(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004991
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】塵取り付き箒
(51)【国際特許分類】
A47L 13/38 20060101AFI20240110BHJP
A47L 13/52 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A47L13/38 A
A47L13/52 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104941
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000101363
【氏名又は名称】アズマ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭路
(72)【発明者】
【氏名】藤井 大五郎
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074FF05
3B074FF07
3B074HH02
(57)【要約】
【課題】箒と塵取りとを結合した状態で、磁性体から成る壁面に磁石により着脱自在に取り付けることが可能な塵取り付き箒において、壁面に取り付けての収納時に塵取りと箒とが相互に分離してしまうのを防止する。
【解決手段】箒2の払拭体5は、ホルダ部16と、穂体17とを有し、ホルダ部16にはその厚さ方向の第1面18aから第2面18bに貫通する係合穴22が開設されており、塵取り3の掃込み部8は、底面8aと、該底面8aから突設され、前記係合穴22に挿抜自在に嵌合される係合凸部26とを有し、該係合凸部26の頂面28aは、磁石28の吸着面で形成され、箒2及び塵取り3を相互に結合させて、係合凸部26を係合穴22に対して第1面18a側から第2面18b側に向けて嵌合させた状態において、係合凸部26の頂面28aが、ホルダ部16の第2面18bと同一平面P上にあるか、又は、該第2面18bよりも突出している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延びる棒状の柄部の先端に、扁平に形成された払拭体を取り付けて成る箒と、表側に開口して前記柄部の先端部を収容可能な凹部が形成された持ち手、及び、該持ち手の先端に連結され、前記表側に開口する凹状に形成されて前記払拭体を収容可能な掃込み部を備えた塵取りとを有し、不使用時に、前記箒における前記柄部の先端部及び前記払拭体を、前記塵取りにおける前記持ち手の凹部及び前記掃込み部にそれぞれ収容することにより、これら箒及び塵取りを相互に結合させた状態で収納することが可能な塵取り付き箒であって、
前記箒の払拭体は、前記柄部に連結された扁平なホルダ部と、該ホルダ部の内部に一端側が保持されて他端側が該ホルダ部の外部に延びた穂体とを有していて、前記ホルダ部にはその厚さ方向の第1面から第2面に貫通する係合穴が開設されており、
前記塵取りの掃込み部は、前記表側を向く底面と、該底面から突設され、前記ホルダ部の係合穴に挿抜自在に嵌合される係合凸部とを有していて、該係合凸部の頂面は、磁石の吸着面で形成されており、
前記箒及び塵取りを相互に結合させて、前記掃込み部の係合凸部を前記ホルダ部の係合穴に対して前記第1面側から前記第2面側に向けて嵌合させた状態において、前記係合凸部の頂面が、前記ホルダ部の第2面と同一平面上にあるか、又は、該ホルダ部の第2面よりも突出している、
ことを特徴とする塵取り付き箒。
【請求項2】
前記塵取りの掃込み部における前記持ち手と逆側の先端には、前記底面の先端縁によって形成された掃込み口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の塵取り付き箒。
【請求項3】
前記塵取りの掃き込み部は、前記底面における幅方向の両端から立設された一対の側面をさらに有しており、
前記係合凸部の頂面は、前記一対の側面の高さ方向の先端縁を含んで前記軸線と平行を成す平面上にあるか、又は、該平面よりも突出している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塵取り付き箒。
【請求項4】
前記係合凸部の頂面は、前記平面と平行を成している、
ことを特徴とする請求項3に記載の塵取り付き箒。
【請求項5】
前記塵取りにおける前記持ち手の凹部の開口縁は、前記平面上にある、
ことを特徴とする請求項3に記載の塵取り付き箒。
【請求項6】
前記塵取りにおける前記持ち手の凹部内には、前記箒における前記柄部の先端部を収容した状態において、前記柄部を前記凹部内に係止する係止部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の塵取り付き箒。
【請求項7】
前記箒と前記塵取りとを結合させた状態において、前記箒の係合穴の形状と前記塵取りの係合凸部の形状は、前記軸線に関して幅方向に対称を成している、
ことを特徴とする請求項1に記載の塵取り付き箒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箒と塵取りとを相互に結合させた状態で収納することが可能な塵取り付き箒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、不使用時に箒に塵取りを着脱自在に取り付けて収納することが可能な塵取り付き箒は、例えば特許文献1に記載されているように、既に広く知られている。
ところで、この種の塵取り付き箒においては、塵取りが自立できないため、収納時には箒に塵取りを取り付けた状態で壁面等に立て掛けておく必要性がある。そこで、特許文献2に記載された塵取り付き箒においては箒に磁石を設けることにより、例えば玄関周りの磁性体から成る壁面に着脱可能とし、不使用時における収納性を向上させている。
【0003】
しかしながら、特許文献2に記載された塵取り付き箒においては、経年変化等により箒に対する塵取りの係合力が低下すると、前記磁石で前記壁面に吸着させた箒から塵取りが簡単に分離して脱落してしまったりして、塵取り付き箒の利便性が損なわれてしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願平4-80370号(実開平6-36427号)のCD-ROM
【特許文献2】特開2020-36720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、箒と塵取りとを結合した状態で、磁性体から成る壁面に磁石により着脱自在に取り付けることが可能な塵取り付き箒において、壁面に取り付けての収納時に塵取りと箒とが相互に分離してしまうのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る塵取り付き箒は、軸線方向に延びる棒状の柄部の先端に、扁平に形成された払拭体を取り付けて成る箒と、表側に開口して前記柄部の先端部を収容可能な凹部が形成された持ち手、及び、該持ち手の先端に連結され、前記表側に開口する凹状に形成されて前記払拭体を収容可能な掃込み部を備えた塵取りとを有し、不使用時に、前記箒における前記柄部の先端部及び前記払拭体を、前記塵取りにおける前記持ち手の凹部及び前記掃込み部にそれぞれ収容することにより、これら箒及び塵取りを相互に結合させた状態で収納することが可能な塵取り付き箒であって、前記箒の払拭体は、前記柄部に連結された扁平なホルダ部と、該ホルダ部の内部に一端側が保持されて他端側が該ホルダ部の外部に延びた穂体とを有していて、前記ホルダ部にはその厚さ方向の第1面から第2面に貫通する係合穴が開設されており、前記塵取りの掃込み部は、前記表側を向く底面と、該底面から突設され、前記ホルダ部の係合穴に挿抜自在に嵌合される係合凸部とを有していて、該係合凸部の頂面は、磁石の吸着面で形成されており、前記箒及び塵取りを相互に結合させて、前記掃込み部の係合凸部を前記ホルダ部の係合穴に対して前記第1面側から前記第2面側に向けて嵌合させた状態において、前記係合凸部の頂面が、前記ホルダ部の第2面と同一平面上にあるか、又は、該ホルダ部の第2面よりも突出していることを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記塵取りの掃込み部における前記持ち手と逆側の先端には、前記底面の先端縁によって形成された掃込み口が設けられていることが好ましい。
【0008】
前記塵取りの掃き込み部は、前記底面における幅方向の両端から立設された一対の側面をさらに有しており、前記係合凸部の頂面は、前記一対の側面の高さ方向の先端縁を含んで前記軸線と平行を成す平面上にあるか、又は、該平面よりも突出していることでもよい。この場合、前記係合凸部の頂面は、前記平面と平行を成していてもよく、または、前記塵取りにおける前記持ち手の凹部の開口縁は、前記平面上にあってもよい。
【0009】
本発明において、前記塵取りにおける前記持ち手の凹部内には、前記箒における前記柄部の先端部を収容した状態において、前記柄部を前記凹部内に係止する係止部が設けられていると好ましい。
【0010】
また、前記箒と前記塵取りとを結合させた状態において、前記箒の係合穴の形状と前記塵取りの係合凸部の形状は、前記軸線に関して幅方向に対称を成していると好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、箒と塵取りとを結合した状態で、磁性体から成る壁面に磁石により着脱自在に取り付けることが可能な塵取り付き箒において、塵取りの係合凸部を箒の係合穴に嵌合させた状態で、該係合凸部の磁石から成る頂面を前記壁面に吸着させることが出来るように構成したため、前記壁面に取り付けての収納時に塵取りと箒とが相互に分離してしまうのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る塵取り付き箒における箒と塵取りとが一体に結合された状態を示す平面図である。
【
図5】
図4における塵取りに形成された係合凸部周辺を示す要部拡大図である。
【
図6】柄部の先端部に取り付けられたジョイント部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係る塵取り付き箒について
図1-
図16を用いて説明する。前記塵取り付き箒1は、掃き用の箒2と、該箒2が分離自在なるように結合される集塵用の塵取り3とを有し、清掃時には、箒2と塵取り3とを分離して使用し、不使用時には、前記箒2を塵取り3に取付けて両者一体のまま保管するものである。
【0014】
図1-
図4に示すように、塵取り付き箒1は、軸線L方向に延びる棒状の柄部4の先端に、扁平に形成された払拭体5を取り付けて成る前記箒2と、表側に開口して前記柄部4の先端部を収容可能な凹部7が形成された持ち手6、及び、該持ち手6の先端に連結されて、前記表側に開口する凹状に形成されて前記払拭体5を収容可能な掃込み部8を備えた前記塵取り3を有している。前記塵取り付き箒1は、不使用時に、前記箒2の柄部4の先端部及び払拭体5を、前記塵取り3の持ち手6の凹部7及び掃込み部8にそれぞれ収容することで、これら箒2と塵取り3を相互に結合させた状態で収納することが可能に構成されている。この塵取り付き箒1は、前記箒2と塵取り3との結合状態において、箒2の軸線と塵取り3の軸線とが同軸上、即ち軸線L上にある。
【0015】
以下、塵取り付き箒1の具体的構造について、他の図も参照しながら説明することとする。なお、説明の便宜上、箒2については柄部4を上側に配した姿勢で使用するのが一般的な使い方であることから、前記軸線Lに沿った方向を上下方向とし、柄部4側を上方、その逆側の払拭体5側を下方と記述することがある。
【0016】
先ず、前記箒2について具体的に説明する。
前記柄部4は、合成樹脂又は金属等の硬質素材によって棒状に形成されているものであり、軸線L方向の基端側にグリップ9が設けられ、先端側に前記払拭体5が取り付けられている。前記柄部4は、前記グリップ9を有する第1柄部4aと、前記第1柄部4aよりも小径の第2柄部4bとを有している。これら第1柄部4a及び第2柄部4bは中空を成し、第2柄部4bが第1柄部4a内に挿入されて、第1柄部4aと第2柄部4bとが軸線L方向に相対動可能に形成されており、それにより、前記柄部4がテレスコピック式に伸縮する。なお、柄部4は、公知のストッパにより、第1柄部4aと第2柄部4bとの相対動を可能にしたり不可能にしたりできる。
【0017】
前記柄部4の第2柄部4bの先端部には、払拭体5を取り付けるためのジョイント部材10が連結されている。
図6-
図8に示すように、前記ジョイント部材10は、前記軸線L方向の両端に第1端10aと第2端10bとを有する筒形を成し、第1端10a側(柄部4側)には、その内周面に前記第2柄部4bの外周面が嵌合された柄取付部11が設けられている。前記柄取付部11は、その外周面及び内周面を貫通するネジ挿通孔11aを有し、該ネジ挿通孔11aを通じてネジ11bが第2柄部4bの先端部に固定されている。
【0018】
また、前記ジョイント部材10は、第2端10b側に前記柄取付部11よりも小径のホルダ取付部12を有している。前記ホルダ取付部12は、前記払拭体5の上端部に設けられた筒形の接続部13が接続されるものであり、ホルダ取付部12の外周面に該接続部13の内周面が嵌合される。
【0019】
前記ホルダ取付部12について詳述すると、該ホルダ取付部12は、その外周面から内周面を貫通するU字形のスリット14と、該スリット14の内側部分に形成され、径方向に弾性変形可能な舌状の操作部15とを有し、該スリット14は、凹側を前記第2端10b側に向けた形状を有している。前記操作部15は、前記第2端10b側の基端部において片持ち状に支持されており、自由端側の先端部に設けられた係合釦15aを押圧すると、基端部を支点に径方向内側に弾性的に倒伏し、その押圧を解除すると、径方向外側に弾性復帰するように構成されている。
図1及び
図2に示すように、前記ホルダ取付部12に前記接続部13が嵌合された状態(ジョイント部材10に払拭体5が固定された状態)では、前記操作部15の係合釦15aが、接続部13に開設された釦孔13aに係合されている。前記係合釦15aを押圧すると釦孔13aとの係合が解除されるため、前記払拭体5を取り外すことができ、該払拭体5が汚れたときに交換することが可能である。
【0020】
なお、前記ホルダ取付部12の外周面には、前記第2端10bから第1端10aに向けて延びるガイド溝12aが、周方向で180度異なる位置にそれぞれ設けられている。ガイド溝12aは、前記接続部13の内周面に設けられた軸線L方向に延びる不図示のガイド突条部に係合されている。これにより、ホルダ取付部12と接続部13との軸線L回りに相対回転するのが規制され、前記ジョイント部材10(即ち柄部4)に払拭体5がしっかりと固定されると共に、ジョイント部材10に接続部13を取り付ける際の、ガイド機能を発揮するように成っている。
【0021】
前記払拭体5について説明する。
前記払拭体5は、前記柄部4に連結されたホルダ部16と、該ホルダ部16の内部に一端側が保持されて、その他端側が該ホルダ部16から外部に延設された穂体17とを有している。
【0022】
図9、
図10に示すように、前記ホルダ部16は、前記接続部13と、該接続部13の下端部に連なるホルダ本体18とを有している。
前記ホルダ本体18は、下方に向かって先広がり状に広がる形状を成している。具体的に、前記ホルダ本体18は、幅方向の一端側の第1側端部19と他端側の第2側端部20とが、軸線Lに対して同じ角度で傾斜して穂体17に向けて延びていると共に、第1側端部19の先端が第2側端部20の先端よりも柄部4側に位置している。
【0023】
また、前記ホルダ本体18の下端部には、前記穂体17を保持する保持部21が設けられている。前記保持部21は、前記第1側端部19の先端側に連なって、斜め下方に向けて傾斜する傾斜部21aと、傾斜部21aの下端側に連なり、緩やかな弧状を成して第2側端部20の先端側に連なる弧状部21bとを有している。なお、前記傾斜部21aの下端部は、幅方向において前記軸線Lよりも第2側端部20側に位置し、よって、該傾斜部21aの幅方向長さが、前記弧状部21bの幅方向長さよりも長くなっている。
【0024】
前記ホルダ本体18は、塵取り3に箒2を取り付けたときに塵取り3側(内側)を向く第1面18aと、該第1面18aに背向して塵取り3とは逆側(外側)を向く第2面18bとを有している。また、ホルダ本体18には、第1面18aから第2面18bに向けて厚さ方向に貫通する係合穴22が開設されている。前記係合穴22は、二等辺三角形の平面形状を有し、その底辺部22aが穂体17側を向き、底辺部22aから柄部4側に向けて延びる2つの斜辺部22b,22bが、ホルダ本体18の第1側端部19と第2側端部20の傾斜に沿って延設されている。なお、前記係合穴22の三角形の3つの頂部は丸められていて、底辺部22aと斜辺部22b,22bとが滑らかに連なっている。前記底辺部22a、斜辺部22b,22bにおける前記第1面18a側、及び、第2面18b側の開口縁は面取り加工されている。
【0025】
前記穂体17は、合成樹脂製の繊維の複数本が円柱状に束ねられて繊維束ユニット17aの形にまとめられ、この繊維束ユニット17aが、前記ホルダ本体18の保持部21に複数植設されている。繊維束ユニット17aは、ホルダ本体18の厚さ方向に3列設けられていて、前記保持部21から下方に向けて次第に先広がりをなすように延びていると共に、前記軸線Lに対して斜めに切り揃えられている。具体的に、前記繊維束ユニット17aは、前記ホルダ本体18の傾斜部21aの傾斜角度と同じ傾斜角度に切り揃えられると共に、最も第2側端部20側に植設された繊維束ユニット17aの穂先が最も下方に位置し、最も第1側端部19に植設された繊維束ユニット17aの穂先が最も上方に位置している。
【0026】
次に、前記塵取り3について説明する。
前記持ち手6は、前記柄部4の先端部に設けられた前記ジョイント部材10、及び、払拭体5における前記接続部13が収容される部分であって、
図11-
図15に示すように、表側を向く底片6aと、この底片6aの幅方向の両側から立ち上がる一対の側片6b,6bとを有し、これら底片6aと側片6b,6bとにより前記凹部7が形成されている。
【0027】
また、前記持ち手6の凹部7内には、前記柄部4の先端部を収容した状態で、該柄部4を凹部7内に係止する係止部23が設けられている。この係止部23は、前記一対の側片6b,6bの高さ方向のそれぞれの先端縁(凹部7の開口縁)6c,6c側から、互いに対峙するように内向きに突設された突起23a,23aを有している。なお、この係止部23は、軸線L方向に間隔をあけた2カ所に設けられ、軸線L方向の一端側に配された突起23aが、柄部4の先端部(ジョイント部材10)の外周面に対して弾力的に係止され、軸線L方向の他端側に配された突起23aが、払拭体5の接続部13の外周面に対して弾力的に係止される。
【0028】
前記掃込み部8は、前記箒2の払拭体5が完全に収納される程度の幅方向長さと軸線L方向長さを有するもので、前記表側を向く底面8aと、該底面8aにおける幅方向の両端から立ち上がった一対の側面8b,8bとを有している。前記掃込み部8の底面8aは、前記持ち手6の底片6aに連設されていて、該掃込み部8の側面8b,8bのそれぞれは、前記持ち手6の側片6b,6bのそれぞれに連設されている。
【0029】
前記掃込み部8の側面8b,8bは、基端側から先端側に向かうに従い互いに離間するように延びていて、それに伴い、底面8aにおける幅方向長さが徐々に長くなっている。前記底面8aと側面8b,8bとで形成された表側に開口する凹部が、床面等の被清掃面に落ちた塵を収容する塵収容部24として構成され、該塵収容部24を形成する前記底面8aは裏側に向けて凸を成して湾曲している。
【0030】
また、前記掃込み部8は、前記底面8aの先端縁によって形成された掃込み口25を有している。前記掃込み口25は、清掃時に被清掃面に突き当てられる部位であって、この掃込み口25を介して、被清掃面上に落ちた塵が塵収容部24まで掃き込まれるように成っている。前記掃込み口25は、前記塵収容部24の底面8aに連なり、前記底面8aの先端縁に向けて表側に上り勾配状に傾斜する第1斜面部25aと、第1斜面部25aの先端部に連なり、先端縁に向けて裏側に下り勾配状に傾斜する第2斜面部25bとを有しており、該第2斜面部25aを通じて塵収容部24まで塵が掃き込まれる。なお、前記第1斜面部25aは、前記塵収容部24と第2斜面部25bとの間に段部を形成する面であり、該第1斜面部25aが設けられていることで、塵収容部24内に収容された塵が第2斜面部25bから零れ落ち難く成っている。
【0031】
さらに、前記掃込み部8は、前記底面8aから突設され、前記ホルダ部16の係合穴22に挿抜自在に嵌合される係合凸部26を有している。この係合凸部26は、前記掃込み部8の基端部側(持ち手6側)に設けられた二等辺三角形の平面形状を有し、底辺部26aが前記掃込み口25側を向き、該底辺部26aから持ち手6側に向けて延びる2つの斜辺部26b,26bが、前記掃込み部8の一対の側面8b,8bの傾斜に沿って延設されている。
【0032】
前記係合凸部26は、突出方向(高さ方向)の先端側に向かって先細り形状を成している。前記係合凸部26の三角形の各頂部はそれぞれ丸められていて、前記底辺部26a及び斜辺部26b,26bが滑らかに連なっている。なお、前記係合凸部26は、持ち手6に近い部分に設けられているため、前記塵収容部24のスペースを大きく奪わず、また、該係合凸部26が障壁と成って、塵収容部24に収容された塵が、該持ち手6の軸線L方向の基端部の開口から零れ落ち難く成っている。
【0033】
前記係合凸部26の高さ方向の先端部には、二等辺三角形状の窪み27が形成されていて、この窪み27には、該窪み27と同じ平面視形状の二等辺三角形状の磁石28が嵌め込まれている。前記磁石28は、薄板状を成していて、板厚方向の一方側の面(吸着面28a)を外部に露出させた状態で、他方側の面を前記窪み27に接着等の接合手段で取り付けられていることで、係合凸部26に磁石28が一体的に接合されている。なお、前記吸着面28aは、該係合凸部26の頂面として機能する部分であることから、以降の説明では、該吸着面28aを、係合凸部26の「頂面28a」と称することとする。この係合凸部26の頂面28aは、磁性を有する冷蔵庫の筐体や、玄関ドアの板面等の平らな壁面に磁気吸着させることができる。
【0034】
前記箒2と前記塵取り3とを相互に結合させた状態において、前記箒2の係合穴22の形状と前記塵取り3の係合凸部26の形状は、前記軸線Lに関して幅方向に対称を成している。よって、ホルダ部16の表裏面を180度反転させた場合においても、塵取り3側を向く第1面18aと外側を向く第2面18bとが入れ替えられて、前記係合凸部26及び係合穴22を嵌合させることが可能であるため、ホルダ部16の表裏面の向きを気にすることなく、箒2を塵取り3に取り付けることができる。なお、前記係合穴22に係合凸部26を嵌合させることで、塵取り3に対する箒2の取り付け位置が位置決めされるため、これら箒2と塵取り3とを簡単に一体化させることができる。
【0035】
また、前記のように箒2と塵取り3を相互に結合させ、前記掃込み部8の係合凸部26を前記ホルダ部16の係合穴22に対して、第1面18a側から第2面18b側に向けて嵌合させた状態においては、該係合凸部26の頂面28aが、前記ホルダ部16の前記第2面18bよりも突出するように構成されていて、不使用時、壁面に前記頂面28aを接触させて吸着させることができるように成っている。
【0036】
図5、
図14に示すように、前記頂面28aは、前記掃込み部8における一対の側面8b,8bの高さ方向の先端縁8c,8cを含んで前記軸線Lと平行を成す平面Pよりも突出して形成されている。また、前記持ち手6の凹部7の開口縁6c,6cは、前記平面P上にあり、前記側面8b,8bの先端縁8c,8cと高さ方向において同一面上にある。よって、前記係合凸部26が係合穴22に嵌合された状態にあるとき、該係合凸部26の頂面28aが、高さ方向において最も上方に位置している。
【0037】
また、前記頂面28aは、前記平面Pと平行を成している。よって、前記頂面28aを壁面に吸着させたときには、凹部7の開口縁6c,6c、及び、掃込み部8の側面8b,8bの先端縁8c,8cが、平面Pから該頂面28aまでの突出量だけ壁面から離間した状態で、壁面に対して平行に取り付けられる。
【0038】
前記塵取り付き箒1においては、清掃時には、前記箒2と塵取り3とを分離させて清掃を行い、不使用時には、箒2と塵取り3とを両者一体のまま壁面に取り付けて保管(収納)する。前記箒2を塵取り3に取り付ける際、塵取り3の係合凸部26を箒2の係合穴22に対して、第1面18a側から第2面18b側に向けて嵌合させる。そうすると、前記係合凸部28の頂面28aは、前記係合穴22を通じて前記第2面18b側から突出するので、該頂面28aを壁面に吸着させて該壁面に取り付けることができる。そして、前記壁面に取り付けての収納時においては、係合凸部26の頂面28aが、係合穴22を通じて壁面に吸着された状態で、箒2が、壁面と該壁面に吸着された塵取り3との間に保持されるため、塵取り3と箒2とが相互に分離してしまうのを防止することが可能となる。
【0039】
なお、本実施形態では、前記塵取り3の係合凸部26を、箒2の係合穴22に前記第1面側から第2面18b側に嵌合させた状態で、該係合凸部26の頂面28aが、第2面18bよりも突出されているが、壁面に頂面28aを吸着させることができれば、該第2面18bと同一平面上にあってもよい。また、該係合凸部26の頂面28aが、側面8bの高さ方向の先端縁8cを含む前記平面Pよりも突出されているが、前記と同様に壁面に頂面28aを吸着させることができれば、前記平面Pと同一面上にあってもよい。
【0040】
前記係合凸部26及び係合穴22は、二等辺三角形の平面形状を有しているが、これら係合凸部26が係合穴22に対して嵌合できれば、例えば、矩形や円形等の平面形状を成していてもよい。また、これら係合凸部26及び係合穴22は、ぴったりと隙間なく嵌合させる必要はなく、若干の遊びを持たせて嵌合させるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 塵取り付き箒
2 箒
3 塵取り
4 柄部
5 払拭体
6 持ち手
6c 先端縁(開口縁)
7 凹部
8 掃込み部
8a 底面
8b 側面
8c 先端縁
16 ホルダ部
17 穂体
22 係合穴
25 掃込み口
26 係合凸部
28 磁石
28a 吸着面(頂面)
L 軸線
P 平面