(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050023
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】データ管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240403BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156588
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】竹村 真也
(72)【発明者】
【氏名】中里 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】阿部 周平
(72)【発明者】
【氏名】日野 弘喜
(72)【発明者】
【氏名】前田 晶子
(72)【発明者】
【氏名】秦 由季
(72)【発明者】
【氏名】伊東 慧
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】食品の物流における各種の作業における問題点を検出することができるデータ管理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、データ管理装置は、記憶部と入力部と解析部と出力部とを有する。記憶部は、食品の識別IDに対応づけて食品に対する複数の作業工程での作業内容を示す情報を保存する。入力部は、解析対象とする食品を指定する情報を入力する。解析部は、入力部に入力した情報に基づいて解析対象とする食品の識別IDを特定し、解析対象とする食品の識別IDに対応して記憶部に記録されている情報から解析対象とする食品に対する作業工程での問題点を検出する。出力部は、解析部による解析結果を出力装置に出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の識別IDに対応づけて食品に対する複数の作業工程での作業内容を示す情報を保存する記憶部と;
解析対象とする食品を指定する情報を入力する入力部と;
前記入力部に入力した情報に基づいて解析対象とする食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする食品の識別IDに対応して前記記憶部に記録されている情報から前記解析対象とする食品に対する作業工程での問題点を検出する解析部と;
前記解析部による解析結果を出力装置に出力する出力部と;
を有するデータ管理装置。
【請求項2】
前記解析部は、前記入力部に入力した情報から解析対象とする1つの食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする1つの食品に対する各作業工程での作業内容と、他の食品に対する各作業工程での作業内容との比較に基づいて問題点を検出する、
請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記入力部に入力した情報から解析対象とする複数の食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする複数の食品の識別IDに対する各作業工程での作業内容から共通の作業内容を抽出し、抽出した共通の作業内容に基づいて問題点を検出する、
前記請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記解析部は、さらに、検出した問題点を解決するため解決策を特定し、
前記出力部は、前記解析部により特定した前記解決策を示す情報を前記出力装置に出力する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個々の食品にIDを付与し、各食品のIDに対して収穫日時や収穫場所などの情報をデータベースに記録するシステムが知られている。このようなシステムは、個々の食品に関する情報を食品のIDを指定することによって参照できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムは、データベースに保存した食品に対する情報そのものを提示するものであって、傷みや変色の発生あるいは著しい鮮度低下などの問題が食品に生じた場合に問題点の原因や問題点を解消するための解決方法などを提供することができない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、食品が客先に届くまでの各種作業における問題点を検出することができるデータ管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、データ管理装置は、記憶部と入力部と解析部と出力部とを有する。記憶部は、食品の識別IDに対応づけて食品に対する複数の作業工程での作業内容を示す情報を保存する。入力部は、解析対象とする食品を指定する情報を入力する。解析部は、入力部に入力した情報に基づいて解析対象とする食品の識別IDを特定し、解析対象とする食品の識別IDに対応して記憶部に記録されている情報から解析対象とする食品に対する作業工程での問題点を検出する。出力部は、解析部による解析結果を出力装置に出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、食品が客先に届くまでの各種作業における問題点を検出することができるデータ管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデータ管理装置を含むデータ管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るデータ管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るデータ管理装置が有するデータベースを構成する第1のテーブルの例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るデータ管理装置が有するデータベースを構成する第2のテーブルの例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るデータ管理装置が有するデータベースを構成する第3のテーブルの例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るデータ管理装置が有するデータベースを構成する第4のテーブルの例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るデータ管理装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態のデータ管理装置(16)は、記憶部(23)と入力部(24、25)と解析部(21)と出力部(24、25)とを有する。記憶部(23)は、食品の識別IDに対応づけて食品に対する複数の作業工程での作業内容を示す情報を保存する。入力部(24、25)は、解析対象とする食品を指定する情報を入力する。解析部(21)は、前記入力部(24、25)に入力した情報に基づいて解析対象とする食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする食品の識別IDに対応して前記記憶部(23)に記録されている情報から前記解析対象とする食品に対する作業工程での問題点を検出する。出力部(24、25)は、前記解析部(21)による解析結果を出力装置に出力する。これにより、データ管理装置(16)は、食品の物流における各種の作業における問題点を検出でき、検出した問題点を提示することができる。
【0010】
実施形態のデータ管理装置(16)では、前記解析部(21)は、前記入力部(24、25)に入力した情報から解析対象とする1つの食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする1つの食品に対する各作業工程での作業内容と、他の食品に対する各作業工程での作業内容との比較に基づいて問題点を検出する。これにより、データ管理装置(16)は、食品単体が指定された場合、当該食品に対する各種の作業における問題点を検出することができ、検出した問題点を提示することができる。
【0011】
実施形態のデータ管理装置(16)では、前記解析部(21)は、前記入力部(24、25)に入力した情報から解析対象とする複数の食品の識別IDを特定し、前記解析対象とする複数の食品の識別IDに対する各作業工程での作業内容から共通の作業内容を抽出し、抽出した共通の作業内容に基づいて問題点を検出する。これにより、データ管理装置(16)は、複数の食品が指定された場合、複数の食品に対して実施された各種の作業内容から問題点を検出することができ、検出した問題点を提示することができる。
【0012】
実施形態のデータ管理装置(16)では、前記解析部(21)は、さらに、検出した問題点を解決するため解決策を特定し、前記出力部(24、25)は、前記解析部(21)により特定した前記解決策を示す情報を前記出力装置に出力する。これにより、データ管理装置(16)は、食品の物流における各種の作業における問題点を検出した場合に検出した問題点に対する解決策を提示することができる。
【0013】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係るデータ管理装置を含むデータ管理システムは、識別子(識別ID)を付与した食品などの管理対象物に対応づけて複数の作業工程における作業内容を示す情報を保存しておき、識別IDで特定される対象物について各作業工程における作業内容から問題点を検出したり検出した問題点の解決策を提案したりするための解析を行う。以下に説明する実施形態では、複数の作業工程における作業対象となる食品が管理対象物であるものとする。
【0014】
図1は、実施形態に係るデータ管理装置16を含むデータ管理システム1の構成例を示す図である。
図1に示す構成例において、データ管理システム1は、登録管理装置11、加工作業管理装置12、品質処理管理装置13、輸送管理装置14、データ管理装置16、管理者端末17、および、端末装置18を有する。データ管理システム1において、登録管理装置11は登録管理部の一例であり、加工作業管理装置12は加工作業管理部の一例であり、品質処理管理装置13は品質処理管理部の一例であり、輸送管理装置14は輸送管理部の一例であり、データ管理装置16はデータ管理部の一例である。
【0015】
登録管理装置11は、管理対象とする食品に識別子としての識別IDを付与し、識別IDを付与した食品を管理対象として登録する処理(登録作業)を実行する装置である。登録作業は、農場などの生産場から食品が入荷する選果場又は加工工場などの食品の1次処理場で実行するものとしても良いし、農場などの生産場で食品を出荷する前に実行するものとしても良い。登録作業を食品の1次処理場で実行する場合、登録管理装置11は、食品の1次処理場に設けられる。また、登録作業を食品の生産場で実行する場合、登録管理装置11は、生産場に設けられる。
【0016】
登録管理装置11は、プロセッサ、メモリおよび各種インターフェースを有するコンピュータを主体に構成され、データ管理装置16と通信可能に接続される。登録管理装置11は、個別の食品の特徴量を元に個別の食品を特定する食品特定部、個々の食品に識別IDを付与する識別ID付与装置、食品の産地や収穫日などの情報を入力するための入力装置およびオペレータに情報を報知するための表示装置などの出力装置が接続される。なお、食品特定部が個別の食品の特定に用いる特徴量は、目に見える特徴量(例えば、外形、模様、しわ、など)であってもよいし、目に見えない特徴量(例えば、含有成分、重量、吸光度、など)であってもよい。
【0017】
登録管理装置11に接続する識別ID付与装置は、管理対象とする食品に識別情報を付与する。識別ID付与装置は、後段の各工程あるいは物流の下流(例えば、食品の販売所)などで当該食品から読取可能な付与するものであれば良い。識別ID付与装置は、食品に対して識別IDを示す情報を物理的に付与するものであっても良いし、食品から読み取れる固有な情報を識別IDとして付与するものであっても良い。
【0018】
食品に対して物理的に識別IDを示す情報を付与する手段としては、食品に貼り付けるラベルに識別IDを示す情報を印字しても良いし、食品に特殊インク(食品として無害で読取可能なインク)などで識別IDを示す情報を印字しても良い。また、食品から読み取れる固有な情報を識別IDとする場合は、カメラで撮影する食品の画像から抽出される特徴量(例えば、特徴点、食品の形状、食品の模様など)を識別IDとしても良い。
【0019】
加工作業管理装置12は、管理対象として登録した食品に対して実施した加工作業(加工作業工程)における作業内容を管理(登録)する装置である。加工作業管理装置12は、加工作業を実施する加工作業場(加工工場)に設置され、食品に対して実施した加工作業の作業内容を示す情報が入力される。加工作業管理装置12は、食品に対して実施した加工作業の作業内容を示す情報が入力されると、入力された加工作業の作業内容を示す情報をデータ管理装置16へ供給する。
【0020】
加工作業管理装置12は、プロセッサ、メモリおよび各種インターフェースを有するコンピュータを主体に構成され、データ管理装置16と通信可能に接続される。加工作業管理装置12は、個々の食品に対して実施した加工作業の作業内容を示す情報を入力するための入力装置およびオペレータに情報を報知するための表示装置などを接続するようにしても良い。また、加工作業管理装置12は、食品に対する加工作業の様子を示す画像(加工前の画像および花王後の画像)を撮影するカメラを接続するようにしても良い。
【0021】
品質処理管理装置13は、食品に対して実施した品質処理(品質処理工程)における作業内容(処理内容)を管理(登録)する装置である。品質処理管理装置13は、品質処理を実施する場所(例えば、選果場、加工工場など)に設置され、食品に対して実施した品質処理の作業内容を示す情報が入力される。品質処理管理装置13は、食品に対して実施した品質処理作業内容を示す情報が入力されると、入力された品質処理の作業内容を示す情報をデータ管理装置16へ供給する。
【0022】
ここで、品質処理とは、食品の品質を所定の水準とするための処理であるものとする。例えば、品質処理は、食品の鮮度を維持するために食品に紫外線を照射する紫外線照射装置による鮮度維持処理である。また、品質処理は、食品に紫外線を照射する鮮度維持処理に限定されるものではなく、例えば、食品を冷蔵庫や冷凍庫に保管したり低温ガスに晒すなどの低温処理であったり、品質を保持するために食品に材料を添加する処理などであっても良い。
【0023】
品質処理管理装置13は、プロセッサ、メモリおよび各種インターフェースを有するコンピュータを主体に構成され、データ管理装置16と通信可能に接続される。品質処理管理装置13は、個々の食品に対して実施した品質処理の作業内容を示す情報を入力するための入力装置およびオペレータに情報を報知するための表示装置などの出力装置が接続されるものであっても良い。また、品質処理管理装置13は、食品に対する品質処理を実行する装置(例えば、紫外線照射装置)に接続され、装置から品質処理の内容(例えば、紫外線の照射条件など)を示す情報を取得するようにしても良い。
【0024】
輸送管理装置14は、食品を輸送(配送)先に輸送する輸送作業(輸送作業工程)における作業内容を管理(登録)する装置である。輸送管理装置14は、輸送作業を実施するための配送センタなどに設置され、食品に対して実施する輸送作業の作業内容を示す情報が入力される。輸送管理装置14は、食品に対して実施する輸送作業の作業内容を示す情報が入力されると、入力された輸送作業の作業内容を示す情報をデータ管理装置16へ供給する。
【0025】
輸送管理装置14は、プロセッサ、メモリおよび各種インターフェースを有するコンピュータを主体に構成され、データ管理装置16と通信可能に接続される。輸送管理装置14は、個々の食品に対して実施する輸送作業の作業内容(輸送先、輸送機、経路、温湿度、輸送時間など)を示す情報を入力するための入力装置およびオペレータに情報を報知するための表示装置などの出力装置が接続される。また、輸送管理装置14は、食品を輸送中の状態を示す情報あるいは輸送後の輸送結果を示す情報を外部装置から取得するようにしても良い。
【0026】
データ管理装置16は、食品に関するデータを管理する。データ管理装置16は、情報収集機能、情報管理機能、情報解析機能および情報提供機能などの機能を有する。
データ管理装置16は、情報収集機能として、各作業工程における情報を管理する管理装置から食品に対する各作業工程における作業内容を示す情報を収集する機能を有する。また、データ管理装置16は、情報管理機能として、個々の食品の識別IDに紐づけて各管理装置11乃至14から収集する情報である各作業工程における作業内容を示す情報をデータベース16aに保存する機能を有する。
【0027】
また、データ管理装置16は、情報解析機能として、データベース16aに保存した情報を解析することにより食品に対する各作業工程での作業内容における問題点を検出したり問題点の解決策を提案したりする機能を有する。さらに、データ管理装置16は、情報提供機能として、情報解析機能によって得られた情報を出力装置に出力することで情報を提供する機能を有する。
【0028】
データ管理装置16は、1又は複数のサーバコンピュータにより構成される。データ管理装置16は、各管理装置11乃至14と通信可能に接続される。さらに、データ管理装置16は、情報の入出力装置としての管理者端末17および端末装置18と通信する構成を有する。
【0029】
管理者端末17は、管理者又は各作業工程の作業者などのシステム利用者が使用する情報の入出力装置である。管理者端末17は、オペレータが情報を入力する操作デバイスおよび情報を出力する表示装置などの出力デバイスを備える情報処理装置である。管理者端末17は、例えば、パーソナルコンピュータあるいは携帯端末などの情報処理装置で実現される。
【0030】
管理者端末17は、データ管理装置16と通信可能に接続される。管理者端末17は、オペレータが入力した情報をデータ管理装置16へ供給する入力装置として機能するとともに、データ管理装置16から提供(出力)される情報を表示(出力)する表示装置(出力装置)として機能する。
【0031】
端末装置18は、システム利用者以外のオペレータが使用する情報の入出力装置である。端末装置18は、オペレータが情報を入力する操作デバイスおよび情報を出力する表示装置などの出力デバイスを備える情報処理装置である。端末装置18は、例えば、パーソナルコンピュータあるいは携帯端末などの情報処理装置で実現される。
【0032】
端末装置18は、ネットワークを介してデータ管理装置16と通信可能に接続される。端末装置18は、オペレータが入力した情報をデータ管理装置16へ供給する入力装置、および、データ管理装置16から提供(出力)される情報を表示(出力)する表示装置(出力装置)として機能する。
【0033】
次に、実施形態に係わるデータ管理システム1におけるデータ管理装置16の構成について説明する。
図2は、実施形態に係わるデータ管理システム1におけるデータ管理装置16の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、データ管理装置16は、プロセッサ21、システムメモリ22、データメモリ23、通信部24、および、外部通信部25を有する。
【0034】
プロセッサ21は、管理部の一例である。プロセッサ21は、システムメモリ22又はデータメモリ23などに記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、および、DSP(Digital Signal processor)などで構成される。
【0035】
システムメモリ22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVM(Non-Volatile Memory)などの記憶装置により構成される。システムメモリ22は、プロセッサ21が処理を実行するための使用するメモリを含む。例えば、システムメモリ22は、プロセッサ21が実行するプログラムあるいは設定データなどを記憶する。
【0036】
データメモリ23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの書き換え可能な不揮発性の記憶装置により構成される。例えば、データメモリ23は、プロセッサ21による処理結果、あるいは、設定情報などを記憶する。データメモリ23は、データベース16aを有する。データベース16aは、食品のIDに対応づけて当該食品に実施した各種の作業工程における作業内容を示す情報を保存する。
【0037】
通信部24は、登録管理装置11、加工作業管理装置12、品質処理管理装置13、輸送管理装置14、および、管理者端末17と通信するためのインターフェースを含む。例えば、管理者端末17を入力装置とする場合、通信部24は、入力装置からの情報を入力する入力部として機能する。また、管理者端末17を出力装置とする場合、通信部24は、出力装置に情報を出力する出力部として機能する。すなわち、通信部24は、入力部および出力部の一例である。
【0038】
外部通信部25は、外部装置と通信するインターフェースである。外部通信部25は、インターネットなどのネットワークを介して端末装置18と通信するためのインターフェースを含む。端末装置18を入力装置とする場合、通信部25は、入力装置からのデータを入力する入力部として機能する。端末装置18を出力装置とする場合、通信部25は、出力装置に情報を出力する出力部として機能する。すなわち、通信部25は、入力部および出力部の一例である。
なお、登録管理装置11、加工作業管理装置12、品質処理管理装置13および輸送管理装置14は、外部通信部25により通信する構成としても良い。
【0039】
次に、実施形態に係るデータ管理装置16が有する各種のデータベース16aの構成例について説明する。
図3乃至6は、実施形態に係わるデータ管理装置16が有するデータベース16aを構成する複数のデータテーブル31~34の構成例を示す図である。
図3は、実施形態に係わるデータ管理装置16が有するデータベース16aを構成する第1のテーブル31の構成例を示す図である。
図3に示す構成例において、第1のテーブル31には、食品の「識別ID」に対応づけて、「産地」、「収穫日」、「加工ID」、「品質処理ID」、「輸送ID」などの情報が記録される。
「識別ID」は、登録管理装置11に接続される識別ID付与装置によって個々の食品に付与される識別子である。例えば、データ管理装置16は、登録管理装置11から供給される新たな管理対象となる食品の識別IDを第1のテーブル31に登録する。
【0040】
「産地」は、当該食品を生産した生産場又は生産地域を示す情報である。「収穫日」は、当該食品を収穫した日付を示す情報である。産地および収穫日などの情報は、例えば、登録管理装置11から取得する。また、産地および収穫日などの情報は、生産者などから取得するようにしても良い。
【0041】
「加工ID」、「品質処理ID」および「輸送ID」は、当該食品に対する各種の作業工程を識別するための識別子である。
「加工ID」は、食品に対して実施された加工作業を識別するための識別子である。例えば、データ管理装置16は、加工作業管理装置12から食品の識別IDに対応する加工IDを取得し、取得した加工IDを食品の識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録する。なお、1つの食品に対して複数の加工作業を実施した場合、各加工作業に対して付与された複数の加工IDが当該食品の識別IDに対応して記録される。
【0042】
「品質処理ID」は、食品に対して実施された品質処理を識別するための識別子である。例えば、データ管理装置16は、品質処理管理装置13から食品の識別IDに対応する品質処理IDを取得し、取得した品質処理IDを食品の識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録する。なお、1つの食品に対して複数種類の品質処理を実施した場合、各品質処理に対して付与された複数の品質処理IDが当該食品の識別IDに対応して記録される。
【0043】
「輸送ID」は、食品を輸送する輸送作業を識別するための識別子である。例えば、データ管理装置16は、輸送管理装置14から食品の識別IDに対応する輸送IDを取得し、取得した輸送IDを食品の識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録する。
【0044】
図4は、実施形態に係わるデータ管理装置16が有するデータベース16aを構成する第2のテーブル32の構成例を示す図である。
図4に示す構成例において、第2のテーブル32には、「加工ID」に対応づけて、「加工工場」、「加工日」、「加工装置」、「加工前画像」、「加工後画像」、「加工後ID」などの情報が記録される。
【0045】
「加工ID」は、食品に対して実施する加工作業を識別するための識別子である。例えば、加工作業管理装置12は、加工作業の対象する食品の識別IDを読み取り、加工作業を識別する加工IDを発行する。加工作業管理装置12は、加工IDを食品の識別IDに対応づけた情報としてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、加工作業管理装置12からの識別IDに対応する加工IDを取得すると、取得した加工IDを識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録するとともに、第2のテーブル32に加工IDを登録する。
【0046】
「加工工場」は、加工IDで特定される加工作業を実施した加工工場を示す情報である。「加工日」は、当該加工作業を実施した日付を示す情報である。「加工装置」は、当該加工作業に用いた加工装置を示す情報である。加工作業管理装置12は、加工工場、加工日および加工装置などの情報を加工IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、加工作業管理装置12からの加工IDに対応する加工工場、加工日および加工装置などの情報を取得し、第2のテーブル32に記録する。
【0047】
「加工前画像」は、加工IDで特定される加工作業を実施する前の食品の画像である。「加工後画像」は、加工IDで特定される加工作業を実施する前の食品の画像である。例えば、加工作業管理装置12は、加工作業を実施する前の食品の画像と加工作業を実施した後の食品の画像とを撮影するカメラが接続される。加工作業管理装置12は、カメラが撮影する加工作業を実施する前の食品の画像と加工作業を実施した後の食品の画像とを取得し、それらの画像を加工IDに対応づけた情報としてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、加工作業管理装置12から取得する加工IDに対応する加工作業を実施する前の食品の画像と加工作業を実施した後の食品の画像とを第2のテーブル32に記録する。
【0048】
なお、カメラは、静止画を撮影するものに限定されず、動画を撮影するものであって良い。加工作業管理装置12は、加工作業の実施前後の画像に代えて、加工作業の実施前から実施後までの食品の様子を撮影した動画像をデータ管理装置16へ供給するようにしても良い。この場合、データ管理装置16は、第2のテーブル32に加工作業の実施前から実施後までの食品を撮影した動画を記録するようにしても良い。
【0049】
「加工後ID」は、加工作業によって食品が複数に分割された場合に分割された各食品に付与するIDである。例えば、加工作業によって1つの食品が複数の分割された場合、加工作業管理装置12は、分割された各食品に加工後IDを付与し、それらの加工後IDをデータ管理装置16に供給する。この場合、データ管理装置16は、1つの識別IDに対応する加工IDに対応して複数の加工後IDを登録する。なお、データ管理装置16は、複数の加工後IDで特定される分割後の各食品に対して改めて付与される識別IDで分割後の各食品を管理するようにしても良い。
【0050】
図5は、実施形態に係わるデータ管理装置16が有するデータベース16aを構成する第3のテーブル33の構成例を示す図である。
図5に示す構成例において、第3のテーブル33には、「品質処理ID」に対応づけて、「照射装置」、「照射波長」、「照射時間」などの情報が記録される。
【0051】
「品質処理ID」は、食品に対して実施する品質処理を識別するための識別子である。例えば、品質処理管理装置13は、品質処理の対象する食品の識別IDを読み取り、品質処理を識別する品質処理IDを発行する。品質処理管理装置13は、品質処理IDを食品の識別IDに対応づけた情報としてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、品質処理管理装置13からの識別IDに対応する品質処理IDを取得すると、取得した品質処理IDを識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録するとともに、第3のテーブル33に品質処理IDを登録する。
【0052】
図5に示す第3のテーブル33の例では、品質処理IDで特定される品質処理が紫外線照射装置によって食品に紫外線を照射する処理であるものとする。このため、第3のテーブル33には、品質処理の処理内容(作業内容)を示す情報の例として、「照射装置」、「照射波長」および「照射時間」が登録される。
【0053】
「照射装置」は、品質処理IDで特定される品質処理を実施した装置を示す情報である。「照射波長」は、品質処理IDで特定される品質処理として「照射装置」としての紫外線照射装置が食品に照射した紫外線の波長を示す情報である。「照射時間」は、品質処理IDで特定される品質処理として紫外線照射装置が食品に照射した紫外線の波長を示す情報である。
【0054】
例えば、品質処理管理装置13は、品質処理としての紫外線の照射を実行する紫外線照射装置から当該装置を示す情報と食品に照射した紫外線の照射波長を示す情報と食品に紫外線を照射した照射時間を示す情報とを取得し、これらの情報を品質処理IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、品質処理管理装置13からの情報に基づいて第3のテーブル33における品質処理IDに対応づけて照射装置、照射波長および照射時間を記録する。
【0055】
図6は、実施形態に係わるデータ管理装置16が有するデータベース16aを構成する第4のテーブル34の構成例を示す図である。
図6に示す構成例において、第4のテーブル34には、「輸送ID」に対応づけて、「輸送機ID」、「輸送先」、「経路情報」、「温湿度」、「輸送時間」などの情報が記録される。
【0056】
「輸送ID」は、食品を輸送する輸送作業を識別するための識別子である。例えば、輸送管理装置14は、輸送作業を識別する輸送IDを発行し、輸送IDで特定される輸送作業の対象となる食品の識別IDを読み取る。輸送管理装置14は、輸送IDを食品の識別IDに対応づけた情報としてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14からの輸送IDに対応する識別IDを取得すると、取得した輸送IDを識別IDに対応づけて第1のテーブル31に登録するとともに、第3のテーブル33に輸送IDを登録する。
【0057】
ただし、輸送作業では、複数の食品をまとめて輸送することが想定される。このため、輸送管理装置14は、1つの輸送IDに対して複数の食品の識別IDを対応づけた情報をデータ管理装置16に供給することなる。この場合、データ管理装置16は、1つの輸送IDを複数の識別IDに対応づけて管理する。
【0058】
「輸送機ID」は、輸送IDで特定される輸送作業において使用される輸送機を特定するための情報である。例えば、輸送機として使用されるトラックは、輸送機IDで管理される。輸送管理装置14は、輸送IDで特定される輸送作業に用いる輸送機の輸送機IDを特定し、特定した輸送機IDを輸送IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14から取得する輸送IDに対応する輸送機IDを第4のテーブル34に記録する。
【0059】
「輸送先」は、輸送IDで特定される輸送作業によって輸送される配送先(輸送先)を示す情報である。輸送管理装置14は、輸送IDで特定される輸送作業の輸送先を示す情報を輸送機IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14から取得する輸送IDに対応する輸送先を示す情報を第4のテーブル34に記録する。
【0060】
「経路情報」は、輸送IDで特定される輸送作業によって輸送先(配送先)へ移動するための経路を示す情報である。輸送管理装置14は、輸送IDで特定される輸送作業の経路を示す情報を輸送機IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14から取得する輸送IDに対応する経路を示す情報を経路情報として第4のテーブル34に記録する。
【0061】
「温湿度」は、輸送IDで特定される輸送作業によって輸送先(配送先)へ輸送される間の温度および湿度を示す情報である。輸送管理装置14は、輸送IDで特定される輸送作業による輸送中における温度および湿度を示す情報を輸送機IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14から取得する輸送IDに対応する温度および湿度を示す情報を第4のテーブル34に記録する。温度および湿度は、輸送を開始するときに計測した値であっても良いし、輸送中に周期的に計測する値の平均値などであって良い。
【0062】
「輸送時間」は、輸送IDで特定される輸送作業によって輸送先(配送先)へ輸送されるまでに要する時間を示す情報である。輸送管理装置14は、輸送IDで特定される輸送作業の輸送間を示す情報を輸送機IDに対応づけてデータ管理装置16へ供給する。データ管理装置16は、輸送管理装置14から取得する輸送IDに対応する輸送時間を示す情報を第4のテーブル34に記録する。
【0063】
次に、実施形態に係るデータ管理システム1におけるデータ管理装置16の動作について説明する。
図7は、実施形態に係るデータ管理システムにおけるデータ管理装置16の動作例を説明するためのフローチャートである。
データ管理装置16は、通信部24により登録管理装置11、加工作業管理装置12、品質処理管理装置13および輸送管理装置14と通信し、各装置11~14からの情報を収集する(ST10)。
【0064】
データ管理装置16のプロセッサ21は、各装置11~14から収集した情報をデータベース16aに保存する(ST11)。例えば、登録管理装置11から新たに管理対象とする食品の識別IDを取得すると、プロセッサ21は、データベース16aに新たな識別IDを登録する。
【0065】
また、加工作業管理装置12から識別IDで特定される食品に対して実施した加工作業の内容を示す情報を取得すると、プロセッサ21は、当該識別IDに対応づけて加工作業の内容を示す情報をデータベース16aに登録する。また、品質処理管理装置13から識別IDで特定される食品に対して実施した品質処理の内容を示す情報を取得すると、プロセッサ21は、当該識別IDに対応づけて品質処理の内容を示す情報をデータベース16aに登録する。また、輸送管理装置14から識別IDで特定される食品に対する輸送作業の内容を示す情報を取得すると、プロセッサ21は、当該識別IDに対応づけて輸送作業の内容を示す情報をデータベース16aに登録する。
【0066】
データ管理装置16のプロセッサ21は、収集の情報およびデータベースの更新を行うとともに、通信部24により通信する管理者端末17あるいは端末装置18からの解析対象とする食品又は食品群を示す情報を受け付ける(ST12)。プロセッサ21は、解析対象の指定がなければ(ST12、NO)、ST10へ戻り、情報の収集およびデータベースの更新処理を継続して実行する。
【0067】
解析対象とする食品を指定する情報としては、特定の食品の識別IDを受け付けるものであっても良い。例えば、特定の食品単体について解析を要求したい場合、管理者端末17又は端末装置18では、当該食品の識別IDを指定すれば良い。また、解析対象とする食品を指定する情報としては、加工ID、品質IDあるいは輸送IDなどの識別ID以外のID情報であっても良い。例えば、特定の輸送単位の食品群についての解析を要求した場合、管理者端末17又は端末装置18では、輸送IDを指定すれば良い。また、解析対象とする食品を指定する情報としては、特定条件を満たす食品を指定するための検索条件などであっても良い。例えば、産地または収穫日が同一の食品群についての解析を要求したい場合、管理者端末17又は端末装置18では、検索条件として産地または収穫日を指定すれば良い。
【0068】
管理者端末17あるいは端末装置18から解析対象とする食品又は食品群の指定があった場合(ST12、YES)、プロセッサ21は、指定された解析対象となる食品又は食品群の識別IDを特定し、特定した識別IDの食品に対する各作業工程における問題点を検出するための解析処理を実行する(ST13)。解析処理としては、指定された食品の数、指定された食品の種類、又は、指定された情報の種類などに応じた処理を実行する。
【0069】
例えば、識別IDで食品単体が指定された場合、プロセッサ21は、識別IDで特定される食品単体に対する各作業工程における作業内容から問題点を検出する解析処理を実行する。具体例として、プロセッサ21は、指定された識別IDの食品と所定条件(例えば、産地および収穫日など)が類似する食品(又は食品群)を選出し、識別IDの食品に対する作業内容と選出した類似する食品に対する作業内容とを比較することにより、指定された食品に対する各作業内容における問題点を検出する。
【0070】
すなわち、不具合(例えば、傷み、変色、腐敗など)が生じた食品の識別IDが指定された場合、プロセッサ21は、不具合が生じた食品の情報と不具合が生じた当該食品に条件が類似する正常な食品(又は食品群)の情報とを比較することにより、両者の一致度に基づいて問題点を抽出(検出)する。例えば、正常な食品に実施された作業内容と不具合が生じた食品に実施された作業内容とに一部だけ異なる要素があれば、その要素を問題点として抽出することができる。
【0071】
また、不具合があった複数の食品が指定された場合、プロセッサ21は、指定された複数の食品の識別IDを特定し、不具合があった複数のそれぞれの食品に対する各作業工程における作業内容から問題点を検出する解析処理を実行する。具体例として、プロセッサ21は、不具合があった複数の各食品に対する各作業工程における作業内容に含まれる種々の要素を比較することにより、指定された複数の食品に共通する要素(例えば、作業項目)を問題点として検出する。
【0072】
例えば、不具合があった複数の食品に対するそれぞれの作業内容において一部の要素だけが共通する場合、共通する要素は、不具合が生じた原因であることが疑われる。このため、不具合があった複数の食品に対するそれぞれの作業内容において共通する要素を問題点として抽出することができる。
【0073】
データ管理装置16のプロセッサ21は、解析処理が終了すると、問題点が検出できたか否かを判断する(ST14)。問題点が検出できなかった場合(ST14、NO)、プロセッサ21は、解析処理による解析結果として、データベース16aで管理している情報からは問題点が検出できなった旨を提示する(ST15)。例えば、プロセッサ21は、通信部24により問題点が検出できなかった旨を示す情報を出力装置としての管理者端末17又は端末装置18へ出力する。これにより、出力装置としての管理者端末17又は端末装置18は、データ管理装置16からの情報に応じて問題点が検出できなった旨を表示装置などにより表示する。
【0074】
解析処理により問題点が検出できた場合(ST14、YES)、プロセッサ21は、解析処理による解析結果として検出した問題点を提示する(ST16)。例えば、プロセッサ21は、通信部24により検出した問題点を示す情報を出力装置としての管理者端末17又は端末装置18へ出力する。これにより、出力装置としての管理者端末17又は端末装置18は、データ管理装置16からの情報に応じて検出された問題点を示す情報を表示装置などにより表示する。
【0075】
解析処理により問題点が検出できた場合、プロセッサ21は、さらに、問題点を解決するための解決策を提示するか否を判断する(ST17)。例えば、プロセッサ21は、管理者端末17又は端末装置18からの指示に応じて解決策の提示を受け付けるようにしても良い。また、プロセッサ21は、検出した問題点の内容に応じて解決策を提示するか否かを判断するようにしても良い。
【0076】
検出した問題点に対する解決策を提示する場合(ST17、YES)、プロセッサ21は、検出した問題点に対する解決策を解析する(ST18)。例えば、プロセッサ21は、問題点が検出された食品と条件が類似する正常な食品の情報を参照することによって問題点に対する解決策を判定する。
【0077】
また、プロセッサ21は、問題点となった要素(作業内容)が調整可能な値である場合、当該食品に対する問題点となった作業内容に適用した設定値を変更することを解決策として判定するようにして良い。具体例としては、腐敗が生じた食品について紫外線の照射条件が問題点として検出された場合、プロセッサ21は、当該食品に適用した紫外線の照射条件について紫外線の照射時間を長くしたり、紫外線の波長を変更したりすることを解決策として判定する。
【0078】
プロセッサ21は、検出した問題点に対する解決策を判定すると、判定した解決策を示す情報を提示する(ST19)。例えば、プロセッサ21は、通信部24により検出した問題点に対する解決策を示す情報を出力装置としての管理者端末17又は端末装置18へ出力する。これにより、出力装置としての管理者端末17又は端末装置18は、データ管理装置16からの情報に応じて検出された問題点に対する解決策を示す情報を表示装置などにより表示する。
【0079】
以上のように、実施形態に係るデータ管理装置は、識別IDで特定される食品に対する複数の作業工程における作業内容を示す情報を収集し、収集した情報を食品の識別IDに対応づけてデータベースに保存する。データ管理装置は、解析対象とする食品の識別IDを特定し、解析対象として特定された識別IDの食品に対する前記複数の作業工程での作業内容における問題点を検出する解析処理を行い、解析処理の結果を出力装置に出力する。
【0080】
これにより、実施形態に係るデータ管理装置によれば、生産場から物流の下流に至るまでの食品に対して実施した作業内容を管理でき、食品に対する種々の作業工程での作業内容における問題点を検出して提示することができる。
【0081】
さらに、実施形態に係るデータ管理装置は、食品に対する種々の作業工程での作業内容における問題点を検出した場合、問題点を解決するための解決策を判定し、問題点の解決策を出力装置に出力する。これにより、実施形態に係るデータ管理装置によれば、生産場から物流の下流に至るまでの特定の食品に対する種々の作業工程での作業内容における問題点だけでなく、問題点に対する解決策を提示することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1…データ管理システム、11…登録管理装置、12…加工作業管理装置、13…品質処理管理装置、14…輸送管理装置、16…データ管理装置、16a…データベース、17…管理者端末(入力装置、出力装置)、18…端末装置(入力装置、出力装置)、21…プロセッサ(解析部)、22…システムメモリ、23…データメモリ(記憶部)、24…通信部(入力部、出力部)、25…外部通信部(入力部、出力部)。