IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 共進発条株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ゴルフ場用ポール 図1
  • 特開-ゴルフ場用ポール 図2
  • 特開-ゴルフ場用ポール 図3
  • 特開-ゴルフ場用ポール 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000500
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ゴルフ場用ポール
(51)【国際特許分類】
   A63B 57/40 20150101AFI20231225BHJP
【FI】
A63B57/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074585
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2022098745
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502216613
【氏名又は名称】共進発条株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098615
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】長谷 清彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷 有希
(57)【要約】
【課題】ゴルフ場のグリーンに掘削されたホールに立設され、ホール内にインしたゴルフボールを極めて簡単な操作で迅速且つ確実に取り出せるゴルフ場用ポールを提供する。
【解決手段】ゴルフ場のグリーン2のホール3に立設されるゴルフ場用ポール1であって、下端にホール3の底面5下に挿入される挿入部12を有する心材10と、心材10の外周側に昇降可能に配置され、且つ外周面の下端側にゴルフボール9を支持する支持部23を設けた筒体20と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場のグリーンのホールに立設されるゴルフ場用ポールであって、
下端に前記ホールの底面下に挿入される挿入部を有する心材と、
前記心材の外周側に昇降可能に配置され、且つ外周面の下端側にゴルフボールを支持する支持部を設けた筒体と、を備えている、
ことを特徴とするゴルフ場用ポール。
【請求項2】
前記筒体の前記支持部は、垂直断面における少なくとも上面が、前記心材側が高く且つ周辺側が低い円錐形状を呈する、
請求項1に記載のゴルフ場用ポール。
【請求項3】
前記筒体の前記支持部の外形は、平面視で外径または最大径が前記ホールの内径よりも小径の円形状を呈するか、あるいは、平面視の最大径が前記ホールの内径よりも小径である六角形以上の正多角形または八角形以上の変形多角形状を呈する、
請求項1または2に記載のゴルフ場用ポール。
【請求項4】
平面視の外形が前記円形状または正多角形である前記支持部は、平面視が金属線材からなる渦巻き形状、または、網目形状の上面のみからなる、
請求項3に記載のゴルフ場用ポール。
【請求項5】
前記心材の上端に設けた鍔部の下面と、前記筒体の上端面との間に、前記心材の外周面を囲むようにコイルバネが巻装されている、
請求項1に記載のゴルフ場用ポール。
【請求項6】
前記心材の上端に設けた鍔部の上面に開口する凹み孔に、ホールの番号を表示する旗を支持する軸の下部が挿入されている、
請求項5に記載のゴルフ場用ポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ場のグリーンのホールに立設されるゴルフ場用ポール(以下、単にポールと略称する)に関するが、ゴルフ場用ピンと称しても良い。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーによって、ゴルフ場のグリーンのホール内にインされたゴルフボール(以下、単にボールと略称する)は、その都度ボールをホールから取り出さなければならない。また、プレイのスピードアップを図るため、例えば、プロゴルファーによるトーナメント大会などの場合を除き、パッティングの度にポールをホールから上方に引き抜かず、ホール上に垂直状に突き刺した状態のまま、パッティングを行う場合が多くなっている。その結果、ゴルファーは、ボールがホールインした都度、腰や膝を折り曲げ、且つ手をホール内に差し込んでホールインしたボールを取り出している。その際、手の甲や手のひらがホール開口部の上縁に位置するグリーンの芝生を抉ったり、押さえ付けるため、ホールの内径が不用意に拡大することにより、パッティングの順序による不公平感を招く恐れがあった。更に、ギックリ腰などの腰痛持ちのゴルファーにとって、腰周りの負担が増大する恐れもあった。
【0003】
例えば、グリーン内に埋設した円筒形のカップ内にインしたボールを自動的にグリーンの外側に取り出すため、カップの内側に設けた水平回転可能な傾斜面を有する音響板に当たったボールをカップの側面に明けた脱出口からグリーン直下の地下を緩く傾斜して貫通する蛇腹状のフレキシブルパイプからなる脱出通路を経て、グリーンの周辺側に放出させるようにしたパークゴルフ用ボールの取り出し方法およびこれに用いるカップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、パター用のゴルフクラブのシャフト上端に位置するグリップの上側に、全体が上向きに拡径する逆円錐形を呈し、側壁に開設され且つ径方向で対称な一対の押し出し口と、これらの押し出し口から上端縁の開口部に個別に連通する切り込みと、上端の開口部の異なる位置ごとに対称に設けた一対の落下防止用の突起と、からなる弾性変形を利用したボールの取り出し装置を設けたゴルフクラブホールインボール取り出し装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-174076号公報
【特許文献2】特開2001-314531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ゴルフ場のグリーンにおいて適宜位置を変えて直に掘削される実際のホール内に、特許文献1に開示されたような構造のカップを用い、且つグリーンの地下を水平状に貫通する脱出通路を掘削することは、カップの位置が固定されているパークゴルフの場合はともかく、ホールの位置を適宜変更する通常のゴルフ場のグリーンに対しては、技術的にもコスト的に著しく困難である。また、特許文献2のような取り出し装置をグリップに設けたゴルフクラブ、あるいは、これと同様な構造部分のみを有するボール取り出し治具(グッズ)を持ち歩くことは、相応の技量と時間とを必要すると共に、なれないゴルファーにとって手間と時間と要すると共に、ホールを囲むグリーンの芝生を不用意に傷付ける恐れがあった。
【0007】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、ゴルフ場のグリーンに掘削されたホールに立設され、ホール内にインしたボールを、ホールを囲むグリーンの芝生を傷付けずに、極めて簡単な操作で迅速且つ確実に取り出せるゴルフ場用ポールを提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明のゴルフ場用ポールは、
ゴルフ場のグリーンのホールに立設されるゴルフ場用ポールであって、
下端に前記ホールの底面下に挿入される挿入部を有する心材と、
前記心材の外周側に昇降可能に配置され、且つ外周面の下端側にゴルフボールを支持する支持部を設けた筒体と、を備えている。
【0009】
前記筒体の前記支持部は、垂直断面における少なくとも上面が、前記心材側が高く且つ周辺側が低い円錐形状を呈するものでも良い。
【0010】
前記筒体の前記支持部の外形は、平面視で外径または最大径が前記ホールの内径よりも小径の円形状を呈するか、あるいは、平面視の最大径が前記ホールの内径よりも小径である六角形以上の正多角形または八角形以上の変形多角形状を呈するものでも良い。
【0011】
平面視の外形が前記円形状または正多角形である前記支持部は、平面視が金属線材からなる渦巻き形状、または、網目形状の上面のみからなるものでも良い。
【0012】
前記心材の上端に設けた鍔部の下面と、前記筒体の上端面との間に、前記心材の外周面を囲むようにコイルバネが巻装されていても良い。
【0013】
前記心材の上端に設けた鍔部の上面に開口する凹み孔に、ホールの番号を表示する旗を支持する軸の下部が挿入されていても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明のゴルフ場用ポールによれば、ホール内にインしたボールを、ゴルファーが直立姿勢のまま筒体を上方に若干持ち上げるという極めて簡単な操作によって、ホールを囲むグリーンの芝生を傷付けずに、支持部の上面に載っているボールを迅速且つ確実にグリーン上に落下させて掴めると共に、ゴルファーの腰などに負担を掛けることなく、パッティングをスピードアップさせて快適にプレイすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(A)は、本発明のポールの立設状態を示す概略図、(B)は、ポールの詳細を示す一部に断面を含む側面図、(C)は、(B)中のC-C線の矢視に沿った部分水平断面図、(D)は、(B)中のD-D線の矢視に沿った部分水平断面図、(E)は、(B)中のE-E線の矢視に沿った部分水平断面図。
図2】(A)、(B)は、本発明のポールの作用を示す側面図。
図3】(A)、(B)は、筒体の下端付近に設けた支持部を示す部分垂直断面図、(C)、(D)は、異なる形態の支持部を示す部分平面図。
図4】(A)は、更に異なる形態の支持部を示す部分水平断面図、(B)は、(A)付近の部分垂直断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明のポール1は、図1(A)に示すように、通常、ゴルフ場のグリーン2上には、垂直状に立設(垂設)された筒体20と、その上側に連なるカバー19および旗6が現れている。より具体的には、ポール1は、図1(B)、(D)に示すように、グリーン2に掘削された円柱形のホール3の中心軸にほぼ沿って立設された心材10と、係る心材10の外周側に昇降可能に配置された筒体20とによる二重構造を有している。尚、ホール3は、全体が円筒形の側壁面4と、平面視が円形の底面5とからなり、内径が108mmで、且つ深さが101mmである。
【0017】
心材10は、例えば、ステンレス鋼のような耐食性の高い鋼管からなり、外径が約10~12mmの細長い管本体11と、その下端に溶接付けして設けた円錐形状の挿入部12と、これに一体で且つ最上部の最大径に同じくして上方に連なる円柱形の太径部13と、上端に設けた軸方向が短い円柱形の鍔部14と、を備えている。心材10の軸方向の長さ(高さ)は、約1.6~2mである。尚、太径部13の外径は、次述する筒体20の管本体21の外径とほぼ同じてある。心材10には、中実材の棒鋼を用いても良い。挿入部12は、四角錐などの細長い多角錐形状としても良い。本発明では、少なくとも太径部13の下部側は、挿入部12に含まれている。
【0018】
筒体20もステンレス鋼のような鋼管からなり、外径が約13~19mmの管本体21と、その外周面の下端側に設けた全体が円盤形状の支持部23と、管本体21の外周面の比較的上部(例えば、グリーン2から約1~1.2mの高さ)に巻き付けた円筒形状のグリップ17と、を備えている。グリップ17は、滑りにくい合成ゴムまたは合成樹脂からなる成形材であり、これら自体ごとの弾性を利用するか、あるいは、接着剤により管本体21の外周面に巻き付けられる。
【0019】
支持部23は、図1(E)に示すように、グリーン2に掘削されたホール3の内径(108mm)よりも全周に亘って、平面視で側壁面4との間に約5mmの隙間を有している。係る支持部23は、図3(A)に示すように、中心側から周辺側に向かって緩く下がるように傾斜する円錐形状の上面24と、該上面24と上下に対称な下面25とを有する中実材、あるいは、図3(B)に示すように、同じ外形を有し、且つ外形と相似形状の中空部26を内蔵する中空材である。図3(A)の中実材には、例えばポリウレタンなどの硬質発泡樹脂の成形材が適用され、図3(B)の中空材には、ステンレス鋼などの金属薄板をプレス成形した上・下一対の半体同士を溶接付けするか、または、金型を用いた合成樹脂の射出成形材が適用される。但し、支持部23の下面25は、水平面状であっても良い。
【0020】
図1(B)、(C)に示すように、筒材20の管本体21の上端面22と、心材10の上端に設けた鍔部14の下面との間には、心材10の管本体11の外周面を囲むように、緩衝用のコイルバネ18が巻き付け(巻装)られている。コイルバネ18を外部から覆うように、上端部を鍔部14の外周面に溶接した薄い金属パイプまたは鍔部14の外周面に接着した薄い樹脂パイプからなるカバー19が取り付けられている。コイルバネ18は、筒体20を心材10の軸方向に沿って上昇させた際に、管本体21の上端面22が鍔部14の下面に強く衝突する事態を防ぐものであり、カバー19は、ゴルファーの帽子などや周囲の木の葉がコイルバネ18に挟まれる事態などを防ぐものである。尚、筒体20に求められる昇降距離は、約12~20cm程度である。即ち、筒体20は、その下限位置を心材10の太径部13の上端面で抜け出し不能に規制され、且つ上限位置をコイルバネ18の下端で規制されている。但し、後述するコイルバネ18を省略する形態の場合には、筒体20の上限位置は、心材10の鍔部14の下面となる。尚、コイルバネ18は、バネ鋼またはバネ用ステンレス鋼(SUS304WPB)等からなる。
【0021】
図1(B)、(C)に示すように、心材10の上端に設けた鍔部14の上面には、係る上面に開口する比較的小径の凹み孔15が垂直に形成されている。凹み孔15内には、ホール3の番号(図示せず)が表示された旗6の袋部7内に上半部が挿入された細径の軸8における下半部が挿入される。軸8の下半部と凹み孔15の内周面とは、例えば、ネジ結合、または、縦長の板バネ片などによる摩擦片によって、強固に連結されている。尚、凹み孔15は、鍔部14内のみに雌ネジが刻設された形態や、板バネ片の当たり面を設けた形態であっても良い。
【0022】
以下において、本発明のポール1の使用方法(作用)について、図2(A)、(B)により説明する。予め、図2(A)に示すように、ポール1の心材10の下端における挿入部12と太径部13とを、ホール3の底面5直下の土中に差し込んで挿入する。この際、図示のように、支持部23の下面25の一部も底面5直下の土中に差し込むと、ポール1全体の垂直姿勢を安定化させられる。
【0023】
次に、ゴルファーがゴルフ場のフェアウェー上のボール9をアプローチショットするか、あるいは、既にグリーン2上にオンさせていたボール9をパッティングすることによって、図2(A)中の一点鎖線の矢印で示すように、グリーン2上を転がったボール9がホール3内に落下(ホールイン)する。この際、ボール9は、図示のように、支持部23の上面24に支持されると共に、ポール1の筒体20の管本体21の外周面とホール3の側壁面4とに挟まれ、且つ球面の一部がホール3の側壁面4に接触して停止している。
【0024】
係るホールインの状態において、ボール9をホールインさせたゴルファーまたは同じ組のゴルファーが直立姿勢のまま、片手でポール1の筒体20の外周面に巻き付けられたグリップ17を握りつつ、図2(A)中の実線の矢印で示すように、上方に向けて約12~15cm(少なくとも10cm超)持ち上げる。すると、図2(B)に示すように、心材10に対して筒体20全体が、コイルバネ18のバネ圧に抗して上側に上昇すると共に、筒体20の下端側に位置する支持部23もその上面24およびボール9を含めて、グリーン2よりも上方の位置に上昇(移動)する。その結果、図2(B)中の一転鎖線の矢印で示すように、支持部23の上面24に載っていたボール9は、支持部23の上面24から外側の斜め下側に転がり落ちてホール3の外側のグリーン2上に自動的に落下する。因みに、上面24は、仮想の水平線Lに対し、下方側に少なくとも3~5度以上、望ましくは約10~20度の傾斜角度θを有している。
【0025】
従って、前述のゴルファーは、ホールインしたボール9を極めて簡単にホール3内から取り出して掴めると共に、自己のスコア結果を記録して、次のプレイヤーまたは次のグループのゴルファーにグリーン2をスムーズに明け渡すことができる。尚、グリップ17を上側に緩く持ち上げて筒体20全体をゆっくり上昇させられる場合には、コイルバネ18とカバー19とを省略した形態としたポール1としても良い。この際、心材10の軸方向の長さを適宜短くしても良い。
【0026】
以上のような形態のポール1によれば、ポール1をグリーン2のホール3に立設したままの状態で、ホール3にインしたボール9を、ホール3を囲むグリーン2の芝生を傷付けることなく、ゴルファーが直立姿勢のまま筒体20を上方に若干持ち上げるという極めて簡単な操作によって、支持部23の上面24に載っているボール9を迅速且つ確実にホール3周辺のグリーン2上に落下させて取り出し且つ掴める。更に、ゴルファーの腰などに負担を掛けることなく、パッティングなどをスピードアップして快適にプレイすることが可能となる。
【0027】
図3(C)は、異なる形態の支持部23aを示す部分平面図である。支持部23aは、図示のように、平面視でその上面24を含む外形が正六角形(正多角形)を呈し、ポール1の中心軸を通過する最大径Dが、その両端においてホール3の側壁面4の内径よりも約5mmずつ短くされている。支持部23aは、ホールインしたボール9の重心が平面視で常に上面24の内側に位置するように設定されている。係る支持部23aによっても、前述の支持部23と同様な作用を果たすことができる。尚、支持部23aの平面視の外形は、六角形超の正多角形としても良いし、正多角形の角部ごとに更にアールを付けた形態としても良い。
【0028】
図3(D)は、更に異なる形態の支持部23bを示す部分平面図である。支持部23bは、図示のように、平面視でその上面24を含む外形が長辺と短辺とを交互に配置する八角形以上の変形八角形(変形多角形)を呈し、ポール1の中心軸を通過する最大径Dが、その両端においてホール3の側壁面4の内径よりも約5mmずつ短くされている。支持部23bでも、ホールインしたボール9の重心が平面視で常に上面24の内側に位置するように設定されている。係る支持部23bによっても、支持部23と同様な作用を果たすことができる。尚、支持部23bの平面視の外形は、八角形超の任意の変形多角形としも良いし、変形多角形の角部ごとに更にアールを付けた形態としても良い。
【0029】
図4(A)、(B)は、更に異なる形態の支持部30の付近を示す部分水平断面図と部分垂直断面図である。支持部30は、バネ用ステンレス鋼等からなる直径が約2mmの線材(ワイヤ)31をバネ成形装置で成形したもので、図示のように、筒体20の下端側の外周面に緊密に巻き付けられた全体が円筒形状のコイル部32と、該コイル部32の下端側に連続し、且つ平面視で丸い渦巻き形状を呈し、中心側から周辺側に向かって仮想の水平線Lに対して約3~15度ほどの下方側に向かった傾斜角度θを有する全体が円錐形状の渦巻き部34と、からなっている。渦巻き部34の最大径Dは、ホール3の内径よりも1cm以上小さいと共に、渦巻き部34を構成する径方向で隣接する線材31同士の間隔は、ボール9の直径の約半分以下と小さいので、ホールインしたボール9を確実に支持することができる。即ち、渦巻き部34は、ボール9を支持する上面24のみを構成している。尚、渦巻き部34の最外端35は、若干内側に曲げておくことが望ましい。
【0030】
支持部30は、そのコイル部32を筒体20の下端側の管本体21にカシメることで固定される。更に、図4(B)に示すように、渦巻き部34の直下に位置する筒体20の管本体21に嵌めた金属リング36を小ネジ(ビス)38で固定することで、支持部30の抜け落ちの防止を図っている。また、前述したカシメを省略し、金属リング36および小ネジ38をコイル部32の上端側における筒体20にも固定して、支持部30の不要な浮き上がりを防止しても良い。以上のような支持部30を用いることで、前述した効果に加えて、ポール1全体の軽量化が図れると共に、筒体20に対し、容易に取り付けられ、変形時や損傷時の取り替えも容易となる。尚、図4(B)において、心材10の下端に取り付けられた挿入部12は、外周面にローレット掛けが施された嵌込部12aと、ストッパ13sとを一体に有している。ストッパ13sは、心材10から筒体20の抜け落ちを予防するもので、図1~3に示した前記形態にも適用可能である。係る支持部30を有する形態によれば、前述の効果に加えて、ゴルフ場用ポール1全体の軽量化を図ることも可能となる。
【0031】
本発明のポール1において、心材10や筒体20の素材は、前述した鋼管や棒鋼に限らず、適度の強度、耐食性、および、耐候性などを備えたチタン合金、合成樹脂(例えば、ポリカーボネート)、金属と樹脂との合成材(例えば、金属粉末を含有する合成樹脂)、セラミックと樹脂との合成材(例えば、セラミックファイバーを含む硬質合成樹脂)、あるいは、金属とセラミックとの合成材(例えば、金属粉末を含有するセラミック)を用いても良い。合成樹脂の素材を用いる場合には、挿入部12、太径部13、鍔部14を一体成形した心材10や、支持部23などを一体成形した筒体20を活用することも可能となる。
【0032】
尚、ポール1の上部を覆うカバー19と、心材10の上端における鍔部14の凹み孔15と、旗6の軸8とを省略し、旗6の袋部7の水平断面を大きくすることで、旗6の袋部7をカバー19に代用させた形態としても良い。係る形態の場合、コイルバネ18をも省略して、旗6の袋部7内に心材10の鍔部14とこれに続く管本体11とを旗6の袋部7で覆うようにしても良い。支持部23の平面視における外形は、前述した形態に限らず、例えば、花びら形状などを呈し、常にホールインしたボール9の重心が平面視で外形の内側に位置する形態としても良い。平面視が円形状の支持部で且つ金属線材からなる網目形状の上面には、平面視が三角形状、四角形状、あるいは六角形状などの多数の貫通孔を隣接して併有する形態が含まれる。平面視が六角形や八角形などの正多角形を呈し、且つ金属線材または樹脂線材を平面視で渦巻き形状に成形した支持部としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、予めホール内にインしたボールを、ゴルファーが直立姿勢のまま筒体を上方に若干持ち上げるという極めて簡単な操作により、支持部の上面に載っているボールを迅速且つ確実にグリーン上に落下させて取り出すことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 ゴルフ場用ポール(ポール)
2 グリーン
3 ホール
4 側壁面
5 底面
6 旗
7 旗の袋部
8 旗の軸
9 ゴルフボール(ボール)
10 心材
11 管本体
12 挿入部
12a 嵌込部
13 太径部
13s ストッパ
14 鍔部
15 凹み孔
17 グリップ
18 コイルバネ
19 カバー
20 筒体
21 管本体
22 上端面
23、23a、23b、30 支持部
24 支持部の上面
25 支持部の下面
31 線材
32 コイル部
34 渦巻き部
35 最外端
36 金属リング
38 小ネジ(ビス)
D 最大径
L 水平線
θ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4