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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049915
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/04 20060101AFI20240403BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H02K9/04 Z
H02K1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156430
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 学
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601DD01
5H601DD11
5H601GA22
5H601GE11
5H609PP02
5H609PP07
5H609QQ02
5H609RR36
5H609RR42
5H609RR63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロータの冷却性能をより高めるために、導入された空気をより効率良く流す。
【解決手段】回転電機10のロータコア28は、冷却通路36を有する。冷却通路36は、ロータコア28の第1端面281で開口する上流端と、ロータコア28の第2端面281で開口する下流端とを有する。回転電機10は、ロータ14の軸方向と周方向との間で気体の流れ方向を変換する整流構造90をさらに備える。整流構造90は、ロータ14に対して軸方向に向かい合うようにケーシング20内の非回転部位に固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、前記シャフトに固定されたロータと、前記ロータを囲むステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するケーシングとを備え、前記ケーシング内を流れる気体によって冷却対象部を冷却する回転電機であって、
前記ロータは、前記シャフトに支持されたロータコアを有し、
前記ロータコアは、前記ロータコアの軸方向の一端面である第1端面から他端面である第2端面まで連通した冷却通路を有し、前記冷却通路には前記気体が流れ、
前記冷却通路は、前記第1端面で開口する上流端と、前記第2端面で開口する下流端とを有し、
前記回転電機は、前記ロータの軸方向と周方向との間で前記気体の流れ方向を変換する整流構造を備え、
前記整流構造は、前記ロータに対して前記軸方向に向かい合うように前記ケーシング内の非回転部位に固定される、回転電機。
【請求項2】
請求項1記載の回転電機において、
前記整流構造は、前記冷却通路の前記上流端に向かい合う入口側整流部材を有し、
前記入口側整流部材は、前記軸方向の流れを前記周方向に変換する複数の入口側フィンを有する、回転電機。
【請求項3】
請求項1記載の回転電機において、
前記整流構造は、前記冷却通路の前記下流端に向かい合う出口側整流部材を有し、
前記出口側整流部材は、前記周方向の流れを前記軸方向に変換する複数の出口側フィンを有する、回転電機。
【請求項4】
請求項1記載の回転電機において、
前記整流構造は、前記冷却通路の前記上流端に向かい合う入口側整流部材と、前記冷却通路の前記下流端に向かい合う出口側整流部材とを有し、
前記入口側整流部材は、前記軸方向の流れを前記周方向に変換する複数の入口側フィンを有し、
前記出口側整流部材は、前記周方向の流れを前記軸方向に変換する複数の出口側フィンを有する、回転電機。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記非回転部位は、前記ステータであり、
前記整流構造が前記ステータの内周面に固定される、回転電機。
【請求項6】
請求項5記載の回転電機において、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアから前記軸方向に突出したコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆う環状のモールド部とを有し、
前記整流構造が前記モールド部の内周面に嵌合される、回転電機。
【請求項7】
請求項2又は4記載の回転電機において、
前記ケーシングの一端側に配置された第1軸受と、前記ケーシングの他端側に配置された第2軸受とにより、前記シャフトが回転可能に支持され、
前記ロータコアの前記第1端面は、前記第1軸受と前記第2端面との間に配置され、
前記ロータコアの前記第2端面は、前記第2軸受と前記第1端面との間に配置され、
前記入口側整流部材は、前記第1軸受と前記第1端面との間に配置される、回転電機。
【請求項8】
請求項3又は4記載の回転電機において、
前記ケーシングの一端側に配置された第1軸受と、前記ケーシングの他端側に配置された第2軸受とにより、前記シャフトが回転可能に支持され、
前記ロータコアの前記第1端面は、前記第1軸受と前記第2端面との間に配置され、
前記ロータコアの前記第2端面は、前記第2軸受と前記第1端面との間に配置され、
前記出口側整流部材は、前記第2軸受と前記第2端面との間に配置される、回転電機。
【請求項9】
請求項2又は4記載の回転電機において、
前記ロータは、前記ロータコアの前記第1端面に配置された保持部材を有し、
前記保持部材は、前記冷却通路に連通した入口側貫通孔を有し、前記入口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、
前記複数の入口側フィンが前記入口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の入口側フィンの径方向の長さが設定されている、回転電機。
【請求項10】
請求項3又は4記載の回転電機において、
前記ロータは、前記ロータコアの前記第2端面に配置された保持部材を有し、
前記保持部材は、前記冷却通路に連通した出口側貫通孔を有し、前記出口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、
前記複数の出口側フィンが前記出口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の出口側フィンの径方向の長さが設定されている、回転電機。
【請求項11】
請求項4記載の回転電機において、
前記ロータは、前記ロータコアの前記第1端面に配置された第1保持部材と、前記ロータコアの前記第2端面に配置された第2保持部材とを有し、
前記第1保持部材は、前記冷却通路に連通した入口側貫通孔を有し、前記入口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、
前記第2保持部材は、前記冷却通路に連通した出口側貫通孔を有し、前記出口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、
前記複数の入口側フィンが前記入口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の入口側フィンの径方向の長さが設定され、
前記複数の出口側フィンが前記出口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の出口側フィンの前記径方向の長さが設定され、
前記径方向における前記入口側貫通孔と前記シャフトの中心軸線との最短距離と、前記径方向における前記出口側貫通孔と前記中心軸線との最短距離とが異なり、
前記複数の入口側フィンの前記径方向の長さと、前記複数の出口側フィンの前記径方向の長さとが異なる、回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機が発熱して高温になると損失が大きくなり、効率が低下するため、回転電機を冷却することが望ましい。例えば、下記特許文献1では、回転電機のロータを冷却するために、ロータに一体的に通風ファンが設けられる。通風ファンの羽根によりケーシング内に対流を発生させ、ロータを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-35584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロータの冷却性能をより高めるために、導入された空気をより効率良く流すことが望まれる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、シャフトと、前記シャフトに固定されたロータと、前記ロータを囲むステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するケーシングとを備え、前記ケーシング内を流れる気体によって冷却対象部を冷却する回転電機であって、前記ロータは、前記シャフトに支持されたロータコアを有し、前記ロータコアは、前記ロータコアの軸方向の一端面である第1端面から他端面である第2端面まで連通した冷却通路を有し、前記冷却通路には前記気体が流れ、前記冷却通路は、前記第1端面で開口する上流端と、前記第2端面で開口する下流端とを有し、前記回転電機は、前記ロータの軸方向と周方向との間で前記気体の流れ方向を変換する整流構造を備え、前記整流構造は、前記ロータに対して前記軸方向に向かい合うように前記ケーシング内の非回転部位に固定される、回転電機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ケーシング内を流れる気体を整流構造により整流することで、冷却通路に効率的に気体を流すことができるため、ロータの冷却性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る回転電機の全体概略図である。
図2図2は、ロータコアを構成する電磁鋼板の平面図である。
図3図3は、第1保持部材の平面図である。
図4図4Aは、第1保持部材の断面斜視図である。図4Bは、図3におけるIVB-IVB線に沿った断面図である。
図5図5Aは、第2保持部材の平面図である。図5Bは、図5AにおけるVB-VB線に沿った断面図である。
図6図6は、入口側整流部材の斜視図である。
図7図7は、出口側整流部材の斜視図である。
図8図8は、回転電機を備えたプロペラ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示す回転電機10は、電動モータ又は発電機である。回転電機10の用途は特に限定されるものではなく、二輪、四輪等の車両や航空機、船舶等にも用いられる。回転電機10が電動モータである場合、例えば、回転電機10は、航空機等の飛翔体のプロペラ106(図8参照)を駆動するための動力源として使用され得る。回転電機10は、回転可能に支持されたシャフト12と、シャフト12に固定されたロータ14と、ロータ14を囲むステータ16とを有する。回転電機10は、シャフト12、ロータ14及びステータ16を収容するケーシング20をさらに有する。
【0010】
シャフト12は、回転電機10の軸線AX上に配置されている。軸線AXは、シャフト12の中心軸線である。シャフト12は、ケーシング20の一端部と他端部とにそれぞれ配置された第1軸受24及び第2軸受26によって、回転可能に支持されている。シャフト12の一端には、例えば変速機102(図8参照)を介して負荷(例えば、プロペラ106)が連結される。シャフト12は、変速機102を介さずに直接、負荷に連結されてもよい。
【0011】
シャフト12とロータ14とは一体的に回転する。ロータ14は、シャフト12に支持されたロータコア28と、ロータコア28に固定された複数の磁石30とを有する。ロータコア28は、ロータ14の軸方向に積層された複数の電磁鋼板32を有する。ロータコア28は、複数の電磁鋼板32が積層されてなる積層体である。ロータコア28は、中心孔280を有する円筒形状である。ロータコア28の中心孔280にシャフト12が挿入されている。
【0012】
ロータコア28は、軸方向に離間した第1端面281と第2端面282とを有する。ロータコア28の第1端面281は、第1軸受24と第2端面282との間に配置される。ロータコア28の第2端面282は、第2軸受26と第1端面281との間に配置される。ロータコア28は、第1端面281から第2端面282まで連通した冷却通路36を有する。複数の電磁鋼板32に形成された孔部320が互いに連なることで、冷却通路36が形成されている。冷却通路36は、磁石30よりもロータ14の径方向内側に形成されている。
【0013】
図2に示すように、各電磁鋼板32は、周方向に間隔を置いて形成された複数の孔部320を有する。従って、ロータコア28は、周方向に間隔を置いて形成された複数の冷却通路36を有する。図2において、孔部320は三角形状に形成されているが、孔部320の形状は特に限定されず、他の形状(長方形状、台形状)でもよい。
【0014】
図1に示す本実施形態では、複数の電磁鋼板32は、1枚単位で又は複数枚単位で、所定角度ずつ周方向の位相がずれて配置されている。このため、複数の電磁鋼板32に形成された孔部320が連なることで、冷却通路36が軸線AXを中心とする螺旋状に形成されている。このように冷却通路36が螺旋状に延びるため、ロータコア28の回転により冷却通路36には旋回流が発生する。
【0015】
図2に示すように、ロータコア28(電磁鋼板32)の外周部に複数の磁石30が周方向に互いに間隔を置いて配置されている。ロータコア28(電磁鋼板32)の外周部は、周方向に互いに間隔を置いて形成された複数の磁石装着孔283を有する。複数の磁石装着孔283は、複数の孔部320よりも径方向外側に形成されている。複数の磁石装着孔283にそれぞれ複数の磁石30が挿入されている。磁石30は、永久磁石である。
【0016】
図1に示すように、ロータ14は、回転電機10の軸方向においてロータコア28の一端側に配置された第1保持部材41と、ロータコア28の他端側に配置された第2保持部材42とをさらに有する。
【0017】
第1保持部材41は、ロータコア28の第1端面281に当接する。第1保持部材41は、ロータコア28と向かい合う内面411と、内面411とは反対側の外面412を有し、内面411がロータコア28に当接する。第1保持部材41の中心部に形成された第1挿通孔413にシャフト12が挿通されている。第1保持部材41の内周部は、シャフト12に固定された係止リング44によって係止されている。
【0018】
第2保持部材42は、ロータコア28の第2端面282に当接する。第2保持部材42は、ロータコア28と向かい合う内面421と、内面421とは反対側の外面422を有し、内面421がロータコア28に当接する。第2保持部材42の中心部に形成された第2挿通孔423にシャフト12が挿通されている。第2保持部材42の内周部は、シャフト12に形成された環状係止突起46によって係止されている。第1保持部材41と第2保持部材42との間にロータコア28が保持されることで、シャフト12に対してロータコア28が軸方向に位置決めされている。
【0019】
図3に示すように、第1保持部材41は、円環状に形成されている。第1保持部材41は、軸方向に沿ってロータ14の外側に突出した突起部50を有する(図1も参照)。第1保持部材41は、平板円環状のベースプレート部48を有する。ベースプレート部48から突起部50が軸方向に突出している。複数の突起部50が周方向に互いに間隔を置いて配置されている。図3において、複数の突起部50は、周方向に等間隔に配置されている。
【0020】
図1に示すように、第1保持部材41は、冷却通路36に連通した入口側貫通孔52を有する。ロータ14の回転時に、第1保持部材41は、入口側貫通孔52を介して冷却通路36に冷却用の気体(空気)を導入する。図3に示すように、第1保持部材41において、複数の入口側貫通孔52が周方向に間隔を置いて形成されている。入口側貫通孔52は、管状通路である。複数の入口側貫通孔52は、複数の突起部50にそれぞれ形成されている。
【0021】
図4Aに示すように、突起部50は、突端面501と、ロータ14の回転方向Rにおける前方を向く端面(以下、「回転前方端面502」という)とを有する。入口側貫通孔52は、突起部50の突端面501と回転前方端面502とに開口する。
【0022】
図4Bに示すように、入口側貫通孔52は、ロータ14の軸線AX(図1参照)に対して傾斜する。入口側貫通孔52は、突起部50に、入口側貫通孔52が軸線AXに対して連続して傾斜するように形成されている。入口側貫通孔52は、第1保持部材41の外面412から内面411に向かって、ロータ14の回転方向Rと逆方向に傾斜する。
【0023】
このような入口側貫通孔52を形成する方法の一例を説明する。例えば、第1保持部材41の素材に対して切削工具54(ドリル等)を図4BにおけるA1方向(第1保持部材41の厚み方向に対して傾斜する方向)に移動させて、貫通孔を形成する。次に、貫通孔の鋭利なエッジを除去するために、切削工具54をA2方向とA3方向(第1保持部材41の厚み方向)に順に移動させて、エッジを削り取る。A2方向とA3方向の加工の順序は逆でもよい。
【0024】
入口側貫通孔52は、突起部50の外表面で開口する上流端開口521と、第1保持部材41の内面411で開口する下流端開口522とを有する。
【0025】
図3に示すように、ロータ14の径方向において入口側貫通孔52の上流端開口521が下流端開口522よりも外側に配置されるように、入口側貫通孔52はロータ14の周方向に対して傾斜している。
【0026】
図1に示すように、第2保持部材42は、平板形状に形成されている。第2保持部材42は、冷却通路36に連通した出口側貫通孔60を有する。第2保持部材42は、ロータ14の回転時に、出口側貫通孔60を介して冷却通路36から気体を排出する。出口側貫通孔60は、第2保持部材42の一端面(内面421)から他端面(外面422)まで貫通する。図5Aに示すように、第2保持部材42において、複数の出口側貫通孔60が周方向に間隔を置いて形成されている。出口側貫通孔60は、ロータ14の径方向に沿った長穴形状である。
【0027】
複数の出口側貫通孔60は、第2挿通孔423を中心に放射状に設けられている。本実施形態では、出口側貫通孔60の個数は、入口側貫通孔52(図3)の個数よりも多い。なお、出口側貫通孔60の個数は、入口側貫通孔52の個数と同じ、又はそれより少なくてもよい。複数の出口側貫通孔60の流路面積の合計は、複数の入口側貫通孔52の流路面積の合計よりも大きい。
【0028】
図5Bに示すように、出口側貫通孔60は、ロータ14の軸線AX(図1参照)に対して傾斜する。出口側貫通孔60は、第2保持部材42の内面421から外面422に向かって、ロータ14の回転方向Rと逆方向に傾斜する。出口側貫通孔60は、ロータ14の周方向において互いに向き合い且つロータ14の軸線AXに対して傾斜する傾斜内面601を有する。一方の傾斜内面601と他方の傾斜内面601とは互いに平行である。
【0029】
このような出口側貫通孔60を形成する方法の一例を説明する。例えば、第2保持部材42の素材に対して切削工具54(ドリル等)を図5BにおけるB1方向(第2保持部材42の厚み方向に対して傾斜する方向)に移動させて、貫通孔を形成する。次に、貫通孔の鋭利なエッジを除去するために、切削工具54をB2方向とB3方向(第2保持部材42の厚み方向)に順に移動させて、エッジを削り取る。B2方向とB3方向の加工の順序は逆でもよい。
【0030】
図1において、上記のように構成されたロータ14は、ロータ14の回転時に、入口側貫通孔52を介して冷却通路36に冷却用の気体(空気)を導入し、出口側貫通孔60を介して冷却通路36から気体を排出する。
【0031】
ステータ16は、中空円筒状に形成されており、ケーシング20の内周面に固定されている。ステータ16の内周面とロータ14の外周面との間には、軸方向に延在する環状空間が形成されている。この環状空間は、気体を流通させる気体流路17である。ステータ16は、ステータコア62と、ステータコア62に保持されたコイル64とを有する。コイル64は、ステータコア62に形成された複数のスロット63に挿通されている。コイル64は、ステータコア62の一端面621から軸方向に突出した第1コイルエンド部641と、ステータコア62の他端面622から軸方向に突出した第2コイルエンド部642とを有する。
【0032】
ステータ16は、第1コイルエンド部641と第2コイルエンド部642とを覆うモールド部を有する。具体的に、モールド部は、第1樹脂モールド71と第2樹脂モールド72とを有する。第1樹脂モールド71は、第1コイルエンド部641を覆い、ステータコア62の環状の一端面621に沿って配置されている。第1樹脂モールド71は、軸線AXを中心に周方向に延在する円環状に形成されている。第2樹脂モールド72は、第2コイルエンド部642を覆い、ステータコア62の環状の他端面622に沿って配置されている。第2樹脂モールド72は、軸線AXを中心に周方向に延在する円環状に形成されている。
【0033】
ケーシング20は、ステータ16を囲む円筒状の周壁部74と、ケーシング20の軸方向の一端部を構成する第1端壁部81と、ケーシング20の軸方向の他端部を構成する第2端壁部82とを有する。周壁部74には、螺旋状に延在する水冷流路76が形成されている。すなわち、周壁部74は、ウォータージャケット77を有する。ウォータージャケット77によりステータ16が冷却される。なお、回転電機10のステータ16の形態は限定されない。例えば、周壁部74が気体(空気)に晒されることで冷却される空冷方式が採用されてもよい。
【0034】
第1端壁部81は、ケーシング20内に冷却用の気体(空気)を導入する複数の流入口810を有する。第2端壁部82は、ケーシング20内から気体を排出する複数の流出口820を有する。気体は、例えば、回転電機10の外側に配置された送風装置(図8に示すファン108又はポンプ)により流入口810を介してケーシング20内に圧送され、ロータ14内の冷却通路36へと導入される。なお、ケーシング20に、以下のような気体の循環経路が構築されてもよい。循環経路では、例えば、冷却通路36から排出された気体がケーシング20内で例えばウォータージャケット77によって冷却されるとともに、冷却された気体が第1保持部材41の周囲空間へと戻るように構成される。
【0035】
回転電機10は、ケーシング20内で対流する気体の流れを整流する整流構造90をさらに備える。整流構造90は、ロータ14の径方向と軸方向との間で気体の流れを変換する。整流構造90は、ロータ14に対して軸方向に向かい合うようにケーシング20内の非回転部位に固定される。
【0036】
本実施形態では、非回転部位は、ステータ16である。なお、ステータ16に代えて、整流構造90が固定される非回転部位は、ケーシング20、又はケーシング20に固定される他の支持部材でもよい。ケーシング20が非回転部位である場合、ケーシング20の内壁から突出した支持部が追加され、あるいは、ケーシング20に支持されるための部位(例えば、延長部)が整流構造90自体に追加される。
【0037】
整流構造90は、冷却通路36の上流端に向かい合う入口側整流部材91と、冷却通路36の下流端に向かい合う出口側整流部材92とを有する。整流構造90がモールド部の内周面に嵌合される。具体的に、入口側整流部材91の外周部が第1樹脂モールド71の内周面に嵌合されることで、入口側整流部材91がステータ16に固定されている。出口側整流部材92の外周部が第2樹脂モールド72の内周面に嵌合されることで、出口側整流部材92がステータ16に固定されている。
【0038】
入口側整流部材91は、第1軸受24と、ロータコア28の第1端面281との間に配置される。入口側整流部材91は、軸線AXを中心とする周方向に延在する第1フレーム911と、第1フレーム911の内周面からシャフト12に向かって突出した複数の入口側フィン912とを有する。第1フレーム911の外周面が第1樹脂モールド71の内周面に保持される。
【0039】
図6に示すように、本実施形態において、第1フレーム911は、円筒状(円環状)に形成されている。なお、第1フレーム911は、周方向の一部が切り欠かれたC字状に形成されてもよい。
【0040】
複数の入口側フィン912は、第1フレーム911の内周面から径方向内方に突出するとともに、周方向に互いに等間隔で配置されている。複数の入口側フィン912は、軸方向の流れを周方向に整流(変換)する。複数の入口側フィン912の形状は、ロータ14に向かう気体の軸方向の流れをロータ14の回転方向Rへと変換するように形成されている。具体的に、各入口側フィン912は、ロータ14に近づくに従って軸方向から周方向へ向きを変えるように、湾曲する。
【0041】
図1に示すように、複数の入口側フィン912がロータ14の入口側貫通孔52と軸方向に向かい合うように、複数の入口側フィン912の径方向の長さが設定される。入口側フィン912の内端は、ロータ14の径方向における入口側貫通孔52の最も内側の位置(入口側貫通孔52のうち最も軸線AXに近い位置)と同じか、それよりも径方向内方に位置することが好ましい。
【0042】
ロータ14の回転時、ケーシング20内で入口側整流部材91に向かう気体は、入口側整流部材91によって軸方向から周方向(ロータ14の回転方向R)へと流れ方向が変更されて、旋回流となる。周方向に流れ方向が変更された気体は、第1保持部材41の入口側貫通孔52を介してロータコア28内の冷却通路36へと導入される。周方向に流れ方向が変更された気体の一部は、ロータ14とステータ16との間の気体流路17にも導入される。ロータ14が回転しているため、気体流路17に導入された気体は、旋回流のまま出口側整流部材92へと向かう。
【0043】
出口側整流部材92は、第2軸受26と、ロータコア28の第2端面282との間に配置される。出口側整流部材92は、軸線AXを中心とする周方向に延在する第2フレーム921と、第2フレーム921の内周面からシャフト12に向かって突出した複数の出口側フィン922とを有する。第2フレーム921の外周面が第2樹脂モールド72の内周面に保持される。
【0044】
図7に示すように、本実施形態において、第2フレーム921は、円筒状(円環状)に形成されている。なお、第2フレーム921は、周方向の一部が切り欠かれたC字状に形成されてもよい。
【0045】
複数の出口側フィン922は、第2フレーム921の内周面から径方向内方に突出するとともに、周方向に互いに等間隔で配置されている。複数の出口側フィン922は、周方向の流れを軸方向に変換する。複数の出口側フィン922は、冷却通路36及び気体流路17から流出する気体の流れ方向をロータ14の軸方向に整流(変換)する。複数の出口側フィン922の形状は、ロータ14及び気体流路17から流出する気体の流れを軸方向へと変換するように形成されている。具体的に、各出口側フィン922は、ロータ14から離れるに従って周方向から軸方向へ向きを変えるように、湾曲する。
【0046】
図1に示すように、複数の出口側フィン922がロータ14の出口側貫通孔60と軸方向に向かい合うように、複数の出口側フィン922の径方向の長さが設定される。出口側フィン922の内端は、ロータ14の径方向における出口側貫通孔60の最も内側の位置(出口側貫通孔60のうち最も軸線AXに近い位置)と同じか、それよりも径方向内方に位置することが好ましい。
【0047】
ロータ14の回転時、ロータコア28の冷却通路36を通過し、第2保持部材42の出口側貫通孔60を介してロータ14から排出された気体は、出口側整流部材92によって周方向(ロータ14の回転方向R)から軸方向へと流れ方向が変更される。また、旋回流の状態で気体流路17から排出された気体も、出口側整流部材92によって周方向から軸方向へと流れ方向が変更される。
【0048】
ロータ14の径方向における入口側貫通孔52とシャフト12の中心軸線(軸線AX)との最短距離L1と、径方向における出口側貫通孔60とシャフト12の中心軸線(軸線AX)との最短距離L2とが異なる。本実施形態では、距離L1は、距離L2よりも大きい。すなわち、ロータ14の径方向における入口側貫通孔52の最も内側部位は、出口側貫通孔60の最も内側部位よりも径方向外側に位置する。
【0049】
複数の入口側フィン912の径方向の長さLF1と、複数の出口側フィン922の径方向の長さLF2とが異なる。本実施形態では、距離L1が距離L2よりも大きいため、複数の入口側フィン912の径方向の長さLF1が、複数の出口側フィン922の径方向の長さLF2よりも短い。
【0050】
なお、本実施形態では、整流構造90は、入口側整流部材91と出口側整流部材92の両方を有するが、入口側整流部材91と出口側整流部材92の一方のみを有してもよい。第1保持部材41に設けられる入口側貫通孔52は、軸線AXに対して傾斜する孔ではなく、軸線AXと平行に第1保持部材41を貫通する孔でもよい。第2保持部材42に設けられる出口側貫通孔60は、軸線AXに対して傾斜する孔ではなく、軸線AXと平行に第2保持部材42を貫通する孔でもよい。
【0051】
図8に示すように、回転電機10は、プロペラ装置100に適用され得る。なお、回転電機10は、プロペラ装置100に限らず、他の装置の動力源として用いることができる。プロペラ装置100は、回転電機10と、回転電機10に取り付けられた変速機102と、回転電機10及び変速機102を収容する収容部104と、変速機102に連結されたプロペラ106とを備える。
【0052】
プロペラ装置100は、例えば、垂直離着陸型航空機に用いられる。そのため、プロペラ装置100の使用状態で回転電機10の軸線AXが上下方向を向くように、回転電機10が配置される。プロペラ装置100は、使用状態での回転電機10の軸線AXが略水平方向を向くように配置される構成であってもよい。
【0053】
回転電機10のシャフト12の下端には、収容部104内に気流を発生させるファン108が取り付けられている。変速機102は、例えば遊星歯車機構であり、回転電機10の上部に配置される。プロペラ106は、変速機102の出力軸に連結されたプロペラシャフト110と、プロペラシャフト110の上端に設けられたハブ112と、ハブ112から径方向外方に突出した複数のブレード114とを有する。
【0054】
本実施形態は、以下の効果を奏する。
【0055】
図1に示すように、回転電機10は、ロータ14の軸方向と周方向との間で気体の流れを変換する整流構造90を備えており、整流構造90は、ロータ14に対して軸方向に向かい合うようにケーシング20内の非回転部位に固定される。この構成により、ケーシング20内を流れる気体を整流構造90により整流することで、冷却通路36に効率的に気体を流すことができるため、ロータ14の冷却性能を高めることができる。
【0056】
整流構造90は、軸方向の流れを周方向に変換する複数の入口側フィン912を有する入口側整流部材91を備えるため、入口側整流部材91により、冷却通路36の流入側で気体の流れを整流することができる。
【0057】
整流構造90は、周方向の流れを軸方向に変換する複数の出口側フィン922を有する出口側整流部材92を備えるため、出口側整流部材92により、冷却通路36の流出側で気体の流れを整流することができる。
【0058】
整流構造90は、入口側整流部材91及び出口側整流部材92を有するため、入口側整流部材91により冷却通路36の流入側で気体の流れを整流し、出口側整流部材92により冷却通路36の流出側で気体の流れを整流することができる。これにより、冷却通路36に一層効率的に気体を流すことができる。
【0059】
非回転部位はステータ16であり、整流構造90がステータ16の内周面に固定されるため、特別な固定部材を用いることなく、ケーシング20内の非回転部位に整流構造90を配置することができる。
【0060】
整流構造90がモールド部(第1樹脂モールド71及び第2樹脂モールド72の一方又は両方)の内周面に嵌合されるため、モールド部の形状設計の自由度を活かして、嵌合による簡素な固定構造を採用することができる。
【0061】
入口側整流部材91が第1軸受24と第1端面281との間に配置されるため、入口側整流部材91をロータ14に近接して配置することができる。これにより、入口側整流部材91とロータ14との間の隙間での気体の滞留を抑制し、気体の流れを促進することができる。
【0062】
出口側整流部材92が第2軸受26と第2端面282との間に配置されるため、出口側整流部材92をロータ14に近接して配置することができる。これにより、出口側整流部材92とロータ14との間の隙間での気体の滞留を抑制し、気体の流れを促進することができる。
【0063】
第1保持部材41に設けられた傾斜した入口側貫通孔52により、ロータコア28内の冷却通路36への冷却用の気体の導入を促進するとともに、第2保持部材42に設けられた傾斜した出口側貫通孔60により、冷却通路36からの気体の排出を促進する。これにより、冷却通路36に効率的に気体を流すことができるため、ロータ14の冷却性能を高めることができる。
【0064】
複数の入口側フィン912が入口側貫通孔52と軸方向に向かい合うように、複数の入口側フィン912の径方向の長さが設定されている。この構成により、入口側フィン912と入口側貫通孔52との相乗効果により、冷却通路36における気体の流れを一層促進することができる。
【0065】
複数の出口側フィン922が出口側貫通孔60と軸方向に向かい合うように、複数の出口側フィン922の径方向の長さが設定されている。この構成により、出口側フィン922と出口側貫通孔60との相乗効果により、冷却通路36における気体の流れを一層促進することができる。
【0066】
径方向における入口側貫通孔52とシャフト12の中心軸線との最短距離L1と、径方向における出口側貫通孔60と中心軸線との最短距離L2とが異なり、複数の入口側フィン912の径方向の長さLF1と、複数の出口側フィン922の径方向の長さLF2とが異なる。入口側貫通孔52と出口側貫通孔60の径方向位置の違いに合わせて入口側フィン912の長さLF1と出口側フィン922の長さLF2とが異なるため、入口側整流部材91と出口側整流部材92とを設けることに伴う重量増大の影響を少なくすることができる。
【0067】
第1保持部材41は、軸方向に沿ってロータ14の外側に突出した突起部50を有する。図4Bに示すように、突起部50に、入口側貫通孔52が軸線AXに対して連続して傾斜するように形成されているため、冷却通路36への気体の流入を促進させることができる。
【0068】
図3に示すように、入口側貫通孔52は、突起部50の外表面に開口する上流端開口521と、ロータコア28に向かって開口する下流端開口522とを有する。ロータ14の径方向において、上流端開口521が下流端開口522よりも外側に配置されているため、導入される気体の流速を高めて、冷却通路36への気体の流入を一層促進させることができる。
【0069】
図5Bに示すように第2保持部材42は、平板形状に形成される。出口側貫通孔60は、ロータ14の周方向において互いに向き合い且つ軸線AXに対して傾斜する傾斜内面601を有する。この構成により、第2保持部材42の厚みを増大させることなく(突起部を設けることなく)、冷却通路36からの気体の排出を促進させることができる。従って、第2保持部材42の重量増大を抑制しながら、冷却効率を高めることができる。
【0070】
図1において、複数の出口側貫通孔60の流路面積の合計は、複数の入口側貫通孔52の流路面積の合計よりも大きい。この構成により、冷却通路36における気体の入口側で相対的に圧力を高め、気体の出口側で相対的に圧力を下げることで、入口側と出口側の圧力差を大きくし、冷却通路36での気体の流れを促進させることができる。
【0071】
入口側貫通孔52は、管状通路であり、ロータ14の周方向に間隔を置いて複数設けられる。出口側貫通孔60は、ロータ14の径方向に沿った長穴形状であり、周方向に間隔を置いて放射状に複数設けられる。この構成により、複数設けられた長穴形状の出口側貫通孔60によって冷却通路36からの排気効率が高められるため、管状通路である入口側貫通孔52での気体の流入を一層促進させることができる。
【0072】
ロータコア28は、軸方向に積層された複数の電磁鋼板32を有する。複数の電磁鋼板32に形成された孔部320が連なることで、冷却通路36が螺旋状に形成されている。この構成により、冷却通路36が螺旋状に形成されるため、ロータ14の回転時に、冷却通路36への気体の流入を促進させることができる。
【0073】
上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。
【0074】
上記の実施形態は、シャフト(12)と、前記シャフトに固定されたロータ(14)と、前記ロータを囲むステータ(16)と、前記ロータ及び前記ステータを収容するケーシング(20)とを備え、前記ケーシング内を流れる気体によって冷却対象部を冷却する回転電機(10)であって、前記ロータは、前記シャフトに支持されたロータコア(28)を有し、前記ロータコアは、前記ロータコアの軸方向の一端面である第1端面(281)から他端面である第2端面(282)まで連通した冷却通路(36)を有し、前記冷却通路には前記気体が流れ、前記冷却通路は、前記第1端面で開口する上流端と、前記第2端面で開口する下流端とを有し、前記回転電機は、前記ロータの軸方向と周方向との間で前記気体の流れ方向を変換する整流構造(90)を備え、前記整流構造は、前記ロータに対して前記軸方向に向かい合うように前記ケーシング内の非回転部位(16)に固定される、回転電機を開示する。
【0075】
前記整流構造は、前記冷却通路の前記上流端に向かい合う入口側整流部材(91)を有し、前記入口側整流部材は、前記軸方向の流れを前記周方向に変換する複数の入口側フィン(912)を有する。
【0076】
前記整流構造は、前記冷却通路の前記下流端に向かい合う出口側整流部材(92)を有し、前記出口側整流部材は、前記周方向の流れを前記軸方向に変換する複数の出口側フィン(922)を有する。
【0077】
前記整流構造は、前記冷却通路の前記上流端に向かい合う入口側整流部材と、前記冷却通路の前記下流端に向かい合う出口側整流部材とを有し、前記入口側整流部材は、前記軸方向の流れを前記周方向に変換する複数の入口側フィンを有し、前記出口側整流部材は、前記周方向の流れを前記軸方向に変換する複数の出口側フィンを有する。
【0078】
前記非回転部位は、前記ステータであり、前記整流構造が前記ステータの内周面に固定される。
【0079】
前記ステータは、ステータコア(62)と、前記ステータコアから前記軸方向に突出したコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆う環状のモールド部とを有し、前記整流構造が前記モールド部の内周面に嵌合される。
【0080】
前記ケーシングの一端側に配置された第1軸受(24)と、前記ケーシングの他端側に配置された第2軸受(26)とにより、前記シャフトが回転可能に支持され、前記ロータコアの前記第1端面は、前記第1軸受と前記第2端面との間に配置され、前記ロータコアの前記第2端面は、前記第2軸受と前記第1端面との間に配置され、前記入口側整流部材は、前記第1軸受と前記第1端面との間に配置される。
【0081】
前記ケーシングの一端側に配置された第1軸受と、前記ケーシングの他端側に配置された第2軸受とにより、前記シャフトが回転可能に支持され、前記ロータコアの前記第1端面は、前記第1軸受と前記第2端面との間に配置され、前記ロータコアの前記第2端面は、前記第2軸受と前記第1端面との間に配置され、前記出口側整流部材は、前記第2軸受と前記第2端面との間に配置される。
【0082】
前記ロータは、前記ロータコアの前記第1端面に配置された保持部材を有し、前記保持部材は、前記冷却通路に連通した入口側貫通孔(52)を有し、前記入口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、前記複数の入口側フィンが前記入口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の入口側フィンの径方向の長さが設定されている。
【0083】
前記ロータは、前記ロータコアの前記第2端面に配置された保持部材を有し、前記保持部材は、前記冷却通路に連通した出口側貫通孔(60)を有し、前記出口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、前記複数の出口側フィンが前記出口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の出口側フィンの径方向の長さが設定されている。
【0084】
前記ロータは、前記ロータコアの前記第1端面に配置された第1保持部材(41)と、前記ロータコアの前記第2端面に配置された第2保持部材(42)とを有し、前記第1保持部材は、前記冷却通路に連通した入口側貫通孔を有し、前記入口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、前記第2保持部材は、前記冷却通路に連通した出口側貫通孔を有し、前記出口側貫通孔は、前記ロータの軸線に対して傾斜し、前記複数の入口側フィンが前記入口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の入口側フィンの径方向の長さが設定され、前記複数の出口側フィンが前記出口側貫通孔と前記軸方向に向かい合うように、前記複数の出口側フィンの前記径方向の長さが設定され、前記径方向における前記入口側貫通孔と前記シャフトの中心軸線との最短距離と、前記径方向における前記出口側貫通孔と前記中心軸線との最短距離とが異なり、前記複数の入口側フィンの前記径方向の長さと、前記複数の出口側フィンの前記径方向の長さとが異なる。
【符号の説明】
【0085】
10…回転電機 12…シャフト
14…ロータ 20…ケーシング
28…ロータコア 36…冷却通路
90…整流構造 281…第1端面
282…第2端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8