(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024050071
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】デザイン検査装置、デザイン検査システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240403BHJP
G06Q 30/018 20230101ALI20240403BHJP
【FI】
G06T7/00 610A
G06Q30/00 340
G06T7/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156667
(22)【出願日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】吉田 亮彦
(72)【発明者】
【氏名】石原 義久
(72)【発明者】
【氏名】西田 篤史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096FA06
5L096FA19
5L096FA52
5L096GA40
5L096JA28
(57)【要約】
【課題】デザインに関する検査結果を分かりやすく示す工夫をしたデザイン検査装置、デザイン検査システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】デザイン検査装置1は、検査対象の印刷物画像を解析してデータを取得する画像解析部13と、デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールの検査項目ごとに、取得したデータが検査基準を満たすか否かを確認する検査基準確認処理部14と、印刷物画像に対応した結果画像と、確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を、端末4に出力する検査結果画面出力部15とを備える。検査結果画面は、少なくとも検査基準を満たさなかった検査項目を含む結果情報を出力し、検査基準を満たさなかったデータに対応する箇所を判別可能にした結果画像を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールと、
処理対象の印刷物画像を解析してデータを取得する画像解析手段と、
前記検査ルールの前記検査項目ごとに、前記画像解析手段が取得した前記データが前記検査基準を満たすか否かを確認する検査基準確認手段と、
前記印刷物画像に対応した結果画像と、前記検査基準確認手段による確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を出力する検査結果出力手段と、
を備え、
前記検査結果出力手段は、少なくとも前記検査基準を満たさなかった前記検査項目を含む前記結果情報を出力し、前記検査基準を満たさなかった前記データに対応する箇所を判別可能にした前記結果画像を出力する、デザイン検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記検査結果出力手段は、前記検査基準を満たさなかった前記データの検出数を、前記検査項目に対応付けた情報をさらに含む、前記結果情報を出力する、デザイン検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記検査ルールは、前記検査項目に評価基準がさらに対応付けられ、
前記検査結果出力手段は、前記検査基準確認手段による前記確認結果を前記評価基準に適用した、前記検査項目の評価に関する情報をさらに含む、前記結果情報を出力する、デザイン検査装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記検査結果出力手段は、前記結果画像と前記結果情報とを並べて配置した前記検査結果画面を出力する、デザイン検査装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のデザイン検査装置において、
前記画像解析手段は、前記印刷物画像におけるテキスト領域と画像領域とを認識して、認識した前記テキスト領域のテキストを結合し、結合後テキストと前記画像領域の画像とを含む前記データを取得する、デザイン検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記結果画像におけるユーザの操作に対応した、所定範囲の入力を受け付ける範囲受付手段と、
前記検査項目及び指摘内容を受け付ける指摘受付手段と、
を備え、
前記検査結果出力手段は、前記指摘受付手段が受け付けた前記指摘内容を前記結果情報として出力し、前記範囲受付手段が受け付けた前記所定範囲を、前記結果画像に判別可能に出力する、デザイン検査装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項6に記載のデザイン検査装置において、
前記結果画像と前記結果情報とを含むレポートを出力するレポート出力手段を備える、デザイン検査装置。
【請求項8】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記検査ルールを記憶する検査ルール記憶部と、
前記検査ルールの前記検査基準に係る値を受け付ける検査基準値受付手段と、
前記検査基準値受付手段が受け付けた前記検査基準に係る値を、前記検査項目に対応付けて前記検査ルール記憶部に登録するルール登録手段と、
を備え、
前記検査基準確認手段は、前記ルール登録手段によって前記検査ルール記憶部に記憶された前記検査ルールを用いて、前記画像解析手段が取得した前記データを確認する、デザイン検査装置。
【請求項9】
請求項1に記載のデザイン検査装置において、
前記検査ルールの前記検査項目は、文字サイズ、文字フォント、文字数及び色に関する項目を含む、ユニバーサルデザインに対応したものである、デザイン検査装置。
【請求項10】
請求項1に記載のデザイン検査装置と、
前記デザイン検査装置に対して通信可能に接続され、前記検査結果画面を出力する表示装置と、
を備えたデザイン検査システム。
【請求項11】
コンピュータを、
処理対象の印刷物画像を解析してデータを取得する画像解析手段と、
デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールの前記検査項目ごとに、前記画像解析手段が取得した前記データが前記検査基準を満たすか否かを確認する検査基準確認手段と、
前記印刷物画像に対応した結果画像と、前記検査基準確認手段による確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を出力する検査結果出力手段と、
して機能させ、
前記検査結果出力手段を、少なくとも前記検査基準を満たさなかった前記検査項目を含む前記結果情報を出力し、前記検査基準を満たさなかった前記データに対応する箇所を判別可能にした前記結果画像を出力するように機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン検査装置、デザイン検査システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、パンフレットや帳票等のユーザに頒布する書類は、ユーザがどのような者であっても見やすいものであることが望ましいため、様々なデザインの工夫が求められる。
そのため、作成されたデザインが所定のデザイン規則にしたがっているか否かを判定するデザイン検査プログラムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、デザイン属性別に定められたデザインプログラム規則を読み込んで、命令語に基づき規則内容にしたがっているかを判定するものである。そのため、命令語に対応したプログラム言語でなければ判定できなかった。
また、規則にしたがっていない場合には、その内容を修正する必要があるため、誤り箇所を分かりやすい態様で示す必要がある。
さらに、近年では、UD(ユニバーサルデザイン)を意識したデザインが求められているため、UDに対応した検査が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、デザインに関する検査結果を分かりやすく示す工夫をしたデザイン検査装置、デザイン検査システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
第1の発明は、デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールと、処理対象の印刷物画像を解析してデータを取得する画像解析手段と、前記検査ルールの前記検査項目ごとに、前記画像解析手段が取得した前記データが前記検査基準を満たすか否かを確認する検査基準確認手段と、前記印刷物画像に対応した結果画像と、前記検査基準確認手段による確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を出力する検査結果出力手段と、を備え、前記検査結果出力手段は、少なくとも前記検査基準を満たさなかった前記検査項目を含む前記結果情報を出力し、前記検査基準を満たさなかった前記データに対応する箇所を判別可能にした前記結果画像を出力する、デザイン検査装置である。
第2の発明は、第1の発明のデザイン検査装置において、前記検査結果出力手段は、前記検査基準を満たさなかった前記データの検出数を、前記検査項目に対応付けた情報をさらに含む、前記結果情報を出力する、デザイン検査装置である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のデザイン検査装置において、前記検査ルールは、前記検査項目に評価基準がさらに対応付けられ、前記検査結果出力手段は、前記検査基準確認手段による前記確認結果を前記評価基準に適用した、前記検査項目の評価に関する情報をさらに含む、前記結果情報を出力する、デザイン検査装置である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記検査結果出力手段は、前記結果画像と前記結果情報とを並べて配置した前記検査結果画面を出力する、デザイン検査装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記画像解析手段は、前記印刷物画像におけるテキスト領域と画像領域とを認識して、認識した前記テキスト領域のテキストを結合し、結合後テキストと前記画像領域の画像とを含む前記データを取得する、デザイン検査装置である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記結果画像におけるユーザの操作に対応した、所定範囲の入力を受け付ける範囲受付手段と、前記検査項目及び指摘内容を受け付ける指摘受付手段と、を備え、前記検査結果出力手段は、前記指摘受付手段が受け付けた前記指摘内容を前記結果情報として出力し、前記範囲受付手段が受け付けた前記所定範囲を、前記結果画像に判別可能に出力する、デザイン検査装置である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記結果画像と前記結果情報とを含むレポートを出力するレポート出力手段を備える、デザイン検査装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記検査ルールを記憶する検査ルール記憶部と、前記検査ルールの前記検査基準に係る値を受け付ける検査基準値受付手段と、前記検査基準値受付手段が受け付けた前記検査基準に係る値を、前記検査項目に対応付けて前記検査ルール記憶部に登録するルール登録手段と、を備え、前記検査基準確認手段は、前記ルール登録手段によって前記検査ルール記憶部に記憶された前記検査ルールを用いて、前記画像解析手段が取得した前記データを確認する、デザイン検査装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかのデザイン検査装置において、前記検査ルールの前記検査項目は、文字サイズ、文字フォント、文字数及び色に関する項目を含む、ユニバーサルデザインに対応したものである、デザイン検査装置である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかのデザイン検査装置と、前記デザイン検査装置に対して通信可能に接続され、前記検査結果画面を出力する表示装置と、を備えたデザイン検査システムである。
第11の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかのデザイン検査装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、デザインに関する検査結果を分かりやすく示す工夫をしたデザイン検査装置、デザイン検査システム及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るデザイン検査システムの全体構成図及びデザイン検査装置の機能ブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るデザイン検査装置の検査ルール記憶部に記憶された検査ルールの項目例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るデザイン検査装置のデザイン検査処理を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係るデザイン検査処理で端末に出力される結果出力画面の例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るデザイン検査処理で端末に出力される結果出力画面の例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るデザイン検査処理で端末に出力される結果出力画面の例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るデザイン検査装置の検査結果画面操作処理を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る端末に出力される検査ルール設定画面の例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る端末に出力される検出項目追加画面の例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る修正指示書の例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るレポートの例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るレポートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
<デザイン検査システム100>
図1は、本実施形態に係るデザイン検査システム100の全体概要図及びデザイン検査装置1の機能ブロック図である。
【0010】
図1に示すデザイン検査システム100は、デザイン検査装置1と、端末4(表示装置)とを備えたシステムである。
デザイン検査システム100は、端末4からの依頼に応じて、デザイン検査装置1が、印刷物画像のデザインを検査し、依頼のあった端末4に検査結果画面を出力するシステムである。
デザイン検査装置1と、端末4とは、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット回線等であり、有線であるか無線であるかを問わない。
【0011】
<デザイン検査装置1>
デザイン検査装置1は、検査対象(処理対象)の印刷物画像を、端末4から受信する。ここで、印刷物画像とは、例えば、作成済ではあるがデザインの検証が終了していない印刷物の画像であり、具体的には、パンフレット、リーフレット、カタログ等の画像データをいう。印刷物画像は、1ページで構成されているものであってもよいし、複数ページで構成されているものであってもよい。そして、デザイン検査装置1は、受信した印刷物画像を解析してデータを取得し、取得したデータが検査基準を満たすか否かを検査ルールにしたがって確認し、検査結果画面を端末4に出力する。
【0012】
デザイン検査装置1は、例えば、サーバである。デザイン検査装置1は、その他、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
図1に示すように、デザイン検査装置1は、制御部10と、記憶部20と、通信インタフェース部29とを備える。
制御部10は、デザイン検査装置1の全体を制御する中央処理装置(CPU)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0013】
制御部10の説明の前に、記憶部20を説明する。
記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム記憶部21と、検査ルール記憶部22と、会社情報記憶部23とを備える。
プログラム記憶部21は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部21は、デザイン検査プログラム21aを記憶している。
【0014】
デザイン検査プログラム21aは、デザイン検査装置1の制御部10が実行する各種機能(後述する)を行うためのプログラムである。
なお、デザイン検査プログラム21aは、一例である。例えば、機能ごとに細分化した複数のプログラムを、プログラム記憶部21に記憶してもよい。
【0015】
検査ルール記憶部22は、デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールを記憶する記憶領域である。ここで、検査ルール記憶部22に記憶する検査ルールは、ユニバーサルデザイン(UD)に対応したデザインに関する検査項目を有する。
図2は、検査ルール記憶部22に記憶される検査ルールの項目(検査項目)と自動検査基準値(検査基準値)とを対応付けた検査ルール項目22aを示す。
図2に示す検査ルール項目22aは、ユニバーサルデザインに対応した項目とその基準値である。
検査ルール項目22aは、各項目(検査項目)に対応して、自動検査基準値を設定することが可能になっている。また、検査ルールは、例えば、印刷物画像の検査を依頼した会社ごとに異なるものであってもよい。そのため、検査ルール記憶部22は、検査ルール項目22aの自動検査基準値基準が予め設定された基本になる検査ルールの他、会社を識別する会社ID(IDentification)に対応付けて会社独自の検査ルールを記憶することができる。
会社情報記憶部23は、各会社に関する情報を記憶する。会社情報記憶部23は、例えば、会社IDをキーとして、会社名等の会社に係る各種情報を記憶する。
【0016】
次に、制御部10について説明する。
制御部10は、検査ルール取得部11と、印刷物画像受付部12と、画像解析部13(画像解析手段)と、検査基準確認処理部14(検査基準確認手段)と、検査結果画面出力部15(検査結果出力手段)と、検査ルール変更処理部16(検査基準値受付手段、ルール登録手段)と、検出項目追加処理部17(範囲受付手段、指摘受付手段)と、レポート出力処理部18(レポート出力手段)とを備える。
検査ルール取得部11は、例えば、端末4から会社IDを受け付けることで、受け付けた会社IDに対応する検査ルールを、検査ルール記憶部22から取得する。
印刷物画像受付部12は、例えば、端末4から印刷物画像を受け付ける。ここで、印刷物画像は、例えば、PDF形式の画像ファイルである。また、印刷物画像は、例えば、パンフレットに関するものの場合等、複数ページを有するものをも含む。
【0017】
画像解析部13は、印刷物画像受付部12が受け付けた印刷物画像を解析して、データを取得する。画像解析部13は、まず、印刷物画像におけるテキスト領域と画像領域とを認識する。次に、画像解析部13は、認識したテキスト領域のテキストを結合する。そして、画像解析部13は、結合後テキストと、画像領域の画像とを含むデータを取得する。
取得したデータは、テキストであれば、文字サイズや書体(文字フォント)、色といった書式情報や、テキストの位置情報を含む。また、取得したデータは、画像であれば、画像の色や形状、サイズといった画像情報や、画像の位置情報を含む。さらに、取得したデータは、版面全体であれば、文字数や版面全体で用いられる色に関する情報や版面率といった情報を含む。
検査基準確認処理部14は、検査ルール記憶部22に記憶された検査ルールを用いて、画像解析部13が取得したデータが検査基準を満たすか否かを検査項目ごとに確認する。
【0018】
検査結果画面出力部15は、印刷物画像に対応した結果画像と、検査基準確認処理部14による確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を出力する。
ここで、検査結果画面出力部15は、印刷物画像に対して少なくとも検査基準を満たさなかった検査項目に該当する箇所を判別可能に加工した結果画像を出力する。
また、検査結果画面出力部15は、少なくとも検査基準を満たさなかった検査項目と、理由とを対応付けた結果情報を出力する。検査結果画面出力部15は、検査基準を満たさなかったデータの検出数を、検査項目に対応付けた情報をさらに含む結果情報を出力する。検査結果画面出力部15は、確認結果を評価基準に適用した、検査項目の評価に関する情報をさらに含む結果情報を出力する。
そして、検査結果画面出力部15は、結果画像と結果情報とを並べて配置した前記検査結果画面を出力する。
また、検査結果画面出力部15は、後述する検出項目追加処理部17が受け付けた指摘内容を結果情報として出力し、検出項目追加処理部17が受け付けた所定範囲を判別可能に加工した結果画像を出力する。
【0019】
検査ルール変更処理部16は、検査ルールの検査基準値の登録や変更を受け付ける。そして、検査ルール変更処理部16は、受け付けた検査基準値を検査項目に対応付けた検査ルールを、画像印刷物に対応する会社を識別する会社IDに対応付けて、検査ルール記憶部22に登録する。
検出項目追加処理部17は、結果画像における端末4のユーザの操作に対応した、所定範囲の入力を受け付け、次に、検査項目及び指摘内容を受け付けると、受け付けた指摘内容を結果情報として出力し、受け付けた所定範囲を、結果画像に判別可能に出力する。
レポート出力処理部18は、結果画像と結果情報とを含むレポートを生成して出力する。
なお、各機能部の詳細は、後述する。
通信インタフェース部29は、通信ネットワークNを介して、例えば、端末4との間の通信を行うためのインタフェースである。
【0020】
<端末4>
図1に示す端末4は、例えば、PCである。
図1に示す端末4は、例えば、印刷物画像を作成した会社のデザイナからの依頼を受けたチェック者等(以下、端末4を使用するチェック者等を、ユーザという。)が使用する。端末4は、その他、タブレットに代表されるコンピュータの機能を併せ持った携帯型の端末等でもよい。
端末4は、例えば、デザイン検査装置1に対して印刷物画像を送信し、デザイン検査装置1から、検査結果画面を受信する。
端末4は、図示しないが、制御部と、記憶部と、入力部と、表示部(表示装置)と、通信インタフェース部等とを備える。
【0021】
ここで、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、デザイン検査装置1及び端末4は、各々制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0022】
<デザイン検査システム100の処理>
次に、デザイン検査システム100における処理について説明する。
まず、印刷物画像に対してデザインに係る検査を行い、結果を出力するまでの処理を説明する。
図3は、本実施形態に係るデザイン検査装置1のデザイン検査処理を示すフローチャートである。
図4から
図6までは、本実施形態に係るデザイン検査処理で端末4に出力される結果出力画面の例を示す図である。
【0023】
例えば、端末4において、端末4のユーザがログイン処理を行って認証がされると、端末4とデザイン検査装置1とが通信可能に接続され、デザイン検査装置1は、例えば、図示しない初期画面を端末4に出力する。
そして、端末4では、ユーザが、例えば、初期画面を用いて会社IDを入力し、印刷物画像のアップロードを行う。
図3のステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)11において、デザイン検査装置1の制御部10は、端末4から会社IDを受け付ける。
S12において、制御部10(検査ルール取得部11)は、検査ルール記憶部22を参照し、受け付けた会社IDに対応する検査ルールを取得する。ここで、会社IDに対応した検査ルールが検査ルール記憶部22になければ、制御部10は、検査ルール記憶部22から基本になる検査ルールを取得する。
【0024】
S13において、制御部10(印刷物画像受付部12)は、端末4から印刷物画像を受け付ける。
S14において、制御部10(画像解析部13)は、S13の処理において受け付けた印刷物画像を解析し、データを取得する。
S15において、制御部10(検査基準確認処理部14)は、S12の処理で取得した検査ルールを参照し、S14の処理で取得したデータが検査基準値を満たすか否かを、検査項目ごとに確認する。
S16において、制御部10(検査結果画面出力部15)は、印刷物画像に対応した結果画像と、確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を、端末4に出力する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0025】
図4は、端末4に出力される検査結果画面30の例を示す。
検査結果画面30は、結果画像領域31と、結果情報領域32と、画面出力領域33とを含み、結果画像領域31と結果情報領域32とが左右に並んだ画面である。
結果画像領域31を含む検査結果画面30の左半分について、
図5を用いて説明する。
【0026】
図5に示す結果画像領域31は、ファイル名部41と、実行ボタン部42と、編集ツール部43と、プレビュー部44と、サムネイル部45とを含む。
ファイル名部41は、印刷物画像のファイル名及びバージョンを出力する領域である。
実行ボタン部42は、各種の機能を実行するためのボタンを有する領域である。「検査実行」ボタンは、例えば、
図3のS13の処理によってデザイン検査装置1に読み込まれた印刷物画像の検査を制御部10に実行させ、S14の処理を開始させるためのボタンである。また、例えば、「レポート出力」ボタンは、制御部10に後述するレポート出力を行わせるためのボタンである。「プロジェクト保存」ボタンは、制御部10に検査結果画面30に出力された状態のデータをプロジェクトとして保存するためのボタンである。
【0027】
編集ツール部43は、プレビュー部44に出力された結果画像に対してユーザによる編集を行う際に用いるツールを出力する領域である。
プレビュー部44は、結果画像を出力する領域である。プレビュー部44は、例えば、検査項目の重要度に応じて、要確認領域44aと要修正領域44bとにレベル分けがされて異なる色で出力される。また、要確認領域44aと要修正領域44bとには、いずれも異なる検出IDが対応付けられて出力される。検出IDは、検出した指摘事項を一意に識別する識別情報である。
サムネイル部45は、印刷物画像が複数のページからなる場合に、各ページのサムネイル画像を出力する領域である。サムネイル部45は、各サムネイル画像に対応して検出数領域45aを含む。検出数領域は、要修正の数と要確認の数とを出力する領域である。
【0028】
画面出力領域33は、各画面を出力させるためのボタンを有する領域である。例えば、「修正指示」ボタンは、修正指示書を画面に出力させるためのボタンであり、「レポート」ボタンは、レポートを画面に出力させるためのボタンである。「設定」ボタンは、検査ルールの変更等が可能な検査ルール設定画面を画面に出力させるためのボタンである。
【0029】
次に、結果情報領域32を含む検査結果画面30の右半分について、
図6を用いて説明する。
図6に示す結果情報領域32は、一括変換部51と、項目追加部52と、項目ツリー部53と、検出リスト部54とを含む。
一括変換部51は、検出リスト部54で選択したリストについて、一括で確認済にするためのボタンを有する領域である。
項目追加部52は、検出項目を追加する際に用いるボタンを有する領域である。
【0030】
項目ツリー部53は、検査項目をツリー状に出力した領域である。項目ツリー部53は、項目名53aと、検査数53bと、評価値53cとを有する。項目名53aには、検査ルールの検査項目名(
図2の検査ルール項目22aを参照)に対応するものであり、21の項目を出力する。そして、項目名53aには、21の項目を、見える、読める、わかる、の3つに分類して分類を出力する。検査数53bには、項目に対する検査基準を満たさなかったデータの検出数を出力する。評価値53cには、後述する評価基準を提供した検査項目の評価値を出力する。
【0031】
検出リスト部54は、検査基準を満たさなかった検査項目と、理由とを対応付けた検出リストを出力する領域である。検出リストは、各明細である明細54a,54b,54c,・・・ごとに、マーク55aと、検出ID55bと、指摘内容55cと、確認表示55dと、表示切替55eとからなる。マーク55aは、要修正又は要確認を示すものであり、サムネイル部45(
図5)の検出数領域45aに示すものと同じである。また、マーク55aは、プレビュー部44(
図5)の要確認領域44a及び要修正領域44bの色に対応した色で出力される。検出ID55bは、プレビュー部44(
図5)の要確認領域44a及び要修正領域44bに付された検出IDに対応する。指摘内容55cは、上段に、印刷物画像で用いられている情報を、下段に確認内容を記載する。確認表示55dは、確認したユーザが確認済に変更するための部材である。表示切替55eは、プレビュー部44(
図5)での要確認領域44a及び要修正領域44bの表示を非表示にしたり、非表示になっている検出箇所を表示させたりするための部材である。
【0032】
次に、端末4に出力された検査結果画面を用いた処理について説明する。
ここでは、主に、デザイン検査装置1で行う処理について説明する。
図7は、本実施形態に係るデザイン検査装置1の検査結果画面操作処理を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態に係る端末4に出力される検査ルール設定画面60の例を示す図である。
図9は、本実施形態に係る端末4に出力される検出項目追加画面35の例を示す図である。
図10は、本実施形態に係る修正指示書70の例を示す図である。
図11及び
図12は、本実施形態に係るレポート80及び90の例を示す図である。
【0033】
図7は、
図3のデザイン検査処理によって検査結果画面を出力したことに応じて、処理を開始する。
図7のS21において、制御部10(検査ルール変更処理部16)は、検査ルールの更新を受け付けたか否かを判断する。制御部10が、例えば、検査結果画面30の画面出力領域33にある設定ボタンの選択を受け付けることで、制御部10は、検査ルール設定画面を、端末4に出力する。そして、端末4のユーザが、当該画面から検査ルールの変更等を行うことで、制御部10は、検査ルールの更新を受け付けたと判断する。
【0034】
ここで、検査ルール設定画面について、
図8に基づき説明する。
図8に示す検査ルール設定画面60は、書誌情報領域61と、ルール設定領域62と、画面出力領域33とを含む画面である。
書誌情報領域61は、印刷物画像に関する書誌情報や、印刷物画像の会社の情報等を出力する領域である。
ルール設定領域62は、検査項目ごとに、自動検査基準値及び評価基準の対応付けであるルール設定明細63を有する。
ここで、ルール設定明細63の自動検査基準値や評価基準には、下線箇所があり、ユーザにより数値の設定が可能になっている。なお、評価基準では、5段階の評価の基準を指定可能になっている。
【0035】
ここで、21項目ある検査項目について、それぞれの検査項目の内容を説明する。
(項目1)本文サイズ:主に高齢者にとって見やすい、本文で最低限必要な文字サイズを規定するものであり、自動検査基準値として10ポイント以上が設定される。なお、自動検査基準値の10ポイントは、変更が可能になっている。そして、自動検査基準値を満たすか否かを検査する。
(項目2)注釈サイズ:主に高齢者にとって見やすい、注釈で最低限必要な文字サイズを規定するものであり、自動検査基準値は10ポイント以上が推奨される。なお、自動検査基準値の10ポイントは、変更が可能になっている。そして、自動検査基準値を満たすか否かを検査する。
(項目3)白内障:高齢者模擬体験眼鏡による情報保障検査の項目であり、色差明度差を満たすか否かを検査する。
【0036】
(項目4)推奨書体:書体を規定するものであり、見やすい書体であるゴシック体やUD書体であるか否か検査する。
(項目5)モノクローム:モノクローム複写による情報保障検査の項目であり、明度差を満たすか否かを検査する。
(項目6)色弱対応:CUD(カラーユニバーサルデザイン)シミュレータによる検証項目であり、色差明度差を満たすか否かを検査する。
(項目7)色数:見開き上での色数を規定する項目であり、例えば、5色以内であるか否かを検査する。
(項目8)色差・明度差:可読箇所の明度差及び色差に関する項目であり、W3Cの基準を満たすか否かを検査する。
【0037】
(項目9)スミ100%:文字色スミ(プロセスカラー(C、M、Y、K)のKである黒色)を規定する項目であり、自動検査基準値は100%になっている。なお、自動検査基準値の100%は、変更が可能になっている。そして、自動検査基準値を満たすか否かを検査する。
(項目10)行長:行長を規定する項目であり、自動検査基準値は40文字になっている。なお、自動検査基準値の40文字は、変更が可能になっている。そして、自動検査基準値を満たすか否かを検査する。
(項目11)行間:行間を規定する項目であり、自動検査基準値は0.8行になっている。なお、自動検査基準値の0.8行は、変更が可能になっている。そして、自動検査基準値を満たすか否かを検査する。
(項目12)字下げ:見出しに対して本文を字下げする等、読みやすい配慮があるか否かを検査する。
(項目13)版面率:見開き上での版面率を規定する項目であり、例えば、約70%~85%程度になっているか否かを検査する。
【0038】
(項目14)情報の区分け:情報の区分けとして、例えば、大・中・小の見出しや統一した注釈ルールを行っているか否かを検査する。
(項目15)属性デザイン:属性情報の違いによりデザイン表現が区分されているか否かを検査する。
(項目16)情報の参照:例えば、ウェブページのリンク情報等、情報の参照先が正しいか否かを検査する。
【0039】
(項目17)情報の連動:例えば、矢印の図柄の前後の情報が連動しているか否かを検査する。
(項目18)図版ピクト:ピクトグラムを用いた理解促進の工夫をしているか否かを検査する。
(項目19)文書表現:意味が伝わる文書表現をしているか否かを検査する。
(項目20)表現上の配慮:デメリット情報について表現上の配慮をしているか否かを検査する。
(項目21)文字量:文字量が適切であるか否かを検査する。文字量は、A4サイズの1ページであれば、1400文字以内が適切であると判断する指標になる。
【0040】
上記の項目1から項目21のうち、項目5から項目9までの5項目は、CUD評価項目である。
項目9と、項目12と、項目14とは、例えば、版面を構造化する技術と、自然言語処理の技術を用いることで検査が可能である。
項目15と、項目17と、項目18とは、例えば、図版を検出する技術と、自然言語処理の技術を用いることで、検査が可能である。
項目16と、項目19から項目21までは、自然言語処理の技術を用いることで、検査が可能である。
上記の項目を除く項目については、当該検査に対応したアルゴリズムを組み込みことで、検査が可能である。
【0041】
図7に戻り、検査ルールの更新を受け付けた場合(S21:YES)には、制御部10は、処理をS22に移す。他方、検査ルールの更新を受け付けていない場合(S21:NO)には、制御部10は、処理をS23に移す。
S22において、制御部10(検査ルール変更処理部16)は、検査ルールの更新処理を行う。より具体的には、制御部10は、端末4から受け付けた更新内容を含む検査ルールを、会社IDに対応付けて検査ルール記憶部に登録する。
S23において、制御部10(検出項目追加処理部17)は、検出項目を追加するか否かを判断する。制御部10(検出項目追加処理部17)は、例えば、検査結果画面30の結果情報領域32にある項目追加部52のボタンの選択を受け付けることで、例えば、結果画像領域31のプレビュー部44において、指摘したい箇所を範囲指定できるようになる。ユーザが範囲指定をすると、制御部10は、検出項目追加画面を、端末4に出力する。
【0042】
ここで、検出項目追加画面について、
図9に基づき説明する。
図9に示す検出項目追加画面35は、検出種別部36と、検査項目部37と、コメント部38と、追加ボタン39とを含む画面である。
検出種別部36は、要修正項目と要確認項目とのどちらに該当するかを選択するための部材を含む。
検査項目部37は、上記した21の項目とその他とがプルダウンリストで出力される。
コメント部38は、指摘内容として出力するコメントを入力するための領域である。
追加ボタン39は、検出項目追加画面35に入力した内容を、結果情報として追加するための部材である。
端末4のユーザが、検出項目追加画面35にしたがって検出種別部36と、検査項目部37とに対する操作を行い、コメント部38に指摘内容を入力して追加ボタン39を選択操作することで、制御部10は、検出項目を追加すると判断する。
【0043】
検出項目を追加する場合(
図7のS23:YES)には、制御部10は、処理をS24に移す。他方、検出項目を追加しない場合(S23:NO)には、制御部10は、処理をS25に移す。
S24において、制御部10(検出項目追加処理部17)は、検出項目追加処理を行う。より具体的には、制御部10は、検出項目追加画面35で受け付けた内容を、結果情報に反映させる。また、制御部10は、範囲指定をした箇所を、結果画像に反映させる。
【0044】
S25において、制御部10(レポート出力処理部18)は、レポート出力操作を受け付けたか否かを判断する。制御部10(レポート出力処理部18)は、例えば、検査結果画面30(
図5)の画面出力領域33にある「修正指示」ボタンや「レポート」ボタンの選択を受け付けることで、制御部10は、レポート出力操作を受け付けたと判断する。レポート出力操作を受け付けた場合(S25:YES)には、制御部10は、処理をS26に移す。他方、レポート出力操作を受け付けていない場合(S25:NO)には、制御部10は、処理をS27に移す。
S26において、制御部10(レポート出力処理部18)は、レポートを生成し、端末4に出力する。
【0045】
ここで、生成するレポートについて説明する。
図10は、検査結果画面30(
図5)の画面出力領域33にある「修正指示」ボタンが選択された際に出力する修正指示書70の例を示す。
修正指示書70は、会社のデザイナに対する指示のための帳票である。
修正指示書70は、印刷物画像のページの単位で、項目ごとに指摘事項を分かりやすく出力する。
図10に示す修正指示書70は、項目の1つである(項目1)の本文サイズについてのものである。同じ印刷物画像のページで複数の指摘がある場合には、項目ごとに複数ページの修正指示書が生成され、出力される。
【0046】
図11及び
図12は、検査結果画面30(
図5)の画面出力領域33にある「レポート」ボタンが選択された際に出力するレポート80及びレポート90の例を示す。
制御部10は、レポート80とレポート90とを合わせて生成をし、出力する。
レポート80及びレポート90は、印刷物画像の作成を依頼した会社に、検査結果を報告するためのものである。
図11に示すレポート80は、印刷物画像の全体の検査結果に係る帳票である。レポート80は、画像部81と、評価グラフ部82と、評価明細部83とを含む。
画像部81は、印刷物画像のサムネイルを出力する領域である。
評価グラフ部82は、21項目の検査項目ごとの評価をグラフで示す領域である。
評価明細部83は、21項目の検査項目ごとの評価内容を分かりやすく示し、評価を数値で示す領域である。
【0047】
図12に示すレポート90は、印刷物画像のページごとの検査結果に係る帳票である。レポート90は、評価部91と、改善項目部92と、画像シミュレート部93と、画像説明部94とを含む。
評価部91は、印刷物画像のうち該当のページの全体に係る検査項目ごとの評価を示す領域である。
改善項目部92は、印刷物画像のうち該当のページについて、21項目の検査項目のうち改善するべき項目と改善内容とを示す領域である。
画像シミュレート部93は、印刷物画像のうち該当のページについて、色弱者への見え方を画像として表した画像を出力する領域である。
画像説明部94は、印刷物画像のうち該当のページについて、画像上に改善項目の位置を示し、及び、内容を説明する領域である。
【0048】
図7のS27において、制御部10は、処理を終了するか否かを判断する。例えば、端末4に出力されている図示しない画面を閉じるボタンを操作することで、制御部10は、処理を終了すると判断する。処理を終了する場合(S27:YES)には、制御部10は、本処理を終了する。他方、処理を終了しない場合(S27:NO)には、制御部10は、処理をS21に移す。
【0049】
このように、本実施形態のデザイン検査装置1によれば、以下のような効果がある。
(1)検査対象の印刷物画像を解析してデータを取得し、デザインに関する検査項目と検査基準とを対応付けた検査ルールの検査項目ごとに、取得したデータが検査基準を満たすか否かを確認し、印刷物画像に対応した結果画像と、確認結果に基づく結果情報とを含む検査結果画面を、端末4に出力する。
そして、検査結果画面は、少なくとも検査基準を満たさなかった検査項目を含む結果情報を出力し、検査基準を満たさなかったデータに対応する箇所を判別可能にした結果画像を出力する。
また、検査結果画面は、結果画像と結果情報とを並べて配置した画面である。
よって、デザインに関する検査結果を、結果画像と結果情報とを用いて分かりやすく示すことができる。
特に、結果画像と結果情報とが並べて配置されているので、両者の情報を比較しながら見る作業を、容易に行うことができる。
【0050】
(2)検査結果画面の結果情報は、検査基準を満たさなかったデータの検出数を、検査項目に対応付けた情報をさらに含む。
よって、検査項目ごとに、検査基準を満たさなかったデータの検出数を知ることができる。
(3)検査ルールは、検査項目に評価基準がさらに対応付けられ、検査結果画面の結果情報は、確認結果を評価基準に適用した、検査項目の評価に関する情報をさらに含む。
よって、検査項目ごとに、検査項目の評価を知ることができる。
【0051】
(4)印刷物画像におけるテキスト領域と画像領域とを認識して、認識したテキスト領域のテキストを結合し、結合後テキストと画像領域の画像とを含むデータを取得する。
よって、印刷物画像に含まれるテキストと画像との両方のデータを得ることができる。また、テキストは、一連の意味のある文と認識した状態のデータを得ることができる。
【0052】
(5)結果画像におけるユーザの操作に対応した、所定範囲の入力を受け付け、検査項目及び指摘内容を受け付けると、受け付けた指摘内容を結果情報として出力し、受け付けた所定範囲を、結果画像に判別可能に出力する。
よって、検出項目をユーザが追加することができ、追加した検出項目とその内容を、他の結果情報や結果画像と同様に、検査結果画面に出力させることができる。
【0053】
(6)結果画像と結果情報とを含むレポートを出力するので、デザイナや印刷物画像の作成を依頼した会社に、印刷物画像に対する検査結果を分かりやすくレポートとして示すことができる。
【0054】
(7)検査ルールの検査基準に係る値を受け付けたことに応じて、受け付けた検査基準に係る値を、検査項目に対応付けて検査ルール記憶部22に登録する。そして、検査ルール記憶部22に記憶された検査ルールを用いて、印刷物画像を解析して得たデータを確認する。
よって、検査ルールを、ユーザがカスタマイズをすることができる。
【0055】
(8)検査ルールの検査項目は、文字サイズ、文字フォント、文字数及び色に関する項目を含む、ユニバーサルデザインに対応したものであるので、検査結果は、ユニバーサルデザインに対応したものであるか否かを示すものにできる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0057】
(変形形態)
(1)本実施形態では、端末4からデザイン検査装置1に対してアクセスして処理を行うものを例に説明したが、これに限定されない。デザイン検査装置は、入力部と表示部とを備えたスタンドアロンのパーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
【0058】
(2)本実施形態では、修正指示書とレポートとを作成して出力するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、デザイナが会社で雇用されている人である場合等、デザイナと会社とが一体である場合には、レポート又は修正指示書のいずれか一方を作成して出力すればよい。
【0059】
(3)本実施形態では、結果画像や結果情報の出力の際に、要修正と要確認とを識別して出力するものを例に説明した。要修正と要確認とは、検査項目の重要度に応じて設定されるものであるとしたが、これに限定されない。例えば、検査結果における指摘内容の重要度に応じて設定されるものであってもよい。その際、指摘内容の重要度を、例えば、評価基準をもとに決定してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 デザイン検査装置
4 端末
10 制御部
11 検査ルール取得部
12 印刷物画像受付部
13 画像解析部
14 検査基準確認処理部
15 検査結果画面出力部
16 検査ルール変更処理部
17 検出項目追加処理部
18 レポート出力処理部
20 記憶部
21a デザイン検査プログラム
22 検査ルール記憶部
22a 検査ルール項目
30 検査結果画面
31 結果画像領域
32 結果情報領域
35 検出項目追加画面
60 検査ルール設定画面
70 修正指示書
80,90 レポート
100 デザイン検査システム