(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049883
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】調光シート
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240403BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156383
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大西 隆志
(72)【発明者】
【氏名】山本 竜也
(72)【発明者】
【氏名】星野 達也
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088GA01
2H088GA10
2H088HA01
2H088HA02
2H088MA20
2H092GA11
2H092GA40
2H092GA48
2H092HA04
2H092NA25
2H092PA01
2H092RA10
(57)【要約】
【課題】調光層の封止性を高めた調光シートを提供する。
【解決手段】表電極層は、第1表端面21Eと表向き端子区画面32Eとに囲まれた表向き端子12Eを備え、調光シート10は、平面視において、裏透明基材30のなかで第2表端面22Eと裏外側端面31Eとの間の部分に支持され、調光層の端面なかで第2表端面22Eに重なる部分を封止する縁封止部41Eと、表向き端子12Eの縁に支持され、調光層の端面なかで表向き端子区画面32Eに重なる部分を封止する表向き端子封止部42Eと、をさらに備え、縁封止部41Eが表向き端子封止部42Eに境界点1Bで接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表電極層を支持する表透明基材と、
裏電極層を支持する裏透明基材と、
液晶組成物を含有する調光層と、を備え、
前記表電極層と前記裏電極層とが前記表透明基材と前記裏透明基材との間に配置され、前記調光層が前記表電極層と前記裏電極層とに挟まれた調光シートであって、
前記表透明基材の表面と対向する視点から見た平面視において、
前記表透明基材の端面は、直線状に連なる第1表端面と第2表端面とを備え、
前記裏透明基材の端面は、曲線状に連なる裏外側端面と裏内側端面とを備え、
前記裏外側端面は、前記第2表端面よりも前記表面の外側に配置され、
前記裏内側端面は、前記第1表端面よりも前記表面の内側に配置され、前記裏外側端面と前記裏内側端面との境界点が、前記第1表端面と前記第2表端面との境界点に重なり、
前記調光層の端面は、前記第2表端面と前記裏内側端面とに重なり、
前記表電極層は、前記第1表端面と前記裏内側端面とに囲まれた端子を備え、
前記調光シートは、前記平面視において、
前記裏透明基材のなかで前記第2表端面と前記裏外側端面との間の部分に支持され、前記調光層の端面なかで前記第2表端面に重なる部分を封止する縁封止部と、
前記端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する端子封止部と、をさらに備え、
前記縁封止部が前記端子封止部に前記境界点で接続されている
ことを特徴とする調光シート。
【請求項2】
前記端子は、裏向き端子であり、
前記端子封止部は、裏向き端子封止部であり、
前記平面視において、
前記表透明基材の前記端面は、前記第2表端面の両端部のうち前記第1表端面に連なる端部とは反対側の端部から前記裏透明基材の内側に折れ曲がる第3表端面を備え、
前記裏外側端面は、前記第2表端面に追従する直線状を有し、前記第3表端面よりも前記表面の外側に配置され、
前記調光層の端面は、前記第3表端面に重なり、
前記裏電極層は、前記裏外側端面と前記第3表端面とに囲まれた表向き端子を備え、
前記表向き端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する表向き端子封止部と、をさらに備え、
前記縁封止部が前記表向き端子封止部に接続されている
請求項1に記載の調光シート。
【請求項3】
前記調光シートの縁は、前記第1表端面と前記裏外側端面とから構成される
請求項1に記載の調光シート。
【請求項4】
表電極層を支持する表透明基材と、
裏電極層を支持する裏透明基材と、
液晶組成物を含有する調光層と、を備え、
前記表電極層と前記裏電極層とが前記表透明基材と前記裏透明基材との間に配置され、前記調光層が前記表電極層と前記裏電極層とに挟まれる調光シートであって、
前記表透明基材の表面と対向する視点から見た平面視において、
前記表透明基材の端面は、曲線状に連なる第1表端面と第2表端面とを備え、
前記裏透明基材の端面は、直線状に連なる裏外側端面と裏内側端面とを備え、
前記裏外側端面は、前記第2表端面よりも前記表面の外側に配置され、
前記裏内側端面は、前記第1表端面よりも前記表面の内側に配置され、前記裏外側端面と前記裏内側端面との境界点が、前記第1表端面と前記第2表端面との境界点に重なり、
前記調光層の端面は、前記第2表端面と前記裏内側端面とに重なり、
前記表電極層は、前記第1表端面と前記裏内側端面とに囲まれた端子を備え、
前記調光シートは、前記平面視において、
前記裏透明基材のなかで前記第2表端面と前記裏外側端面との間に位置する部分に支持され、前記調光層の端面なかで前記第2表端面に重なる部分を封止する縁封止部と、
前記端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する端子封止部と、をさらに備え、
前記縁封止部と前記端子封止部との接続部位が前記境界点である
ことを特徴とする調光シート。
【請求項5】
前記平面視において、
前記第1表端面の最外部分は、前記裏内側端面に沿った直線状を有し、
前記調光シートの端面は、前記最外部分の延長線上に配置された部分を備え、
前記第2表端面の両端部のうち前記第1表端面に連なる端部とは反対側の端部は、前記最外部分の延長線上に配置された前記部分に向けて折れ曲がっている
請求項4に記載の調光シート。
【請求項6】
前記端子は、裏向き端子であり、
前記端子封止部は、裏向き端子封止部であり、
前記平面視において、
前記裏透明基材の前記端面は、前記裏外側端面の両端部のうち前記裏内側端面に連なる端部とは反対側の端部から前記表透明基材の外側に折れ曲がる表向き端子端面を備え、
前記表透明基材の前記端面は、前記第2表端面から直線状に延在する共に、前記表向き端子端面よりも前記裏透明基材の内側に配置される第3表端面を備え、
前記裏電極層は、前記第3表端面と前記表向き端子端面とに囲まれた表向き端子を備え、
前記表向き端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記第3表端面に重なる部分を封止する表向き端子封止部と、をさらに備え、
前記縁封止部が前記表向き端子封止部に接続されている
請求項3に記載の調光シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表透明基材と裏透明基材との間に調光層を備えた調光シートに関する。
【背景技術】
【0002】
調光シートは、表透明基材と裏透明基材とを備える。表透明基材の一側面は、表透明電極層を支持する。裏透明基材の一側面は、裏透明電極層を支持する。調光層は、表透明電極層と裏透明電極層との間に配置されている。調光層は、複数の空隙を区画する透明高分子層と、各空隙を充填する液晶組成物とを含む。表透明電極層と裏透明電極層との間の電圧変更は、調光層における液晶化合物の配向状態を変え、これによって調光シートの透明度合いを変える。
【0003】
調光シートの周方向に延在する縁は、裏透明基材の端面、調光層の端面、および表透明基材の端面を備える。表透明基材の端面と調光層の端面とは、調光シートの縁において、裏透明基材の端面よりも裏透明基材の内側に配置されている。裏透明基材の一側面は、裏支持部と裏縁部とを備える。裏支持部は、裏透明基材の一側面において調光層を支持する。表透明基材の一側面と対向する視点から見て、表透明基材の端面と調光層の端面とは、裏縁部と裏支持部とを区切る。表透明基材の端面と調光層の端面とが裏透明基材の端面よりも裏透明基材の内側に配置される分だけ、裏縁部は調光層から露出する。縁封止部は、裏透明基材の裏縁部に配置されると共に、裏縁部と裏支持部とを区切る調光層の端面を封止する。これによって、調光シートの周方向では、調光層の高い封止性が実現されると共に、当該封止性の安定化が図られる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、各透明電極層は、調光層に接する回路部と、調光層から露出する端子とを備える。表透明電極層は、表回路部と裏向き端子とを備える。裏透明電極層は、裏回路部と表向き端子とを備える。回路部は、端子に電気的に接続される。調光シートを駆動する電圧信号は、各透明電極層の端子に入力される。
【0006】
表向き端子は、上述した裏縁部と同じく裏透明電極層のなかで調光層から露出する。表透明基材の端面と調光層の端面とは、表向き端子において裏透明基材の端面よりも裏透明基材の内側に配置される。表透明基材の一側面と対向する視点から見て、表向き端子は、裏縁部と同じく表透明基材の端面と調光層の端面とによって裏回路部から区切られる。表向き端子封止部は、表向き端子の縁に配置されると共に、表向き端子を区切る調光層の端面を封止する。このように、表向き端子封止部と上記裏封止部とは、共通する裏透明基材の一側面に支持されると共に、共通する表透明基材の端面に追従する。このため、表向き端子封止部は、表透明基材の端面に沿って縁封止部から延長され得る。
【0007】
これに対し、裏向き端子は、表透明電極層のなかで調光層から露出する。裏透明基材の端面と調光層の端面とは、裏向き端子において表透明基材の端面よりも表透明基材の内側に配置される。裏向き端子は、裏透明基材の端面と調光層の端面によって表回路部から区切られる。裏向き端子封止部は、裏向き端子の縁に配置されると共に、裏向き端子を区切る調光層の端面を封止する。このように、裏向き端子封止部と上記縁封止部とは、各別の透明基材の一側面に支持されると共に、各別の透明基材の端面に追従する。このため、裏透明基材の端面に追従する裏向き端子封止部は、表透明基材の端面に追従する縁封止部から分断される。そして、調光層の端面を封止する裏向き端子封止部と、調光層の端面を封止する縁封止部との分断は、調光層の封止を妨げてしまう。なお、調光層の封止性を高める要請は、裏向き端子封止部と縁封止部とを備える調光シートのみならず、調光層の端面が各別の透明基材に区切られる調光シートに共通する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する調光シートは、表電極層を支持する表透明基材と、裏電極層を支持する裏透明基材と、液晶組成物を含有する調光層と、を備え、前記表電極層と前記裏電極層とが前記表透明基材と前記裏透明基材との間に配置され、前記調光層が前記表電極層と前記裏電極層とに挟まれた調光シートである。前記表透明基材の表面と対向する視点から見た平面視において、前記表透明基材の端面は、直線状に連なる第1表端面と第2表端面とを備え、前記裏透明基材の端面は、曲線状に連なる裏外側端面と裏内側端面とを備え、前記裏外側端面は、前記第2表端面よりも前記表面の外側に配置され、前記裏内側端面は、前記第1表端面よりも前記表面の内側に配置され、前記裏外側端面と前記裏内側端面との境界点が、前記第1表端面と前記第2表端面との境界点に重なり、前記調光層の端面は、前記第2表端面と前記裏内側端面とに重なり、前記表電極層は、前記第1表端面と前記裏内側端面とに囲まれた端子を備える。前記調光シートは、前記平面視において、前記裏透明基材のなかで前記第2表端面と前記裏外側端面との間の部分に支持され、前記調光層の端面なかで前記第2表端面に重なる部分を封止する縁封止部と、前記端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する端子封止部と、をさらに備える。そして、前記縁封止部が前記端子封止部に前記境界点で接続されている。
【0009】
上記調光シートにおいて、前記調光シートの縁は、前記第1表端面と前記裏外側端面とから構成されてもよい。
上記課題を解決するための調光シートは、表電極層を支持する表透明基材と、裏電極層を支持する裏透明基材と、液晶組成物を含有する調光層と、を備え、前記表電極層と前記裏電極層とが前記表透明基材と前記裏透明基材との間に配置され、前記調光層が前記表電極層と前記裏電極層とに挟まれる調光シートである。前記表透明基材の表面と対向する視点から見た平面視において、前記表透明基材の端面は、曲線状に連なる第1表端面と第2表端面とを備え、前記裏透明基材の端面は、直線状に連なる裏外側端面と裏内側端面とを備え、前記裏外側端面は、前記第2表端面よりも前記表面の外側に配置され、前記裏内側端面は、前記第1表端面よりも前記表面の内側に配置され、前記裏外側端面と前記裏内側端面との境界点が、前記第1表端面と前記第2表端面との境界点に重なり、前記調光層の端面は、前記第2表端面と前記裏内側端面とに重なり、前記表電極層は、前記第1表端面と前記裏内側端面とに囲まれた端子を備える。前記調光シートは、前記平面視において、前記裏透明基材のなかで前記第2表端面と前記裏外側端面との間に位置する部分に支持され、前記調光層の端面なかで前記第2表端面に重なる部分を封止する縁封止部と、前記端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する端子封止部と、をさらに備え、前記縁封止部と前記端子封止部との接続部位が前記境界点である。
【0010】
上記各構成によれば、平面視において、調光層の端面なかで第2表端面に重なる部分は、縁封止部に封止される。縁封止部は、裏透明基材に支持される。平面視において、調光層の端面なかで裏内側端面に重なる部分は、端子封止部によって封止される。端子封止部は、端子に支持される、すなわち表透明基材に支持される。ここで、縁封止部と端子封止部との接続部位は、調光シートの縁に位置する1つの境界点である。このため、縁封止部と端子封止部とが接続されることの確度が高まる。
【0011】
また、縁封止部と端子封止部との接続部位は、いずれの透明基材にも支持されにくい部位である。接続部位が平面方向に連なることは、いずれの透明基材にも支持されにくい部位を連ねることであって、調光層の封止部を脆弱なものにする。この点、縁封止部と端子封止部とは、1つの境界点で透明基材の厚さ方向に連続する。加えて、縁封止部と端子封止部との接続部位は、直線状に連なる第1表端面と第2表端面との境界点である。このため、調光層の封止部における機械的な強度の再現性が高まる。結果として、調光シートの縁における機械的な強度の低下が抑制されながらも、調光層の封止性におけるばらつきが抑えられる。
【0012】
上記調光シートにおいて、前記端子は、裏向き端子であり、前記端子封止部は、裏向き端子封止部であり、前記平面視において、前記表透明基材の前記端面は、前記第2表端面の両端部のうち前記第1表端面に連なる端部とは反対側の端部から前記裏透明基材の内側に折れ曲がる第3表端面を備え、前記裏外側端面は、前記第2表端面に追従する直線状を有し、前記第3表端面よりも前記表面の外側に配置され、前記調光層の端面は、前記第3表端面に重なり、前記裏電極層は、前記裏外側端面と前記第3表端面とに囲まれた表向き端子を備え、前記表向き端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記裏内側端面に重なる部分を封止する表向き端子封止部と、をさらに備え、前記縁封止部が前記表向き端子封止部に接続されてもよい。
【0013】
上記調光シートにおいて、前記端子は、裏向き端子であり、前記端子封止部は、裏向き端子封止部であり、前記平面視において、前記裏透明基材の前記端面は、前記裏外側端面の両端部のうち前記裏内側端面に連なる端部とは反対側の端部から前記表透明基材の外側に折れ曲がる表向き端子端面を備え、前記表透明基材の前記端面は、前記第2表端面から直線状に延在する共に、前記表向き端子端面よりも前記裏透明基材の内側に配置される第3表端面を備え、前記裏電極層は、前記第3表端面と前記表向き端子端面とに囲まれた表向き端子を備え、前記表向き端子の縁に支持され、前記調光層の端面なかで前記第3表端面に重なる部分を封止する表向き端子封止部と、をさらに備え、前記縁封止部が前記表向き端子封止部に接続されてもよい。
【0014】
上記各構成によれば、平面視において、調光層の端面なかで表向き端子の縁に重なる部分は、表向き端子封止部によって封止される。表向き端子封止部は、表向き端子に支持される、すなわち裏透明基材に支持される。調光層の端面を封止する封止部は、裏透明基材に支持される縁封止部と、表透明基材に支持される裏向き端子封止部と、裏透明基材に支持される表向き端子封止部に分断される。一方、上述したように、縁封止部と裏向き端子封止部との接続部位は、調光シートの縁に位置する1つの境界点である。このため、縁封止部と端子封止部とが接続されることの確度が高まる。縁封止部と表向き端子封止部との接続部位は、縁封止部と表向き端子封止部とに共通する裏透明基材に支持される。結果として、縁封止部と裏向き端子封止部と表向き端子封止部とが恰も1つの封止部として機能する。そして、調光シートの縁における機械的な強度の低下が抑制されながらも、調光層の封止性がさらに高められる。
【0015】
上記調光シートは、前記平面視において、前記第1表端面の最外部分は、前記裏内側端面に沿った直線状を有し、前記調光シートの端面は、前記最外部分の延長線上に配置された部分を備え、前記第2表端面の両端部のうち前記第1表端面に連なる端部とは反対側の端部は、前記最外部分の延長線上に配置された前記部分に向けて折れ曲がってもよい。
【0016】
裏内側端面の外側に配置される第1表端面は、表透明基材のなかで裏透明基材に対向しない部分である。表透明基材のなかで裏透明基材に対向しない部分は、裏透明基材と接合されない分だけ、調光シートの縁のなかで機械的に脆弱な部分である。この点、上記構成によれば、調光シートの端面が第1表端面の延長線上に配置されている。このため、第1表端面の延在方向に沿って第1表端面に向く外力は、調光シートの縁に妨げられて第1表端面に作用しがたくなる。結果として、調光シートのなかで機械的に脆弱な部分に対し保護が可能ともなる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の調光シートによれば、調光層の封止性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態の調光シートを示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の調光シートの端面を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の調光シートを示す平面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の調光シートの端面を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、変更例の調光シートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、
図1から
図4を参照して調光シートの第1実施形態を説明する。
図1が示すように、調光シート10は、表透明フィルム20、裏透明フィルム30、および調光層40(
図2を参照)を備える。調光シート10における端面の一部は、シート端面11Eである。シート端面11Eは、第1方向D1に延在している。シート端面11Eは、1つの第1表端面21Eと、2つの裏外側端面31Eとを備える。第1表端面21Eは、表透明フィルム20における端面の一部である。2つの裏外側端面31Eは、裏透明フィルム30における端面の一部である。第1表端面21Eは、2つの裏外側端面31Eに挟まれている。
【0020】
第2方向D2は、調光シート10の表面と対向する視点から見た平面視において、第1方向D1と直交する。第2方向D2は、調光シート10の中心からシート端面11Eに向く。なお、調光シート10は、第1方向D1と第2方向D2とを含む平面状を有してもよいし、曲面状を有してもよい。シート端面11Eは、直線状を有してもよいし、曲線状を有してもよい。
【0021】
[シート層構成]
図2が示すように、表透明フィルム20は、表透明基材23と表電極層24とを備える。表透明基材23は、表電極層24を支持する。裏透明フィルム30は、裏透明基材33と裏電極層34とを備える。裏透明基材33は、裏電極層34を支持する。
【0022】
表電極層24と裏電極層34とは、表透明基材23と裏透明基材33との間に配置されている。調光層40は、表電極層24と裏電極層34とに挟まれている。調光層40は、表電極層24と裏電極層34との間に供給される電圧信号によって駆動される。調光シート10は、表電極層24と調光層40との間に、配向層をさらに備えてもよい。調光シート10は、裏電極層34と調光層40との間に、配向層をさらに備えてもよい。
【0023】
各透明基材23,33は、それぞれ可視光を透過する光透過性、および電気的な絶縁性を有する。各透明基材23,33を構成する材料は、有機高分子化合物、または無機高分子化合物である。有機高分子化合物の一例は、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つである。無機高分子化合物の一例は、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、及び窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0024】
各電極層24,34は、それぞれ可視光を透過する光透過性、および電気的な導電性を有する。各電極層24,34を構成する材料の一例は、それぞれ酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ3,4‐エチレンジオキシチオフェンからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0025】
調光層40は、電圧の印加によって印加後の光透過率を印加前の光透過率とは異ならせる。調光層40の一例は、透明有機高分子層と液晶組成物とを備える。透明有機高分子層は、表電極層24と裏電極層34との間に、液晶組成物によって充填される空隙を区画する。液晶組成物は、透明有機高分子層が有する空隙に充填される。液晶組成物は、液晶化合物を含む。液晶化合物の一例は、シッフ塩基系化合物、アゾ系化合物、アゾキシ系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、安息香酸エステル系化合物、トラン系化合物、ピリミジン系化合物、シクロヘキサンカルボン酸エステル系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物、ジオキサン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0026】
調光層40における液晶組成物の保持型式の一例は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、およびカプセル型から構成される群から選択されるいずれか1つである。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明有機高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワーク型は、三次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明有機高分子層の一例である。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明有機高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶化合物以外に、透明有機高分子層を形成するためのモノマー、および二色性色素を含有してもよい。
【0027】
[シート平面構成]
図1に戻り、表透明基材23の端面は、1つの第1表端面21Eと、2つの第2表端面22Eとを備える。第1表端面21Eと第2表端面22Eとは、平面視において直線状に連なっている。表透明基材23の端面は、1つの表向き端子区画面23Eをさらに備える。表向き端子区画面23Eは、第3表端面の一例である。1つの第1表端面21E、2つの第2表端面22E、および1つの表向き端子区画面23Eは、平面視において分岐しない1つの折れ線状を有する。
【0028】
第1表端面21Eは、シート端面11Eを構成する。第1表端面21Eは、平面視において第1方向D1に延在している。第1表端面21Eは、平面視において直線状を有する。
【0029】
第2表端面22Eは、第1表端面21Eと同じく、平面視において第1方向D1に延在している。第2表端面22Eは、平面視において直線状を有する。1つの第1表端面21Eは、第1方向D1において2つの第2表端面22Eに挟まれている。第1方向D1において、第1表端面21Eの長さは、第2表端面22Eの長さよりも長くてもよいし、第2表端面22Eの長さ以下でもよい。第1方向D1において、2つの第2表端面22Eの長さは、相互に等しくてもよいし、相互に異なってもよい。
【0030】
表向き端子区画面23Eは、平面視において逆U字状を有する。表向き端子区画面23Eは、平面視において1つの第2表端面22Eの第1方向D1に配置される。表向き端子区画面23Eは、1つの第2表端面22Eに接続されている。表向き端子区画面23Eは、第2表端面22Eの両端部のうち第1表端面21Eに連なる端部とは反対側の端部から裏透明基材33の内側に折れ曲がる。表向き端子区画面23Eは、平面視において第2表端面22Eに対する第2方向D2の反対方向に配置されている。第1方向D1において、表向き端子区画面23Eの長さは、第1表端面21Eの長さよりも長くてもよいし、第1表端面21Eの長さ以下でもよい。第1方向D1において、表向き端子区画面23Eの長さは、第2表端面22Eの長さよりも長くてもよいし、第2表端面22Eの長さ以下でもよい。
【0031】
図2に戻り、表電極層24の端面は、表透明基材23の端面に連なる。表電極層24の端面は、第1表端面21E、第2表端面22E、および表向き端子区画面23Eのそれぞれから表透明基材23の厚さ方向に連なる。表電極層24の端面は、平面視において表透明基材23の端面と一致する。
【0032】
図1に戻り、裏透明基材33の端面は、2つの裏外側端面31Eと、
図1の破線で示す逆U字状を有した裏向き端子区画面32Eとを備える。裏向き端子区画面32Eは、裏内側端面の一例である。裏向き端子区画面32Eは、2つの裏外側端面31Eに挟まれている。2つの裏外側端面31E、および裏向き端子区画面32Eは、平面視において分岐しない1つの折れ線状を有する。
【0033】
裏外側端面31Eは、シート端面11Eを構成する。2つの裏外側端面31Eは、それぞれ第1方向D1に延在している。裏外側端面31Eは、平面視において表透明フィルム20の第2表端面22Eと平行な直線状を含む。裏外側端面31Eは、平面視において第2表端面22Eよりも表透明基材23の外側に配置されている。裏外側端面31Eは、平面視において表向き端子区画面23Eよりも表透明基材23の外側に配置されている。
【0034】
裏向き端子区画面32Eは、平面視において第1表端面21Eよりも表透明基材23の表面の内側に配置されている。裏向き端子区画面32Eは、平面視において第1表端面21Eの両端部から表透明基材23の表面の内側に配置されている。裏向き端子区画面32Eは、第1方向D1において2つの裏外側端面31Eに接続されている。第1方向D1において、裏向き端子区画面32Eの長さは、表向き端子区画面23Eの長さよりも長くてもよいし、表向き端子区画面23Eの長さ以下でもよい。第1方向D1において、裏向き端子区画面32Eの長さは、第2表端面22Eの長さよりも長くてもよいし、第2表端面22Eの長さ以下でもよい。第2方向D2において、裏向き端子区画面32Eの長さは、表向き端子区画面23Eの長さよりも長くてもよいし、表向き端子区画面23Eの長さ以下でもよい。
【0035】
図2に戻り、裏外側端面31Eの端部は、裏向き端子区画面32Eに向けて第2方向D2に折れ曲がる。裏外側端面31Eの端部は、裏向き端子区画面32Eに接続されている。裏外側端面31Eと裏向き端子区画面32Eとの境界は、平面視において1つの境界点1Bである。第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界は、平面視において裏外側端面31Eと裏向き端子区画面32Eとの境界に重なる。すなわち、裏外側端面31Eと裏向き端子区画面32Eとの境界点1Bが、第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界点1Bに重なる。
【0036】
裏電極層34の端面は、裏透明基材33の端面に連なる。裏電極層34の端面は、裏外側端面31E、および裏向き端子区画面32Eのそれぞれから裏透明基材33の厚さ方向に連なる。
【0037】
図1に戻り、調光層40の端面は、平面視において裏透明フィルム30の裏向き端子区画面32Eと一致する部分を備える。表電極層24は、表回路部と裏向き端子12Eとを備える。表回路部は、表電極層24のなかで調光層40に接する部分である。
【0038】
裏向き端子12Eは、表電極層24の表電極面24Sのなかで、調光層40から露出している。裏向き端子12Eは、平面視において第1表端面21Eと裏向き端子区画面32Eとに囲まれている。調光層40の端面は、平面視において表回路部と裏向き端子12Eとに表電極層24を区切る。裏透明フィルム30の端面は、平面視において表回路部と裏向き端子12Eとに表電極層24を区切る。
【0039】
調光層40の端面は、平面視において表向き端子区画面23Eと一致する部分を備える。裏電極層34は、裏回路部と表向き端子13Eとを備える。裏回路部は、裏電極層34のなかで調光層40に接する部分である。
【0040】
表向き端子13Eは、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで、調光層40から露出している。表向き端子13Eは、平面視において裏外側端面31Eと表向き端子区画面23Eとに囲まれている。調光層40の端面は、平面視において裏回路部と表向き端子13Eとに裏電極層34を区切る。表透明フィルム20の端面は、平面視において裏回路部と表向き端子13Eとに裏電極層34を区切る。
【0041】
図3が示すように、裏向き端子12Eは、導電性接着剤53を介して表用配線基板50に接着されている。導電性接着剤53は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、等方性導電フィルム、および等方性導電ペーストからなる群から選択される少なくとも一種である。表用配線基板50は、導電性接着剤53を通じて裏向き端子12Eに駆動信号を入力する。
【0042】
図4が示すように、表向き端子13Eは、導電性接着剤63を介して裏用配線基板60に接着されている。導電性接着剤63は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、等方性導電フィルム、および等方性導電ペーストからなる群から選択される少なくとも一種である。裏用配線基板60は、導電性接着剤63を通じて表向き端子13Eに駆動信号を入力する。
【0043】
[封止部]
図1に戻り、調光シート10は、縁封止部41E、裏向き封止部42E、および表向き封止部43Eを備える。裏向き封止部42Eの占有する領域は、最も薄いドットを付して示す。表向き封止部43Eの占有する領域は、最も濃いドットを付して示す。縁封止部41Eの占有する領域は、裏向き封止部42Eと表向き封止部43Eとの間の濃さを有したドットを付して示す。裏向き封止部42E、および表向き封止部43Eは、それぞれ端子封止部の一例である。
【0044】
縁封止部41E、裏向き封止部42E、および表向き封止部43Eは、それぞれ吸湿性を有した絶縁性の樹脂である。縁封止部41E、裏向き封止部42E、および表向き封止部43Eを構成する封止剤は、エポキシ樹脂やアクリル系樹脂などである。
【0045】
図1の最も薄いドットが示すように、裏向き封止部42Eは、平面視において、表電極層24の表電極面24Sのなかで第1表端面21Eと裏向き端子区画面32Eとの間の部分に支持される。裏向き封止部42Eは、裏向き端子12Eの縁に支持される。
図1,2が示すように、裏向き封止部42Eは、調光層40の端面のなかで裏向き端子区画面32Eに重なる逆U字状の部分を封止する。
【0046】
図1の最も濃いドットが示すように、表向き封止部43Eは、平面視において、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで裏外側端面31Eと表向き端子区画面23Eとの間の部分に支持される。表向き封止部43Eは、表向き端子13Eの縁に支持される。表向き封止部43Eは、調光層40の端面のなかで表向き端子区画面23Eに重なる逆U字状の部分を封止する。
【0047】
図1において中間の濃さのドットが示すように、縁封止部41Eは、平面視において、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで裏外側端面31Eと第2表端面22Eとの間の部分に支持される。縁封止部41Eは、平面視において、調光層40の端面なかで第2表端面22Eに重なる直線状の部分を封止する。表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、共通する裏透明基材33の一側面に支持される。
【0048】
表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、共通する表透明基材23の端面に追従する。表向き封止部43Eは、表透明基材23の端面、すなわち第2表端面22Eと表向き端子区画面23Eに沿って縁封止部41Eから延長される。このため、表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、1つの平面に配置された折れ線状の1つの封止部として機能する。
【0049】
図2に戻り、縁封止部41Eの端部2Bは、裏向き封止部42Eに境界点1Bで接続されている。縁封止部41Eの端部2Bは、第1表端面21Eの端部に接すると共に、第1表端面21Eの端部に支持される。縁封止部41Eの端部2Bは、裏外側端面31Eの端部に接すると共に、裏外側端面31Eの端部に支持される。縁封止部41Eの端部2Bは、境界点1Bに重なる調光層40の端面全体を封止する。
【0050】
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1-1)平面視において、調光層40の端面なかで第2表端面22Eに重なる部分は、縁封止部41Eに封止される。縁封止部41Eは、裏透明フィルム30における縁部と、表透明基材23の第2表端面22Eとに接合されて、調光シート10に位置決めされる。これによって、調光シート10に位置決めされた調光層40の端面なかで第2表端面22Eに重なる部分が封止される。
【0051】
(1-2)平面視において、調光層40の端面なかで裏向き端子区画面32Eに重なる部分は、裏向き封止部42Eによって封止される。裏向き封止部42Eは、裏透明基材33における裏向き端子区画面32Eと、表透明基材23の裏向き端子12Eとに接合されて、調光シート10に位置決めされる。これによって、調光シート10に位置決めされた調光層40の端面なかで裏向き端子区画面32Eに重なる部分が封止される。
【0052】
(1-3)裏向き封止部42Eは、裏向き端子12Eに支持される、すなわち表透明基材23に支持される。縁封止部41Eと裏向き封止部42Eとの接続部位は、調光シート10の縁に位置する1つの境界点1Bである。このため、縁封止部41Eと裏向き封止部42Eとが接続されることの確度が高まる。
【0053】
(1-4)縁封止部41Eと裏向き封止部42Eとの接続部位は、表透明基材23や裏透明基材33に支持されにくい部位である。接続部位が平面方向に連なることは、表透明基材23や裏透明基材33に支持されにくい部位を連ねることであって、調光層40の封止部を脆弱なものにする。
【0054】
この点、縁封止部41Eと裏向き封止部42Eとは、1つの境界点1Bで透明基材の厚さ方向に連続する。加えて、縁封止部41Eと裏向き封止部42Eとの接続部位は、直線状に連なる第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界点1Bであり、表透明基材23と裏透明基材33とに直接接合される。このため、調光層40の封止部における機械的な強度の低下が抑制されると共に、抑制効果の再現性が高まる。結果として、調光シート10の縁における機械的な強度の低下が抑制されながらも、調光層40の封止性におけるばらつきが抑えられる。
【0055】
(1-5)外部配線の接続される裏向き端子12Eは、外部配線から受ける反りや張りなどの機械的な負荷を受ける。この点、裏向き封止部42Eの第1方向D1における両端部は、縁封止部41Eの端部2Bに接続される。縁封止部41Eの端部2Bは、表透明基材23と裏透明基材33に直接接合される。このため、裏向き端子12Eの両端部が裏透明フィルム30から離れる応力を受けるとしても、裏向き端子12Eの両端部が裏透明フィルム30から剥がれることが抑制される。結果として、調光層40の封止性がさらに抑制される。
【0056】
(第2実施形態)
以下、
図5、および
図6を参照して調光シートの第2実施形態を説明する。第2実施形態の調光シートは、調光シートにおける端面の構造が第1実施形態の調光シートと相違する。そのため、第1実施形態の調光シートとの相違点を主に説明すると共に、第1実施形態の調光シートと重複する構成の説明を割愛する。
【0057】
図5が示すように、シート端面11Eは、第1方向D1に延在する折れ線状を有する。シート端面11Eは、平面視において第2方向D2に突き出る2つの突部を有する。2つの突部は、表透明フィルム20の第1表端面21Eと、裏透明フィルム30の表向き端子端面33Eとから構成される。
【0058】
表透明基材23の端面は、1つの第1表端面21E、2つの第2表端面22E、および表向き端子区画面23Eを備える。第1表端面21Eは、シート端面11Eを構成する。第1表端面21Eは、平面視においてU字状を有する。
【0059】
第2表端面22Eは、平面視において第1方向D1に延在している。第2表端面22Eは、平面視において第1表端面21Eを挟む直線状を有する。第1表端面21Eと第2表端面22Eとは、折れ線状に連なっている。第1方向D1において、第1表端面21Eの長さは、第2表端面22Eの長さよりも長くてもよいし、第2表端面22Eの長さ以下でもよい。第1方向D1において、2つの第2表端面22Eの長さは、相互に等しくてもよいし、相互に異なってもよい。
【0060】
表向き端子区画面23Eは、平面視において1つの第2表端面22Eの第1方向D1に配置される。表向き端子区画面23Eは、1つの第2表端面22Eに接続されている。表向き端子区画面23Eは、第2表端面22Eの両端部のうち第1表端面21Eに連なる端部とは反対側の端部から第1方向D1に延在する。第2表端面22Eと表向き端子区画面23Eとは、直線状に連なっている。第1方向D1において、表向き端子区画面23Eの長さは、第1表端面21Eの長さよりも長くてもよいし、第1表端面21Eの長さ以下でもよい。第1方向D1において、表向き端子区画面23Eの長さは、第2表端面22Eの長さよりも長くてもよいし、第2表端面22Eの長さ以下でもよい。
【0061】
図6が示すように、表電極層24の端面は、表透明基材23の端面に連なる。表電極層24の端面は、第1表端面21E、第2表端面22E、および表向き端子区画面23Eのそれぞれから表透明基材23の厚さ方向に連なる。表電極層24の端面は、平面視において表透明基材23の端面と一致する。
【0062】
図5に戻り、裏透明基材33の端面は、3つの裏外側端面31Eと、裏向き端子区画面32Eと、表向き端子端面33Eとを備える。裏向き端子区画面32Eは、裏内側端面の一例である。裏向き端子区画面32Eは、2つの裏外側端面31Eに挟まれている。表向き端子端面33Eは、2つの裏外側端面31Eに挟まれている。3つの裏外側端面31E、裏向き端子区画面32E、および表向き端子端面33Eは、平面視において分岐しない1つの折れ線状を有する。
【0063】
裏外側端面31Eは、シート端面11Eを構成する。3つの裏外側端面31Eは、それぞれ第1方向D1に延在している。裏外側端面31Eは、平面視において表透明フィルム20の第2表端面22Eと平行な直線状を有する。裏外側端面31Eは、平面視において第2表端面22Eよりも表透明基材23の外側に配置されている。
【0064】
裏向き端子区画面32Eは、平面視において第1表端面21Eよりも表透明基材23の表面の内側に配置されている。裏向き端子区画面32Eは、平面視において第1表端面21Eの両端部から表透明基材23の表面の内側に配置されている。裏向き端子区画面32Eは、第1方向D1において2つの裏外側端面31Eに接続されている。裏外側端面31Eと、裏向き端子区画面32Eとは、平面視において分岐しない1つの直線状を有する。
【0065】
図6に戻り、第2表端面22Eの端部は、第1表端面21Eに向けて第2方向D2に折れ曲がる。第2表端面22Eの端部は、第1表端面21Eに接続されている。第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界は、平面視において1つの境界点1Bである。第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界は、平面視において裏外側端面31Eと裏向き端子区画面32Eとの境界に重なる。すなわち、裏外側端面31Eと裏向き端子区画面32Eとの境界点1Bが、第1表端面21Eと第2表端面22Eとの境界点1Bに重なる。
【0066】
裏電極層34の端面は、裏透明基材33の端面に連なる。裏電極層34の端面は、裏外側端面31E、および裏向き端子区画面32Eのそれぞれから裏透明基材33の厚さ方向に連なる。
【0067】
図5に戻り、調光層40の端面は、平面視において裏透明フィルム30の裏向き端子区画面32Eと一致する部分を備える。表電極層24は、表回路部と裏向き端子12Eとを備える。表回路部は、表電極層24のなかで調光層40に接する部分である。
【0068】
裏向き端子12Eは、表電極層24の表電極面24Sのなかで、調光層40から露出している。裏向き端子12Eは、平面視においてU字状の第1表端面21Eと、第1方向D1に延在する裏向き端子区画面32Eとに囲まれている。調光層40の端面は、平面視において表回路部と裏向き端子12Eとに表電極層24を区切る。裏透明フィルム30の端面は、平面視において表回路部と裏向き端子12Eとに表電極層24を区切る。
【0069】
調光層40の端面は、平面視において直線状の表向き端子区画面23Eと一致する部分を備える。裏電極層34は、裏回路部と表向き端子13Eとを備える。裏回路部は、裏電極層34のなかで調光層40に接する部分である。
【0070】
表向き端子13Eは、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで、調光層40から露出している。表向き端子13Eは、平面視において裏外側端面31Eと表向き端子区画面23Eとに囲まれている。調光層40の端面は、平面視において裏回路部と表向き端子13Eとに裏電極層34を区切る。表透明フィルム20の端面は、平面視において裏回路部と表向き端子13Eとに裏電極層34を区切る。
【0071】
[封止部]
図5の薄いドットが示すように、裏向き封止部42Eは、平面視において、表電極層24の表電極面24Sのなかで第1表端面21Eと裏向き端子区画面32Eとの間の部分に支持される。裏向き封止部42Eは、裏向き端子12Eの縁に支持される。
図5,6が示すように、裏向き封止部42Eは、調光層40の端面のなかで裏向き端子区画面32Eに重なる直線状の部分を封止する。
【0072】
図5の濃いドットが示すように、表向き封止部43Eは、平面視において、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで裏外側端面31Eと表向き端子区画面23Eとの間の部分に支持される。表向き封止部43Eは、表向き端子13Eの縁に支持される。表向き封止部43Eは、調光層40の端面のなかで表向き端子区画面23Eに重なる直線状の部分を封止する。
【0073】
図5の濃さのドットが示すように、縁封止部41Eは、平面視において、裏電極層34の裏電極面34Sのなかで裏外側端面31Eと第2表端面22Eとの間の部分に支持される。縁封止部41Eは、平面視において、調光層40の端面なかで第2表端面22Eに重なる直線状の部分を封止する。表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、共通する裏透明基材33の一側面に支持される。
【0074】
表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、共通する表透明基材23の端面に追従する。表向き封止部43Eは、表透明基材23の端面、すなわち第2表端面22Eと表向き端子区画面23Eに沿って縁封止部41Eから延長される。表向き封止部43Eと縁封止部41Eとは、1つの平面に配置された直線状の1つの封止部として機能する。
【0075】
縁封止部41Eの端部2Bは、裏向き封止部42Eに境界点1Bで接続されている。縁封止部41Eの端部2Bは、第1表端面21Eの端部に接すると共に、第1表端面21Eの端部に支持される。縁封止部41Eの端部2Bは、裏外側端面31Eの端部に接すると共に、裏外側端面31Eの端部に支持される。縁封止部41Eの端部2Bは、境界点1Bに重なる調光層40の端面全体を封止する。
【0076】
上記実施形態によれば、第1実施形態に加えて以下に列挙する効果が得られる。
(2-1)外部配線の接続される裏向き端子12Eは、外部配線から受ける反りや張りなどの機械的な負荷を受ける。この際、平面視において、裏向き端子区画面32Eを支点として裏向き裏向き端子12Eは、片持ち梁状を有する。このため、裏向き端子12Eが変形するとしても、裏向き封止部42Eが変形しがたく、また裏向き封止部42Eに接続される縁封止部41Eの端部2Bもまた変形しがたい。結果として、調光層40の封止性がさらに抑制される。
【0077】
(2-2)裏向き封止部42Eの第1方向D1における両端部は、縁封止部41Eの端部2Bに接続される。縁封止部41Eの端部2Bは、表透明基材23と裏透明基材33とに直接接合される。このため、片持ち梁状の裏向き端子12Eが変形するとしても、裏向き端子12Eの両端部が裏透明フィルム30から剥がれることが抑制される。
【0078】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[シート端面11E]
・
図7が示すように、第2実施形態における第1表端面21Eの最外部分21E1は、第1方向D1に延在する直線状を有する。シート端面11Eは、最外部分21E1の延長線上に配置された部分である最外縁部11E1を備えてもよい。最外部分21E1と最外縁部11E1とは、第1方向D1に延在する直線上に配置されてもよい。シート端面11Eは、第2表端面22Eの両端部のうち第1表端面21Eに連なる端部とは反対側の端部から、最外縁部11E1に向けて折れ曲がってもよい。すなわち、シート端面11Eは、第2表端面22Eの最内部分から第2方向D2に距離Lだけ突き出る2つの端面を備えてもよい。シート端面11Eは、1つの突部である裏向き端子12Eと、最外縁部11E1を備えた他の突部とを区切るスリットを備えてもよい。この際、最外縁部11E1は、縁封止部41Eであって、裏外側端面31Eと第2表端面22Eとを備えてもよい。
【0079】
裏向き端子区画面32Eの外側に配置される第1表端面21Eは、表透明基材23のなかで裏透明基材33に対向しない部分である。表透明基材23のなかで裏透明基材33に対向しない部分は、裏透明基材33と接合されない分だけ、シート端面11Eのなかで機械的に脆弱な部分である。この点、上記変更例によれば、シート端面11Eが第1表端面21Eの延長線上に配置されている。このため、第1表端面21Eの延在方向に沿って第1表端面21Eに向く外力は、最外縁部11E1に妨げられて第1表端面21Eに作用しがたくなる。結果として、調光シート10のなかで機械的に脆弱な部分に対し保護が可能ともなる。
【0080】
[裏電極層34]
・裏電極層34の端面は、平面視において裏外側端面31Eよりも表透明基材23の表面の内側に配置されてもよい。裏電極層34の端面は、平面視において第2表端面22Eに重なってもよい。あるいは、裏電極層34は、平面視において第2表端面22Eと重なる線に沿って切断されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
D1…第1方向
D2…第2方向
1B…境界点
2B…端部
10…調光シート
11E…シート端面
12E…表向き端子
13E…裏向き端子
20…表透明フィルム
21E…第1表端面
22E…第2表端面
23E…裏向き端子区画面
23…表透明基材
24…表電極層
30…裏透明フィルム
31E…裏外側端面
32E…裏内側端面の一例である表向き端子区画面
33…裏透明基材
34…裏電極層
40…調光層
41E…縁封止部
42E…裏向き封止部