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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049946
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】飲料樽積み重ね補助具
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/02 20060101AFI20240403BHJP
   B65G 57/00 20060101ALN20240403BHJP
【FI】
B65D21/02 510
B65G57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156471
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】平山 直輝
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 達夫
(72)【発明者】
【氏名】古市 弘
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA10
3E006CA05
3E006DA10
3E006DB10
(57)【要約】
【課題】下端部縮径タイプの飲料樽と、下端部非縮径タイプの飲料樽とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具を提供する。
【解決手段】飲料樽積み重ね補助具は、第1飲料樽を支持する支持面を規定する環状支持部と、環状支持部の内縁によって規定される貫通孔部と、第1飲料樽の下部外周面に対向配置される第1環状壁と、第2飲料樽によって支持される被支持面と、第2飲料樽の上部外周面に対向配置される第2環状壁と、を具備する。第1飲料樽が下端部縮径タイプ飲料樽である場合に、第1環状補強部が貫通孔部に挿入されるよう、貫通孔部の孔径は220mm以上240mm以下である。第1飲料樽が下端部非縮径タイプ飲料樽である場合に、第2環状補強部が支持面によって位置決め支持されるよう、貫通孔部の孔径は240mm以下であり、支持面の外径は252mm以上258mm以下である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部プロテクタが第1段差部と前記第1段差部よりも下方に配置された外径約220mmの第1環状補強部とを有する下端部縮径タイプ飲料樽と、底部プロテクタが外径約252mmの第2環状補強部を有する下端部非縮径タイプ飲料樽とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具であって、
第1飲料樽を支持する支持面を規定する環状支持部と、
前記環状支持部の内縁によって規定される貫通孔部と、
前記第1飲料樽の下部外周面に対向配置され、前記環状支持部に対する前記第1飲料樽の傾動を抑制する第1環状壁と、
第2飲料樽によって支持される被支持面と、
前記第2飲料樽の上部外周面に対向配置され、前記被支持面が前記第2飲料樽に対して傾動することを抑制する第2環状壁と
を具備し、
前記第1飲料樽が前記下端部縮径タイプ飲料樽である場合に、前記第1環状補強部が前記貫通孔部に挿入され前記第1段差部の底面が前記支持面によって支持されるよう、前記貫通孔部の孔径は220mm以上240mm以下であり、
前記第1飲料樽が前記下端部非縮径タイプ飲料樽である場合に、前記第2環状補強部が前記支持面によって位置決め支持されるよう、前記貫通孔部の前記孔径は240mm以下であり、前記支持面の外径は252mm以上258mm以下である
飲料樽積み重ね補助具。
【請求項2】
前記第1環状壁の上縁部内面の直径は、252.5mm以上253.77mm以下であり、
前記第1環状壁の内面の高さ寸法は、30mm以上100mm以下である
請求項1に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【請求項3】
前記環状支持部を含む上側部分と、
前記被支持面を含む下側部分と、
前記上側部分と前記下側部分とを連結する連結壁と
を備え、
前記連結壁には、ユーザの手が前記第2飲料樽の口金部にアクセスすることを許容するアクセス開口が形成されており、
前記アクセス開口の高さ寸法は、8cm以上である
請求項1または2に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【請求項4】
前記連結壁は、
飲料樽積み重ね補助具の中心軸上に中心を有する厚さ1cm以下の側壁部と、
前記環状支持部と、前記下側部分の環状被支持部とを連結する複数の補強リブと
を有し、
前記複数の補強リブの内縁部は、前記側壁部に連結されている
請求項3に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【請求項5】
飲料樽積み重ね補助具の高さ方向中央における前記飲料樽積み重ね補助具の中心軸に垂直な横断面において、前記飲料樽積み重ね補助具の周方向に沿って、補強リブ付きの円弧状壁部と、前記アクセス開口とが交互に配置されている
請求項3に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【請求項6】
前記円弧状壁部の各々に、2つの前記アクセス開口にそれぞれ面する2つの縁部補強リブが設けられている
請求項5に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【請求項7】
前記連結壁は、飲料樽積み重ね補助具の中心軸上に中心を有する厚さ1cm以下の側壁部を有し、
前記飲料樽積み重ね補助具の中心軸をとおる縦断面において、前記第1環状壁と、前記環状支持部と、前記側壁部の上端部とによって、クランク形状が形成される
請求項3に記載の飲料樽積み重ね補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料樽積み重ね補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール樽などの飲料樽を積み重ねる積み重ね補助具が知られている。
【0003】
関連する技術として特許文献1には、樽積み重ね用スペーサが開示されている。特許文献1に記載の樽積み重ね用スペーサは、下段の樽に被せられる環状の下部フランジと、上段の樽を載置する環状の上部フランジと、上部および下部の両フランジ間に所定スペースを確保して当該両フランジ間をつなぐ少なくとも2本の脚とを有する。また、下部フランジには、下部フランジの外周から内縁までを突き抜ける通路が設けられている。
【0004】
また、特許文献2には、円筒状容器の積み重ね用トレーが開示されている。特許文献2に記載の円筒状容器の積み重ね用トレーは、中央部に透孔を穿設してなる円盤と、上部フランジと、下部フランジとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-132419号公報
【特許文献2】実願平3-77055号(実開平5-22334号)のCD-ROM
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、下端部縮径タイプの飲料樽と、下端部非縮径タイプの飲料樽とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
いくつかの実施形態における飲料樽積み重ね補助具は、底部プロテクタ(8)が第1段差部(82)と前記第1段差部(82)よりも下方に配置された外径約220mmの第1環状補強部(84)とを有する下端部縮径タイプ飲料樽(E1)と、底部プロテクタ(8)が外径約252mmの第2環状補強部(86)を有する下端部非縮径タイプ飲料樽(E2)とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具である。飲料樽積み重ね補助具は、第1飲料樽(7-1)を支持する支持面(23)を規定する環状支持部(21)と、前記環状支持部(21)の内縁(21n)によって規定される貫通孔部(21h)と、前記第1飲料樽(7-1)の下部外周面に対向配置され、前記環状支持部(21)に対する前記第1飲料樽(7-1)の傾動を抑制する第1環状壁(25)と、第2飲料樽(7-2)によって支持される被支持面(33)と、前記第2飲料樽(7-2)の上部外周面に対向配置され、前記被支持面(33)が前記第2飲料樽(7-2)に対して傾動することを抑制する第2環状壁(35)と、を具備する。前記第1飲料樽(7-1)が前記下端部縮径タイプ飲料樽(E1)である場合に、前記第1環状補強部(84)が前記貫通孔部(21h)に挿入され前記第1段差部(82)の底面(82t)が前記支持面(23)によって支持されるよう、前記貫通孔部(21h)の孔径(L1)は220mm以上240mm以下である。前記第1飲料樽(7-1)が前記下端部非縮径タイプ飲料樽(E2)である場合に、前記第2環状補強部(86)が前記支持面(23)によって位置決め支持されるよう、前記貫通孔部(21h)の前記孔径(L1)は240mm以下であり、前記支持面(23)の外径(L2)は252mm以上258mm以下である。
【0009】
上記飲料樽積み重ね補助具において、前記第1環状壁(25)の上縁部内面の直径(L3)は、252.5mm以上253.77mm以下であってもよい。前記第1環状壁(25)の内面の高さ寸法(H1)は、30mm以上100mm以下であってもよい。
【0010】
上記飲料樽積み重ね補助具は、前記環状支持部(21)を含む上側部分(2)と、前記被支持面(33)を含む下側部分(3)と、前記上側部分(2)と前記下側部分(3)とを連結する連結壁(4)と、を備えていてもよい。前記連結壁(4)には、ユーザの手が前記第2飲料樽(7-2)の口金部(78)にアクセスすることを許容するアクセス開口(OP)が形成されていてもよい。また、前記アクセス開口(OP)の高さ寸法(H3)は、8cm以上であってもよい。
【0011】
上記飲料樽積み重ね補助具において、前記連結壁(4)は、飲料樽積み重ね補助具の中心軸(AX2)上に中心を有する厚さ1cm以下の側壁部(41)と、前記環状支持部(21)と、前記下側部分(3)の環状被支持部(31)とを連結する複数の補強リブ(45)と、を有していてもよい。また、前記複数の補強リブ(45)の内縁部(45n)は、前記側壁部(41)に連結されていてもよい。
【0012】
上記飲料樽積み重ね補助具において、飲料樽積み重ね補助具の高さ方向中央における前記飲料樽積み重ね補助具の中心軸(AX2)に垂直な横断面において、前記飲料樽積み重ね補助具の周方向に沿って、補強リブ(45)付きの円弧状壁部(41c)と、前記アクセス開口(OP)とが交互に配置されていてもよい。
【0013】
上記飲料樽積み重ね補助具において、前記円弧状壁部(41c)の各々に、2つの前記アクセス開口(OP)にそれぞれ面する2つの縁部補強リブ(45b)が設けられていてもよい。
【0014】
上記飲料樽積み重ね補助具において、前記連結壁(4)は、飲料樽積み重ね補助具の中心軸(AX2)上に中心を有する厚さ1cm以下の側壁部(41)を有していてもよい。前記飲料樽積み重ね補助具の中心軸(AX2)をとおる縦断面において、前記第1環状壁(25)と、前記環状支持部(21)と、前記側壁部(41)の上端部(41p)とによって、クランク形状が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、下端部縮径タイプの飲料樽と、下端部非縮径タイプの飲料樽とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、飲料樽の種類について説明するための図である。
図2図2は、2個の飲料樽が積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。
図3図3は、2個の飲料樽が比較例における飲料樽積み重ね補助具を介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。
図4図4は、比較例における飲料樽積み重ね補助具に載置された下端部縮径タイプ飲料樽が傾動し易いことを示す図である。
図5図5は、2個の飲料樽が第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。
図6図6は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略断面図である。
図7図7は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略3面図である。
図8図8は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略断面図である。
図9図9は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略断面図である。
図10図10は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略断面図である。
図11図11は、外径252mm高さ30mmの物体の傾動について説明するための図である。
図12図12は、第2飲料樽と第1飲料樽とが飲料樽積み重ね補助具を介して積み重ねられている様子を模式的に示す概略断面図である。
図13図13は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略2面図である。
図14図14は、2個の飲料樽積み重ね補助具が直接的に互いに積み重ねられている様子を模式的に示す概略断面図である。
図15図15は、第1の実施形態の変形例における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略断面図である。
図16図16は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具の2面図である。
図17図17は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具の2面図である。
図18図18は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具の2面図である。
図19図19は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具の断面図である。
図20図20は、図17におけるC-C線断面図である。
図21図21は、各部の名称を示す参考断面図である。
図22図22は、2個の飲料樽が第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。
図23図23は、2個の飲料樽が第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。
図24図24は、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具を模式的に示す概略2面図である。
図25図25は、飲料樽積み重ね補助具の4面図である。
図26図26は、図25におけるD-D線断面図である。
図27図27は、各部の名称を示す参考断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態における飲料樽積み重ね補助具1に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0018】
(飲料樽7)
飲料樽7は、飲料を収容する飲料樽であり、例えば、ビールを収容するビール樽である。図1に例示されるように、飲料樽7は、飲料を収容する樽本体部71と、樽本体部71の下部に接続される底部プロテクタ8と、樽本体部71の上部に接続される頂部プロテクタ9とを有する。樽本体部71は、ステンレス鋼製であることが好ましい。また、底部プロテクタ8および頂部プロテクタ9の各々は、ステンレス鋼製であることが好ましい。図1において、底部プロテクタ8および頂部プロテクタ9の各々の最大外径は、約252mm(多少の製造誤差はあり得る。)である。
【0019】
(飲料樽7の種類)
図1を参照して、飲料樽7の種類について説明する。
【0020】
図1(a)に記載された飲料樽7aは、下端部縮径タイプ飲料樽E1である。下端部縮径タイプ飲料樽E1において、底部プロテクタ8は、第1段差部82と、第1段差部82よりも下方に配置された外径約220mm(多少の製造誤差はあり得る。)の第1環状補強部84とを有する。底部プロテクタ8のうちの第1段差部82より上方部分の外径は、第1環状補強部84の外径よりも大きい。底部プロテクタ8のうちの第1段差部82より上方部分の外径は、約252mm(多少の製造誤差はあり得る。)である。
【0021】
第1環状補強部84は、飲料樽7aの中心軸AXを中心として環状に配置された補強部である。図1(a)に記載の例では、第1環状補強部84は、飲料樽7aの中心軸AXを通る縦断面において、リング形状を有する。第1環状補強部84は、例えば、巻締加工によって形成される。
【0022】
図1(b)(あるいは、図1(c))に記載された飲料樽7b(あるいは、飲料樽7c)は、下端部非縮径タイプ飲料樽E2である。下端部非縮径タイプ飲料樽E2において、底部プロテクタ8は、外径約252mm(多少の製造誤差はあり得る。)の第2環状補強部86を有する。第2環状補強部86の外径は、底部プロテクタ8のうちの第2環状補強部86より上方部分の外径と略同一である。
【0023】
第2環状補強部86は、飲料樽7の中心軸AXを中心として環状に配置された補強部である。図1(b)(あるいは、図1(c))に記載の例では、第2環状補強部86は、飲料樽7の中心軸AXを通る縦断面において、リング形状を有する。第2環状補強部86は、例えば、巻締加工によって形成される。
【0024】
図1(b)に記載された飲料樽7bは、上端部縮径タイプ飲料樽F1である。上端部縮径タイプ飲料樽F1において、頂部プロテクタ9は、第2段差部92と、第2段差部92よりも上方に配置された外径約220mm(多少の製造誤差はあり得る。)の第3環状補強部94とを有する。頂部プロテクタ9のうちの第2段差部92より下方部分の外径は、第3環状補強部94の外径よりも大きい。頂部プロテクタ9のうちの第2段差部92より下方部分の外径は、約252mm(多少の製造誤差はあり得る。)である。
【0025】
第3環状補強部94は、飲料樽7bの中心軸AXを中心として環状に配置された補強部である。図1(b)に記載の例では、第3環状補強部94は、飲料樽7bの中心軸AXを通る縦断面において、リング形状を有する。第3環状補強部94は、例えば、巻締加工によって形成される。
【0026】
図1(a)(あるいは、図1(c))に記載された飲料樽7a(あるいは、飲料樽7c)は、上端部非縮径タイプ飲料樽F2である。上端部非縮径タイプ飲料樽F2において、頂部プロテクタ9は、外径約252mm(多少の製造誤差はあり得る。)の第4環状補強部96を有する。第4環状補強部96の外径は、頂部プロテクタ9のうちの第4環状補強部96より下方部分の外径と略同一である。
【0027】
第4環状補強部96は、飲料樽7の中心軸AXを中心として環状に配置された補強部である。図1(a)(あるいは、図1(c))に記載の例では、第4環状補強部96は、飲料樽7の中心軸AXを通る縦断面において、リング形状を有する。第4環状補強部96は、例えば、巻締加工によって形成される。
【0028】
(2個の飲料樽7の積み重ね)
図1(a)に記載の飲料樽7a(換言すれば、下端部縮径タイプ(E1)、且つ、上端部非縮径タイプ(F2)の飲料樽)が2個ある場合を想定する。図2(a)に例示されるように、2個の飲料樽7aは、互いに積み重ねることができる。
【0029】
図1(b)に記載の飲料樽7b(換言すれば、下端部非縮径タイプ(E2)、且つ、上端部縮径タイプ(F1)の飲料樽)が2個ある場合を想定する。図2(b)に例示されるように、2個の飲料樽7bは、互いに積み重ねることができる。
【0030】
図1(c)に記載の飲料樽7c(換言すれば、下端部非縮径タイプ(E2)、且つ、上端部非縮径タイプ(F2)の飲料樽)が2個ある場合を想定する。図3(a)に例示されるように、2個の飲料樽7cは、飲料樽積み重ね補助具6を介して、互いに積み重ねることができる。
【0031】
図3(b)に例示されるように、飲料樽積み重ね補助具6が、下端部縮径タイプ飲料樽E1を支持する場合を想定する。図3(b)に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具6と、底部プロテクタ8との間に、相対的に大きな環状の隙間Gが存在する。また、図3(b)に記載の例では、底部プロテクタ8の第1環状補強部84が、飲料樽積み重ね補助具6に形成された貫通孔部61hの縁付近に配置されている。当該隙間Gの存在により、あるいは、第1環状補強部84が貫通孔部61hの縁付近に配置されていることにより、下端部縮径タイプ飲料樽E1が飲料樽積み重ね補助具6によって安定的に支持されず、下端部縮径タイプ飲料樽E1が飲料樽積み重ね補助具6に対して傾動し易い(図4を参照。)。
【0032】
(第1の実施形態)
図1乃至図15を参照して、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aについて説明する。図1は、飲料樽7の種類について説明するための図である。図2は、2個の飲料樽7が積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。図3は、2個の飲料樽7が比較例における飲料樽積み重ね補助具6を介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。図4は、比較例における飲料樽積み重ね補助具6に載置された下端部縮径タイプ飲料樽E1が傾動し易いことを示す図である。図5は、2個の飲料樽7が第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aを介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。図5(a)には、第2飲料樽7-2が、飲料樽積み重ね補助具1Aを介して、下端部縮径タイプ飲料樽E1を支持している様子が示され、図5(b)には、第2飲料樽7-2が、飲料樽積み重ね補助具1Aを介して、下端部非縮径タイプ飲料樽E2を支持している様子が示されている。図6は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aを模式的に示す概略断面図である。図7は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aを模式的に示す概略3面図である。図7の上側には概略平面図が記載され、図7の中央には概略正面図が記載され、図7の下側には概略底面図が記載されている。図8乃至図10は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aを模式的に示す概略断面図である。なお、図8乃至図10において、第1飲料樽7-1の一部および第2飲料樽7-2の一部が破線によって示されている。図11は、外径252mm高さ30mmの物体Pの傾動について説明するための図である。図12は、第2飲料樽7-2と第1飲料樽7-1とが飲料樽積み重ね補助具1Aを介して積み重ねられている様子を模式的に示す概略断面図である。図13は、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aを模式的に示す概略2面図である。図13の上側には概略正面図が記載され、図13の下側には当該正面図におけるJ-J矢視断面図が記載されている。図14は、2個の飲料樽積み重ね補助具1Aが直接的に互いに積み重ねられている様子を模式的に示す概略断面図である。図15は、第1の実施形態の変形例における飲料樽積み重ね補助具1Aを模式的に示す概略断面図である。
【0033】
図5に例示されるように、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aは、下端部縮径タイプ飲料樽E1(図5(a)を参照。)と、下端部非縮径タイプ飲料樽E2(図5(b)を参照。)と、を選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具である。
【0034】
図5(a)に例示されるように、下端部縮径タイプ飲料樽E1において、底部プロテクタ8は、第1段差部82と、第1段差部82よりも下方に配置された外径D1が約220mm(多少の製造誤差はあり得る。)である第1環状補強部84と、を有する。下端部縮径タイプ飲料樽E1については、図1(a)を参照して説明済みであるため、下端部縮径タイプ飲料樽E1についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0035】
図5(b)に例示されるように、下端部非縮径タイプ飲料樽E2において、底部プロテクタ8は、外径D2が約252mmである第2環状補強部86を有する。下端部非縮径タイプ飲料樽E2については、図1(b)または図1(c)を参照して説明済みであるため、下端部非縮径タイプ飲料樽E2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0036】
図6に例示されるように、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aは、環状支持部21と、貫通孔部21hと、第1環状壁25と、被支持面33と、第2環状壁35と、を備える。
【0037】
環状支持部21は、第1飲料樽7-1(必要であれば、図5(a)あるいは図5(b)を参照。)を支持する支持面23を規定する。図7に記載の例では、支持面23は、平面視で、リング形状を有する。図7に記載の例では、環状支持部21の上面が、第1飲料樽7-1を支持する支持面23である。
【0038】
図6に例示されるように、貫通孔部21hは、環状支持部21の内縁21nによって規定される。
【0039】
第1環状壁25は、第1飲料樽7-1(必要であれば、図5(a)あるいは図5(b)を参照。)の下部外周面に微小隙間を介して対向配置され、環状支持部21に対する第1飲料樽7-1の傾動を抑制する。
【0040】
図6に例示されるように、被支持面33は、第2飲料樽7-2(必要であれば、図5(a)あるいは図5(b)を参照。)によって支持される面である。
【0041】
第2環状壁35は、第2飲料樽7-2(必要であれば、図5(a)あるいは図5(b)を参照。)の上部外周面に微小隙間を介して対向配置され、被支持面33が第2飲料樽7-2に対して傾動することを抑制する。
【0042】
図8に記載の例において、貫通孔部21hの孔径L1は、220mm以上240mm以下(あるいは、220mm以上238mm以下)である。
【0043】
貫通孔部21hの孔径L1が220mm以上240mm以下であることにより、第1飲料樽7-1が下端部縮径タイプ飲料樽E1である場合に(より具体的には、第1段差部82、および、外径D1が約220mmの第1環状補強部84を有する下端部縮径タイプ飲料樽E1である場合に)、第1環状補強部84が貫通孔部21hに挿入され、第1段差部82の底面82tが支持面23によって安定的に支持される。
【0044】
図9に記載の例において、貫通孔部21hの孔径L1は、220mm以上240mm以下であり、支持面23の外径L2は、252mm以上258mm以下である。
【0045】
貫通孔部21hの孔径L1が240mm以下であることにより、第1飲料樽7-1が下端部非縮径タイプ飲料樽E2である場合に(より具体的には、外径D2が約252mmの第2環状補強部86を有する下端部非縮径タイプ飲料樽E2である場合に)、第2環状補強部86が支持面23によって安定的に支持される。
【0046】
また、支持面23の外径L2が、252mm以上258mm以下であることにより、支持面23に載置された外径D2が約252mmの第2環状補強部86が、支持面23に対して良好に位置決めされる。
【0047】
第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1A(図8を参照。)は、(1)第1環状壁25が、第1飲料樽7-1の下部外周面(より具体的には、底部プロテクタ8の外周面)に対向配置されるように構成されることと、(2)下端部縮径タイプ飲料樽E1の第1段差部82の底面82tが支持面23によって安定的に支持されるように構成されることとにより、飲料樽積み重ね補助具1Aに対する下端部縮径タイプ飲料樽E1の傾動を抑制し、下端部縮径タイプ飲料樽E1を安定的に支持することができる。
【0048】
また、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1A(図9を参照。)は、(1)第1環状壁25が、第1飲料樽7-1の下部外周面(より具体的には、底部プロテクタ8の外周面)に対向配置されるように構成されることと、(2)下端部非縮径タイプ飲料樽E2の第2環状補強部86が支持面23によって良好に位置決め支持されることとにより、飲料樽積み重ね補助具1Aに対する下端部非縮径タイプ飲料樽E2の傾動を抑制し、下端部非縮径タイプ飲料樽E2を安定的に支持することができる。
【0049】
以上のとおり、第1の実施形態では、下端部縮径タイプ飲料樽E1(図8を参照。)と、下端部非縮径タイプ飲料樽E2(図9を参照。)とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具1Aが提供される。
【0050】
続いて、第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0051】
(貫通孔部21hの孔径L1)
図8において、第1環状補強部84の外径D1(約220mm)に多少の製造誤差がある場合が想定される。そこで、貫通孔部21hの孔径L1は、220.5mm以上240mm以下、221mm以上240mm以下、222mm以上240mm以下、223mm以上240mm以下、あるいは、224mm以上240mm以下であることが好ましい。
【0052】
(支持面23の外径L2)
図9において、第2環状補強部86の外径D2(約252mm)に多少の製造誤差がある場合が想定される。そこで、支持面23の外径L2は、252.3mm以上258mm以下、あるいは、252.5mm以上258mm以下であることが好ましい。
【0053】
(第1環状壁25の内面の高さ寸法H1)
図6に記載の例では、第1環状壁25の内面の高さ寸法H1(換言すれば、第1環状壁25の内面の上下方向における長さ)は、30mm以上100mm以下、あるいは、35mm以上80mm以下である。
【0054】
(1)第1環状壁25の内面の高さ寸法H1が30mm以上であることと、(2)第1環状壁25が、第1飲料樽7-1(必要であれば、図8図9を参照。)の下部外周面に微小隙間を介して対向配置されるように構成されることとにより、飲料樽積み重ね補助具1Aに対する第1飲料樽7-1の傾動が、より一層効果的に抑制される。
【0055】
なお、第1環状壁25の高さ寸法H1が100mm以下であることにより、当該第1環状壁25が、飲料樽積み重ね補助具1Aから第1飲料樽7-1を取り外す作業の障害になりにくい。また、第1環状壁25の高さ寸法H1が100mm以下であることにより、飲料樽積み重ね補助具1Aの非使用時に、飲料樽積み重ね補助具1Aの保管スペースが小さくて済む。
【0056】
(第1環状壁25の上縁部内面の直径L3)
図8図9に記載の例では、第1環状壁25の上縁部内面の直径L3は、252.5mm以上253.77mm以下である。
【0057】
第1環状壁25の上縁部内面の直径L3が、252.5mm以上であることにより、最大外径D3が約252mmの底部プロテクタ8を、第1環状壁25の内側の空間に容易に挿入することができる。
【0058】
また、第1環状壁25の高さ寸法H1が30mm以上であり、第1環状壁25の上縁部内面の直径L3が252.5mm以上253.77mm以下であることにより、飲料樽積み重ね補助具1Aに対する第1飲料樽7-1の脱落が効果的に抑制される。図11を参照して、脱落防止のメカニズムについて説明する。
【0059】
図11に例示されるように、外径252mm高さ30mmの物体Pが、上縁の一部P1の高さと下縁の一部P2の高さとが一致するまで傾動する場合を想定する。図11に記載の例において、物体Pの当該上縁の一部P1と物体Pの当該下縁の一部P2との間の距離は253.77mmである。よって、第1環状壁25の上縁部内面の直径L3が253.77mm以下である場合、傾動する第1飲料樽7-1は、第1環状壁25に引っ掛かることとなる。こうして、第1環状壁25の上縁部内面の直径L3が253.77mm以下である場合、第1飲料樽7-1の傾動に起因して、飲料樽積み重ね補助具1Aから第1飲料樽7-1が脱落することが効果的に防止される。
【0060】
(上側部分2)
図6に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具1Aは、上側部分2を有する。上側部分2は、第1飲料樽7-1(必要であれば、図8図9を参照。)を支持する。上側部分2は、環状支持部21と、第1環状壁25とを含む。
【0061】
図6に記載の例では、環状支持部21の大部分(および、支持面23の大部分)は、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に垂直な方向(換言すれば、水平方向)に沿って延在している。図6に記載の例では、支持面23の内縁と支持面23の外縁との間の距離L4は、第1環状壁25の内面の高さ寸法H1よりも小さい。当該距離L4は、第1環状壁25の内面の高さ寸法H1の1/2以下であってもよい。
【0062】
図6に記載の例では、第1環状壁25は、環状支持部21の外縁部21uから上方に向かって延在する。第1環状壁25の内面は、上方に向かうにつれて、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2から離れる方向に僅かに傾斜するテーパ状内面であることが好ましい。この場合、第1飲料樽7-1の底部プロテクタ8を、第1環状壁25の内側の空間に容易に挿入することができる。
【0063】
(下側部分3)
図6に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具1Aは、下側部分3を有する。
【0064】
下側部分3は、上側部分2よりも下方に配置され、第2飲料樽7-2(必要であれば、図8図9を参照。)によって支持される。下側部分3は、被支持面33と、第2環状壁35とを含む。
【0065】
図7に記載の例では、被支持面33は、底面視で、リング形状を有する。図6に記載の例では、下側部分3は、第2飲料樽7-2によって支持されることとなる環状被支持部31を含み、当該環状被支持部31の下面が被支持面33である。
【0066】
図6に記載の例では、環状被支持部31の大部分(および、被支持面33の大部分)は、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に垂直な方向(換言すれば、水平方向)に沿って延在している。図6に記載の例では、被支持面33の内縁と被支持面33の外縁との間の距離L5は、第2環状壁35の内面の高さ寸法H2よりも小さい。当該距離L5は、第2環状壁35の内面の高さ寸法H2の1/2以下であってもよい。
【0067】
図6に記載の例では、第2環状壁35は、環状被支持部31の外縁部31uから下方に向かって延在する。第2環状壁35の内面は、下方に向かうにつれて、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2から離れる方向に僅かに傾斜するテーパ状内面であることが好ましい。この場合、第2飲料樽7-2の頂部プロテクタ9(必要であれば、図8図9を参照。)に、第2環状壁35を含む下側部分3を容易に取り付けることができる。
【0068】
図6に記載の例では、第2環状壁35の内面の高さ寸法H2(換言すれば、第2環状壁35の内面の上下方向における長さ)は、30mm以上100mm以下、あるいは、35mm以上80mm以下である。第2環状壁35の内面の高さ寸法H2が30mm以上であることにより、第2飲料樽7-2(必要であれば、図8図9を参照。)に対する飲料樽積み重ね補助具1Aの傾動が効果的に抑制される。
【0069】
図8に記載の例では、第2環状壁35の下縁部内面の直径L6は、252.5mm以上253.77mm以下である。第2環状壁35の下縁部内面の直径L6が、252.5mm以上であることにより、最大外径D6が約252mmの頂部プロテクタ9に、第2環状壁35を含む下側部分3を容易に取り付けることができる。
【0070】
また、第2環状壁35の内面の高さ寸法H2が30mm以上であり、第2環状壁35の下縁部内面の直径L6が252.5mm以上253.77mm以下であることにより、第2飲料樽7-2に対する飲料樽積み重ね補助具1Aの脱落が効果的に抑制される。
【0071】
(第2貫通孔部31h)
図6に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具1Aは、環状被支持部31に加えて、第2貫通孔部31hを備える。第2貫通孔部31hは、環状被支持部31の内縁31nによって規定される。
【0072】
図10に記載の例において、第2貫通孔部31hの孔径L7は、220mm以上240mm以下(あるいは、220mm以上238mm以下)である。第2貫通孔部31hの孔径L7が220mm以上240mm以下であることにより、第2飲料樽7-2が上端部縮径タイプ飲料樽F1である場合に(より具体的には、第2段差部92、および、外径D4が約220mmの第3環状補強部94を有する上端部縮径タイプ飲料樽F1である場合に)、第3環状補強部94が第2貫通孔部31hに挿入され、第2段差部92の上面92pが飲料樽積み重ね補助具1Aの被支持面33を安定的に支持する。
【0073】
図10において、第3環状補強部94の外径D4(約220mm)に多少の製造誤差がある場合が想定される。そこで、第2貫通孔部31hの孔径L7は、220.5mm以上240mm以下、221mm以上240mm以下、222mm以上240mm以下、223mm以上240mm以下、あるいは、224mm以上240mm以下であることが好ましい。
【0074】
図9に記載の例において、第2貫通孔部31hの孔径L7は、220mm以上240mm以下であり、被支持面33の外径L8は、252mm以上258mm以下である。
【0075】
第2貫通孔部31hの孔径L7が240mm以下であることにより、第2飲料樽7-2が上端部非縮径タイプ飲料樽F2である場合に(より具体的には、外径D5が約252mmの第4環状補強部96を有する上端部非縮径タイプ飲料樽F2である場合に)、第4環状補強部96が被支持面33を安定的に支持する。
【0076】
また、被支持面33の外径L8が、252mm以上258mm以下であることにより、被支持面33が、外径D5が約252mmの第4環状補強部96に対して良好に位置決めされる。
【0077】
図9において、第4環状補強部96の外径D5(約252mm)に多少の製造誤差がある場合が想定される。そこで、被支持面33の外径L8は、252.3mm以上258mm以下、あるいは、252.5mm以上258mm以下であることが好ましい。
【0078】
(連結壁4)
図6に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具1Aは、連結壁4を備える。連結壁4は、環状支持部21を含む上側部分2と、環状被支持部31(より具体的には、被支持面33)を含む下側部分3とを連結する。図12に例示されるように、連結壁4の内側には、第2飲料樽7-2の口金部78に取り付けられたディスペンスヘッド100の上側部分(例えば、操作レバー101)を配置可能である。
【0079】
図12に例示されるように、連結壁4には、少なくとも1つのアクセス開口OPが形成されていることが好ましい。アクセス開口OPは、ユーザの手が、飲料樽積み重ね補助具1Aを支持する第2飲料樽7-2の口金部78にアクセスすることを許容する。
【0080】
連結壁4にアクセス開口OPが形成されている場合、第2飲料樽7-2と第1飲料樽7-1とが飲料樽積み重ね補助具1Aを介して積み重ねられている状態で、第2飲料樽7-2にガスを供給するガス供給管110を、アクセス開口OPを通過するように配置することができる。また、第2飲料樽7-2と第1飲料樽7-1とが飲料樽積み重ね補助具1Aを介して積み重ねられている状態で、第2飲料樽7-2から取り出された飲料を飲料サーバーに供給する飲料供給管120を、アクセス開口OPを通過するように配置することができる。
【0081】
図12に記載の例では、第2飲料樽7-2と第1飲料樽7-1とが飲料樽積み重ね補助具1Aを介して積み重ねられている状態で、2種類の飲料を注出可能な飲料サーバーに、第1飲料樽7-1から第1の種類の飲料を供給することができ、且つ、当該2種類の飲料を注出可能な飲料サーバーに、第2飲料樽7-2から、アクセス開口OPを通過する飲料供給管120を介して、第2の種類の飲料を供給することができる。
【0082】
図13に記載の例において、アクセス開口OPの高さ寸法H3は、8cm以上20cm以下、10cm以上18cm以下、あるいは、12cm以上16cm以下である。また、アクセス開口OPに正対した状態でアクセス開口OPの幅寸法W3は、10cm以上18cm以下、12cm以上18cm以下、あるいは、14cm以上18cm以下である。
【0083】
図13に記載の例では、連結壁4は、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2上に中心を有する厚さ1cm以下の側壁部41を有する。側壁部41には、少なくとも1個のアクセス開口OPが形成される(換言すれば、側壁部41は、アクセス開口OP付きの薄壁である。)。図13に記載の例(J-J矢視断面図)では、当該側壁部41に3個のアクセス開口OPが形成されている。代替的に、当該側壁部41に1個、2個、あるいは、4個以上のアクセス開口OPが形成されていてもよい。
【0084】
図13に記載の例では、連結壁4は、側壁部41に加え、環状支持部21と環状被支持部31とを連結する複数の補強リブ45を有する。図13に記載の例では、補強リブ45の上端部45pは、第1環状壁25および環状支持部21に連結される。また、補強リブ45の下端部45tは、第2環状壁35および環状被支持部31に連結される。また、補強リブ45の内縁部45nは、側壁部41に連結される。
【0085】
補強リブ45は、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に沿う方向に延在するとともに、側壁部41を起点として、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2から離れる方向に延在する。
【0086】
図13に記載の例では、飲料樽積み重ね補助具1Aの高さ方向中央における飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に垂直な横断面(換言すれば、J-J断面)において、飲料樽積み重ね補助具1Aの周方向に沿って、補強リブ45付きの円弧状壁部41cと、アクセス開口OPとが交互に配置されている。
【0087】
図13に記載の例では、各円弧状壁部41cに、2つのアクセス開口OPにそれぞれ面する2つの縁部補強リブ45bが設けられている。当該縁部補強リブ45bは、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に垂直な横断面において、中心軸AX2とアクセス開口OPの中心とを結ぶ線分と平行な方向に延在していてもよい。図13に記載の例では、各円弧状壁部41cに、2つの縁部補強リブ45bの間に配置された中央補強リブ45aが形成されている。当該中央補強リブ45aは、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2に垂直な横断面において、当該中心軸AX2から離れる方向に延在していてもよい。
【0088】
図13に記載の例では、各円弧状壁部41cに、3個の補強リブ45が設けられている。代替的に、各円弧状壁部41cに、1個、2個、あるいは、4個以上の補強リブ45が設けられていてもよい。
【0089】
図6に例示されるように、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2を含む縦断面において、第1環状壁25と、環状支持部21と、側壁部41の上端部41pとによって、クランク形状が形成されていてもよい(一点鎖線の円Kで示される部分を参照。)。当該クランク形状によって、飲料樽積み重ね補助具1Aの強度が高くなる。
【0090】
図6に例示されるように、飲料樽積み重ね補助具1Aの中心軸AX2を含む縦断面において、第2環状壁35と、環状被支持部31と、側壁部41の下端部41tとによって、クランク形状が形成されていてもよい。当該クランク形状によって、飲料樽積み重ね補助具1Aの強度が高くなる。
【0091】
(環状係合凸部51、および、環状係合凹部52)
図6に記載の例では、第1環状壁25の上端部および第2環状壁35の下端部のうちの一方は、環状係合凸部51を有し、第1環状壁25の上端部および第2環状壁35の下端部のうちの他方は、環状係合凸部51に係合する環状係合凹部52を有する。
【0092】
図14に記載の例では、環状係合凸部51と環状係合凹部52とを互いに係合させることにより、複数の飲料樽積み重ね補助具1Aを直接的に積み重ねることができる。こうして、非使用状態の複数の飲料樽積み重ね補助具1Aの保管、あるいは、運搬が容易となる。
【0093】
(飲料樽積み重ね補助具1Aの材質)
飲料樽積み重ね補助具1Aは、例えば、樹脂製である。飲料樽積み重ね補助具1Aは、硬質ナイロン樹脂等の硬質樹脂で形成されていることが好ましい。飲料樽積み重ね補助具1Aは、樹脂材料によって一体的に形成されていてもよい。この場合、飲料樽積み重ね補助具1Aを一つの部品によって構成することができ、飲料樽積み重ね補助具1Aにおいて、部品同士を接合する金具が不要である。
【0094】
(第1の実施形態の変形例)
図15には、第1の実施形態の変形例における飲料樽積み重ね補助具1Aが示されている。図15に記載の例では、第1飲料樽7-1を支持する環状支持部21(より具体的には、環状の支持板部)と、第2飲料樽7-2によって支持される環状被支持部31(より具体的には、環状の被支持板部)との間の距離が、図10に記載の例と比較して、短く設定されている。換言すれば、図15に記載の例では、高さ方向における連結壁4の寸法が短い。図15に記載の例において、環状支持部21と環状被支持部31との間の距離は、10cm以下、8cm以下、あるいは、6cm以下であってもよい。
【0095】
図15に記載の飲料樽積み重ね補助具1Aは、飲料樽積み重ね補助具1Aの連結壁4に、連結壁4を横切ってユーザの手が通過することを許容するアクセス開口OPが形成されていない点で、図10に記載の飲料樽積み重ね補助具1Aとは異なる。
【0096】
高さ方向における連結壁4の寸法が短い点、および、アクセス開口OPが省略される点を除き、図15に記載の飲料樽積み重ね補助具1Aは、図10に記載の飲料樽積み重ね補助具1Aと同様である。
【0097】
(飲料樽積み重ね補助具1Aの外観)
図16乃至図21を参照して、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aの外観の一例について説明する。図16乃至図18は、飲料樽積み重ね補助具1Aの2面図である。図16の上側には、正面図が記載され、図16の下側には、背面図が記載されている。図17の上側には、平面図が記載され、図17の下側には、底面図が記載されている。図18の上側には、右側面図が記載され、図18の下側には、左側面図が記載されている。図19は、飲料樽積み重ね補助具1Aの断面図である。図19の上側には、図16(正面図)におけるA-A線断面図が記載され、図19の下側には、図16(正面図)におけるB-B線断面図が記載されている。図20は、図17(平面図)におけるC-C線断面図である。図21は、各部の名称を示す参考断面図である。
【0098】
図16乃至図21において、飲料樽積み重ね補助具1Aは、第1飲料樽と第2飲料樽とを積み重ねるために、第1飲料樽と第2飲料樽との間に介装される飲料樽積み重ね補助具である。図21に示されるように、飲料樽積み重ね補助具は、第1環状壁および第1飲料樽を支持可能な環状支持部を含む上側部分と、第2飲料樽によって支持される環状被支持部および第2環状壁を含む下側部分と、上側部分と下側部分とを連結する連結壁と、を有する。
【0099】
(第2の実施形態)
図22乃至図24を参照して、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bについて説明する。図22および図23は、2個の飲料樽7が第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bを介して積み重ねられた様子を模式的に示す概略断面図である。図22には、第2飲料樽7-2が、飲料樽積み重ね補助具1Bを介して、下端部縮径タイプ飲料樽E1を支持している様子が示され、図23には、第2飲料樽7-2が、飲料樽積み重ね補助具1Bを介して、下端部非縮径タイプ飲料樽E2を支持している様子が示されている。図24は、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bを模式的に示す概略2面図である。図24の上側には概略平面図が記載され、図24の下側には概略断面図が記載されている。
【0100】
第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bは、連結壁4が省略され、飲料樽積み重ね補助具1Bの上側部分2Bと、飲料樽積み重ね補助具1Bの下側部分3Bとが直接的に連結されている点で、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aとは異なる。その他の点では、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bは、第1の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Aと同様である。
【0101】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0102】
図22および図23に例示されるように、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bは、(1)底部プロテクタ8が第1段差部82と第1段差部82よりも下方に配置された外径約220mmの第1環状補強部84とを有する下端部縮径タイプ飲料樽E1(図22を参照。)と、底部プロテクタ8が外径約252mmの第2環状補強部86を有する下端部非縮径タイプ飲料樽E2(図23を参照。)とを選択的且つ安定的に支持可能な飲料樽積み重ね補助具である。
【0103】
図24に例示されるように、飲料樽積み重ね補助具1Bは、(2)第1飲料樽7-1を支持する支持面23を規定する環状支持部21と、(3)環状支持部21の内縁21nによって規定される貫通孔部21hと、(4)第1飲料樽7-1の下部外周面(より具体的には、底部プロテクタの外周面)に対向配置され、環状支持部21に対する第1飲料樽7-1の傾動を抑制する第1環状壁25と、(5)第2飲料樽7-2によって支持される被支持面33と、(6)第2飲料樽7-2の上部外周面(より具体的には、頂部プロテクタの外周面)に対向配置され、被支持面33が第2飲料樽7-2に対して傾動することを抑制する第2環状壁35と、を備える。
【0104】
また、(7)図22に例示されるように、第1飲料樽7-1が下端部縮径タイプ飲料樽E1である場合に、第1環状補強部84が貫通孔部21hに挿入され第1段差部82の底面82tが支持面23によって支持されるよう、貫通孔部21hの孔径L1(図24を参照。)は220mm以上240mm以下(あるいは、220mm以上238mm以下)である。更に、(8)図23に例示されるように、第1飲料樽7-1が下端部非縮径タイプ飲料樽E2である場合に、第2環状補強部86が支持面23によって位置決め支持されるよう、貫通孔部21hの孔径L1は240mm以下であり、支持面23の外径L2(図24を参照。)は252mm以上258mm以下である。
【0105】
以上のことから、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0106】
続いて、第2の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0107】
(第1環状壁25、および、環状支持部21)
図24において、第1環状壁25、および、環状支持部21の構成(例えば、第1環状壁25、および、環状支持部21の形状、構造、サイズ、あるいは、材質)としては、第1の実施形態において説明されたものと同様の構成を採用可能である。よって、第2の実施形態における第1環状壁25、および、環状支持部21についての説明として、第1の実施形態における説明を援用し、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0108】
(第2環状壁35、および、環状被支持部31)
図24において、第2環状壁35、および、環状被支持部31の構成(例えば、第2環状壁35、および、環状被支持部31の形状、構造、サイズ、あるいは、材質)としては、第1の実施形態において説明されたものと同様の構成を採用可能である。よって、第2の実施形態における第2環状壁35、および、環状被支持部31についての説明として、第1の実施形態における説明を援用し、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0109】
(上側部分2B、および、下側部分3B)
図24に例示されるように、第2の実施形態では、上側部分2Bと下側部分3Bとが直接的に連結されている。より具体的には、上側部分2Bの一部を構成する環状支持部21と、下側部分3Bの一部を構成する環状被支持部31とが、一枚の環状板部によって一体的に構成されている。
【0110】
(環状係合凸部51、および、環状係合凹部52)
図24において、環状係合凸部51、および、環状係合凹部52の構成としては、第1の実施形態において説明されたものと同様の構成を採用可能である。よって、第2の実施形態における環状係合凸部51、および、環状係合凹部52についての説明として、第1の実施形態における説明を援用し、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0111】
(飲料樽積み重ね補助具1Bの外観)
図25乃至図27を参照して、第2の実施形態における飲料樽積み重ね補助具1Bの外観の一例について説明する。図25は、飲料樽積み重ね補助具1Bの4面図である。図25(a)には、正面図が記載され、図25(b)には、平面図が記載され、図25(c)には、底面図が記載され、図25(d)には、右側面図が記載されている。なお、背面図は正面図と対称であり、左側面図は右側面図と対称である。図26は、図25(平面図)におけるD-D線断面図である。図27は、各部の名称を示す参考断面図である。
【0112】
図25乃至図27において、飲料樽積み重ね補助具1Bは、第1飲料樽と第2飲料樽とを積み重ねるために、第1飲料樽と第2飲料樽との間に介装される飲料樽積み重ね補助具である。図27に示されるように、飲料樽積み重ね補助具は、第1環状壁および第1飲料樽を支持可能な環状支持部を含む上側部分と、第2飲料樽によって支持される環状被支持部および第2環状壁を含む下側部分と、を有する。
【0113】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0114】
1、1A、1B:飲料樽積み重ね補助具
2、2B:上側部分
3、3B:下側部分
4 :連結壁
6 :飲料樽積み重ね補助具
7、7a、7b、7c:飲料樽
7-1 :第1飲料樽
7-2 :第2飲料樽
8 :底部プロテクタ
9 :頂部プロテクタ
21 :環状支持部
21h :貫通孔部
21n :内縁
21u :外縁部
23 :支持面
25 :第1環状壁
31 :環状被支持部
31h :第2貫通孔部
31n :内縁
31u :外縁部
33 :被支持面
35 :第2環状壁
41 :側壁部
41c :円弧状壁部
41p :上端部
41t :下端部
45 :補強リブ
45a :中央補強リブ
45b :縁部補強リブ
45n :内縁部
45p :上端部
45t :下端部
51 :環状係合凸部
52 :環状係合凹部
61h :貫通孔部
71 :樽本体部
78 :口金部
82 :第1段差部
82t :第1段差部の底面
84 :第1環状補強部
86 :第2環状補強部
92 :第2段差部
92p :第2段差部の上面
94 :第3環状補強部
96 :第4環状補強部
100 :ディスペンスヘッド
101 :操作レバー
110 :ガス供給管
120 :飲料供給管
AX :中心軸
AX2 :中心軸
E1 :下端部縮径タイプ飲料樽
E2 :下端部非縮径タイプ飲料樽
F1 :上端部縮径タイプ飲料樽
F2 :上端部非縮径タイプ飲料樽
G :隙間
OP :アクセス開口
P :物体
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