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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049964
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/24 20060101AFI20240403BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240403BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B65H31/24
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B65H5/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156504
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】荒金 覚
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅司
(72)【発明者】
【氏名】次村 浩一
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】中野 靖大
【テーマコード(参考)】
2C056
3F049
3F054
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EA13
2C056EB12
2C056EB13
2C056EB45
2C056EB46
2C056EC12
2C056EC36
2C056FA10
2C056HA28
2C056HA29
2C056HA30
2C056HA60
2C056KC01
3F049AA10
3F049DA12
3F049DA19
3F049DB04
3F049LA07
3F049LB03
3F054AA01
3F054AC05
3F054BA02
3F054BJ04
3F054CA04
3F054CA05
3F054CA33
3F054DA16
(57)【要約】
【課題】排出された媒体を維持する動作を、湾曲した癖が媒体につきにくいように制御する。
【解決手段】制御部9は、排紙トレイ7に排出された用紙Pを排紙ローラ対24に挟持させて維持させる第1排出モードと、排紙トレイ7に排出された用紙Pを排紙ローラ対24に維持させないか、維持させた後に解除させる第2排出モードとのいずれかを選択し、選択したモードに基づいて画像形成動作を行わせる。第1排出モードか第2排出モードかの選択は、用紙Pの材質が特定の材質に該当しないことと用紙Pの長さが閾値より小さいこととの少なくともいずれかを含む所定の維持継続条件を満たすか否かに応じて行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を収容可能な媒体収容部と、
前記媒体収容部が収容した媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成された媒体が排出される排出部と、
所定の搬送方向に沿って、前記媒体収容部が収容した媒体を前記画像形成部へと搬送すると共に、前記画像形成部により画像が形成された媒体を前記排出部へと搬送する媒体搬送部と、
前記排出部に排出された媒体を前記排出部から垂れ下がった状態に維持することが可能な媒体維持部と、
制御部とを備えており、
前記制御部が、
所定の維持継続条件を満たす場合に、前記排出部に排出された媒体を前記媒体維持部に媒体を維持させ続ける第1排出モードを選択し、前記所定の維持継続条件を満たさない場合に、前記排出部に排出された媒体を前記媒体維持部に維持させない又は維持させた後に解除させる第2排出モードを選択すると共に、選択した前記第1排出モード及び前記第2排出モードの一方に基づいて前記画像形成部、前記媒体搬送部及び前記媒体維持部の動作を制御し、
前記所定の維持継続条件が、
前記媒体の材質が特定の材質に該当しないことである第1の条件、及び、前記媒体の前記所定の搬送方向の長さである媒体長さが第1の閾値と比較して小さいことである第2の条件の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体長さが、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より大きいことを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の維持継続条件が前記第1の条件を含んでおり、
前記第2排出モードが、前記排出部に排出された媒体を前記媒体維持部に維持させた後に解除させるモードであり、
前記制御部は、前記第2排出モードにおいて前記媒体維持部に媒体を維持させる期間の長さを、前記媒体の材質に応じて変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の維持継続条件が前記第2の条件を含んでおり、
前記第1の閾値がユーザにより設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記排出部の床面からの高さを取得する高さ取得部と、
前記高さ取得部が取得した前記高さが大きいほど大きい値になるように前記第1の閾値を設定する閾値設定部とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成された媒体が排出される排出部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像形成装置は、画像が形成されて排出された媒体が装置から落下するのを防止するため、排出された媒体を挟持した状態に維持することにより媒体を維持しつつ排出する手段を備えている。特許文献1の装置では、媒体であるシートの長さが閾値を超えた場合に、排出されたシートを排紙ローラに挟持させた状態で維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-74513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、排出された媒体を排紙ローラ等に維持させると、媒体に湾曲した癖がつきやすい場合があることに気づいた。
【0005】
本発明の目的は、排出された媒体を維持する動作を、湾曲した癖が媒体につきにくいように制御する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、媒体を収容可能な媒体収容部と、前記媒体収容部が収容した媒体に対して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成された媒体が排出される排出部と、所定の搬送方向に沿って、前記媒体収容部が収容した媒体を前記画像形成部へと搬送すると共に、前記画像形成部により画像が形成された媒体を前記排出部へと搬送する媒体搬送部と、前記排出部に排出された媒体を前記排出部から垂れ下がった状態に維持することが可能な媒体維持部と、制御部とを備えており、前記制御部が、所定の維持継続条件を満たす場合に、前記排出部に排出された媒体を前記媒体維持部に媒体を維持させ続ける第1排出モードを選択し、前記所定の維持継続条件を満たさない場合に、前記排出部に排出された媒体を前記媒体維持部に維持させない又は維持させた後に解除させる第2排出モードを選択すると共に、選択した前記第1排出モード及び前記第2排出モードの一方に基づいて前記画像形成部、前記媒体搬送部及び前記媒体維持部の動作を制御し、前記所定の維持継続条件が、前記媒体の材質が特定の材質に該当しないことである第1の条件、及び、前記媒体の前記所定の搬送方向の長さである媒体長さが第1の閾値と比較して小さいことである第2の条件の少なくともいずれかを含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本発明者は、鋭意研究の結果、排出された媒体に湾曲した癖がつく原因の1つが、媒体が長すぎる場合に媒体の下部が床面に接触し、媒体が湾曲した状態で維持されることである点に着眼した。また、本発明者は、排出された媒体に湾曲した癖がつく原因のもう1つが、媒体が光沢紙である場合等、媒体の材質が、維持された状態において媒体に癖がつきやすい材質に該当する点に着眼した。
【0008】
そこで、本発明は、上記の通り、媒体の維持を継続するための所定の維持継続条件を、媒体の材質が特定の材質に該当しないこと(第1の条件)、及び、媒体長さが比較的小さいこと(第2の条件)の少なくともいずれかを含む条件とした。第1の条件を満たさない場合には、媒体の材質が特定の材質に該当するため、媒体に癖がつきやすい。また、第2の条件を満たさない場合には、媒体が長すぎて媒体の下部が床につくおそれが高いため、媒体に癖がつきやすい。本発明では、このような場合(即ち、所定の維持継続条件を満たさない場合)に、排出された媒体を維持しないか、排出された媒体を維持した後に維持を解除する。つまり、排出された媒体を維持する動作が、媒体に湾曲した癖がつきにくいように制御される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態(第1の実施形態)に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
図2図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図3】用紙が排出される状況を示す図1の排紙トレイ周辺の部分拡大図である。
図4】用紙が排出される別の状況を示す図1の排紙トレイ周辺の部分拡大図である。
図5】用紙が排出されるさらに別の状況を示す図1の排紙トレイ周辺の部分拡大図である。
図6】本発明の一実施形態(第2の実施形態)に係るプリンタの設置状況を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の好適な一実施形態である第1の実施形態に係るプリンタ100(本発明の「画像形成装置」に相当する)について、図1図5を参照しつつ、以下に説明する。なお、図1に示す上下方向、前後方向及び左右方向を、プリンタ100の上下方向、前後方向及び左右方向とする。
【0011】
プリンタ100は、図1に示すように、筐体100a、給送トレイ1、搬送機構2、カッター3、キャリッジ4、ヘッド5、移動機構6、排紙トレイ7及び制御部9を主に備えている。
【0012】
給送トレイ1(本発明の「媒体収容部」に相当する)は、画像形成に用いられる用紙Pを収容する部材である。本実施形態に係る用紙Pには、長尺のロール紙Rpとロール紙Rpより短尺のカット紙Kpとがある。カット紙Kpは、例えばA4サイズやB5サイズの定形サイズの用紙である。給送トレイ1は、ロール体R及びカット紙Kpを収容可能である。給送トレイ1は、ロール体R及びカット紙Kpを同時に収容可能であってもよいし、ロール体R及びカット紙Kpのいずれかを選択的に収容可能であってもよい。なお、ロール紙Rp及びカット紙Kpに代えて、又は加えて、紙以外の布等の素材からなる媒体が用いられてもよい。
【0013】
給送トレイ1は、ロール体Rを支持するロール体支持部11と、カット紙Kpが載置される載置面12とを有している。給送トレイ1は、筐体100a内においてヘッド5の下方に配置されている。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面にロール紙Rpがロール状に巻回されたものである。カット紙Kpは、複数積層された状態で載置面12上に載置される。給送トレイ1は、筐体100aの前壁に形成された開口100pを介して筐体100aに対して前後方向に沿って挿抜可能である。
【0014】
排紙トレイ7(本発明の「排出部」に相当する)は、筐体100a内においてヘッド5の前方であって、給送トレイ1より上方に配置されている。排紙トレイ7は前後方向に沿って延びている。
【0015】
搬送機構2(本発明の「媒体搬送部」に相当する)は、給送トレイ1に収容された用紙Pを選択的にヘッド5へと搬送すると共に、ヘッド5により画像が形成された用紙Pを排紙トレイ7に排出する搬送動作を実行する。用紙Pは、給送トレイ1からヘッド5を経由して排紙トレイ7まで延びた所定の搬送経路(図1においてロール紙Rpを表す太い実線に沿った経路)を通じて搬送される。以下、「上流」及び「下流」の用語は、この搬送経路に沿った用紙Pの搬送方向に関して上流及び下流をそれぞれ表すものとする。
【0016】
搬送機構2は、搬送動作を実行するための構成として、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23、排紙ローラ対24及びガイド部材25を有している。これらのうち、ローラ及びローラ対は、搬送経路に沿って上流から下流に向かって、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23及び排紙ローラ対24の順に配置されている。
【0017】
給送ローラ21は、ロール体支持部11に支持されたロール体Rから巻き解かれたロール紙Rp又は載置面12に載置されたカット紙Kpを給送トレイ1から給送する。
【0018】
給送ローラ21は、給送モータ21a(図2参照)の駆動により回転する。制御部9の制御により給送モータ21aが駆動されると、給送ローラ21が回転して、給送ローラ21と接触する用紙Pに対して前方から後方に向かう方向の搬送力が付与される。これにより、用紙Pが給送トレイ1から送り出される。なお、給送トレイ1の後方側の端部に設けられた後壁15は、上端部が下端部よりも後方に位置するように傾斜している。したがって、給送トレイ1から送り出された用紙Pは、斜め上方に向かう。
【0019】
中間ローラ対22は、中間モータ22a(図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部9の制御により中間モータ22aが駆動されると、中間ローラ対22が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。中間ローラ対22は、給送トレイ1の後方側の端部の上方に位置している。中間ローラ対22は、給送ローラ21によって給送トレイ1から送り出されて斜め上方に向かう用紙Pを挟持しつつ上方に搬送する。
【0020】
中間ローラ対22の上方にはガイド部材25が配置されている。ガイド部材25は、中間ローラ対22によって上方に搬送される用紙Pを前方に案内する。
【0021】
搬送ローラ対23は、搬送モータ23a(図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。排紙ローラ対24(本発明の「媒体維持部」に相当する)は、排紙モータ24a(図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。搬送ローラ対23及び排紙ローラ対24は、前後方向にヘッド5を挟んで配置されており、搬送ローラ対23はヘッド5よりも後方(搬送方向の上流)に、排紙ローラ対24はヘッド5よりも前方(搬送方向の下流)に配置されている。
【0022】
制御部9の制御により搬送モータ23a及び排紙モータ24aが駆動されると、搬送ローラ対23及び排紙ローラ対24が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。搬送ローラ対23は、ガイド部材25によって案内された用紙Pをヘッド5の下面と対向する位置に送る。ヘッド5の下面と対向する位置において、後述のヘッド5の画像形成動作により、用紙Pの上面である画像形成面に画像が形成される。排紙ローラ対24は、搬送ローラ対23によって送られた用紙Pを受け取り、さらに前方に向かって送る。排紙ローラ対24が搬送した用紙Pは排紙トレイ7に排出される。
【0023】
なお、後述の通り、用紙Pが排紙トレイ7に排出される際に、所定の条件が満たされる場合には、排紙ローラ対24が用紙Pの後端部(搬送方向において上流側の端部)を挟持した状態を維持する維持動作を実行する。これにより、排紙トレイ7に排出された用紙Pは、図1の一点鎖線に示すように、排紙トレイ7の前端から垂れ下がった状態に維持される。よって、排紙トレイ7の前端からの用紙Pの落下が抑制される。この状態において、ユーザが用紙Pを排紙ローラ対24から引き抜くか、排紙ローラ対24に用紙Pの搬送を再開させることで、画像が形成された用紙Pが排紙ローラ対24から離脱する。
【0024】
排紙ローラ対24の下流側の近傍には用紙センサ96が設置されている。用紙センサ96は、その設置位置に用紙Pが存在するか否かを検出可能である。その検出結果は制御部9に出力される。制御部9は、排紙ローラ対24の維持動作により排紙トレイ7の前端から垂れ下がった状態の用紙Pがユーザによって回収されたか否かを用紙センサ96の検出結果に基づいて検出可能である。
【0025】
カッター3は、ヘッド5により画像が形成されたロール紙Rpを切断する切断動作を実行する。カッター3は、搬送経路において中間ローラ対22より上流側であって、給送トレイ1の後方側の端部と中間ローラ対22との間の位置に配置されている。カッター3は、例えば円板状の回転刃及び従動刃からなる。切断動作においては、切断モータ3a(図2参照)の駆動により回転刃が回転し、且つ、左右方向に沿って往復移動する。ロール体Rから巻き解かれて搬送されたロール紙Rpは、制御部9の制御により切断モータ3aが駆動されることで、用紙Pの搬送方向における切断後の長さが後述の画像データが示す切断長となるように、カッター3によりロール紙Rpの幅方向に切断される。これにより、ロール紙Rpに後端が形成され、1枚ごとの用紙となって排紙トレイ7に排紙される。
【0026】
ヘッド5(本発明の「画像形成部」に相当する)は、下面に形成された複数のノズルと、ドライバIC52(図2参照)とを含む。制御部9の制御によりドライバIC52が駆動されると、ノズルからインクが吐出され、そのインクが用紙Pに付着してドットを形成する。ヘッド5は、キャリッジ4に搭載されている。
【0027】
移動機構6は、2つのガイドレール61、62と、キャリッジモータ63(図2参照)と、を有している。2つのガイドレール61、62は、前後方向に互いに離隔して配置され、各々が左右方向に延設されている。キャリッジ4は、2つのガイドレール61、62を跨ぐように配置されている。キャリッジ4は、ベルト(不図示)などを介してキャリッジモータ63に接続されている。制御部9の制御によりキャリッジモータ63が駆動されると、キャリッジ4がガイドレール61、62に沿って走査方向(左右方向)に移動する。
【0028】
ヘッド5は、用紙Pに対して以下の通りに画像形成動作を行う。ヘッド5がキャリッジ4の移動に伴って走査方向に往復移動しつつ吐出したインクによって、走査方向に沿ってドットが順に形成される。このような走査方向に沿ったドットの列が、搬送機構2によって用紙Pが搬送されつつ順に形成される。用紙P上の画像形成領域には、走査方向及び搬送方向の両方向にドットが並び、このようなドットの配列からなる画像が表れる。画像形成領域は、画像のサイズに応じた長方形の領域である。
【0029】
筐体100a内にはカートリッジ装着部が設置されている。カートリッジ装着部には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジが着脱自在に装着可能である。チューブなどを介して、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジからヘッド5にインクが供給される。
【0030】
制御部9は、プリンタ100全体の制御を行うものである。制御部9には、図2に示すように、給送モータ21a、中間モータ22a、搬送モータ23a、排紙モータ24a、切断モータ3a、ドライバIC52、キャリッジモータ63及び用紙センサ96が電気的に接続されている。
【0031】
制御部9は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)94等を備えている。
【0032】
ROM92には、CPU91及びASIC94が実行するプログラム等が格納されている。また、ROM92には各種の基準値が格納されている。例えば、この基準値は、排紙ローラ対24に維持動作を継続させるか否かを判定するための用紙Pの材質に係る種類(以下、「用紙Pの種類」とする)を示す値及び長さの閾値を含んでいる。用紙Pの種類には、普通紙、光沢紙、インクジェット用紙、布等が含まれる。用紙Pの種類が異なることは、用紙Pの材質が異なることに相当する。また、用紙Pの長さの閾値には、閾値A及び閾値B(A,B:A<Bを満たす実数)の2つがある。なお、用紙Pの長さの閾値は、プリンタ100に備えられた入力デバイスによるユーザ入力に基づいて変更可能であったり、PC等の外部装置から送信されたデータに基づいて設定可能であったりしてもよい。これにより、ユーザは、床面からプリンタ100の設置位置までの高さなどの設置状況を考慮しつつ用紙Pの維持動作の制御条件である閾値Bを適宜設定可能である。また、ROM92に格納される基準値は、後述の一時的維持動作において排紙ローラ対24に維持動作を行わせる期間の長さT1及びT2(T1,T2:T1<T2を満たす実数)を含んでいる。
【0033】
RAM93は、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶するものである。このデータには、PC等の外部装置から送信されたり記録媒体から読み出されたりした画像データが含まれる。画像データは、用紙Pに形成されるべき画像を示すデータや、その画像形成の関連情報に関するユーザの指示を示すデータを含んでいる。上記関連情報には、カット紙Kp及びロール紙Rpのいずれが使用されるかを示す情報、ロール紙Rpが使用される場合には搬送方向に関する切断長を示す情報、使用される用紙Pの種類を示す情報等が含まれる。
【0034】
なお、制御部9は、CPU91のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC94のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU91とASIC94とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのCPU91が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU91が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのASIC94が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC94が処理を分担して行うものであってもよい。
【0035】
制御部9は、RAM93に格納された画像データに基づき、画像形成処理を実行する。画像形成処理においては、搬送機構2により用紙Pを搬送経路に沿って所定距離ずつ搬送する処理と、移動機構6によりキャリッジ4を走査方向に往復移動させつつ、ヘッド5の複数のノズルから用紙Pに対してインクを吐出させる処理とが交互に繰り返し実行される。
【0036】
用紙Pがロール紙Rpである場合には、ロール紙Rpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。ロール紙Rpは、制御部9による制御に従ったカッター3の動作によって、画像データが示す切断長に切断される。カッター3によって切断されたロール紙Rpは、画像データが示す画像が形成された1枚ごとの用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
【0037】
用紙Pがカット紙Kpである場合には、カット紙Kpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより、カット紙Kpは、画像データが示す画像が形成された用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
【0038】
ところで、制御部9は、上記画像形成処理において、用紙Pが排紙トレイ7に排出される際に第1排出モード及び第2排出モードの一方を選択し、選択したモードに基づいて搬送機構2及びヘッド5を制御する。第1排出モードは、排紙ローラ対24に用紙Pの後端部(用紙Pの搬送方向において上流側の端部)を挟持させることで、図1の一点鎖線に示すように排紙トレイ7の前端から垂れ下がった状態で用紙Pを維持する維持動作を行わせるモードである。具体的には、搬送機構2の制御において、用紙Pを排紙トレイ7に排出させる際に、排紙ローラ対24が用紙Pの後端部を挟持した状態で排紙ローラ対24の駆動を停止させる。これにより、排紙トレイ7の前端から用紙Pが落下するのが抑制される。第1排出モードにおいては、ユーザが用紙Pを排紙ローラ対24から引き抜くまで、排紙ローラ対24による用紙Pの維持動作が継続される。
【0039】
第2排出モードは、一時的維持動作と維持動作なし排紙とのうちいずれかを行うモードである。一時的維持動作は、排紙ローラ対24が用紙Pの維持動作を一時的に継続するものであり、維持動作を継続した状態で所定の時間が経過しても用紙Pが排紙ローラ対24から引き抜かれない場合には、排紙ローラ対24が維持動作を解除するという動作である。維持動作の解除は、排紙ローラ対24に用紙Pの搬送を再開させることで用紙Pの後端に排紙ローラ対24を通過させてから、排紙ローラ対24の駆動を停止させることでなされる。維持動作を継続する上記所定の時間は、ROM92に格納されたT1及びT2のいずれかである。用紙Pが排紙ローラ対24から引き抜かれたか否かは用紙センサ96の検出結果に基づいて制御部9により判定される。
【0040】
第2排出モードの維持動作なし排紙は、用紙Pの維持動作を排紙ローラ対24に行わせずに排紙トレイ7へと用紙Pを排出するモードである。具体的には、搬送機構2の搬送動作において、用紙Pを排紙トレイ7に排出させる際に、用紙Pの後端が排紙ローラ対24を通過してから排紙ローラ対24の駆動を停止させる。
【0041】
制御部9は、用紙Pの種類と用紙Pの長さとの両方に関する条件に基づいて第1排出モード、第2排出モードの一時的維持動作及び第2排出モードの維持動作なし排紙からいずれかを選択する。このような制御は、用紙Pが排紙トレイ7から落下しないようにする上記の観点に加え、用紙Pの排出の仕方によって用紙Pに湾曲した癖がつくことを抑制する観点に基づく。用紙Pの種類が光沢紙等の癖のつきやすい材質に係るものであったり、用紙Pが長過ぎて用紙Pの下部が床面に接触し、用紙Pが湾曲した状態で維持されたりすることにより、上記のような癖がつくおそれが生じる。
【0042】
用紙Pの長さに関しては、例えば、図3に示すように、排紙される用紙Pがある程度短い場合、排紙ローラ対24に維持動作を行わせなくても排紙トレイ7から用紙Pが落下しにくい。排紙される用紙Pが比較的長い図4の場合には排紙トレイ7から用紙Pが飛び出し、落下するおそれが高まる。このため、排紙ローラ対24に維持動作を行わせ、床面より上方で用紙Pをぶら下げることで、排紙トレイ7からの用紙Pの落下を抑制する。これに対し、排紙される用紙Pがさらに長くなると、排紙ローラ対24に維持動作を行わせた場合、図5に示すように、用紙Pにおいて排紙トレイ7から飛び出した部分が大きく湾曲しつつ、用紙Pの下端部が床面に達する状態になることがある。このような状態で用紙Pが維持されると、用紙Pが癖のつきやすい材質からなるものである場合、用紙Pに湾曲した癖がつくおそれがある。
【0043】
そこで、本実施形態は、排出された用紙Pに湾曲した癖がつきにくくするために、用紙Pの種類と用紙Pの長さとの両方に関する条件に基づいて排出モードを選択することとした。以下の表1は、制御部9によるこのような選択方法の一例を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の「用紙Pの長さ」は、ロール紙Rpについては切断長に相当し、カット紙Kpについては搬送方向に対応する方向の定形サイズの長さに相当する。表1の「閾値A」及び「閾値B」はROM92から取得される基準値である。「閾値A以下」は、用紙Pの長さが閾値A以下であることを示す。「閾値A~閾値B」は、用紙Pの長さが閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいことを示す。「閾値B以上」は、用紙Pの長さが閾値B以上であることを示す。閾値A以下であることは、図3に示すように、排紙トレイ7から落下しない程度に用紙Pが短いと見込まれることに対応する。閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいことは、図4に示すように、排紙ローラ対24による維持動作が行わなければ排紙トレイ7から落下するおそれがある程度に長いが、用紙Pが湾曲しつつ床面に達するほどには長くないと見込まれることに対応する。閾値B以上であることは、図5に示すように、用紙Pが湾曲しつつ床面に達する程度に長いと見込まれることに対応する。
【0046】
表1の「用紙P分類」は、RAM93に格納された画像データが示す用紙Pの種類がイ、ロ、ハ及びニのいずれに該当するかを示す。イ、ロ、ハ、ニは癖のつきやすさの順に並んでおり、後方のものほど癖がつきにくい材質に相当する。イ、ロ、ハ及びニのそれぞれは、例えば、光沢紙、インクジェット用紙、普通紙、布のいずれかに対応する。
【0047】
表1の「モード1」は第1排出モードを意味する。「モード2(維持なし)」は第2排出モードの維持動作なし排紙を意味する。「モード2(一時的[T1])」は、第2排出モードの一時的維持動作を上記の通りT1の時間で行うことを意味する。「モード2(一時的[T2])」は、第2排出モードの一時的維持動作を上記の通りT2の時間で行うことを意味する。
【0048】
制御部9は、表1の内容に従って第1排出モード及び第2排出モードの一方を選択し、選択したモードに基づいて搬送機構2及びヘッド5を制御する。具体的には、RAM93に格納された画像データが示す用紙Pの種類がイに該当する場合、用紙Pの長さが閾値A以下であると第2の排出モードの維持動作なし排紙が実行され、用紙Pの長さが閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいと第1排出モードの動作が実行され、用紙Pの長さが閾値B以上であると第2の排出モードの維持動作なし排紙が実行される。RAM93に格納された画像データが示す用紙Pの種類がロに該当する場合、用紙Pの長さが閾値A以下であると第2の排出モードの維持動作なし排紙が実行され、用紙Pの長さが閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいであると第1排出モードの動作が実行され、用紙Pの長さが閾値Bより大きいと第2の排出モードの一時的維持動作がT1の時間で実行される。RAM93に格納された画像データが示す用紙Pの種類がハに該当する場合、用紙Pの長さが閾値Aより小さいと第2の排出モードの維持動作なし排紙が実行され、用紙Pの長さが閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいであると第1排出モードの動作が実行され、用紙Pの長さが閾値B以上であると第2の排出モードの一時的維持動作がT2の時間で実行される。RAM93に格納された画像データが示す用紙Pの種類がニに該当する場合、用紙Pの長さが閾値A以下であると第2の排出モードの維持動作なし排紙が実行され、用紙Pの長さが閾値Aより大きいと、閾値Bとの間の大小関係に関わらず、第1排出モードの動作が実行される。
【0049】
表1の内容に従った上記制御によると、用紙Pの種類に限らず、用紙Pの長さが閾値A以下であるときには排紙ローラ対24による維持動作を行わずに用紙Pが排出される一方で、用紙Pの長さが閾値Aより大きく且つ閾値Bより小さいときには排紙ローラ対24による維持動作が行われる。このため、排紙ローラ対24からの用紙Pの落下が適切に抑制される。
【0050】
これに対し、用紙Pの長さが閾値B以上となると、用紙Pの材質に応じた以下の通りの制御がなされる。イ~ニのうち用紙Pに最も癖のつきやすいイの材質の場合には、排紙ローラ対24による維持動作を行わずに用紙Pが排出される。これにより、用紙Pが図5のような状態にならず、用紙Pに癖がつくのが抑制される。イの次に癖のつきやすいロの材質の場合には、排紙ローラ対24による維持動作が一旦行われるが、T1の時間が経過しても用紙Pが引き抜かれないときには維持動作が解除される。これにより、用紙Pが図5の状態で長時間維持されず、用紙Pに癖がつくのが抑制される。ロの次に癖のつきやすいハの材質の場合には、排紙ローラ対24による維持動作が一旦行われるが、T2の時間が経過しても用紙Pが引き抜かれないときには維持動作が解除される。これにより、用紙Pが図5の状態で長時間維持されず、用紙Pに癖がつくのが抑制される。ハはロと比べると癖がつきにくいため、ハにおける維持動作の最大の継続時間T2がロにおける維持動作の最大の継続時間T1より大きく設定されている。イ~ニのうち最も癖のつきにくいニの材質の場合には、ユーザによって用紙Pが引き抜かれるまで維持動作が継続される。
【0051】
なお、表1が示す条件のうち第1排出モードが選択されるための条件が、本発明の「所定の維持継続条件」に相当する。
【0052】
また、表1において、用紙Pの長さが閾値B以上である場合には、用紙Pの種類がニに該当するときに第1排出モードが選択され、用紙Pの種類がイ~ハに該当するときに第2の排出モードが選択される。これは、本発明において、「特定の材質」がイ~ハに相当する場合であって、第1の条件を満たすときに第1排出モードが選択され、第1の条件を満たさないときに第2排出モードが選択されることに相当する。
【0053】
また、表1において、用紙Pの種類がイ~ハのいずれかである場合には、用紙Pの長さが閾値Bより小さいときに第1排出モードが選択され、用紙Pの長さが閾値B以上であるときに第2排出モードが選択される。これは、本発明において、「第1の閾値」が閾値Bに相当する場合であって、第2の条件を満たすときに第1排出モードが選択され、第2の条件を満たさないときに第2排出モードが選択されることに相当する。
【0054】
また、表1において、用紙Pの長さが閾値Bより小さい場合には、用紙Pの閾値Aより大きいときに第1排出モードが選択され、用紙Pの長さが閾値A以下であるときに第2排出モードが選択される。これは、本発明において、「第2の閾値」が閾値Aに相当する場合であって、「前記媒体長さが、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より大きい」ときに第1排出モードが選択され、そうでないときに第2排出モードが選択されることに相当する。
【0055】
また、表1において、用紙Pの長さが閾値B以上である場合に、用紙Pの材質がロであるときには第2排出モードの一時的維持動作がT1の時間で行われ、用紙Pの材質がハであるときには第2排出モードの一時的維持動作がT2の時間で行われる。これは、本発明の「前記第2排出モードにおいて前記媒体維持部に媒体を維持させる期間の長さを、前記媒体の材質に応じて変更する」ことに相当する。
【0056】
以上説明した本実施形態によると以下の効果が奏される。表1は、第1排出モードが選択される条件として、用紙Pの材質が特定の材質に該当しないことや、用紙Pの長さが閾値Bより小さいこと(用紙Pの長さが比較的小さいこと)を含んでいる。用紙Pの材質が特定の材質(例えば、上記イ~ハ)に該当すると、用紙Pに癖がつきやすい。また、用紙Pが閾値B以上であると、用紙Pが長すぎて図5に示すように湾曲しつつ床面につくおそれが高まる。このため、用紙Pに癖がつきやすい。本実施形態では、このように癖がつきやすい場合に第2排出モードが選択されることにより、用紙Pに湾曲した癖がつきにくくなる。
【0057】
また、上述の実施形態によると、用紙Pの材質がロであるときには第2排出モードの一時的維持動作がT1の時間で行われ、用紙Pの材質がロより癖がつきにくいハであるときには第2排出モードの一時的維持動作がT1より大きいT2の時間で行われる。よって、用紙Pの材質による癖のつきやすさに応じて一時的維持動作を行う期間の長さが適切に調整される。
【0058】
[第2の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態である第2の実施形態に係るプリンタ200について図6を参照しつつ説明する。プリンタ200において、第1の実施形態に係るプリンタ100との違いは、制御部9の代わりに制御部209を有していることと、測距センサ97を有していることであり、その他の構成はプリンタ100とプリンタ200の間で共通である。測距センサ97は、光学式又は超音波式のセンサであり、プリンタ200のいずれかの部分、例えば、排紙トレイ7の先端部に配置されている。測距センサ97は、下方に出射した光若しくは超音波W1が床面により反射して戻ってきた反射波、又は、斜め下方に出射した光若しくは超音波W2が床面において散乱して戻ってきた散乱波に基づいて床面までの距離を検出する。なお、測距センサ97による検出結果が示す床面までの距離は、排紙トレイ7の高さに応じた値となる。このため、測距センサ97は本発明の「高さ取得部」に相当する。制御部209において、第1の実施形態に係る制御部9との違いは、測距センサ97の検出結果に基づいて閾値Bの大きさを調整することであり、その他の機能は制御部9と制御部209の間で共通である。制御部209(本発明の「高さ取得部」に相当)は、測距センサ97の検出結果に基づいて、測距センサ97の床面からの高さが大きいほど閾値Bを大きい値に設定する。これにより、排紙ローラ対24による維持動作の制御が、プリンタ100の設置位置の高さに応じて適切に調整される。
【0059】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
例えば、上述の実施形態に係る第1排出モードは、用紙Pが排紙トレイ7から垂れ下がった状態で用紙Pの後端部が排紙ローラ対24に挟持された状態に維持されることが想定されている。これに対し、排紙トレイのサイズや切断長等の状況によっては、第1排出モードにおいて、用紙Pが排紙トレイ7からはみ出さず、垂れ下がらない状態で用紙Pの後端部が排紙ローラ対24に挟持された状態に維持されることがあってもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、第1排出モード及び第2排出モードからいずれかを選択するために表1が用いられている。そして、表1は、用紙Pの材質に関する条件(本発明の「第1の条件」に相当)と用紙Pの長さに関する条件(本発明の「第2の条件」に相当)との両方を含んでいる。これに対し、用紙Pの材質に関する条件と用紙Pの長さに関する条件とのいずれか一方のみを含んだ条件に基づいて第1排出モード及び第2排出モードの選択がなされてもよい。例えば、用紙Pの長さに関わらず、用紙Pの材質のみに基づいて第1排出モードか第2排出モードかが選択されてもよい。また、用紙Pの長さが閾値B以上であるか否かのみに基づいて第1排出モードか第2排出モードかが選択されてもよい。また、表1においては、用紙Pの長さの条件に関して閾値A及び閾値Bの両方が用いられている。これに対し、用紙Pの長さの条件に関しては閾値Aのみが用いられてもよい。例えば、用紙Pの材質が上記ニのように最も癖がつきにくい材質に該当する場合には用紙Pの長さが閾値Aを超えたか否かのみに応じて第1排出モード及び第2排出モードの選択がなされ、用紙Pの材質が上記イのように最も癖がつきやすい材質に該当する場合には用紙Pの長さに関わらず第2排出モードが選択されるという制御がなされてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、第1排出モードと対をなす第2排出モードが、維持動作なし排紙及び一時的維持動作のいずれかをさらに選択可能である。これに対し、第2排出モードが、維持動作なし排紙及び一時的維持動作のいずれかのみからなるモードであってもよい。
【0063】
また、上述の実施形態においては、排紙トレイ7に排出される用紙Pに対して排紙ローラ対24が維持動作を行うことでその用紙Pが維持される。これに対し、排紙ローラ対24に代えて、又は加えて、排紙トレイ7に排出される用紙Pを維持する別の手段(本発明の「媒体維持部」に相当する)がプリンタ100に設置されてもよい。例えば、ブロック状の部材を上方から用紙Pに接触させ、当該部材と排紙トレイ7との間に用紙Pを挟み込むことでこれを維持する手段がプリンタ100に設置されてもよい。この場合、ブロック状の部材は、筐体100aの内側及び外側のいずれに配置されていてもよい。また、用紙Pと排紙トレイ7の間の空気を吸引することで用紙Pを排紙トレイ7に吸着させ、もって、用紙Pを維持するような吸引手段がプリンタ100に設置されてもよい。
【0064】
加えて、上述の各実施形態においては、プリンタ100に対して本発明を適用する場合について説明したが、これには限定されない。本発明は、ヘッドからインクを吐出するインクジェット式のその他の画像形成装置、例えば、複合機やコピー機などに適用されてもよい。また、インクジェット方式でインクを用紙Pに付着させる代わりに、トナーを用紙Pに付着させることで画像記録処理を実行するレーザー式の画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0065】
2 搬送機構
3 カッター
4 キャリッジ
5 ヘッド
6 移動機構
7 排紙トレイ
9 制御部
100 プリンタ
P 用紙
Rp ロール紙
Kp カット紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6