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  • 特開-閉込警告システム 図1
  • 特開-閉込警告システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050034
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】閉込警告システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240403BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20240403BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20240403BHJP
   E05B 65/10 20060101ALI20240403BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G08B21/02
A47G29/122 A
A47G29/122 B
E05B65/00 D
E05B65/10 H
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156608
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】新倉 謙治
【テーマコード(参考)】
3K100
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3K100CA51
3K100CD03
5C086AA22
5C086BA13
5C086CA19
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C087DD33
5C087EE18
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG35
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】宅配ボックスにおける子供の閉込警告を通知することが可能な閉込警告システムを提供する。
【解決手段】宅配ボックスの周囲を撮像して監視画像を生成する撮像装置と、監視画像に基づいて宅配ボックスの周囲の子供を検知し、当該子供の検知後に子供の不検知を判断すると警告を通知する警告装置とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅配ボックスの周囲を撮像して監視画像を生成する撮像装置と、
前記監視画像に基づいて前記宅配ボックスの周囲の子供を検知し、当該子供の検知後に前記子供の不検知を判断すると警告を通知する警告装置と
を備える閉込警告システム。
【請求項2】
前記宅配ボックスには収容物重量を検出する重量センサが設けられており、
前記警告装置は、前記収容物重量に基づいて宅配荷物が届いたことを検知し、前記収容物重量をも加味して前記警告を通知する請求項1に記載の閉込警告システム。
【請求項3】
前記警告装置は、前記子供を検知しなくなってから所定時間内に前記宅配荷物が届いたと判断すると前記警告を通知する請求項2に記載の閉込警告システム。
【請求項4】
前記警告装置は、前記収容物重量が前記子供の体重以上の場合に前記警告を通知する請求項2又は3に記載の閉込警告システム。
【請求項5】
前記警告装置は、前記収容物重量が児童の平均体重以上の場合に前記警告を通知する請求項2又は3に記載の閉込警告システム。
【請求項6】
前記警告装置は、予め登録された前記子供の外見的特徴に基づいて前記子供を検知する請求項1又は2に記載の閉込警告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、閉込警告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
扉に設けられた係止手段がボックス本体に係止して閉扉状態が保持されてもボックス内部から扉を開けることができるボックスの閉じ込め防止装置が知られている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-002600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば子供が宅配ボックス内に閉じ込められた場合、宅配ボックスの内部から扉を開けることができない虞がある。近年、宅配ボックスが一般に普及しているが、宅配ボックスでは子供が遊びで入ってしまい、救助されるケースが発生している。
【0005】
本開示は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、宅配ボックスにおける子供の閉込警告を通知することが可能な閉込警告システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、宅配ボックスの周囲を撮像して監視画像を生成する撮像装置と、前記監視画像に基づいて前記宅配ボックスの周囲の子供を検知し、当該子供の検知後に前記子供の不検知を判断すると警告を通知する警告装置とを備える閉込警告システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る閉込警告システムAの機能構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る閉込警告システムAの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る閉込警告システムAは、図1に示すように、宅配ボックスXを監視対象とし、宅配ボックスXにおける子供Yの閉じ込みに関する警告(閉込警告)を通知するシステムである。閉込警告システムAは、図示するように宅配ボックスXと建屋Bに既設の屋内ネットワークCとの連携によって宅配ボックスXにおける子供Yの閉じ込みを監視し、監視の結果として閉込警告を外部に通知する。
【0009】
宅配ボックスXは、建屋Bの玄関近傍に備えられており、本来的には宅配業者から届けられた荷物(宅配荷物)を収容する容器である。宅配ボックスXには、開閉扉が設けられており、宅配業者の作業員は閉状態の開閉扉を開状態とすることにより宅配荷物を宅配ボックスX内に収容させ、開閉扉を閉状態に戻すことにより宅配作業を完了させる。
【0010】
宅配ボックスXには種々の収納容量を有するものがある。比較的大きな宅配ボックスXは、児童等の子供Yを十分に収容することが可能な収納容量を有する。比較的大きな宅配ボックスXでは、子供Yが遊びで閉状態の開閉扉を開状態として自身を宅配ボックスX内に収容させ、宅配ボックスXの内側から開閉扉を閉状態に戻すことが可能である。
【0011】
宅配ボックスXでは、子供Yが自身で開閉扉を閉状態にしたものの開閉扉を再び開状態にすることができず、閉じ込められてしまう虞がある。子供Yが宅配ボックスX内に閉じ込められてしまった場合、宅配ボックスXにおける子供Yに関する閉込警告は、できるだけ早く外部に通知する必要がある。
【0012】
本実施形態における宅配ボックスXは、特徴的な構成要素として重量センサx1を備えている。重量センサx1は、宅配ボックスX内に収容された収容物(宅配荷物又は子供Y)の重量を収容物重量として検出するセンサである。重量センサx1は、収容物重量を示す重量検出信号を屋内ネットワークCに出力する。
【0013】
建屋Bは、屋内ネットワークCが構築された構造物であり、例えば居住用の一戸建て住宅あるいは集合住宅である。建屋Bとしては、居住用の一戸建て住宅あるいは集合住宅に限定されず、企業が業務に使用するオフィスビルや商業ビルであってもよい。
【0014】
屋内ネットワークCは、センサ類1、ゲートウエイ2、ルータ3、防犯カメラ4、中継装置5及び電気錠6を備えており、アプリケーションサーバ7を介して携帯端末8と通信自在に接続されている。屋内ネットワークCは、基本的な機能として建屋Bの防犯機能を有するものである。
【0015】
屋内ネットワークCは、センサ類1、ゲートウエイ2、ルータ3、防犯カメラ4、中継装置5及び電気錠6が有線接続又は無線接続されたホームネットワークである。屋内ネットワークCは、例えば無線LAN(Local Area Network:ローカル・エリア・ネットワーク)、有線LAN及び近距離通信システムを用いて構築されている。
【0016】
センサ類1は、建屋Bの異常を検知する1あるいは複数のセンサからなる。センサ類1は、例えば火災検知器及び防犯センサを備える。センサ類1は、ゲートウエイ2と無線LAN通信自在又は有線LAN通信自在に接続されている。センサ類1が検知する異常は、建屋Bにおける防犯上の異常であり、建屋Bにおける異常の発生を検知信号としてゲートウエイ2に送信する。
【0017】
火災検知器は、建屋Bにおける火災の発生を防犯上の異常として検知するセンサである。火災検知器は、例えば建屋Bに設けられた部屋毎に設けらており、各部屋における火災の発生を検知し、火災の発生を示す火災検知信号をゲートウエイ2に各々送信する。
【0018】
防犯センサは、建屋Bにおける開閉部の開放を防犯上の異常として検知するセンサである。防犯センサは、例えば建屋Bに備えられた玄関口等の出入口毎及び各部屋の窓毎に設けらており、各開閉部の不正な開放を検知し、各開閉部の不正な開放を示す開放検知信号をゲートウエイ2に送信する。
【0019】
ゲートウエイ2は、センサ類1、ルータ3、防犯カメラ4、中継装置5及び宅配ボックスXの重量センサx1と無線LAN通信自在又は有線LAN通信自在に接続されている。
【0020】
ゲートウエイ2は、基本機能としてセンサ類1から受信した検知信号及び中継装置5から受信した施解錠信号をルータ3に送信する。ゲートウエイ2は、基本機能に加え、付加的な機能として防犯カメラ4から入力される監視画像信号及び宅配ボックスXの重量センサx1から入力される重量検出信号に基づいて警告信号を生成し、該警告信号をルータ3に送信する。
【0021】
ゲートウエイ2は、監視画像信号及び重量検出信号に基づいて宅配ボックスXの周囲の子供Yを検知し、子供Yの検知後に子供Yの不検知を判断すると警告信号を生成する。ゲートウエイ2は、宅配ボックスXにおける子供Yの閉じ込めを携帯端末8を所持する子供Yの関係者(例えば家族)に通知するために閉込警告を示す警告信号を生成する。ゲートウエイ2は、本開示における警告装置に相当する。
【0022】
ルータ3は、ゲートウエイ2と無線LAN通信自在又は有線LAN通信自在に接続されている。ルータ3は、アプリケーションサーバ7とインターネット通信自在に接続されている。ルータ3は、ゲートウエイ2から受信した検知信号、施解錠信号及び警告信号をインターネット通信によってアプリケーションサーバ7に送信する。
【0023】
防犯カメラ4は、建屋Bの玄関近傍に設けられ、宅配ボックスXの周囲を撮像して監視画像を生成する。監視画像は、宅配ボックスXの周囲の状況を視覚的に示す2次元のカラー画像である。防犯カメラ4は、宅配ボックスXの周囲の状況を示す監視画像を監視画像信号としてゲートウエイ2に出力する。防犯カメラ4は、本開示における撮像装置に相当する。
【0024】
中継装置5は、ゲートウエイ2と無線LAN通信自在に接続されている。中継装置5は、建屋B内において玄関ドア(出入口)の近傍に設けられており、ゲートウエイ2と電気錠6との無線中継を行う。中継装置5は、ゲートウエイ2と無線LAN通信を行うが、電気錠1とは近距離通信を行う。
【0025】
近距離通信の方式(通信規格)は、所謂「Bluetooth(登録商標)」である。中継装置5は、電気錠6とBluetoothの通信プロトコルの準拠した無線通信(Bluetooth通信)を行う。近距離通信の方式には、「Bluetooth(登録商標)」以外に、「ZigBee(登録商標)」等、幾つかの方式が一般的に知られている。本実施形態における近距離通信の方式は、Bluetooth以外のZigBee方式であってもよい。
【0026】
電気錠6は、中継装置5と近距離通信(Bluetooth通信)自在に接続されている。電気錠6は、建屋Bにおいて玄関ドアに設けられており、手動による施解錠に加え、電気的な施解錠が可能な錠である。電気錠6は、自身の状態(施錠状態(玄関ドアの開閉が不可な状態)または解錠状態(玄関ドアが開閉自在な状態)を示す施解錠信号を中継装置5に送信する。施錠状態は玄関ドアの開閉が不可な状態であり、解錠状態は玄関ドアが開閉自在な状態である。
【0027】
アプリケーションサーバ7は、ルータ3とインターネット通信自在に接続されている。アプリケーションサーバ7は、インターネット通信によってルータ3から受信した検知信号及び施解錠信号及び警告信号に基づいて建屋Bの異常を検知し、建屋Bの異常を示す防犯信号を携帯端末8に送信する。
【0028】
アプリケーションサーバ7は、携帯端末8ともインターネット通信自在に接続されている。アプリケーションサーバ7は、インターネット通信によってルータ3から受信した警告信号を携帯端末8に送信(転送)する。
【0029】
携帯端末8は、例えば建屋Bの住人であり、子供Yの親族等の関係者が所持するスマートフォン等である。携帯端末8は、アプリケーションサーバ7とインターネット通信自在に接続されている。携帯端末8は、インターネット通信によってアプリケーションサーバ7から受信する防犯信号に基づいて建屋Bの異常を建屋Bの住人に通知する。携帯端末8は、インターネット通信によってアプリケーションサーバ7から受信する警告信号に基づいて閉込警告を子供Yの関係者に通知する。
【0030】
本実施形態に係る閉込警告システムAは、既設の屋内ネットワークCによる防犯機能に、屋内ネットワークCと宅配ボックスXとの連携による子供Yの閉込監視機能を追加したものである。閉込警告システムAは、屋内ネットワークCにおけるゲートウエイ2及び防犯カメラ4並びに宅配ボックスXにおける重量センサx1との協働によって宅配ボックスXにおける子供Yの閉込監視機能が実現される。
【0031】
次に、本実施形態に係る閉込警告システムAの要部動作(閉込監視機能)について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
最初に、ゲートウエイ2に対して閉込監視機能に関する初期設定が行われる(ステップS1)。例えば、建屋Bの住人は、携帯端末8を操作することによりアプリケーションサーバ7及びルータ6を介してゲートウエイ2と無線通信することにより、子供Yの外見的特徴(顔や身長等)をゲートウエイ2に登録する。
【0033】
例えば、建屋Bの住人は、子供Yの顔写真をゲートウエイ2に送信することにより、子供Yの顔の特徴をゲートウエイ2に認識させる。建屋Bの住人は、子供Yの身長を示す数値をゲートウエイ2に送信することによりゲートウエイ2に記憶させる。子供Yの外見的特徴をゲートウエイ2に登録することによって初期設定が完了する。
【0034】
ゲートウエイ2は、閉込監視機能に関する初期設定が完了し、携帯端末8から閉込監視の開始指示を受信すると、宅配ボックスXにおける子供Yの閉込監視処理を開始する。ゲートウエイ2は、閉込監視処理において、最初に子供Yが検知されたか否かを判断する(ステップS2)。
【0035】
ゲートウエイ2は、防犯カメラ4の監視画像と初期設定で事前に登録された子供Yの外見的特徴とを用いることにより、監視画像に子供Yが映り込んでいるか否かつまり子供Yが検知されたか否かを判断する。ゲートウエイ2は、子供Yを検出することによりステップS2の判断が「Yes」となると、続いて宅配ボックスXに物が収容されたか否かを判断する(ステップS3)。
【0036】
ゲートウエイ2は、子供Yを検出することなくステップS2の判断が「No」の場合にはステップS2を繰り返す。ゲートウエイ2は、監視画像に子供Yが映り込んでいるか否かを所定のタイムインターバルで繰返し判断し、子供Yを検出してステップS2の判断が「Yes」になるとステップS3の判断処理を実行する。
【0037】
ゲートウエイ2は、ステップS3において、宅配ボックスXの重量センサx1から取得した収容物重量に基づいて宅配ボックスXに収容物が収容されたか否かを判断する。ゲートウエイ2は、収容物重量が初期重量に対して有意な増加を示している場合、宅配ボックスXに収容物が収容されたと判定し、ステップS3の判断を「Yes」とする。
【0038】
ゲートウエイ2は、収容物重量が初期重量に対して有意な増加を示していない場合、つまりステップS3の判断が「No」の場合にはステップS3の処理を繰り返す。ゲートウエイ2は、収容物重量が初期重量に対して有意な増加を示しているか否かを所定のタイムインターバルで繰返し判断し、有意な増加を判定してステップS3の判断が「Yes」になるとステップS4の判断処理を実行する。
【0039】
ゲートウエイ2は、続いて子供Yが不検知になったか否かを判断する(ステップS4)。ゲートウエイ2は、ステップS2の判断処理と同様に監視画像と事前に登録された子供Yの外見的特徴とを用いることにより、子供Yが監視画像に映り込まなくなったか否か、つまり子供Yが不検知になったか否かを判断する。
【0040】
ゲートウエイ2は、子供Yが不検知となりステップS4の判断が「Yes」となると、ステップS5の判断処理を実行する。ゲートウエイ2は、子供Yが不検知とはならずステップS4の判断が「No」の場合には、閉込監視処理における最初の処理つまりステップS2を繰り返す。
【0041】
ステップS4の判断が「No」の場合は、宅配ボックスXに収容物が収容されたものの、収容物が子供Yではない状態である。ゲートウエイ2は、収容物が子供Yではないので、次の処理をステップS5ではなく、閉込監視処理における最初の処理(ステップS2)とする。
【0042】
ステップS4の判断が「Yes」の場合は、ステップ2で一旦検知された子供Yが宅配ボックスXに収容物が収容された後に不検知になった状態であり、宅配ボックスXの収容物が子供Yである可能性が疑われる状態である。ゲートウエイ2は、続いてステップS5及びステップS6の判断処理を実行することにより、収容物が子供Yであるか否かを検証する。
【0043】
ゲートウエイ2は、最初にステップS5において、宅配ボックスXにおける収容物の検知時刻t1と監視画像における子供Yの不検知時刻t2との時間差ΔTが第1閾値Tr1(所定時間)以下か否かを判断する。時間差ΔTが第1閾値Tr1以下の場合つまりステップS5の判断が「Yes」の場合は、宅配ボックスXの収容物が子供Yである可能性が高い場合である。ゲートウエイ2は、ステップS5の判断が「Yes」となると、続いてステップS6の判断処理を実行する。
【0044】
時間差ΔTが第1閾値Tr1より大きいつまりステップS5の判断が「No」の場合は、宅配ボックスXの収容物が子供Yである可能性が低い場合である。ゲートウエイ2は、ステップS5の判断が「No」となると、続いて閉込監視処理における最初の処理(ステップS2)を実行する。
【0045】
ゲートウエイ2は、ステップS6において、宅配ボックスXにおける収容物重量が第2閾値Tr2以上か否かを判断する。第2閾値Tr2は、例えば4歳児(児童)の平均体重である。収容物重量が第2閾値Tr2以上つまり児童の平均体重以上の場合は、宅配ボックスXの収容物が子供Yである可能性が高い場合である。
【0046】
また、子供Yの体重を第2閾値Tr2としてもよい。この場合は、子供Yの実際の体重を事前に測定し、例えば携帯端末8を通じてゲートウエイ2に登録しておくことが望ましい。また、児童の体重は、成長するにつれて大きく増加する傾向にあるため、子供Yの実際の体重に例えば2kg程度加算して設定してもよい。一般的に「児童」とは、満18歳未満の者を指す。「児童の平均体重」については、満18歳未満の者の各年齢分布における平均体重であればよく、利用するデータは特に限定されるものではない。例えば児童に関する統計資料(例えば文部科学省の学校保健統計調査)に基づいてもよい。
【0047】
ゲートウエイ2は、ステップS6の判断が「Yes」となると、続いてステップS7の処理を実行することにより、携帯端末8宛に警告を送信する。携帯端末8を所持する建屋Bの住人は、ゲートウエイ2から受信した警告によって、宅配ボックスXに子供Yが収容された可能性があることを認知する。
【0048】
収容物重量が第2閾値Tr2以上の場合は、宅配ボックスXの収容物が子供Yである可能性が低い場合である。ゲートウエイ2は、ステップS6の判断が「No」となると、続いて閉込監視処理における最初の処理(ステップS2)を実行する。
【0049】
本実施形態によれば、宅配ボックスXの周囲を撮像して監視画像を生成する防犯カメラ4(撮像装置)と、監視画像に基づいて宅配ボックスXの周囲の子供Yを検知し、子供Yの検知後に子供Yの不検知を判断すると警告を通知するゲートウエイ2(警告装置)とを備えるので、宅配ボックスXにおける子供Yの閉込警告を通知することが可能な閉込警告システムAを提供することが可能である。
【0050】
本実施形態によれば、重量センサx1が検出する収容物重量に基づいて宅配荷物が届いたことを検知し、ゲートウエイ2が監視画像に収容物重量をも加味して携帯端末8に警告を通知する。本実施形態によれば、監視画像のみに基づく警告の通知よりも確度の高い警告を実現することが可能である。
【0051】
本実施形態によれば、ステップS5及びステップS6の判断処理に基づく検証処理を行うので、検証処理がない場合に比較して宅配ボックスXにおける子供Yの閉じ込みを確度高く検知することができる。本実施形態によれば、携帯端末8を所持する建屋Bの住人に対する誤警告を抑制することが可能である。
【0052】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、宅配ボックスXと建屋Bに既設の屋内ネットワークCとを連携させることによって閉込警告システムAを構築したが、本開示はこれに限定されない。本開示における警告装置は、屋内ネットワークCにおけるゲートウエイ2に限定されるものではない。
【0053】
(2)上記実施形態では、閉込監視処理としてステップS3及びステップS5の各判断処理を行うが、ステップS3及びステップS5の各判断処理については必要に応じて割愛してもよい。ステップS6の判断処理についても必要に応じて割愛してもよい。ステップS2及びステップS4の各判断処理に基づいて子供Yが検知された後に不検知となったら警告を通知するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態では、宅配ボックスXの収容物の検知を収容物重量に基づいて行ったが、本開示はこれに限定されない。収容物重量以外の物理量つまり重量センサx1以外のセンサを用いて宅配ボックスXにおける収容物の検知を行ってもよい。
【符号の説明】
【0055】
A…閉込警告システム、B…建屋、C…ホームネットワーク、X…宅配ボックス、x1…重量センサ、Y…子供、1…センサ類、2…ゲートウエイ、3…ルータ、4…防犯カメラ、5…中継装置、6…電気錠、7…アプリケーションサーバ、8…携帯端末
図1
図2