(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049998
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ヨーグルト等の容器の蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 43/10 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B65D43/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156553
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000157887
【氏名又は名称】KISCO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】冨上 資治
(72)【発明者】
【氏名】大石 哲史
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB06
3E084BA01
3E084BA03
3E084BA05
3E084CA01
3E084CB03
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084HA01
3E084HB07
3E084HC09
3E084HD01
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
(57)【要約】
【課題】内周面に形成した嵌合リブを容器本体の上縁のフランジに係止させるタイプの蓋であって、容器本体に対する十分な嵌合強度を保持し得ると共に、開け易さの要請に応えることができるヨーグルト等の容器の蓋を提供することを課題とする。
【解決手段】ヨーグルト等の容器に被着される蓋1であって、蓋1はその内周面に、容器本体11の開口縁に形成されるフランジ12に係止される嵌合リブ7を有し、前記嵌合リブ7は、開蓋時における引き上げ方向にほぼ直交する蓋1の直径の両端部位置に、同時に2つの嵌合リブ7が位置しないように配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨーグルト等の容器に被着される蓋であって、
前記蓋はその内周面に、前記容器本体の開口縁に形成されるフランジに係止される嵌合リブを有し、前記嵌合リブは、開蓋時における引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部位置に、同時に2つの嵌合リブが位置しないように配置されることを特徴とするヨーグルト等の容器の蓋。
【請求項2】
前記蓋は、平坦な天面に、テーパ周面、上段周壁及び前記上段周壁よりも広径の下段周壁を連設して成り、前記上段周壁の内周面に補強リブが縦向きに多数形成され、前記下段周壁の内周面に前記嵌合リブが形成される、請求項1に記載のヨーグルト等の容器の蓋。
【請求項3】
前記嵌合リブは7箇所定間隔置きに形成される、請求項1又は2に記載のヨーグルト等の容器の蓋。
【請求項4】
前記補強リブは、前記嵌合リブ対応箇所及び前記嵌合リブ間の中間位置に配設される、請求項2に記載のヨーグルト等の容器の蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨーグルト等の容器の蓋に関するものであり、より詳細には、例えば、ヨーグルト、アイスクリーム、ジャム、マーガリン等を収納する容器の蓋で、十分な嵌合強度を保持しつつ、取り外し容易に構成したヨーグルト等の容器の蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヨーグルトやアイスクリーム等を収納する容量500ml程度の比較的大きなサイズの紙製又は樹脂製容器の場合、ヨーグルト等を充填した後、容器のフランジ付き開口をトップシールで封止し、その上に、プラスチック製の蓋を被せて製品化される。このプラスチック製の蓋は、その内周面に、周方向に伸びる一連の又は不連続の嵌合リブを備えていて、蓋を容器に押し被せることにより、その嵌合リブが、容器の上縁フランジを越えてそこに係止される。
【0003】
上記タイプの容器の場合、充填物を一度に消費し切れないために、蓋を反復開閉することが多い。そのために蓋は、簡単には外れない嵌合強度が求められる一方において、開けやすさが求められる。嵌合リブが環状に連続するものである場合、フランジによる係止力は強く、蓋を外すのに大きな力が必要となるため、反復開閉することが予定されている蓋の嵌合リブは、複数に分割して形成されることが多い。
【0004】
蓋は、例えば、
図4の部位A付近に親指を掛けて引き上げるようにして外していく。その場合、引き上げ当初には指を掛けた部位A付近の嵌合リブ7に大きな引き上げ力が加わるために、比較的容易にフランジから外すことができるが、引き上げ起点である部位Aから離れるにしたがって引き上げ力が弱まるため、部位Aから離れた部位B,Cに位置する嵌合リブ7は外しにくくなる。もちろん、嵌合リブ7の凸量を少なくすればフランジから外れやすくなり、蓋を開けやすくなるが、その場合は蓋の嵌合強度を確保できなくなる。
【0005】
特に、嵌合リブ7が、引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部の部位B,Cに位置する場合には両者を同時に外す必要があり、そのためにはこの部位B,Cに位置する一対の嵌合リブ7による係合力を上回る引き上げ力が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、内周面に形成した嵌合リブを容器本体の上縁のフランジに係止させるタイプの蓋であって、反復開閉することが予定されている蓋の場合、簡単には外れない嵌合強度が求められる一方において、開けやすさが求められていたが、従来このような要請に応え得る蓋は提唱されていない。そこで本発明は、内周面に形成した嵌合リブを容器本体の上縁のフランジに係止させるタイプの蓋であって、容器本体に対する十分な嵌合強度を保持し得ると共に、開け易さの要請に応えることができるヨーグルト等の容器の蓋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究開発を進めた結果、特に、嵌合リブが、引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部に位置する場合に、引き上げ力に対して双方の嵌合リブにほぼ均等の抵抗力が生じ、そのために蓋が開けにくくなるとの知見を得、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ヨーグルト等の容器に被着される蓋であって、
前記蓋はその内周面に、前記容器本体の開口縁に形成されるフランジに係止される嵌合リブを有し、前記嵌合リブは、開蓋時における引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部位置に、同時に2つの嵌合リブが位置しないように配置されることを特徴とするヨーグルト等の容器の蓋である。
【0010】
一実施形態においては、前記蓋は、平坦な天面に、テーパ周面、上段周壁及び前記上段周壁よりも広径の下段周壁を連設して成り、前記上段周壁の内周面に補強リブが縦向きに多数形成され、前記下段周壁の内周面に前記嵌合リブが形成される。
【0011】
一実施形態においては、前記嵌合リブは7箇所定間隔置きに形成される。また、前記補強リブは、前記嵌合リブ対応箇所及び前記嵌合リブ間の中間位置に配設される。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記のとおりであって、下段周壁の内周面に嵌合リブが、その凸量を十分な嵌合強度を確保し得るレベルにして形成されているために十分な嵌合強度が得られ、また、嵌合リブは、開蓋時における引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部位置に、同時に2つの嵌合リブが位置しないように配置されているため、引き上げ起点がどの位置であっても、引き上げ力に対して同時に二つの嵌合リブが抵抗となることがないため、少ない力で蓋を開けることが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るヨーグルト等の容器の蓋の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るヨーグルト等の容器の蓋の裏面図及び下方視斜視図である。
【
図3】本発明に係るヨーグルト等の容器の蓋の使用状態を示す部分破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ、詳細に説明する。本発明に係るヨーグルト等の容器の蓋1は、ヨーグルト等の容器の容器本体11に被着する蓋であって、その内周面に、容器本体11の開口縁に形成されるフランジ12に係合してそこに係止される、嵌合リブ7を有していることを特徴とする。なお、本発明におけるヨーグルト等の容器は、主に、ヨーグルト、アイスクリーム、ジャム等の飲食料品用として用いられるものであるが、それに限定される訳ではない。また、容器本体11に、トップシール13が貼着される場合とされない場合とがある。
【0015】
蓋1は、天面2にテーパ周面3、上段周壁4及び上段周壁4よりも広径の下段周壁5を連設して成り、上段周壁4の内周面に補強リブ6が縦向きに多数形成され、下段周壁5の内周面に嵌合リブ7が形成される。
【0016】
嵌合リブ7は周方向に伸びる横長の突状体で、蓋1の位置Aの縁に親指を掛けて引き上げる場合において、その引き上げ方向にほぼ直交する蓋1の直径の端部B、Cの位置に、同時に2つの嵌合リブ7が位置することがない配置にて配設される。その配置は、嵌合リブ7の長さ及び間隔にもよるが、例えば、
図2に示されるように、7箇所定間隔置きの配置とすることができる。あるいは、5箇所定間隔置き又は9箇所定間隔の配置とすることもできる。
【0017】
図2に示す例では、嵌合リブ7は、位置Cの側にのみ存在し、位置Bの側には存在しない。そのため、引き上げ力に対する抵抗力は、位置Cの側の嵌合リブ7においてのみ発生するので、その嵌合リブ7を弱い力で外すことが可能となる。それ以外の嵌合リブ7についても、一連の動作で左右互い違いに1つずつ外していくことができる。
【0018】
各嵌合リブ7のサイズは、必ずしも均一である必要はないが、その凸量は、十分な嵌合強度を確保可能なレベルにする必要がある。各嵌合リブ7には、それぞれ、中間に切れ目が入れられることもある。
【0019】
補強リブ6は、嵌合リブ7形成箇所と、嵌合リブ7間の中間位置に配設される。補強リブ6は、蓋1の強度保持に寄与するためでなく、蓋1を容器本体1に嵌合した際に、トップシール13の周縁部に当接し、嵌合リブ7との間にトップシール13及びフランジ12を挟持して、蓋1の容器本体に対する良好な嵌合状態を保持する役割を果たす。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は上記のとおりであって、下段周壁の内周面に嵌合リブが、その凸量を十分な嵌合強度を確保し得るレベルにして形成されているために十分な嵌合強度が得られ、また、嵌合リブは、開蓋時における引き上げ方向にほぼ直交する蓋の直径の両端部位置に、同時に2つの嵌合リブが位置しないように配置されているため、引き上げ起点がどの位置であっても、引き上げ力に対して同時に二つの嵌合リブが抵抗となることがないため、少ない力で蓋を開けることが可能となる効果のあるものであって、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0021】
1 蓋
2 天面
3 テーパ周面
4 上段周壁
5 下段周壁
6 補強リブ
7 嵌合リブ
11 容器本体
12 フランジ
13 トップシール