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特開2024-49920スキャナー、プログラム、及び出力物の生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049920
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】スキャナー、プログラム、及び出力物の生産方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240403BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G03G21/00 386
G03G21/00 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156437
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂井 俊文
【テーマコード(参考)】
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2H270QA13
2H270QA23
2H270QA30
2H270QA43
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC05
5C062AC15
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】スキャンを所望の設定で即座に実行できるようにする。
【解決手段】スキャンの設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタン61と、第1ボタン61の近傍に表示され、第1の設定でスキャンを直ちに実行させる第2ボタン62と、第1ボタン61の近傍に表示され、第2の設定でスキャンを直ちに実行させる第3ボタン63と、を表示する表示装置10を備えるスキャナー。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンの設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタンと、
前記第1ボタンの近傍に表示され、第1の設定でスキャンを直ちに実行させる第2ボタンと、
前記第1ボタンの近傍に表示され、第2の設定でスキャンを直ちに実行させる第3ボタンと、を表示する表示装置を備える、
スキャナー。
【請求項2】
前記第1の設定は、自動原稿送り機構を用いたスキャンの設定であり、
前記第2の設定は、フラットベッドを用いたスキャンの設定である、
請求項1に記載のスキャナー。
【請求項3】
前記表示装置は、
前記自動原稿送り機構に原稿がセットされている場合は、前記第2ボタンを表示し、
前記自動原稿送り機構に原稿がセットされていない場合は、前記第2ボタンを表示しない、
請求項2に記載のスキャナー。
【請求項4】
前記表示装置は、
前記フラットベッドに原稿がセットされている場合は、前記第3ボタンを表示し、
前記フラットベッドに原稿がセットされていない場合は、前記第3ボタンを表示しない、
請求項2または請求項3に記載のスキャナー。
【請求項5】
前記第1の設定は、前記スキャナーに接続された外部メモリーに、スキャンデータを出力する設定であり、
前記第2の設定は、ネットワーク上で接続された外部端末装置に、スキャンデータを出力する設定である請求項1に記載のスキャナー。
【請求項6】
前記表示装置は、
前記外部メモリーが接続されている場合は、前記第2ボタンを表示し、
前記外部メモリーが接続されていない場合は、前記第2ボタンを表示しない、
請求項5に記載のスキャナー。
【請求項7】
前記表示装置は、
前記外部端末装置が前記ネットワーク上に接続されている場合は、前記第3ボタンを表示し、
前記外部端末装置が前記ネットワーク上に接続されていない場合は、前記第3ボタンを表示しない、
請求項5に記載のスキャナー。
【請求項8】
第1の機能の設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタンと、
前記第1ボタンの近傍に表示され、第1の設定で前記第1の機能を直ちに実行させる第2ボタンと、
前記第1ボタンの近傍に表示され、第2の設定で前記第1の機能を直ちに実行させる第3ボタンと、
を表示させる表示機能をプロセッサーに実行させる、
プログラム。
【請求項9】
第1ボタンと第2ボタンと第3ボタンとを表示し、
第1ボタンの操作に応じて第1の機能の設定を行う設定画面を表示し、
第2ボタンの操作に応じて第1の機能を第1の設定で直ちに実行して出力物を生産し、
第3ボタンの操作に応じて第1の機能を第2の設定で直ちに実行して出力物を生産する、
出力物の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナー、プログラム、及び出力物の生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機能を即時実行させることが可能な即実行ボタンが知られている。例えば、特許文献1は、複合機等の機能表示画面に、使用者の選択、指示によりジョブが即実行される即実行ボタンを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-97258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のような即実行ボタンは、既定の設定に従ってジョブの実行をさせるためには手軽な手法である。しかしながら、従来の即実行ボタンでは、即実行ボタンに対応する機能を所望の設定で行うことが難しいという課題があった。
例えば、複合機の一機能であるスキャンを即実行ボタンによって実行する際に、自動原稿送り機構を用いたスキャンとするのか、あるいはフラットベッドを用いたスキャンとするのかを設定することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様は、スキャンの設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタンと、第1ボタンの近傍に表示され、第1の設定でスキャンを直ちに実行させる第2ボタンと、第1ボタンの近傍に表示され、第2の設定でスキャンを直ちに実行させる第3ボタンと、を表示する表示装置を備える、スキャナーである。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様は、プロセッサーに、第1の機能の設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタンと、第1ボタンの近傍に表示され、第1の設定で第1の機能を直ちに実行させる第2ボタンと、第1ボタンの近傍に表示され、第2の設定で第1の機能を直ちに実行させる第3ボタンと、を表示させる表示機能をプロセッサーに実行させるプログラムである。
【0007】
また上記課題を解決する別の一態様は、第1ボタンと第2ボタンと第3ボタンとを表示し、第1ボタンの操作に応じて第1の機能の設定を行う設定画面を表示し、第2ボタンの操作に応じて第1の機能を第1の設定で直ちに実行して出力物を生産し、第3ボタンの操作に応じて第1の機能を第2の設定で直ちに実行して出力物を生産する、出力物の生産方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複合機の構成を示す図。
図2】操作画面の一例を示す図。
図3】操作画面の一例を示す図。
図4】操作画面の一例を示す図。
図5】複合機の動作を示すフローチャート。
図6】第2実施形態における複合機の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る複合機1の構成を示す図である。
複合機1は、「スキャナー」及び「出力装置」の一例である。
【0010】
複合機1は、MFP(Multi Functional Peripherals)と呼ばれ、印刷機能や、スキャン機能等の種々の機能を有する装置である。本実施形態の複合機1は、シリアル型のインクジェットヘッドを備え、具備するインクジェットヘッドにより印刷を行う。
スキャンは、「第1の機能」の一例である。
【0011】
複合機1は、各種情報を表示する表示装置10を備える。表示装置10は、液晶や、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)などで構成されるディスプレイである。複合機1は、入力部15を備える。入力部15は、表示装置10の表面に設けられたタッチセンサーである。使用者は、表示装置10に表示された情報に基づいて、表示装置10に重ねて設けられたタッチパネルを操作することで各種情報の入力を行う。なお、入力部15は、表示装置10の表面に設けられないボタンやマウスなどとされてもよい。
【0012】
複合機1は、原稿を自動的に搬送する自動原稿送り機構20、すなわちADF(Automatic Document Feeder)を備える。自動原稿送り機構20には、原稿が自動原稿送り機構20上に置かれているかどうかを検出し、後述する制御装置5にその検出情報を送る第1検出部21が設けられる。第1検出部21は、赤外線センサーと赤外線の光源の組み合わせであって、原稿によって赤外線が遮られると自動原稿送り機構20上に原稿が置かれていると検出する。なお、第1検出部21は、他の手法で自動原稿送り機構20上に原稿が置かれていることを検出してもよい。
【0013】
複合機1は、載せられた原稿をスキャンするフラットベッド25を備える。フラットベッド25は、一般的に知られた装置構成でよく、例えば、光源と、移動して原稿全体の画像情報を捉える検出器の組み合わせを備える。フラットベッド25は、例えば、光源が発する光を読取対象に当てて記録された文字や画像を読み取り、読み取りにより得られた画像データを制御装置5に出力する。フラットベッド25には、原稿がフラットベッド25上に置かれているかどうかを検出し、後述する制御装置5にその検出情報を送る第2検出部23が設けられる。第2検出部23は、赤外線センサーと赤外線の光源の組み合わせであって、原稿によって赤外線が反射されるとその反射光を捉えてフラットベッド25上に原稿が置かれていると検出する。なお、第2検出部23は、他の手法でフラットベッド25上に原稿が置かれていることを検出してもよい。
【0014】
なお、複合機1は、自動原稿送り機構20から送られた原稿をフラットベッド25に設けられたスキャン機構で、原稿の画像を読み取る。
【0015】
複合機1は、印刷部22を備える。印刷部22は、インクジェット方式や電子写真方式など既存の方式で印刷媒体に画像を印刷する構成を持つ。例えば、インクジェット方式である場合は、印刷媒体にインクを吐出してドットを形成するインクジェットヘッドや、インクジェットヘッドを走査方向に操作させるキャリッジ、キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動モーターを備える。また印刷部22は、印刷媒体を搬送する搬送ユニット、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給ユニット等の印刷に係る構成を備える。
【0016】
表示装置10と、入力部15と、自動原稿送り機構20と、フラットベッド25と、印刷部22は、制御装置5に接続され、信号の授受を行うことで各種機能を実現する。
【0017】
複合機1は、複合機1の制御を行う制御装置5を備える。制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー7、及び記憶部33を備える。記憶部33は、RAM(Random Access Memory)や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置で構成される。
【0018】
プロセッサー7は、記憶部33が記憶する制御プログラム32を読み出して実行することにより、表示部31、スキャン制御部35、印刷制御部36、判定部37、及び通信制御部38として機能する。
【0019】
表示部31は、表示装置10の制御を行い、表示装置10に情報を表示させる。本実施形態の表示部31は、後述する操作画面60を表示装置10に表示させる。
【0020】
スキャン制御部35は、自動原稿送り機構20やフラットベッド25を制御し、自動原稿送り機構20やフラットベッド25によってスキャンを実行する。スキャン制御部35は、フラットベッド25から入力された画像データに対してRGB変換や圧縮処理等のデータ処理を行い、スキャンデータとして所定形式のデータを生成する。
【0021】
印刷制御部36は、印刷部22を制御して印刷媒体に印刷する。
【0022】
判定部37は、自動原稿送り機構20に原稿があるか否か、及び、フラットベッド25に原稿があるか否かを判定する。
【0023】
通信制御部38は、後述する通信部39を介して、ネットワークNWに接続する外部端末装置50と通信する。また、通信制御部38は、USB(Universal Serial Bus)コネクター27を通じて、USBメモリー29と通信を行い、スキャナー1のスキャンにより得られたスキャンデータをUSBメモリー29に送信する。
【0024】
制御装置5は、通信部39を有する。通信部39は、通信回路などのハードウェアを備え、ネットワークNWを介して外部端末装置50と通信する。通信部39の通信規格は、有線規格でも無線規格でもよい。通信部39は、複合機1のスキャナー1のスキャンにより得られたスキャンデータを外部端末装置50に送信する。
【0025】
上述したように、表示装置10は、操作画面60を表示する。操作画面60は、複合機1を操作するための画面である。
【0026】
図2図4を参照して、操作画面60について説明する。
図2図4は、操作画面60の一例を示す図である。
【0027】
操作画面60は、第1ボタン61A、61Bを有する。第1ボタン61A、61Bは、ソフトウェアボタンである。第1ボタン61A、61Bを区別しない場合、61の符号を付して「第1ボタン61」と表現する。
【0028】
第1ボタン61Aは、スキャンを行うためのボタンである。表示部35は、第1ボタン61Aが押下されると、スキャンの設定画面を表示する。この設定画面では、カラーかモノクロかの設定や、解像度の設定、自動原稿送り機構20又はフラットベッド25を用いるかの設定などを行える。この設定画面にはスキャン開始ボタンがあり、スキャン制御部35は、スキャン開始ボタンが押下されると、設定画面で設定された内容に従ってスキャンを行う。
【0029】
第1ボタン61Bは、スキャンを行い、スキャンにより読み取られた文字や画像を印刷した印刷物を生産するためのボタンである。すなわち、第1ボタン61Bは、コピーを行うためのボタンである。印刷物は、「出力物」の一例である。表示部35は、第1ボタン61Bが押下されると、スキャン及び印刷の設定画面を表示する。この設定画面では、カラーかモノクロかの設定や、解像度の設定、自動原稿送り機構20又はフラットベッド25を用いるかの設定などを行える。この設定画面にはコピー開始ボタンがあり、スキャン制御部35は、スキャン開始ボタンが押下されると、設定画面で設定された内容に従ってスキャンを行う。そして、印刷制御部36は、設定画面で設定された内容に従って、スキャンにより得られた文字や画像を印刷媒体に印刷することで、印刷物を生産する。
【0030】
操作画面60は、自動原稿送り機構20に原稿が置かれている場合、第2ボタン62A、62Bを有する。第2ボタン62A、62Bを区別しない場合、62の符号を付して「第2ボタン62」と表現する。
【0031】
第2ボタン62Aは、ソフトウェアボタンである。第2ボタン62Aは、第1ボタン61Aの近傍に表示される。ここで、第1ボタン61Aの近傍に表示とは、第1ボタン61Aに重畳して表示されること、或いは、重畳はしないが第1ボタン61Bよりも第1ボタン61Aに近い位置に表示されることを指す。本実施形態は、第1ボタン61Aの近傍に表示されることとして、重畳して表示されることを例示する。第2ボタン62Aは、即実行ボタンである。すなわち、第2ボタン62Aは、スキャンの設定画面を表示することなく、自動原稿送り機構20を用いて直ちにスキャンを実行するためのボタンである。第2ボタン62Aが押下されると、表示部35が設定画面を表示することなく、スキャン制御部35は、自動送り機構25を用いてスキャンを行う。なお、スキャン解像度などの設定は予め第2ボタン62Aに対応付けられている。なお、本願において「直ちに」スキャンを実行するというのは、第1ボタンを押した瞬間に原稿を読み取るものに限られない。第2ボタン62Aが押されると、そのあとはユーザーが何も操作しなくても、スキャンを実行する場合は、本願においては「直ちに」スキャンを実行するといえる。その際、第2ボタン62Aが押されてからウォームアップを始め、ウォームアップの完了後にスキャンを開始していても「直ちに」スキャンを実行するといえる。
【0032】
第2ボタン62Bは、ソフトウェアボタンである。第2ボタン62Bは、第1ボタン61Bの近傍に表示される。ここで、第1ボタン61Bの近傍に表示とは、第1ボタン61Aの近傍に表示されることと同様の意味である。第2ボタン62Bは、即実行ボタンである。すなわち、第2ボタン62Bは、スキャン及び印刷の設定画面を表示することなく、自動原稿送り機構20を用いて直ちにコピーを実行するためのボタンである。第3ボタン62Bが押下されると、表示部35が設定画面を表示することなく、スキャン制御部35は、自動送り機構25を用いてスキャンを行い、また、印刷制御部36は、スキャンにより得られた文字や画像を印刷媒体に印刷することで、印刷物を生産する。なお、スキャン解像度や印刷解像度などの設定は、予め第2ボタン62Bに対応付けられている。
【0033】
操作画面60は、フラットベッド25に原稿が置かれている場合、第3ボタン63A、63Bを有する。第3ボタン63A、63Bを区別しない場合、63の符号を付して「第3ボタン63」と表現する。
【0034】
第3ボタン63Aは、ソフトウェアボタンである。第3ボタン63Aは、第1ボタン61Aの近傍に表示される。第3ボタン63Aは、即実行ボタンである。すなわち、第3ボタン63Aは、スキャンの設定画面を表示することなく、フラットベッド25を用いて直ちにスキャンを実行するためのボタンである。第3ボタン63Aが押下されると、表示部35が設定画面を表示することなく、スキャン制御部35は、フラットベッド25を用いてスキャンを行う。なお、スキャン解像度などの設定は予め第3ボタン63Aに対応付けられている。
【0035】
第3ボタン63Bは、ソフトウェアボタンである。第3ボタン63Bは、第1ボタン61Bの近傍に表示される。第3ボタン63Bは、即実行ボタンである。すなわち、第3ボタン63Bは、スキャン及び印刷の設定画面を表示することなく、フラットベッド25を用いて直ちにコピーを実行するためのボタンである。第3ボタン63Bが押下されると、表示部35が設定画面を表示することなく、スキャン制御部35は、フラットベッド25を用いてスキャンを行い、また、印刷制御部36は、スキャンにより得られた文字や画像を印刷媒体に印刷することで、印刷物を生産する。なお、スキャン解像度や印刷解像度などの設定は、予め第2ボタン63Bに対応付けられている。
【0036】
図2は、自動原稿送り機構20及びフラットベッド25に原稿が置かれている場合の操作画面60を示す。図3は、自動原稿送り機構20に原稿が置かれている場合の操作画面60を示す。図4は、フラットベッド25に原稿が置かれている場合の操作画面60を示す。図2図4で示すように、自動原稿送り機構20に原稿が置かれている場合、自動原稿送り機構20を用いた設定でスキャンを行える即実行ボタンが表示される。自動原稿送り機構20に原稿が置かれていない場合、自動原稿送り機構20を用いた設定でスキャンを行える即実行ボタンが表示されない。フラットベッド25に原稿が置かれている場合、フラットベッド25を用いた設定でスキャンを行える即実行ボタンが表示される。フラットベッド25に原稿が置かれていない場合、フラットベッド25を用いた設定でスキャンを行える即実行ボタンが表示されない。これにより、使用者は、スキャンを所望の設定で直ちに実行させることができる。なお、自動原稿送り機構20とフラットベッド25との両方に原稿が置かれていない場合、即実行ボタンは表示されず、第1ボタン61A、61Bが表示される。
自動原稿送り機構20を用いた設定は、「第1の設定」の一例である。フラットベッド25を用いた設定は、「第2の設定」の一例である。
【0037】
図5は、複合機1の動作を示すフローチャートである。
【0038】
制御装置5の判定部37は、第1検出部21からの検出情報に基づき、自動原稿送り機構20に原稿があるか否かを判定する(ステップSA1)。自動原稿送り機構20に原稿があると判定した場合(ステップSA1:YES)、制御装置5の表示部31は、操作画面60に第2ボタン62A、62Bを表示させる(ステップSA2)。
【0039】
一方で、自動原稿送り機構20に原稿がないと判定された場合(ステップSA1:NO)、判定部37は、第2検出部23からの検出情報に基づき、フラットベッド25に原稿があるか否かを判定する(ステップSA3)。フラットベッド25に原稿があると判定した場合(ステップSA3:YES)、表示部31は、操作画面60に第3ボタン63A、63Bを表示させる(ステップSA4)。
【0040】
一方で、フラットベッド25に原稿がないと判定された場合(ステップSA3:NO)、判定部37は、第2ボタン62が押下されたか否かを判定する(ステップSA5)。第2ボタン62が押下されなかったと判定された場合(ステップSA5:NO)、判定部37は第3ボタン63が押下されたか否かを判定する(ステップSA6)。第3ボタン63が押下されなかったと判定された場合(ステップSA6:NO)、判定部37は、第1ボタン61が押下されたか否かを判定する(ステップSA7)。第1ボタン61が押下されたと判定された場合、制御装置5の表示部31は、表示装置10に設定画面を表示する(ステップSA8)。スキャン制御部35は、各種設定についての入力情報を受け付けた後、各種設定に従ってスキャンを行う(ステップSA9)。
【0041】
ステップSA5の説明に戻り、第2ボタン62が押下されたと判定した場合(ステップSA3:YES)、スキャン制御部35は、自動原稿送り機構20に置かれた原稿についてスキャンを行う(ステップSA10)。なお、第2ボタン62Bが押下された場合、ステップSA10のスキャンにより得られた文字や画像が印刷された印刷物が生産される。
【0042】
ステップSA6の説明にもどり、第3ボタン63が押下されたと判定した場合(ステップSA6:YES)、スキャン制御部35は、フラットベッド25上の原稿についてスキャンを行う(ステップSA11)。なお、第3ボタン63Bが押下された場合、ステップSA11のスキャンにより得られた文字や画像が印刷された印刷物が生産される。
【0043】
ステップSA7の説明にもどり、第1ボタン61が押下されなかった場合(ステップSA7:NO)、プロセッサー7は、処理を終了する。
【0044】
第2実施形態
上述した実施形態は、「第1の設定」が、自動原稿送り機構20を用いたスキャンの設定であり、「第2の設定」が、フラットベッド25を用いたスキャンの設定である。
【0045】
第2実施形態は、「第1の設定」が、外部メモリーへスキャンデータを記憶させる設定であり、「第2の設定」が、外部端末装置50へスキャンデータを送信する設定である。後者の場合、例えば所望の電子メールアドレスへ、スキャンデータを送信する設定であってもよい。外部端末装置50としては、パーソナルコンピューター、タブレット型端末やスマートフォン等の携帯情報端末、サーバー等が考えられる。もちろん前者の外部メモリーはUSBメモリー29に限られず、HDDやSSD(Solid State Device)等の外付けの外部記憶装置であってもよい。
【0046】
本実施形態における複合機1の構成について、前述した第1実施形態に係る複合機1の構成と同様の構成については、記載を省略する。また、本実施形態における操作画面60は、第1実施形態の第1ボタン61A、第2ボタン62A、及び第3ボタン63Aを有する。これらボタンの概要については第1実施形態と同様なので、図2を援用して説明する。
【0047】
本実施形態において、図2の第1ボタン61Aは、スキャンを行い、スキャンにより得られたスキャンデータを送信するためのボタンである。表示部35は、第1ボタン61Aが押下されると、スキャンの設定画面を表示する。この設定画面では、スキャンデータをUSBメモリー等の外部メモリーに記憶させる設定や、外部端末装置50へスキャンデータを送信する設定ができる。またこの設定画面では、他に画像情報を出力する際の設定として、PDFファイル形式での出力と、JPEG出力と、TIFF出力を選択することができる。この設定画面にはスキャン開始ボタンがあり、スキャン制御部35は、スキャン開始ボタンが押下されると、設定画面で設定された内容に従ってスキャンと、スキャンデータの送信等を行う。
【0048】
なお本実施形態では、外部メモリーとしてUSBメモリー29をUSBコネクター27に接続して用いる場合を説明する。
【0049】
操作画面60は、USBコネクター27にUSBメモリー29が接続されている場合、第2ボタン62Aを有する。
【0050】
本実施形態において、図2の第2ボタン62Aは、スキャンや送信の設定画面を表示することなく、直ちにスキャンと、スキャンデータをUSBメモリー29に送信し記憶させることを実行するためのボタンである。
【0051】
操作画面60は、外部端末装置50が複合機1に接続されている場合、第3ボタン63Aを有する。
【0052】
本実施形態において、図2の第3ボタン63Aは、スキャンや送信の設定画面を表示することなく、直ちにスキャンを実行し、外部端末装置50にスキャンデータを送信するためのボタンである。
【0053】
図6は、第2実施形態に係る複合機1の動作を示すフローチャートである。
【0054】
制御装置5の判定部37は、USBコネクター27からの検出情報に基づき、USBメモリー29が接続されているか否かを判定する(ステップSB1)。USBコネクターにUSBメモリーが接続されていると判定した場合(ステップSB1:YES)、制御装置5の表示部31は、操作画面60に第2ボタン62Aを表示させる(ステップSB2)。
【0055】
一方で、USBコネクター27にUSBメモリー29が接続されていないと判定された場合(ステップSB1:NO)、判定部37は、既存の方法により、外部端末装置50が複合機1に接続されているか否かを判定する(ステップSB3)。外部端末装置50が複合機1に接続されていると判定した場合(ステップSB3:YES)、表示部31は、操作画面60に第3ボタン63Aを表示させる(ステップSB4)。
【0056】
一方で、外部端末装置50が複合機1に接続されていないと判定された場合(ステップSB3:NO)、判定部37は、第2ボタン62Aが押下されたか否かを判定する(ステップSB5)。第2ボタン62Aが押下されなかったと判定された場合(ステップSB5:NO)、判定部37は第3ボタン63Aが押下されたか否かを判定する(ステップSB6)。第3ボタン63Aが押下されなかったと判定された場合(ステップSB6:NO)、判定部37は、第1ボタン61Aが押下されたか否かを判定する(ステップSB7)。第1ボタン61Aが押下されたと判定された場合、制御装置5の表示部31は、表示装置10に設定画面を表示する(ステップSB8)。スキャン制御部35及び通信制御部38は、各種設定についての入力情報を受け付けた後、各種設定に従ってスキャンと送信等を行う(ステップSB9)。
【0057】
ステップSB3の説明に戻り、第2ボタン62Aが押下されたと判定した場合(ステップSB3:YES)、スキャン制御部35は、スキャンを行い、通信制御部38は、スキャンデータをUSBメモリー29に記憶させる(ステップSB10)。
【0058】
ステップSB6の説明に戻り、第3ボタン63Aが押下されたと判定した場合(ステップSB6:YES)、スキャン制御部35は、スキャンを行い、通信制御部38は、スキャンデータを外部端末装置50へ送信する(ステップSB11)。
【0059】
ステップSB7の説明に戻り、第1ボタン61Aが押下されなかった場合(ステップSB7:NO)、プロセッサー7は、処理を終了する。
【0060】
以上、説明したように、複合機1は、スキャンの設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタン61と、第1ボタン61の近傍に表示され、第1の設定でスキャンを直ちに実行する第2ボタン62と、第1ボタン61の近傍に表示され、第2の設定でスキャンを直ちに実行する第3ボタン63と、を表示する表示装置10を備える。
【0061】
これによれば、スキャンの設定が異なる即実行ボタンが表示されるため、スキャンを所望の設定で即座に実行できる。
【0062】
第1の設定は、自動原稿送り機構20を用いたスキャンの設定である。第2の設定は、フラットベッド25を用いたスキャンの設定である。
【0063】
これによれば、自動原稿送り機構を用いる設定と、フラットベッドに原稿を置く方法でスキャンを行う設定の両者を、使用者が選択して実行できる。そのため、スキャンを所望の設定で即座に実行できる。
【0064】
表示装置10は、自動原稿送り機構20に原稿がセットされている場合は、第2ボタン62を表示し、自動原稿送り機構20に原稿がセットされていない場合は、第2ボタン62を表示しない。
【0065】
これによれば、自動原稿送り機構20に原稿がセットされている場合に限り、即時に自動原稿送り機構20でスキャンするボタンが表示されるので、使用者の使い勝手を向上できる。
【0066】
表示装置10、フラットベッド25に原稿がセットされている場合は、第3ボタン67を表示し、フラットベッド25に原稿がセットされていない場合は、第3ボタン67を表示しない。
【0067】
これによれば、フラットベッド25に原稿がセットされている場合に限り、即時にフラットベッド25によるスキャンを実行するボタンが表示されるので、使用者の使い勝手を向上できる。
【0068】
第1の設定は、接続されたUSBメモリー29に、スキャンデータを出力する設定である。第2の設定は、ネットワークNW上で接続された外部端末装置50に、スキャンデータを出力する設定である。
【0069】
これによれば、スキャンデータをUSBメモリー29に記憶させる設定と、ネットワーク上で接続された外部端末装置50にスキャンデータを送信する設定とを、使用者が選択して実行できる。そのためスキャンを所望の設定で即座に実行できる。
【0070】
制御プログラム32は、スキャンの設定を受け付ける設定画面に画面遷移する第1ボタン61を表示させる表示機能を、プロセッサー7に実行させる。また制御プログラム32は、第1ボタン61の近傍に表示され、第1の設定でスキャンを実行させる第2ボタン62と、第1ボタン61の近傍に表示され、第2の設定でスキャンを実行させる第3ボタン63と、を表示させる表示機能をプロセッサーに実行させる。
【0071】
これによれば、上述した複合機1の効果と同様の効果を奏する。
【0072】
印刷物の生産方法は、第1ボタン61と第2ボタン62と第3ボタン63とを表示し、複合機1が、使用者が第1ボタン61を操作したことに応じてスキャンの設定を行う設定画面を表示し、複合機1が、使用者が第2ボタン62を操作したことに応じてスキャンを第1の設定で実行して印刷物を生産し、複合機1が、使用者が第3ボタンを操作したことに応じてスキャンを第2の設定で実行して印刷物を生産する。
【0073】
これによれば、上述した複合機1の効果と同様の効果を奏する。さらに、印刷物を所望の設定で即時に生産できる。
【0074】
上記した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0075】
図5および図6に示すフローチャートの処理単位は、制御装置5の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。図5の動作は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0076】
また、上述した実施形態では、「スキャナー」、及び「出力装置」として複合機1を例示した。例えば、「スキャナー」は、印刷機能を有さないスキャナーとしてもよい。「出力装置」は、スキャン機能を有さない印刷装置としてもよい。さらに、スキャンデータ、印刷物、その他のもの、等様々なものを出力物としてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、「第1の機能」としてスキャンを例示した。しかしながら、第1の機能はスキャンに限定されず、他の機能を含む、或いは、他の機能であってもよい。
また、上述した実施形態では、複合機1のディスプレイに表示を行うものを例示した。しかしながら、複合機1とは別のディスプレイ装置に表示を行わせてもよいし、プロジェクターを使ってスクリーン上に表示をさせるなど、どこに表示を行わせるかは限定されない。
【0078】
また、「第1の設定」、及び「第2の設定」は、上述した設定に限定されない。「第1の設定」、及び「第2の設定」は、例えば、カラー画像によるスキャンの設定とモノクロ画像によるスキャンの設定としてもよい。また、例えば、「第1の機能」が印刷機能である場合、「第1の設定」、及び「第2の設定」は、カラー印刷の設定とモノクロ印刷の設定としてもよい。また、例えば、「第1の設定」、及び「第2の設定」は、送信するスキャンデータのデータ形式の設定としてもよい。なお、データ形式としては、PDFファイル形式や、JPEG形式と、TIFF形式などが例に挙げられる。「第1の設定」、及び「第2の設定」は、予め設定画面で管理者が指定した設定としてもよい。即実行ボタンは、そのボタンに対応する設定で機能を実行できるときだけ表示され実行されないときは非表示になるものに限られず、実行できないときにもグレーアウト等の形態を変えて表示し続けていてもよいし、実行できないときも実行できるときと変わらず表示し続けて操作されるとエラーを通知するようにしてもよい。
また、表示されるGUIも、上述した設定に限定されない。第1ボタンが、1つのみ表示されていてもよいし、3つ以上表示されていてもよい。また、1つの第1ボタンに対して3つ以上の即実行ボタンを表示できるようにしてもよい。さらに、上述したもの以外のボタンを表示することも当然許容される。
【0079】
またプロセッサー7について、複合機1は複数備えて並行して処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0080】
1…複合機(スキャナー、出力装置)、10…表示装置、15…入力部、20…自動原稿送り機構、25…フラットベッド、29…USBメモリー(外部メモリー)、50…外部端末装置、61…第1ボタン、62…第2ボタン、63…第3ボタン、NW…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6