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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050013
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】支援具
(51)【国際特許分類】
   B65G 7/12 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
B65G7/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156575
(22)【出願日】2022-09-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (刊行物1) Robotics in Natural Settings,CLAWAR2022 予稿集「Proposal for a support device for manual handling of gas cylinders」 (刊行物2) Robotics in Natural Settings,CLAWAR2022 予稿集「Evaluation of Support Device for Manual Handling of Gas Cylinders」
(71)【出願人】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(71)【出願人】
【識別番号】506141041
【氏名又は名称】アストモスエネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 太郎
(72)【発明者】
【氏名】大場 清貴
(72)【発明者】
【氏名】奥井 学
(72)【発明者】
【氏名】西濱 里英
(72)【発明者】
【氏名】大井 貴大
(57)【要約】
【課題】重い荷物の積み下ろしや運搬作業の疲労を軽減可能な支援具を提供する。
【解決手段】荷物の積み下ろしや持ち歩きを支援するための支援具であって、作業者の胴周りに巻き付けられるベルトと、前記ベルトによって保持される台座とを備え、前記台座は、作業者の腹部左側又は腹部右側に設けられ、前記ベルトよりも外側に突出し、荷物が載置可能とされた載置面を有する構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の積み下ろしや持ち歩きを支援するための支援具であって、
作業者の胴周りに巻き付けられるベルトと、
前記ベルトによって保持される台座と、を備え、
前記台座は、
作業者の腹部左側又は腹部右側に設けられ、
前記ベルトよりも外側に突出し、荷物が載置可能とされた載置面を有することを特徴とする支援具。
【請求項2】
前記載置面は、荷物の滑りを許容する凹凸を備えたことを特徴とする請求項1に記載の支援具。
【請求項3】
両端部がベルトに連結されたショルダーベルトを備え、
前記ショルダーベルトは、
台座が設けられた側と逆側の肩にたすき状に作業者に掛けられるように両端部がベルトに連結されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支援具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援具に関し、特に、トラックからのガスボンベの積み下ろしやガスボンベの設置場所までの運搬を支援するための支援具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロパンガス(LPガス)などのガスボンベ(以下単にボンベという)をトラックの荷台に運び上げたり、荷台から下ろしたり、また、荷台から下ろしたボンベの運搬を容易にするものの一つとして特許文献1に示すような運搬機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-52804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボンベには、50kg容器や20kg容器等の規格化された複数のサイズがある。例えば、50kg容器は、高さが約140cm、直径が37cmの大きさとされ、20kg容器は、高さが約80cm、直径が32cmの程度の大きさとされる。
このような大きさの違いにより、実際の現場では、50kg容器のような大きなものには特許文献1に示すような運搬機が利用され、20kg容器のような大きさのものでは、大きさ、特に高さが中途半端のため、荷台への上げ下げや運搬が担いで行われる場合が多い。
しかしながら、20kg容器は、50kg容器に比べて大きさが小さいものの、重さが約40kg近くとなるため、無理な姿勢を取りながら重量物を上げ降ろしするため疲労も多く、所謂ギックリ腰の要因になったり、手足を痛めたりし易く、重労働であった。
【0005】
そこで、本発明では、重い荷物の積み下ろしや運搬作業の疲労を軽減可能な支援具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための支援具の構成として、荷物の積み下ろしや持ち歩きを支援するための支援具であって、作業者の胴回りに巻き付けられるベルトと、ベルトによって保持される台座とを備え、台座は、作業者の腹部左側又は腹部右側に設けられ、ベルトよりも外側に突出し、荷物が載置可能とされた載置面を有する構成とされた。
本構成によれば、荷物の重さが、台座、ベルトを介して腰骨を含む下半身の骨格で支持されるので、作業者の体の一部に負担を強いることなく、長時間の作業でも疲労を軽減することができる。また、台座が作業者の腹部左側又は腹部右側に設けられることにより、荷物を作業者の左半身側又は右半身側に寄せて搬送することができ、前方の視界を確保しつつ荷物の積み下ろしや積み込み、搬送をすることができる。
また、支援具の他の構成として、載置面は、荷物の滑りを許容する凹凸を備えた構成とした。
本構成によれば、載置面上における荷物の滑りを防ぐことができる。
また、支援具の他の構成として、両端部がベルトに連結されたショルダーベルトを備え、ショルダーベルトは、台座が設けられた側と逆側の肩にたすき状に作業者に掛けられるように両端部がベルトに連結された構成とした。
本構成によれば、ショルダーベルトが掛けられた右肩又は左肩から上半身の骨格及び下半身の骨格(全身の骨格)でボンベの重さを支えることになるので、作業者の体への局所的な負担を抑制し、長時間の作業でも疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】支援具の装着図及び支援具の外観斜視図である。
図2】ベルトの平面図等である。
図3】台座の斜視図及び平面図である。
図4】支援具の使用例を示す図である。
図5】台座の他の形態を示す図である。
図6】台座の他の形態を示す図である。
図7】支援具の他の実施形態を示す図である。
【0008】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[支援具の概略構成]
図1は、支援具の装着図及び支援具の外観斜視図である。図1(a)に示すように、支援具1は、作業者Mの胴部に装着され、例えば、図1(b)に示すように、ベルト2と、台座8とを備えた構成とされる。
【0010】
ベルト2は、作業者Mの胴部周りに巻き付け可能な周長を有する帯状のベルト本体4と、作業者Mの胴部周りを包み込むサポート部6とを備える。ここで言う胴部周りとは、身体における腹部及び腰部を意味する。ベルト本体4は、端部同士の連結を可能とするバックル42;42を両端に備える。ベルト本体4は、例えば、バックル42に設けられた調整機構により作業者Mの体形に応じて長さが調整可能とされる。
【0011】
サポート部6は、例えば、ベルト本体4の長さよりも短く設定された帯状体として構成される。サポート部6の長さは、例えば、少なくとも両腰骨に達する長さとすると良く、より好ましくは、作業者Mの腹部及び腰部の全体を包囲可能な長さとすると良い。
【0012】
サポート部6は、例えば、骨材をなす緩衝材6Aと、緩衝材6Aの表面を覆う被覆体6Bとを備えた構成とされる。
緩衝材6Aは、例えば、ベルト2を胴部に巻き付けたときに、作業者Mの胴部に対してクッション性を有するとともに、ガスが充填された20kgボンベ(以下、充填済みボンベという)Bの重さに対して剛性を有する素材とされる。また、好ましくは、緩衝材6Aを構成する素材は、上記性質に加え、復元性を有すると良い。このような素材には、例えば、硬質ウレタン等の利用が挙げられる。
なお、充填済みボンベの重さに対する剛性については、後述の支援具1の作用の説明において詳述する。
【0013】
緩衝材6Aの表面を保護し、緩衝材6Aをベルト本体4との一体化を可能とする被覆体6Bは、例えば、一面側にベルト本体4を保持するための複数の図外のベルト通しを備え、ベルト通しにベルト本体4を挿入することでベルト本体4が緩衝材6Aと一体化される。
【0014】
ベルト2は、サポート部6がベルト本体4の外周側となるように作業者Mに装着される。なお、前述の説明では、ベルト2を作業者Mに巻き付けたときに、サポート部6がベルト本体4の外周側となるように装着するものとしたが、ベルト本体4がサポート部6の外周側となるように装着するようにしても良い。
【0015】
また、ベルト2は、サポート部6に設けたベルト通しにベルト本体4を通すことにより、ベルト本体4とサポート部6とを一体的に構成したがこれに限定されない。例えば、ベルト本体4を緩衝材6Aで挟み込み、ベルト本体4の両端が露出するように緩衝材6Aを被覆体6Bで覆うことでベルト本体4と緩衝材6Aとを一体化するようにしても良い。
【0016】
図3は、台座8の外観図である。
台座8は、作業者MがボンベBを載せて搬送するための部材であって、作業者Mの身体の腹部左側に設けられる。腹部左側とは、作業者Mが直立した状態の正中面(矢状面)が前側に広がる方向から左横腹の間を意味する。以下の説明では、正中面(矢状面)が前側に広がる方向を正面という。
台座8は、例えば、金属等の剛性を有する素材により構成される。台座8は、例えば、ベルト2によって支持可能に構成された基部81と、ボンベBを持ち上げる際にボンベBを載置するための載置部82とを備えた構成とされる。
図3に示すように、基部81及び載置部82は、例えば、それぞれ平板状とされ、基部81を構成する板材と載置部82を構成する板材とが直交するL字状をなすように構成される。
【0017】
台座8は、載置部82がベルト2(作業者M)から外側に突出するように、作業者Mの腹部周りに巻かれたベルト2に基部81を挿入することで装着される。
載置部82は、基部81が作業者Mの腹部左側の所定の位置に挿入された状態において、正面側から左脇腹側に身体に沿うように斜めに延長するように構成される。載置部82は、作業者Mが立位の状態において上を向く面(上面)がボンベBを載置し、トラックへの積み込みやトラックからの荷下ろし、設置場所まで搬送するための載置面82aとして機能する。本実施形態では、載置部82の上面全体を載置面82aとして説明するが、載置部82の一部を載置面として構成しても良い。
また、載置部82が作業者Mから外側に突出する突出量や身体に沿って延長する長さ、形状については、搬送物に応じて適宜設定すれば良い。本実施形態では、例えば、台座8は、基部81が短辺と長辺の比が小さい長方形状、載置部82が短辺と長辺との比が大きい長方形状とされ、基部81の短辺と載置部82の長辺とが直角に連結された形状とされる。
基部81の短辺と載置部82の長辺の連結は、例えば、重ねた基部81の短辺を載置部82の長辺に溶接したり、アングル材等の部材を介して基部81と載置部82とを連結したりして一体化するようにしても良い。また、一枚の平板部材を曲げ加工するなどして基部81及び載置部82を一体的に形成しても良い。
【0018】
[支援具の装着]
支援具1は、ベルト2を作業者Mの胴部(腰骨の上方に緩衝材6Aがしっかりと密着するように)巻き付けられると良い。台座8は、例えば、作業者Mの胴部に巻き付けられたベルト2と作業者Mとの間に基部81を挿入し、ベルト2と作業者Mとで挟み込むことで保持される。
即ち、基部81が挿入される位置は、例えば、正面よりも左寄りの左脇腹近傍とされる。基部81は、載置部82の下面が緩衝材6Aの上に接触するまで挿入される。
【0019】
[支援具の作用]
以下、支援具1の作用として、充填済みのボンベBをトラックの荷台から下ろし、設置場所まで搬送した後に、使用済みのボンベBをトラックの荷台に積み込む作業を用いて説明する。なお、以下の説明では、荷下ろしや荷積みの対象の一例として20kgボンベとして説明する。また、ボンベBは、荷下ろし易いようにあらかじめ荷台の縁部近傍まで移動されているものとする。
【0020】
[荷台からの荷下ろし]
まず、図4(a)に示すように、作業者Mは、左手でボンベBの上端部を掴み、ボンベBの上側を向こう側に押してボンベBを傾け、荷台から離れた底部を右手で掴む。ここでいう向こう側とは、作業者Mから遠い側を意味する。
【0021】
次に、図4(b)に示すように、作業者Mは、ボンベBを傾斜させた状態を維持しつつ手前側に引き寄せるようにして、ボンベBの底部の一部を台座8の載置面82aに載せ、例えば、左半身と左腕で抱え込む位置まで、載置面82aを滑らすようにして移動させる。
そして、図4(c)に示すように、台座8、左手及び右手でボンベBを支えながらボンベBを体の左側に抱える。この状態を維持しながらボンベBの設置場所まで歩いて搬送することができる。これにより、ボンベBの重さは、台座8からベルト2を介して腰骨から下半身の骨格で受け止めることになる。
【0022】
設置場所に充填済みのボンベMを搬送後、図4(d)に示すように、ボンベBを体の左側に抱えた搬送時の姿勢を維持したまましゃがむ。なお、ここで言う「しゃがむ」とは、両膝を折り曲げて腰を下ろした姿勢をいい、両膝が地面についていない姿勢を言う。
次に、図4(e)に示すように、ボンベBを抱えた側である左膝を地面に着いたのち図4(f)に示すように、両膝を地面に着くことで体を安定させる。
次に、図4(g)に示すように、上体を前傾させ、台座8の載置面82aの向こう側が地面に近づくように傾けるようことにより、ボンベBが載置面82a上を地面に向かって移動しようとする。作業者Mは、ボンベBが地面に向かって載置面82a上を移動しようとする力を支える力を徐々に緩めることで、ボンベBが載置面82a上を滑り移動させることができる。
次に、左手でボンベBの上部、右手でボンベBの底部を支え、ボンベBを持ち上げつつ、右手で掴んだボンベBの底部と反対側の底部を地面に置いた後に、右手の把持を開放することによりボンベBを地面に置くことにより、充填済みのボンベBを設置場所に下ろすことができる。
そして、設置位置に搬送された充填済みのボンベBは、使用済みのボンベBと交換される。
【0023】
[荷台への積み込み]
次に、使用済みのボンベBの搬送及びトラックへの積み込みについて説明する。使用済みボンベBの搬送及びトラックへの積み込み動作は、図4に示した動作のちょうど逆の動作をすることになる。
まず、図4(h)に示すように、作業者Mは、使用済みのボンベBに正対するようにしゃがんだ後、左膝を地面につけた姿勢をとり、体を安定させる。
次に、図4(g)に示すように、左手でボンベBの上端部を掴んでボンベBを向こう側に押して傾け、ボンベBの手前側の底部を地面から離し、図4(f)に示すように、上体を前傾させ、台座8の載置面82aの向こう側が地面に近づくように傾けつつ右手でボンベBの底部を掴む。
次に、図4(e)に示すように、左膝を地面に着け、左手でボンベBの上部を支えながら右手でボンベBを手前側に引き寄せつつボンベBを持ち上げ、台座8の載置面82aを滑らせるようにして台座8上にボンベBの底部を載せ、ボンベBを左上半身とともに左腕で抱えるようにして持つ。
次に、図4(d)に示すように、ボンベBを左上半身とともに左腕で抱えつつ、左膝を地面から離し、しゃがんだ姿勢をとる。
次に、図4(c)に示すように、両足の力で立ち上がり、ボンベBを台座8,左手及び右手で支えながら荷下ろし先のトラックまでを搬送する。
次に、図4(b)に示すように、荷台の縁に近づき左手を手前に引いてボンベBを作業者M側に傾け、ボンベBの向こう側の底部を荷台に載せ、図4(a)に示すように、右手と左手でボンベBのバランスを取りながらボンベBの底部全体を荷台に載せる。
【0024】
以上説明したように、支援具1によれば、ボンベBの重さが、台座8、サポート部6を介して腰骨を含む下半身の骨格で支持されるので、作業者Mの体の一部に負担を強いることなく、長時間の作業でも疲労を軽減することができる。また、台座8を作業者の左脇に位置するようにベルト2によって保持することにより、ボンベBを作業者の左半身側に寄せて搬送することになり、前方の視界を確保しつつボンベBを搬送することができる。
【0025】
図5は、ボンベを搬送するために、支援具を用いたボンベを持ち上げたときと、従来のボンベの持ち方でボンベを持ち上げたときとの持ち上げやすさを比較した評価実験の結果を示す図である。なお、従来の持ち上げ方には、ボンベの上部に設けられた取っ手を利用して持ち上げた場合、一方の手でボンベの上部の取っ手を掴み、もう一方の手でボンベの底部を掴んでボンベを横にして持ち上げた場合、また、ボンベを肩に担いで持ち上げた場合とした。
評価結果は、複数の被験者が実際に上記4つの方法でボンベを持ち上げたときの持ち上げやすさを各方法について5点満点で評価したものである。
その結果、本実施形態に係る支援具を用いたときの評価点が最も高い結果が得られた。
【0026】
図6は、台座8の他の形態を示す図である。
上記実施形態では、台座8を装着した作業者Mを上方から見たときの載置部82の形状が長方形状となるものとしたが、これに限定されず適宜変更しても良い。例えば、図6に示すように、載置部82を上方から見た時の形状が、への字状となるように2つの長方形状を連続した形状としても良い。
これにより、台座8は、載置部82(載置面82a)が作業者Mの左脇腹側から正面側へと広がり、ボンベBを載せる範囲を広くすることができる。
【0027】
なお、載置部82の形状は、長方形状等のような矩形形状(図3参照)や、長方形状を組み合わせた形状(図6参照)に限定されない。例えば、作業者Mの荷下ろしや荷積み、搬送動作等を妨げず、けがを防止するように角部をなくす等適宜変更すれば良い。
【0028】
また、載置面82aが作業者Mの正面から左脇腹方向や右脇腹方向に広がる範囲は、例えば、図1図7に示す範囲に限定されない。例えば、作業者Mの正面位置を含むようにしても良く、また、正面位置を過ぎて右脇腹方向に広がるようにしても良い。
【0029】
また、台座8の載置部82は、載置面82aが搬送時などにボンベBがずれにくいように滑り止め加工等を備えた構成とすると良い。ここで言う滑り止め加工とは、図4を用いて説明したボンベBの荷下ろし時や積み込み時の作業時に、載置面82a上においてボンベBの滑りを許容する程度の例えば、凹凸とすると良く、例えば、縞鋼板に形成されるような凹凸などが挙げられる。
【0030】
なお、本実施形態では、左半身側でボンベBを抱え、搬送するものとして台座8を腹部左側用として構成したが、右半身側でボンベBを抱えるように台座8を腹部右側用として構成しても良い。
【0031】
図7は、支援具1の他の実施形態を示す図である。
上記実施形態では、作業者の胴部に巻いたベルト2によりボンベBの重さを下半身の骨格で支えるように構成したが、例えば、図7に示すように、ショルダーベルト10を備えた構成としても良い。
【0032】
ショルダーベルト10は、一端が作業者Mの前側からベルト2に連結され、他端が作業者Mの後側からベルト2に連結され、台座8が設けられた側と逆側の肩にたすき状に掛けられる。ショルダーベルト10は、例えば、台座8が作業者の左側にあるときには右の肩に掛けられ、台座8が作業者の右側にあるときには左の肩に掛けられる。例えば、ショルダーベルト10がベルト2に連結される位置は、台座8がベルト2に挿入される近傍の前側と後側とすると良い。ショルダーベルト10を用いることにより、台座8に載せられたボンベBの重さによって台座8側のベルト2が下がろうとする力をショルダーベルト10によって支えることができる。
例えば、ショルダーベルト10は、ベルト2のベルト本体4及びサポート部6を構成する素材と同様のものを用いて構成することにより、ショルダーベルト10が掛けられた右肩から上半身の骨格及び下半身の骨格でボンベBの重さを支えることになり、作業者の体への局所的な負担を抑制し、長時間の作業でも疲労を軽減することができる。
【0033】
支援具1の構成は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
例えば、台座8を構成する基部81及び載置部82は、必ずしも平板状である必要はない。台座8は、ベルト2によって作業者Mに装着可能であれば良い。即ち、基部81は、ベルト2によって作業者Mに装着可能であれば良く、載置部82は、作業者Mから外側に突出するように構成されていれば良い。
また、基部81に対する載置部82の角度は、直角に限定されず、例えば、作業者Mが立位の状態において、先端側(作業者Mから遠い縁部)が、上方を向く、鈍角であっても良い。また、台座8は、基部81に対する載置部82の角度が変更可能に構成されていても良い。
【0034】
なお、本実施形態に係る支援具1は、ボンベの積み下ろしや搬送に限定されず、容器に収容された他の荷物でも良く、荷物に応じて載置部82の形状を設定すると良い。
【符号の説明】
【0035】
1 支援具、2ベルト、4 ベルト本体、6 サポート部、8 台座、
B ボンベ、M 作業者。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7