi通信に用いることなく、インターネット接続を伴う通信機能を実現することができる。
【0036】
更に、上述した、コンロ10の動作に連動したレンジフード100の制御のために、コンロ10の赤外線発光部19と、レンジフード100の赤外線受光部185とによる赤外線通信51dが実行されてもよい。例えば、コンロ10において、バーナ12及び/又はグリルが作動又は停止されると、赤外線発光部19は、マイコン15に制御されて、赤外線信号を出力する。当該赤外線信号は、ユーザによって反射されて、レンジフード100の赤外線受光部185によって検出される。これにより、マイコン135は、コンロ10でのユーザ操作を検知して、コンロ10の動作に連動したレンジフード100の制御を実現することができる。尚、赤外線受光部185は、「受信部」の一実施例に対応する。
【0037】
レンジフード100では、操作部105へのユーザ操作に応じて、ファン120が停止し、かつ、照明102もオフされる「待機状態」では、待機電力を抑制するための制御を実行することができる。しかしながら、レンジフード100にコンロ10(設備機器)によるインターネット接続通信の中継機能を持たせると、レンジフード100が待機状態であってもコンロ10による通信機能の使用に備えるために、待機状態中にも消費電力が比較的大きい通信部170への電源供給を継続することが必要になる。この結果、レンジフード100の待機電力抑制が不十分になることが懸念される。
【0038】
従って、本実施の形態に係るレンジフード100では、コンロ10(通信部16)との間の通信によって受信された、コンロ10に対するユーザ操作に基づく信号に応じて通信部170(Wi-Fi通信)への電源供給をオンオフする制御が導入される。
【0039】
図3は、
図2に示された電源スイッチ160のオンオフ制御を説明するフローチャートである。
図3に示されたフローチャートによる制御処理は、マイコン135によって繰り返し実行される。
【0040】
図3を参照して、マイコン135は、ステップ(以下、単に「S」とも表記する)110では、電源スイッチ160が現在オン状態及びオフ状態のいずれであるかを判定する。例えば、S110の判定は、制御信号Scnが現在Lレベル及びHレベルのいずれに設定されているかに基づいて実行することができる。
【0041】
マイコン135は、電源スイッチ160のオン時(S110のYES判定時)には、S120~S140により、通信部170への電源供給のオフ可能条件が成立しているか否かを判定する。S120では、操作部105への入力に基づいて、レンジフード100が上述の待機状態であるか否かが判定される。更に、S130では、コンロ10が待機状態であるか否かが判定される。
【0042】
コンロ10は、各バーナ12及びグリルが停止(非燃焼)であり、かつ、スイッチ13による通信機能もオフされているときに「待機状態」と判定される。一方で、操作部11へのユーザ操作により、バーナ12又はグリルが作動(燃焼)した場合、又は、スイッチ13がオンされた場合には、コンロ10は待機状態ではなく、「運転状態」であると判定される。レンジフード100についても、待機状態でないとき(S120のNO判定時)には、「運転状態」であると判定される。
【0043】
例えば、S130の判定は、通信部180がコンロ10の通信部16とのBLE通信によって受信した、又は、赤外線通信によって赤外線受光部185が受信した、コンロ10からの信号に基いて実行することができる。
【0044】
マイコン135は、S120及びS130の両方がYES判定である場合、即ち、レンジフード100及びコンロ10の両方が待機状態であることを検知した場合には、S140により、当該状態が予め定められた一定時間継続するか否かを判定する。そして、S140がYES判定とされると、即ち、電源スイッチ160のオン状態下で、レンジフード100及びコンロ10の両方の待機状態が一定時間継続すると、マイコン135は、S150に処理を進めて、電源スイッチ160をオンからオフに変化させる様に、制御信号Scnのレベルを変化させる。
【0045】
これ以外の場合、即ち、S120~S140のいずれかがNO判定である場合、即ち、レンジフード100及びコンロ10の少なくともいずれかが待機状態でない期間、及び、レンジフード100及びコンロ10の両方が待機状態となってから一定時間が経過するまでの期間では、マイコン135は、S160により、電源スイッチ160のオンを維持するために、制御信号Scnのレベルを維持する。
【0046】
一方で、マイコン135は、電源スイッチ160のオフ時(S110のNO判定時)には、S210及びS220により、通信部170への電源供給のオン復帰条件が成立しているか否かを判定する。上述の通り、S110がNO判定とされる時点では、レンジフード100及びコンロ10の両方が待機状態である。
【0047】
マイコン135は、S210では、コンロ10に対して、待機状態から運転状態へ変化させる、即ち、待機状態を解除するユーザ操作が検知されるか否かを判定する。例えば、操作部11において、スイッチ13のオン操作、又は、バーナ12或いはグリルの作動のための操作がなされた場合には、マイコン135は、通信部180がBLE通信によってコンロ10(通信部16)から受信した信号、又は、赤外線受光部185がコンロ10(赤外線発光部19)から受信した信号に基づいて、S210をYES判定とする。S210がYES判定とされると、処理はS230に進められて、電源スイッチ160をオフからオンに変化させる様に、制御信号Scnのレベルが変化する。
【0048】
マイコン135は、S220では、レンジフード100を待機状態から運転状態へ変化させる、即ち、待機状態を解除するユーザ操作があったか否かを判定する。例えば、操作部105へのユーザ操作に応じて、S220の判定は実行される。マイコン135は、レンジフード100を待機状態から運転状態へ変化させるユーザ操作があった場合には(S220のYES判定時)、S230に処理を進めて、電源スイッチ160をオフからオンに変化させる。
【0049】
一方で、S210及びS220の両方がNO判定のとき、即ち、コンロ10及びレンジフード100の待機状態が維持される場合には、マイコン135は、S240により、電源スイッチ160のオフを維持するために、制御信号Scnのレベルを維持する。
【0050】
これにより、レンジフード100において、比較的消費電力の大きい通信部170への電源供給を、当該通信部170を利用した通信機能を具備するコンロ10(設備機器)の状態に対応させて適切にオンオフすることができる。
【0051】
この結果、本実施の形態に係るレンジフードによれば、設備機器が外部通信網と通信するための中継装置を搭載した構成において、通信部170の電源供給のオンオフ制御により、設備機器の通信機能を阻害することなくレンジフードの待機電力を抑制することができる。
【0052】
図2では、電池駆動式のコンロ10を例示したが、本実施の形態に係るレンジフードは、電池駆動式ではなく、商用系統から電力を供給されるコンロと近距離無線通信を実行する様に構成することも可能である。この場合にも、レンジフード100の待機電力は、本実施の形態で説明したのと同様に抑制することができる。
【0053】
尚、本実施の形態では、「設備機器」としてコンロを例示したが、通信部180によって近距離無線通信(BLE通信等)が可能である様に、レンジフード100の近傍に配置される任意の機器に対して、本実施の形態に係るレンジフードを中継装置として外部通信網と接続可能とする通信システムを構成することが可能である。
【0054】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
5 交流電源、10 コンロ(設備機器)、11,105 操作部、12 バーナ、13 スイッチ(通信機能)、15,135 マイコン、16,170,180 通信部、17 電池、30 ルータ、40 インターネット(外部通信網)、50 サーバ、51a,51b,51c,52 通信、53 通信線、60 端末機器、100 レンジフード、101 枠部材、102 照明、110 整流板、115 隙間、120 ファン、130 操作基板、132,136,152,165,166 コネクタ、150 電源基板、155 電力変換器、160 電源スイッチ、Scn 制御信号、Vcc,Vdc 電源電圧。