(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050039
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
F24F 8/22 20210101AFI20240403BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20240403BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240403BHJP
H05B 45/30 20200101ALI20240403BHJP
【FI】
F24F8/22
A61L9/20
F24F8/80 125
H05B45/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156613
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
(72)【発明者】
【氏名】福田 直生
(72)【発明者】
【氏名】柴原 雄右
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】冨山 彩弥香
(72)【発明者】
【氏名】森 聖也
【テーマコード(参考)】
3K273
4C180
【Fターム(参考)】
3K273AA08
3K273BA28
3K273CA02
3K273CA04
3K273CA05
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA36
3K273FA27
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA13
3K273GA28
3K273HA04
4C180AA02
4C180AA07
4C180CA10
4C180CC03
4C180DD03
4C180EA16X
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180EA54X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH18
4C180HH19
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】空気処理モジュールのファン及び紫外光源への電力供給に照明モジュールの電源が共用される空気処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、空気処理装置は、器具本体、照明モジュール及び空気処理モジュールを備える。照明モジュールは、主回路を通して供給される電力によって作動される可視光光源を備え、器具本体に取付けられる。空気処理モジュールは、紫外光源、ファン及び変換回路を備え、主回路において照明モジュールに電気的に直列に接続される状態で、器具本体に取付けられる。紫外光源及びファンは、主回路を通して供給される電力によって作動され、変換回路は、主回路を通して供給される電力を、ファンの作動電圧範囲の目標電圧に変圧してファンに供給する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に設置される器具本体と;
主回路を通して供給される電力によって作動される可視光光源を備え、前記器具本体に取付けられる照明モジュールと;
紫外光源、ファン及び変換回路を備え、前記主回路において前記照明モジュールに電気的に直列に接続される状態で、前記器具本体に取付けられる空気処理モジュールであって、前記紫外光源及び前記ファンは、前記主回路を通して供給される前記電力によって作動され、前記変換回路は、前記主回路を通して供給される前記電力を、前記ファンの作動電圧範囲の目標電圧に変圧して前記ファンに供給する空気処理モジュールと;
を具備する、空気処理装置。
【請求項2】
前記空気処理モジュールは、調整回路をさらに備え、
前記調整回路は、前記主回路を通して前記照明モジュール及び前記空気処理モジュールに前記電力が供給されている状態において、前記空気処理モジュールに入力された電力を前記紫外光源及び前記ファンに分配するとともに、前記照明モジュールの両端電圧に対する前記空気処理モジュールの両端電圧の差を規定範囲に収める、
請求項1の空気処理装置。
【請求項3】
前記主回路へ前記電力を出力する電源ユニットをさらに具備し、
前記空気処理モジュールは、前記電源ユニットから前記主回路へ出力される電流を検出する検出回路をさらに備え、
前記電源ユニットは、前記検出回路での検出結果に基づいて、前記可視光光源の作動電流範囲の目標電流で前記電流が前記主回路へ出力される状態に、前記主回路への前記電力の出力を制御する、
請求項1又は2の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線を用いて空気を除菌等する空気処理モジュールが知られている。このような空気処理装置では、ファンを作動することにより、処理空間に外部から空気を導入し、かつ、導入した空気を処理空間の外部に排出する空気の流れが発生する。そして、処理装置では、処理空間において紫外線を用いて、導入された空気を除菌等し、除菌等された空気が処理空間の外部へ排出される。
【0003】
また、前述のような空気処理モジュールを、天井面等の壁面に設置される器具本体に、可視光を部屋等に照射する照明モジュールと一緒に取付け、空気処理モジュール及び照明モジュールを一緒に用いることが、求められている。また、空気処理モジュール及び照明モジュールが一緒に用いられる空気処理装置では、照明モジュールに電力を供給する電源ユニットを、空気処理モジュールの紫外光源及びファンへの電力の供給にも共用することが、求められている。すなわち、空気モジュールの紫外光源及びファンの電源として照明モジュールの電源を共用することが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、空気処理モジュールのファン及び紫外光源への電力供給に照明モジュールの電源が共用される空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、空気処理装置は、器具本体、照明モジュール及び空気処理モジュールを備える。器具本体は、壁面に設置される。照明モジュールは、主回路を通して供給される電力によって作動される可視光光源を備え、器具本体に取付けられる。空気処理モジュールは、紫外光源、ファン及び変換回路を備え、主回路において照明モジュールに電気的に直列に接続される状態で、器具本体に取付けられる。紫外光源及びファンは、主回路を通して供給される電力によって作動され、変換回路は、主回路を通して供給される電力を、ファンの作動電圧範囲の目標電圧に変圧してファンに供給する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空気処理モジュールのファン及び紫外光源への電力供給に照明モジュールの電源が共用される空気処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る空気処理装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る空気処理装置における空気処理モジュールの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る空気処理装置における電気系統及び制御系統の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、ある変形例に係る空気処理装置における電気系統及び制御系統の一例を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の空気処理装置(1)は、器具本体(10)、照明モジュール(12)及び空気処理モジュール(11)を備える。器具本体(10)は、壁面に設置される。照明モジュール(12)は、主回路(30)を通して供給される電力によって作動される可視光光源(31)を備え、器具本体(10)に取付けられる。空気処理モジュール(11)は、紫外光源(22)、ファン(21)及び変換回路(36)を備え、主回路(30)において照明モジュール(12)に電気的に直列に接続される状態で、器具本体(10)に取付けられる。紫外光源(22)及びファン(21)は、主回路(30)を通して供給される電力によって作動され、変換回路(36)は、主回路(30)を通して供給される電力を、ファン(21)の作動電圧範囲の目標電圧(Vtar)に変圧してファン(21)に供給する。このような構成にすることにより、空気処理モジュール(11)のファン(21)及び紫外光源(22)への電力供給に、照明モジュール(12)の電源である電源ユニット(25)が、適切に共用される。
【0010】
実施形態の空気処理装置(1)では、空気処理モジュール(11)は、調整回路(35)をさらに備える。調整回路(35)は、主回路(30)を通して照明モジュール(12)及び空気処理モジュール(11)に電力が供給されている状態において、空気処理モジュール(11)に入力された電力を紫外光源(22)及びファン(21)に分配するとともに、照明モジュール(12)の両端電圧(Vb)に対する空気処理モジュール(11)の両端電圧(Va)の差を規定範囲に収める。このような構成にすることにより、ファン(21)及び紫外光源(22)が搭載される空気処理モジュール(11)が、照明モジュール(12)の電源である電源ユニット(25)から電力が供給される電気系統に、適切に適用される。
【0011】
実施形態の空気処理装置(1)は、主回路(30)へ電力を出力する電源ユニット(25)をさらに備える。空気処理モジュール(11)は、電源ユニット(25)から主回路(30)へ出力される電流を検出する検出回路(32)をさらに備える。電源ユニット(25)は、検出回路(32)での検出結果に基づいて、可視光光源(31)の作動電流範囲の目標電流(Itar)で電流が主回路(30)へ出力される状態に、主回路(30)への電力の出力を制御する。このような構成にすることにより、照明モジュール(12)に電流検出機能が設けられなくても、電源ユニット(25)から主回路(30)への目標電流(Itar)での定電流出力が、適切に行われる。
【0012】
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る空気処理装置1を示す。
図1に示すように、空気処理装置1は、器具本体10、空気処理モジュール11及び照明モジュール12を備える。
図1の一例では、器具本体10に、1つの空気処理モジュール11及び2つ照明モジュール12が取付けられ、空気処理装置1において、空気処理モジュール11及び照明モジュール12が一緒に用いられる。なお、器具本体10に取付けられる空気処理モジュール11及び照明モジュール12のそれぞれの数は、特に限定されない。器具本体10には、空気処理モジュール11及び照明モジュール12のそれぞれが、1つ以上ずつ取付けられていればよい。
【0013】
器具本体10は、天井面及び側壁面等の壁面に設置される。照明モジュール12のそれぞれは、可視光光源(
図1では図示しない)を備える、可視光光源は、可視光LED及び可視光を発光するランプ等のいずれかを発光素子として備える。照明モジュール12のそれぞれでは、電力(直流電力)の供給によって、可視光光源が作動され、可視光光源から可視光が出射される。照明モジュール12のそれぞれは、可視光光源からの可視光を、器具本体10が設置される壁面によって規定される環境空間へ照射し、例えば、部屋等に照射する。
【0014】
図2は、空気処理モジュール11の構成を示す。
図2に示すように、空気処理モジュール11は、処理ボックス13を備え、処理ボックス13の内部に処理空間15が形成される。
図2では、処理ボックス13は、天壁を省略した状態で示される。また、
図1及び
図2の一例では、空気処理モジュール11において、処理ボックス13に反射板16が組合わせられる。空気処理装置1では、反射板16は、照明モジュール12のそれぞれから照射される可視光を反射する。これより、照明モジュール12のそれぞれから処理空間15への可視光の入射が、防止される。
【0015】
また、
図1及び
図2の一例の空気処理モジュール11では、処理ボックス13の反射板16への組合わせ体において、2つの連通口17,18が形成される。空気処理モジュール11では、処理空間15は、連通口17,18のそれぞれを通して、空気処理モジュール11の外部と連通する。処理空間15は、連通口17,18のそれぞれを通して、例えば、器具本体10が設置される壁面によって規定される環境空間と連通する。
【0016】
空気処理モジュール11では、処理ボックス13の内部の処理空間15に、ファン21、紫外光源22及び光触媒フィルタ23が配置される。
図1及び
図2の一例では、ファン21は、連通口17に処理空間15の内側から対向する状態で配置され、光触媒フィルタ23は、連通口18に処理空間15の内側から対向する状態で配置される。また、ファン21及び紫外光源22のそれぞれは、電力(直流電力)の供給によって、作動される。
【0017】
ファン21が作動されることにより、前述の環境空間等の外部から処理空間15に空気を導入し、かつ、導入した空気を処理空間15の外部に排出する空気の流れが発生する。ある一例では、ファン21を作動することにより、処理空間15において連通口17から連通口18に向かう空気の流れが発生する。この場合、連通口17が処理空間15へ空気を導入する導入口となり、連通口18が処理空間15から外部へ空気を排出する排出口となる。別のある一例では、ファン21を作動することにより、処理空間15において連通口18から連通口17に向かう空気の流れが発生する。この場合、連通口18が処理空間15へ空気を導入する導入口となり、連通口17が処理空間15から外部へ空気を排出する排出口となる。
【0018】
紫外光源22は、紫外光LED及び紫外光を発光するランプ等のいずれかを発光素子として備える。電力(直流電力)の供給によって紫外光源22が作動されることにより、紫外光源22は紫外線を出射する。これにより、処理空間15において、紫外光源22からの紫外線が照射される。ここで、処理ボックス13は、少なくとも内面が、紫外線を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム合金及びステンレス合金等のいずれかから形成される。このため、紫外光源22からの紫外線が処理空間15の外部に出射されることが、有効に防止される。
【0019】
光触媒フィルタ23では、母材の表面に光触媒が担持される。光触媒フィルタ23では、複数(無数)の貫通孔が母材に形成され、母材は、例えば、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウム等のセラミックスから形成される。また、母材に担持される光触媒は、例えば、酸化チタン及び酸化タングステン等の金属酸化物から形成される。
【0020】
図1及び
図2の一例では、紫外光源22は、処理空間15において、ピーク波長が320nm以上かつ400nm以下の範囲になる紫外線、すなわち、UV-Aを少なくとも照射する。そして、処理空間15では、紫外光源22から出射された紫外線が、直接的に及び/又は反射した後に、光触媒フィルタ23に入射する。処理空間15において光触媒フィルタ23にUV-Aが入射することにより、光触媒フィルタ23において活性酸素及びOHラジカルが生成される。そして、生成された活性酸素及びOHラジカルによって、処理空間15の空気に含まれるウイルス、菌(細菌)及び臭い物質等が、分解される。これにより、処理空間15において、空気の除菌及び脱臭等が行われる。
【0021】
また、
図2の一例では、紫外光源22は、前述したUV-Aに加えて、ピーク波長が200nm以上かつ320nm以下の範囲になる紫外線、すなわち、UV-Cを処理空間15において照射する。処理空間15において、紫外光源22からUV-Cが空気に照射されることにより、空気に含まれるウイルス及び菌(細菌)等の活動が抑制される。これにより、処理空間15において空気の除菌が行われる。
【0022】
なお、ある一例では、紫外光源22からUV-A及びUV-Cの一方のみが照射されてもよい。紫外光源22からUV-Cのみが照射される場合、すなわち、紫外光源22からUV-Aが照射されない場合は、処理空間15に光触媒フィルタ23が配置されない。また、“除菌”とは、空気中に存在するウイルス及び菌(細菌)等を不活性化すること等を意味し、“除菌”の代わりに“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等といった用語を用いることも可能である。このため、実施形態では、“除菌”という用語を用いるが、“除菌”という用語を、“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等に置き換え可能である。
【0023】
空気処理モジュール11を使用する際には、ファン21及び紫外光源22を作動する。これにより、処理空間15では、外部から導入口(17,18の対応する一方)を通して導入された空気に対して、紫外光源22からのUV-Cを用いた前述の除菌、及び、紫外光源22からのUV-A及び光触媒フィルタ23を用いた前述の除菌及び脱臭の少なくとも一方が、行われる。そして、除菌及び/又は脱臭等された空気は、排出口(17,18の対応する一方)を通して、環境空間等の外部へ排出される。
【0024】
図3は、空気処理装置1における電気系統及び制御系統の一例を示す。
図3に示すように、空気処理装置1は、電源ユニット25を備える。電源ユニット25は、照明モジュール12に電力を供給する電源になるとともに、空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22の電源としても共用される。電源ユニット25は、器具本体10に設置される、又は、器具本体10が設置される壁面の裏側において器具本体10の近傍に配置される。
【0025】
図3に示すように、電源ユニット25は、整流回路26、出力回路27及び制御部(制御回路)28を備える。制御部28は、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体から構成される。制御部28を構成するプロセッサ又は集積回路は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、DSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。制御部28は、集積回路等を1つのみ備えてもよく、集積回路等を複数備えてもよい。また、制御部28は、記憶媒体を1つのみ備えてもよく、記憶媒体を複数備えてもよい。
【0026】
電源ユニット25では、整流回路26に、商用電源等の外部電源(図示しない)から交流電力が供給される。整流回路26は、例えば、AC/DCコンバータを備え、外部電源からの交流電力を、直流電力に変換する。そして、変換された直流電力が整流回路26から制御部28に供給されることにより、制御部28が作動される。また、整流回路26は、変換した直流電力を出力回路27に出力する。出力回路27は、変圧回路を備え、変圧回路によって直流電力の電圧を変圧する。そして、出力回路27は、変圧回路によって電圧を変圧した直流電力を、空気処理モジュール11及び照明モジュール12に供給する。
【0027】
器具本体10に空気処理モジュール11及び照明モジュール12が取付けられた空気処理装置1では、電源ユニット25の出力回路27は、主回路30に電気的に接続され、主回路30は、空気処理モジュール11及び照明モジュール12を通って形成される。主回路30では、空気処理モジュール11は、照明モジュール12のそれぞれに対して電気的に直列に接続される。また、主回路30では、照明モジュール12のそれぞれの可視光光源31が、空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22に電気的に接続される。そして、主回路30では、照明モジュール12のそれぞれの可視光光源31は、空気処理モジュール11に電気的に直列に接続される。
【0028】
電源ユニット25の出力回路27は、前述のようにして変圧した直流電力を主回路30に出力することにより、照明モジュール12のそれぞれの可視光光源31、及び、空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22に電力を供給する。また、制御部28は、出力回路27の駆動制御を行うことにより、出力回路27から主回路30へ電力(直流電力)の出力を制御する。例えば、制御部28は、出力回路27の駆動制御を行うことにより、出力回路27から主回路30へ電力が出力される状態と出力回路27から主回路30への電力の出力が停止される状態との間を、切替える。
【0029】
また、電源ユニット25では、制御部28は、可視光光源31の作動電流範囲の目標電流Itarで電流が主回路30へ出力される状態に、出力回路27から主回路30への電力の出力を制御する。すなわち、主回路30への電力は、電源ユニット25から主回路30への出力電流を目標電流Itarで維持する定電流出力で、電源ユニット25から出力される。これにより、照明モジュール12のそれぞれでは、可視光光源31に流れる電流が、作動電流範囲に含まれる目標電流Itarで維持され、照明モジュール12のそれぞれでの消費電流は、目標電流Itarと同一又は略同一の大きさとなる。
【0030】
また、
図3の一例では、2つの照明モジュール12の一方に、検出回路32が設けられる。検出回路32は、主回路30に配置され、搭載される照明モジュール12での消費電流を検出する。このため、検出回路32によって、電源ユニット25の出力回路27から主回路30へ出力される電流が検出される。検出回路32は、電流についての検出結果を示す検出信号を、電源ユニット25の制御部28に出力する。
【0031】
ある一例では、検出回路32は、主回路30に配置されるシャント抵抗を備え、シャント抵抗に印加される電圧値を示す電圧信号を、検出信号として制御部28に出力する。そして、制御部28は、電圧信号の電圧値に基づいて、出力回路27から主回路30への出力電流を算出する。制御部28は、検出回路32での電流の検出結果に基づいて、出力回路27の駆動を制御し、主回路30への電力の出力を制御する。この際、可視光光源31の作動電流範囲の目標電流Itarで電流が主回路30へ出力される状態に、出力が制御される。
【0032】
主回路30では、空気処理モジュール11は、前述のように照明モジュール12に電気的に直列に接続される。このため、目標電流Itarでの定電流出力が行われることにより、空気処理モジュール11には、目標電流Itarと同一又は略同一の大きさの電流が入力される。空気処理モジュール11は、ファン21及び紫外光源22に加えて、調整回路35及び変換回路36を備える。調整回路35は、主回路30を通して空気処理モジュール11に供給される電力(直流電力)を、ファン21及び紫外光源22に分配する。このため、空気処理モジュール11に入力された電流は、調整回路35によって、ファン21及び紫外光源22に分配される。
【0033】
調整回路35は、紫外光源22の作動電流範囲の基準電流Irefで電流が紫外光源22に入力される状態に、紫外光源22に分配される電力を調整する。すなわち、調整回路35から紫外光源22への電力は、紫外光源22への入力電流を基準電流Irefで維持する定電流入力で、調整回路35から分配される。これにより、空気処理モジュール11では、紫外光源22に流れる電流が、作動電流範囲に含まれる基準電流Irefで維持される。なお、紫外光源22の作動電流範囲は、可視光光源31の作動電流範囲と同程度の大きさである。
【0034】
変換回路36は、調整回路35からファン21に分配された電力を、変圧してファン21に供給する。変換回路36は、ファン21の作動電圧範囲の目標電圧Vtarで電圧がファン21に印加される状態に、ファンに21に供給する電力を変圧する。すなわち、変換回路36からファン21への電力は、ファン21への入力電圧を目標電圧Vtarで維持する定電圧入力で、ファン21に供給される。これにより、空気処理モジュール11では、ファン21に印加される電圧が、作動電圧範囲に含まれる目標電圧Vtarで維持される。前述のように、変換回路36は、主回路30を通して供給される電力を、ファン21の作動電圧範囲の目標電圧Vtarに変圧して、ファン21に供給する。
【0035】
また、調整回路35は、目標電流Itarで主回路30への定電流出力が行われている状態において、目標電流Itarと同一又は略同一の大きさの電流が空気処理モジュール11で消費される状態に、調整を行う。調整回路35での調整によって、目標電流Itarで主回路30への定電流出力が行われている状態において、空気処理モジュール11の電気特性は、照明モジュール12のそれぞれの電気特性と同様の特性となる。すなわち、調整回路35での調整によって、目標電流Itarで主回路30への定電流出力が行われている状態において、照明モジュール12のそれぞれの両端電圧Vbに対する空気処理モジュール11の両端電圧Vaの差が、規定範囲に収まる。ここで、両端電圧Vbに対する両端電圧Vaの差が規定範囲に収まる状態としては、例えば、両端電圧Vbに対して両端電圧Vaが95%以上かつ105%以下の範囲に収まる状態等が挙げられる。
【0036】
前述のように本実施形態では、主回路30を通して供給される電力によって、照明モジュール12のそれぞれの可視光光源31、及び、空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22が作動され、主回路30において、空気処理モジュール11は、照明モジュール12に電気的に直列に接続される。そして、空気処理モジュール11では、変換回路36は、主回路30を通して供給される電力を、ファン21の作動電圧範囲の目標電圧Vtarに変圧して、ファン21に供給する。
【0037】
このような回路構成であるため、可視光光源31の作動させる定電流出力で主回路30に電力を出力する電源ユニット25を電源として用いても、変換回路36によって目標電圧Vtarに変圧された電力がファン21に入力されるため、定電圧入力によって作動されるファン21が適切に作動される。また、定電流出力で主回路30に電力が出力されるため、定電流入力によって作動される紫外光源22も、適切に作動される。空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22への電力供給に、照明モジュール12の電源である電源ユニット25が、適切に共用される。ファン21及び紫外光源22の電源が照明モジュール12の電源と共用されることにより、空気処理装置1では、除菌等の空気処理機能及び照明機能の両方を容易な構成で実現可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、主回路30を通して照明モジュール12及び空気処理モジュール11に電力が供給されている状態において、空気処理モジュール11の調整回路35は、空気処理モジュール11に入力された電力を紫外光源22及びファン21に分配するとともに、照明モジュール12のそれぞれの両端電圧Vbに対する空気処理モジュール11の両端電圧Vaの差を、規定範囲に収める。これにより、電源ユニット25からの定電流出力によって主回路30に出力される目標電流Itarと同一又は略同一の大きさの電流が、空気処理モジュール11で消費される状態になる。したがって、ファン21及び紫外光源22が搭載される空気処理モジュール11が、照明モジュール12の電源である電源ユニット25から電力が供給される電気系統に、適切に適用される。
【0039】
また、本実施形態では、照明モジュール12の検出回路32は、電源ユニット25から主回路30へ出力される電流を検出する。そして、電源ユニット25は、検出回路32での検出結果に基づいて、目標電流Itarで電流が主回路30へ出力される状態に、主回路30への電力の出力を制御する。このため、目標電流Itarでの定電流出力が、適切に行われる。
【0040】
なお、
図4に示すある変形例では、検出回路32は、空気処理モジュール20に設けられる。本変形例でも、検出回路32は、主回路30に配置され、電源ユニット25の出力回路27から主回路30へ出力される電流が検出される。本変形例では、検出回路32は、搭載され空気処理モジュール11での消費電流を検出することにより、主回路30への出力電流を検出する。本変形例でも、制御部28は、検出回路32での電流の検出結果に基づいて、可視光光源31の作動電流範囲の目標電流Itarで電流が主回路30へ出力される状態に、主回路30への出力を制御する。
【0041】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。また、本変形例では、空気処理モジュール11に検出回路32が設けられるため、照明モジュール12に電流検出機能が設けられなくても、目標電流Itarでの定電流出力が、適切に行われる。
【0042】
また、ある変形例では、照明モジュール12が設けられず、主回路30に1つ以上の空気処理モジュール11が配置される。そして、主回路30に複数の空気処理モジュール11が設けられる場合は、主回路30において複数の空気処理モジュール11は、電気的に直列に接続される。本変形例でも、目標電流Itarでの定電流出力で、電源ユニット25から主回路30へ電力が出力される。そして、空気処理モジュール11のそれぞれは、ファン21及び紫外光源22に加えて、調整回路35及び変換回路36を備え、調整回路35及び変換回路36では前述した処理が行われる。
【0043】
本変形例では、目標電流Itarでの定電流出力で主回路30に電力が出力されても、1つ以上の空気処理モジュール11のそれぞれにおいて、調整回路35及び変換回路36によって、ファン21及び紫外光源22が適切に作動される。このため、例えば、照明モジュール12の代わりに器具本体10に空気処理モジュール11を取り付けても、照明モジュール12の電源として用いていた電源ユニット25を、空気処理モジュール11のファン21及び紫外光源22への電力供給にそのまま用いることが可能となる。
【0044】
また、本変形例では、主回路30に配置される空気処理モジュール11のいずれか1つ以上に検出回路32が設けられる。これにより、目標電流Itarでの定電流出力が、適切に行われる。
【0045】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、主回路を通して供給される電力によって、照明モジュールの可視光光源、及び、空気処理モジュールのファン及び紫外光源が作動され、主回路において、空気処理モジュールは、照明モジュールに電気的に直列に接続される。そして、空気処理モジュールでは、変換回路は、主回路を通して供給される電力を、ファンの作動電圧範囲の目標電圧に変圧して、ファンに供給する。これにより、空気処理モジュールのファン及び紫外光源への電力供給に照明モジュールの電源が共用される空気処理装置を提供することができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…空気処理装置、10…器具本体、11…空気処理モジュール、12…照明モジュール、21…ファン、22…紫外光源、30…主回路、31…可視光光源、32…検出回路、35…調整回路、36…変換回路、Vtar…目標電圧、Itar…目標電流、Va,Vb…両端電圧。